JP4601310B2 - 難燃性組成物 - Google Patents
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Description
近年、オレフィン系樹脂を中心に非塩化ビニル樹脂系難燃材料の開発が進められており、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂に水和金属酸化物を配合した難燃性樹脂組成物が、例えば、特許文献1に開示されている。また,熱可塑性エラストマーとポリオレフィンに無機難燃剤を配合した組成物が、例えば、特許文献2に、そして、オレフィン系エラストマー、変性ポリスチレン、スチレン系エラストマー、プロピレン系樹脂に金属水和物を配合した難燃性樹脂組成物などが、例えば、特許文献3に開示されている。
上記従来技術に開示されているように、塩化ビニル並の難燃性能を達成しようとすると、多量の水和金属酸化物を樹脂に添加する必要があるが、このような組成物は柔軟性、機械的特性及び耐熱変形性が不十分であり、塩化ビニル樹脂の代替材料としての使用範囲が制限される。
上記従来技術に開示されているように、塩化ビニル並の難燃性能を達成しようとすると、多量の水和金属酸化物を樹脂に添加する必要があるが、このような組成物は柔軟性、機械的特性及び耐熱変形性が不十分であり、塩化ビニル樹脂の代替材料としての使用範囲が制限される。
[1](a)下記(1)〜(6)の特性を有する水添共重合体 20〜60重量%
(b)官能基を有する原子団が結合した変性エラストマー 0.1〜20重量%
(c)無機充填剤 30〜75重量%
(d)テトラフルオロエチレンを主構成単位とするフッ素系重合体 0.01〜2重量%
からなる難燃性組成物。
(1)ビニル芳香族化合物の含有量が該(a)水添共重合体の重量に対して40重量%を越え、95重量%未満であり、
(2)成分(a)水添共重合体が、該(a)水添共重合体に関して得られた粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが−40〜80℃に少なくとも1つ存在する
(3)成分(a)水添共重合体が、少なくとも2つのビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなる非水添ランダム共重合体ブロックを水添して得られる少なくとも1つの水添共重合体ブロック(B)を包含してなり、
(4)該重合体ブロック(A)の含有量が該(a)水添共重合体の重量に対して0〜60重量%であり、
(5)重量平均分子量が3万〜100万であり、
(6)該共役ジエン化合物に基づく二重結合の水添率が75%以上である。
[2]成分(a)水添共重合体が、該(a)水添共重合体に関して得られた示差走査熱量測定(DSC)チャートにおいて、−20〜80℃の範囲に水添共重合体ブロック(B)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しないことを特徴とする前記[1]に記載の難燃性組成物。
[4]成分(b)変性エラストマーが、カルボニル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する原子団が結合している変性エラストマーであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の難燃性組成物。
[6]成分(c)無機充填剤が、金属水酸化物であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の難燃性組成物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の主成分となる成分(a)は、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とを含む非水添共重合体(以下、しばしば「ベース非水添共重合体」と称する)を水添して得られる水添共重合体である。
本発明で用いる(a)水添共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有量は、(a)水添共重合体に対して40重量%を越え、95重量%未満である。ビニル芳香族化合物の含有量が上記の範囲にあるので、柔軟性、機械的特性、耐折り曲げ白化性に優れる。柔軟性の点からは、ビニル芳香族化合物の含有量は、好ましくは40重量%を越え80重量%以下、更に好ましくは45重量%を越え70重量%以下,とりわけ好ましくは45重量%を越え、60重量%以下である。特に、(a)水添共重合体が後述する水添重合体ブロック(C)を有しない場合、ビニル芳香族化合物の含有量は、好ましくは40重量%を越え、90重量%以下、より好ましくは45重量%を超え、85重量%以下、更に好ましくは50重量%を超え、80重量%以下、とりわけ好ましくは60重量%を超え、75重量%以下である。
ビニル芳香族化合物の(a)水添共重合体に対する含有率は、ビニル芳香族化合物のベース非水添共重合体に対する含有率とほぼ等しいので、ビニル芳香族化合物の(a)水添共重合体に対する含有率は、ベース非水添共重合体に対する含有率として求める。ビニル芳香族化合物の(a)水添共重合体に対する含有率は、ベース非水添共重合体を検体として、紫外分光光度計を用いて測定する。なお、(a)水添共重合体を検体としてビニル芳香族化合物の含有量を測定する場合、核磁気共鳴装置を用いて測定することができる。
動的粘弾性スペクトルにおける損失正接(tanδ)のピークは、粘弾性測定解析装置を用い、周波数を10Hzとして測定される。
上記重合体ブロック(A)及び水添重合体ブロック(C)は、物理架橋点のような役割を果たすので、「拘束相」と称する。これに対して、上記水添共重合体ブロック(B)は「非拘束相」と称する。本発明で用いる(2)水添ブロック共重合体は、拘束相である重合体ブロックを少なくとも1個有していればいいが、2個以上有することが推奨される。また、水添重合体ブロック(C)を有しない場合、(2)水添ブロック共重合体は重合体ブロック(A)を少なくとも2個有することが機械的特性の点で好ましい。本発明で用いる(2)水添ブロック共重合体が拘束相である重合体ブロックを2個以上有する場合、引張破断伸びが大きく、且つ,引張強度の高い組成物が得られる。
結晶化ピーク温度及び結晶化ピーク熱量は、示差走査熱量測定装置を用いて測定することができる。
本発明で用いる(a)水添共重合体が(1)水添ランダム共重合体の場合、該共重合体にはビニル芳香族重合体ブロック成分(後述する方法により把握できる)は実質的に含まれない。ビニル芳香族重合体ブロック成分が含まれる場合は(2)水添ブロック共重合体とする。
本発明で用いる(2)水添ブロック共重合体において、重合体ブロック(A)の含有量は(a)水添共重合体に対して0〜60重量%である。重合体ブロック(A)の含有量を上記範囲にすることにより、柔軟性に優れた組成物が得られる。重合体ブロック(A)の含有量は、好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは8〜50重量%、更に好ましくは10〜40重量%、とりわけ好ましくは12〜35重量%である。
ビニル芳香族重合体ブロック(A)の含有量(重量%)=(ベース非水添共重合体中のビニル芳香族重合体ブロック(A)の重量/ベース非水添共重合体の重量)×100。
本発明で用いる(a)水添共重合体において、分子量分布(Mw/Mn)(重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比)は、好ましくは10以下、さらに好ましくは1.01〜8、特に好ましくは1.1〜5である。成形加工性を重視する場合、好ましくは1.3〜5、さらに好ましくは1.5〜5、ことさら好ましくは1.6〜4.5、特に好ましくは1.8〜4である。
(a)水添共重合体の重量平均分子量はベース非水添共重合体の重量平均分子量とほぼ等しいので、水添共重合体の重量平均分子量はベース非水添共重合体の重量平均分子量として求める。ベース非水添共重合体の重量平均分子量は、分子量が既知の市販の標準単分散ポリスチレンに関して得た検量線を使用して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求める。水添共重合体の数平均分子量も同様にして求める。分子量分布は、重量平均分子量の数平均分子量に対する比として、計算で求める。なお、水添共重合体を検体として測定する場合も同様にして求めることができる。
なお、(a)水添共重合体におけるビニル芳香族化合物の二重結合の水添率に関しては特に限定はないが、水添率は好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。
(a)水添共重合体における上記水添率は、核磁気共鳴装置を用いて測定することができる。
本発明で用いる(1)水添ランダム共重合体及び(2)水添ブロック共重合体における水添共重合体ブロック(B)は、共役ジエン化合物とビニル芳香族とからなる非水添ランダム共重合体を水添して得られる。該非水添ランダム共重合体における共役ジエン化合物のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変えることができる。本発明において、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなる非水添ランダム共重合体中の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、40%未満であることが好ましい{以下、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計量(但し、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量)を単にビニル結合量と称する。}。
上記のビニル結合量は、ベース非水添共重合体を検体として赤外分光光度計を用いて測定される。なお、(2)水添ブロック共重合体を検体として測定する場合、核磁気共鳴装置を用いて測定することができる。
(A−B)n 、 A−(B−A)n 、 B−(A−B)n 、
[(A−B)n ]m −X、 [(B−A)n −B]m −X、
[(A−B)n −A]m −X、 [(B−A)n+1 ]m −X
(C−B)n 、 C−(B−C)n 、 B−(C−B)n 、
[(C−B)n ]m −X、 [(B−C)n −B]m −X、
[(C−B)n −C]m −X、
C−(B−A)n 、C−(A−B)n 、
C−(A−B−A)n 、C−(B−A−B)n 、
A−C−(B−A)n 、A−C−(A−B)n 、
A−C−(B−A)n −B、[(A−B−C)n ]m −X、
[A−(B−C)n ]m −X、[(A−B)n −C]m −X、
[(A−B−A)n −C]m −X、
[(B−A−B)n −C]m −X、[(C−B−A)n ]m −X、
[C−(B−A)n ]m −X、
[C−(A−B−A)n ]m −X、
[C−(B−A−B)n ]m −X
本発明において、使用する共役ジエンは1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。共役ジエンの例として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(即ちイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらのうち特に好ましいのは1,3−ブタジエン及びイソプレンである。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
また、ビニル芳香族化合物の例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
重合開始剤の例としては、共役ジエン及びビニル芳香族化合物に対してアニオン重合活性を有する脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物が挙げられる。アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる。好適な有機アルカリ金属化合物の例としては、炭素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に少なくとも1個のリチウムを含む化合物(モノリチウム化合物、ジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物など)が挙げられる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムとの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンとの反応生成物等が挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機アルカリ金属化合物も使用することができる。
本発明において有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とを共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。特に成形加工性の点で分子量分布を好ましい範囲に調整する上では、連続重合が推奨される。重合温度は、通常0〜180℃、好ましくは30〜150℃である。重合に要する時間は他の条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、好ましくは0.1〜10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量体及び溶媒を液相に維持するのに充分な圧力の範囲であれば特に限定はない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物(水、酸素、炭酸ガスなど)が混入しないように留意する必要がある。
(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持した担持型不均一系水添触媒、
(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩を有機アルミニウム等の還元剤とともに用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、及び
(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物の例としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物が挙げられる。
上記の水添反応により、水添共重合体の溶液が得られる。水添共重合体の溶液から必要に応じて触媒残査を除去し、水添共重合体を溶液から分離する。溶媒を分離する方法の例としては、水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水添共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法;反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法;及び重合体溶液を直接加熱して溶媒を留去する方法、が挙げられる。
本発明の成分(b)は,官能基を有する原子団が結合した変性エラストマ−である。
官能基を有する原子団を結合する前のベ−スとなるエラストマ−としては,共役ジエン共重合体やその水添物,スチレン−共役ジエンランダム共重合体やその水添物,スチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物等のスチレン系エラストマーやエチレンープロピレン共重合体、エチレンープロピレンーブチレン共重合体、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、エチレンーブテンージエンゴム、エチレンーブチレン共重合体、エチレンーヘキセン共重合体、エチレンーオクテン共重合体等のオレフィン系エラストマー、アクリロニトリルーブタジエンゴム及びその水素添加物、ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、α、β―不飽和ニトリルーアクリル酸エステルー共役ジエン共重合ゴムが挙げられる。また、ウレタンゴム、多硫化ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。この中でも,スチレンーブタジエンブロック共重合体の水添物、スチレンーイソプレンブロック共重合体の水添物、スチレンーブタジエン/イソプレンブロック共重合体の水添物から選ばれるスチレン系エラストマ−、上記のオレフィン系エラストマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のエラストマーが好ましく、本発明の成分(a )との相溶性が良いエラストマーがより好ましく、更に本発明で用いる成分(a )と同じ水添共重合体をベースのエラストマーを変性したエラストマーが好ましい。
その一例として,α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えばその無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物等の官能基含有化合物でグラフト変性したエラストマ−を挙げることができる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、マレイン酸イミド、アクリル酸又はそのエステル、メタアクリル酸又はそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体等の添加量は、エラストマ−100重量部当たり、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜2重量部である。
グラフト変性する場合の反応温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜280℃である。グラフト変性する方法の詳細については、例えば、特開昭62−79211号公報を参照できる。
官能基含有変性剤基の例として、水酸基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボキシル基、チオカルボキシル酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシシラン基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するものが挙げられる。上記の官能基のうち、カルボニル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基が好ましい。
この中でも,難燃性の効果の点で特に有用なのが金属水酸化物である。金属水酸化物の例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化錫の水和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物等であり、中でも水酸化マグネシウムが好ましい。また,水酸化マグネシウムでもシランカップリング剤又は脂肪酸等で粒子表面に表面処理したものを用いるとよい。ポリマ−への分散性を高めるためにアミノシランやメタクリロキシシラン等のカップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウムも市販されている。
また,金属炭酸化物としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
また,シリカ系無機充填剤は、化学式SiO2 を構成単位の主成分とする固体粒子であり、例えば、シリカ、クレイ、タルク、カオリン、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質などが挙げられる。
本発明の成分(d)は、フッ素系重合体であり、フッ素原子を含有する重合体である。フッ素系重合体は燃焼時の耐ドリップ性、引張り強度及び耐熱変形性を著しく改良する。特に本発明で用いる成分(a )のような軟質材料に無機充填材を多量に配合した場合、引張り強度及び耐熱変形性が不良となる。このような物性不良の樹脂組成物の場合には、流動性及び/又は硬度を調整するオイル、その他の樹脂、顔料等の各種添加剤使用が制限される。一方本発明の成分(d)フッ素系重合体を含有する難燃性樹脂組成物の場合には、優れた引張り強度、耐熱変形性を有しており、オイル等の各種添加剤を添加した場合にでも、難燃組成物の機械物性及び耐熱変形性が、電線のシーズ材等で要求される物性値を満足する。
ポリフロンーMPA FA−500が市販されている。一般的にポリテトラフルオロエチレンを単独で用いる場合には、静電気を帯びやすく、その取り扱いが困難な場合がある。このような場合には、フッ素系重合体を適当な樹脂とブレンドし、マスターバッチとして用いてもよい。又フッ素系重合体の水性粒子分散液の存在下で、適当なモノマーを乳化重合させてフッ素系重合体粒子の周りを有機系重合体粒子が取り囲んだような重合体を用いることも出来る。フッ素系重合体粒子の周りを有機系重合体粒子が取り囲んだようなものとしては、ポリテトラフルオロエチレン粒子をスチレン、アクリロニトリルの重合体で取り囲んだ Crompton社製 BLENDEX 449、メチルメタクリレート重合体で取り囲んだ三菱レーヨン(株)社製 メタブレンA−3800等が挙げられる。
成分(a)の配合量は、柔軟性や引張強度等の機械的特性と難燃性とのバランスの点で上記範囲である必要がある。また成分(b)は耐傷つき白化性を著しく改良する効果があり、その配合量は耐傷つき白化性と加工性とのバランスの点で上記範囲である必要がある。
また成分(c)の配合量は、難燃性と柔軟性や引張強度等の機械的特性とのバランスの点で上記範囲である必要がある。さらに成分(d)の配合量は、耐熱変形性、機械的特性及び耐傷付き白化性の点で上記範囲である必要がある。
成分(e)のポリオレフィン系重合体は、ポリエチレン、エチレンを50重量%以上含有するエチレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えば、エチレンープロピレン共重合体、エチレンープロピレンーブチレン共重合体、エチレンーブチレン共重合体、エチレンーヘキセン共重合体、エチレンーオクテン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物、エチレンとアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル等の炭素数C1 〜C24のアルコールやグリシジルアルコール等とアクリル酸とのエステルであるアクリル酸エステル類との共重合体、エチレンとメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等の炭素数C1 〜C24のアルコールやグリシジルアルコール等とメタアクリル酸とのエステルであるメタクリル酸エステル類との共重合体、エチレンーアクリル酸アイオノマーや塩素化ポリエチレンなどのポリエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレンを50重量%以上含有するプロピレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えば、プロピレンーエチレン共重合体、プロピレンーエチレンーブチレン共重合体、プロピレンーブチレン共重合体、プロピレンーヘキセン共重合体、プロピレンーオクテン共重合体、プロピレンと前記アクリル酸エステル類との共重合体、プロピレンと前記メタクリル酸エステル類との共重合体、エチレンーノルボルネン重合体等の環状オレフィン系重合体、ポリブテン系重合体などが挙げられる。この中でもホモPPやランダムPP等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本発明において、難燃性組成物の加工性を改良するために、ゴム用軟化剤(成分(f)と称する)を配合してもよい。ゴム用軟化剤には、鉱物油や、液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適している。中でも、一般にゴムの軟化、増容、加工性向上に用いる、ナフテン系及び/又はパラフィン系のプロセスオイル又はエクステンダーオイルが好ましい。鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の混合物である。ここで、パラフィン鎖の炭素数が全炭素の50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環の炭素数が30〜45%のものがナフテン系、また芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれる。本発明の組成物には合成軟化剤を用いてもよく、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、流動パラフィン等が使用可能である。しかし、上記の鉱物油系ゴム用軟化剤が好ましい。
本発明において、難燃組成物の燃焼時に炭化層の形成効果を示し、耐折り曲げ白化性をを改良するために、カーボンブラック(成分(g))を配合してもよい。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどがあげられ、特にその種類は限定されない。本発明に係わる難燃性組成物において、成分(g)の添加量は0.5〜5重量%が好ましい。
ゴム状重合体の例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びその水添物,スチレン−イソプレンブロック共重合体及びその水添物等のスチレン系エラストマー(但し、本発明の成分(a)とは異なる),1,2―ポリブタジエン、エチレンーブテンゴム、エチレンーオクテンゴム、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)等のオレフィン系エラストマー,ブチルゴム等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、共役ジエンとビニル芳香族とのブロック共重合樹脂及びその水添物(但し、本発明の成分(a)とは異なる)、ポリスチレン、ゴム変性スチレン系樹脂等のスチレン系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
本発明の難燃性組成物を成形品として使用する場合、成形方法としては、押出成形、射出成形、中空成形、圧空成形、真空成形、発泡成形、複層押出成形、複層射出成形、スラッシュ成形及びカレンダー成形などを用いることができる。
また,本発明の難燃性組成物は、難燃性が必要とされる様々な用途に用いることができる。たとえば、家電部品,自動車部品等の電線の被覆材料,電力ケーブル、通信ケーブル、送電用ケーブルなどの被覆用材料や建築材料等に好適に用いることができる。
I.(a)水添共重合体の調整
使用する(a)水添共重合体は,非水添共重合体を水添して得た。この非水添共重合体を、しばしば「ベース非水添共重合体」と称する。
(a)水添共重合体の特性は次の方法で測定した。
I−1)スチレン含有量
スチレンの(a)水添共重合体に対する含有率は、ベース非水添共重合体を検体として、紫外分光光度計(UV−2450;島津製作所製)を用いて測定した。スチレンの(a)水添共重合体に対する含有率は、スチレンのベース非水添共重合体に対する含有率として求めた。
なお、(a)水添共重合体を検体とする場合は、核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
I−2)スチレン重合体ブロック含有量(A)
ベース非水添共重合体のスチレン重合体ブロック含有量は、I .M .Kolthoff,et al .,J.P olym.Sci .1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム分解法で測定した。ベース非水添共重合体の分解にはオスミウム酸の0.1g/125ml第3級ブタノール溶液を用いた。
水添共重合体ブロック(B)の含有量は、非水添ランダム共重合体ブロックを製造する際のブタジエン及びスチレンの添加量から求めた。水添共重合体ブロック(B)の(a)水添共重合体に対する含有率は、上記非水添ランダム共重合体ブロックのベース非水添共重合体に対する含有率として求めた。
I−4)ビニル結合量
ベース非水添共重合体におけるビニル結合量は、赤外分光光度計(FT/IR−230;日本分光社製)を用いて測定した。単独重合体ブロックである共役ジエン重合体ブロックのビニル結合量はモレロ法により算出した。また、共重合体ブロックである共役ジエン/スチレン共重合体ブロックのビニル結合量はハンプトン法により算出した。
I−5)重量平均分子量及び分子量分布
(a)水添共重合体の重量平均分子量はベース非水添共重合体の重量平均分子量とほぼ等しいので、水添共重合体の重量平均分子量はベース非水添共重合体の重量平均分子量として求めた。ベース非水添共重合体の重量平均分子量は、GPCにより測定した(米国ウォーターズ社製の装置を用いた)。溶媒としてテトラヒドロフランを用い、温度35℃で測定した。分子量が既知の市販の標準単分散ポリスチレン系ゲルを用いて作成した検量線を使用し、GPCクロマトグラムから重量平均分子量を求めた。
また、上記GPCクロマトグラムから数平均分子量を求めた。
分子量分布は、得られた重量平均分子量(Mw)の得られた数平均分子量(Mn)に対する比として求めた。
水添率は、核磁気共鳴装置(DPX−400;ドイツ国BRUKER社製)を用いて測定した。
I−7)tanδ(損失正接)のピーク温度
粘弾性測定解析装置((株)レオロジ社製 型式DVE―V4を使用)を用い、粘弾性スペクトルを測定して求めた。測定周波数は,10Hzである。
I−8)結晶化ピーク及び結晶化ピーク熱量
(a)水添共重合体の結晶化ピーク及び結晶化ピーク熱量は、DSC装置(DSC3200S;日本国マックサイエンス社製)を用いて測定した。室温から30℃/分の昇温速度で150℃まで昇温し、その後10℃/分の降温速度で−100℃まで降温して結晶化カーブを測定して結晶化ピークの有無を確認した。また、結晶化ピークがある場合、そのピークが出る温度を結晶化ピーク温度とし、結晶化ピーク熱量を測定した。
参考例1;水添触媒の調製
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1,000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)150グラムとを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して、室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加して攪拌することにより、水添触媒を得た。
内容積が10リットルの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、共重合を以下の方法で行った。
シクロヘキサン10重量部を反応器に仕込んで温度70℃に調整した後、n−ブチルリチウムを全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の重量に対して0.072重量%、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAと称する)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.8モル添加し、その後モノマーとしてスチレン10重量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22重量%)を約3分間かけて添加し、反応器内温を約70℃に調整しながら30分間反応させた。
次に、ブタジエン35重量部とスチレン45重量部とを含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22重量%)を60分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給した。この間、反応器内温は約70℃になるように調整した。
次に、得られた共重合体に、上記水添触媒を共重合体の重量に対してチタンとして100重量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体の重量に対して0.3重量%添加し、水添ブロック共重合体(以下、ポリマー1と称する)を得た。ポリマー1の水添率は97%、tanδ(損失正接)のピーク温度は5℃であった。また、DSC測定の結果、結晶化ピークは無かった。
参考例2と同様に共重合を行った。
シクロヘキサン10重量部を反応器に仕込んで温度70℃に調整した後、n−ブチルリチウムを全モノマー(反応器に投入したブタジエンモノマー及びスチレンモノマーの総量)の重量に対して0.090重量%、TMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、その後モノマーとしてスチレン20重量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22重量%)を約3分間かけて添加し、反応器内温を約70℃に調整しながら30分間反応させた。
次に、ブタジエン33重量部とスチレン47重量部とを含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22重量%)を60分間かけて一定速度で連続的に反応器に供給し,共重合体のリビングポリマ−を得た。この間、反応器内温は約70℃になるように調整した。
次に,得られた共重合体のリビングポリマ−にカップリング剤として安息香酸エチルを重合に使用したn−ブチルリチウムに対して0.5モル反応させて共重合体を得た。得られた共重合体のスチレン含有量は67重量%であり、スチレン重合体ブロックの含有量は20重量%,ブタジエン部のビニル量は23%であった。また,共重合体の重量平均分子量は,19.0万,分子量分布は1.4であった。
次に、参考例2と同様の方法で水添反応を行い、水添ブロック共重合体(以下、ポリマー2と称する)を得た。ポリマー2の水添率は99%、tanδ(損失正接)のピーク温度は10℃であった。また、DSC測定の結果、結晶化ピークは無かった。
難燃性組成物の作製に使用した成分を下記に示す。
(a)水添共重合体
参考例2,3で作成したポリマ−1、ポリマ−2を使用した。
(b)変性エラストマ−
・M化- 水添共重合体 :前記ポリマー2を押出機で無水マレイン酸を付加した変性エ ラストマー(無水マレイン酸付加量0.6wt%)
(c)無機充填剤
・水マグー1 :キスマ5A{ステアリン酸処理した水酸化マグネシウム<協和化学 工業(株)製>}
・水マグー2 :キスマ5L{シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウム< 協和化学工業(株)製>}
(d)フッ素系重合体
・ポリテトラフルオロエチレン粒子をスチレン・アクリロニトリル共重合体で囲んだ重合体(ポリテトラフルオロエチレンの含有率50wt%):BLENDEX449<Crompton社製>
(f)ゴム用軟化剤
・パラフィンオイル :ダイアナプロセスオイルPW380{出光興産(株)製}
II−1)硬度
JIS K6253に従い、デュロメ−タタイプAで10秒後の値を測定した。
II−2)柔軟性,引張強度,伸び
JIS K6251に準拠して引張強度と破断伸びを測定した。引張速度は500mm/min、測定温度は23℃であった。
II−3)耐傷付き白化性
JIS K5400の鉛筆引っかき試験に準拠して鉛筆硬度を測定した。
荷重は200gで行った。
硬度が硬い程,耐傷付き白化性に優れると判断した。
II−4)難燃性
II−5)耐熱変形性
JIS K6723に準拠し測定した。厚み2.0mmの試験片に120℃で1kg/ cm2 の荷重をのせ、1時間放置した。試験後試験片をとり出し、更に24時間室温で放置した。その後変形率(%)を測定した。
(実施例1〜4)、(比較例1、2)
表−1に示した配合で各成分を、二軸押出機(装置名;PCM30<池貝鉄工社製>)で混練し,ペレット化することにより各種組成物を得た。押出条件は,シリンダ−温度が230℃,回転数が250rpmであった。得られた組成物を圧縮成形して2mm厚のシートを作成し、このシートを用いて上記種々の測定を行った。結果を表−1に示す。
Claims (6)
- (a)下記(1)〜(6)の特性を有する水添共重合体 20〜60重量%
(b)官能基を有する原子団が結合した変性エラストマー 0.1〜20重量%
(c)無機充填剤 30〜75重量%
(d)テトラフルオロエチレンを主構成単位とするフッ素系重合体 0.01〜2重量%
からなる難燃性組成物。
(1)ビニル芳香族化合物の含有量が該(a)水添共重合体の重量に対して40重量%を越え、95重量%未満であり、
(2)成分(a)水添共重合体が、該(a)水添共重合体に関して得られた粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが−40〜80℃に少なくとも1つ存在する
(3)成分(a)水添共重合体が、少なくとも2つのビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなる非水添ランダム共重合体ブロックを水添して得られる少なくとも1つの水添共重合体ブロック(B)を包含してなり、
(4)該重合体ブロック(A)の含有量が該(a)水添共重合体の重量に対して0〜60重量%であり、
(5)重量平均分子量が3万〜100万であり、
(6)該共役ジエン化合物に基づく二重結合の水添率が75%以上である。 - 成分(a)水添共重合体が、該(a)水添共重合体に関して得られた示差走査熱量測定(DSC)チャートにおいて、−20〜80℃の範囲に水添共重合体ブロック(B)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しないことを特徴とする請求項1に記載の難燃性組成物。
- 成分(a)水添共重合体が、少なくとも2つの重合体ブロック(A)及び少なくとも1つの水添共重合体ブロック(B)を包含してなり、該重合体ブロック(A)の含有量が該(a)水添共重合体の重量に対して5〜60重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性組成物。
- 成分(b)変性エラストマーが、カルボニル基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基及びアルコキシシラン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する原子団が結合している変性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性組成物。
- 成分(b)変性エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のエラストマーを官能基含有化合物で変性した変性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性組成物。
- 成分(c)無機充填剤が、金属水酸化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性組成物。
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