本発明は、ガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体の内部に、ガラスセラミック絶縁層と同時焼成されて形成されるとともに内部にコイル用導体が埋設された、インダクタンス値を上げるためのフェライト層が設けられたガラスセラミック基板に関する。
従来、携帯電話機を始めとする移動体通信機器等の電子機器には、多数の電子装置が組み込まれている。かかる携帯電話機等の通信機器は、近年小型化が急激に進んでおり、これに搭載される各種電子装置も小型化、薄型化が要求されている。例えば、ガラスセラミック基板の内部にコイルを内蔵した構成のLCフィルタが知られている。このLCフィルタの場合、従来チップ部品のコイルを用いていたのをガラスセラミック基板の内部に内蔵することで小型化、薄型化ができるという利点を有する。
しかしながら、コイルを内蔵したガラスセラミック基板では、非磁性のガラスセラミック基板内にコイルを形成するため100nHを超えるコイルの内蔵は困難であった。そこで、近年ではガラスセラミック基板の内部にフェライト層を内蔵させることにより100nHを超えるコイルを内蔵することができ、これにより表面実装工程の簡略化およびガラスセラミック基板の小型化が図られている。これらの方法では、ガラスセラミック基板の内部にフェライト層を形成するために、フェライト層とガラスセラミック絶縁層を同時焼成している。
一方、これらガラスセラミック基板を焼成する際、電気炉焼成よりも焼成時間が短縮でき、かつエネルギー効率が向上するといった理由から、近年、電気炉焼成に替わって特許文献3に示されるようなマイクロ波焼成が注目されつつある。
マイクロ波焼成は、電気炉焼成が外部からの伝熱によって被焼成物の表面から内部へ向けて加熱され焼成されるのに対し、照射されたマイクロ波によって被焼成物が自己発熱するので被焼成物を効率良く加熱することができ、被焼成物の表面と内部に温度勾配が生じにくくなることから、被焼成物の表面と内部の焼成のタイミングをほぼ同じとすることができる。このような特徴を有するマイクロ波焼成は、内部に誘電体層を持つ配線基板等の焼成においては、誘電率の高い誘電体層を選択的に焼結させることができる等の理由により、電気炉焼成では誘電体部分の焼結性が悪くなることから、焼結性向上のため利用が検討されている。
特開平6−20839号公報
特開平6−21264号公報
特開平10−149941号公報
従来の構成では、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との同時焼成において、フェライト層の熱膨張係数とガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数とが異なるため、同時焼成過程においてフェライト層に応力がかかることにより磁歪が発生し、フェライト層の透磁率が急激に低下する問題があった。
また、透磁率の低下を防ぐためにフェライト層を厚く形成すると、焼成後のフェライト層が剥離しやすくなるという問題点があった。これは、焼成時の収縮および熱膨張係数がフェライト層とガラスセラミック絶縁層とで異なるためであり、フェライト層が多量に形成されれば剥離の発生は顕著になる。そこで、フェライト層とガラスセラミック絶縁層とを同時焼成により密着させるために、またそれぞれの熱膨張係数を合わせるために、フェライト層にガラス粉末またはガラスセラミック粉末を添加しなければならなかった。
しかしながら、フェライト層に添加されるガラス粉末やガラスセラミック粉末は非磁性体であるため、これらはフェライト層中に非磁性の空間を形成することとなり、フェライト層中のフェライトの密度が低下してしまうという問題点があった。
一般的に、フェライト等の磁性体の磁気特性は透磁率(μ)を指標として表される。透磁率が高ければ、コイルのインダクタンスが高くなる。ただし、透磁率は磁性体中に非磁性部分が存在するとその非磁性部分の体積の3乗に比例して低下する。よって、前述のようにフェライト層にガラス粉末やガラスセラミック粉末を添加すると、フェライト層の透磁率が急激に低下してコイルのインダクタンスが低くなる問題点があった。
さらに、上記のいずれのフェライト層の形成手法においても、フェライト層の厚みを再現性良く均一に形成することが困難であるという問題があった。通常、フェライト層のガラスセラミックグリーンシート上への形成にはフェライトペーストをスクリーン印刷する手法がとられているが、これでは同じようにして作製したガラスセラミック基板のフェライト層間および同じガラスセラミック基板内の異なるフェライト層間でも厚みがばらついてしまうという問題点があった。また、局所的に厚みの薄いフェライト層が形成されれば、その部分はコイルのインダクタンスが充分に得られないので、これを回避するためにはフェライト層の厚みを必要以上に厚くする必要があるが、フェライト層を厚く形成することは前述のように焼成時の剥離を促進してしまうという問題点もあった。
以上のような理由から、絶縁基体の内部のフェライト層は微小体積または低密度のものしか形成できず、また同じように作製したガラスセラミック基板間でのコイルのインダクタンスのばらつきもあり、フェライト層を用いて充分なコイル特性を持ったガラスセラミック基板を安定して得ることが困難であるという問題点があった。
また、フェライト層を複数のガラスセラミック絶縁層から成る絶縁基体および配線導体と同時焼成によって形成する際に、透磁率を高くするためにフェライト層を更に高い密度で焼成しようとした場合、電気炉での焼成ではフェライトの緻密化に限界が生じるという問題点もあった。
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、透磁率の高いフェライト層を備えており、そのフェライト層に内蔵されたコイル用導体のインダクタンスが高くかつ安定しているガラスセラミック基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明のガラスセラミック基板は、ガラスおよびフィラーからなるガラスセラミック絶縁層が複数層積層されて成る絶縁基体の内層に、前記ガラスセラミック絶縁層と同時焼成されて形成されるとともに内部にコイル用導体が埋設された、前記ガラスセラミック絶縁層と同じ大きさのフェライト層が、前記ガラスセラミック絶縁層との間に絶縁層および焼結金属層の少なくとも1種からなる厚みが10μm以上の介在層を介在させて形成されているガラスセラミック基板であって、前記フェライト層は、前記ガラスセラミック絶縁層のガラスおよびフィラーよりも熱膨張係数が高く、前記絶縁層は、前記ガラスセラミック絶縁層よりも熱膨張係数が高いガラスおよび前記フェライト層に含有されるフェライトと同じフェライトを含有し、前記焼結金属層は、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属およびガラスを含有しており、前記絶縁層および前記焼結金属層は、前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数よりも熱膨張
係数が大きく、かつ前記フェライト層の熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さく、前記ガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度をそれぞれT1およびT2とし、前記フェライト層の焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度をそれぞれT3およびT4としたとき、T3<T1かつT2<T4であり、前記ガラスセラミック基板の焼成時に前記ガラスセラミック絶縁層が前記フェライト層の積層面に平行な方向の収縮を拘束することを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック基板は、上記構成において好ましくは、前記フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成ることを特徴とするものである。
また、本発明のガラスセラミック基板は、上記構成に置いて好ましくは、前記絶縁層に含有されるガラスの軟化温度および結晶化温度をそれぞれT5およびT6とし、前記ガラスセラミック絶縁層に含有されるガラスの軟化温度をT7とし、前記フェライト層の焼結開始温度をT8としたときT5<T8かつT7<T6であることを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、上記本発明のガラスセラミック基板の製造方法であって、複数枚のガラスセラミックグリーンシートと、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種を含む、前記ガラスセラミックグリーンシートと同じ大きさの、間にコイル用導体を配置した少なくとも2枚のフェライトグリーンシートとを、前記ガラスセラミック絶縁層よりも熱膨張係数が高いガラスおよび前記フェライト層に含有されるフェライトと同じフェライト仮焼粉末を含有する絶縁ペースト層、およびCu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属粉末およびガラス粉末を含有する金属ペースト層の少なくとも1種を介して積層するとともに、最上層および最下層を前記ガラスセラミックグリーンシートとしたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシート積層体から有機成分を除去した後に焼成する工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、上記本発明のガラスセラミック基板の製造方法であって、複数枚のガラスセラミックグリーンシートと、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種を含む、前記ガラスセラミックグリーンシートと同じ大きさの、間にコイル用導体を配置した少なくとも2枚のフェライトグリーンシートとを、前記ガラスセラミック絶縁層よりも熱膨張係数が高いガラスおよび前記フェライト層に含有されるフェライトと同じフェライト仮焼粉末を含有する絶縁ペースト層、およびCu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属粉末およびガラス粉末を含有する金属ペースト層の少なくとも1種を介して積層するとともに、最上層および最下層を前記ガラスセラミックグリーンシートとしたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に、難焼結性無機材料とガラスと有機バイン
ダとを含む拘束グリーンシートを積層する工程と、前記拘束グリーンシートと前記ガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体から有機成分を除去した後に焼成して拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製する工程と、前記ガラスセラミック基板から前記拘束シートを除去する工程とを含み、前記拘束グリーンシートのガラス含有量が、前記焼成時に前記拘束グリーンシートを前記ガラスセラミックグリーンシートと結合させかつ前記拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量であることを特徴とするものである。
また、本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、前記ガラスセラミック基板の製造方法において、前記ガラスセラミックグリーンシート積層体または前記拘束グリーンシートと前記ガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体をマイクロ波吸収性の筐体で囲うとともに、該筐体を通して前記ガラスセラミックグリーンシート積層体または前記拘束グリーンシートと前記ガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体にマイクロ波を照射することにより、有機成分の除去および焼成を行うことを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック基板によれば、フェライト層中に磁性を持たない空間を形成するガラス成分を含有しないため、フェライト層の透磁率の低下を抑えることができる。また、ガラスセラミック絶縁層よりも熱膨張係数が高いガラスおよびフェライト層に含有されるフェライトと同じフェライトを含有する絶縁層、およびCu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属およびガラスを含有する焼結金属層のうち少なくとも1種からなる厚みが10μm以上の介在層を、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との間に介在させたことから、ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数よりも熱膨張係数が大きく、かつフェライト層の熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さい絶縁層および焼結金属層によって、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との熱膨張差により生じる応力を緩和することができ、磁歪によるフェライト層の透磁率の低下を抑えることができる。
また、フェライト層と、絶縁層および焼結金属層のうち少なくとも1種類からなる介在層とが、ガラスセラミック絶縁層および配線導体との同時焼成によって形成されることから、フェライト層および介在層とガラスセラミック絶縁層および配線導体との十分な密着性を得ることができる。さらに、ガラスセラミック絶縁層と同じ大きさのフェライト層が、フェライトグリーンシートを焼結させて形成されており、内部にコイル用導体が埋設されることによってフェライト層によるコイル用導体のインダクタンスを高く安定して保持することが可能となる。
また、ガラスセラミック基板が焼成収縮挙動の異なる2種のガラスセラミック絶縁層およびフェライト層を積層して成ることから、一定の焼成温度領域において、ガラスセラミック絶縁層およびフェライト層がお互いの収縮を抑制して、熱応力を抑えつつ焼結する効果も有している。
本発明のガラスセラミック基板によれば、フェライト層を形成するフェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成る場合、これらのフェライトの結晶相は高い透磁率を発現することから、これらのフェライトから成るフェライト層によってより効果的にコイル用導体のインダクタンスを高くすることが可能な十分に高い透磁率を得ることができる。
また、本発明のガラスセラミック基板によれば、ガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度をそれぞれT1およびT2とし、フェライト層の焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度をそれぞれT3およびT4としたとき、T3<T1かつT2<T4であるものとした場合、フェライトグリーンシートの焼成収縮開始温度T3がガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度T1よりも低いために、フェライトグリーンシートはガラスセラミックグリーンシートよりも先に焼結して収縮しようとするものの、ガラスセラミックグリーンシートはその焼成収縮開始温度T1がフェライトグリーンシートの焼成収縮開始温度T3よりも高いために未焼結の状態にあり、収縮がほとんど起こらないこととなる。そのため、フェライトグリーンシートとガラスセラミックグリーンシートとが密着して積層されている積層体においては、フェライトグリーンシートはその厚み方向には収縮するものの、厚み方向に対して直角な方向、すなわち積層面に平行な方向には収縮しようとしてもガラスセラミックグリーンシートによってその動きが拘束されるため、ほとんど収縮が起こらないものとなる。
また、フェライトグリーンシートの焼成収縮終了温度T4がガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度T2よりも高いために、フェライトグリーンシートはすでに焼結されたガラスセラミックグリーンシートによりその動きが拘束されるために積層面に平行な方向にはほとんど収縮が起こらず、厚み方向にのみ収縮が起こることとなる。そのため、積層体の焼成による収縮は厚み方向が主となって、積層面に平行な方向では収縮がほとんど発生しないものとなる。その結果、層間接続の不良や電極パターンの位置ずれの発生を抑えることができる。
また、本開発のガラスセラミック基板によれば、絶縁層に含有されるガラスの軟化温度および結晶化温度をそれぞれT5およびT6とし、ガラスセラミック絶縁層に含有されるガラスの軟化温度をT7とし、前記フェライト層の焼結開始温度をT8としたとき、T5<T8かつT7<T6であるものとした場合、絶縁層に含有されるガラスの軟化温度T5がフェライトグリーンシートの焼結開始温度T8よりも低いために、フェライト層が焼結を開始するより早く絶縁層に含有されるガラスがフェライト層に拡散し液相としてフェライト層の焼結を促進させるため、絶縁層とフェライト層の界面に強固な接合界面を形成することができる。さらに、絶縁層に含有されるガラスの結晶化温度T6がガラスセラミック絶縁層に含有されるガラスの軟化温度T7よりも高いために、ガラスセラミック絶縁層内に拡散した接合層に含有されるガラスがガラスセラミック絶縁層に含有されるガラスと同時に液相として存在するため、互いの濡れ性が良くガラスセラミック絶縁層の焼結を促進させ絶縁層とガラスセラミック絶縁層の界面に強固な接合界面を形成することができる。
本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、上記本発明のガラスセラミック基板の製造方法であって、複数枚のガラスセラミックグリーンシートと、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種を含む、ガラスセラミックグリーンシートと同じ大きさの、間にコイル用導体を配置した少なくとも2枚のフェライトグリーンシートとを、ガラスセラミック絶縁層よりも熱膨張係数が高いガラスおよびフェライト層に含有されるフェライトと同じフェライト仮焼粉末を含有する絶縁ペースト層、およびCu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属粉末およびガラス粉末を含有する金属ペースト層の少なくとも1種を介して積層するとともに、最上層および最下層をガラスセラミックグリーンシートとしたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、ガラスセラミックグリーンシート積層体から有機成分を除去した後に焼成する工程とを有することから、高い透磁率を発現するフェライトから成るフェライト層が透磁率の低下が抑えられて内蔵されるガラスセラミック基板を得ることができ、これらのフェライトから成るフェライト層によってより高いインダクタンスを有するコイル用導体を内蔵したガラスセラミック基板を得ることができる。
また、ガラスセラミック基板の焼成時に生じる積層面に平行な方向の収縮を抑え、またフェライト層の変形を防止することができ、焼成時に熱収縮の異なるフェライト層が形成されたガラスセラミックグリーンシート積層体を変形させることなく、絶縁基体内の複数のガラスセラミック絶縁層と配線導体およびフェライト層とを同時焼成することができる。
さらに、本発明のガラスセラミック基板の製造方法によれば、上記の各工程を含み、ガラスセラミックグリーンシート積層体の両面に積層した拘束グリーンシートのガラス含有量が、焼成時に拘束グリーンシートをガラスセラミックグリーンシートと結合させかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量であることから、拘束グリーンシートによりガラスセラミック基板を焼成時に生じる積層面に平行な方向で実質的に収縮させず、さらに精度よくガラスセラミック基板の焼成時に生じる積層面に平行な方向の収縮を抑え、またフェライト層の変形を防止することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板の製造方法によれば、ガラスセラミックグリーンシート積層体または拘束グリーンシートとガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体をマイクロ波吸収性の筐体で囲うとともに、該筐体を通してガラスセラミックグリーンシート積層体または拘束グリーンシートとガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体にマイクロ波を照射することにより、有機成分の除去および焼成を行うとしたことから、マイクロ波の自己発熱効果により、ガラスセラミックグリーンシートや拘束グリーンシートよりも誘電率が高くマイクロ波吸収性の高いフェライト層が優先的に焼結される。その結果、フェライト層をより一層高密度に焼結させることが可能となり、高い透磁率を発現するフェライトから成るフェライト層が透磁率の低下が抑えられて内蔵されるガラスセラミック基板を得ることができる。従って、これらのフェライトから成るフェライト層によってより高いインダクタンスを有するコイル用導体を内蔵したガラスセラミック基板を得ることができる。さらに、ガラスセラミック基板の厚みが厚くなれば、マイクロ波による自己発熱の効果がより一層顕著になる。
また、被焼成物をマイクロ波吸収性の筐体で囲うとともに、筐体を通して被焼成物にマイクロ波を照射し、有機成分の除去および焼成を行うことにより、被焼成物が自己発熱するため外部加熱の依存性が小さくなり、焼成時に製品の容量による制限を受けにくくなるため、焼成容量の大容量化が可能になる。
以上により、本発明によれば、透磁率の高いフェライト層を備えており、コイル導体のインダクタンスが高くかつ安定しているガラスセラミック基板およびその製造方法を提供することができる。
本発明を添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。図1は本発明のガラスセラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は複数のガラスセラミック絶縁層6から成る絶縁基体、2はフェライト層、3はコイル用導体を含む配線導体、4は絶縁層、5は焼結金属層、6はガラスセラミック絶縁層である。また、図2(a)は、本発明のセラミック多層配線基板の製造方法について実施の形態の一例を示すものであり、本発明のセラミック多層配線基板の製造方法において使用するマイクロ波焼成炉9の平面図である。図2(b)は(a)のA−A’線における断面図、図2(c)は(a)のB−B’線における断面図である。図2(a)〜(c)において、7は被焼成物、8はマイクロ波吸収性の筺体、9はマイクロ波焼成炉、10は炉壁、11は断熱壁、12はマイクロ波吸収壁、13はマイクロ波吸収性の棚板、14は台座、15は焼成雰囲気ガス供給用ノズル、16は焼成雰囲気ガス、17は開口部である。
本発明の絶縁基体1は、複数のガラスセラミック絶縁層6が積層されて構成されており、その内層に配線導体3が埋設されたフェライト層2が、絶縁層4、焼結金属層5を介して形成されている。
絶縁基体1は、ガラスセラミック絶縁層6となるガラスセラミックグリーンシートおよびフェライト層2となるフェライトグリーンシートを製作し、これらのガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートに配線導体3となる導体ペースト、絶縁層4となる絶縁ペーストおよび焼結金属層5となる焼結金属ペーストを印刷した後、これらのガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートを複数枚積層し、
大気中または加湿窒素雰囲気中にて、800〜1100℃の温度で焼成して作製される。
ガラスセラミック絶縁層6は、まず、ガラス粉末およびフィラー粉末(セラミック粉末)、さらに有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってガラスセラミック絶縁層6となるガラスセラミックグリーンシートを製作し、このガラスセラミックグリーンシート複数枚でフェライト層2を挟んで積層する。
ガラス粉末としては、例えばSiO2−B2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は上記と同じである),SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi,NaまたはKを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
また、フィラー粉末としては、例えばAl2O3,SiO2,ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物や、TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等を用いることができる。
配線導体3は、絶縁基体1の表面、内部およびフェライト層2の内部に形成されており、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート表面およびフェライトグリーンシート表面に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
絶縁層4は、配線導体3の上下面を覆うフェライト層2とガラスセラミック絶縁層6との間に形成されており、ガラスセラミック絶縁層6よりも熱膨張係数が高いガラス粉末およびフェライト層2に含有されるフェライト粉末を配合し、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した絶縁ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート上のフェライト層2が載置される位置に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
なお、絶縁層4のフェライト粉末は、フェライト層2のフェライト粉末と同様であり、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4,CuFe2O4等を用いることができる。
また、絶縁層4のガラス粉末は、ガラスセラミック絶縁層6のガラスセラミックスと同様のものを用いることができ、例えばSiO2−B2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は上記と同じである),SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi,NaまたはKを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
さらに、絶縁層4に含有されるガラスは軟化温度がフェライト層2の焼結開始温度より低く、かつ結晶化温度がガラスセラミック絶縁層6に含有されるガラスの軟化温度より高いものを用いるとフェライト層2が焼結を開始するより早く絶縁層4に含有されるガラスがフェライト層2に拡散し液相としてフェライト層2の焼結を促進させるため、絶縁層4とフェライト層2の界面に強固な接合界面を形成し、かつガラスセラミック絶縁層6内に拡散した接合層に含有されるガラスがガラスセラミック絶縁層6に含有されるガラスと同時に液相として存在するため、互いの濡れ性が良くガラスセラミック絶縁層6の焼結を促進させ絶縁層4とガラスセラミック絶縁層6の界面に強固な接合界面を形成するので望ましい。
介在層としての絶縁層4は、10μm以上の厚みで形成する。厚みが10μm未満であると、応力緩和が不十分となり磁歪が発生することにより透磁率が低下しやすい。ただし、絶縁層4の厚みはガラスセラミック基板全体を厚くしない程度、例えば50μm以下であることが好ましい。
介在層としての焼結金属層5は、配線導体3の上下面を覆うフェライト層2とガラスセラミック絶縁層6との間に形成されており、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属の金属粉末にガラス粉末を配合し、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した金属ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート上のフェライト層2が載置される位置に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
なお、焼結金属層5のガラス粉末は、ガラスセラミック絶縁層6のガラスセラミックスと同様のものを用いることができ、例えばSiO2−B2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3系,SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は上記と同じである),SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi,NaまたはKを示す),SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
また、焼結金属層5は配線導体3と同じ組成であってもよく、配線導体3の一部を焼結金属層5として用いてもよい。
焼結金属層5は、10μm以上の厚みで形成する。厚みが10μm未満であると、応力緩和が不十分となり磁歪が発生することによりフェライト層2の透磁率が低下しやすい。ただし、焼結金属層5の厚みはガラスセラミック基板全体を厚くしない程度、例えば50μm以下であることが好ましい。
フェライト層2は、配線導体3の上下面を覆うようにして、絶縁基体1の内層に配線導体3とともに形成されている。このフェライト層2には、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成るフェライトを用いることが、十分に高い透磁率を得られる点で好ましい。
フェライト層2の形成は、まずフェライト粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってフェライトグリーンシートを製作する。次に、このフェライトグリーンシートを所定の配線導体3を覆うものとしてガラスセラミックグリーンシートと平面視で同じ大きさの同形状にカットし、ガラスセラミックグリーンシート積層体の内部に、間に配線導体3となる導体パターンを配置して、その配線導体3の上面および下面を覆うようにして積層する。
このとき、効果的にコイル用導体のインダクタンスを高くするためには、配線導体3の上下面をフェライト層2で完全に覆う必要がある。よって、そのような配線導体3およびフェライト層2を形成するためには、所定のガラスセラミックグリーンシートの表面に、下面のフェライト層2となるフェライトグリーンシート,配線導体3となる導体ペーストのパターン,上面のフェライト層2となるフェライトグリーンシートの順番に各層を配置して積層するとよい。
フェライト層2となるフェライトグリーンシートを形成するのに用いるフェライト粉末は、仮焼済みのフェライト粉末で、粒径が均一で球形状に近い粒が望ましい。これは、均一な焼結状態を得ることができるからであり、例えばフェライト粉末で部分的に小さい粒径が存在した場合は、その部分のみ結晶粒の成長が低下してしまい、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しにくい傾向がある。
本発明のガラスセラミック基板の製造方法においては、まず、フェライト層2および配線導体3を前述の要領でガラスセラミックグリーンシートの複数枚とともに積層してガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する。
そして、このガラスセラミックグリーンシート積層体から有機成分を除去した後に焼成する。有機成分の除去は、ガラスセラミックグリーンシート積層体に荷重をかけつつ100〜800℃の温度範囲でガラスセラミックグリーンシート積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解し揮散させるとよい。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約800〜1100℃の範囲内である。焼成は通常は大気中で行なうが、配線導体3の導体材料にCuを使用する場合、100〜700℃の加湿窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、次いで窒素雰囲気中で焼成を行なう。
また、有機成分の除去時および焼成時には、ガラスセラミックグリーンシート積層体の反りを防止するために、その上面に重しを載せる等して荷重をかけるとよい。このような重しによる荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が50Pa未満である場合は、ガラスセラミックグリーンシート積層体の反りを抑制する作用が充分でなくなる傾向がある。また、荷重が1MPaを超える場合は、使用する重しが大きくなるため、焼成炉に入らなくなったり、また焼成炉に入っても重しが大きいために熱容量が不足することになり焼成できなくなったりする等の問題をひき起こすおそれがある。
この重しとしては、ガラスセラミック基板の焼成中に変形,溶融等して荷重が不均一になったり、分解した有機成分の揮散を妨げたりすることがないような耐熱性の多孔質のものが適している。具体的には、セラミックス等の耐火物、あるいは高融点の金属等が挙げられる。また、ガラスセラミックグリーンシート積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多孔質の重しを置いてもよい。
さらに、拘束グリーンシートを用いたガラスセラミック基板の製造方法においては、まず、フェライト層2および配線導体3を前述の要領でガラスセラミックグリーンシートの複数枚とともに積層するとともに、最上層および最下層をガラスセラミックグリーンシートとしたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する。
次に、ガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に、難焼結性無機材料とガラスと有機バインダとを含む拘束グリーンシートを積層する。
そして、この拘束グリーンシートとガラスセラミックグリーンシート積層体との積層体から有機成分を除去し、次いで焼成して拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製し、最後にこのガラスセラミック基板から拘束シートを除去する。
本発明における拘束グリーンシートは、難焼結性無機材料とガラスとから成る無機成分に有機バインダ,可塑剤,溶剤等を加えたスラリーを成形して得られる。難焼結性無機材料としては、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
拘束グリーンシートに加えられるガラスについても、特に制限されるものではなく、前述のガラスセラミックグリーンシートに配合されるガラスと同様のものが使用可能である。また、拘束グリーンシート中のガラスは、ガラスセラミックグリーンシート中のガラスと同じ組成のものであってもよく、異なる組成のものであってもよい。
拘束グリーンシート中のガラス含有量は、この拘束グリーンシート中の全無機成分の0.5〜15重量%であるのがよい。この範囲が焼成時にガラスセラミックグリーンシートと結合しかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量となるが、必ずしもこの範囲に制限されるものではなく、使用するガラスの種類等によってガラス含有量は変化する。
拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は、ガラスセラミックグリーンシート積層体の焼成温度以下で、かつ拘束グリーンシート中の有機成分の分解温度および揮散温度よりも高いのが好ましい。具体的には、拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は450〜1100℃程度であるのが好ましい。ガラスの軟化点が450℃未満の場合には、ガラスセラミックグリーンシートからの有機成分の除去時に、軟化したガラスが、分解、揮散した有機成分の除去経路を塞ぐことになり、有機成分を完全に除去できないおそれがある。一方、ガラスの軟化点が1100℃を超える場合には、通常のガラスセラミックグリーンシートの焼成条件ではこのガラスセラミックグリーンシートへの結合材として作用しなくなるおそれがある。
拘束グリーンシートは、ガラスセラミックグリーンシートの作製と同様にして、有機バインダ,可塑剤,溶剤等を用いて成形することによって得られる。有機バインダ,可塑剤,溶剤としては、ガラスセラミックグリーンシートで使用したのと同様な材料が使用可能である。ここで、可塑剤を添加するのは、拘束グリーンシートに可撓性を付与し、積層時にガラスセラミックグリーンシートとの密着性を高めるためである。
ガラスセラミックグリーンシート積層体の両面に積層される拘束グリーンシートの厚さは、片面だけでガラスセラミックグリーンシート積層体の厚さに対して10%以上であるのが好ましく、これよりも薄いと拘束グリーンシートの拘束性が低下するおそれがある。また、有機成分の揮散を容易にしかつガラスセラミック基板からの拘束シートの除去を考慮すると、拘束グリーンシートの厚さはガラスセラミックグリーンシート積層体の厚さの約200%以下であるのがよい。また、積層される拘束グリーンシートは1枚のシートからなるものであってもよく、あるいは所定の厚みになるように複数枚を積層したものであってもよい。
成形された拘束グリーンシートをガラスセラミックグリーンシート積層体の両面に積層するには、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法や、有機バインダ,可塑剤,溶剤等からなる密着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。グリーンシート間に密着剤層を介在させる場合には、この密着剤層に拘束グリーンシートと同じガラス成分を含有させてグリーンシート間の結合力を高めるようにしてもよい。
拘束グリーンシートを積層した後、有機成分の除去と焼成を行なう。有機成分の除去は、積層体に荷重をかけつつ100〜800℃の温度範囲で積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解し揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、約800〜1100℃の範囲内である。焼成は大気中で行なうが、導体材料にCuを使用する場合には、100〜700℃の加湿窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、次いで窒素雰囲気中で焼成を行なう。
また、有機成分の除去時ならびに焼成時には、積層体の反りを防止するために、積層体の上面に重しを載せる等して荷重をかけるとよい。このような重しによる荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が50Pa未満である場合は、積層体の反りを抑制する作用が充分でなくなるおそれがある。また、荷重が1MPaを超える場合は、使用する重しが大きくなるため、焼成炉に入らなくなったり、また焼成炉に入っても重しが大きいために熱容量が不足することになり焼成できなくなったりする等の問題をひき起こすおそれがある。
この重しとしては、ガラスセラミック基板の焼成中に変形、溶融等して荷重が不均一になったり、分解した有機成分の揮散を妨げたりすることがないような耐熱性の多孔質のものが適している。具体的には、セラミックス等の耐火物、あるいは高融点の金属等が挙げられる。また、積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多孔質の重しを置いてもよい。
焼成後、拘束シートを除去する。除去方法としては、ガラスセラミック基板の表面に結合した拘束シートを除去できる方法であれば特に制限はなく、例えば超音波洗浄,研磨,ウォータージェット,ケミカルブラスト,サンドブラスト,ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられる。
得られたガラスセラミック基板は、焼成時の収縮が拘束グリーンシートによって厚さ方向だけに抑えられているので、その積層面内の収縮をおよそ0.5%以下にも抑えることが可能となり、しかも、ガラスセラミックグリーンシートは拘束グリーンシートによって全面にわたって均一にかつ確実に結合されているので、拘束グリーンシートの一部剥離等によってガラスセラミック基板の反りや変形が起こるのを効果的に防止することができる。
また、マイクロ波を照射することにより有機成分の除去および焼成を行うガラスセラミック基板の製造方法においては、図2(a)に示すように、被焼成物をマイクロ波吸収性の筐体8中に配置し、この筐体8を通して被焼成物7にマイクロ波を照射することにより、有機成分の除去および焼成を行う。得られたガラスセラミック基板は、マイクロ波による自己発熱効果により、緻密化が促進される。
また、本発明のガラスセラミック基板の製造方法において、被焼成物7がマイクロ波吸収性の筐体8で囲われている。被焼成物7がマイクロ波吸収性の筐体8で囲われていることにより、筐体8自身も自己発熱し、被焼成物7からの放熱を防止することができる。このとき、筐体8のマイクロ波吸収性はフェライト層2のマイクロ波吸収性と同じか、もしくは高い方が良い。この場合、フェライト層2からの放熱が少なくなり、筐体8内の熱バランスが均一となり、フェライト層2が緻密化し、かつガラスセラミック基板に反りや変形が起こるのを効果的に防止することができる。一方、筐体8のマイクロ波吸収性がフェライト層2のマイクロ波吸収性より低い場合、筐体8とフェライト層2との温度差が大きくなり、フェライト層2からの放熱を防止できなくなる。その結果、フェライト層2の密度が低くなったり、ガラスセラミック基板に反りが発生する可能性がある。
本実施例1では、図3の断面図で示すような、外径20mm,内径5mmのリング形状の評価用試験片を作製し、透磁率を測定した。なお、図3において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、2はフェライト層、4は絶縁層、6はガラスセラミック絶縁層である。透磁率の測定はインピーダンスアナライザー「HP−4291A」(ヒューレットパッカード社製)を用い、高周波電流電圧法にて測定した。
まず、ガラスセラミックス成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60重量%,CaZrO3粉末20重量%,SrTiO3粉末17重量%およびAl2O3粉末3重量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に対して、有機バインダとしてアクリル樹脂12重量部,フタル酸系可塑剤6重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミックグリーンシートを成形した。
次に、フェライトグリーンシートとして平均粒径0.5〜1μmのZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成される透磁率150.0の仮焼済みのフェライト粉末に、ブチラール樹脂10重量%、高分子量のアルコールを希釈剤として45重量%添加し、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ80μmのフェライトグリーンシートを成形した。
次に、絶縁ペーストとしてガラスセラミックスに含有されるガラス粉末と同じSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末30質量%,フェライトグリーンシートグリーンシートに含有されるフェライト粉末と同じ平均粒径0.5〜1μmのZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成されるフェライト粉末70質量%を用い、所定量のエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合し作製した。
なお、ガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシート,拘束グリーンシートは、ともに透磁率の評価用試験片形状である外径20mm,内径5mmのリング形状に加工しておいた。
まず、ガラスセラミックグリーンシートの所定枚数を重ね合わせ、その上に絶縁ペースト層を全面に塗布し乾燥を行なった。絶縁ペースト層は20μmの厚みとした。その後、乾燥した絶縁ペースト層上にフェライトグリーンシートを重ね合わせ、さらに、その上に絶縁ペースト層を全面に塗布し乾燥を行なった。絶縁ペースト層は20μmの厚みとした。その後、乾燥した絶縁ペースト層上にガラスセラミックグリーンシートの所定枚数を重ね合わせ、温度55℃,圧力20MPaで圧着してガラスセラミック積層体を得た。
得られたガラスセラミック積層体をアルミナセラミックスのセッターに載置し、その上にアルミナセラミックスのセッターと同一成分から成る重しを載せて約0.5MPaの荷重をかけつつ大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中にて900℃で1時間焼成した。
得られたガラスセラミック基板は内層の全面にフェライト層2が形成されているものの、ガラスセラミック基板に反りや変形も認められなかった。
また、得られたガラスセラミック基板の絶縁層4の焼成後の厚みは10μmであった。
このようにして得られた本実施例1のガラスセラミック基板について、全体の収縮と収縮バラツキおよび透磁率について測定した結果を表1に示す。
実施例1の絶縁層4に代えてAg粉末(平均粒径1.0μm)80質量%,SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末20質量%を用いて焼結金属層5を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例2の評価用試験片を作製した。得られたガラスセラミック基板について、全体の収縮と収縮バラツキおよび透磁率について測定した結果を表1に示す。
実施例1と同様の作製方法でガラスセラミック積層体を作製し、そのガラスセラミック積層体の上下両面にそれぞれ拘束グリーンシートを1枚ずつ重ね合わせ、温度55℃,圧力20MPaで圧着して積層体を得た。拘束グリーンシートは、無機成分としてAl2O3粉末95質量%と、軟化点720℃のSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末5質量%とを用いて、実施例1のガラスセラミックグリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、次いで250μmの厚みになるように成形した。
得られた積層体をアルミナセッター上に載置し、その上に積層体上面を覆う大きさで、かつ積層体に0.5MPaの荷重をかけるアルミナセラミックスから成る重しを載せて荷重をかけつつ、大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中にて900℃で1時間焼成した。焼成後は、ガラスセラミック基板の両面に拘束シートが付着していた。この状態では、軽く叩いても拘束シートが剥がれることはなかった。
ガラスセラミック基板の表面に付着した拘束シートは、擦り取ることにより大部分は除去できたが、ガラスセラミック基板の表面に薄く残留していた。この残留した拘束シートを、球状Al2O3微粉末と水との混合物を高圧の空気圧で投射するウェットブラスト法により除去した。拘束シートを除去した後のガラスセラミック基板の表面は、表面の算術平均粗さRaが1μm以下の平滑な面であった。得られたガラスセラミック基板について、全体の収縮と収縮バラツキおよび透磁率について測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
焼成後の厚みが5μmになるように絶縁層4を作製した以外は実施例1と同様にして、比較例1の評価用試験片を作製した。得られたガラスセラミック基板について、全体の収縮と収縮バラツキおよび透磁率について測定した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1に対して、ガラスセラミック絶縁層6を積層せず、フェライト層2のみから成る評価用基板を作製した。得られたガラスセラミック基板について、全体の収縮と収縮バラツキおよび透磁率について測定した結果を表1に示す。
以上のようにして作製した実施例1〜3および比較例1,2の評価用基板の収縮と収縮バラツキの測定を、寸法測定機能のついた顕微鏡を用い、基板の外形寸法を測定することにより行なった。また、透磁率の測定はインピーダンスアナライザー「HP−4291A」(ヒューレットパッカード社製)を用い、高周波電流電圧法にて測定した。なお、表1に示す測定結果のうち基板全体の収縮バラツキおよび透磁率は、サンプル数n=5個のデータによるものである。
表1より、絶縁層4の厚みが5μmである比較例1の場合、透磁率が120.2であり、透磁率が大きく低下していた。
一方、絶縁層4または焼結金属層5の厚みが10μmである実施例1〜3の透磁率は、それぞれ140.5,143.3,141.1であり、比較例1に比べ透磁率の低下は小さかった。
これは、絶縁層4の厚みが薄い比較例1では、ガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2との熱膨張差によるフェライト層2の内部応力を緩和できず、フェライト層2に磁歪が発生したためである。
また、フェライト層2のみから成る比較例2の場合は、評価用基板の基板全体の収縮は16%と大きくなり、収縮バラツキも±0.5%と大きかった。
一方、本発明のガラスセラミック基板である実施例1,2の基板全体の収縮は5%と比較例2の場合に比べて小さく、収縮バラツキも±0.2%と比較例2の場合に比べて小さかった。さらに、拘束グリーンシートを用いて製造したガラスセラミック基板である実施例3の基板全体の収縮は0.5%と実施例1,2の場合に比べさらに小さく、収縮ばらつきも±0.1%と実施例1,2の場合に比べさらに小さかった。すなわち、本発明のガラスセラミック基板およびその製造方法によると、ガラスセラミック基板全体の収縮を抑制することができるとともに、収縮バラツキも抑えることができることが分かった。
本実施例4では、図4および図5で示すような、表面に2mm×2mmの絶縁層4が印刷された外径50mm×50mm,厚み2mmの評価用基板を作製し、引っ張り強度を測
定した。なお、図4および図5において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、2はフェライト層、4は絶縁層、6はガラスセラミック絶縁層である。引っ張り強度は絶縁層4に熱硬化樹脂を用いて引っ張り測定用冶具を接着し、MODEL−1310DW、MODEL 1011(AIKOH ENGINEERING社製)を用いて引っ張り測定用冶具を引っ張ることにより測定した。
まず、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートを成型した。
ここで、ガラスセラミックグリーンシートに含有されるガラスの軟化温度は800℃であり、フェライトグリーンシートの焼結開始温度は750℃である。
次に、絶縁ペーストとしてガラスセラミックスに含有されるガラス粉末と同じ軟化温度が800℃のSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末30質量%,フェライトグリーンシートグリーンシートに含有されるフェライト粉末と同じ平均粒径0.5〜1μmのZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成されるフェライト粉末70質量%を用い、所定量のエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合し作製した。
なお、ガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシート,拘束グリーンシートは、ともに外径50mm×50mm,厚み2mmの基板形状に加工しておいた。
まず、ガラスセラミックグリーンシートまたはフェライトグリーンシートの所定枚数を重ね合わせ、その上に絶縁ペースト層を2mm×2mmの形状に塗布し乾燥を行なった。絶縁ペースト層は20μmの厚みとした。その後、温度55℃,圧力20MPaで圧着してガラスセラミック積層体またはフェライト積層体を得た。
得られたガラスセラミック積層体またはフェライト積層体をアルミナセラミックスのセッターに載置し、その上にアルミナセラミックスのセッターと同一成分から成る重しを載せて約0.5MPaの荷重をかけつつ大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中にて900℃で1時間焼成した。
得られたガラスセラミック評価用基板またはフェライト評価用基板の絶縁層4の焼成後の厚みは10μmであった。
このようにして得られた本実施例4のガラスセラミック基板について、引っ張り強度について測定した結果を表2に示す。
絶縁層4のガラスにおいて軟化点が600℃、結晶化温度が850℃のSiO2−B2O3−ZnO系ガラスを用いた以外は実施例4と同様にして実施例5の評価用基板を作製した。
絶縁層4のガラスにおいて軟化点が600℃、結晶化温度が700℃のSiO2−B2O3−ZnO系ガラスを用いた以外は実施例4と同様にして実施例6の評価用基板を作製した。
絶縁層4のガラスにおいて軟化点が800℃、結晶化温度が950℃のSiO2−Al2O3−MgO−B2O3系ガラスを用いた以外は実施例4と同様にして実施例7の評価用基板を作製した。
このようにして作製した実施例4、5,6および7の評価用基板の引っ張り強度を測定した。その測定結果を表2に示す。
なお、表2に示す測定結果は、サンプル数n=5個のデータによるものである。
表2より、ガラスセラミック評価基板の測定結果においてガラスセラミックに含有されるガラスより結晶化温度の高いガラスを用いた接合層の引っ張り強度が高かった。ガラスセラミック絶縁層6内に拡散した接合層に含有されるガラスがガラスセラミック絶縁層6に含有されるガラスと同時に液相として存在するため、互いの濡れ性が良くガラスセラミック絶縁層6の焼結を促進させ絶縁層4とガラスセラミック絶縁層6の界面に強固な接合界面を形成するためである。また、フェライト評価基板の測定結果においてフェライトの焼結開始温度より軟化点の低いガラスを用いた接合層の引っ張り強度が高かった。フェライト層2が焼結を開始するより早く絶縁層4に含有されるガラスがフェライト層2に拡散
し液相としてフェライト層2の焼結を促進させるため、絶縁層4とフェライト層2の界面に強固な接合界面を形成したためである。
実施例1と同様の作製方法で被焼成物7を作製し、得られた被焼成物7をマイクロ波吸収性の棚板13に載置した。この棚板13の材質にはフェライト層2よりもマイクロ波吸収性の高いSiCを用いた。次に、この被焼成物7をマイクロ波吸収性の筐体8で囲った。この筐体8の材質にはマイクロ波吸収性がフェライト層2と同程度のアルミナを用いた。この筐体8を通して被焼成物7にマイクロ波を照射することにより、大気中で500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中で900℃で1時間焼成した。得られた評価用のガラスセラミック基板について、全体の収縮、収縮バラツキ、透磁率およびフェライト層2部分の密度を測定した結果を下記表3に示す。
(比較例3)
実施例1と同様の作製方法で被焼成物7を作製し、得られた被焼成物7をマイクロ波吸収性の棚板13に載置した。この棚板13の材質には実施例8と同じ物を用いた。次に、この被焼成物7をマイクロ波吸収性の筐体8で囲った。この筐体8の材質にはマイクロ波吸収性がフェライト層2よりも低いムライトを用いた。この筐体8を通して被焼成物7にマイクロ波を照射することにより、大気中で500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中で900℃で1時間焼成した。得られた評価用のガラスセラミック基板について、全体の収縮、収縮バラツキ、透磁率およびフェライト層2部分の密度を測定した結果を下記表3に示す。
(比較例4)
実施例1と同様の作製方法で被焼成物7を作製し、得られた被焼成物7を電気炉を用い、大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中にて900℃で1時間焼成した。得られた評価用のガラスセラミック基板について、全体の収縮、収縮バラツキ、透磁率およびフェライト層2部分の密度を測定した結果を下記表3に示す。
以上のようにして作製した実施例8、比較例3,4の評価用のガラスセラミック基板の収縮と収縮バラツキの測定を、寸法測定機能のついた顕微鏡を用い、ガラスセラミック基板の外形寸法を測定することにより行なった。また、透磁率の測定は、インピーダンスアナライザー(「HP−4291A」ヒューレットパッカード社製)を用い、高周波電流電圧法にて測定した。また、評価用のガラスセラミック基板を表面と裏面から研磨し、フェライト層2部分を削り出し、アルキメデス法により密度の測定を行った。なお、表3に示す測定結果のうち、収縮バラツキおよび透磁率は、サンプル数nが5個のデータによるものである。
表3より、電気炉を用いて焼成した比較例4は透磁率130.0、密度4.90g/cm3と低かった。また、筐体8の材質に、マイクロ波吸収性がフェライト層2よりも低いムライトを用いてマイクロ波により焼成した比較例3は、透磁率143.0、密度5.05g/cm3と高かったが、収縮バラツキが±0.4%と大きかった。また、ガラスセラミック基板の反りも大きかった。
一方、本発明のガラスセラミック基板である実施例8のものは、透磁率145.5、密度5.15g/cm3と高く、収縮バラツキは±0.15%と小さかった。すなわち、本発明のガラスセラミック基板の製造方法によると、ガラスセラミック基板の収縮バラツキが小さく、フェライト層2の密度が高く、透磁率の高いガラスセラミック基板を作製できることが分かった。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では配線導体3にAgを用いたが、配線導体3にCu,Au,Ag−Pd合金等を用いてもよい。
本発明のガラスセラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
(a)は本発明のガラスセラミック基板の製造方法の実施の形態の一例を示し、本発明で使用するマイクロ波焼成炉の平面図、(b)は(a)のA−A’線における断面図、(c)は(a)のB−B’線における断面図である。
本発明の実施例の透磁率測定に用いた評価用試験片を示す断面図である。
本発明の実施例の引っ張り強度測定に用いた評価用のガラスセラミック基板を示す斜視図である。
本発明の実施例の引っ張り強度測定に用いた評価用のフェライト基板を示す斜視図である。
符号の説明
1:絶縁基体
2:フェライト層
3:配線導体
4:絶縁層
5:焼結金属層
6:ガラスセラミック絶縁層
7:被焼成物
8:筐体
9:マイクロ波焼成炉
13:棚板
16:焼成雰囲気ガス