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JP4606454B2 - 管理型護岸の構築法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設の防波堤、護岸のような海洋構造物を利用して、廃棄物投棄場を区画する護岸として構築し、既設の防波堤に囲まれている港を有効利用して、区画された内部に廃棄物を投棄しても、その区画の内に水が出入りすることがないように、遮水性を良好に発揮可能にする管理型護岸の構築法に関する。
廃棄物を海に埋め立てるために、埋立地を仕切ってその周囲を囲むように護岸を構築するに際しては、従来より海底地盤表面上に、捨石を所定の高さに積み上げた基礎マウンドを構築し、その基礎マウンドの上にケーソン等の既製の構造体を据付けて構築している。このように、護岸を新設する手法を用いずに、使用しなくなった港湾の防波堤等を利用して、港の内部に棄物等を投棄して埋め立てすることが考えられている。
また、前記護岸により仕切られた埋立地を構築する場合においては、護岸の内外に水が流通することを防止する手段を用いる必要があるので、そのために、護岸の内側の基礎マウンドと海底地盤の表面に、遮水シートや遮水マット類を隙間なく敷設する方法や、アスファルト混合物のように流動性のある遮水材を所定の厚さの層状に構築する方法の他に、ケーソン間の目地部を遮水処理する等の、その現場に応じた遮水手段を追加して用いることもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−152425
ところが、従来の遮水シートや遮水マット類を敷設して、護岸の内外に水の流通を阻止する遮水処理方法を適用する場合に、基礎マウンドの表面に敷設する遮水シート類等が、ケーソン側と海底地盤側との両方の端部分で、隙間が生じないように処理できないことが多くある。特に、近年では、水深が10m以上の海域を対象として廃棄物埋め立て処分場を確保することも多くあり、そのような大水深の海域では、遮水シート類を隙間なく敷設する等の、遮水処理を行う工事では多くの問題が出現している。
また、護岸本体工として基礎マウンドの上に、ケーソンを据付けて構築する一般的な構造物においては、前記基礎マウンドの石の間、または、前記ケーソンを据え付ける海底地盤の砂やシルト質等の透水性を有する地層を通って、仕切護岸の内外部の間で水が流通することは避けられない。
その他に、海底地盤の遮水処理を良好に行った場合でも、ケーソンの下面と基礎マウンドの間での遮水処理が不完全な場合があり、埋立地に溜まった保有水が外洋に漏れ出す等の問題が生じやすい。また、前記海底地盤が透水性の小さな土質である場合の他に、透水係数の小さな岩盤の場合でも、前記ケーソンの下面と岩盤との間から水が流通することがあり、そのような工事現場での遮水処理にも解決を要する問題が多く残っている。
近年、使用しなくなった港湾を有効に利用することの1つの手段として、既設の防波堤等を仕切護岸として用い、港の内部を廃棄物処分場として利用することが、提案されているところもある。前記代替手段を用いることは、廃棄物処分場を新設するよりも比較的容易に工事を行い得ることにもなり、既設の構造物を利用して廃棄物を埋め立てて埋立地を造成し、埋め立てを行った後の地表面に、所定の厚さで植物の根を張らせる土を盛る等の処理を行うことで、新たな陸地を造成して、公園等の新たな需要に供することができるという利点もある。
ところが、そのような既設の港湾を処分場として利用する場合には、防波堤本体を支持している基礎マウンドと海底地盤の双方と、既設のケーソンの目地間に隙間が多くあったり、比較的透水性を有するものである場合が多い。その結果、その既設の構造物に対して遮水処理を行う経費が、仕切護岸を新設する場合と比較して安くならないことがあり、より有効な構築方法が模索されているのが現状である。
本発明は、前記廃棄物海面処分場を既設の防波堤等の構造物を利用して構築し、使用されなくなった港を有効に利用し得て、遮水性が良くなかった港湾の護岸に対しても、容易に遮水処理を行って、信頼性の高い遮水部を構築可能とすることを目的としている。
本発明は、既設の防波堤、岸壁、護岸のような海洋構造物を利用して、廃棄物投棄場を区画する護岸を構築する護岸の構築法に関する。
請求項1の発明は、前記既設の海洋構造物が構築されている地盤が透水性の地盤である場合に、前記既設の構造物の厚さ方向の所定の範囲に、所定の巾と深さに亘って不透水性の地盤とする地盤改良処理を施工し、
前記既設の構造物の両側の前記不透水性改良を施工した海底地盤の上に、前記構造物と所定の間隔をおいて、所定の高さの壁状の不透水層を構築し、
前記壁状の不透水層と既設の構造物の間に、前記構造物の基部を所定の高さまで覆うように遮水材の層を構築して、
前記既設の構造物と不透水性改良を施工した地盤とを一体化した不透水性の仕切護岸として構築することを特徴とする。
請求項2の発明は、前記既設の構造物を利用して構築する護岸においては、前記構造物の埋立地側の側面に、遮水性を発揮するシート部材を構造物の側面に沿わせて敷設し、
前記シート部材の下部を、前記構造物の基部を覆う前記遮水材の層の中に保持・固定させる処理を施して、
既設の構造物を利用して構築した護岸での遮水性を向上させる処理を施すことを特徴とする。
前述したようにして、既設の港湾の防波堤等をそのまま用いて、仕切護岸を構築するに際して、支持基礎となる海底地盤の透水係数を小さな値とするように、不透水性地盤改良工事を施工するとともに、ケーソンの下部と前記支持基礎となる不透水性地盤改良部等の間にも、遮水性を持たせる処理を行って、廃棄物埋め立て処分場の区画を容易に構築することができる。
また、前記護岸を構築する海底地盤が、透水係数の小さな岩盤である場合にも、既設の構造物の下部と地盤との所定の範囲に亘って、遮水材料の層を所定の厚さで構築するのみで、遮水性を良好に発揮できる仕切りとすることができる。
そして、使用しなくなった防波堤等の施設を利用して、廃棄物処理場の区画を構築することで、工期が短く、工事費が安くてすむ護岸を容易に構築することができ、使用しない港湾施設等を陸地化して、有効に利用することも可能となる。
図示される例にしたがって、管理型護岸の構築法を説明する。一般的な管理型廃棄物埋立地を囲うように構築する仕切護岸を新設する場合には、護岸を構築する海底地盤の透水性に応じて、地盤を遮水層とする工事を最初に施工する。例えば、海底地盤が砂地等の場合には、セメントや石灰系の固化材を地盤中に注入して地盤の砂と混合し、地盤全体を不透水層となるように処理する。そして、その地盤の上に立設するケーソン等の構造物と地盤の間と、ケーソン間での継ぎ目部分での遮水処理を施工することで、新たに構築する護岸に囲まれた処分場内に、投棄した廃棄物に触れて汚染された水を、区画内に閉じ込めておき、別に設けた排水処理手段を通して清浄化する処理を行ってから、区画の外部に排出させるようにする。
前述したように、廃棄物処分場を新設することに代えて、既設の港湾等の防波堤等の構造物を用いて、その港湾の区画内を廃棄物埋め立て処分場として、新たな目的に向けて供給することも考えられている。それは、港としての使命が終了したり、何等かの理由で港の水深が浅くなったり、その他の理由で、その港に新たな目的を与えて、生き返らせることを目的とすることが考えられる。
前述したように、廃棄物埋め立て処分場としての、再使用に提供しようとする港湾等において、使用しなくなった防波堤のような構造物を構築しているところの地盤が、透水性地質であることが多くある。また、前記防波堤を設置している基礎部では、特に遮水性を求めてはいなかったことから、大きな石を積み重ねた石積のままで、その基礎の石の間に水が通ることを阻止する手段は用いられていないことが多くある。そこで、そのような透水性を有する地盤や基礎部に対して、廃棄物処分場として新たな利用に供するために、港内と外海の間で水が流通しないように、遮水処理を施工する必要が生じる。
前述したような目的に対処させるために、図1に示す例においては、既設の防波堤を廃棄物埋立地の仕切護岸として供する場合の、防波堤の構造を説明している。前記防波堤10においては、ケーソン11を支持する基礎部17は、所定の大きさの石を積み重ねて構築していることが一般的であり、その基礎部17の石の間には、水が流通可能な隙間が大きく設けられたままである。
また、前記既設の防波堤等を支持する海底地盤では、不透水層としての性質を有する岩盤2の上の堆積層3に対しては、特に不透水性を発揮可能な地盤改良部として処理されているものではないことが多い。そこで、前述したような透水性を有する地盤上に構築されている既設の防波堤等の海洋構造物では、地盤の透水性と、基礎部17における水の流通性を同時に解消し、新たな護岸を構築することが求められる。
前記図1に示すように、既設の海洋構造物10を用いる場合には、まず、既設のケーソン11の両側に所定の間隔を介して、盛土層23を所定の巾と高さに構築し、前記盛土層23と堆積層3に亘って、不透水性地盤改良を行って壁状不透水性処理層22、22を所定の厚さを有する壁状に構築する。また、前記壁状不透水性処理層22、22aの間の堆積層3に対しては、可能な範囲で地盤改良部4として改良する工事を行い、前記土質を改良した地層4を挟んで、両側の堆積層3の間で水が流れないようにする処理を行うと、より良い効果を奏することができる。その後で、前記壁状処理層22、22aの間の余分な土等を除去してから、アスファルト混合物層20を打設して、下部の遮水層を構築して、流動性の大きな材料を基礎部の石の間にも充満させて、アスファルト混合物層20によりケーソン11の基部を支持するとともに、海底地盤上に巾の広い遮水層を構築する。
なお、前記図1に示す例において、壁状の不透水性処理層22、22aとしては、前記地盤改良部4を施工する場合と同様に、土にセメント等の固化材料を混入して地盤の透水性を改良することによって、地盤中に不透水性の壁状の仕切りとして構築する手法を用いることも可能である。例えば、前記地盤改良部4としては、海底地盤に砂杭状の構築物を連続させて打設して地盤改良部を壁状に構築することが可能であり、その際には、砂にアスファルトもしくはセメントを混合したものを、隣接させて列状に立設して砂壁を構築する工法を用いて、不透水性地層として施工することも可能である。
前記既設の防波堤等を利用して埋立地の仕切護岸を構築する場合に、ケーソンの間に隙間が生じていたりするときには、従来のケーソンの間での遮水工事を施工する場合と同様に、ケーソンの間にシール部材を挿入して、アスファルト混合物を隙間に充満させる等の追加工事を施工して、ケーソン目地での遮水処理を行うことが必要である。さらに、前記ケーソン間の遮水処理に加えて、ケーソンの内海側の両側または一方の側に沿わせて遮水シートを追加敷設して、ケーソンの側面を覆う等の処理を施すことで、仕切護岸での遮水性能をより向上させることも可能となる。例えば、前記図1の例において、ケーソン11の内海側の側面に沿わせて、遮水シート15を敷設し、その遮水シート15の下部をアスファルト混合物層20に対して、押えブロック15a等により押圧する状態で一体化して隙間をなくし、遮水性をより良好に発揮させるようにすることもできる。
前記図1に示す例において、前記地盤を不透水性のものとして改良することと、ケーソンの目地間での遮水止水処理によっても、十分な防水性能を発揮できない場合がある。そのような現場では、地盤の不透水処理層22に達するように鋼製矢板を打ち込んで、隣接する矢板の間での遮水処理を施して、パイル壁25を構築することで、遮水性を発揮させる処理を施すようにすることもできる。また、場合によっては、前記ケーソン11とパイル壁25の間に、充填物を充満させて遮水シート15の端部を押えるとともに、その充填物として遮水性を発揮できるような材料を用いると、遮水性をより向上させることと、構造物を安定化させることができる。
つまり、前記実施例に説明するように、壁状の不透水層を立設する処理を施すことと、ケーソンの目地間での遮水止水処理によっても、十分な防水性能を発揮できないと考えられる場合もある。これに対しては、図1に説明しているように、地盤の不透水処理層22に達するように、鋼製矢板を打ち込んでパイル壁を構築することと、前記ケーソン11の側面に沿わせて遮水シート15を敷設する処理を追加することにより、遮水性をより良好に発揮させ、構造物を安定化させることができることを、説明しているのである。
前記図1とは異なり、図2に示す例では、既設の海洋構造物を用いる場合には、まず、既設のケーソン11を支持している地盤3に対して、ケーソンの両側に所定の間隔を介して、壁状不透水性処理層22、22を構築する。前記壁状に構築する不透水性処理層22としては、堆積層の地盤3の土にセメント等の固化材を混入する等の処理を施して、構築することができるもので、その前後の任意適当なタイミングで、前記壁状不透水性処理層22、22の各々の外側に、地盤から所定の高さに突出させたパイル壁25を1列状に打設して、アスファルト混合物層20を構築する仕切りとして設ける。そして、前記パイル壁25とケーソン11の間の空間部に、地盤と基礎部17およびケーソン11の下部を埋めるように、アスファルト混合物層20を打設する。前記遮水材の層を構築する処理を行うことにより、前記壁状処理層22、22とアスファルト混合物層20とを一体化し、前記ケーソン11の基部を支持するとともに、海底地盤中と上部に巾の広い遮水層を構築する。
図3に示す例においては、既設の海洋構造物を用いて、新たな護岸として改良する場合に、まず、既設のケーソン11を支持する地盤3に対して、ケーソン11が位置する部分の両側に、所定の間隔を介して土嚢やコンクリートブロック等を積み重ねて、所定の高さの仕切壁24、24を構築する。ついで、前記仕切壁24、24の内側では、海底地盤3の土にセメント等の固化材料を混入して、地盤の透水性を改良する処理を行い、遮水性を発揮できる壁状不透水性処理層22、22を、所定の厚さを有する壁状のものとして構築する。
そして、前記壁状不透水性処理層22、22の上に、砂とアスファルト混合物とを混合したものを築いて壁状に構築し、その追加不透水層22aを、前記壁状不透水性処理層22、22の上に一体に接続されるように組み合わせる。したがって、前記追加不透水層22a、22aを地盤中と地盤上に亘って、上下で一体の壁状の不透水層22、22aが繋がるように構築して、ケーソン11の両側に所定の間隔を持たせて、遮水層として構築する。そして、前記遮水壁22、22aとケーソン11との間に形成されている空間部に、地盤と基礎部17およびケーソン11の下部を埋めるように、アスファルト混合物層20を打設する。
前記本発明の実施例において、遮水材としてアスファルト混合物を用いる場合で説明したが、前記遮水層を構築するためには、土質系遮水材またはコンクリート系遮水材、もしくはケミカル系遮水材を用いることが可能であり、その他に、前記遮水材の2種類もしくは3種類を組み合わせて施工することも可能である。前記遮水材として、種類の異なるものを組み合わせて施工するに際しては、任意の厚さの遮水材を用いて、層状に形成したものを上下に積層させるように施工するか、任意の厚さの遮水材の層を列状に相互に隣接させるように施工する手法を用いて、遮水層の施工コストの低減を可能にしても良い。例えば、前記遮水材としてアスファルト混合物のみを用いて施工する場合には、そのアスファルト混合物のコストが比較的高価であることから、十分な遮水性を発揮できて、遮水層の施工コストを低減させるように、他の遮水材と組み合わせて施工することが強く望まれる場合が多くある。
前記遮水材として用いる材料は、アスファルト混合物の他に、従来より用いられている土質系遮水材またはコンクリート系遮水材、もしくはケミカル系遮水材を用いることが可能である。例えば、土質系遮水材としては、粘土質の土に対して任意の凝固を阻止する添加材を加えて、固化しないような処理を行った材料を用いることができるもので、コンクリート系遮水材としては、コンクリートの他に、モルタルやセメントを所定の比率で土や砂等に混合した材料を用いることが可能である。そして、前記遮水層を複数の遮水材の層を重ねて構築する場合には、以下に説明する実施例に示すように、任意の縦横方向に複数種類の遮水材の層を積層した遮水層として構築することが可能である。
前記各実施例に説明した例とは別に、図4に示す例では、海底地盤が砂質の地盤の場合に、所定の厚さになるような壁状に遮水層を立設して施工した遮水層に対して、さらに矢板を打設して強固な遮水層を、縦壁状に構築する場合を説明している。この図4に説明する実施例においては、地盤3の上に基礎部を高く構築せずに、ケーソンを支持する地盤表面を均すように薄く石の層を設けてから、ケーソンを載置する手法を用いて、旧構造物が構築されていた場合で説明している。
この例において、ケーソン11を支持する地盤3に対して、ケーソンの両側に所定の間隔を介して、コンクリートの壁28を不透水層2に達する深さに構築する。さらに、前記コンクリート壁28の中に、または壁28に沿わせて矢板29を位置させ、遮水壁を構築するが、もちろん、コンクリートの壁の中に矢板を打設することはできないことであるから、前記矢板壁を構築してから、その両側にコンクリートを打設して、壁28を構築する手法を用いると良い。
前記遮水壁28とケーソン11の基部との間で、形成される空間部に対しては、前記遮水層20Aと同様に、土質系遮水材とアスファルト混合物とを積層した遮水処理部を施工することが可能である。その他に、遮水処理層20Bとしては、土質系遮水材の層20aの上にコンクリート系遮水材の層20cを施工し、さらに、その上面をアスファルト混合物の層20bで覆って、ケーソンの周囲の部分からの漏水が生じないような処理を施しても良い。前述したように、ケーソンの基部の遮水処理を行う場合には、遮水材としても、従来より遮水材として用いられているもの等、任意の材料を用いて施工することが可能である。
前記図1〜3に説明した各実施例は、海底地盤1が不透水層としての岩盤2の上に、堆積層3が砂等の水を通す層として存在する場合を例にしているものである。このような例とは別に、非常に強固で透水係数の小さなな岩盤2の上に、直接ケーソン11等を設置して、海洋構造物10を構築する場合は、次に説明する図5、6のような例も考えられる。 図5に示す例では、地盤が堅くて不透水性の場合に、ケーソン11の両側(内外海域の側)に、所定の高さと巾を有する端部ブロック21、21aを設置して、前記端部ブロックの間にアスファルト混合物を充満させて、ケーソン下部での遮水性を確保できるようにしている。前記アスファルト混合物層20は、端部ブロック21と同じ高さに施工して、ケーソン11の基部を所定の高さまで埋没させるようにすると良い。
前記端部ブロックとしては、例えば、海底に型枠を組んだ間に、水中コンクリートを打設する等の工法を用いることにより、容易に岩盤2上に構築可能である。その他に、比較的大きなコンクリートブロックを陸上で作成し、台船等により搬送して所定の海域に沈設することによっても、前記端部ブロック21として構築することができる。
また、図6に示す例においては、ケーソン11の両側に構築する端部ブロック21、21aの間に任意の遮水材を充満させてから、遮水材の層20aの上面をアスファルト混合物の層20bで覆って、ケーソンの両側の部分での遮水処理層20Aを構築する。なお、この図6に説明する例で、ブロック21とケーソンの間では、遮水層をほぼ省略するように説明しているが、ケーソンの陸側では、他の例と同様に遮水工を施工したものとして示している。このように、他の実施例に示すような仕切護岸においても、ケーソンの基部を埋めるように施工する遮水層では、その処理を施す必要がない場合、または一方の側のみで足りると考えられる場合があり、必ずしもケーソンの両側に厚い遮水工を施工することが要求されないことがある。
前述したように構築する遮水壁において、ケーソン間での遮水処理のためには、従来より一般に用いられている手法を適用することが可能である。例えば、その1つの例として示す図7の側面図と、図8の平面図に説明する例では、前記図6の場合と同様に、海底地盤上に台形に石を積み上げた基礎部を構築せずに、地盤上に直接ケーソンを載置・立設した構造のものについて説明しているが、次に説明するケーソン間での遮水工は、基礎の構造に限定されているものではない。
前記海洋構造物10を構築するケーソン11は、所定の高さ、厚さと長さを有するものを複数並べて構築し、埋立地の周囲の仕切りを構築するものである。そして、前記ケーソン11の間(目地間)での遮水をするための目地遮水処理部12は、図7、8に示すような、従来より用いられている一般的な工法を用いて構成することができる。
前記図7、8に示す目地遮水処理部12としては、ケーソン11、11の間に、所定の間隔をおいてゴム等で略筒状に構成したシール部材13を配置し、そのシール部材13、13aの間の空間部に、アスファルト混合物を充填して、目地充填層14を構築する。また、前記シール部材13aの外側には任意の型枠を配置して、コンクリート等の固化材の層14aを構築することもある。なお、前記シール部材13、13aの内部にも、必要に応じてアスファルト混合物や砂等を充満させて、シール部材13が潰れないように保護するが、前記目地遮水処理部12としては、前述したような方法を用いる他に、従来公知の目地遮水工を適用することも可能である。
前記構造物を設置する溝の内部の地盤(表面)上には、前記基礎石層を構築せずに、遮水性を有するマットを敷設すること、またはアスファルト混合物や水中コンクリートを所定の厚さで打設して、遮水性を発揮可能な遮水体を構築して、不透水性の地盤と遮水体との間での遮水性を持たせるような公報を用いることも可能である。そして、前記遮水体の上にケーソンを据付けてから、アスファルト混合物を打設してケーソンの基部を覆うようにし、構造物と遮水性(不透水性)地盤との間での遮水処理を施すことも可能である。
また、ケーソン11の基部を所定の範囲で覆うように、ケーソン11の基部の両側面と下面とを覆うようにアスファルト混合物層20を施工して、前記ケーソン11の基部をアスファルト混合物層20を介して一体化することができる。そして、前記ケーソンの基部をアスファルト混合物により強固に支持することにより、護岸に対して波浪の衝撃が加えられた場合にも、前記ケーソンと端部ブロックとを一体化する状態で、前記海洋構造物を保持する作用を良好に発揮できるようにする。
前記図7、8の例のように、ケーソン間で遮水工を施工するに際しては、1列状に立設する各ケーソン11間の遮水工を施工した後で、前記アスファルト混合物層20をケーソン基部に充填し、その後にケーソン11の陸側に遮水シート15を施工する。そして、その遮水シート15の下部をアスファルト混合物層20の上に所定の長さで延長して、地盤上に押さえ層16を施工する。
さらに、必要に応じて、遮水シート15の端部にアスファルトブロック等を配置する手段を用いて、遮水シートの先端部を保持させることができる。前記押さえ層16と端部ブロック16aとしては、任意の厚さのアスファルトマットを敷設することや、アスファルト混合物を打設して構築することもでき、それによって、遮水シート15の下部に水が通る隙間が生じないようにする。
なお、前記本発明の各実施例において、ケーソンの基部に構築する遮水材の層20、20Aでは、前述したように、複数種類の遮水材料を積層して、遮水性をより向上させた層を構築することが可能であり、その積層する際の、各材料の厚さ等は、適宜設定することが可能である。前記基部の遮水材の層の他に、ケーソンの側部に所定の厚さで壁状に構築する遮水層においても、前述したように、性質の異なる複数の遮水材を組み合わせて、遮水層を形成することで対応が可能である。また、前記遮水材としてアスファルト混合物を用いる場合に、その混合物でのアスファルト成分と骨材、その他の混合物の配合比率等は、その構造物を構築する海域の波の荒さや施工能率等に対応させて、任意に設定することができる。
その他に、前記ケーソン間の目地遮水層14に充填する前記土質系遮水材としては、任意の粘土質の材料を用いることが可能であるが、例えば、ベントナイト等に対して、乳化材や沈殿を抑制する成分等を混合したものを用いることが可能であり、前記粘土成分が圧密されて固化しないように保持することで、遮水材としての性質を長期間に亘って維持できるようにする。さらに、コンクリート系遮水材を用いる場合には、任意の配合比率で形成したコンクリートやモルタルを、単独で打設することが可能であるが、比較的厚く打設する場合には、小石や栗石の層を構築した後で、コンクリート系遮水材を打設してそれ等の石の層をコンクリート系遮水材と一体化した遮水層を構築しても良い。
本発明の既設の防波堤等を利用して、仕切護岸を構築する例の説明図である。 既設の防波堤等を利用して、仕切護岸を構築する別の実施例の説明図である。 図2とは異なる例の説明図である。 コンクリート壁による遮水層の構築例の説明図である。 岩盤を掘削せずに構築した海洋構造物の例の説明図である。 図5の遮水層の変形例の説明図である。 ケーソン間に設ける目地遮水処理部の説明図である。 図7の目地遮水処理部の平面図である。
符号の説明
1 海底地盤、 2 岩盤、 3 堆積層、 4 不透水性地盤改良部、
6 基礎石層、 7 端部ブロック、 10 海洋構造物、
11 ケーソン、 12 目地遮水処理部、 13 シール部材、
14 目地充填層、 15 遮水シート、 16 押さえブロック、
17 基礎部、 20 アスファルト混合物層、 21 端部ブロック、
22 壁状不透水処理層、 22a 追加不透水層、 23 盛土層、
24 仕切壁、 25 パイル壁、 26 接続具、 27 充填物。

Claims (2)

  1. 既設の防波堤、岸壁、護岸のような海洋構造物を利用して、廃棄物投棄場を区画する護岸を構築するに際して、
    前記既設の海洋構造物が構築されている地盤が透水性の地盤である場合に、前記既設の構造物の厚さ方向の所定の範囲に、所定の巾と深さに亘って不透水性の地盤とする地盤改良処理を施工し、
    前記既設の構造物の両側の前記不透水性改良を施工した海底地盤の上に、前記構造物と所定の間隔をおいて、所定の高さの壁状の不透水層を構築し、
    前記壁状の不透水層と既設の構造物の間に、前記構造物の基部を所定の高さまで覆うように遮水材の層を構築して、
    前記既設の構造物と不透水性改良を施工した地盤とを一体化した不透水性の仕切護岸として構築することを特徴とする管理型護岸の構築法。
  2. 前記既設の構造物を利用して構築する護岸においては、前記構造物の埋立地側の側面に、遮水性を発揮するシート部材を構造物の側面に沿わせて敷設し、
    前記シート部材の下部を、前記構造物の基部を覆う前記遮水材の層の中に保持・固定させる処理を施して、
    既設の構造物を利用して構築した護岸での遮水性を向上させる処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の管理型護岸の構築法。
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