JP4618864B2 - シリコン化合物が包含された樹脂エマルションおよびそれを含有してなる水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン化合物が包含された樹脂エマルションおよび該エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物に関し、詳しくは、例えば、建築内外装、自動車、家電用品、プラスチックなどに塗装される用途において、特に耐汚染性、耐候性、耐水性、耐薬品性、塗膜外観などの塗膜性能が優れ、かつ貯蔵安定性が良好な水性塗料に好適に使用される樹脂エマルション、および該樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料の分野においても、公害対策および省資源の観点より、有機溶剤を使用するものから、水溶性あるいは水分散性樹脂への転換が試みられている。しかし、水性塗料により形成された塗膜は、溶剤系塗料を用いて形成した塗膜に比べ、一般的に性能が劣るという欠点を有していた。
【0003】
この欠点を改良するために種々の提案がなされており、例えば、架橋性官能基として加水分解性シリル基を有する重合体エマルションを水性塗料に応用する技術(特開平3−227312)、カルボキシル基とヒドラジル基の反応により粒子間の架橋を導入した水性塗料に関する技術(特開平5−59305)、あるいは溶剤系で高性能を示すフッ素樹脂を水性化した水分散型フッ素樹脂塗料に関する技術(特開平5−25421)が開示されている。これにより、耐候性、耐水性、耐薬品性の点では、ある程度の改善がなされるものの、水性化したことによる問題も生じており充分とは言えない。
【0004】
一方、耐汚染性については、水性塗料においても、例えばシリケートに代表されるシリコン化合物を乳化して配合することにより塗膜表面を親水化し、雨水等により汚染物質を除去する技術(特開平8−259892)が開示されている。これにより耐汚染性は改良されるものの、シリコン化合物は加水分解性基を有するため水性媒体中での安定性が乏しく、従って安定な乳化物を形成することは容易ではなく、更にこれらを配合したエマルション組成物およびそれを用いて形成した水性塗料は貯蔵安定性が劣る傾向にあった。
【0005】
これに対し、エマルションの貯蔵安定性を高めるため、シリコン化合物を混合したラジカル重合性単量体をミクロ懸濁重合する技術(特開2000−34308)が開示されている。しかし、ミクロ懸濁重合法により、水性塗料用の樹脂エマルションとして適した0.1〜0.3μm程度まで平均粒子径を微細化することは容易ではなく、特に工業的規模においては経済的でない。更に、ミクロ懸濁重合では物性発現に重要な重合体粒子のモルフォロジー制御が困難であり、またエマルションの粒子径分布が非常にブロードであるため、含有される粗大粒子の影響により塗膜外観などの塗膜物性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が有する上記問題点を解決し、耐候性、耐水性、耐薬品性、塗膜外観に優れ、また貯蔵安定性を低下させることなく耐汚染性が付与された水性塗料に好適に使用され、かつ粒子径分布がシャープな樹脂エマルション、および該樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐汚染性、耐候性、耐水性、耐薬品性、塗膜外観、および貯蔵安定性に優れた水性塗料に好適に使用される樹脂エマルションについて鋭意検討を重ねた結果、シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物が、重合体中に包含された重合体粒子よりなり、かつ該重合体粒子の変動係数が40%以下である樹脂エマルション、および該樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物により、前述の課題を解決し得ることを見出し本発明に至った。
【0008】
すなわち請求項1の樹脂エマルションにおいては、一般式(1)
(R1O)4-aSiR2 a (1)
(式中、R1は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基、R2は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、aは0〜2の整数。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)0.1〜400重量部が、重合体(B)100重量部中に包含された重合体粒子(C)よりなり、該重合体粒子(C)が、変動係数(100×(標準偏差/平均粒子径))40%以下の粒子径分布を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2の樹脂エマルションにおいては、請求項1記載の重合体粒子(C)100重量部を芯とし、該芯に対し1以上の重合体外殻(D)5〜2000重量部を有する芯/外殻構造の複層重合体粒子(E)からなることを特徴とする請求項1記載の樹脂エマルションとする。
【0010】
請求項3の樹脂エマルションにおいては、請求項1〜2に記載の一般式(1)(R1O)4-aSiR2 a (1)
(式中、R1は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基、R2は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、aは0〜2の整数。)で表されるシリコン化合物(A)が平均縮合度2〜50である部分加水分解縮合物であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の樹脂エマルションにおいては、請求項1〜3に記載の一般式(1)(R1O)4-aSiR2 a (1)
で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)において、式中R1は同じかまたは異なり炭素数が3以上である割合が50%以上であるアルキル基あるいはアシル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、R2は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、aは0〜2の整数であることを特徴とする。
【0012】
請求項5の樹脂エマルションにおいては、請求項1〜4に記載の前記重合体(B)および重合体外殻(D)が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体、酢酸ビニル、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体およびこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種または2種以上の単量体からなる重合体であることを特徴とする。
【0013】
請求項6の樹脂エマルションにおいては、請求項1〜5に記載の前記重合体(B)および/または重合体外殻(D)が、一般式(2)
−Si(X1 3-b)(R3 b) (2)
(式中、R3は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、X1は同じかまたは異なりハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基およびアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基、bは0〜2の整数。)で表されるシリル基を有する単量体を0.1〜50重量%共重合することにより得られるシリル基含有重合体であることを特徴とする。
【0014】
請求項7においては、請求項1〜6に記載の樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物とする。
【0015】
請求項8においては、請求項1〜6に記載の樹脂エマルションおよび硬化触媒(F)を含有してなる水性塗料用樹脂組成物とする。
【0016】
請求項9においては、請求項8に記載の硬化触媒(F)が、有機錫化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、リン酸またはリン酸エステル類、リン酸エステル類または有機カルボン酸類と有機アミン類の混合物または反応物から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする水性塗料用樹脂組成物とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシリコン化合物が包含された樹脂エマルション、および該樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物について詳細に説明する。
【0018】
本発明におけるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)は、前記一般式(1)で表され、式中R1は同じかまたは異なっても良く、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基から選ばれることが好ましい。R2は同じかまたは異なっても良く、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれることが好ましい。aは0〜2の整数であることが好ましく、更には0〜1の整数であることがより好ましい。具体例としては、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラtert−ブチルシリケート、MSi51、ESi28、ESi40(以上、コルコート(株)製)などのテトラアルキルシリケートおよび/またはその部分加水分解縮合物、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリ−sec−オクチルオキシシラン、メチルトリブトキシシラン、AFP−1(信越化学(株)製)などのトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物などがあげられる。中でも塗膜への耐汚染性付与の効果が大きいことから、(A)成分は前記テトラアルキルシリケートおよび/またはトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物を使用することが好ましく、その平均縮合度は2〜50の範囲であることが好ましい。また(A)成分は、水性媒体中での安定性を高めるために、前記一般式(1)におけるR1が、炭素数が3以上である割合が50%以上であるアルキル基あるいはアシル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれたシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物であることが好ましい。それらの具体例としては、例えば、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラtert−ブチルシリケートおよび/またはその部分加水分解縮合物、あるいはこれらの化合物とテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケートを混合し加水分解縮合させることによってアルキル部の炭素数が3以上である割合が50%以上である(A)成分を得ることができる。その他、テトラメチルシリケートあるいはテトラエチルシリケートを加水分解縮合させる際に炭素数が3以上のアルコールを混合し、エステル交換反応させることでも目的とする(A)成分を得ることができる。前記(A)成分は、1種または2種以上を併用して用いることができる。また(A)成分は、後で詳細に説明する重合体(B)成分100重量部に対して、0.1〜400重量部、更には1〜200重量部の範囲で包含されることが好ましい。(A)成分の使用量が0.1重量部未満では、該樹脂エマルションから得られる塗膜の耐汚染性が不充分となり、400重量部を超えると重合体(B)成分中に包含することが困難になる傾向がある。
【0019】
本発明における重合体(B)成分としては、特に制限は無く、公知のものが使用できる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル系単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン系単量体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびこれらの酸無水物などのエチレン性不飽和カルボン酸系単量体、酢酸ビニル、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどの分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体、およびブレンマーPEシリーズ、ブレンマーPMEシリーズ、ブレンマーAEシリーズ(以上、日本油脂(株)製)、MA−30、MA−50、MA−100、MA−150、RA−1120、RA−2614、RMA−564、RMA−568、RMA−1114、MPG130−MA(以上、日本乳化剤(株)製)などのポリオキシエチレン鎖を有するビニル系単量体、AS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5(以上、東亜合成化学(株)製)などのマクロモノマー、(メタ)アクリルアミドなどの共重合可能なその他の単量体などから選ばれた1種または2種以上の単量体を重合した重合体があげられる。これらの重合体は、得られる樹脂エマルションの目的とする物性、樹脂構造、取扱いの容易さあるいは価格などに応じて適宜選択することができる。更には、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの連鎖移動剤を任意の添加量で使用して重合することで、必要に応じて分子量を調整することもできる。
【0020】
また、重合体(B)成分は、前記一般式(2)で示されるシリル基を有する単量体を共重合したシリル基含有重合体とすることができる。式中R3としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基があげられ、R3が2個以上存在する時は、それらは同じでも異なっていても良い。R3の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、フェニル基、o−,m−,p−トルイル基、ベンジル基などがあげられる。これらの中でも、原料の入手容易性の点からメチル基が好ましい。X1としてはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基またはアミノ基があげられ、X1が2個以上存在する時は、それらは同じでも異なっていても良い。これらの中では、原料の入手容易性と取扱いの容易さから、アルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基としては特に制限は無く、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などがあげられる。前記シリル基含有重合体の調製に用いるアルコキシシリル基を含有した単量体としては、特に、取扱いの容易さ、価格、および反応副生成物が生じない点からアルコキシシリル基含有ビニル系単量体を用いることが好ましい。具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシランなどがあげられる。これらのシリル基を有する単量体は、1種または2種以上を併用してシリル基含有重合体の調製に用いることができる。なお、前記シリル基含有重合体は、シリル基を有する単量体を0.1〜50重量%の範囲で共重合することにより調製するのが好ましく、更には1〜30重量%の範囲で共重合することが好ましい。その使用量が0.1重量%より少ないと、得られる樹脂エマルションを用いて調製した水系塗料よりなる塗膜の耐水性および耐候性に対する改良効果が小さくなる傾向がある。またその使用量が50重量%を超えると樹脂エマルションの安定性が低下する傾向がある。
【0021】
本発明におけるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)が重合体(B)中に包含された重合体粒子(C)は、その変動係数(100×(標準偏差/平均粒子径))が40%以下であることが好ましく、更には30%以下であることがより好ましく、終には20%以下であることが最も好ましい。重合体粒子(C)の変動係数が40%以上であると、得られる粒子径分布は非常にブロードなものとなるため、それらに一部含有される粗大粒子の影響により、塗膜外観、耐水性などの塗膜物性が低下する傾向がある。
【0022】
上記の重合体粒子(C)の調製方法としては、特に限定は無いが、例えば、以下の方法により目的の重合体粒子を調製できる。具体例としては、水性媒体中に分散された種粒子の存在下に、重合性単量体、一般式(1)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)、乳化剤および/または水溶性高分子化合物、水からなる混合物に機械的剪断を加えることによって形成した乳化液を添加し、種粒子に重合性単量体、並びにシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)を吸収させた後、または吸収させながら重合を行い、シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)が重合体(B)中に包含された重合体粒子(C)を得る方法があげられる。
【0023】
上記方法においては、重合体粒子(C)の平均粒子径および粒子径分布は、種粒子の平均粒子径および粒子径分布に強く影響を受ける。従って、種粒子としては、できる限り煩雑な工程、生産エネルギーを必要とせず粒子径を容易に制御可能で、かつ目的の樹脂エマルションを得るために、粒子径分布がシャープであることが望ましい。種粒子としては、例えば、乳化重合、懸濁重合、ミクロ懸濁重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルション重合、水系分散重合などの水系重合法により重合された重合体粒子、樹脂パウダーを分散剤などと共に水性媒体中で再分散した樹脂粒子、樹脂を溶液に溶解あるいは溶液重合した樹脂溶液を水性媒体中に分散した樹脂溶液粒子、マクロモノマー類、油溶性モノマー類、炭化水素類、高級アルコール類、有機溶剤類、各種オイル物質などの油性物質を水性媒体中に分散した油滴粒子、水溶性高分子化合物類あるいは乳化剤ミセルなどの1種または2種以上があげられる。ただし、これらの中でも、先述した平均粒子径および粒子径分布の制御が容易であること、本発明による樹脂エマルションは水性塗料用樹脂組成物として好適に使用され得るため、有機溶剤、油性成分類、特に引火性物質は系中にできる限り含まれない方が望ましいこと、更に種粒子が系中に多量に存在しても物性に悪影響しないことより、種粒子としてはポリマー粒子であることが好ましく、更には前記水系重合法、特に乳化重合法により重合された重合体粒子であることがより好ましい。
【0024】
水性媒体中に分散された上記種粒子の存在下に、例えば、先の重合体(B)の説明の際に例示した重合性単量体、先に例示したシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)、公知のノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両性、更には反応性あるいは非反応性の乳化剤および/または水溶性高分子化合物、および水を混合した混合物に、例えば、ホモミキサー、超音波分散装置、遠心分散ポンプ、更には高度の剪断エネルギーを有する高圧ホモジナイザー、タービン型ミキサーなどの公知の乳化分散装置により、機械的剪断を加えて乳化液を調製し、これを一括、間欠、あるいは連続添加する。これにより、乳化液中の重合性単量体、並びにシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)が、水性媒体中を拡散して種粒子に吸収される。
【0025】
この理由は必ずしも明らかでないが、機械的剪断力により微細に乳化された乳化液は、種粒子の水性分散媒中に添加され熱力学的に不安定となり、エマルションが崩壊して、重合性単量体並びにシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)が種粒子に吸収されると推定する。ただし、乳化液調製時の乳化分散が不充分であると、重合性単量体並びにシリコン化合物および/またはその加水分解縮合物(A)を種粒子に吸収させることが困難になる傾向がある。このため、樹脂エマルションあるいはそれから得られる水性塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が劣り、また塗膜外観などの塗膜物性が低下する傾向がある。乳化分散装置およびその運転条件などについては、必要とする機械的剪断力が、重合性単量体成分、前記(A)成分並びに乳化剤および/または水溶性高分子化合物成分の種類およびその使用量、あるいは乳化液の設定有効成分濃度などにより異なるため、一概に規定できないが、得られる塗料、塗膜物性と生産コストなどを勘案して選択すればよい。
【0026】
乳化液のpHについては、シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)、および/または前記一般式(2)のシリル基の安定性の点から、pHを5〜10、更には6〜9の範囲に保つのが好ましい。この範囲外では縮合が起り易くなり、特にpH5未満では加水分解が促進されるため、縮合が速く進行する。またpH10を超えると不安定になるだけでなく作業上の問題も生じる。
【0027】
乳化液の添加方法には特に制限は無いが、例えば、一括添加して、重合性単量体およびシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)を種粒子に完全に吸収させた後で重合を開始しても良いし、あるいは間欠および連続添加して、前記両成分を種粒子に吸収させながら徐々に重合を進めても良い。ただし、重合による発熱抑制、新粒子の発生抑制、および重合体粒子のモルフォロジー制御の観点から、乳化液は間欠あるいは連続添加して徐々に重合を進め、それに伴い前記(A)成分が重合体(B)により包含されるのが好ましい。
【0028】
上記例示の重合体粒子(C)の調製方法における重合は、公知の方法により実施できるが、得られる重合体粒子(C)の粒子径分布、モルフォロジー制御、作業の簡便さ、生産コストなどが優れることから、乳化重合法により実施することが好ましい。
【0029】
乳化重合法としては公知の手法が使用できる。具体的には、重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシアセテートなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物を1種または2種以上を組み合せて好適に使用できる。更に、必要に応じて、例えば、硫酸第一鉄/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート/エチレンジアミン四酢酸塩、硫酸第一鉄/グルコース/ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄/デキストロース/ピロリン酸ナトリウムなどの混合物を還元剤として併用し、レドックス重合系とすることができる。還元剤の併用は、重合温度を低くできることから特に好ましい。上記乳化重合に用いる重合開始剤は、乳化液中に加えて種粒子の水性分散媒中に添加しても良いし、乳化液とは別々に、一括、間欠あるいは連続的に系中に添加しても良い。
【0030】
また本発明においては、必要に応じて上記の重合体粒子(C)を芯とし、これに対し1以上の重合体外殻(D)を有する芯/外殻構造の複層重合体粒子(E)を形成することができる。前記シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)を包含した重合体粒子(C)の外層を更に重合体層で被覆することにより、得られる樹脂エマルションおよびそれから調製される水性塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が向上する傾向がある。また、芯/外殻構造とすることで、例えば、各相の樹脂組成、設定Tg、設定分子量、共重合する官能基の種類などを適宜設定できるため、目的とする物性を発現するための樹脂設計の自由度が拡大する。
【0031】
本発明における重合体外殻(D)としては特に制限は無く、例えば、重合体(B)として先に例示したものについて1種または2種以上を併用して同様に用いることができる。また必要に応じて、連鎖移動剤として先述した化合物を使用し、重合体外殻(D)の分子量を調整することができる。更に、前記一般式(2)で示されるシリル基を有する単量体として先に例示した化合物の1種または2種以上を共重合して、同様に重合体外殻(D)を調製することができる。なお、前記シリル基を有する単量体は、重合体外殻(D)中に0.1〜50重量%の範囲で共重合されることが好ましく、更には1〜30重量%の範囲で共重合されることが好ましい。その使用量が0.1重量%より少ないと、得られる樹脂エマルションを用いて調製した水性塗料用樹脂組成物よりなる塗膜の耐水性および耐候性に対する改良効果が小さくなる傾向があり、また使用量が50重量%を超えると樹脂エマルションの安定性が低下する傾向がある。
【0032】
重合体外殻(D)の使用量は、前述した重合体粒子(C)100重量部に対し、5〜2000重量部、更には10〜1000重量部であることが好ましい。重合体外殻(D)の使用量が5重量部より少ないと、重合体外殻(D)が重合体粒子(C)を充分に被覆できなくなり、また使用量が2000重量部を超えると、複層重合体粒子(E)中におけるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)の存在比率が低下するため、得られる塗膜の耐汚染性が低下する傾向がある。
【0033】
上記の複層重合体粒子(E)の調製方法としては、特に限定は無く、公知の方法により調製できる。ただし、得られる複層重合体粒子(E)の粒子径分布、モルフォロジー制御、作業の簡便さ、生産コストなどが優れることから、例えば、乳化重合法により重合を実施することが望ましい。乳化重合法としては、公知の手法を用いることができるが、その詳細は先の説明を参照されたい。
【0034】
本発明の樹脂エマルションは、被覆剤として好適であり、特に水性塗料用樹脂組成物として好適に用いられる。これにより得られた塗膜は優れた性能を発現するが、特に、前記一般式(1)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)の存在が耐汚染性の発現に有効に作用する。
【0035】
その効果発現のメカニズムは、塗膜形成過程において、(A)成分が塗膜表面に局在化し、加水分解・縮合することで塗膜表面に硬度と親水性が付与される。塗膜表面の硬度向上により、塗膜に傷が付きにくくなって汚染が防止され、更に塗膜表面の親水化により、降雨などによる洗浄効果が発現し、より一層優れた耐汚染性が達成されると推測する。
【0036】
上記の効果は、シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)が重合体粒子(C)中に包含されている水性媒体中において、その加水分解・縮合が抑制されることで効率良く発現する。重合体粒子中において、前記(A)成分が加水分解されシラノール基が生成すると、(A)成分の親水性があがることにより、重合体粒子中に包含されにくくなる恐れがある。また重合体粒子中で(A)成分の縮合が進行すると、(A)成分が高分子量化し、更には重合体粒子中でIPN構造が形成されるため、塗膜形成時に(A)成分がブリードアウト、つまり表面に局在化しにくくなり、耐汚染性が悪化する傾向がある。
【0037】
これに対し、前記(A)成分を重合体粒子中に包含し、水性媒体および/または加水分解促進物質との接触を最小限にすることで、水性媒体中における前記(A)成分の安定性を向上する。これにより、樹脂エマルションおよびそれから調製される水性塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が高まる効果が発現される。
【0038】
また上記により前記(A)成分を水性媒体中に微分散することが可能になるため、塗膜外観にもプラスに作用する。
【0039】
更に本発明における水性塗料用樹脂組成物は、本発明の樹脂エマルションに加えて硬化触媒(F)を含有することができる。前記(A)成分の加水分解・縮合は室温でも進行するが、反応を促進したい場合は、硬化触媒(F)を配合することが好ましい。硬化触媒(F)の具体例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレート、オクチル酸錫などの有機錫化合物、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル類、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、油化シェルエポキシ(株)製のカーデュラ(E)、エピコート828、エピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸および/または酸性モノリン酸エステルとの付加反応物、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタネートなどの有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物、ヘキシルアミン、ジー2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどのアミン類、これらのアミンと酸性リン酸エステルとの混合物または反応物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物などがあげられる。上記硬化触媒(F)は、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、その使用量は、前記(A)成分、更には前記一般式(2)で表されるシリル基を有する単量体の合計量100重量%に対して、0.01〜50重量%が好ましく、更には0.1〜20重量%がより好ましい。使用量が0.01重量%以下では反応性が低下し、50重量%を超えると塗膜外観が低下する傾向にある。前記硬化触媒(F)の配合方法については特に制限はなく、ニートで添加しても良いし、予め乳化して乳化物として添加しても良い。
【0040】
本発明で得られる水性塗料用樹脂組成物に、必要に応じて、通常塗料、コーティング剤などの用途に使用される各種の添加剤を配合してもさしつかえない。添加剤としては特に制限はなく、例えば、顔料、充填剤、可塑剤、成膜助剤、湿潤・分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、沈降防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、凍結防止剤、抗菌剤、抗かび剤、粘着付与剤、防錆剤などを適量使用することができる。
【0041】
本発明の水性塗料用樹脂組成物は、例えば、建築内外装用、メタリックベースあるいはメタリックベース上のクリアーなどの自動車用、アルミニウム、ステンレス、銀などの金属直塗用、スレート、コンクリート、瓦、モルタル、石膏ボード、石綿スレート、アスベストボード、プレキャストコンクリート、軽量気泡コンクリート、珪酸カルシウム板、タイル、レンガなどの窯業系直塗用、ガラス用、天然大理石、御影石などの石材用の塗料あるいは上面処理剤として好適に用いられる。
【0042】
【実施例】
次に具体的な実施例をあげて説明するが、これらはいずれも例示的なものであり、本発明の内容を何ら限定するものではない。
【0043】
なお、以下の製造例、実施例、比較例における平均粒子径および粒子径分布(変動係数(以下、CVと略):100×(標準偏差/平均粒子径))の測定は、マイクロトラック粒度分析計Model9230UPA(日機装(株)製)により行った。また重合転化率は、樹脂エマルションに重合禁止剤を添加した後、120℃の熱風乾燥器で1時間乾燥して樹脂固形成分量を求め、(樹脂固形成分量/仕込み成分量)で算出し百分率で表示した。
製造例1:シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)
テトラエトキシシラン100重量部にイソプロピルアルコール300重量部を混合し、70℃に昇温した。次いで1N塩酸水溶液を0.1重量部添加し、3時間攪拌した。その後、温度を室温へ下げ、水酸化ナトリウムでpH7付近へ中和し、さらに溶剤を減圧除去して、イソプロピルアルコールでエステル交換されたエチル/イソプロピル=2/8のシリケート部分加水分解縮合物を得た。
製造例2:シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)
製造例1で調製したエチル/イソプロピル=2/8のシリケート部分加水分解縮合物30重量部を、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム5重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル3重量部と混合し、ディスパーで1000rpm以上で高速攪拌しながら、ゆっくりと水62重量部を加えて、シリケート部分加水分解縮合物の乳化物を調製した。
製造例3:硬化触媒(F)
水77.6重量部を反応容器に仕込み、これに28%アンモニア水溶液2.4重量部を添加した後、攪拌しながらDP−8R(ジ2−エチルヘキシルホスフェート:大八化学(株)製)20重量部を徐々に添加し、硬化触媒を調製した。なお上記操作は、発熱を除去するために反応容器を冷却しながら行った。
実施例1:重合体粒子(C)からなる樹脂エマルション
攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度計および試薬投入口を備えたガラス製反応容器に、水90重量部、酢酸アンモニウム0.30重量部、Newcol−707SF(日本乳化剤(株)製:固形分)0.15重量部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら50℃に昇温した。その後、表1に示す組成の重合性単量体混合物100重量部のうち10%およびn−ドデシルメルカプタン0.5重量部を一括添加し、続いてt−ブチルハイドロパーオキサイド0.2重量部を添加した。3分攪拌した後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.14重量部、硫酸第一鉄7水和物0.0028重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.0112重量部を仕込んで1時間重合を行った。得られた種粒子の平均粒子径は85nm、CV=11%、重合転化率は98%であった。続いて、表1に示す組成の重合性単量体混合物100重量部のうち残り90%に、n−ドデシルメルカプタン0.45重量部、製造例1に記載のシリケート部分加水分解縮合物20重量部を溶解し、溶液(a)を調製した。一方、水54重量部に、BC05(第一工業製薬(株)製)1.46重量部、RN30(第一工業製薬(株)製)0.66重量部、Newcol−1020(日本乳化剤(株)製)6重量部を溶解し、溶液(b)を調製した。次いで、溶液(a)と溶液(b)を混合し、この混合液にT.K.Auto Homomixer(特殊機化工業(株)製)により9,000rpmの回転数で5分間機械的剪断を与え、乳化液を調製した。その後、50℃に保持された種粒子10重量部からなる樹脂エマルションの存在下、上記乳化液を2時間30分かけて連続滴下した。更に、これとは別にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.14重量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2重量部を各々3回に分割して1時間毎に添加した。乳化液の滴下終了後、50℃で1時間保持し、重合を完結させた。得られた重合体粒子の平均粒子径は198nm、CV=12%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は47.1%であった。
【0044】
【表1】
実施例2:重合体粒子(C)からなる樹脂エマルション
実施例1に記載のNewcol−707SFの使用量を0.6重量部に変更した以外は全く同様にして重合体粒子からなる樹脂エマルションを調製した。得られた重合体粒子の平均粒子径は120nmであり、CV=13%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は47.2%であった。
実施例3:重合体粒子(C)からなる樹脂エマルション
実施例1記載の乳化液の調製に用いるシリケート部分加水分解縮合物をエチルシリケートの部分加水分解縮合物ESi−48(コルコート(株)製)に変更した以外は、全く同様に重合体粒子からなる樹脂エマルションを調製した。得られた重合体粒子の平均粒子径は197nmとほぼ理論通りに成長しており、CV=14%とシャープな粒子径分布を有していた。重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は47.0%であった。
実施例4:重合体粒子(C)からなる樹脂エマルション
実施例1記載の乳化液の調製において、用いるシリケート部分加水分解縮合物を80重量部に増加し、また水量を150重量部、Newcol−1020を24重量部まで増加した以外は、全く同様にして重合体粒子からなる樹脂エマルションを調製した。得られた重合体粒子の平均粒子径は225nmであり、CV=16%とシャープな粒子径分布を有していた。重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は46.2%であった。
実施例5:複層重合体粒子(E)からなる樹脂エマルション
表1に示す組成の重合性単量体混合物100重量部、n−ドデシルメルカプタン0.05重量部、水60重量部、BC05(第一工業製薬(株)製)1.62重量部、およびRN30(第一工業製薬(株)製)0.74重量部を混合し、この混合液を1時間スターラー攪拌し乳化物を調製した。乳化液を光学顕微鏡で観察した結果、10〜100μm程度の粗大でブロードな液滴が存在していることを確認した。続いて、50℃に保持された実施例1記載の重合体粒子100重量部からなる樹脂エマルションの存在下、上記乳化液を2時間30分かけて連続滴下した。更に、これとは別にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.17重量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.24重量部を各々3回に分割して1時間毎に添加した。乳化液の滴下終了後、50℃で1時間保持し、重合を完結させた。得られた複層重合体粒子の平均粒子径は240nmとほぼ理論通りに成長しており、CV=11%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は52.9%であった。
実施例6:複層重合体粒子(E)からなる樹脂エマルション
実施例5に記載の複層重合体粒子の調製において、重合体粒子として実施例3に記載の重合体粒子100重量部に変更する以外は、全く同様にして樹脂エマルションを得た。得られた複層重合体粒子の平均粒子径は242nmとほぼ理論通りに成長しており、CV=13%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は52.8%であった。
実施例7:複層重合体粒子(E)からなる樹脂エマルション
実施例5に記載の複層重合体粒子の調製において、重合体粒子として実施例4に記載の重合体粒子100重量部に変更する以外は、全く同様にして樹脂エマルションを得た。得られた複層重合体粒子の平均粒子径は279nmとほぼ理論通りに成長しており、CV=15%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は52.9%であった。
比較例1:シリコン化合物を含まない樹脂エマルション
実施例1記載の乳化液の調製において、シリケート部分加水分解縮合物を使用しない以外は全く同様にして重合体粒子からなる樹脂エマルションを調製した。得られた重量体粒子の平均粒径は182nmであり、CV=11%とシャープな粒子径分布を有していた。更に実施例5記載の複層重合体粒子の製造において、重合体粒子として上記で調製した重合体粒子100重量部を使用した以外は、全く同様にして樹脂エマルションを調製した。得られた複層重合体粒子の平均粒子径は230nmであり、CV=10%とシャープな粒子径分布を有していた。また重合転化率は99%以上であり、樹脂エマルションの固形分濃度は50.7%であった。
比較例2:シリコン化合物をブレンドした樹脂エマルション
比較例1に記載のシリコン化合物を含まない複層重合体粒子200重量部よりなる樹脂エマルションに、製造例1に記載のエチル/イソプロピル=2/8のシリケート部分加水分解縮合物20重量部を混合し、ディスパーを用いて600rpmで1時間攪拌して、シリコン化合物をブレンドした樹脂エマルションを得た。
比較例3:シリコン化合物をブレンドした樹脂エマルション
比較例1に記載のシリコン化合物を含まない複層重合体粒子200重量部よりなる樹脂エマルションに、製造例2に記載のエチル/イソプロピル=2/8のシリケート部分加水分解縮合物の乳化物をシリコン化合物成分で20重量部を混合し、ディスパーを用いて600rpmで1時間攪拌した。これにより、シリコン化合物をブレンドした樹脂エマルションを得た。
実施例8:水性塗料用樹脂組成物
実施例1に記載の樹脂エマルションに、造膜助剤、表2の成分からなる顔料ペースト、凍結防止剤、消泡剤、および増粘剤を、表3に示した配合法に従って添加し、塗料化した。これにより、白エナメル水性塗料用樹脂組成物を得た。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
実施例9〜12:水性塗料用樹脂組成物
実施例8に記載の水性塗料用樹脂組成物の調製において、樹脂エマルション種を変更した以外は全く同様にして、実施例9〜12の水性塗料用樹脂組成物を得た。なお、実施例2の樹脂エマルションを用いた水性塗料用樹脂組成物は実施例9、同様に実施例5の樹脂エマルションを用いた組成物は実施例10、実施例6の樹脂エマルションを用いた組成物は実施例11、実施例7の樹脂エマルションを用いた組成物は実施例12とする。
実施例13:水性塗料用樹脂組成物
実施例8に記載の水性塗料用樹脂組成物の調製において、実施例4に記載の樹脂エマルションおよび比較例1に記載の樹脂エマルションを等量混合した混合樹脂エマルションを用いた以外は全く同様にして水性塗料用樹脂組成物を調製した。
比較例4〜6:水性塗料用樹脂組成物
実施例8に記載の水性塗料用樹脂組成物の調製において、樹脂エマルション種を変更した以外は全く同様にして、比較例4〜6の水性塗料用樹脂組成物を得た。なお、比較例1の樹脂エマルションを用いた水性塗料用樹脂組成物は比較例4、同様に比較例2の樹脂エマルションを用いた組成物は比較例5、比較例3の樹脂エマルションを用いた組成物は比較例6とする。
[物性評価方法]
実施例8〜13および比較例4〜6に記載の水性塗料用樹脂組成物に対して、製造例3に記載の硬化触媒を、シリコン化合物が包含された樹脂固形分100重量%に対してDP−8R成分が2重量%となるように配合した後手攪拌し、塗装に供した。その後、塗板を23℃にて2週間養生し、評価に用いる目的の塗膜を得た。
1.耐汚染性
折り曲げ曝露板(アルミ板)にエポキシ系中塗り塗料を塗装し、1日23℃で養生後、各塗料をエアースプレー塗装した。この試験板について、大阪府摂津市で北面向き屋外曝露を3ケ月実施し、45°面の汚れを確認した。汚染性は、曝露初期のL*a*b*表色系で表される明度を色彩色差計(ミノルタ(株)製:CR300)で測定し、曝露後との明度差の絶対値(ΔL値)を求めることで、その尺度とした。なお、数値の小さい方が耐汚染性に優れ、数値の大きい方が汚れていることを示す。
2.塗膜の親水性
ガラス板にアプリケーターにて塗装した塗膜を評価に用いた。塗膜の親水性は、塗膜を23℃で2週間養生後、水に2週間浸漬し、充分乾燥した後、接触角測定機(協和界面科学(株)製:CA−S150型)を用いて、接触角を測定することでその尺度とした。数値が小さい方が親水性が高いことを示す。
3.塗膜外観
ガラス板にアプリケーターにて塗装した塗膜を評価に用いた。塗膜外観は、光沢計(ミノルタ(株)製:Multi−Gloss268)により、入射角20°および60°の際の塗膜光沢値を測定することで、その尺度とした。数値が大きい方が塗膜外観が優れることを示す。また、目視により、塗膜の鮮鋭性、はじきなどを確認した。
4.耐温水性
背面および側面がシールされたスレート板にシリコン系プライマーを塗装し、その上に各塗料をエアースプレー塗装した。耐温水性は、塗板を40℃の温水に28日間浸漬した後、試験前後の塗膜の光沢値(入射角60°)を比較し、初期値に対する光沢保持率(%)を評価することで、その尺度とした。
5.耐薬品性
背面および側面がシールされたスレート板にシリコン系プライマーを塗装し、その上に各塗料をエアースプレー塗装した。耐薬品性は、塗板を水酸化カルシウム飽和水溶液に23℃で28日間浸漬した後、試験前後の塗膜の光沢値(入射角60°)を比較し、初期値に対する光沢保持率(%)を評価することで、その尺度とした。
6.耐候性
背面および側面がシールされたスレート板にシリコン系プライマーを塗装し、その上に各塗料をエアースプレー塗装した。耐候性は、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)を用い3000時間の試験(63℃でカーボンアーク光照射120分中12分間シャワーリングする条件)を実施し、試験前後の塗膜の光沢値(入射角60°)を比較し、初期値に対する光沢保持率(%)を評価することで、その尺度とした。
7.エナメルの貯蔵安定性
実施例8〜13および比較例4〜6において調製した水性塗料用樹脂組成物を50℃で1ケ月保存し、3記載の塗膜外観を同様に評価した。
[物性評価結果]
上記により物性を評価した結果を表4および表5に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
実施例8〜13より明らかなように、本発明の水性塗料用樹脂組成物を用いて得られる塗膜は、優れた耐汚染性、塗膜外観、耐水性、耐薬品性、耐候性を示し、かつ貯蔵安定性も良好である。
【0049】
これに対し、比較例4は前記シリコン化合物を含有しないため、塗膜の接触角が低下せず、耐汚染性が不良である。また比較例5は、前記シリコン化合物を重合体粒子中に包含あるいは水性媒体中で微分散できてないため、貯蔵安定性および塗膜外観が不良であり、比較例6は、前記シリコン化合物を水性媒体中で微分散できるため塗膜外観は良好であるが、前記シリコン化合物を重合体粒子中に包含できないため、貯蔵安定性が劣る。
[重合体粒子の観察]
本発明における重合体粒子において前記シリコン化合物が包含されているかを明らかにするために、重合体粒子の断面を透過型電子顕微鏡によって観察した。具体的には、実施例1で得られた重合体粒子よりなる樹脂ラテックスをエポキシ樹脂包埋後、OsO4−RuO4染色し、これから超薄切片を作成して検鏡した。その結果、重合体粒子中に前記シリコン化合物が包含されていることを確認した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の樹脂エマルションは粒子径分布がシャープであり、該樹脂エマルションおよびそれを含有してなる水性塗料用樹脂組成物は、これを被処理物に塗布した場合、その塗膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、耐薬品性、外観などで優れた塗膜物性を発現することができる。また該樹脂エマルションおよびそれを含有してなる水性塗料用樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れる。
Claims (8)
- 一般式(1)
(R1O)4-aSiR2 a (1)
(式中、R1は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基、R2は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、aは0〜2の整数。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)0.1〜400重量部が、重合体(B)100重量部中に含有された重合体粒子(C)よりなり、該重合体粒子(C)が、変動係数(100×(標準偏差/平均粒子径))40%以下の粒子径分布を有することを特徴とする樹脂エマルション(ただし、前記(A)が、平均縮合度2〜50の部分加水分解縮合物であり、前記重合体(B)が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体、酢酸ビニル、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体およびこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種または2種以上の単量体からなる重合体である)。 - 請求項1記載の重合体粒子(C)100重量部を芯とし、該芯に対し1以上の重合体外殻(D)5〜2000重量部を有する芯/外殻構造の複層重合体粒子(E)よりなることを特徴とする請求項1記載の樹脂エマルション(ただし、前記重合体外殻(D)が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体、酢酸ビニル、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体およびこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種または2種以上の単量体からなる重合体である)。
- 一般式(1)
(R1O)4-aSiR2 a (1)
で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(A)において、式中R1は同じかまたは異なり炭素数が3以上である割合が50%以上であるアルキル基あるいはアシル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、R2は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、aは0〜2の整数であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂エマルション。 - 前記重合体(B)および/または重合体外殻(D)が、一般式(2)
−Si(X1 3-b)(R3 b) (2)
(式中、R3は同じかまたは異なり炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、X1は同じかまたは異なりハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基およびアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基、bは0〜2の整数。)で表されるシリル基を有する単量体を0.1〜50重量%共重合することにより得られるシリル基含有重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂エマルション。 - 重合体粒子(C)が、水性媒体中に分散された種粒子の存在下に、重合性単量体及び前記(A)を含む混合物に機械的剪断を加えることによって形成した乳化液を添加し、前記種粒子に前記重合性単量体及び前記(A)を吸収させた後、または吸収させながら重合を行うことで製造されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂エマルション。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂エマルションを含有してなる水性塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂エマルションおよび硬化触媒(F)を含有してなる水性塗料用樹脂組成物。
- 前記硬化触媒(F)が、有機錫化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、リン酸またはリン酸エステル類、リン酸エステル類または有機カルボン酸類と有機アミン類の混合物または反応物から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の水性塗料用樹脂組成物。
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