図1は、本発明の一実施形態であるプロジェクト評価システム100の概略構成図である。
プロジェクト評価システム100は、既存情報入力ファイル記憶部101と、既存情報ツリー生成部102と、既存情報ツリー表示部103と、獲得情報入力ファイル記憶部104と、獲得情報ツリー生成部105と、獲得情報ツリー表示部106と、活用情報入力ファイル記憶部107と、低下情報入力ファイル記憶部108と、変動情報入力ファイル記憶部109と、代表値入力ファイル記憶部110と、係数情報入力ファイル記憶部108と、入力部112と、演算式情報記憶部113と、評価値演算部114と、全体評価値演算部115と、評価結果ファイル記憶部116と、評価結果表示部117と、を備えている。
まず、本発明の前提となるツリー構造について説明する。
本発明では、プロジェクトを実施する以前から保有している既存情報とプロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報とを、図2に示すような階層に分けたツリー構造で把握する。
まず、図2(a)に表されているように、既存情報をレベル1、レベル2及びレベル3の階層に分ける。レベル1は、大項目であり、最も上位に位置する最上位概念である。レベル2は、レベル1の大項目に含まれる中項目であり、レベル1の最上位概念をより具体化した中位概念である。レベル3は、中項目であるレベル2をより具体化した小項目であり、レベル2の中位概念をより具体化した下位概念である。
そして、このような階層分けにおいて、それぞれの階層に含まれる既存情報が関連性を有する場合には、関連している状況が容易に把握することができるように、関連する既存情報同士を線でつないでいわゆるツリー構造となるように分類する。
例えば、図2(a)に表されているように、レベル1の階層には、既存情報1−aが含まれており、この既存情報1−aに関連する既存情報2−a、既存情報2−b及び既存情報2−cは、レベル2の階層に含まれ、レベル2の階層に含まれる既存情報2−aに関連する既存情報3−a及び既存情報3−bは、レベル3の階層に含まれるというように分類分類する。
次に、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報を図2(b)に示す階層に分けたツリー構造にとなるように分類する。
即ち、図2(b)に示すように、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報を上位概念と下位概念とに分けて、関連する獲得情報同士を線で連結することによりツリー構造となるように関連づける。例えば、上位概念である獲得情報1−Aには、下位概念である獲得情報2−Aが関連付けられ、上位概念である獲得情報1−Bには、下位概念である獲得情報2−B及び獲得情報2−Cが関連付けられている。
そして、獲得情報について図2(b)のような関連付けが行われた後、図2(c)に示すように、既存情報との対比を行うことでこれらの間の構造を把握する。
獲得情報1−A及び獲得情報2−Aについては、既存情報に該当するものがなく、獲得情報2−Aの下位概念に既存情報3−aがあるような場合には、獲得情報1−Aをレベル1の階層に分類し、獲得情報2−Aをレベル2の階層に分類するとともに、獲得情報2−Aと既存情報3−aとを線でつなぐ。一方、獲得情報1−Bが既存情報2−cと一致する場合には、既存情報2−cの下位の階層であるレベル3に獲得情報2−B及び獲得情報2−Cを分類し、これらの獲得情報2−B及び獲得情報2−Cを既存情報2−cに線で結ぶ。
以上のような階層分けを行ったツリー構造とそれぞれの階層に含まれる既存情報又は獲得情報の関連性を理解した上で、後述するように既存情報入力ファイル101Aに既存情報を入力し、獲得情報入力ファイル101Bに獲得情報を入力する。
既存情報入力ファイル記憶部101には、図3に示されているような既存情報入力ファイル101Aが記憶されており、既存情報毎に入力して既存情報毎にファイルを分けて記憶するようにされている。
既存情報入力ファイル101Aは、各既存情報を識別するための既存情報識別項目である情報No入力欄101a及び情報名称入力欄101bが設けられている。また、既存情報の構造を評価するための既存情報構造評価項目である情報階層レベル入力欄101c、上位情報No入力欄101d及び下位情報No入力欄101eが設けられている。さらに、既存情報の内容を評価するための既存情報内容評価項目である質入力欄101f及び重要度入力欄101gが設けられている。
情報No入力欄101aには、各既存情報について重複しないように識別情報を入力する。本実施形態では、「13」という数字を用いたが、数字に限定されるわけではなく記号のみ、記号同士の組み合わせ又は記号と数字の組み合わせ等を用いてもよい。
情報名称入力欄101bには、この既存情報入力ファイル101Aの入力対象となっている既存情報の名称を入力する。ここでは、「リスク定量化」という名称を入力している。
情報階層レベル入力欄101cには、前述した階層分けに従って、入力対象となっている既存情報の属する階層を入力する。ここでは、前述のような階層分けに従って、「リスク定量化」という情報をレベル2に分類しているため、レベルを表す「2」という数値を入力している。
上位情報No入力欄101dには、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって、入力対象となっている既存情報の上位の階層に含まれる既存情報の情報Noを入力する。ここでは、「リスク定量化」という既存情報の含まれている階層であるレベル2の上位の階層であるレベル1に含まれる「進捗・工程管理」の情報No(ここでは、「5」と仮定)を入力している。なお、既に入力されている既存情報については、図4に示すような既存情報のデータ構造102Aが生成されているので、この既存除法のデータ構造102Aから関連する上位概念を抽出し情報Noを入力すればよい。
なお、入力対象となっている既存情報がレベル1の階層に含まれる場合や、上位の階層に関連する既存情報がない場合には、このような上位情報がないことを示すため「−」を入力する。
また、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって上位の階層に含まれるものが複数ある場合には、複数の情報No同士を仕切るための記号である「,」等を入力するようにすればよい。
下位情報No入力欄101eには、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって、入力対象となっている既存情報の下位の階層に含まれる既存情報の情報Noを入力する。ここでは、入力対象である「リスク定量化」という既存情報が含まれている階層であるレベル2の下位の階層であるレベル3に含まれる既存情報であって、「リスク定量化」の下位概念となっている既存情報の情報Noを入力するが、ここでは、このような既存情報が存在しないため、「−」を入力している。
なお、既存情報がレベル3の階層に含まれる場合や、本実施形態と同様に下位の階層に関連する既存情報がない場合には、このような下位情報がないことを示すため「−」を入力する。
また、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって下位の階層に含まれるものが複数ある場合には、複数の情報No同士を仕切るための記号である「,」等を入れるようにすればよい。
質入力欄101fには、入力対象となっている既存情報を理解するために高度な知識を必要とするものであるか否かを数値で入力する。ここでは、より高度な知識が必要となるほど大きな数値となるように入力する。本実施形態では、「0.0〜100.0」の間の数値を入力するようにしているが、この数値範囲については適宜変更可能である。
重要度入力欄101gには、入力対象となっている既存情報の必要性や特殊性を数値で入力する。ここでは、入力対象となっている既存情報の必要性や特殊性の度合いが大きくなるにつれて数値が大きくなるように数値を入力する。なお、本実施形態では、「0.0〜2.0」の間の数値を入力するようにしているが、このような数値範囲に限定されるわけではない。
なお、これらの入力欄への入力は、既存情報入力ファイル101Aを入力部112に読み出して行う。
以上のようにして入力された既存情報に基づいて、既存情報ツリー生成部102において、図4に示すようなツリー構造102Aを生成する。
即ち、情報階層レベル入力欄101cに入力された階層レベルが「1」の既存情報の名称を、その情報Noの小さいものが上方に位置するように、左欄102aに縦方向に並べる。そして、この階層レベルが「1」の既存情報に関連する既存情報であって、階層レベル「2」に含まれる既存情報を、関連する既存情報同士が隣接する位置となるように中欄102bに縦方向に並べる。階層レベル「1」の既存情報に関連する階層レベル「2」の既存情報が複数ある場合には、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。また、階層レベル「1」又は階層レベル「2」に関連する既存情報であって、階層レベル「3」に含まれる既存情報についても、関連する既存情報同士が隣接する位置となるように右欄102cに縦方向に並べる。階層レベル「1」又は階層レベル「2」の既存情報に関連する階層レベル「3」の既存情報が複数ある場合には、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。なお、階層レベル「2」又は階層レベル「3」に含まれる既存情報であって、上位の階層に関連する既存情報がないものについては、中欄102b又は右欄102cの最下方に位置し、かつ、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。
なお、関連する既存情報同士を線102dで連結することで、容易に関連している状況を把握することができるようにされている。
既存情報ツリー生成部102で生成された既存情報のツリー構造102Aについては、ツリー構造表示部103において、図4のように表示することが可能にされているため、例えば、図3で入力対象となっていた「リスク定量化」という既存情報は、レベル1の階層に含まれる「進捗・工程管理」の下位概念であることが容易に把握できる。このようなツリー構造102Aを参照しながら既存情報入力ファイル101Aに入力することで、既存情報の整理をよりつけやすくなる。
なお、例えば、既存情報の名称が表示されている所定の領域を指定して実行することにより、その名称で表された既存情報の既存情報入力ファイル101Aが表示されるようになっている。
獲得情報入力ファイル記憶部104には、図5に示すような獲得情報入力ファイル104Aが記憶されており、獲得情報毎に入力して獲得情報毎にファイルを分けて記憶するようにされている。
獲得情報入力ファイル104Aには、各獲得情報を識別するための獲得情報識別項目としての情報No入力欄104a及び情報名称入力欄104bが設けられている。また、獲得情報の構造を評価するための獲得情報構造評価項目としての情報階層レベル入力欄104c、上位情報No入力欄104d及び下位情報No入力欄104eが設けられている。さらに、獲得情報の内容を評価するための獲得情報内容評価項目としての活用情報入力ファイルNo入力欄104f、重要度入力欄104g、難易度入力欄104h、影響度入力欄104i、新規性評価値入力欄104j、非新規性評価値入力欄104k、判定後上位情報No入力欄104l及び判定後一致情報入力欄104mが設けられている。
情報No入力欄104aには、各獲得情報について重複しないように識別情報を入力する。本実施形態では、「22」という数字を入力したが、数字に限定されるわけではなく記号のみ、記号同士の組み合わせ又は記号と数字の組み合わせ等を用いてもよい。
情報名称入力欄104bは、この獲得情報入力ファイル104Aの入力対象となっている獲得情報の名称(ここでは、「リスク評価」)を入力する。
情報階層レベル入力欄104cには、入力対象となっている獲得情報が、獲得情報の中で分類される階層の階層レベルを入力する。ここでは、入力対象となっている「リスク評価」が、前述の階層分けにより獲得情報の中でレベル2に分類されるので、このレベルを表す「2」の数値が入力されている。
上位情報No入力欄104dには、入力対象となっている獲得情報に関連する獲得情報であって、入力対象となっている獲得情報の上位の階層に含まれる獲得情報の情報Noを入力する。ここでは、入力対象が「リスク評価」という獲得情報なので、この獲得情報の含まれている階層であるレベル2の上位の階層であるレベル1に含まれ、「リスク評価」の上位概念である「非財務評価」の情報No(ここでは、「20」と仮定)を入力している。
なお、入力対象となっている獲得情報がレベル1の階層に含まれる場合や、上位の階層に関連する既存情報がない場合には、このような上位情報がないことを示すため「−」を入力する。
また、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって上位の階層に含まれるものが複数ある場合には、情報No同士の間を仕切るための記号である「,」等を入れるようにすればよい。
下位情報No入力欄104eには、入力対象となっている獲得情報に関連する獲得情報であって、入力対象となっている獲得情報の下位の階層に含まれる獲得情報の情報Noを入力する。ここでは、入力対象が「リスク評価」という獲得情報なので、この獲得情報の含まれている階層であるレベル2の下位の階層であるレベル3に含まれ、「リスク評価」の下位概念である「シナリオ」と「代替知識」の情報No(ここでは、「27」と「28」と仮定)を入力している。なお、ここでは、入力する情報Noが複数あるため、これらの情報No同士の間を仕切るための記号である「,」を入れているが、この記号については、情報Noとの区別を付けることができるものであればどのようなものであってもよい。
なお、入力対象となっている既存情報がレベル3の階層に含まれる場合や、下位の階層に関連する既存情報がない場合には、このような下位情報がないことを示すため「−」を入力する。
活用情報入力ファイルNo入力欄104fには、入力対象となっている獲得情報が他の獲得情報との間で択一的に活用される関係がある場合に、後述する活用情報入力ファイル105AのファイルNoを入力する。なお、このような活用情報入力ファイルがない場合には、「−」の記号を入力する。
重要度入力欄104gには、入力対象となっている獲得情報がプロジェクトを実施する上でどの程度必要かを表す重要度を、重要度が高くなるにつれて大きな数値となるように0.0〜100.0の間の数値を入力する。
難易度入力欄104hには、入力対象となっている獲得情報の入手の難しさ、内容の難しさ、理解や取り組みの難しさ、を総合して、これらの難しさについて、難しさが増すにつれて大きな数値となるように0.0〜2.0の間の数値を入力する。
影響度入力欄104iには、入力対象となっている獲得情報が他の情報を明確にしたり、他の情報の質を向上させたりする割合を、このような割合が高くなればなるほど大きな数値となるように0.0〜2.0の間の数値を入力する。
新規性評価値入力欄104jは、入力対象となっている獲得情報が既存情報と比較して新規なものであるか否かを入力する欄で、入力対象となっている獲得情報が新規なものである場合には「1」を、新規なものではない場合には「0」を入力する。
非新規性評価値入力欄104kには、入力対象となっている獲得情報が新規なものではないと判断された場合(即ち、新規性評価値入力欄で「0」が入力された場合)でも、獲得された情報の価値があると評価できる場合に、その価値が高いと判断する割合が大きくなればなるほど大きな値となるように0.0〜1.0の間の数値を入力する。
判定後上位情報No.入力欄104lは、図2(c)で示したように、獲得情報と既存情報との間で一致するものがあるか否か、関連するものあるか否かを判定した後に、入力対象となっている獲得情報に関連する既存情報であって、入力対象となっている獲得情報の上位の階層に含まれる既存情報の情報Noを入力する。ここでは、このような既存情報が存在しないため、「−」の記号を入力している。
また、入力対象となっている既存情報に関連する既存情報であって上位の階層に含まれるものが複数ある場合には、複数の情報No同士の間を仕切るための記号である「,」等を入れるようにすればよい。
判定後一致情報No入力欄104mは、図2(c)で示したように、獲得情報と既存情報との間で一致するものがあるか否かを判定した後に、入力対象となっている獲得情報と一致する既存情報あった場合に、その一致する既存情報の情報Noを入力する。ここでは、このような既存情報が存在しないため、「−」の記号を入力している。
なお、これらの入力欄への入力は、獲得情報入力ファイル104Aを入力部112に読み出して行う。
以上のようにして入力された獲得情報に基づいて、獲得情報ツリー生成部105において、図6に示すような獲得情報のツリー構造105Aが生成される。
即ち、情報階層レベル入力欄104cに入力された階層レベルが「1」の獲得情報の名称を、その情報Noの小さいものが上方に位置するように、左欄105aに縦方向に並べる。そして、この階層レベルが「1」の獲得情報に関連する獲得情報であって、階層レベル「2」に含まれる獲得情報を関連する獲得情報同士が隣接する位置となるように中欄105bに縦方向に並べる。階層レベル「1」の獲得情報に関連する階層レベル「2」の獲得情報が複数ある場合には、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。また、階層レベル「1」又は階層レベル「2」に関連する獲得情報であって、階層レベル「3」に含まれる獲得情報についても、関連する獲得情報同士が隣接する位置となるように右欄105cに縦方向に並べる。階層レベル「1」又は階層レベル「2」の獲得情報に関連する階層レベル「3」の獲得情報が複数ある場合には、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。なお、階層レベル「2」又は階層レベル「3」に含まれる獲得情報であって、上位の階層に関連する獲得情報がないものについては、中欄105b又は右欄105cの最下方に位置し、かつ、情報Noの小さいものが上方に位置するように並べる。
なお、関連する獲得情報同士を線105dで連結することで、容易に関連している状況を把握することができるようにされている。
獲得情報ツリー生成部105で生成された獲得情報のツリー構造105Aについては、ツリー構造表示部106において、図6のように表示することが可能にされているため、例えば、図5の獲得情報入力ファイル104Aで入力対象となっていた「リスク評価」という獲得情報は、レベル1の階層に含まれる「非財務評価」の下位概念であり、この「リスク評価」という獲得知識の下位概念に「シナリオ」及び「代替知識」という獲得知識があることを容易に把握できる。このようなツリー構造105Aを参照しながら獲得情報入力ファイル104Aに入力することで、獲得情報の構造面や内容面の評価を行いやすくなる。
なお、例えば、獲得情報の名称が表示されている所定の領域を指定して実行することにより、その名称で表された既存情報の獲得情報入力ファイル104Aが表示されるようになっている。
活用情報入力ファイル記憶部107には、図7に示す活用情報入力ファイル107Aが記憶されている。
活用情報入力ファイル107Aは、プロジェクトを実施する上で、複数の獲得情報で構成される活用グループの中から一つの獲得情報が択一的に活用されるか又はその活用グループの中の全ての獲得情報が活用されないような関係がある場合に、その活用グループ毎に入力を行う。なお、獲得情報にこのような関係がない場合には、この活用情報入力ファイル107Aには、入力を行わない。
図7に示されているように、活用情報入力ファイル107Aには、活用情報入力ファイルNo入力欄107aと、活用情報数入力欄107bと、情報No入力欄107c、107c’と、活用確率入力欄107d、107d’と、非活用確率入力欄107e、107e’と、が設けられている。
活用情報入力ファイルNo入力欄107aには、活用グループ毎に重複しないように識別情報を入力する。本実施形態では、「1」という数字を用いたが、数字に限定されるわけではなく記号のみ、記号同士の組み合わせ又は記号と数字の組み合わせ等を用いてもよい。
活用情報数入力欄107bには、入力対象となっている活用グループに属する獲得情報の数を入力する。ここで入力された数に応じて、情報No入力欄107c、107c’と、活用確率入力欄107d、107d’と、非活用確率入力欄107e、107e’が形成されるようになっている。なお、本実施形態では、「2」と入力したので、情報No入力欄107c、107c’と、活用確率入力欄107d、107d’と、非活用確率入力欄107e、107e’がそれぞれ二つずつ形成されている。
情報No入力欄107c、107c’には、入力対象となっている活用グループに属する獲得情報の情報Noを各欄一つずつ入力する。
なお、本実施形態では、情報No入力欄107c、107c’に入力された情報Noで特定される獲得情報の順番(降順)でこの獲得情報が活用されるものとしているが、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、活用の順番を特定するための入力欄を設けて、その順番を特定するようにしてもよい。
活用確率入力欄107d、107d’には、対象となっている獲得情報、即ち、入力している活用確率入力欄107d、107d’の直上の情報No入力欄107c、107c’に入力された番号によって特定される獲得情報が活用される確率を、0.0〜1.0の間の数値から入力する。
なお、活用確率入力欄107d、107d’に0.0〜1.0の間の数値を入力すると、対象となっている獲得情報、即ち、入力した活用確率入力欄107d、107d’の直下の非活用確率入力欄107e、107e’には、1.0から直上の活用確率入力欄107d、107d’に入力された数値を差し引いた値が自動的に入力されるようになっている。
また、非活用確率入力欄107e、107e’には、対象となっている獲得情報、即ち、入力している非活用確率入力欄107e、107e’の直上の情報No.入力欄107c、107c’に入力された番号によって特定される活用情報が活用されない確率を、0.0〜1.0の間の数値から入力するが、この間の数値が入力されると、対象となっている獲得情報、即ち、入力した非活用確率入力欄107e、107e’の直上の活用確率入力欄107d、107d’に、1.0から非活用確率入力欄107e、107e’に入力された数値を差し引いた値が自動的に入力されるようになっている。
なお、これらの入力欄への入力は、活用情報入力ファイル107Aを入力部112に読み出して行う。
低下情報入力ファイル記憶部108には、図8に示されているように、低下情報入力ファイル108Aが記憶されており、前述の活用情報入力ファイル107Aで特定される順番で獲得情報が活用されなかった場合の低下率を所定の入力欄108a、108bに入力することができるようにされている。なお、本実施形態では、0.0〜1.0の間の数値を入力するようにしている。
ここで、獲得情報が前述の活用グループを形成しない場合には、この低下情報入力ファイル108Aへの入力は必要ない。
なお、これらの入力欄への入力は、低下情報入力ファイル108Aを入力部112に読み出して行う。
変動情報入力ファイル記憶部109には、図9に示す変動情報入力ファイル109Aが記憶されている。
変動情報入力ファイル109Aは、後述する変動項目に獲得情報が該当し、その獲得知識の評価値が変動してしまう場合に、入力するものであり、獲得情報がそのような変動項目に該当しない場合には、この変動情報入力ファイル109Aには、入力を行わない。
変動情報入力ファイル109Aには、情報No入力欄109a、109a’と、変動項目No入力欄109b、109b’と、影響評価項目数入力欄109c、109c’と、影響評価項目No入力欄109d、109d’と、第一の影響項目内容入力欄109e、109e’と、第一の影響度入力欄109f、109f’と、第一の確率入力欄109g、109g’と、第二の影響項目内容入力欄109h、109h’と、第二の影響度入力欄109i、109i’と、第二の確率入力欄109j、109j’と、が設けられている。
情報No入力欄109a、109a’には、後述する変動項目によって獲得情報の評価値に変動を生ずる獲得情報の情報Noを入力する。なお、同じ変動項目、同じ確率及び同じ影響度を受ける獲得情報が複数ある場合には、同一の情報No入力欄109a、109a’に入力する。一方、変動項目、確率又は影響度が一つでも異なる場合には、異なる情報No入力欄109a、109a’に入力する。なお、同一の情報No入力欄109a、109a’に複数の情報Noを入力する場合には、入力する情報No同士の間を仕切るための記号(本実施形態では「,」)を入れる。
なお、本実施形態では、情報No入力欄109a’のように「0」を入力すると全ての獲得情報の評価値が変動するものとしているが、このような態様には限定されず、全ての獲得情報であることを特定する記号等を別に設けてもよい。
変動項目No入力欄109b、109b’には、図10に示す変動項目一覧表121であげられている変動項目のNoを入力する。
図10に示されているように、本実施形態では、変動項目として「非特定」(No.0)があげられており、これは後述する変動項目(No.1〜3)に該当しない場合に入力する。
変動項目No.1の「経験年数」は、プロジェクトを実行する際の責任者(プロジェクトマネージャ)が責任者として過ごした「経験年数」である。この経験年数が長ければそれだけ獲得情報を有効に活用してその獲得情報の評価値を高めると考えられているために設けられている。
変動項目No.2の「プロジェクト期間」は、プロジェクト期間が長ければそれだけ評価値の変動幅が大きくなると考えられるために設けられている。
変動項目No.3の「経営状況」は、経営状況がよい場合には評価値の変動が少なくてすむが、経営状況が悪い場合には評価値の変動が大きいと考えられるために設けられている。
なお、本実施形態では変動項目として「非特定」、「経験年数」、「プロジェクト期間」及び「経営状況」があげられているが、これらに限定されるわけではなく、獲得情報の評価値に変動を与えるその他の事由をこれらの変動項目に追加・変更することができる。
影響評価項目数入力欄109c、109c’には、該当する影響評価項目(後述)の数を入力する。
影響評価項目No入力欄109d、109d’には、図11に示す影響評価項目一覧表122であげられている影響評価項目のNoを入力する。
図11に示されているように、本実施形態では、影響評価項目として、「必須度」、「難易度」及び「向上度」があげられているが、これらに限定されるわけではない。ここで、「必須度」は前述の変動項目により評価値の必須度に影響を及ぼす場合に選択する。また、「難易度」は前述の変動項目により評価値の難易度に影響を及ぼす場合に選択する。さらに、「向上度」は前述の変動項目により評価値の向上度に影響を及ぼす場合に選択する。
第一の影響項目内容入力欄109e、109e’には、変動項目No入力欄109b、109b’で特定された変動項目に該当するための条件を入力する。
例えば、本実施形態では、変動項目No入力欄109bで「1」と入力されており、これは経験年数を示している。そして、この経験年数については、経験年数が高くなれば獲得情報を有効に活用することができるものと考えられるため、この経験年数のしきい値として「10年」を入力している。即ち、プロジェクトの責任者として「10年」以上のキャリアを有する者とその他の者とでは、獲得情報の評価値に与える影響がずいぶんと異なるものと考えられるからである。
第一の影響度入力欄109f、109f’には、変動項目No入力欄109b、109b’で特定された変動項目により、評価値がどの程度影響を受けるかを入力する。本実施形態では、その影響度を0.0〜2.0の範囲の数値から選択して入力するようにしている。
第一の確率入力欄109g、109g’には、変動項目No入力欄109b、109b’で特定された変動項目により、評価値が影響を受ける確率を入力する。本実施形態では、その確率を0.0〜1.0の範囲の数値から選択して入力するようにしている。
第二の影響項目内容入力欄109h、109h’には、第一の影響項目内容入力欄109e、109e’で入力された条件と異なる条件の場合に、評価値への影響度や影響を及ぼす確率が異なる場合に、その条件を入力する。
例えば、本実施形態では、第一の影響項目内容入力欄109eで10年以上の経験年数がある場合には、獲得情報を有効に活用し得るため、評価値をプラスに変動させると仮定して、評価値への影響度と確率を入力したが、逆に、10年に満たない経験しかない場合には獲得情報を有効に活用することができず、評価値をマイナスに変動させてしまうものと考えられる。そこで、本実施形態では、第二の影響項目内容入力欄109hで10年未満という条件を提示して、この場合の影響度と確率を第二の影響度入力欄109iと第二の確率入力欄109jに入力している。
第二の影響度入力欄109i、109i’には、変動項目No入力欄109b、109b’で特定された変動項目により、評価値がどの程度影響を受けるかを入力する。本実施形態では、その影響度を0.0〜2.0の範囲の数値から選択して入力するようにしている。
第二の確率入力欄109j、109j’には、変動項目No入力欄109b、109b’で特定された変動項目により、評価値が影響を受ける確率を入力する。本実施形態では、その確率を0.0〜1.0の範囲の数値から選択して入力するようにしている。
なお、これらの入力欄への入力は、変動情報入力ファイル109Aを入力部112に読み出して行う。
代表値入力ファイル記憶部110には、後述する評価値演算処理部113で、代表値を用いて組み合わせの数を減らす場合に、その代表される組み合わせの数を入力する代表値入力ファイル(図示せず)が記憶されている。本実施形態では、その代表値入力ファイルに「1〜10」までの自然数を入力するようにしている。なお、この入力欄への入力は、代表値入力ファイルを入力部112に読み出して行う。
演算式情報記憶部113には、既存情報入力ファイル101A及び獲得情報入力ファイル104Aに入力されている情報から、各獲得情報に対する評価値を算出するための演算式情報が記憶されている。
本実施形態では、その演算式情報として、下記の(1)式が記憶されている。
ここで、Vi:各獲得情報の評価値。
A:新規性評価値入力欄104jに入力された数値。
B:獲得情報の情報階層レベル入力欄104cに入力された数値。
C11:獲得情報の上位情報No入力欄104dに入力された情報Noの個数。
C12:獲得情報の下位情報No入力欄104eに入力された情報Noの個数。
C21:活用情報入力ファイルNoが同じになる獲得情報の内、同じ階層レベルに含まれる獲得情報の個数。
C22:活用情報入力ファイルNoが同じになる獲得情報の個数。
A’:非新規性評価値入力欄104kに入力された数値。
G1:判定後上位情報No入力欄104l及び判定後一致情報No入力欄104mに入力された情報Noに該当する既存情報の質入力欄101fに入力された数値(複数ある場合にはその合計)。
G2:判定後上位情報No入力欄104l及び判定後一致情報No入力欄104mに入力された情報Noに該当する既存情報の重要度入力欄101gに入力された数値(複数ある場合にはその合計)。
b、c、f1、f2:任意の係数であり、後述のように、係数入力ファイルで各パラメータの重み付けを考慮して変更することができる。
ここで、上記の(1)式において、A×{b/B+c(C11+C12+C21-C22)}の部分は、獲得情報の構造から導き出せる評価値である。
また、上記の(1)式において、A’×{f1(G1+G2)+f2(D×E×F)}の部分は、獲得情報の内容から導き出せる評価値である。
係数情報入力ファイル記憶部111には、図12に示されているような係数情報入力ファイル111Aが記憶されている。
係数情報入力ファイル111Aには、係数b入力欄111aと、係数c入力欄111bと、係数f1入力欄111cと、係数f2入力欄111dと、が設けられている。
係数b入力欄111aには、獲得情報の属する階層に評価の重みを置くか否かを決定する係数を0.0〜2.0の間の数値から選択して入力する。ここの係数を大きなものにすればするほど、獲得情報の評価値において階層が大きなウェイトを占めることになる。
係数c入力欄111bには、評価対象である獲得情報に関連する獲得情報の数に重みを置くか否かを決定する係数を0.0〜2.0の間の数値から選択して入力する。ここの係数を大きなものにすればするほど、獲得情報の評価値において関連する獲得情報の数が大きなウェイトを占めることになる。
係数f1入力欄111cには、評価対象である獲得情報に関連する既存情報の内容に重みを置くか否かを決定する係数を0.0〜2.0の間の数値から選択して入力する。ここの係数を大きなものにすればするほど、獲得情報の評価値において関連する既存情報の内容に関する評価値が大きなウェイトを占めることになる。
係数f2入力欄111dには、評価対象である獲得情報の内容に重みを置くか否かを決定する係数を0.0〜2.0の間の数値から選択して入力する。ここの係数を大きなものにすればするほど、獲得情報の評価値において獲得情報の内容に関する評価値が大きなウェイトを占めることになる。
なお、係数b入力欄111aには1.0、係数c入力欄111bには2.0、係数f1入力欄111cには1.0、係数f2入力欄111dには1.0、の係数が予め入力されており、これらの係数を変更したい場合にのみこの係数情報入力ファイル111Aを開いて所定の数値を入力する。
なお、これらの入力欄への入力は、係数情報入力ファイル111Aを入力部112に読み出して行う。
評価値演算部114では、既存情報入力ファイル101Aに入力されている情報、獲得情報入力ファイル104Aに入力されている情報及び係数情報入力ファイル111Aに入力されている情報を演算式情報記憶部113に記憶されている(1)式に代入することにより、各獲得情報の評価値を算出する。
なお、評価値演算部114で算出された各獲得情報の評価値は、獲得情報毎に分類されて評価結果ファイル記憶部116に記憶される。
全体評価値演算部115では、評価値演算部114で演算された評価値に基づいて、獲得情報全体の評価値である全体評価値を演算する。
まず、活用情報入力ファイル107Aに活用グループに関する情報が入力されておらず、かつ、変動情報入力ファイル109Aに評価値の変動に関する情報が入力されていない場合には、全体評価値演算部115は、評価値演算部114で算出された各獲得情報の評価値を全て合算することで、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報全体の評価値である全体評価値を算出する。
このようにして算出された全体評価値は、評価結果ファイル記憶部116に記憶される。
次に、全体評価値演算部115は、活用情報入力ファイル107Aに活用グループに関する情報が入力されており、かつ、変動情報入力ファイル109Aに評価値の変動に関する情報が入力されていない場合には、下記のようにして、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報全体の評価値である全体評価値を算出する。
このような場合、全体評価値演算部115では、活用情報入力ファイル107Aに入力されている情報に基づいて、活用グループにおける活用される順番によって特定される獲得情報の組み合わせに基づいて、組み合わせ毎の評価グループにおける発生確率と累計評価値を算出してから、全体評価値を算出する。
例えば、図7の活用情報入力ファイル107Aに示されているように、活用グループが情報No.221と情報No.222の二つの獲得情報により構成されており、活用される順番が情報No.221の獲得情報が先で情報No.222の獲得情報が後に活用されるとする。そして、図8の低下情報入力ファイル108Aに示されているように、順番1の獲得情報が使用されなかった場合の低下率が0.4、順番2の獲得情報が使用されなかった場合の低下率が0.2とする。なお、前述の(1)式で求められた情報No.221の獲得情報の評価値はV1、情報No.222の獲得情報の評価値はV2とする。さらに、このプロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報には、この活用グループには属していない情報No.223の獲得情報があり、この獲得情報の(1)式で求められた評価値はV3であるとする。
このような場合、この活用グループを考慮した累計評価値を算出するための評価グループとしては、情報No.221の獲得情報が活用された場合の情報No.221の獲得情報と情報No.223の獲得情報とにより構成される第一の評価グループ、情報No.221の獲得情報が活用されず情報No.221の獲得情報が活用された場合の情報No.221の獲得情報と情報No.222の獲得情報と情報No.223の獲得情報とにより構成される第二の評価グループ、情報No.221の獲得情報が活用されず情報No.222の獲得情報も活用されない場合の情報No.221の獲得情報と情報No.222の獲得情報と情報No.223の獲得情報とにより構成される第三の評価グループ、に分けられる。
そして、図13に表されているように、第一の評価グループでは、情報No.221の獲得情報が活用される確率が0.9で、その場合の評価値はV1となるため、第一の評価グループの累計評価値は、(情報No.221の獲得情報が活用される場合の評価値)+(情報No.223の評価値)=V1+V3で、この発生確率は0.9となる。
また、第二の評価グループでは、その発生確率は、(情報No.221の獲得情報が活用されない確率)×(情報No.222の獲得情報が活用される確率)で求められ、図13の例では、0.1×0.8=0.08となり、第二の評価グループの累計評価値は、(情報No.221の獲得情報が活用されなかった場合の評価値)+(情報No.222の獲得情報の評価値)+(情報No.223の評価値)=V1’+V2+V3=0.4V1+V2+V3となる。
さらに、第三の評価グループでは、その発生確率は、(情報No.221の獲得情報が活用されない確率)×(情報No.222の獲得情報が活用されない確率)で求められ、図13の例では、0.1×0.2=0.02となり、第三の評価グループの累計評価値は、(情報No.221の獲得情報が活用されなかった場合の評価値)+(情報No.222の獲得情報が活用されなかった場合の評価値)+(情報No.223の評価値)=V1’+V2’+V3=0.4V1+0.2V2+V3となる。
このような活用グループがある場合には、全体評価値演算部115は、それぞれの評価グループの累計評価値をそれぞれの発生確率で重み付けを行った上で加算することにより全体評価値を算出する。具体的には、図13の例では、下記の(2)式により全体評価値を演算する。
全体評価値演算部115で算出された各評価グループにおける発生確率とその累計評価値及び全体評価値とは、それぞれの活用グループに対応させた形で評価結果ファイル記憶部116に記憶する。
次に、全体評価値演算部115は、活用情報入力ファイル107Aに活用グループに関する情報が入力されておらず、かつ、変動情報入力ファイル109Aに評価値の変動に関する情報が入力されている場合には、下記のようにして、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報全体の評価値である全体評価値を算出する。
ここで、図14に示されているように、あるプロジェクトを実施することにより獲得された獲得情報がX1、X3、X5及びX6であり、それぞれの獲得情報の(1)式による評価値は、それぞれV1、V3、V5及びV6であったとする。
ここで、獲得情報X1がある変動項目に該当し、その評価値V1が確率P11で評価値S11に変動し、また、確率P21で評価値S21に変動するとする。
また、獲得情報X3もある変動項目に該当し、その評価値V3が確率P13で評価値S13に変動し、また、確率P23で評価値S23に変動するとする。
以下同様に、獲得情報X5の評価値V5が確率P15で評価値S15に、確率P25で評価値S25に、確率P35で評価値S35に変動し、さらに、獲得情報X6の評価値V6が確率P16で評価値S16に変動するとする。
このような場合、全体評価値演算部115では、図14の右図に示されているように、獲得情報の変動する評価値の全ての組み合わせについて、まずその変動確率と集計評価値とを算出する。
ここで、変動確率は、変動する評価値のある組み合わせにおいて、それぞれの獲得情報の評価値が変動する確率を全て乗算したものとなり、集計評価値は、その組み合わせにおける評価値を全て加算したものとなる。
そして、全体評価値演算部115では、変動する評価値のそれぞれの組み合わせで算出される集計評価値にその組み合わせの変動確率を乗算したものを全て加算して、全体評価値を演算する。
具体的には、図14の例では、全体評価値は下記の(3)式により演算される。
なお、図14に示す変動情報入力ファイル109Aのように、変動項目毎に、影響を受ける獲得情報No、影響度及び確率をそれぞれ個別に入力することができるようにした場合には、これらによって変動を受ける評価値のそれぞれの組み合わせについて変動確率と集計評価値を算出したが、このような変動情報入力ファイル109Aの代わりに、変動項目毎に全ての獲得情報が、同一の影響度及び同一の確率で評価値を変動すると仮定した場合には、図15で示されているように、確率(ここでは、P1、P2及びP3)毎に、集計評価値を求めることができる。なお、この場合でも変動確率は、その確率で変動する評価値の数だけそれぞれの確率を乗算したものとなる。
また、前述の代表値入力ファイル110Aに自然数が入力された場合には、全体評価値演算部115では、以下のようにして、集計評価値を演算する。
即ち、全体評価値演算部115は、前述のように、変動情報入力ファイル109Aに入力された情報に基づいて、評価値が変動した場合の全ての組み合わせについて変動確率と集計評価値を算出するものであるが、変動する評価値が多数にのぼる場合には、演算処理に非常に時間がかかる場合がある。そこで、図16に示すように、複数の変動する評価値と確率から代表値を算出して、組み合わせの数を減らすことができる。
具体的には、あるプロジェクトを実施することにより獲得された獲得情報がX1、X3、X5及びX6であり、それぞれの獲得情報の(1)式による評価値が、それぞれV1、V3、V5及びV6であった場合に、獲得情報X1がある変動項目に該当し、その評価値V1が確率P11で評価値S11に変動し、確率P21で評価値S21に変動し、確率P31で評価値S31に変動し、かつ、確率P41で評価値S41に変動するとする。
同様に、獲得情報X3の評価値V3が確率P13で評価値S13に、確率P23で評価値S23に、確率P33で評価値S33に、確率P43で評価値S43に変動し、獲得情報X5の評価値V5が確率P15で評価値S15に、確率P25で評価値S25に変動し、さらに、獲得情報X6の評価値V6が確率P16で評価値S16に、確率P26で評価値S26に変動するとする。
このような場合、全体評価値演算部115では、確率の加算値を確率の代表値とし、各評価値にその確率を乗算し確率の代表値で除算したものを評価値の代表値として用いることで、変動する評価値の組み合わせの数を減らすことができるようになる。
例えば、図16に示されている獲得情報X1の例でいえば、下記の(4)式及び(5)式により、変動する評価値の組み合わせの数を減らすことができる(ここでは、代表値として2が入力された場合の例を示す)。
同様の計算で、獲得情報X3、獲得情報X5及び獲得情報X6についても代表値をそれぞれ計算することで、組み合わせの数を減らすことができる。
なお、入力された代表値で組み合わせの数が割り切れないような場合には、その割り切れない部分の評価値については、この組み合わせの数を減らす演算は行わない。
このようにして演算された集計評価値、変動確率及び全体評価値は、評価結果ファイル記憶部116に記憶する。
次に、全体評価値演算部115は、活用情報入力ファイル107Aに活用グループに関する情報が入力されており、かつ、変動情報入力ファイル109Aに評価値の変動に関する情報が入力されている場合には、下記のようにして、プロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報全体の評価値である全体評価値を算出する。
図17に示すように、あるプロジェクトを実施することにより獲得される獲得情報がY1、Y2、Y3の三つであり、獲得情報Y1とY2は択一的に使用される活用グループを形成しているとする。なお、図17では、獲得情報Y1が活用されない場合をY1’、獲得情報Y2が活用されない場合をY2’、獲得情報Y3が活用されない場合をY3’として表している。
そして、獲得情報Y1、Y2、Y3の(1)式による評価値をそれぞれV1、V2、V3とする。
また、このY1とY2により構成される活用グループにおける活用順序はY1が先で次にY2が活用されるとする。そして、Y1が活用されなかった場合の低下率はαで、Y2が活用されなかった場合の低下率はβであるとする。また、Y1が活用される確率はQ1で活用されない確率はQ1’、Y2が活用される確率はQ2で活用されない確率はQ2’になっているとする。
さらに、Y1の評価値V1は、確率P11で評価値S11に変動し、確率P12で評価値S11に変動し、Y1が活用されなかった場合には、それぞれの評価値が、S11’=αS11、S12’=αS12に変動するものとする。同様に、Y2の評価値V2は、確率P21で評価値S21に変動し、確率P22で評価値S21に変動し、Y2が活用されなかった場合には、それぞれの評価値が、S21’=βS21、S22’=βS22に変動するものとする。
このような場合には、全体評価値演算部115は、評価グループ毎であって変動の組み合わせ毎に算出される統合評価値とその統合確率を以下のように演算する。
まず、全体評価値演算部115は、活用グループに関する事項のみが入力されている場合と同様に、累計評価値とその発生確率を各評価グループの組み合わせ毎に算出する。
次に、全体評価値演算部115は、上述のように算出された累計評価値と発生確率に基づいて、変動する評価値を組み合わせることで統合評価値と統合確率とを算出する。
即ち、統合評価値は、それぞれの評価グループ内における変動する評価値の組み合わせ毎の集計評価値にその組み合わせ毎の変動確率を掛け合わせたものをそれぞれの評価グループ毎に合計し、その合計値に各評価グループの発生確率を乗算することにより算出される。また、統合確率は、その評価グループ毎の発生確率と同じになる。
具体的には、図18の例では、第一の評価グループの統合評価値をK1、第二の評価グループの統合評価値をK2、第三の評価グループの統合評価値をK3とすれば、これらは、次の(6)式、(7)式及び(8)式によって算出される。
なお、K1の統合確率はQ1、K2の統合確率はQ1’・Q2、K3の統合確率は、Q1’・Q2’となる。
そして、全体評価値演算部115は、これらの統合評価値にそれぞれの統合確率を乗算して加算することで、全体評価値を算出する。
具体的には、(9)式により全体評価値を算出する。
以上のようにして算出された総合評価値、総合確率及び全体評価値は、評価結果ファイル記憶部116に記憶される。
評価結果ファイル記憶部116には、前述のように、評価値演算部114の演算結果である評価値、累計評価値及び発生確率、集計評価値及び変動確率、統合評価値及び統合確率、全体評価値、が記憶される。
評価結果表示部117は、評価結果ファイル記憶部116に記憶されている評価値、累計評価値及び発生確率、集計評価値及び変動確率、統合評価値及び統合確率、全体評価値、をそれぞれ所定の形式で表示する。
これらの表示は、例えば、図19に示されているように、縦軸を確率、横軸を評価値とするグラフ119Aに表すことが望ましい。なお、図19は、第一の評価グループの統合評価値の折れ線119a、第二の評価グループの統合評価値の折れ線119b、第三の評価グループの統合評価値の折れ線119c、及び、これらの平均値を表す折れ線119dである。
以上のように構成されるプロジェクト評価システム100の使用方法を図20に示すフローチャートで説明する。
まず、既存情報入力ファイル記憶部101に記憶されている既存情報入力ファイル101Aを開き、所定の入力欄に所定の事項を入力する(S200)。
このとき、既存情報ツリー表示部103で、適時、既存情報のツリー構造102Aを表示して、既存情報の構造を確認しながら入力するのが望ましい。
全ての既存情報が入力されるまで、ステップ200を続けるが(S201)、既に全ての既存情報が入力されている場合には、ステップ200、201は省略することも可能である。
全ての既存情報が入力された場合(S201)には、獲得情報入力ファイル記憶部104に記憶されている獲得情報入力ファイル104Aを開き、所定の入力欄に所定の事項を入力する(S202)。
このとき、適時、既存情報ツリー表示部103又は獲得情報ツリー表示部106で既存情報のツリー構造102A又は獲得情報のツリー構造105Aを表示して、これらの構造を確認しながら入力するのが望ましい。
全ての獲得情報が入力された場合(S203)には、次に進む。
活用グループがある場合(S204)には、活用情報入力ファイル記憶部107に記憶されている活用情報入力ファイル107Aを開き、所定の入力欄に所定の事項を入力する(S205)。
全ての活用グループについて入力が終了した場合(S206)又は活用グループがない場合(S204)には次に進む。
変動項目に該当する獲得情報がある場合(S207)には、変動情報入力ファイル記憶部109に記憶されている変動情報入力ファイル109Aを開き、所定の入力欄に所定の事項を入力する(S208)。
変動情報入力ファイル109Aに必要な事項を全て入力した場合(S209)又は変動項目に該当する獲得情報がない場合(S207)には、次に進む。
係数を変更する場合(S210)には、係数情報入力ファイル111Aを開き、所定の入力欄に所定の事項を入力する(S211)。
係数を変更しない場合(S210)又は係数の入力が終了した場合(S212)には、次に進む。
代表値を設定する場合(S213)には、代表値入力ファイルを開き、代表値を入力する(S214)。
入力項目への入力が終了した場合には、入力部120で演算指令を出すことで(S215)、評価値演算部114が評価値を演算し、全体評価値演算部115が全体評価値を演算して、評価結果表示部119により評価値の表示を行う(S216)。
以上のように構成されるプロジェクト評価システム100は、例えば、図21に示すコンピュータシステム300によって実現可能である。
コンピュータシステム300は、CPU(Central Processing Unit)301、主メモリ302、キーボード・マウス等の入力装置303、補助記憶装置304、ディスプレイ305及びこれらを接続する内部バス306により構成されている。
この場合、既存情報入力ファイル記憶部101、獲得情報入力ファイル記憶部104、活用情報入力ファイル記憶部107、低下情報入力ファイル記憶部108、変動情報入力ファイル記憶部109、係数情報入力ファイル記憶部111、代表値入力ファイル記憶部110、演算式情報記憶部113及び評価結果ファイル記憶部116は補助記憶装置304により実現され、既存情報ツリー生成部102、獲得情報ツリー生成部105、評価値演算部114及び全体評価値演算部115は、補助記憶装置304に記憶されている所定のプログラムを主メモリ302に読み出しCPU301で処理することにより実現され、入力部112は所定の入力ファイルを主メモリ302に読み出し入力装置303でCPU301に指令を出すことにより実現され、既存情報ツリー表示部103、獲得情報ツリー表示部106及び評価結果表示部117は、ディスプレイ305により実現される。
以上に記載したように、本実施形態においては、既存情報入力ファイル101A及び獲得情報入力ファイル104Aにおいては、既存情報及び獲得情報を三つの階層に分類するようにしているが、階層の数についてはこれに限定されるわけではなく、適宜変更することが可能である。
また、本実施形態では、既存情報入力ファイル101Aにおいて、情報階層レベル入力欄101c、上位情報No入力欄101d、下位情報No入力欄101e、質入力欄101f及び重要度入力欄101gを設けているが、既存情報の入力項目についてはこれらに限定されるわけではない。
また、獲得情報入力ファイル104Aでも、情報階層レベル入力欄104c、上位情報No入力欄104d、下位情報No入力欄104e、活用情報入力ファイルNo入力欄104f、重要度入力欄104g、難易度入力欄104h、影響度入力欄104i、新規性評価値入力欄104j、非新規性評価値入力欄104k、判定後上位情報No入力欄104l及び判定後一致情報入力欄104mが設けられているが、獲得情報の入力項目についてもこれらに限定されるわけではなく、獲得情報の構造面又は内容面を評価するのに必要と認められる範囲でこれらの項目を変更・追加することができる。
また、同様に、活用情報入力ファイル107A、低下情報入力ファイル108A、変動情報入力ファイル109、代表値入力ファイル、係数情報入力ファイル111Aにおける入力項目についても、本実施形態のものに限定されるわけではない。
また、本実施形態における演算式情報である(1)式についても、獲得情報を構造面及び内容面から評価することができる範囲で適宜変更可能である。
また、本実施形態における全体評価値の算出法についても、プロジェクトを実施することによって獲得される獲得情報の全体を評価することができる範囲で適宜変更化のである。
また、本実施形態では、活用情報入力ファイル107Aに活用グループに関する情報が入力されているか否か、また、変動情報入力ファイル109Aに評価値の変動に関する情報が入力されているか否か、により、全体評価値の算出方法を変えているが、異なる算出法で全体評価値を算出することができる範囲で、異なる算出方法で算出される全体評価値を複数算出することも可能である。
100…プロジェクト評価システム100の使用方法を図20に示すフローチャート、101…既存情報入力ファイル記憶部、104…獲得情報入力ファイル記憶部、107…活用情報入力ファイル記憶部、108…低下情報入力ファイル記憶部、109…変動情報入力ファイル記憶部、111…係数情報入力ファイル記憶部、112…入力部、113…演算式情報記憶部、114…評価値演算部、115…全体評価値演算部