JP4590702B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を用いて非破壊検査を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線検査装置は、検査対象物の一方側からX線を照射し反対側に配置した像検出器により透視画像を撮影するものが一般的である。しかし、このX線検査装置では、検査対象物の所望検査面の像を正確に撮影することができない。この所望検査面から離れた異なる面の像が重なってしまうからである。例えば、プリント基板の両面に電子部品が実装されている場合、プリント基板の上面に装着した部品の接合状態を撮影しようとしても、下面に装着した部品の像が重なってしまう。
【0003】
そこで、検査対象物の所望検査面での断層像を検出する技術として、ラミノグラフィが開発されている。この技術は、X線源、検査対象物、像検出器の3つの要素のうち、2つの要素を同期させて動かすことにより、複数の異なる透視画像を得、この複数の透視画像に基づき、検査対象物における所望検査面以外の像を排除し、所望検査面での像だけを選別して検出するものである。
【0004】
前記のように所望検査面の像だけを選別して検出する手段の一例として、特許2925841号公報に開示された装置がある。この装置は、広がりをもってX線を照射するX線源を有している。検査対象物の所望検査面と像検出器の受像面とは、X線の広がりの中心軸と同角度傾斜した状態で、同期回動される。これにより、所望検査面の像を受像面で検出することができる。しかし、特許2925841号公報の装置では、傾斜角度が同じであるので、所望検査面の像と他の面の像の重なりを回避できない場合があった。
【0005】
特開昭59−116040号公報に開示された検査装置では、水平をなす光軸に沿ってX線源,検査対象物,像検出器が配置されている。そして、検査対象物の所望検査面と像検出器の受像面とを平行に維持しながら同期傾動させることにより、異なる複数の傾斜角度での透視画像を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開昭59−116040号公報の検査装置では、検査対象物および像検出器の傾動を必要とするが、これら傾動が困難な場合があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、異なる照射角度から多様なX線投資画像を得ることができ、所望検査面での正確な断層像を得ることができ、しかも、検査対象物や像検出手段を傾動させずに済むX線検査装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のX線検査装置は、広がりをもってX線を照射するとともに、このX線の中心軸を、互いに平行をなす第1,第2基準平面に対して傾斜させることにより、前記第1,第2基準平面上にほぼ楕円のX線照射領域を形成するX線源と、検査対象物を支持して前記第1基準平面上を移動させる第1移動手段と、前記検査対象物を挟んで前記X線源と対峙して配置されるとともに、前記検査対象物を透過したX線を受ける受像面を有し、前記受像面に現れたX線像を画像情報となる電気信号に変換する像検出手段と、前記像検出手段を、前記受像面が前記第1,第2基準平面と平行をなした状態で、前記第2基準平面において移動させる第2移動手段と、を備え、前記第1,第2移動手段は、前記検査対象物および前記像検出手段を前記第1,第2基準平面における前記X線照射領域の長手方向に沿って移動可能であり、前記像検出手段の受像面の中心点と前記検査対象物の所望検査面の中心点とをそれぞれ結ぶ直線が、前記X線源の照射焦点を通るように移動させ、前記X線源を、前記照射焦点を通り前記第1,第2基準平面と直交する回動軸を中心にして回動させることにより前記第1,第2基準平面上のX線照射領域を変える回動手段を備え、前記回動手段を回動させることによって変わった前記X線照射領域の範囲内で、前記第1,第2移動手段は前記検査対象物,像検出手段をそれぞれ前記第1,第2基準平面において2次元的に移動可能であることを特徴とする。
【0008】
前記構成によれば、異なる照射角度から多様なX線透視画像を得ることができ、所望検査面での正確な断層像を得ることができる。しかも、検査対象物や像検出手段を傾動させずに済む。また、本発明のX線検査装置では、さらに、X線源を、照射焦点を通り第1,第2基準平面と直交する回動軸を中心にして回動させることにより第1,第2基準平面上のX線照射領域を変える回動手段を備え、回動手段を回動させることによって変わったX線照射領域の範囲内で、第1,第2移動手段は検査対象物,像検出手段をそれぞれ第1,第2基準平面において2次元的に移動可能である。これにより、照射方向の異なるX線透視画像を得ることができる。
【0009】
また、本発明のX線検査装置では、前記X線源の照射焦点を通り前記第1,第2基準平面と直交する直線が、前記X線照射領域の端部において第1,第2基準平面と交わる。これにより、所望検査面と直交する方向からの画像を得ることができる。
【0011】
また、本発明のX線検査装置では、前記X線源の回動軸が前記第1,第2基準平面と直交している。これにより、X線照射領域の形状を変えずにその方向だけを変えることができる。
【0018】
また、本発明のX線検査装置では、前記像検出手段は、前記受像面となる蛍光体面を有しこの蛍光体面上のX線像を光学像に変換する像変換部と、この光学像を画像情報となる電気信号に変換する光電変換部とを備えている。これにより、軽量小型の像検出手段を提供でき、移動手段の負担を軽くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係わるX線検査装置を示す。この装置の構造を説明するために、便宜上、第1,第2の基準平面P1,P2を想定する。これら基準平面P1,P2は、水平をなし、第2基準平面P2が第1基準平面P1より上に位置している。
【0020】
第1基準平面P1の下方には、X線源10が配置されている。このX線源10は、所定の広がり角度を持って上方の基準平面P1,P2に向かってX線を照射する。X線の照射焦点を符号Fで示す。また、このX線の広がりの立体角度を図において符号Θで示し、この広がりの中心の軸を符号Cで示す。このX線の中心軸Cと直交する断面は円形または円形に近い形状をしている。
【0021】
X線源10は、傾斜台11を介して水平回動台12(回動手段)に傾斜した状態で設置されている。このX線源10の傾斜により、X線の中心軸Cは、基準平面P1,P2に対して傾いている。その結果、図3に示すように、基準平面P1、P2上のX線の照射領域Rは細長く延びている。この照射領域Rの形状は厳密には楕円ではないが、ほぼ楕円形状と表現し、図にも楕円で示す。回動台12の回動軸Lは、照射焦点Fを通り基準平面P1,P2と直交する。
【0022】
本発明の第1の実施の形態の検査装置は、さらに、第1,第2の移動機構21,22(第1,第2の移動手段)を備えている。なお、第1,第2の移動機構21,22は、図1,図2において実物より小さく示すとともに詳細な構造を省略して示している。
【0023】
第1移動機構21は、基礎テーブルと、この基礎テーブルに搭載されたXYZ軸移動テーブルより構成されている。XYZ軸テーブルのうち最上位のテーブルに検査対象物100が支持される。Z軸テーブルの移動により、検査対象物100の高さを調節する。本発明の実施の形態では、検査対象物100において、第1基準平面P1上の断層面を所望検査面とするので、高さ調節により検査対象面を選択することができる。第1移動機構21のXY軸テーブルの移動により、検査対象物100を第1基準平面P1上において水平移動させる。
【0024】
第2移動機構22は、第1移動機構21と同様に、基礎テーブルと、この基礎テーブルに搭載されたXYZ軸移動テーブルより構成されている。XYZ軸テーブルのうち最上位のテーブルに像検出器30(像検出手段)が支持される。Z軸テーブルの移動により、像検出器30の高さを調節する。本発明の実施の形態では、後述する像検出器30の蛍光体面31aが存在する平面を第2基準平面P2としている。第2移動機構22のXY軸テーブルの移動により、像検出器30を第2基準平面P2上において水平移動させる。
【0025】
像検出器30は、蛍光体面31a(受像面)を有する板形状の像変換部31と、光電変換部32とを重ね合わせることにより、構成されている。像変換部31は、検査対象物100を透過したX線の像を蛍光体面31aで受け、このX線像を光学像に変換する。光電変換部32は、この光学像を画像情報を表す電気信号に変換する。光電変換部32は、固体撮像素子または小型軽量の撮像カメラからなる。
【0026】
本発明の第1の実施の形態のX線検査装置は、さらに、制御装置50(制御手段)と画像処理装置51(画像処理手段)と表示装置52(表示手段)とを備えている。制御装置50は、回動台12および第1,第2の移動機構21,22を制御するものである。画像処理装置51は、制御装置50からの位置情報を受けるとともに、像検出器30の光電変換部32から画像情報を受け、両情報に基づいて画像解析を行い、その解析結果を表示装置52で表示する。
【0027】
次に、本発明の実施の形態のX線検査装置の作用を説明する。検査対象物となるプリント基板100は、一方の面100aにマトリックス状に配置された16個の断面円形の半田接合部101を介して扁平な部品102(ボールグリッドアレイ部品)を装着し、他方の面100bに1個の矩形の部品103をその両側の半田接合部104を介して装着することにより構成されている。
【0028】
プリント基板100は、部品102を装着した面100aを下にして、第1移動機構21における最上位のテーブルに設置される。前述したようにZテーブルを制御することにより、プリント基板100の高さを調節し、その下面100aを第1基準平面21a上に位置させる。これにより、下面100aを所望検査面として選択することができる。
【0029】
なお、X線源10と所望検査面100a(第1基準平面P1)との間の距離は、所望検査面100aと蛍光体面31a(第2基準平面P2)との間の距離に比べて十分長い。
【0030】
移動機構21,22により、プリント基板100および像検出器30は、基準平面P1,P2上を同期して水平移動され、複数の位置で一時停止され、各位置で像検出器30がX線透視像を検出し、その画像情報を画像処理装置51に送る。
【0031】
プリント基板100と像検出器30の同期水平移動に際して、所望検査面100aと像検出器30の蛍光体面31aの各部位は、X線源10から見て常に1対1の対応関係を維持している。換言すれば、プリント基板100の所望検査面100aの任意の1点と像検出器30の蛍光体面31aの任意の1点とを結ぶ直線が、水平移動に際して常にX線源10の照射焦点Fを通り、所望検査面100aの他の任意の1点と蛍光体面31aの他の任意の1点とを結ぶ直線も、水平移動に際して常にX線源10の照射焦点Fを通る。本発明の実施の形態では、例えば所望検査面100aの中心点O1と蛍光体面31aの中心点O2とを結ぶ線M(以下、作動線Mと称す)が常に照射焦点Fを通るようにすれば、前記対応関係を維持できる。プリント基板100および像検出器30は、回動されないからである。
【0032】
プリント基板100の所望検査面100aと像検出器30の蛍光体面31aとの間の対応関係を維持するためには、像検出器30の移動量をプリント基板100の移動量より大きくする必要がある。この移動量の比は、作動線Mに沿う点F,O2間の距離と、点F,O1の距離の比と一致する。
【0033】
最初は、X線照射領域RはX軸方向に延びており、プリント基板100と像検出器30は、図1に示す第1位置で支持されている。この第1位置では、作動線Mが回動軸Lと一致しており、プリント基板100の中心点O1と像検出器30の蛍光体面31aの中心点O2が回動軸L上、すなわちX線源10の照射焦点Fの真上に位置している。
【0034】
図3に示すように、第1位置では、プリント基板100と像検出器30は、X線照射領域Rの左端部(一方の端部)に位置している。X線透視像は、プリント基板100を真上から見た透視像となり、16個数の半田接合部101の画像と部品103等の画像(部品103および半田接合部104を含む画像)を有している。ここで、2個の半田接合部101が部品103等の画像と重なっている。
【0035】
画像処置装置51は、制御装置50から位置情報を受け、この位置において2個の半田接合部101の像が部品103等の像と重なることを予め認識する。そして、この2個の半田接合部101を除いた14個の半田接合部101の画像と基準画像とを比較して、これら14個の半田接合部101の接合状態を検出する。なお、画像処理装置51は、制御装置50からの位置情報の代わりに、プリント基板100,像検出器30の位置を検出する検出手段からの情報を用いてもよい。
【0036】
次に、制御装置50は、移動機構21,22を制御して、図2に示すように、プリント基板100および像検出器30をX軸方向に移動させ、照射領域Rの長軸に沿ってその右端部(他方の端部)の第2位置まで移動させる。この第2位置で、前記と同様にして像検出器30でX線透視像に基づく画像情報を得る。このX線透視像では、図3に示すように、1個の半田接合部101の画像と部品103等の画像が重なっている。画像処理装置51は、制御装置50から位置情報を受け、この位置において1個の半田接合部101が部品103等の像と重なることを予め認識する。そして、この1個の半田接合部101を除いた15個の半田接合部101の画像と基準画像とを比較して、これら15個の半田接合部101の接合状態を検出する。
【0037】
第1,第2の位置でのX線像だけでは、所望検査面100aの完全な断層像を得られない場合もある。例えば、プリント基板100の場合、図3において左から三列目で上から3列目の1つの半田接合部101の画像が得られない。このような場合には、制御装置50は回動テーブル12を制御してX線源10を90°だけ回動させる。すると、第1基準平面P1におけるX線の照射領域Rは、図3に示すように、楕円形状の長軸がY軸方向と一致するようになる。第1,第2支持機構21,22は、プリント基板100と像検出器30を第1位置からY軸方向に沿って、図3における第3位置まで移動させる。
【0038】
第3位置で、前記と同様にして像検出器30でX線透視像に基づく画像情報を得る。このX線透視像では、図3に示すように、2個の半田接合部101の画像と部品103等の画像が重なっている。画像処理装置51は、制御装置50から位置情報を受け、この位置において2個の半田接合部101が部品103等の像と重なることを予め認識する。そして、この2個の半田接合部101を除いた14個の半田接合部101の画像と基準画像とを比較して、これら14個の半田接合部101の接合状態を検出する。
【0039】
第3位置では、第1,第2位置とは異なる2個の半田接合部101の像が部品103等の像と重なるので、3つの位置での画像から、所望検査面100aの完全な断層像を得ることができる。なお、図3から明らかなように、本実施の形態では、第2位置での画像を省くことができる。また、3つの位置での画像が必要な場合、プリント基板100と像検出器30を、第1位置から第2位置まで移動させた後に、第1位置へ戻らず第2位置から第3位置へ移動させるようにしてもよい。
【0040】
前述したように、各位置において、プリント基板100の所望検査面100aの中心O1と、像検出器30の蛍光体面31aの中心O2を結ぶ作動線Mが照射焦点Fを通るので、所望検査面100aの断層像(半田接合部101の像)は、蛍光体面31aにおいて、実質的に同じ位置に現れる。これに対して、プリント基板100の他の面100bは、プリント基板100の厚み分だけ傾斜中心O1から偏倚しているので、この面100bの断層像は位置変化に応じて変化する。具体的には、部品103等の像が位置変化に伴って蛍光体面31a上の異なる位置に現れ、異なる半田接合部101の像と重なり合う。そのため、前述したように、各位置において部品103等の画像とこれと重なる半田接合部101の画像を排除して、残りの半田接合部101の画像を選択すれば、検査所望面100aに装着された全ての半田接合部101の画像の情報を得ることができ、その接合状態を検出することができる。画像処理装置51は、最終的に、この接合された全ての半田接合部101の画像を表示装置52に表示する。一部の半田接合部101が製造上のミスによって装着されていない時には、検査者は表示装置52に表示された像から、これを判別でき、プリント基板100が不良品であることを判断することができる。なお、画像処理装置51で半田接合部101の接合状態を判断して、プリント基板100の良否を判断し、その判断結果を、図示しない報知手段で報知させてもよい。
【0041】
前記作用では、プリント基板100および像検出器30を水平移動させて、3つの位置で一時停止し、各位置での画像情報を得たが、その代わりに、プリント基板100および像検出器30を連続的に水平移動させ、この連続移動の期間において、光電変換部32の露光状態を維持するようにしてもよい。この場合、光電変換部32の画素には、前記露光期間における画像に対応した電荷が蓄えられる。したがって、連続移動後に光電変換部32から出力される画像情報は、蛍光体面31a上で連続的に変化するX線透視像を実質的に重ね合わせた画像を表している。所望検査面100aの半田接合部101の画像は、蛍光体面31aにおいて、実質的に同じ位置に現れるので、強いコントラストを有する。これに対して基板100の他の面100bの部品103等の像は、蛍光体面31aにおいて現れる位置が変化するので、弱いコントラストで実際の像より広い面積で現れる。画像処理装置51は、コントラストの閾値を用いて、中間コントラストを排除し、2値論理レベルで画像を処理する。これにより、部品103等の画像を排除して半田接合部101のみの画像を得ることができる。
【0042】
なお、上述した露光状態での連続水平移動の場合には、蛍光体面31aが所望検査面100aと同期して水平移動し、常に作動線Mが照射焦点Fを通る必要があるが、それより前に説明した一時停止状態で画像を得る場合には、停止位置で作動線Mが照射焦点Fを通るようにすればよく、移動は同期していなくてもよい。
【0043】
前記作用では、X線源10を90°回動させた場合を説明したが、90°未満の回動でもよいし、図4に示すように、360°回動させるようにしてもよい。図4の場合、X軸に並んだ2つのX線照射領域Rを形成することができ、移動機構21,22がプリント基板100および像検出器30を左側のX線照射領域Rの左端部から右側のX線照射領域Rの右端部まで移動させるようにすれば、広い角度範囲で異なる方向からX線を照射することができ、より多くの画像情報を得ることができる。Y軸方向に関しても同様である。
【0044】
本発明の実施の形態において、第1移動機構21のZ軸テーブルの移動により、プリント基板100の他方の面100bを第1基準平面P1に一致させれば、この面100bを所望検査面とすることができ、部品103の接合状態を検査することができる。
【0045】
本発明の第1の実施の形態において、第2移動機構22のZ軸テーブルの移動により、作動線M上の像検出器30の蛍光体面31aとプリント基板100の所望検査面100aとの距離を変えることができ、これにより画像の倍率を変えることができる。この場合、像検出器30とプリント基板100の移動量の比も変わる。
【0046】
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。これら他の実施の形態において、第1の実施の形態に対応する構成部には図中同番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0047】
図5は、本発明の第2の実施の形態をなすX線検査装置を示す。本発明の第2の実施の形態では、X線源10を支持する台13は回動せず、X線源10は、第1基準平面P1に固定のX線照射領域を提供するだけである。このX線照射領域の楕円の長軸はX軸方向に延びる。
【0048】
第2の実施の形態では、プリント基板100および像検出器30を基準平面P1,P2に沿ってそれぞれ平行移動させる第1,第2の移動機構41,42(第1,第2の移動手段)は、共通のモータ40(駆動源)で動作する。これら移動機構41,42は、それぞれ、X軸方向に延びるねじ棒41a、42aと、これらねじ棒41a,42aに螺合された支持テーブル41b,42bを有している。支持テーブル41bにプリント基板100が支持され、支持テーブル42bに像検出器30が支持される。
【0049】
モータ40の回転は、歯車列45を含む動力伝達手段を介してねじ棒42a、42bに伝達される。すなわち、モータ40の回転は、ねじ棒41aに直接伝達され、ねじ棒42aには歯車列45を介して伝達される。これらねじ棒41a,42aは同方向に同一回転数で回転される。ねじ棒41a,41bの回転に伴い支持テーブル41b、42bがX軸方向に移動するようになっている。
【0050】
本発明の第2の実施の形態では、ねじ棒42aのねじピッチがねじ棒41aより大きく、支持テーブル42bの移動量(像検出器30の移動量)が、支持テーブル41bの移動量(プリント基板100の移動量)より大きい。なお、これらピッチの比は、作動線M上の点O2,F間の距離とO1,F間の距離の比と、等しい。これにより、前記同期水平移動に際して、作動線Mは常にX線源10の照射焦点Fを通る。
【0051】
本発明の第2の実施の形態では、共通のモータ40を用い、ねじ棒41a,42aのピッチの比で作動線Mが常に照射焦点Fを通るようにしているので、制御が簡単でありながら、正確で明瞭な所望検査面100aの画像を得ることができる。
【0052】
なお、ねじ棒41a,42aのピッチを同じピッチにしてもよい。この場合には、ねじ棒41a,42aの回動数の比を、上記作動線M上における点O1,Fとの間の距離とO2,F間の距離の比と、等しくなるように、歯車列45を構成する。これにより、作動線Mは常にX線源10の照射焦点Fを通る。
【0053】
支持テーブル41b,42bは,プリント基板100,像検出器30の高さを調節するために、基礎テーブルとZ軸テーブルとを備えていてもよい。この場合には、基礎テーブルにねじ棒が螺合される。
また、ねじ棒41a,42a間の動力伝達手段として、ベルトを用いてもよい。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6を参照しながら説明する。この実施の形態では、X線源10が傾斜台11および直動台15を介して回動台16(回動手段)に支持されている。X線源10は、回動台16の回動軸L’から離れており、回動軸L’の周りを回るようになっている。回動軸L’は、基準平面P1,P2と直交している。その結果、図7に示すように、基準平面P1,P2上のX線照射領域Rを、回動軸L’を中心にして360°の角度範囲で変更することができる。この作用は本発明の第1の実施の形態とほぼ同様であるから、説明を省略する。
【0055】
直動台15はX線源10を回動軸L’を通る直線に沿って(回動台16の径方向かつX線照射領域の長手方向に)移動させるものであり、これにより、回動軸L’とX線照射領域Rの位置関係を変えることができる。この直動台15は省いてもよい。
【0056】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図8を参照しながら説明する。この実施の形態では第3の実施の形態と同様の直動台15(第2移動手段)は、複数の画像情報を得るために必須のものである。像検出器30は、支持テーブル22’(第2支持手段)により、静止位置で支持されている。この像検出器30の蛍光体面31aの中心O2は、X線源10の回動軸L’上にあるのが好ましい。回動軸L’はX線照射領域の端部に位置している。プリント基板100は、第1の実施の形態と同様の移動機構21’により支持されるとともに基準平面P1に沿って水平移動される。この移動機構21’は、第1支持手段であると同時に第1移動手段でもある。
【0057】
本発明の第4の実施の形態では、直動台15によりX線源10がX軸方向(X線照射領域の長手方向)に水平移動し、これに伴い移動機構21’によりプリント基板100が同期してX軸方向に移動される。この水平移動に際して作動線Mは、常に照射焦点Fを通る。換言すれば、X線源10の移動量とプリント基板100の移動量の比は、作動線M上において、点F,O2間の距離と点O1,O2間の距離の比と等しい。
【0058】
回動台16を90°回動させた状態で、上記と同様にしてX線源10およびプリント基板100をY軸方向(X線照射領域の長手方向)に移動させれば、異なる照射方向からの透視画像が得られる。また、回動台16を180°回動させて、X照射領域および照射方向を変えてもよい。
【0059】
本発明の第4の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様にして、2通りの方法で画像情報を得られる。
なお、露光状態での連続水平移動の場合には、蛍光体面31aが所望検査面100aと同期して水平移動し、常に作動線Mが照射焦点Fを通る必要があるが、複数の位置で停止状態で画像を得る場合には、停止位置で作動線Mが照射焦点Fを通るようにすればよく、移動は同期していなくてもよい。
【0060】
また、図示しない支持テーブル(第1支持手段)によりプリント基板100を静止位置で支持し、像検出器30を図示しない移動機構(第2支持手段および第1移動手段を構成する)によって第2基準平面P2に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、プリント基板100の中心点O1を回動軸L’に位置させるのが好ましい。また、この場合には、像検出器30の移動方向は、X線源10の移動方向とは逆になる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、異なる照射角度から多様なX線透視画像を得ることができ、所望検査面での正確な断層像を得ることができる。しかも、検査対象物や像検出手段を傾動させずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるX線検査装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、検査対象物と像検出器を平行移動させた状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、第1基準平面上でのX線照射領域の変化、3つの位置でのプリント基板のX線透視像を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、第1基準平面上でのX線照射領域の変化を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わるX線検査装置の概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わるX線検査装置の概略図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態において、基準平面におけるX線照射領域を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係わるX線検査装置の概略図である。
【符号の説明】
P1 第1基準平面
P2 第2基準平面
C X線の中心軸
F X線の照射焦点
R 基準平面におけるX線照射領域
L,L’ 回動軸
10 X線源
12,16 回動台(回動手段)
15 直動台(第2移動手段)
21 第1移動機構(第1移動手段)
22 第2移動機構(第2移動手段)
21’支持テーブル(第1支持手段,第1移動手段)
22’支持テーブル(第2支持手段)
30 像検出器(像検出手段)
31 像変換部
31a 蛍光体面(受像面)
32 光電変換部
40 共通モータ(共通駆動源)
41 第1移動機構(第1移動手段)
42 第2移動機構(第2移動手段)
41a,42a ねじ棒
41b、42b 支持テーブル
45 歯車列(像伝達手段)
100 プリント基板(検査対象物)
100a 所望検査面
Claims (4)
- 広がりをもってX線を照射するとともに、このX線の中心軸を、互いに平行をなす第1,第2基準平面に対して傾斜させることにより、前記第1,第2基準平面上にほぼ楕円のX線照射領域を形成するX線源と、
検査対象物を支持して前記第1基準平面上を移動させる第1移動手段と、
前記検査対象物を挟んで前記X線源と対峙して配置されるとともに、前記検査対象物を透過したX線を受ける受像面を有し、前記受像面に現れたX線像を画像情報となる電気信号に変換する像検出手段と、
前記像検出手段を、前記受像面が前記第1,第2基準平面と平行をなした状態で、前記第2基準平面において移動させる第2移動手段と、
を備え、前記第1,第2移動手段は、前記検査対象物および前記像検出手段を前記第1,第2基準平面における前記X線照射領域の長手方向に沿って移動可能であり、前記像検出手段の受像面の中心点と前記検査対象物の所望検査面の中心点とをそれぞれ結ぶ直線が、前記X線源の照射焦点を通るように移動させ、
前記X線源を、前記照射焦点を通り前記第1,第2基準平面と直交する回動軸を中心にして回動させることにより前記第1,第2基準平面上のX線照射領域を変える回動手段を備え、
前記回動手段を回動させることによって変わった前記X線照射領域の範囲内で、前記第1,第2移動手段は前記検査対象物,像検出手段をそれぞれ前記第1,第2基準平面において2次元的に移動可能であることを特徴とするX線検査装置。 - 前記X線源の照射焦点を通り前記第1,第2基準平面と直交する直線が、前記X線照射領域の端部において前記第1,第2基準平面と交わることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
- 前記X線源の回動軸が前記第1,第2基準平面と直交していることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
- 前記像検出手段は、前記受像面となる蛍光体面を有し前記蛍光体面上のX線像を光学像に変換する像変換部と、前記光学像を画像情報となる電気信号に変換する光電変換部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
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