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JP4602496B2 - ポリビニルフェノール類のアセタール化物及び/又はカーボネート化物の製造方法及び感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

ポリビニルフェノール類のアセタール化物及び/又はカーボネート化物の製造方法及び感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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JP4602496B2
JP4602496B2 JP14312999A JP14312999A JP4602496B2 JP 4602496 B2 JP4602496 B2 JP 4602496B2 JP 14312999 A JP14312999 A JP 14312999A JP 14312999 A JP14312999 A JP 14312999A JP 4602496 B2 JP4602496 B2 JP 4602496B2
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acid
compound
acetalized
polyvinylphenol
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為一 落合
泰弘 亀山
由紀 田中
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Rohm and Haas Electronic Materials LLC
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Rohm and Haas Electronic Materials LLC
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高解像形状をサブミクロン寸法で形成する能力を有する、ディープUV露光に適した新規フォトレジスト組成物に関する。特に酸で解裂する保護基を有する樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積度化、高密度化の波は目覚ましく早く、特に、DRAM(Dynamic Random Access Memory)では64Mbitの量産化がすでに始まり、今世紀中には、256Mbitの記憶容量を持つものも生産が始まるといわれている。半導体集積回路の線幅は64Mbit、256MbitDRAMでは0.25μm、0.20μmの設計ルールが適用され、さらにチップの細密化のために上記の設計ルールは0.18μm、0.13μmの線幅へとシフトしている。
【0003】
又、クォーターミクロン或いはさらに微小な半導体デバイス設計ルールに対応するリソグラフィーとしてはX線リソグラフィーや電子線リソグラフィー及び、KrFエキシマーレーザーに代表される遠紫外線リソグラフィーが使用される。
クォーターミクロン或いはさらに微小な半導体デバイス設計に適用される高性能のレジストとして、活性光線あるいは放射線の照射により酸を発生する光酸発生剤と、酸によって容易に脱離する官能基を有し、官能基脱離の前後においてアルカリ現像液に対する溶解速度が変化する樹脂を組み合わせた化学増幅型のポジ型感光性組成物が主流になってきている。
【0004】
例えばフェノール性水酸基の少なくとも一部をターシャリーブトキシカルボニル基で保護したアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型の感光性組成物は広く知られている(たとえば、特開昭59−045439、特開平05−132513号公報など)。
一方、フェノール性水酸基の少なくとも一部をエトキシエチル等で保護したアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型の感光性組成物も広く知られている(例えば、特開平5−249682、特開平5−281745、特開平10−48826号公報等)。
化学増幅型のポジレジストにはポリビニルフェノール類の水酸基を上記保護基で保護した樹脂が多く用いられている。そしてこのような水酸基を保護基が導入された導入率が用途に応じて種々要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ポリビニルフェノール類のアセタール化物及び/又はカーボネート化物は樹脂製造後の乾燥工程において保護基が一部脱離してしまうため、所望の保護率と異なったものが得られ、それが原因で性能のばらつきが生じ安定製造することが困難であることが判った。
【0006】
本発明の目的は、ポリビニルフェノール類のアセタール化物及び/又はカーボネート化物を所望の保護率で安定的に製造することである。更に、製造ロット間の性能振れの少ない感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、製造後の乾燥を特定の減圧条件で行うことにより上記課題が解決されることを見いだした。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、ポリビニルフェノール類(A)と、>C=C−O−の部分構造を有しかつポリビニルフェノール類と反応してアセタール構造を形成しうるアルキルビニルエーテル類である化合物(B)、及びR−O−C(=O)−(但し、Rは脂肪族炭化水素)で示される部分構造を有しかつポリビニルフェノール類と反応してカーボネート構造を形成しうる化合物(C)とを、触媒及び有機溶媒の存在下反応してポリビニルフェノール類のフェノール性水酸基の少なくとも一部がアセタール化及びカーボネート化された化合物(D)を製造する方法において、得られた化合物(D)を300mmHg以下で減圧乾燥することを特徴とするポリビニルフェノール類のアセタール化及びカーボネート化物の製造方法に存する。
他の要旨は、上記記載の方法で得られたポリビニルフェノール類のアセタール化及びカーボネート化物(D)に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリビニルフェノール類(A)としてはヒドロキシスチレン単独での重合またはヒドロキシスチレンと各種のビニルモノマーとを共重合して得られる樹脂である。部分構造としてヒドロキシスチレン由来の構造を有する重合体であればよく、ベンゼン環上又は、それ以外の部分に置換基を有しているものを含む。またヒドロキシスチレンと共重合するビニルモノマーとしては、スチレン、アクリル酸、ビニルアルコールまたは、これらの誘導体などのエチレン性不飽和二重結合を含有する化合物を用いることができる。
【0009】
ポリビニルフェノール類として具体的には、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独または2種以上をラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合した樹脂等が用いられる。また、重合後樹脂の吸光度を下げるために水素添加を行なったものを用いてもよい。
【0010】
ヒドロキシスチレン類とビニルモノマー類とを2種類以上ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合した樹脂が共重合樹脂である。それぞれのモノマーの割合は用途によって異なる。
尚、該成分(A)として用いる樹脂の重量平均分子量Mwは、酸分解性保護基の導入前後で異なるが、いずれの場合に於てもレジスト膜が形成でき露光後にアルカリ現像液で現像できる範囲であれば使用することができる、好ましくはポリスチレン換算値(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ測定)で、通常1,000以上、好ましくは4,000以上であり、100,000以下、好ましくは50,000以下さらに好ましくは40,000以下のものが用いられる。
【0011】
該樹脂の重量平均分子量が、この範囲よりも大きいと露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、良好なレジストのパターンが得られない怖れがある。また該樹脂の重量平均分子量が、この範囲よりも小さいと良好なレジスト塗膜が得られない怖れがある。
ポリビニルフェノール類を上記範囲に調整する方法としては、分別沈殿法、分別溶解法、カラム分別法、超遠心分離法等があるが、いずれかの方法を用いてもよい。又、該樹脂の分子量分布Mw/Mnは1以上1.5以下であるのが、解像力の点で好ましい。
【0012】
本発明では、>C=C−O−構造を有しかつ上記ポリビニルフェノール類(A)の水酸基と反応してアセタール構造を形成しうる化合物(B)とは、ポリビニルフェノール類のフェノール性水酸基との反応によりアセタール構造「-O-C-O- 」を形成しうる化合物であり、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、 iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、シクロヘプチルビニルエーテル、1−メトキシプロペン、2−メトキシプロペン、1−エトキシプロペン、2−エトキシプロペン、1−プロポキシプロペン、1−iso −プロポキシプロペン、1−n−ブトキシプロペン、1−tert−ブトキシプロペン、1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−エトキシ−2−メチルプロペンなどのアルキルアルケニルエーテル類、2,3−ジヒドロ−4H―ピラン、2,3−ジヒドロフラン、2―メトキシ−2,3−ジヒドロー4H―ピラン、2―エトキシ−2,3―ジヒドロ−4H―ピラン及び2−メトキシ−2,3―ジヒドロフラン等の環状不飽和エーテル類、トリメチルシリルビニルエーテル及びトリイソプロピルシリルビニルエーテル等のトリアルキルシリルビニルエーテル類、3―メトキシアクリロニトリル等のシアノビニルエーテル類、1―シクロヘキセニルエチルエーテル等の1-シクロヘキセニルエチルエーテル類があげられる。
【0013】
また、レジスト性能の点から好ましくは置換基を有してもよいアルキルビニルエーテル類である。アルキル基の炭素数は、通常1から12の範囲が好ましい。
この範囲より大きいとレジストの性能面とくに耐熱性を落とす原因となり好ましくない。置換基としては、ハロゲン、ケトン、ニトリル、エステル基などがあげられる。
ポリビニルフェノール類(A)の水酸基と化合物(B)との反応によって、導入される保護基の割合、すなわち保護率は、保護基導入後の樹脂の用途にもよるが、一般には(A)の水酸基のうち5〜100モル%の範囲から選択され、特にもとの水酸基の一部、具体的にはたとえば5%〜90%の範囲で導入するのが好ましい。さらに好ましくは5%〜80%である。このためには(B)の不飽和化合物の種類にもよるが、この反応は平衡反応であることから、(B)の使用量を(A)の水酸基に対して5モル%以上で適宜選択すればよい。
【0014】
(A)と(B)の反応は、酸触媒の存在下で行われる。ここで用いる酸触媒は、有機酸でも無機酸でもよく、具体的にはたとえば、p―トルエンスルホン酸、蓚酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ギ酸、マレイン酸、フタル酸、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸などがあげられる。酸触媒は、(B)に対して一般的には0.0001から0.1 モル倍の範囲で用いることが好ましく、さらには0.001 〜0.01モル倍の範囲がより好ましい。酸触媒量がこの範囲よりも少ないと、反応が進みにくいため目的の保護率の樹脂が得られにくく、この範囲よりも多いと(B)がカチオン重合を起こしやすくなるため目的の保護率の樹脂が得られない怖れがある。
【0015】
反応にあたっては、通常、(A)と酸触媒および溶媒を混合して液相とし、そこへ(B)を溶剤と混合したものを添加していくのが好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されない。たとえば、ジオキソランやテトラヒドロフランなどがあげられる。
溶媒量は(A) の重量の1から20重量倍になるようにするのが好ましい。これより少ないと攪拌動力の問題がでてき、これより多いと反応の後処理で不都合が生じる。
【0016】
この反応の温度は、使用する反応溶媒および(B)の沸点以下であればよい。
反応時間は用いる樹脂(A)や(B)の反応性によって異なるが、0.1 〜72時間の範囲から選択される。好ましくは0.5 時間から48時間の範囲である。反応時間が短いと平衡反応に達しない可能性があり、長いと(B)がカチオン重合するなどの副反応がおこる可能性がある。
R−O−C(=O)−の部分構造を有しかつポリビニルフェノール類(A)との反応によりカーボネート構造を形成しうる化合物(C)とは、ポリビニルフェノール類の水酸基との反応によりカーボネート構造[−C(=O)−O−R]を形成しうる化合物である(ただしRは脂肪族炭化水素基である。)。Rの炭素数は通常1〜10である。化合物(C)としては、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジn−プロピルジカーボネート、ジイソプロピルジカーボネート、ジn−ブチルジカーボネート、ジtert−ブチルジカーボネートなどのジアルキルジカーボネート類、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、n−プロピルクロロホルメート、イソプロピルクロロホルメート、n−ブチルクロロホルメート、tertブチルクロロホルメート等のアルキルクロロホルメート類があげられる。ここでアルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。
【0017】
ポリビニルフェノール類(A)の水酸基と化合物(C)との反応によって、導入される保護基の割合、すなわち保護率は、保護基導入後の樹脂の用途にもよるが、一般には(A))の水酸基のうち5〜100モル%の範囲から選択され、特にもとの水酸基の一部、具体的にはたとえば5%〜90%の範囲で導入するのが好ましい。さらに好ましくは5%〜50%の範囲で導入するのが好ましい。このためには(C)との反応は定量的に進行するため目標とする保護率の割合で仕込むことで目標物が得られる。
【0018】
(A)と(B)の反応は、通常塩基触媒の存在下で行われる。ここで用いる塩基触媒は、有機塩基でも無機塩基でもよく、具体的にはたとえば、アンモニア、トリエチエルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどがあげられる。塩基触媒は、(C)がジアルキルカーボネートの場合、ジアルキルカーボネートに対して一般的には0.0001から0.1 モル倍の範囲で用いることが好ましく、さらには0.001 〜0.01モル倍の範囲がより好ましい。塩基触媒量がこの範囲よりも少ないと、反応が進みにくいため目的の保護率の樹脂が得られにくく、この範囲よりも多いと生成に手間がかかることがある。一方(C)がアルキルクロロホルメートの場合、アルキルクロロホルメートに対して一般的には1以上の範囲で用いることが好ましい。塩基触媒量がこの範囲よりも少ないと反応が進行しないおそれがある。
【0019】
反応にあたっては、通常、(A)と塩基触媒および溶媒を混合して液相とし、そこへ(C)を溶剤と混合したものを添加していくのが好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されない。たとえば、ジオキソランやテトラヒドロフランなどがあげられる。
溶媒量は(A)の重量の1から20重量倍になるようにするのが好ましい。これより少ないと攪拌動力の問題がでてき、これより多いと反応の後処理で不都合が生じる。
【0020】
この反応の温度は、(A)と(C)との反応性にもよるが、一般的には使用する反応溶媒および(C)の沸点以下であればよい。好ましくは40℃以下である。これ以上であると導入された保護基が熱によって脱離する可能性がある。反応時に発熱を伴う場合は系を冷却してもよい。
反応時間は用いる樹脂(A)や(C)の反応性によって異なるが、0.1 〜72時間の範囲から選択される。好ましくは0.5 時間から48時間の範囲である。反応時間が短いと反応が完了しないおそれがあり、長いと反応中の熱によって導入された保護基がはずれるおそれがある。
【0021】
なお、ポリビニルフェノール類(A)を化合物(B)及び化合物(C)と反応させてアセタール構造及びカーボネート構造の両者を含む化合物を製造する場合、(A)と(B)を反応させた後、(C)を反応させても、(A)と(C)を反応させた後(B)を反応させてもよい。
反応終了後は、反応混合液から晶析や抽出などの処理によりアセタール化物及び/又はカーボネート化物(D)を取り出す。
【0022】
本発明では、分離精製した該生成物(D)を300mmHg以下で減圧乾燥することを特徴とする。好ましくは200mmHg以下、より好ましくは150mmHg以下である。減圧が不十分では、導入した保護基が乾燥中脱離してしまい、目的とする保護率の樹脂が得られないこととなり、これを原料としたときに製造ロットごとに性能にばらつきが生じ安定製造できなくなる。
乾燥温度は、通常50℃以下、更に好ましくは、45℃以下である。高すぎると同様に分解の怖れがあり、低すぎると乾燥効率が劣るため好ましくは20℃以上である。乾燥時間は、減圧の程度、温度、合成量に依存して変わるが、通常150時間以内である。
【0023】
上記方法で得られたアセタール化物および/又はカーボネート化物(D)(以下、樹脂成分(D)ということがある)は、これと、放射線の作用により酸を発生する感放射線性化合物と含有する組成物とすることにより、フォトレジストなどの感放射線性組成物として有効である。
【0024】
本発明で使用する放射線の作用により酸を発生する感放射線性化合物(以下、光酸発生剤という)としては、露光に用いられる活性光線または放射線によって酸を発生するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知のものが使用できるが、具体的には、たとえばトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジンなどのハロゲン含有s−トリアジン誘導体、1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、四臭化炭素、ヨードホルムなどのハロゲン置換パラフィン系炭化水素、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン置換シクロパラフィン系炭化水素、ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、ビス(トリブロモメチル)ベンゼンなどのハロゲン含有ベンゼン誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリクロロメチルフェニルスルホン、2,3−ジブロモスルホランなどのハロゲン含有スルホン化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有イソシアヌレート誘導体、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメチルスルホネート、トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネートなどのスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメチルスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートなどのヨードニウム塩、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、1,2,3−トリ(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン、p−トルエンスルホン酸ベンゾインエステル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、メタンスルホン酸フェニル、メタンスルホン酸ベンゾインエステル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、トリフルオロメタンスルホン酸フェニル、トリフルオロメタンスルホン酸ベンゾインエステル、などのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、フェニルカルボニルフェニルスルホニルジアゾメタンなどのカルボニルスルホニルジアゾメタン類、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタンなどのビススルホニルメタン類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、(シクロヘキシルスルホニル)(4ーメトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、(シクロヘキシルスルホニル)(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネートなどのo−ニトロベンジルエステル類、N,N' −ジ(フェニルスルホニル)ヒドラジドなどのスルホンヒドラジド類、フタルイミノトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミノp−トルエンスルホネート、フタルイミノカンファースルホネートなどのイミノスルホネート類などが挙げられる。 これらの中でも、露光後スルホン酸を発生する化合物が好適に用いられ、なかでも下記一般式(I )に示すビススルホニルジアゾメタン類が特に好ましい。
【0025】
【化1】
Figure 0004602496
【0026】
1 、R2 は独立に置換されてもよい直鎖状、分枝状または環状アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていても良いアラルキル基を表す。
本発明の感放射線性組成物においては、樹脂成分(D)100重量部に対して光酸発生剤0.001〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部の割合で用いられる。
光酸発生剤の量がこの範囲よりも少ないと感度が劣り、この範囲よりも多いと、光酸発生剤によるレジスト膜の透明性の低下によりレジストパターンが台形になり解像力の低下を引き起こす恐れがある。
本発明の感放射線性樹脂組成物には更に添加剤を加えることができ、溶解抑制剤、含窒素化合物、有機カルボン酸、界面活性剤、吸光剤、多価アルコールなどが挙げられる。
【0027】
溶解抑制剤とはアルカリ現像液に対する樹脂成分(D)の未露光部の溶解性を制御する化合物で、酸触媒作用により脱離する基を有するものであれば低分子化合物でも高分子の樹脂でも良い。好ましくはフェノール性水酸基やカルボキシル基等の酸性官能基の水素原子を酸触媒作用により脱離する基で保護した化合物である。具体的には特開平9−62006、特開平9ー274320、特開平9ー281697、特開平9−278699、特開平9−50127、特開平9−236921号公報等に記載された化合物が挙げられる。
更に、本発明に用いられる溶解抑制剤は単独もしくは2種以上混合して使用することもできる。
【0028】
溶解抑制剤を添加する場合、その添加量は樹脂成分(D)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。
含窒素化合物は、光酸発生剤から発生した酸に対して塩基として作用する化合物であり、光酸発生剤から発生した酸が未露光部への拡散を防ぐもので、未露光部での好ましくない化学反応を制御するなどの有するため配合することが好ましい。この含窒素化合物を配合することによってパターン形状が向上し、またレジストの解像性が向上するとともに、引き置きによる寸法変動が抑えらえ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。従って、上記のごとき酸発生剤から生じた酸を中和しうる化合物であれば、特に限定されないが、有機アミン類が好ましく、具体的には、アルキルアミン類、アリールアミン類、ピリジン類、ピリジニウム塩類などが挙げられ、特開平5−127369号、特開平5−232706号、特開平7−92678号、特開平9−179300号、特開平9−325496号公報等に開示されている化合物などを用いることができる。
【0029】
より具体的には、例えば、ピリミジン、2−アミノピリミジン、4−アミノピリミジン、5−アミノピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,5−ジアミノピリミジン、4,5−ジアミノピリミジン、4,6−ジアミノピリミジン、2,4,5−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2−ヒドロキシピリミジン、4−ヒドロキシピリミジン、5−ヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,5−ジヒドロキシピリミジン、4,5−ジヒドロキシピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリヒドロキシピリミジン、4,5,6−トリヒドロキシピリミジン、2,4,5,6−テトラヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4−ヒドロキシピリミジン、2−アミノ−5−ヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,5−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、4−アミノ−2,5−ジヒドロキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、2−アミノ−5−メチルピリミジン、2−アミノ−4,5−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、4−アミノ−2,5−ジメチルピリミジン、4−アミノ−2,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−5−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,5−ジメトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、4−アミノ−2,5−ジメトキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジメトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メチルピリミジン、2−ヒドロキシ−5−メチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5−ジメチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−5−メトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメトキシピリミジン、4−ヒドロキシ−2,6−ジメトキシピリミジンなどのピリミジン化合物類、ピリジン、メチルピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のピリジン化合物類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンなどの炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基で置換されたアミン類、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノールなどのアミノフェノール類などが挙げられるが、ピリジン類またはヒドロキシ基をもつアミン類が好ましい。これら含窒素化合物は1種を単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0030】
含窒素化合物の含有量は、光酸発生剤の含有量に対して、0.1〜100モル%が好ましく、さらに好ましくは、1〜50モル%である。又、成分(D)の樹脂100重量部に対して、含窒素化合物0.0001〜5重量部、好ましくは0.001〜2重量部の割合で用いられる。
含窒素化合物を上記範囲の量で用いると、十分な酸の未露光部への拡散を防止する効果が得られ、良好なレジストパターンが得られ好ましい。但し、過剰に多いとレジストの感度が落ちるため好ましくない。
【0031】
有機カルボン酸は、環境からの塩基性物質の侵入によるレジスト性能の低下を抑制する目的で使用される。
有機カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族カルボン酸、ピルビン酸などのケトカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族カルボン酸、または商品名SAX(三井東圧化学製)として市販されている芳香族カルボン酸の構造単位を含むポリマーなどを用いることができる。有機カルボン酸の添加量は、該成分(D)100重量部に対して0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部の割合で用いられる。
【0032】
界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗膜性を良くし、スピンコート時の膜厚均一性を改善したり、感放射線性樹脂組成物の現像性を良くする目的で添加される。
このような目的で使用できる界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールラウリテート、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF170、F171、F172、F173(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431、FC170C(住友3M社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC―101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(旭硝子社製)、KP341(信越化学社製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社油脂化学工業製)などを挙げることができる。
【0033】
これらの界面活性剤は単独であるいは2種以上を混合で用いることができ、通常樹脂成分(D)100重量部に対して、界面活性剤0.01重量部以上3重量部以下の割合で使用される。
アルミなどの反射率の高い基板上でレジストの画像形成をする場合には、基板からの露光光の反射によるレジストパターン形状の劣化を防ぐために、吸光剤を加えることができる。このような目的に使用される吸光剤の例としては、ナフトキノンジアジド化合物、ベンゾフェノン類、ナフタレンやアントラセンなどの縮合芳香族環含有化合物などを挙げることができる。
【0034】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を適当な溶媒に溶解して用いる。溶媒としては、本発明の各成分及びその他の添加剤に対して、十分な溶解度を持ち良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、2−ヘキサノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、あるいはさらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感放射線性樹脂組成物中の固形分の総量に対して重量比として1〜20倍の範囲であることが好ましい。
【0035】
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて半導体基板上にレジストパターンを形成する場合には、通常上記のような溶媒に溶解した本発明の感放射線性樹脂組成物を半導体基板上に塗布し、プリベーク、露光によるパターンの転写、露光後加熱(ポスト・エクスポージャー・ベーク;PEB)、現像の各工程を経てフォトレジストとして使用することができる。半導体基板は、通常半導体製造用基板として使用されているものであり、シリコン基板、ガリウムヒ素基板などである。
【0036】
塗布には通常スピンコーターが使用され、露光には、高圧水銀灯の436nm、365nmの光、低圧水銀灯の254nm、またはエキシマレーザーなどを光源とする157nm、193nm、222nm、248nmの光、X線、電子線などが好適に用いられる。好ましくは、150〜300nmのデイープUV用である。露光の際の光は、単色光でなくブロードであってもよい。また、位相シフト法、輪帯照明などの超解像露光技術による露光も適用可能である。
【0037】
本発明の感放射線性樹脂組成物の現像液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第2級アミン類、トリエチルアミン、N、N−ジエチルメチルアミンなどの第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキシドなどの第4級アンモニウム塩、もしくはこれにアルコール、界面活性剤などを添加したものを使用することができる。
【0038】
本発明の感放射線性樹脂組成物は超LSIの製造のみならず一般のIC製造用、マスク製造用、画像形成用、液晶画面製造用、カラーフィルター製造用あるいはオフセット印刷用としても有用である。特に、KrFエキシマレーザー露光用として有用である。
【0039】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により何等制約は受けない。
合成例1(1−エトキシエチル化ポリビニルフェノール(A)の合成)
窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた1Lの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量15,000、Mw/Mn1.12)30gと1,3−ジオキソラン300mLとを加え、均一に溶解させたあと、36%塩酸0.3g加えた。ウオーターバスで40℃に加熱後、エチルビニルエーテル15.0gを加え、4時間撹拌を続けた。反応後、この反応溶液に28%アンモニア水3mLを加え30分攪拌した。この反応液を純水3L中に滴下して得られた沈殿を濾過した。さらに、この沈殿物をアセトンに溶解させ、その溶液を純水に滴下し沈殿させることにより目的のポリマー(ポリビニルフェノールの水酸基の一部が1−エトキシエチル基で保護された樹脂)を回収した。析出したポリマーを4等分してそれぞれ室温(23℃)、40℃又は48℃で100mmHgで減圧乾燥又は室温常圧(760mmHg)でそれぞれ24時間乾燥したものを、それぞれ(A-1) 、(A-2) 、(A-3) 、(A-4) として各7gのポリマーを得た。
【0040】
得られたポリマー(A-1) を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定したところ、δ値6.2〜7.0の芳香族水素のシグナルとδ値5.2〜5.5のアセタールメチン水素のシグナルとの面積比は、10.2:1であった。この結果よりアセタール化率をもとめると39.4%となった。同様にして(A-2) 、(A-3) 、(A-4) のアセタール化率を求めたところ、それぞれ39.4%、39.3%、35.3%となった
【0041】
合成例2(tert −ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノール(B)の合成)
窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた500mLの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量8000、Mw/Mn1.1)36gとアセトン150mlとを加え、均一に溶解させたあと、さらに4―ジメチルアミノピリジン0.1gを加えて、ウオーターバスで40℃に加熱した。これに、ジ−tert−ブチルジカーボネート19.7gをゆっくり滴下し、撹拌しながら40℃で4時間反応させた。反応後、反応溶液を1500mlの水中に滴下してポリマーを析出させ沈殿をろ過した。さらに、この沈殿物をアセトンに溶解させ、その溶液を純水に滴下し沈殿させることにより目的のポリマー(ポリビニルフェノールの水酸基の一部がtert−ブトキシカルボニル基で保護された樹脂)を回収した。析出したポリマーを4等分してそれぞれ室温、40℃、48℃の温度で100mmHgで減圧乾燥又は室温常圧(760mmHg)でそれぞれ24時間乾燥して、それぞれ(B-1) 、(B-2) 、(B-3) 、(B-4) の各9gのtert−ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノールを得た。熱分解による重量減少率測定の結果からtert−ブトキシカルボニルオキシ化率は、各ロットそれぞれ30%、30%、30%、26%であった。
【0042】
合成例3(1―エトキシエチル化/tert-ブトキシカルボニル化ポリビニルフェノール(C)の合成)
窒素導入管、撹拌機、温度計を備えた1Lの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量15,000、Mw/Mn1.12)30gと1,3−ジオキソラン180mLとを加え、均一に溶解させたあと、36%塩酸0.1 gを入れ攪拌した。エチルビニルエーテル6.9 gをジオキソラン9mlに溶解したものを加え、ウオーターバスで30℃に加熱した。3時間撹拌を続けた。40℃に加熱後そこへジメチルアミノピリジン0.093 gを加え攪拌溶解した。ジt-ブチルジカーボネートを1.62g加えた。ウオーターバスで40℃で3hr攪拌した。この反応液を純水1L中に滴下して得られた沈殿を濾過した。さらに、この沈殿物をジオキソランに溶解させ、その溶液を純水に滴下し沈殿させることにより目的のポリマー(ポリビニルフェノールの水酸基の一部がエトキシエチル基及びtert−ブトキシカルボニル基で保護された樹脂)を回収した。析出したポリマーを4等分し、それぞれ室温、40℃、48℃の温度で100mmHgで減圧乾燥又は室温常圧(760mmHg)でそれぞれ24時間乾燥して、それぞれ(C-1) 、(C-2) 、(C-3) 、(C-4) として各7gのポリマーを得た。
【0043】
得られたポリマー(C-1) を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定したところ、δ値6.2〜7.0の芳香族水素のシグナルとδ値5.2〜5.5のアセタールメチン水素のシグナルとの面積比は、13.2:1であった。この結果よりアセタール化率をもとめると33.0%となった。また、熱分解による重量減少にてtBOC化率を測定したところ4%となった。同様にして(C-2) 、(C-3) 、(C-4) のアセタール化率とtBOC化率を求めたところ、それぞれ33.0%/ 4%、33.0%/ 4%、29.0%/ 2%ととなった
【0044】
参考例1〜6、実施例〜9および比較例1〜3
下記表―1(但し、部は重量に基づく)に示す各成分を表に記載の割合で混合して均一溶液とした後、孔径0.1μm のメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調整した。その後、シリコンウエハ上に反射防止膜としてDUV42(日産化学(株)社製)を塗布した基板上に各組成物溶液をスピンコートした後、90℃で60秒プリベークを行って、膜厚0.72μm のレジスト被膜を形成した。ついで、(株)ニコン社製KrFエキシマーレーザー縮小投影露光装置(NA=0.42)を用いて露光した後、ホットプレート上で110℃、60秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像し、純水で洗浄、乾燥してレジストパターンを形成した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察した。各レジストの下記評価方法による結果を表―2に示す。
【0045】
ここで、各参考例、実施例および比較例における有機塩基および溶剤は、以下の通りである。
光酸発生剤:シクロヘキシルスルホニル−(4−メトキシフェニルスルホニル)
ジアゾメタン(D−1):ジフェニルヨードニウムトシレート(D−2)
有機塩基:ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル−2―アセテート
【0046】
〔評価方法〕
マスク上で0.30μmのライン・アンド・スペースが0.30μmの線幅で解像する露光量を感度mJ/cm2で表し、その露光量で解像しているL&Sのパターンサイズを限界解像度とした。また室温で減圧乾燥した樹脂を使用したレジストの感度でそれぞれの乾燥温度での感度を割った値を相対感度とした。安定的に製造される指標としてこの相対感度が0.97以上1.03以下の値を示すこと。
【0047】
【表1】
Figure 0004602496
【0048】
【表2】
Figure 0004602496
【0049】
比較例1〜3で明らかなように、乾燥時を減圧下で行わなかった場合、減圧乾燥し場合に比べ同じ樹脂ロット、同じ配合比率にもかかわらず、感度が上昇しており、相対感度が0.97よりも小さい値を示した。これに対し、実施例〜9では感度、解像性ともにふれることなく良好である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の保護率を保った樹脂を安定して製造することができる。またその樹脂を使用した感放射線性組成物は製造ロット間で感度・解像度等の性能に振れが無く、IC製造を歩留まり良く製造可能とする。

Claims (3)

  1. ポリビニルフェノール類(A)と、>C=C−O−の部分構造を有しかつポリビニルフェノール類と反応してアセタール構造を形成しうるアルキルビニルエーテル類である化合物(B)、及びR−O−C(=O)−(但し、Rは脂肪族炭化水素基)で示される部分構造を有しかつポリビニルフェノール類と反応してカーボネート構造を形成しうる化合物(C)とを、触媒及び有機溶媒の存在下反応してポリビニルフェノール類のフェノール性水酸基の少なくとも一部がアセタール化及びカーボネート化された化合物(D)を製造する方法において、得られた化合物(D)を300mmHg以下かつ50℃以下で減圧乾燥することを特徴とするポリビニルフェノール類のアセタール化及びカーボネート化物の製造方法。
  2. 乾燥時の圧力が100mmHg以下である請求項1に記載のアセタール化及びカーボネート化物の製造方法。
  3. 化合物(C)がジアルキルジカーボネート又はアルキルクロロホルメートである請求項1又は2に記載のアセタール化及びカーボネート化物の製造方法。
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