JP4598297B2 - プレス型の増圧装置およびこれを用いた金型構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はプレス型の増圧装置およびこれを用いた金型構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平板を成型する加工方法の1つとして、ロール成形がある。
このロール成形は、C形鋼の大量生産には有力な手段であり、一般に広く行われている。
例えば、トラックフレームなどのように、他の部材との締結を目的とした位置精度を必要とする穴を多く有するような部材を量産するときは、前記ロール成形後の部材に孔明け加工することになる。
この孔明け加工する手段としては、ドリル加工が一般的であるが、その生産性、位置精度の信頼性及び均一性に問題がある。
一方、平板の状態で、タレットパンチなどを使用して、穴位置精度と、孔明けの生産性を向上させる方法も想定されるが、孔明け後にロール成形を行うとすれば穴位置とC型の断面形状との相関精度を確保することは難しい。
【0003】
上記問題を解決する他の手段として、プレス機を用いた加工法が考えられる。
この場合は、一般的に平板の状態での孔明け加工を行った後、フランジ型によりC型の形状加工を行う工程内容になる。
この際、予め明けられた孔の内、適当な穴を選定し、フランジ型に位置決めピンを設置し、材料となる平板の位置を拘束することによって、穴位置の精度及び、形状との相関精度を確保する事ができる。
【0004】
しかし、C型断面の部材に対しては、従来工法では、まずフランジ型で外側に位置する一次フランジを加工し、次に別のフランジ型で内側の二次フランジを加工する必要があった。
【0005】
また、金型におけるパッドの増圧装置として、従来のスプリング類はプレスストロークと共にその圧力を高め続けるため、その後の加工に必要なプレス機の加工能力の一部を大きく相殺するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記事情に鑑みて創案したものであり、その第1の課題は、同一のプレス機を使用してその発生圧力を有効に用い、はるかに高荷重の仕事を行わせることができるプレス型の増圧装置を提供することにある。
この場合、プレス機のストロークの途中段階で高い圧力を発生させて圧力源としての機能を発揮させ、その後は、ストロークの進行に伴い増圧せず、逆に弱めてその後の加工に必要な荷重を与えることができる。
この発明の第2の課題は、比較的ストロークの短いプレス機を用いて、平板から一回のストロークで、C型鋼を成形しうる金型構造を提供することにある。
この場合、平板の状態で所要の孔明けなどを実施しておき、その内の適当なものを位置決め用の穴として使用することにより、穴位置精度の均一性、形状との相関精度を保ちつつ、その量産における生産性を向上させることができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、請求項1のプレス型の増圧装置の発明では、
プレス機の加圧側の上型又は下型に設けられるプレス型の増圧装置において、
加圧側の上型又は下型のパッド上に、水平姿勢から傾斜姿勢に変位可能に基端が枢着された伸縮可能なスプリング体と、
該スプリング体の伸縮端に設けられた継手部と、
該継手部と加圧側の上型又は下型の基部との間に枢着された第1リンクと、
前記継手部と前記パッドとの間に介設されて前記第1リンクと上下対称に設けられた第2リンクとからなり、
前記第1リンクと前記加圧側の上型又は下型の基部との枢着点と、前記第2リンクと前記パッドとの枢着点とが、プレス機のストローク方向となる同一直線上に配置されており、
前記スプリング体が伸張した際の継手部と前記第1及び第2リンクとの枢着点の位置が、前記同一直線よりスプリング体側に接近する位置に設定されており、
上記第1リンクと第2リンクが前記同一直線より僅かにスプリング体側に傾斜した角度に維持された状態で加圧側の上型又は下型が加圧されると該上型又は下型に固定したパンチに最大の圧力を発生し、
加圧側の上型又は下型の基部に力を加えて上記第1リンクと第2リンクが前記同一直線よりスプリング体側に大きく傾斜するように屈曲して前記スプリング体が圧縮されると共にスプリング体が水平方向に傾倒した状態で加圧側の上型又は下型が加圧されると該上型又は下型に固定したパンチの発生圧力が減少するように形成されてなる、という技術的手段を講じている。
【0008】
また、請求項2の金型構造に係る発明では、
請求項1のプレス型の増圧装置を設けて、プレス機の1ストローク内で一次加工と二次加工を段階的に行ってC型鋼を成形する金型構造において、
上型が、上型ベース部に固着されて垂下するインナパンチと、
上型ベース部に対して接近乃至離間可能に取り付けられ下面にアウタパンチを突設し、上型ベース部に接近した際には前記インナパンチが下方へ突出するように配置された左右一対のパッドと、
該パッドと上型ベース部の間に介設されて、上型が下降してアウタパンチが一次加工を行う際に高い圧力を発生し、更に下降すると徐々に圧力を弱めてインナパンチによる二次加工を行わせるようにした増圧装置とからなっており、
下型が、略中央の凹部上段位置に設けられて前記アウタパンチを受ける一対のアウタダイと、凹部下段位置に設けられて前記インナパンチを受ける一対のインナダイを有しており、
上型および下型に設けられたガイド手段によって、上型が下降してアウタパンチをアウタダイに整合させて一次加工を行わせてから、更に上型が下降すると上記アウタパンチを通過させるようにアウタダイを後退させてインナパンチとインナダイによる二次加工を行わせうる、という技術的手段を講じている。
また、請求項3の発明では、
増圧装置が、上型のパッド上にスプリング体の基端を枢着し、
該スプリング体の先端に形成した継手部には、プレス機のストローク方向に対して漸次離れる方向に所定角度に傾斜して上記継手部を介して略対称に配置される一対の第1リンクおよび第2リンクのそれぞれの一方の端部を枢着し、
上記第1リンクの他方側の端部は上型ベース部に枢着し、
第2リンクの他端側は前記パッドに枢着してなり、
上記第1リンクと第2リンクが前記一定の角度に維持された状態で加圧されると最大の圧力を発生し、
上記第1リンクと第2リンクが更に同一方向に屈曲して前記スプリング体が圧縮されると共にスプリング体が傾倒すると発生圧力が減少するように形成されてなるという技術的手段を講じている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明のプレス型の増圧装置を用いた金型構造の好適一実施例について図面に基づいて説明する。
このプレス機の金型構造は、図3に示すように、上型1と下型11とからなって、上型1を下降させる1ストローク内で一次加工と二次加工を段階的に行ってC型鋼を成形する。
【0010】
上型1は、上型ベース部2の中央で垂下するインナパンチ3を固着している。
上型ベース部2には、これに対して接近乃至離間可能に左右一対のパッド4、4が取り付けられており、該パッド4、4の内側下面にはアウタパンチ5が突設されている。
そして、上記パッド4は、上型ベース部2から図示しないパッドリテーナによって上型ベース部2に接近乃至離間方向にストロークするようにつり下げられている。
【0011】
上記パッド4、4が上型ベース部2に接近した際には、前記インナパンチ3が、パッド4、4間の空隙から下方へ突出するように配置されている。
また、上記各パッド4と上型ベース部2との間には増圧装置が介設されている。
【0012】
この増圧装置は、パッド4上に設けられたスプリング体7と一対の第1リンク8、第2リンク9とからなっている。
即ち、図3に明瞭なように、各パッド4上に、ガスシリンダなどのスプリング体7の基端(図示例では固定端)をブラケットを介して枢軸P4で枢着している。
該スプリング体7の先端(伸縮端)には継手部7Aが固設されている。
また、一対の第1リンク8の下端側および第2リンク9の上端側は、それぞれ前記継手部7AにピンP2で同軸上に枢着されている。
【0013】
この一対の第1リンク8および第2リンク9はプレス機のストローク方向(図示例では垂直方向)に対して漸次離れる方向に所定角度θ0で傾斜しており、上記継手部7Aを介して上下に対称に配置されている。
そして、上記第1リンク8の上端側は上型ベース部2にブラケットを介して枢軸P1により枢着されており、また第2リンク9の下端側は前記各パッド4にブラケットを介して枢軸P3により枢着されている。
【0014】
図1に示す待機位置で、第1リンク8と第2リンク9とは、継手部7Aを介してスプリング体7によって僅かな角度θ0を持って支持されている。
この時にスプリング体7は水平線に対して角度θで傾斜しており、僅かなストロークを持って初圧P0を与えているに過ぎない。
第1リンク8と第2リンク9の成す角度θ0によって、プレス機のストローク方向には、以下の反力Pvが加わる。
【0015】
ここで、スプリング体の初圧をP0とすると、
【数1】
即ち、
【数2】
で示されるプレス機のストローク方向の反力Pvを得ることができる。
【0016】
上記説明に用いたx、yの比率で判るように、その設定によってスプリング体7の本来の初圧P0に対し、例えば10倍を越えるような反力Pvを得ることができる。
この増圧装置を用いることによって、材料G1を曲げるのに必要な圧力源として、例えばスプリング体7として市販のガススプリングなどを用いることによって、数十トンの加工力を要する曲げ加工を実施することが可能となる。
【0017】
また、この増圧リンク機構の特性として、θ0が、拡大するとPvとP0の比率が逆転し、僅かな反力Pvで、前記スプリング体7を圧縮することが可能となる(図2参照)。
【0018】
そこで、パッド4が上型ベース部2と離間するストローク量の最大値で、上記の第1リンク8、および第2リンク9が最小の角度θ0となるように設定する。
これにより、上記第1リンク8と第2リンク9とが上記最小の角度θ0に維持された状態で加圧されると最大の圧力を発生し、上記第1リンク8と第2リンク9が更に同一方向に屈曲して前記スプリング体7が圧縮されると共にスプリング体7が水平方向に傾倒すると発生圧力が減少するように形成されている。
なお、図示例では、パッド4の下面にはスライダ6がパッド下面に沿って摺動自在に取り付けられている。
【0019】
次ぎに、下型11は、略中央に凹部11aを有しており、その凹部上段位置には前記アウタパンチ5、5を受ける一対のアウタダイ13、13をアウタダイカムスライダ14上に有しており、また凹部下段位置には下型ベース部12上のインナダイホルダ17上には前記インナパンチ3を受ける一対のインナダイ16、16が設けられている。
【0020】
そして、前記アウタダイ13、13は上記インナダイ16、16上を摺動可能に取り付けられており、その外側にはアウタダイ13、13を中央に向かって付勢するスプリング15、15がそれぞれ設けられている。
また下型ベース部12上で凹部11aの略中央位置のアウタダイ13、13間にはインナパンチ3に対向するリフタ18が、上記インナパンチ3の昇降に連動して伸縮するように立設されている。
【0021】
また前記上型1と下型11には、公知のガイド手段となる一対の構成部がそれぞれ設けられているが本図では省略する。
上型1には、上型ベース部2にカムドライバ20が垂設されている。
このカムドライバ20の先端は、外側が短い垂直面20aに形成されてインナパンチ3より下に延びており、外側は側壁が漸次上向きに幅広方向に傾斜するガイド面(カム面)20bが設定されている。
そして、パッド4の上面には、カムドライバ20が長いために、その剛性を保持させるようにドライバガイド23を設置し、カムドライバ20を支持させる。
【0022】
また、下型11には、前記アウタダイカムスライダ14が摺動自在に設けられ、且つスプリング15によって中心方向、即ち、一対のアウタダイカムスライダ14、14が接近する方向に付勢されている。
そして、上記アウタダイカムスライダ14には第1ガイド孔21が貫通形成されており、また前記インナダイホルダ17にもこれと連通する第2ガイド孔22が穿設されている。
【0023】
前記第1ガイド孔21は、その上部開口の外側に、漸次下向きに開口を狭める方向に傾斜するガイド面(待ち受け面)21aを形成している。
従って、上型1が下降すると、最初にカムドライバ20の先端が下型11のアウタダイカムスライダ14の第1ガイド孔21に挿入し、カムドライバ20の垂直面20aと第1ガイド孔21のガイド面21aとが衝合する。
【0024】
そして、上型1が下降しカムドライバ20の先端が更に押し下げられると、前記垂直面20aを超えてガイド面20bとガイド面21aの相互作用でスプリング15の付勢力に抗してアウタダイカムスライダ14を外側へ後退させ、上記第1ガイド孔21を第2ガイド孔22と整合する連通位置まで移動させうるようになっている。
【0025】
上記構成からなっているので、次ぎにこの金型構造の作動過程について説明する。
まず、図3の第1ステップは、材料セットを示す。
図示しないピアスダイなどで孔明け加工を施された平板の材料G1を下型11のアウタダイ13の上の所定の位置にセットする。
【0026】
次ぎに、図4の第2ステップは、アウタパンチによる一次フランジ加工の開始を示す。
即ち、上型1は、そのままの姿勢を維持して下降し、アウタパンチ5がアウタダイ13上の材料G1に接触する。
そして、前述の増圧装置によって最大の圧力を発生させてアウタパンチ5により一次フランジ加工を行わせる。
【0027】
次ぎに、図5の第3ステップは、一次フランジの加工終了を示す。
上型1の下降により前記増圧装置を用いた高い加圧力で一次フランジの加工を完了する。
この上型1の下降位置までアウタダイカムスライダ14は後退しないが、加工完了後に更に引き続いて上型が下降すると、前記カムドライバ20の先端は第1ガイド孔21に僅かに挿入され、ガイド面20bと21aが相互に接し、同時に前記カムドライバ20の更なる挿入によってアウタダイカムスライダ14が一次フランジが加工された材料G2から離れる水平方向に後退駆動し始める。
【0028】
ここで、一次フランジ曲げの圧力源として用いた増圧機構の第1リンク8、第2リンク9は、パッド4が下型11の前記カムスライダ14に接触し、さらにプレス機のラムが加工を続けようとして、前記反力Pvを越える力が加わると、パッド4内に設置されたスプリング体7を押し戻す形で座屈を始める。
そして、前述のように、第1リンク8と第2リンク9の構成する角度θ0が拡大すると、反力Pvの値は急速に減少を始め、その後のプレス機の圧力発生能力を相殺する力は、僅かなものとなる。
【0029】
また、アウタダイカムスライダ14は、上型1のパッド4と、下型11の間に挟みつけられた状態で、摺動させられるため、上型1のパッド4との摩擦抵抗を低減するためにスライダ6をパッド4とアウタダイカムスライダ14の間に設置されている。
図示例では、スライダ6は、パッド4の下面に設けた構造となっているが、下型11のカム前記スライダ14の上面に設けてもよいことは勿論である。
【0030】
次ぎに図6の第4ステップは、インナパンチ3による二次フランジ加工の開始を示す。
前記カムドライバ20の下降が進行し、アウタダイカムスライダ14に設けられた第1ガイド孔21にカムドライバ20が嵌合すると、カムスライダ14の待避が完了し、その後のインナパンチ3の下降とともに前記材料G2は、下型11に設置されたインナダイ16、16の間に挟み込まれ、二次フランジの曲げ加工が開始される。
【0031】
なお、二次フランジの曲げ加工の圧力に耐えうる剛性を持つカムスライダ14の厚み分の高低差が二次フランジ加工面と一次フランジの加工面の間に存在するが、下型11のインナダイ16の間に設置されたリフタ18に支持されつつ、材料G2は、インナパンチ3に押されて、二次フランジの加工面に達する。
この時、インナパンチ3もしくは、リフタ18に適当なロケートピン(図示せず)等を設置する事により、材料G2の位置を精度良く、一次フランジ面はもとより二次フランジ面まで制御することができる。
【0032】
次ぎに、図7の第5ステップは二次フランジ加工完了を示す。
プレス機のラムが下死点に達すると、前記材料G3は、インナパンチ3とインナダイ16との相互作用により、C型鋼の形状成形が一回のプレス機のストロークで達成される。
なお、本実施例では、アウタダイ13及びインナダイ16は共に市販の回転式のダイ構造を用いており、公知の通常使用するU曲げ型の板押さえパッドを使用することなく説明を行ってきたが、インナダイ16については、この方式にこだわらず、プレス機のクッションを用いて、一般的な板押さえパッドを下型に設置するものでもよい。
この後、プレス機のラムを上昇に切り替え、二次加工された製品G2の取り出し段階に入る。
【0033】
次ぎに、図8の第6ステップはインナダイ16からの製品G3の抜き出しを示す。
本実施例の回転式のインナダイ16の場合、復元機構を有しており、インナパンチ3の上昇に伴い、成形後の製品G3を持ち上げる働きをする。併せて、リフタの上昇により、製品も、上昇を始める。
また、前記製品G3がC形断面をしているため、インナパンチ3に製品G3の二次フランジが、掛かった状態での上昇となる。
【0034】
次ぎに、図9の第7ステップは、増圧パッドの待機位置復帰を示す。
前述のように、上型1の上昇に伴い、第1リンク8及び第2リング9は、パッド4内に設置されたスプリング体7の戻り力により、所定のストロークに達するまで復元していき、初期のθ0まで戻り、そのあとは、パッドリテーナに吊られて上型と同期して上昇して行くことになる。
【0035】
次ぎに、図10の第8ステップは、アウタダイカムスライダの元位置復帰を示す。
上型1の上昇と共に、アウタダイカムスライダ14も上昇し、下型11のスプリング15の復元力によって、上記カムスライダ14は、待避位置から、初期設定の待機位置まで復元する。
ここでは、下型11の第8ステップは、スプリング15による戻りで説明したが、スプリングではなく、エアシリンダなどの駆動源を用いてもよい。
【0036】
次ぎに、図11は、上型の元位置復帰、製品抜き取りを示す。
上型1がプレス機の所要ストローク一杯に上がりきると、パッド4及びその増圧機構、下型11のアウタダイカムスライダ14、リフタ18類が初期設定の待機位置に復元した状態になっている。
これに前後して、製品G3をインナパンチ3から抜き取り一回の成形作業が完了する。
また、新たな材料G1を投入することにより、連続的に、プレス加工を継続することができる。
【0037】
この発明の増圧装置は、前記実施例で示したようなC型鋼の金型構造に限定されるものではなく、用途に沿って他の金型構造に任意に設計変更をすることができる。
また、増圧装置は、上型に限らず下型に設けるものであってもよい。
例えば、図12に示すように、増圧装置は、一対の第1リンク8、第2リンク9の長さの設定、角度設定、圧力設定などを用途に合わせて設計することにより、初期に強い圧力を用い徐々にその圧力を減衰させたい場合の製品形状に対する絞り成形型30のクッション圧力としての使用法も応用として可能である。
この場合、下型11のパッド4上で、スプリング体7と一対の第1リンク8、第2リンク9は、前記実施例とは左右を逆にした外向きに配置されている。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
この発明の金型構造を用いることにより、比較的ラムストロークの少ないプレス機においても、C型鋼を平板からの一回のストロークで段階的に成形出来るようになり、成形型が一型で済む。
また、プレス工数がピアス孔明け、C形成形の2工程で行うことができ、コスト低減の効果が大きい。
増圧パッド構造は、C型鋼の成形だけでなく、下死点よりかなり手前の位置で、一旦高い圧力を必要とするような工程内容の金型の場合に同一のプレス機を使用して圧力発生能力を有効に用いるので、高荷重の仕事量が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】増圧装置の実施例の高圧力時の説明図である。
【図2】増圧装置の実施例の低圧力時の説明図である。
【図3】第1ステップの材料セットを示す側面図である。
【図4】第2ステップのアウタパンチによる一次フランジ加工の開始を示す側面図である。
【図5】第3ステップの一次フランジの加工終了を示す側面図である。
【図6】第4ステップのインナパンチによる二次フランジ加工の開始を示す側面図である。
【図7】第5ステップの二次フランジ加工完了を示す側面図である。
【図8】第6ステップのインナダイからの製品の抜き出しを示す側面図である。
【図9】第7ステップの増圧パッドの待機位置復帰を示す側面図である。
【図10】第8ステップのアウタダイカムスライダの元位置復帰を示す側面図である。
【図11】第9ステップの上型の元位置復帰、製品抜き取りを示す側面図である。
【図12】増圧装置の別の実施例を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
1 上型
2 上型ベース部
3 インナパンチ
4 パッド
5 アウタパンチ
6 スライダ
7 スプリング体
7A 継手部
8 第1リンク
9 第2リンク
11 下型
12 下型ベース部
13 アウタダイ
14 アウタダイカムスライダ
15 スプリング
16 インナダイ
17 インナダイホルダ
18 リフタ
20 カムドライバ
21 第1ガイド孔
22 第2ガイド孔
23 ドライバガイド
Claims (3)
- プレス機の加圧側の上型又は下型に設けられるプレス型の増圧装置において、
加圧側の上型又は下型のパッド上に、水平姿勢から傾斜姿勢に変位可能に基端が枢着された伸縮可能なスプリング体と、
該スプリング体の伸縮端に設けられた継手部と、
該継手部と加圧側の上型又は下型の基部との間に枢着された第1リンクと、
前記継手部と前記パッドとの間に介設されて前記第1リンクと上下対称に設けられた第2リンクとからなり、
前記第1リンクと前記加圧側の上型又は下型の基部との枢着点と、前記第2リンクと前記パッドとの枢着点とが、プレス機のストローク方向となる同一直線上に配置されており、
前記スプリング体が伸張した際の継手部と前記第1及び第2リンクとの枢着点の位置が、前記同一直線よりスプリング体側に接近する位置に設定されており、
上記第1リンクと第2リンクが前記同一直線より僅かにスプリング体側に傾斜した角度に維持された状態で加圧側の上型又は下型が加圧されると該上型又は下型に固定したパンチに最大の圧力を発生し、
加圧側の上型又は下型の基部に力を加えて上記第1リンクと第2リンクが前記同一直線よりスプリング体側に大きく傾斜するように屈曲して前記スプリング体が圧縮されると共にスプリング体が水平方向に傾倒した状態で加圧側の上型又は下型が加圧されると該上型又は下型に固定したパンチの発生圧力が減少するように形成されてなることを特徴とするプレス型の増圧装置。 - 請求項1のプレス型の増圧装置を設けて、プレス機の1ストローク内で一次加工と二次加工を段階的に行ってC型鋼を成形する金型構造において、
上型が、上型ベース部に固着されて垂下するインナパンチと、
上型ベース部に対して接近乃至離間可能に取り付けられ下面にアウタパンチを突設し、上型ベース部に接近した際には前記インナパンチが下方へ突出するように配置された左右一対のパッドと、
該パッドと上型ベース部の間に介設されて、上型が下降してアウタパンチが一次加工を行う際に高い圧力を発生し、更に下降すると徐々に圧力を弱めてインナパンチによる二次加工を行わせるようにした増圧装置とからなっており、
下型が、略中央の凹部上段位置に設けられて前記アウタパンチを受ける一対のアウタダイと、凹部下段位置に設けられて前記インナパンチを受ける一対のインナダイを有しており、
上型および下型に設けられたガイド手段によって、上型が下降してアウタパンチをアウタダイに整合させて一次加工を行わせてから、更に上型が下降すると上記アウタパンチを通過させるようにアウタダイを後退させてインナパンチとインナダイによる二次加工を行わせうることを特徴とする金型構造。 - 増圧装置が、上型のパッド上にスプリング体の基端を枢着し、
該スプリング体の先端に形成した継手部には、プレス機のストローク方向に対して漸次離れる方向に所定角度に傾斜して上記継手部を介して略対称に配置される一対の第1リンクおよび第2リンクのそれぞれの一方の端部を枢着し、
上記第1リンクの他方側の端部は上型ベース部に枢着し、
第2リンクの他端側は前記パッドに枢着してなり、
上記第1リンクと第2リンクが前記一定の角度に維持された状態で加圧されると最大の圧力を発生し、
上記第1リンクと第2リンクが更に同一方向に屈曲して前記スプリング体が圧縮されると共にスプリング体が傾倒すると発生圧力が減少するように形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の金型構造。
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