JP4595207B2 - 窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視発光ダイオード装置や青紫色レーザ装置に用いる窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体基板の製造用母材基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaN、InN、AlN等の窒化物半導体は、青色や緑色のLEDや、青色半導体レーザ、高温動作可能な高速トランジスタなどに用いる材料として好適である。窒化物半導体を成長させるための基板としては、従来よりサファイア基板(例えば、特許第3091593に開示)などが知られているが、サファイアなど異種基板上へ窒化物半導体の成長では、窒化物半導体と異種材料基板との熱膨張係数の差によって、基板の反り、クラックの発生、それらに伴う結晶性の悪化が発生することが知られている。
【0003】
そこで近年、窒化物半導体基板上にデバイスを作製することで、上記諸問題を解決させる試みがなされている。窒化物半導体基板の作製方法の一つとして、母材基板上に窒化物半導体層を厚く形成し、レーザ光によって窒化物半導体層を母材基板界面で局所的に加熱し、昇華させ、母材基板から窒化物半導体層を剥離させることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レーザ光によって剥離を行う場合、レーザ光の照射サイズは基板の面積より小さく、レーザ光を走査する必要がある。この際、下記の課題が存在した。
【0005】
それは、レーザ光の走査の途中では、窒化物半導体層と母材基板の一部が剥離され、他の部分で接触したままであるという状態になり、その際、窒化物半導体層と母材基板の接触が残っている部分に応力が集中して、窒化物半導体層中にクラックが発生する課題が存在した。そのため、室温付近でレーザ光照射で歩留よく窒化物半導体基板を製造することが困難であった。それを回避するため基板温度を上昇させる技術が知られているが、それでは、基板の昇温、降温に時間がかかり、非常に量産性に課題があった。
【0006】
さらには、レーザ光は小さく集光されているため、基板全体を剥離するためには効率よいレーザ照射を行う方法を提供する必要があった。具体的に、レーザ光は窒化物半導体の昇華を起こすために光密度を1平方センチメートルあたり約0.1J以上とする必要があり、それを達成するためレーザ光のビーム径が小さく集光されている。そのため、ビーム径は基板面積より小さく、レーザ光を走査する必要がある。窒化物半導体層全体を剥離するには、時間をかけて基板を細かく走査しながら窒化物半導体層全体にビームを照射する必要があり、しかも、一度に多数枚処理を行う、いわゆるバッチ処理ができない。したがって、クラックの発生を防ぎつつも、照射工程では従来より効率よくレーザ照射を行う方法を提供する必要があった。
【0007】
上記に鑑み、本発明は、レーザ光照射による窒化物半導体基板の製造において、レーザ光照射に要する時間を著しく低減させ、かつ窒化物半導体層中にクラックなどを発生させることなく窒化物半導体基板を得る手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、以下に示す構成よりなるものである。
【0009】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、母材基板主面に、水素又はシリコンのイオン注入によって前記母材基板を構成する材料の原子結合が切断された領域を設ける第1の工程と、前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する第2の工程と、前記母材基板と前記窒化物半導体層との界面にレーザ光を照射する第3の工程とを
有する、ことを特徴とする。
【0010】
このようにすることで、レーザ照射途中で窒化物半導体層中に発生する応力は原子結合が切断された領域が剥離することで開放されるので、窒化物半導体層中にクラックや割れが発生することがない。さらには、前述の応力による窒化物半導体層の剥離によって、窒化物半導体層全面をレーザ走査することなく窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になるので窒化物半導体基板の量産性を向上させることができる。
【0012】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法において、前記第1の工程は、母材基板主面にイオン注入された第1の領域と、前記第1の領域よりイオン注入量が少ないないしはイオン注入されない第2の領域とを設ける工程とし、前記第3の工程は、少なくとも前記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程とすることが好ましい。このようにすることで、窒化物半導体層全面を照射することなくより確実に窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になるので窒化物半導体基板の量産性を向上させることができる。
【0013】
かかる構成につき、前述のイオン注入量が少ない第2の領域は線状に連なっており、前記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する工程とすることが好ましい。このようにすることで効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0014】
かかる構成につき、前述のイオン注入量が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工程とすることが好ましい。このようにすることでパルスレーザを用いて効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0015】
かかる構成につき、前述のイオン注入量が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前記の第2の領域に照射する工程とすることが好ましい。このようにすることで、より短い照射時間で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0016】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法において、母材基板はサファイアとする。このようにすることで、窒化物半導体層の特性を劣化させるような汚染を生じずに、サファイアの原子結合を切断し、原子結合が弱い領域を形成することができる。
【0017】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、母材基板主面に、水素、酸素又は希ガスのプラズマ照射によって前記母材基板を構成する材料の原子結合が切断された領域を設ける第1の工程と、前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する第2の工程と、前記母材基板と前記窒化物半導体層との界面にレーザ光を照射する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法において、前記第1の工程は、母材基板主面にプラズマ照射された第1の領域と、前記第1の領域よりプラズマ照射量が少ないないしはプラズマ照射されない第2の領域とを設ける工程とし、前記第3の工程は、少なくとも前記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程とすることが好ましい。このようにすることで、窒化物半導体層全面をレーザ照射することなくより確実に窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になるので窒化物半導体基板の量産性を向上させることができる。
【0019】
かかる構成につき、前述のプラズマ照射量が少ない第2の領域は線状に連なっており、前記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する工程とすることが好ましい。このようにすることで効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0020】
かかる構成につき、前述のプラズマ照射量が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工程とすることが好ましい。このようにすることでパルスレーザを用いて効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0021】
かかる構成につき、前述のプラズマ照射量が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前記の第2の領域に照射する工程とすることが好ましい。このようにすることで、より短い照射時間で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能になる。
【0022】
本発明の窒化物半導体基板の製造方法において、前記母材基板をサファイアとする。このようにすることで、窒化物半導体層の特性を劣化させるような汚染を生じずに、サファイアの原子結合を切断し、原子結合が弱い領域を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1を参照しながら、本発明の第1の実施の形態におけるGaN基板の製造方法を説明する。
【0025】
図1(a)の基板1は直径2インチ、厚さ700ミクロンのサファイア(酸化アルミニウムの単結晶)であり、表面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。表面の面方位は(0001)面である。
【0026】
基板1はサファイアより構成されており、サファイアのバンドギャップは8.7eVであるため、バンドギャップに相当するエネルギーの142.5nmより大きな波長の光は透過する。そのため、波長248nmのKrFエキシマレーザ光や波長355nmのNd:YAGレーザの3次高調波光を透過することができる。
【0027】
まず、第1の工程であるイオン注入工程を行う。
【0028】
このサファイア基板1に水素イオンを注入する(図1(b))。イオン注入によって、原子結合が切断された領域1a(以下実施の形態5までは、イオン注入した領域1aないしは単に領域1aと呼ぶ)が形成された。注入量は1x1016ion/cm2とし、注入は基板を5°傾けて実施した。加速電圧は200keVとした。サファイア基板に水素をイオン注入することによって、サファイアの構成元素であるAlとOの結合が切断される。切断された原子間に水素が導入されたりすることもある。それらの結果、イオンが注入されていない領域に比べ、イオン注入した領域の平均的な原子結合力を相対的に弱くすることができる。
【0029】
なお、注入量が少ない場合は、基板表面付近で原子間の結合が切れて原子結合が弱くなる量が少なくなり、後述のレーザ照射時に窒化物半導体層2と母材基板1との剥離を効率的に行うことが困難となる。一方、注入量が多い場合は、基板表面が窒化物半導体層を成長させる前から母材基板の一部が剥がれ、剥がれた微細な粒子が表面に再付着して窒化物半導体層の成長に悪影響を及ぼすことがある。このような事情から、好ましい注入量の範囲を検討すると1x1014ion/cm2から1x1018ion/cm2である。
【0030】
なお、イオン注入時の注入角度は、チャネリング効果により注入した水素が奥深く注入されることを防ぐため、サファイアの(0001)面から2°以上傾けた面からイオンを入射することが好ましい。
【0031】
なお、イオン注入時の加速電圧は特に限定するものではないが、加速電圧が低いとサファイア表面付近のダメージが大きくなるため、20keV以上とすることが好ましい。
【0032】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。アンモニアと、Ga金属とHClを約900℃程度の高温で反応させて生じるGaClとを原料とするハイドライド気相成長法(以下、HVPE法と称する)によりGaNの成長を行った。圧力は大気圧下で成長を行った。
【0033】
サファイア上へGaNの核形成密度を増加させるため、GaNの成長に先立って基板温度を1000℃に保ち、GaClのみを15分間供給する(以下、このプロセスをGaCl処理と呼ぶ)。なお、核形成密度を増加させる目的では、GaCl処理に替えて低温バッファ層やアンモニアでサファイアを窒化する処理を行っても良いし、これらを組み合わせても良い。
【0034】
GaCl処理後、アンモニアを導入してGaN層2の成長を開始する。GaN層2の厚さが200μmとなるまで成長を行い、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図1(c))。
【0035】
サファイア基板1の上にGaN層2を高温で成長し、室温まで降温した結果、サファイアとGaNの熱膨張係数差による反りが生じる。GaNよりサファイアの方が熱膨張係数が大きいので、GaN層2側を凸として反りを生じる。本実施の形態では、曲率半径は60cm程度であった。本実施の形態では母材基板1がGaN層2に比べて厚いため、曲率半径が大きく、割れが生じるほどの反りではない。
【0036】
なお、サファイア基板1はイオン注入されているため、AlやOの結合が切断され、成長時の1000℃という高温で、これらの元素がGaN層2へ拡散しやすい。GaN中のAlは等電子トラップを形成し、またOはドナーとして働く。そのため、GaN基板上にデバイスを形成したとき、デバイスの能動領域にはこれらの元素が拡散しないようにすることが好ましい。好ましくは、GaN層2の厚さを30μm以上とすることで、デバイス能動領域に拡散されるAlやOを充分少なくすることができる。
【0037】
つぎに、第3の工程であるレーザ光照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射は、図2に示す光学系とステージを用いて行った。レーザ装置3より出射されたレーザ光10を、GaN層2に照射するにあたって、回転機構4により回転させるとともに、スキャンレンズ5で光軸を走査することにより、基板全体に渡ってレーザ光を照射することを可能とする構成となっている。また、集光手段6によって、GaN層2でのレーザ光のスポット径を制御することができる。
【0038】
なお、ステージには、母材基板1の反りを調整するための抵抗加熱ヒータなどの加熱手段を設けても良い。また、熱膨張係数差による剥離を促進させるためのペルチェ素子などの冷却手段を設けてもよい。
【0039】
レーザ装置3は、Nd:YAGレーザ光の3次高調波レーザ光を発生する装置である。パルス周波数は10Hz、1パルスのパルス幅は5nsとした。集光手段6を用いて、レーザ光のビームは、GaN層2上で円形で直径は1mmに集光されている。1パルスあたりのエネルギーをサファイア基板1において0.1Jとした。
【0040】
なお、GaN層2に到達するレーザのエネルギーは、基板1の表面や、基板1とGaN層2の界面における反射や、基板1中の欠陥による吸収を受けて、減衰する。そのため、基板厚さや、基板裏面の仕上げ、基板特性などによって、1パルスあたりのエネルギーないしはビーム径を、GaNが分解するように調整する必要がある。GaN昇華に必要なビームエネルギー密度は、基板温度が高ければ少なくなる。また、パルス幅が小さくなればピークエネルギーが高くなるため、GaN昇華に必要な1パルスあたりのエネルギー密度により変化する。室温付近で数nsから数十ns程度のパルスでは、おおよそ0.1J/cm2以上である。本実施の形態では散乱や減衰を考慮しても充分なパルスエネルギーを有していた。
【0041】
なお、GaN層2は反っている為、集光手段6を制御するなどして、照射位置によって焦点位置を制御し、レーザ光10のGaN層2の位置におけるサイズを一定とすることが好ましい。
【0042】
なお、照射位置によって焦点位置を制御しない場合は、集光手段6の焦点距離をGaN層の曲率半径に近づけることが好ましい。このようにすることで、特殊なレンズを用いずに、レーザ光10のGaN層2の位置におけるサイズを一定とすることができる。
【0043】
レーザ光10は、サファイア基板1側からGaN層2を照射するようにした。レーザ照射は、特に基板加熱や冷却を行わず室温の雰囲気(約20℃)で行った。周辺部から中央部に向かってレーザ照射を行った。このとき、GaN層2全体を隙間なく照射するのではなく、図1(d)の上面の概略図に示すように、照射位置8の回転方向の中心間隔および半径方向の中心間隔を2mm離して照射されるように、回転機構4の回転速度やスキャンレンズ5の走査速度を調整した。調整の方法であるが、基板の回転速度ないしはレーザ装置3のパルスの周波数を変化させることでスポットの回転方向の間隔を変更できる。また、回転速度に応じて、光軸の走査速度を変化させることで半径方向の間隔を変更できる。
【0044】
レーザ光10を照射されたGaN層2はサファイア基板1との界面付近でレーザ光10を吸収し加熱される。パルス幅が5nsと短いため、加熱される部分はサファイア基板1とのごく界面付近に集中され、サファイア基板1との界面のGaNのみが昇華してGaと窒素に分解される。
【0045】
図1(e)は照射工程途中における断面図である。図を明瞭に示すため、図1(e)には、ハッチングを施していない。
【0046】
GaN層2のうちレーザ光10を照射された部分には金属のGa11を生じている。金属Gaは、25℃以上では液体であり、25℃以下でも非常にやわらかいためサファイア基板1とGa11とGaN層2との結合は表面張力程度であって、極めて弱い。そのため、熱膨張係数差による応力は、レーザ照射されていない部分に集中する。
【0047】
さらに、GaN層2の分解によって、金属Ga11とともに窒素ガスが発生する。発生した窒素による圧力は、サファイア基板1とGaN層2を剥がす方向に加わる。レーザ照射されていない領域は、イオン注入によってサファイア中の原子同士の結合が弱まっているので、熱膨張係数差による応力の集中と窒素の圧力に耐えられず、イオン注入領域1a内でクラック12を生じる。この際、GaN層2の分解で発生した窒素はクラック12を通して発散する。
【0048】
なお、前述の事情より、イオン注入量を1x1014ion/cm2から1x1018ion/cm2としているため、クラックは原子結合の弱いイオン注入領域1a中のみに発生し、サファイア基板1やGaN層2にはクラックや割れは発生していない。
【0049】
さらにレーザ光の照射工程を続けていくと、中央までレーザ照射しなくても、周囲から1cmぐらい内側までレーザ照射した段階で、基板中央付近に応力が集中して、クラック12がイオン注入領域1a全体に伸展した。その結果、サファイア基板1からGaN層2が剥離された(図1(f))。剥離によって、サファイア基板1、GaN層2ともに、反りが解消された。
【0050】
このように、レーザ光照射などを行わなくとも、内部応力によっていわば自動的に剥離することを、自動剥離と呼ぶこととする。GaN層2の裏側の主面には、Ga11やサファイア片13が付着している。
【0051】
なお、どの時点でGaN層2が剥離するかはイオン注入量や、照射スポット中心間隔やピッチなどにより変化する。イオン注入量が大きいほど、また、レーザを密に照射するほど、レーザ照射の早い段階で自動剥離が起こった。また、ペルチェ素子や液体窒素などで基板を室温より冷却すると自動剥離が早い段階で起こる。
【0052】
従来のレーザ照射によるGaN剥離のように、基板全体をくまなく照射する場合は、1mm径の円形ビームでは、ピッチやスポット間隔を0.8mm程度以下にする必要があり、1枚のウェハの照射で約5分必要である。しかも、この時間に基板温度を上昇、下降させる時間を加える必要があった。
【0053】
これに対して、本実施の形態のように、スポット間隔やピッチを離した照射では、基板中央までレーザ照射しても、レーザ照射スポット数をおおよそ1/6とすることができ、1枚のウェハを照射する時間は約50秒と著しく低減することができる。しかも、本実施の形態では、周囲から1cmぐらい内側まで照射した段階でGaN層2が自動剥離を開始し、スキャン時間はわずか20秒程度であった。
【0054】
最後に、GaN層2を35%HCl溶液に30分浸すことにより、Ga11を溶解した。また、研磨によってサファイア片13と、Ga11が存在してできた凹凸を除去して、完全に単体からなるGaN基板2が得られた(図1(g))。
【0055】
なお、本実施の形態1において、Nd:YAGレーザ光に替えて、GaNに光を吸収され、サファイアを透過し、かつGaNを昇華するのに十分なパワーを有する光を用いても良いことはいうまでもない。このような光源の例として、KrFエキシマレーザ(248nm)やArFエキシマレーザ(193nm)、XeClエキシマレーザ(308nm)、XeFエキシマレーザ(351nm)、窒素レーザ(337nm)などがある。
【0056】
なお、本実施の形態ではレーザ光を重ねずに照射したが、レーザ光を重ねて照射しても、同様に、クラックやわれの発生なくGaN基板2が得られることはいうまでもない。
【0057】
(実施の形態2)
以下、図3を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2は、注入イオンを水素に替えてシリコンとする以外は、実施の形態1と全く同様である。
【0058】
図3(a)の基板1は直径2インチ、厚さ700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0059】
このサファイア基板1にシリコンイオンを注入する(図3(b))。領域1aがシリコンの注入領域である。注入量は1x1016ion/cm2とし、注入は基板を5°傾けて実施した。加速電圧は200keVとした。サファイア基板にシリコンをイオン注入することによって、水素と同様、サファイアの構成元素であるAlとOの結合が切断されたり、原子間にシリコンが導入されたりする。その結果、イオンが注入されていない領域に比べ、イオン注入した領域の平均的な原子結合力を相対的に弱くした領域を形成することができる。
【0060】
水素イオンと同様、好ましいシリコンイオンの注入量の範囲を検討すると、1x1014ion/cm2から1x1018ion/cm2である。
【0061】
イオン注入時の注入角度は、チャネリング効果により注入したシリコンが奥深く注入されることを防ぐため、好ましくは、サファイアの(0001)面から2°以上傾ける。
【0062】
イオン注入時の加速電圧は特に限定するものではないが、加速電圧が低いとサファイア表面付近のダメージが大きくなる。ただし、シリコンは水素より原子量が大きいため、表面付近にダメージが集中しやすく好ましくは50keV以上とする。
【0063】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。アンモニアと、Ga金属とHClとを原料とするHVPE法によりGaNの成長を行った。15分間のGaCl処理の後、アンモニアを導入してGaN層2の成長を実施する。GaN層2の厚さが200μmとなるまで成長を行い、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図3(c))。
【0064】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態1と同じ装置、照射方法を用いた。その結果、サファイア基板1から、GaN層2が剥離された(図3(d))。GaN層2の裏面には、Ga11およびサファイア片13が付着していた。
【0065】
最後に、HClによりGa11を溶解し、サファイア片13およびGaN層2の凹凸を研磨で除去して、単体のGaN基板2を得た(図3(e))。
【0066】
以上により、シリコンイオン注入でも水素イオン注入と同様の効果が得られることが確認された。なお、金や銀などの重金属等を注入すると、窒化物半導体デバイスを形成したとき、金や銀がデバイス中に侵入し深い準位を形成して特性の劣化を招くことが知られているが、シリコンや水素ではこのような問題は発生しないことはいうまでもない。
【0067】
(実施の形態3)
以下、図4を参照しながら実施の形態3について説明する。実施の形態3は、イオン注入時に線状に連なったパタニングを行う例について示している。
【0068】
図4(a)の基板1は直径2インチ、厚さ700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0069】
このサファイア基板1に水素イオンを注入する工程を実施する(図4(b、c、d))。
【0070】
まず、図4(b−1)に示すようにレジストによるマスク7を設ける。マスク7の形状は、図4(b−2)の概略図に示すように渦巻き螺旋状である。渦巻き螺旋のピッチは2mm、幅は0.5mmとした。
【0071】
なお、イオン注入後、マスク7を除去後のイオン注入領域の判別を容易にするため、渦巻き螺旋の出発点はオリフラ位置などで確認できるようにマスクあわせを行うことが好ましい。
【0072】
次に、図4(c)に示すように水素イオンを注入した。水素イオンの注入量は1x1016ion/cm2とし、注入は基板を5°傾けて実施した。加速電圧は200keVとした。サファイア基板1の主面でマスク7が存在しない部分はイオンが注入された領域1aが形成される。マスク7が存在する部分には、水素イオンが阻止されることで水素イオンの注入量が低減され、より好ましくは、ほとんど注入が行われず、原子結合がほぼ保存されている領域1b(以下実施の形態5までは、イオン注入されていない領域1bないしは単に領域1bと呼ぶ)が形成される。
【0073】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図4(d))。
【0074】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。実施の形態1と同じ方法で、HVPE法によりGaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図4(e))。
【0075】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態1と同じ装置を用い、室温で行った。レーザ照射位置は、イオン注入なされていない領域1bが隙間なく照射されるよう、照射開始位置と回転速度、光軸の走査速度を調整しながら、周囲から中央に向かってレーザ照射を行った。具体的に、レーザスポットサイズが1mmであるため、螺旋渦巻き状の領域1bを隙間なく照射するには、スポット間隔がおおよそ0.8mmとなるよう回転速度を調整する。より好ましくは、線速度一定となるよう回転させる。また、基板一周で2mmピッチとなるよう、光軸の走査速度も調整する。
【0076】
なお、イオン注入を行った領域1aには外観上大きな変化はないが、イオン注入位置は若干屈折率や吸収係数が異なるため、可視光でも光の当て方などを調整することで確認することは可能である。イオン注入位置の吸収係数は、200nm程度の紫外域で顕著となるため、紫外線を検知するカメラなどで確認すればより判断が容易となる。
【0077】
図4(f)は、照射工程途中の断面図である。図を明瞭に示すため、ハッチングを施していない。レーザ光照射を行った領域には、GaN層2の分解により生じた、Ga11が形成される。また、GaN層2の分解により生じた窒素ガスの圧力と、熱膨張係数差による応力集中とによって、イオン注入された領域1aにはクラック12を生じる。
【0078】
一方、イオン注入されていない領域1bは、サファイアが強固なためクラック12が伸展しない。そのため、基板のレーザ光を照射して、クラック12を生じても、クラック12は領域1bで停止して、GaN層2全体に渡る自動剥離には至らない。
【0079】
本実施の形態では、中央までレーザ照射を完了した段階ではじめて完全に剥離が起こり、サファイア基板1からGaN層2が分離された(図4(g))。
【0080】
最後にHClによりGa11を溶解し、サファイア片13とGaN層2の裏面の凹凸を研磨によって除去して、GaN基板2を得た(図4(h))。
【0081】
なお、実施の形態1のように、レーザ照射の途中でGaN層2が自動的に剥離される場合、剥離が起こる段階が一定でないため、GaN層2の裏面に付着するサファイア片13の形状が毎回異なってしまう。GaN層2の裏面のサファイア片13を除去するための裏面の研磨工程において、自動剥離したGaN層2では、個々のGaN層2とサファイア片13に合わせた条件で、一枚ずつ裏面の研磨仕上げを行う必要がある。一方、本実施の形態では、裏面の形状がほぼ一定のものが得られるため、同一バッチ処理で複数枚のGaN基板2の裏面の研磨仕上げを行うことが可能であった。したがって、量産においては本実施の形態の工法が適する。
【0082】
なお、イオン注入が行われていない領域1bは、連なった形状とすることで、レーザ光の走査が容易となり、好ましい。例えば、放射状、ストライプ状、等のパターンとするのが好ましい。さらには、本実施の形態の渦巻き螺旋のような一筆書きが可能なパターンとするのが最も好ましい。
【0083】
なお、イオン注入が行われている領域1aとイオン注入が行われていない領域1bには、好ましい面積の関係がある。具体的には領域1aに比して領域1bが狭すぎる場合には、剥離が起こりにくくなり、窒化物半導体ウェハを得ることが困難となる。逆に、領域1aに比して領域1bが広すぎる場合には、自動剥離可能な部分、すなわち領域1aの面積が小さいため、応力が自動剥離によって開放されず、照射の途中でGaN層2にクラックや割れを生じてしまうことがある。このような事情から、室温照射において、好ましい面積の関係は、領域1aの面積が領域1bの面積の1/5倍から50倍の間である。
【0084】
(実施の形態4)
以下、図5を参照しながら実施の形態4について説明する。実施の形態4は、イオン注入時に複数に分散した形状のパタニングを行う例について示している。
【0085】
図5(a)の基板1は実施の形態1と同様のサファイアである。
【0086】
このサファイア基板1に水素イオンを注入する工程を実施する(図5(b、c、d))。
【0087】
まず、図5(b−1)に示すようにマスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、図5(b−2)の概略図に示すように円形のドット状である。平面を敷き詰める一辺2mmの正三角形の各頂点にマスク7によるドットが位置するようになっている。隣り合うマスク7の中心間隔は2mm、一つのマスク7の径は0.5mmである。
【0088】
なお、イオン注入後、マスク7を除去するとイオン注入領域の判別を容易にするため、マスク7の位置や方向がオリフラ位置などで確認できるようにマスクあわせを行うことが好ましい。
【0089】
なお、個々のマスク7の形状は、後のレーザのスポットサイズに収まる形状であれば、多角形や不定形などでも良い。
【0090】
なお、マスク7を基板端に設けると、基板端においては後述のレーザ光照射工程でレーザ光が均一に照射されないので、マスク7は基板端に設けないことが好ましい。好ましくは50μm以上基板端より内側にマスク7を設けるのが良い。
【0091】
次に、図5(c)に示すように水素イオンを注入した。水素イオンの注入量や注入条件は実施の形態1と同じである。
【0092】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図5(d))。
【0093】
次に実施の形態1と同様、GaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図5(e))。
【0094】
つぎに、第3の工程であるレーザ光照射による基板分離の工程を行う。レーザ光の照射は、2次元の光軸走査が可能な装置を用いて、室温で行った。レーザ照射位置は、イオン注入なされていない領域が照射されるよう光軸走査を行った。
【0095】
例えば、以下のような方法で照射を行うことが可能である。
【0096】
イオンが注入されていない領域1bは、図5(b−2)のマスク7と同じ並び方をしている。そこで、10Hzのレーザを用いた場合、初回照射位置を基板端のイオンが注入されていない領域1bにあわせ、基板回転は行わずに、最近接の領域1bが並んでいる方向に線速度毎秒2cmで光軸を走査すれば、レーザ照射が領域1bに同期して行われる。以下、同様の照射を繰り返せば基板全面を照射することができる。
【0097】
本実施の形態では、照射は、基板の外から内にかけて行った。領域1bは6回対称に並んでいるため、最も外の領域1bを含む正六角形を考え、この正六角形に沿って光軸走査とレーザ光照射を行い、次第に内側の六角形へと照射を行えばよい。
【0098】
なお、マスク7の大きさや間隔によっては、外周の領域1bが必ずしも六角形に並んでいないことがあるが、マスク7のパターンを仮に外挿し、六角形を想定して走査すればよい。
【0099】
なお、領域1bは3回対称とも見なせるので、正三角形に光軸を走査してもよい。
【0100】
なお、領域1bは2回対称とも見なせるので、前述の六角形の一対の対辺を、互い違いに外側から内側に向けて走査しても良い。
【0101】
図5(f)は、レーザ照射工程途中の断面図である。図を明瞭に示すため、ハッチングは施していない。実施の形態3と同様、GaN層2の分解により生じたGa11が形成されるとともに、窒素ガスの発生と、熱膨張係数差による応力集中とによって、イオン注入された領域1aにはクラック12を生じる。
【0102】
一方、イオン注入されていない領域1bではクラック12が伸展せず、領域1bで停止して、GaN層2全体に渡る自動剥離には至らない。
【0103】
本実施の形態では、中央までレーザ照射を完了した段階ではじめて完全に剥離が起こり、サファイア基板1からGaN層2が分離された(図5(g))。
【0104】
最後にHClによりGa11を溶解し、研磨を行ってサファイア片13を除去することで、単体のGaN基板2を得た(図5(h))。
【0105】
なお、本実施の形態のイオン注入領域の形状とレーザ照射方法に限らず、イオン注入領域を複数に分散配置して、レーザ照射を複数配置したイオン注入領域に同期して照射することで、効率よくレーザ照射を行えることはいうまでもない。より好ましくは本実施の形態のように、イオン注入されていない領域1bを周期的に配置することによって、より効率的に光軸を走査して、領域1bへのレーザ光の照射を行うことができる。
【0106】
本実施の形態においても、裏面の形状がほぼ一定のものが得られるため、同一バッチ処理で複数枚のGaN基板2の裏面の研磨仕上げを行うことが可能である。
【0107】
(実施の形態5)
以下、図6を参照しながら実施の形態5について説明する。実施の形態5は、レーザ照射方法を変更した実施の形態4の変形について示している。
【0108】
図6(a)の基板1は実施の形態4と同様のサファイアである。
【0109】
このサファイア基板1に水素イオンを注入する工程を実施する(図6(b、c、d))。
【0110】
まず、図6(b)に示すようにマスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、実施の形態4と同様で、隣り合うマスク7の中心間隔は2mm、各マスク7の径は0.5mmとした。
【0111】
次に、図6(c)に示すように水素イオンを注入した。水素イオンの注入量や注入条件は実施の形態4と同じである。イオン注入された領域1aと、イオン注入されない領域1bが形成された。
【0112】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図6(d))。
【0113】
次に実施の形態4と同様、GaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図6(e))。
【0114】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。光学系、回転機構は、図2の装置を用いた。ただし、レーザパワーの大きなKrFエキシマレーザ装置を用い、ビーム径は5mm、ビームパワーは3Jとした。パルス幅は30nsである。KrFエキシマレーザ装置においても、GaNを昇華させるのに必要なパワーはNd:YAGレーザとほぼ同じ傾向である。本実施の形態では、ビーム径が5倍となっているが、ビームパワーも30倍となっており、5の2乗である25倍以上大きくなっている。そのため光密度としては実施の形態1より低下しておらず、GaNを昇華させるのに充分である。
【0115】
本実施の形態では、照射スポットが互いに重なるように、回転方向の照射スポット間隔、半径方向の照射スポットのピッチを4mmとした。この方法によれば、一度の照射で複数の注入されていない領域1bを照射することとなる。照射は外側から内側に向けて行った。
【0116】
図6(f)は、レーザ照射工程途中の断面図である。レーザ光の照射によりGaN層2は、サファイア基板1との界面付近でGa11と窒素ガスに分解される。そのため、レーザスポット周辺のイオン注入された領域には、応力が集中しクラック12を生じる。Ga11とサファイア基板1およびGaN11とGaN層2とは結合が弱く、特にサファイア基板1との結合が弱いため、GaN層2は、サファイア基板1から分離される。その際、窒素は外へと開放される。しかし、イオン注入されていないサファイアは強固なため、基板全体に渡る自動剥離には至らない。
【0117】
そのため、本実施の形態では、イオン注入されていない領域1bの全てを照射した段階ではじめてサファイア基板1から完全にGaN層2が剥離された(図6(g))。
【0118】
最後にGa11をHClによって除去して単体のGaN基板2を得た(図6(h))。
【0119】
本実施の形態では、基板全体が照射されているが、レーザのビーム径が4倍と大きく、ビーム面積は16倍も大きい。したがって、一度に複数の領域1bを照射している。一照射で複数の領域1bを照射することによって、実施の形態5では、実施の形態4に比べて照射数を約1/4とすることができた。本実施の形態では基板全体を照射しているため、特別な位置合わせなどの必要がなく、レーザ以外は比較的安価な設備で実施することが可能である。なお、一照射で複数のドットを照射させる場合でも、ドットに同期させてレーザを照射することで、より少ない照射数で剥離が可能であることはいうまでもない。
【0120】
(実施の形態6)
図7を参照しながら、本発明の第6の実施の形態におけるGaN基板の製造方法を説明する。本実施の形態は、イオン注入に変えてプラズマ照射を用いる以外は実施の形態1と全く同じである。
【0121】
図7(a)の基板1は実施の形態1と同じサファイア基板1である。
【0122】
まず、第1の工程であるプラズマ照射工程を行う。
【0123】
このサファイア基板1に酸素プラズマを10分間照射し、プラズマ照射によって原子結合が切断された領域1a(以下、プラズマ照射領域1aないしは単に領域1aと呼ぶ)を得る(図7(b))。プラズマの密度や圧力等の条件により、プラズマ照射に必要な照射時間が異なる。プラズマ照射の場合は、プラズマの状態がプラズマの発生方法や装置に大きく依存し、イオン注入と違って一義的な定義はできない。
【0124】
例えば、本実施の形態では、電極面積1000cm2の円形電極による平行平板RFプラズマで、RFパワーを200W、酸素流量を10sccm、圧力を5Paとして検討を行っている。このとき、プラズマ照射に必要な時間は30秒から2時間であった。30秒未満では、プラズマ照射した領域の原子結合力を弱くする量が不十分であり、2時間より長い時間では表面にダメージが発生して、上に単結晶のGaN層を成長させることが困難となる。
【0125】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。実施の形態1と同じHVPE法により200μmの厚さGaN層2の成長を行い、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図7(c))。
【0126】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射に関して、その方法、装置、条件は実施の形態1と全く同じであり、図7(d)の概略図に示すように照射スポットの回転方向の中心間隔および半径方向の中心間隔を2mm放して照射されるように回転速度や光軸の走査速度を調整した。
【0127】
実施の形態1と同様、レーザ光の照射を続けていくと、中央までレーザ照射しなくても、周囲から1cmぐらい内側までレーザ照射した段階で、基板中央付近に応力が集中して、サファイア基板1からGaN層2が剥離され、Ga11とサファイア片13が付着したGaN基板2が得られた(図7(e))。
【0128】
最後にHClによってGa11を溶解し、サファイア片13とGaN層2の凹凸を研磨によって除去して、単体のGaN基板2を得た(図7(f))。
【0129】
以上により、プラズマ照射によりサファイアの結合を弱めても、イオン注入と全く同じ効果が得られることが示された。
【0130】
(実施の形態7)
図8を用いて本実施の形態7について説明する。実施の形態7は、照射プラズマを水素ないしはヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンとする以外は、実施の形態6と全く同様である。
【0131】
図8(a)の基板1は実施の形態6と全く同様の、直径2インチ、厚さ700ミクロンの(0001)面サファイア基板である。
【0132】
このサファイア基板1を5枚準備し、それぞれ、水素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンのプラズマを10分間照射し、プラズマ照射領域1aを得た(図8(b))。
【0133】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。それぞれのサファイア基板1に、実施の形態6と同じくGaN層2の厚さが200μmとなるまで成長を行い、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図8(c))。
【0134】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態6と同じ装置、照射方法を用いた。その結果、いずれのプラズマを照射した場合も、サファイア基板1から、GaN層2が剥離され、Ga11とサファイア片13が付着したGaN基板2が得られた(図8(d))。
【0135】
最後にHClによりGa11を溶解し、研磨によりサファイア片13とGaN層2の凹凸を除去して、GaN基板2が得られた(図8(e))。
【0136】
以上により、水素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンのプラズマでも酸素プラズマと同様の効果が得られることが確認された。また、得られたGaN基板2にデバイスを形成しても、窒化物半導体デバイスに重金属等が導入されたときのような、特性の劣化などの問題は発生しない。また、水素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンのプラズマでも好ましい照射時間は実施の形態6と同じ事情で30秒から2時間である。
【0137】
(実施の形態8)
以下、図9を参照しながら実施の形態8について説明する。実施の形態8は、実施の形態3でイオン注入に変えてプラズマ照射を行うことと、マスクとしてSiO2を用いる以外は、実施の形態3と同じである。
【0138】
図9(a)の基板1は直径2インチ、厚さ700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0139】
このサファイア基板1に酸素プラズマを照射する工程を実施する(図9(b、c、d))。
【0140】
まず、図9(b)に示すように100nmのSiO2マスク7を設ける。SiO2マスク7の形状は、実施の形態3におけるレジストマスク7と同じ渦巻き螺旋である。また、SiO2層のパタニングは、フォトリソグラフィーとフッ酸などによるエッチングにより行った。SiO2層の形成はRFスパッタで行っている。なお、SiO2層の形成は、熱CVD法や蒸着など他の方法でも良いし、後述のプラズマ照射に耐えうる材料や製法であれば、例えばSiN等でも良い。
【0141】
次に、図9(c)に示すように酸素プラズマを10分間照射した。プラズマの条件は実施の形態6と同じである。サファイア基板1の主面でマスク7が存在しない部分はプラズマ照射領域1aが形成される。マスク7が存在する部分には、酸素プラズマが阻止されることでほとんど酸素プラズマが照射されず、原子結合がほぼ保存された領域1b(以下プラズマ非照射領域1bないしは単に領域1bと呼ぶ)が形成される。なお、酸素プラズマはレジストをエッチングするのでSiO2をマスクとしたが、水素や希ガスのプラズマであれば、レジストをマスクとしても良いことは言うまでもない。
【0142】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図9(d))。
【0143】
次に第2の工程である、窒化物半導体層の成長工程を行う。実施の形態3と同じ方法で、HVPE法によりGaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図9(e))。
【0144】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態3と同じ装置、方法を用い、プラズマ非照射領域1bへの照射を行った。中央までレーザ照射を完了した段階ではじめて完全に自動剥離が起こり、サファイア基板1から完全にGa11およびサファイア片13が付着したGaN層2が剥離された(図9(f))。
【0145】
最後に、Ga11をHClで溶解し、サファイア片13と凹凸を研磨で除去して単体のGaN基板2を得た(図9(g))。
【0146】
以上のように、イオン注入に替えてプラズマ照射でも、同様の効果が得られることが確認できた。なお、プラズマ非照射領域1bの最も好ましい形状は、本実施の形態の渦巻き螺旋のような一筆書きが可能なパターンであるが、放射状、ストライプ状、他のパターンでもよいことは言うまでもない。
【0147】
なお、プラズマ照射領域1aとプラズマ非照射領域1bには、イオン注入と同様の好ましい面積の関係がある。室温でレーザ光照射をする場合は、好ましい面積の関係として、領域1aの面積を領域1bの面積の1/5倍から50倍の間とするのがよい。
【0148】
(実施の形態9)
以下、図10を参照しながら実施の形態9について説明する。実施の形態9は、実施の形態4のイオン注入に替えてプラズマ照射を行った場合について示している。
【0149】
図10(a)の基板1は実施の形態4と同様のサファイアである。
【0150】
このサファイア基板1に酸素プラズマを照射する。
【0151】
まず、図10(b)に示すように、SiO2層マスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、実施の形態4と同じである。
【0152】
次に、図10(c)に示すように酸素プラズマを照射した。酸素プラズマの照射量や注入条件は実施の形態6と同じである。
【0153】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図10(d))。
【0154】
次に実施の形態4と同様、GaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図10(e))。
【0155】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。レーザの照射方法などは、実施の形態4と全く同様である。
【0156】
本実施の形態では、全てのドットの照射を完了した段階ではじめてサファイア基板1から、Ga11とサファイア片13が付着したGaN層2が剥離された(図10(f))。
【0157】
最後に、HClを用いてGa11を溶解し、研磨でサファイア片13と凹凸を除去して、単体のGaN基板2を得た(図10(g))。
【0158】
以上のように、周期的なプラズマ非照射領域を用いても、イオン注入と同様の効果が得られた。
【0159】
(実施の形態10)
以下、図11を参照しながら実施の形態10について説明する。実施の形態10は、実施の形態5のイオン注入に替えてプラズマ照射を行った場合について示している。
【0160】
図11(a)の基板1は実施の形態5と同様のサファイアである。
【0161】
このサファイア基板1に酸素プラズマを照射する工程を実施する(図11(b、c、d))。
【0162】
まず、図11(b)に示すようにSiO2マスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、実施の形態5と同様で、隣り合うドットの中心間隔は2mm、ドットの径は0.5mmとした。
【0163】
次に、図11(c)に示すように酸素プラズマを10分照射した。酸素プラズマの照射条件は実施の形態6と同じである。プラズマ照射領域1aと、プラズマ非照射領域1bとが形成された。
【0164】
マスク7を除去することで、母材基板が完成する(図11(d))。
【0165】
次に実施の形態5と同様、GaN層2を200μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を取り出した(図11(e))。
【0166】
つぎに、第3の工程であるレーザ照射による基板分離の工程を行う。実施の形態5と全く同様、KrFエキシマレーザを用い、サファイア基板1からGa11が付着したGaN層2が剥離できた(図11(f))。
【0167】
最後に裏面のGa11をHClによって溶解して単体のGaN基板2を得た(図11(g))。
【0168】
以上実施の形態6から実施の形態10で示したように、プラズマ照射でも、イオン注入とほとんど同様の効果が得られる。プラズマ照射の場合、プラズマ発生源の装置依存性などがあり、装置により好ましい照射時間などの条件が若干変化するという課題があるものの、イオン注入より比較的簡易な装置で、サファイアの原子結合を弱めることができるというメリットがある。
【0169】
なお、以上の実施の形態において、GaN層2に替えて、AlGaN層やInGaN層やAlInGaN層を成長させることによって、AlGaNやInGaNやAlInGaN基板を得ることができることは言うまでもない。
【0170】
なお、以上の実施の形態においてはサファイアなどの母材基板にイオンを注入しているが、予めサファイアなどの上にGaN層などを設けた基板を母材基板として、イオン注入を行っても良いことは言うまでもない。すなわち、サファイア上にGaN層を成長し、GaN/サファイア基板にイオン注入を行い、その上にGaN層を厚く成長させた後、レーザ照射を行っても同様の効果が得られることは、言うまでもない。
【0171】
【発明の効果】
以上のように、本発明の窒化物半導体基板の製造方法によれば、レーザ照射による母材基板から窒化物半導体層の剥離を用いて、クラックや割れのない窒化物半導体基板を量産性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)、(e)〜(g)本発明の実施の形態1における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
(d)本発明の実施の形態1における窒化物半導体基板の製造方法を示す上面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるレーザ照射機構を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態2における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【図4】(a)、(b−1)、(c)〜(h)本発明の実施の形態3における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
(b−2)本発明の実施の形態3における窒化物半導体基板の製造方法を示す上面図
【図5】(a)、(b−1)、(c)〜(h)本発明の実施の形態4における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
(b−2)本発明の実施の形態4における窒化物半導体基板の製造方法を示す上面図
【図6】本発明の実施の形態5における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【図7】(a)〜(c)、(e)、(f)本発明の実施の形態6における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
(d)本発明の実施の形態6における窒化物半導体基板の製造方法を示す上面図
【図8】本発明の実施の形態7における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【図9】本発明の実施の形態8における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【図10】本発明の実施の形態9における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態10における窒化物半導体基板の製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1 母材基板
1a 原子結合が切断された領域
1b 原子結合が保存された領域
2 窒化物半導体層
3 レーザ装置
4 回転機構
5 スキャンレンズ
6 集光手段
7 マスク
8 レーザ照射位置
10 レーザ光
11 Ga
12 クラック
13 サファイア片
Claims (12)
- 母材基板主面に、
水素又はシリコンのイオン注入によって前記母材基板を構成する材料の原子結合が切断された領域を設ける第1の工程と、
前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する第2の工程と、
前記母材基板と前記窒化物半導体層との界面にレーザ光を照射する第3の工程とを
有する、窒化物半導体基板の製造方法。 - 前記第1の工程は、母材基板主面にイオン注入された第1の領域と、前記第1の領域よりイオン注入量が少ないないしはイオン注入されない第2の領域とを設ける工程であり、前記第3の工程は、少なくとも前記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は線状に連なっており、前記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する工程であることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工程であることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前記第2の領域に照射する工程であることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記母材基板はサファイアであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 母材基板主面に、
水素、酸素又は希ガスのプラズマ照射によって前記母材基板を構成する材料の原子結合が切断された領域を設ける第1の工程と、
前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する第2の工程と、
前記母材基板と前記窒化物半導体層との界面にレーザ光を照射する第3の工程とを有する、窒化物半導体基板の製造方法。 - 前記第1の工程は、母材基板主面にプラズマ照射された第1の領域と、前記第1の領域よりプラズマ照射量が少ないないしはプラズマ照射されない第2の領域とを設ける工程であり、前記第3の工程は、少なくとも前記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程であることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は線状に連なっており、前記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する工程であることを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工程であることを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記第2の領域は複数に分散して設置されており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前記第2の領域に照射する工程であることを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
- 前記母材基板はサファイアであることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
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