JP4590532B2

JP4590532B2 - Production method of low yield ratio high strength steel

Info

Publication number: JP4590532B2
Application number: JP2000292993A
Authority: JP
Inventors: 章夫大森; 海邱; 喜昭川口; 千晃志賀; 史郎鳥塚; 寿長井
Original assignee: JFE Steel Corp; Japan Science and Technology Agency; National Institute for Materials Science; Sumitomo Metal Industries Ltd; National Institute of Japan Science and Technology Agency
Current assignee: JFE Steel Corp; Japan Science and Technology Agency; Nippon Steel Corp; National Institute for Materials Science; National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date: 2000-09-26
Filing date: 2000-09-26
Publication date: 2010-12-01
Anticipated expiration: 2020-09-26
Also published as: JP2002105533A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、低降伏比高張力鋼の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、土木・建築、船舶、ラインパイプ等の一般溶接構造用材料として有用で、特殊な添加元素を必要とせず、また焼入・焼戻しの工程を必要としない簡便で経済的な低降伏比高張力鋼の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術とその課題】
一般に、鋼材の降伏比は引張強さが上昇するに連れて加速的に上昇し、例えば引張強さ６８０ＭＰａ以上の鋼では降伏比が９８％となるなど、限りなく１００％に近いものであった。このことは、溶接構造物として低降伏比高を特に必要とする土木・建築構造物および石油天然ガスパイプライン等の構造物の破壊安全性の面において深刻な問題とされており、低降伏比鋼の開発がつとに求められてきた。
【０００３】
これに対して、従来より、種々の合金元素の添加や焼入・焼戻しを基本とする熱処理によって低降伏比を可能とする技術が提案されてきたが、これらの技術では製造コストの増大が避けられず、降伏比の低下にも限界があった。
【０００４】
そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、土木・建築、船舶、ラインパイプ等の一般溶接構造用材料として有用で、特殊な添加元素を必要とせず、また焼入・焼戻しの工程を必要としない、簡便な低降伏比高張力鋼の製造方法を提供することを課題としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そこで、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発明を提供する。
【０００６】
すなわち、まず第１には、この出願の発明は、粒径１μｍ未満のフェライトコロニー、粒径１μｍ以上１０μｍ以下のフェライト粒およびマルテンサイト／ベイナイトの低温変態生成物の３相複合組織を有し、引張強さが６８０ＭＰａ以上で降伏比が０．５０以上０．８５以下の低降伏比高張力鋼の製造方法であって、重量％でＣ：０．１５％以下，Ｓｉ：０．６％以下，Ｍｎ：２．０％以下，Ｐ：０．０３０％以下，Ｓ：０．００５％以下，Ｎ：０．００６０％以下，Ａｌ：０．０１０％以上０．０４０％以下，Ｔｉ：０．０３０％以下（０を含む）を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなり、次式（１）、
【０００７】
【数３】

【０００８】
（ただし、式中の元素記号は、その元素の重量％を示す。）で表される溶接割れ感受性指数Ｐ_cmが０．２８以下である鋼を、Ａ_c1点以上１２５０℃以下の温度に加熱して、フェライト＋オーステナイトの２相温度領域でオーステナイト分率を５〜５０％とした状態で、次式（２）、
【０００９】
【数４】

【００１０】
（ただし、式中のε_x,i，ε_y,i，ε_z,iは、それぞれｉ番目の加工パスにおけるｘ、ｙ、ｚ成分の塑性歪（真歪）を示す。）で表される累積相当塑性歪ε_eqが１．４以上となるような塑性加工を施すことを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法を提供する。
【００１１】
そして、第２には、この出願の発明は、上記第１の発明において、鋼が上記成分に加えて重量％でＮｂ：０．００５〜０．０６０％，Ｖ：０．０１０〜０．１０％のうちの１種あるいは２種を含むとき、その鋼を１０５０℃以上１２５０℃以下の温度に加熱した後に塑性加工を施すことを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法を、第３には、塑性加工の後、１℃／ｓ以上の冷却速度で５００℃未満にまで加速冷却することを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法を、第４には、塑性加工の後、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に再加熱する焼き戻し処理を施すことを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法を、第５には、塑性加工の後、冷却を中断して等温保持するか徐冷することにより、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に１時間以上滞留させることを特徴とする低降伏比高張力鋼の製造方法を提供する。
【００１２】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【００１３】
まず、この出願の発明の方法によって提供される低降伏比高張力鋼は、粒径１μｍ未満のフェライトコロニー、粒径１μｍ以上１０μｍ以下のフェライト粒およびマルテンサイト／ベイナイトの低温変態生成物の３相複合組織を有し、引張強さが６８０ＭＰａ以上で降伏比が０．５０以上０．８５以下である。
【００１４】
この低降伏比高張力鋼においては、粒径１μｍ未満のフェライト粒からなるコロニーが、これまでにない高硬度と低降伏比の両立を実現するための必要条件とされており、この出願の発明によってはじめて提案されるものである。この粒径１μｍ未満のフェライト粒からなるコロニーは、フェライト粒の加工−再結晶を利用して粒径１μｍ未満に微細化されたフェライト粒のコロニーであって、軟鋼におけるパーライトコロニーが降伏比に及ぼすのと類似した効果、つまり鋼材の低降伏比を実現するものである。粒径１μｍ以上１０μｍ以下の比較的大きなフェライト粒は、超微細粒コロニーよりも低い応力で先に降伏するため、材料全体として低い降伏比を実現している。
【００１５】
さらに、この低降伏比高張力鋼は、上記粒径１μｍ未満のフェライトコロニーと粒径１μｍ以上１０μｍ以下のフェライト粒に加えて、マルテンサイト／ベントナイト等の硬質な低温変態生成物を組織に複合化することによって、これまでにない高強度化を実現している。
【００１６】
またこの低降伏比高張力鋼は、現在大量に用いられている溶接溶鋼を出発材料とし、その優れた特性（溶接性と低降伏比）はそのままにして、強度を約２倍の高張力鋼へと造り込むものである。これによって、例えば、構造物の建設コストの大幅な削減をもたらすことや、溶接構造物として低降伏比高張力を特に必要とする土木・建築構造物および石油天然ガスパイプラインの建設技術等が飛躍的に進歩することが期待される。
【００１７】
上記のような低降伏比高張力鋼は、以下のようにして製造することが可能となる。すなわち、この出願の第１の発明が提供する低降伏比高張力鋼の製造方法は、上記の粒径１μｍ未満のフェライトコロニー、粒径１μｍ以上１０μｍ以下のフェライト粒およびマルテンサイト／ベイナイトの低温変態生成物の３相複合組織を有し、引張強さが６８０ＭＰａ以上で降伏比が０．５０以上０．８５以下の低降伏比高張力鋼の製造方法であって、重量％でＣ：０．１５％以下，Ｓｉ：０．６％以下，Ｍｎ：２．０％以下，Ｐ：０．０３０％以下，Ｓ：０．００５％以下，Ｎ：０．００６０％以下，Ａｌ：０．０１０％以上０．０４０％以下，Ｔｉ：０．０３０％以下（０を含む）を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなり、次式（１）、
【００１８】
【数５】

【００１９】
（ただし、式中の元素記号は、その元素の重量％を示す。）で表される溶接割れ感受性指数Ｐ_cmが０．２８以下である鋼を、Ａ_c1点以上１２５０℃以下の温度に加熱して、フェライト＋オーステナイト(α＋γ)の２相温度領域でオーステナイト(γ)分率を５〜５０％とした状態で、次式（２）、
【００２０】
【数６】

【００２１】
（ただし、式中のε_x,i，ε_y,i，ε_z,iは、それぞれｉ番目の加工パスにおけるｘ、ｙ、ｚ成分の塑性歪（真歪）を示す。）で表される累積相当塑性歪ε_eqが１．４以上となるような塑性加工を施すことを特徴としている。
【００２２】
この出願の発明において出発材料として用いる鋼は、必ずしも特別な添加元素を必要とせず、一般的かつ安価な軟鋼あるいは溶接構造用低合金鋼等が適用できる。具体的には、重量％でＣ：０．１５％以下，Ｓｉ：０．６％以下，Ｍｎ：２．０％以下，Ｐ：０．０３０％以下，Ｓ：０．００５％以下，Ｎ：０．００６０％以下，Ａｌ：０．０１０％以上０．０４０％以下，Ｔｉ：０．０３０％以下（０を含む）を含有し、残部がＦｅおよび不可避不純物からなる鋼を用いることができる。ただし、予熱なしでの溶接を可能とするために、溶接割れ感受性Ｐ_ｃｍが０．２８以下のものに限定した。
【００２３】
このような鋼を、Ａ_c1点以上１２５０℃以下の温度に加熱して、α＋γの２相温度領域でγ分率を５〜５０％とする。最終組成として、この出願の発明の特徴である３相複合組織を得るためには、α＋γの２相共存状態で次工程である塑性加工を施すことが重要である。そのためには、塑性加工の前の鋼をＡ_c1〜Ａ_c3点の温度範囲に加熱することで、鋼の組織をα＋γの二相状態に調整することができる。また、このときのγ分率は、あとで理由を述べるが、５〜５０％となるようにする。
【００２４】
Ａ_c1〜Ａ_c3点の温度範囲への加熱は、鋼を直接Ａ_c1〜Ａ_c3点の温度範囲へ加熱してもよいし、一旦、Ａ_c3点以上に加熱してオーステナイト単相としたあとにＡ_r3点以下に冷却し、変態によってフェライトを生成させてα＋γの二相状態にしてもよい。また、このような組織においては、フェライトおよびオーステナイトの粒径はできるだけ微細としておくことが望ましい。そのために、オーステナイト再結晶温度範囲で鋼に加工を施してよりオーステナイト粒を微細にすることや、オーステナイト未再結晶温度範囲で加工を施すことにより、続く変態時に微細なフェライトを生成させること等が好適な手段として示される。
【００２５】
さらには、微細かつ均一な最終組織を有する低降伏比高張力鋼を得るために、組成加工を施される前のα＋γの２相組織をできるだけ微細かつ均一にしておくことが望ましい。そこで、粗大化しやすいオーステナイト粒の成長を抑制するために、加熱温度の最終的な値は１２５０℃以下に限定することとした。
【００２６】
このように調整された状態の鋼に対し、上記累積相当塑性歪ε_eqが１．４以上となるような塑性加工を施す。この出願の発明では、α＋γの２相組織に塑性加工を施すことにより、フェライト部分に動的回復・再結晶を誘起させて超微細フェライト粒コロニーを生成させるとともに、フェライト部分に加わる塑性歪の分布を不均一化させて一部のフェライト粒のみが再結晶後に優先的に成長することを助長させるようにして、粒径１μｍ未満の超微細フェライト粒コロニーおよび１μｍ以上１０μｍ以下のフェライト粒からなる混合組織を生成させている。また、オーステナイト部分については、塑性加工によってＣ（炭素）等のオーステナイト安定化元素が濃縮し、マルテンサイトやベイナイト等の低温変態生成物が生成される。これによって、この出願の発明の低降伏比高張力鋼に特徴的な３相複合組織を実現している。
【００２７】
ここで、フェライト部分に粒径１μｍ未満の超微細粒からなるコロニーを形成させるためには、累積歪量を１．４以上とすることが必要であり、歪量が１．４未満の場合、結晶粒の微細化が不十分となり、１μｍ未満の超微細粒コロニーを生成させることができなくなってしまう。したがって、このような塑性加工は、この出願の発明で最も重要な３相複合組織を造り込むために必須の条件である。
【００２８】
また、１〜１０μｍに成長したフェライト粒は、周囲の超微細フェライト粒コロニー部分と比べて変形しやすいことから降伏比を低下させる機能を持ち、その生成にはオーステナイト相の存在が不可欠である。
【００２９】
塑性加工前のα＋γの２相組織におけるγ分率は、その値が高い程、オーステナイト部分からの硬質の低温変態生成物量が増加し、得られる低降伏比高張力鋼の引張強さを高めることができる。しかしながら、γ分率が５０％を超えると、オーステナイト相への安定化元素の濃化が不十分となるため、その後の冷却時にフェライトあるいはパーライトが生成してしまい、硬質の低温変態生成物を得ることができない。そのため、十分な引張強さを有する低降伏比高張力鋼が得られなくなってしまう。また逆に、γ分率が５％に満たない場合にも、低温変態生成物が少量しか得られないため、十分な引張強さを有する低降伏比高張力鋼が得られない。そのため、塑性加工前のα＋γの２相組織におけるγ分率は、５％以上５０％未満とする。
【００３０】
すなわち、低温変態生成物を生成し、かつ超微細フェライト粒および一部成長したフェライト粒からなる混粒組織を得るためには、γ分率が５〜５０％の２相状態の鋼に、累積相当塑性歪ε_eqが１．４以上塑性加工を加えることが必要である。
【００３１】
なお、塑性加工終了時の温度については、必ずしもオーステナイト分率が５〜５０％となる２相温度領域である必要はなく、オーステナイト分率が５％未満となる２相温度領域あるいはフェライト温度域でもよい。
【００３２】
以上詳しく述べたように、鋼の組織を３相複合組織に調整する加工熱処理技術によって、焼入・焼戻しによらず、５０〜８０％という広範囲の低降伏比高張力鋼を製造することが可能となった。
【００３３】
この出願の第２の発明が提供する低降伏比高張力鋼の製造方法は、上記第１の発明において、鋼が上記成分に加えて重量％でＮｂ：０．００５〜０．０６０％，Ｖ：０．０１０〜０．１０％のうちの１種あるいは２種を含むとき、その鋼を１０５０℃以上１２５０℃以下の温度に加熱した後に塑性加工を施すようにしている。
【００３４】
この出願の発明の低降伏比高張力鋼に、用途に応じた多様な特性を付与するために、重量％でＮｂ：０．００５〜０．０６０％，Ｖ：０．０１０〜０．１０％のうちの１種あるいは２種の元素を添加することができる。
【００３５】
鋼にＮｂ，Ｖ等を添加すると、鋼中に微細な炭窒化物が析出し、塑性加工による再結晶後のフェライト粒の成長を好適に抑制することができる。しかし、０．０６０％を超過するＮｂや、０．１０％を超過するＶを添加すると、完全にフェライト粒の成長を抑えてしまい、フェライト粒の混粒組織を得ることができなくなってしまう。Ｎｂ：０．００５〜０．０６０％，Ｖ：０．０１０〜０．１０％のうちの１種あるいは２種といった微量のＮｂ，Ｖ元素の添加により、フェライト粒の成長を完全に抑えることなく、一部の粒だけが優先的に成長して微細粒部分との粒径差が拡大するようになり、比較的大きな数μｍ〜１０μｍ程度のフェライト粒と、１μｍ未満の超微細粒との混粒組織を容易に形成させることができるのである。
【００３６】
特にＮｂについては、再結晶抑制の効果が著しく大きいため、温間圧延による塑性加工でのフェライト粒超微細化効果が大きく、また、未再結晶オーズテナイト領域を拡大して加工歪を有効に蓄積するため、組織微細化効果が大きいという利点がある。
【００３７】
ただし、Ｎｂ，Ｖ等を添加する場合には、これらの元素をオーステナイト粒に十分に固溶させて微細な炭窒化物として析出させるために、１０５０℃以上に加熱する必要がある。
【００４０】
この出願の第３の発明が提供する低降伏比高張力鋼の製造方法は、上記第１または第２の発明において、塑性加工の後、１℃／ｓ以上の冷却速度で５００℃未満にまで加速冷却する。
【００４１】
塑性加工後の鋼の冷却については、α＋γの２相領域での塑性加工後に１℃／ｓ以上の冷却速度で加速冷却することによって、未変態オーステナイトをマルテンサイト等の硬質の低温変態生成物にすることができる。これによって、より一層この出願の発明の低降伏比高張力鋼の引っ張り強度を増加させることができ、また、降伏比を低下させることが可能となる。
【００４２】
この出願の第４の発明が提供する低降伏比高張力鋼の製造方法は、上記第１ないし第３いずれかの発明において、塑性加工の後、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に再加熱する焼き戻し処理を施し、この出願の第５の発明が提供する低降伏比高張力鋼の製造方法は、塑性加工の後、冷却を中断して等温保持するか徐冷することにより、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に１時間以上滞留させるようにしている。
【００４３】
この出願の発明においては、鋼の組織を３相複合組織に調整することで、５０〜８０％という広範囲の低降伏比高張力鋼を実現するものであり、焼入・焼戻しの工程は必ずしも必要とはしていない。ただし、塑性加工の後に、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に再加熱する焼き戻し処理を施すことや、冷却を中断して等温保持するか徐冷することにより、４００℃〜Ａ_c1点の温度範囲に１時間以上滞留させることは、この出願の発明の低降伏比高張力鋼の引っ張り強度をより一層の増加させ、降伏比を低下させるために、効果的な手段として考慮することができる。
【００４４】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【００４５】
【実施例】
表１に示した組成の鋼材Ａ〜Ｄを用いて１８ｍｍ角の供試鋼を作製し、表２に示した各種の製造条件で、加熱，塑性加工，冷却，焼戻しを施し、試料Ａ１〜Ｄ１を得た。
【００４６】
【表１】

【００４７】
【表２】

【００４８】
なお、表２中の加速冷却は冷却速度１０℃／ｓでの冷却である。
（Ａ）得られた試料の最終組織を観察した結果を表２に、引張試験により得た機械的特性を表３に示した。
【００４９】
【表３】

【００５０】
表３より、この出願の発明の方法によって、引張強さが６８０ＭＰａ以上で降伏比が０．５０以上０．８５以下の低降伏比高張力鋼が得られたことが確認された。特に、試料Ａ２では、引張強さが８６５ＭＰａと強い上に、降伏比が０．５６と低く、優れた低降伏比高張力鋼であることが示された。
【００５１】
この出願の発明の低降伏比高張力鋼である試料Ａ１と比較例としての試料Ｂ２についての応力−ひずみ特性を図１に示した。図１より、試料Ｂ２に比べてこの出願の発明の試料Ａ１の方が、引張強さが高いにもかかわらず降伏比が低くなっていることが示された。
（Ｂ）また、上記試料Ａ１および試料Ｂ２の組織を光学顕微鏡で観察した結果を図２に、走査型電子顕微鏡（ＳＥＭ）で観察した結果を図３に示した。さらに、試料Ａ１のＳＥＭ像（図３のＡ１）における各組織の分布を、図４に模式的に示した。
【００５２】
図２および図３より、比較例である試料Ｂ２については、低温変態生成物組織および１μｍ以上の成長したフェライト粒組織は確認されたものの、フェライト粒組織に超微細フェライト粒が生成されていないことが確認された。また、この出願の発明の低降伏比高張力鋼である試料Ａ１については、図２〜図４より、低温変態生成物組織と、超微細フェライト粒と一部成長したフェライト粒からなる混粒組織とが存在することが確認された。
【００５３】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【００５４】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、土木・建築、船舶、ラインパイプ等の一般溶接構造用材料として有用な低降伏比高張力鋼と、特殊な添加元素を必要とせず、また焼入・焼戻しの工程を必要としないその低降伏比高張力鋼の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例における低降伏比高張力鋼試料（Ａ１）および比較例試料（Ｂ２）の応力−ひずみ特性を例示した図である。
【図２】実施例における試料Ａ１および試料Ｂ２の組織を観察した光学顕微鏡像を例示した図である。
【図３】実施例における試料Ａ１および試料Ｂ２の組織を観察したＳＥＭ像を例示した図である。
【図４】試料Ａ１のＳＥＭ像（図３のＡ１）における各組織の分布を模式的に示した図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The invention of this application relates to a method for producing a low yield ratio high strength steel. More specifically, the invention of this application is useful as a material for general welded structures such as civil engineering / architecture, ships, line pipes, etc., and does not require special additive elements and does not require a quenching / tempering process. The present invention relates to an economical and low yield ratio high tensile steel manufacturing method.
[0002]
[Prior art and its problems]
In general, the yield ratio of steel materials accelerated as the tensile strength increased. For example, the yield ratio was 98% for steels with a tensile strength of 680 MPa or more, which was almost as high as 100%. . This is a serious problem in terms of fracture safety of civil engineering and building structures that require a particularly low yield ratio as a welded structure and structures such as petroleum natural gas pipelines. The development of has been sought after.
[0003]
On the other hand, technologies that enable a low yield ratio by heat treatment based on the addition of various alloy elements and quenching / tempering have been proposed in the past, but these technologies avoid an increase in manufacturing costs. The yield ratio was limited.
[0004]
Therefore, the invention of this application was made in view of the circumstances as described above, solves the problems of the prior art, and is useful as a material for general welded structures such as civil engineering / architecture, ships, line pipes, It is an object of the present invention to provide a simple method for producing a low-yield ratio high-strength steel that does not require any special additive elements and does not require a quenching / tempering process.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the invention of this application provides the following invention as a solution to the above-mentioned problems.
[0006]
That is, first of all, the invention of this application has a three-phase composite structure of a ferrite colony having a particle size of less than 1 μm, a ferrite particle having a particle size of 1 μm or more and 10 μm or less, and a low-temperature transformation product of martensite / bainite, A method for producing a low yield ratio high tensile steel having a tensile strength of 680 MPa or more and a yield ratio of 0.50 or more and 0.85 or less, wherein C: 0.15% or less and Si: 0.6% or less by weight. , Mn: 2.0% or less, P: 0.030% or less, S: 0.005% or less, N: 0.0060% or less, Al: 0.010% or more and 0.040% or less, Ti: 0. Containing 030% or less (including 0) , the balance consisting of Fe and inevitable impurities,
[0007]
[Equation 3]

[0008]
(However, the element symbol in the formula represents the weight% of the element.) Steel having a weld cracking sensitivity index P _cm of 0.28 or less is heated to a temperature of not less than A _{c1 and} not more than 1250 ° C. In the state where the austenite fraction is 5 to 50% in the two-phase temperature range of ferrite + austenite,
[0009]
[Expression 4]

[0010]
(However, ε _{x, i} , ε _{y, i} , ε _{z, i} in the equation represents the plastic strain (true strain) of the x, y, and z components in the i-th machining pass, respectively). Provided is a method for producing a low-yield-ratio high-tensile steel, characterized by performing plastic working such that the cumulative equivalent plastic strain ε _eq is 1.4 or more.
[0011]
And second, the invention of this application is that, in the first invention, the steel is Nb: 0.005 to 0.060% in weight% in addition to the above components, and V: 0.010 to 0.10. A method for producing a low yield ratio high strength steel, characterized in that the steel is heated to a temperature of 1050 ° C. or higher and 1250 ° C. or lower and then subjected to plastic working . the, after the plastic working, a method for manufacturing a low yield ratio high-strength steel, characterized by accelerated cooling to below 500 ° C. at 1 ° C. / s or more cooling rate, the fourth, after plastic working , A method of producing a low yield ratio high strength steel characterized by performing a tempering process that is reheated to a temperature range of 400 ° C. to A _c1 point. Fifth , after plastic working, cooling is interrupted. by either slow cooling to isothermal hold, allowed to stay for 1 hour or more in a temperature range of 400 ° C. to a _c1 point To provide a method of manufacturing a low yield ratio high-strength steel, characterized in that.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention of this application has the features as described above, and an embodiment thereof will be described below.
[0013]
First, the low yield ratio high strength steel provided by the method of the invention of this application is a three-phase structure comprising ferrite colonies having a grain size of less than 1 μm, ferrite grains having a grain size of 1 μm to 10 μm, and martensite / bainite low-temperature transformation products. It has a composite structure, a tensile strength of 680 MPa or more, and a yield ratio of 0.50 or more and 0.85 or less.
[0014]
In this low-yield ratio high-tensile steel, colonies composed of ferrite grains with a grain size of less than 1 μm are considered a necessary condition for realizing both unprecedented high hardness and low yield ratio. Is proposed for the first time. The colony composed of ferrite grains having a grain size of less than 1 μm is a ferrite grain colony refined to a grain size of less than 1 μm using processing and recrystallization of ferrite grains, and the pearlite colony in mild steel affects the yield ratio. This achieves an effect similar to the above, that is, a low yield ratio of steel. Since relatively large ferrite grains having a grain size of 1 μm or more and 10 μm or less yield first with a lower stress than that of the ultrafine grain colony, the material as a whole achieves a low yield ratio.
[0015]
Furthermore, this low yield ratio high-tensile steel is composed of a hard low temperature transformation product such as martensite / bentonite in the structure in addition to the ferrite colony having a particle size of less than 1 μm and ferrite particles having a particle size of 1 μm to 10 μm. By doing so, unprecedented high strength has been realized.
[0016]
This low-yield ratio high-strength steel is a high-strength steel that is about twice as strong as the starting material, which is a welded steel that is currently used in large quantities, while maintaining its excellent properties (weldability and low yield ratio). It is something to build into. As a result, for example, the construction cost of the structure will be greatly reduced, and the construction technology of civil engineering / building structures and oil / natural gas pipelines that particularly require low yield ratio and high tension as welded structures will be dramatically improved. Is expected to progress.
[0017]
The low yield ratio high tensile steel as described above can be manufactured as follows. That is, the low yield ratio high strength steel manufacturing method provided by the first invention of this application includes the above-described ferrite colony having a particle size of less than 1 μm, ferrite particles having a particle size of 1 μm to 10 μm, and low-temperature transformation of martensite / bainite. A method for producing a low yield ratio high tensile steel having a three-phase composite structure of a product, a tensile strength of 680 MPa or more, and a yield ratio of 0.50 or more and 0.85 or less, wherein C: 0. 15% or less, Si: 0.6% or less, Mn: 2.0% or less, P: 0.030% or less, S: 0.005% or less, N: 0.0060% or less, Al: 0.010% 0.040% or less, Ti: 0.030% or less (including 0) , with the balance being Fe and inevitable impurities,
[0018]
[Equation 5]

[0019]
(However, the element symbol in the formula represents the weight% of the element.) Steel having a weld cracking sensitivity index P _cm of 0.28 or less is heated to a temperature of not less than A _{c1 and} not more than 1250 ° C. In the state where the austenite (γ) fraction is 5 to 50% in the two-phase temperature range of ferrite + austenite (α + γ),
[0020]
[Formula 6]

[0021]
(However, ε _{x, i} , ε _{y, i} , ε _{z, i} in the equation represents the plastic strain (true strain) of the x, y, and z components in the i-th machining pass, respectively). It is characterized by performing plastic working so that the cumulative equivalent plastic strain ε _eq is 1.4 or more.
[0022]
The steel used as a starting material in the invention of this application does not necessarily require a special additive element, and general and inexpensive mild steel or low alloy steel for welded structures can be applied. Specifically, by weight C: 0.15% or less, Si: 0.6% or less, Mn: 2.0% or less, P: 0.030% or less, S: 0.005% or less, N: A steel containing 0.0060% or less, Al: 0.010% or more and 0.040% or less, Ti: 0.030% or less (including 0) , with the balance being Fe and inevitable impurities can be used. However, in order to enable welding without preheating, the weld crack sensitivity P _cm is limited to 0.28 or less.
[0023]
Such steel is heated to a temperature not lower than the A _c1 point and not higher than 1250 ° C., and the γ fraction is set to 5 to 50% in the two-phase temperature range of α + γ. In order to obtain a three-phase composite structure that is a feature of the invention of this application as a final composition, it is important to perform plastic processing, which is the next step, in a two-phase coexistence state of α + γ. For this purpose, the steel structure can be adjusted to a α + γ two-phase state by heating the steel before plastic working to a temperature range of A _{c1 to} A _c3 points. The γ fraction at this time is set to 5 to 50%, as will be described later.
[0024]
After heating to a temperature range of A _c1 to A _c3 point is to steel may be heated to a temperature range of direct A _c1 to A _c3 point, once that the single-phase austenite by heating above A _c3 point Then, it may be cooled to the _{Ar 3} point or lower, and ferrite may be generated by transformation to form an α + γ two-phase state. In such a structure, it is desirable that the particle diameters of ferrite and austenite be as fine as possible. For this purpose, the steel is processed in the austenite recrystallization temperature range to make the austenite grains finer, or by processing in the austenite non-recrystallization temperature range, fine ferrite can be generated during the subsequent transformation. Shown as a preferred means.
[0025]
Furthermore, in order to obtain a low yield ratio high strength steel having a fine and uniform final structure, it is desirable to make the α + γ two-phase structure before composition processing as fine and uniform as possible. Therefore, in order to suppress the growth of austenite grains that are likely to be coarsened, the final value of the heating temperature is limited to 1250 ° C. or less.
[0026]
The steel thus adjusted is subjected to plastic working such that the cumulative equivalent plastic strain ε _eq is 1.4 or more. In the invention of this application, by applying plastic working to the α + γ two-phase structure, dynamic recovery and recrystallization are induced in the ferrite portion to generate ultrafine ferrite grain colonies, and the distribution of plastic strain applied to the ferrite portion In which only a portion of ferrite grains is preferentially grown after recrystallization, and a mixture of ultrafine ferrite grains having a grain size of less than 1 μm and ferrite grains having a diameter of 1 μm to 10 μm The organization is generated. As for the austenite portion, austenite stabilizing elements such as C (carbon) are concentrated by plastic working, and low-temperature transformation products such as martensite and bainite are generated. Thus, a three-phase composite structure characteristic of the low yield ratio high tensile steel of the invention of this application is realized.
[0027]
Here, in order to form a colony composed of ultrafine grains having a particle size of less than 1 μm in the ferrite portion, the cumulative strain amount needs to be 1.4 or more, and when the strain amount is less than 1.4 , The refinement of crystal grains becomes insufficient, and it becomes impossible to generate ultrafine grain colonies of less than 1 μm. Therefore, such plastic working is an essential condition for building the most important three-phase composite structure in the invention of this application.
[0028]
The ferrite grains grown to 1 to 10 μm have a function of lowering the yield ratio because they are more easily deformed than the surrounding ultrafine ferrite grain colony, and the presence of the austenite phase is indispensable for the formation thereof.
[0029]
The higher the value of the γ fraction in the α + γ two-phase structure before plastic working, the higher the amount of hard low-temperature transformation products from the austenite part, and the higher the tensile strength of the resulting low yield ratio high strength steel. Can do. However, if the γ fraction exceeds 50%, the concentration of the stabilizing element into the austenite phase becomes insufficient, so that ferrite or pearlite is generated during subsequent cooling, and a hard low-temperature transformation product is obtained. I can't. Therefore, a low yield ratio high strength steel having sufficient tensile strength cannot be obtained. Conversely, even when the γ fraction is less than 5%, only a small amount of low-temperature transformation product can be obtained, so that a low yield ratio high-tensile steel having sufficient tensile strength cannot be obtained. Therefore, the γ fraction in the α + γ two-phase structure before plastic working is 5% or more and less than 50%.
[0030]
That is, in order to produce a low temperature transformation product and to obtain a mixed grain structure composed of ultrafine ferrite grains and partially grown ferrite grains, it is accumulated in a two-phase steel with a γ fraction of 5 to 50%. It is necessary to apply plastic working with an equivalent plastic strain ε _eq of 1.4 or more.
[0031]
Note that the temperature at the end of plastic working is not necessarily a two-phase temperature range in which the austenite fraction is 5 to 50%, and even in a two-phase temperature range or a ferrite temperature range in which the austenite fraction is less than 5%. Good.
[0032]
As described in detail above, it is possible to produce a wide range of low-yield-ratio high-strength steels of 50 to 80%, regardless of quenching and tempering, by the heat treatment technology that adjusts the steel structure to a three-phase composite structure. It became.
[0033]
According to the second invention of the present application, the low yield ratio high-tensile steel manufacturing method according to the first invention is characterized in that the steel is Nb: 0.005 to 0.060%, : When one or two of 0.010 to 0.10% are included, the steel is heated to a temperature of 1050 ° C. or higher and 1250 ° C. or lower and then subjected to plastic working.
[0034]
Nb: 0.005 to 0.060% by weight%, V: 0.010 to 0.10% in order to give various characteristics according to the application to the low yield ratio high tensile steel of the invention of this application One or two of these elements can be added.
[0035]
When Nb, V or the like is added to the steel, fine carbonitrides precipitate in the steel, and the growth of ferrite grains after recrystallization by plastic working can be suitably suppressed. However, if Nb exceeding 0.060% or V exceeding 0.10% is added, the growth of ferrite grains is completely suppressed, and a mixed grain structure of ferrite grains cannot be obtained. Addition of trace amounts of Nb and V elements such as Nb: 0.005 to 0.060%, V: 0.010 to 0.10%, without completely suppressing the growth of ferrite grains , Only some of the grains grow preferentially and the particle size difference from the fine grains increases, and a relatively large mixture of ferrite grains of several μm to 10 μm and ultrafine grains of less than 1 μm A grain structure can be easily formed.
[0036]
Especially for Nb, the effect of suppressing recrystallization is remarkably large, so the effect of ultrafine ferrite grains in plastic working by warm rolling is large, and the unrecrystallized austenite region is expanded to effectively accumulate processing strain. Therefore, there is an advantage that the effect of refining the structure is great.
[0037]
However, when adding Nb, V or the like, it is necessary to heat to 1050 ° C. or higher in order to sufficiently dissolve these elements in the austenite grains and precipitate them as fine carbonitrides.
[0040]
According to the third invention of the present application, the low yield ratio high strength steel manufacturing method is the method of the first or second invention, wherein the plastic working is performed at a cooling rate of 1 ° C./s or less to less than 500 ° C. Accelerate cooling.
[0041]
Regarding cooling of steel after plastic working, untransformed austenite is converted into a hard low-temperature transformation product such as martensite by accelerated cooling at a cooling rate of 1 ° C./s or more after plastic working in the α + γ two-phase region. can do. As a result, the tensile strength of the low yield ratio high tensile steel of the invention of this application can be further increased, and the yield ratio can be lowered.
[0042]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a method for producing a low yield ratio high tensile steel according to any one of the first to third aspects of the present invention, which is reheated to a temperature range of 400 ° C. to A _c1 after plastic working. The manufacturing method of the low yield ratio high strength steel provided by the fifth invention of this application is 400 ° C by interrupting cooling and holding it isothermally or gradually cooling after plastic working. It is made to stay in the temperature range of ~ A _c1 point for 1 hour or more.
[0043]
In the invention of this application, by adjusting the steel structure to a three-phase composite structure, a wide range of low-yield ratio high-tensile steel of 50 to 80% is realized, and the steps of quenching and tempering are necessarily required. It is not. However, after the plastic working, 400 ° C. and is subjected to tempering reheating to a temperature range of to A _c1 point, by either slow cooling is interrupted cooling isothermal holding, the 400 ° C. to A _c1 point Retaining in the temperature range for 1 hour or more can be considered as an effective means for further increasing the tensile strength of the low yield ratio high strength steel of the invention of this application and lowering the yield ratio. .
[0044]
Hereinafter, embodiments will be described with reference to the accompanying drawings, and embodiments of the present invention will be described in more detail.
[0045]
【Example】
Sample steels A to D having the compositions shown in Table 1 were prepared, and 18 mm square test steels were produced. Under various production conditions shown in Table 2, heating, plastic working, cooling, and tempering were performed. Got.
[0046]
[Table 1]

[0047]
[Table 2]

[0048]
The accelerated cooling in Table 2 is cooling at a cooling rate of 10 ° C./s.
(A) The results of observing the final structure of the obtained sample are shown in Table 2, and the mechanical properties obtained by the tensile test are shown in Table 3.
[0049]
[Table 3]

[0050]
From Table 3, it was confirmed that low yield ratio high tensile steel having a tensile strength of 680 MPa or more and a yield ratio of 0.50 or more and 0.85 or less was obtained by the method of the invention of this application. In particular, Sample A2 has a high tensile strength of 865 MPa and a low yield ratio of 0.56, indicating that it is an excellent low yield ratio high strength steel.
[0051]
FIG. 1 shows the stress-strain characteristics of sample A1 which is a low yield ratio high tensile steel of the invention of this application and sample B2 as a comparative example. FIG. 1 shows that the yield ratio of the sample A1 of the invention of this application is lower than that of the sample B2, although the tensile strength is higher.
(B) Moreover, the result of having observed the structure | tissue of the said sample A1 and sample B2 with the optical microscope was shown in FIG. 2, and the result of having observed with the scanning electron microscope (SEM) was shown in FIG. Furthermore, the distribution of each tissue in the SEM image of sample A1 (A1 in FIG. 3) is schematically shown in FIG.
[0052]
From FIG. 2 and FIG. 3, the sample B2, which is a comparative example, was confirmed to have a low-temperature transformation product structure and a ferrite grain structure grown to 1 μm or more, but no ultrafine ferrite grains were generated in the ferrite grain structure. Was confirmed. Moreover, about sample A1 which is the low yield ratio high-tensile steel of the invention of this application, from FIG. 2 to FIG. 4, a low-temperature transformation product structure, a mixed grain structure composed of ultrafine ferrite grains and partially grown ferrite grains And were confirmed to exist.
[0053]
Of course, the present invention is not limited to the above examples, and it goes without saying that various aspects are possible in detail.
[0054]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, low yield ratio high-tensile steel useful as a general welded structure material for civil engineering / architecture, ships, line pipes, etc., and no special additive elements are required, and quenching / tempering is performed. A method for producing the low yield ratio high-tensile steel that does not require this step is provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating stress-strain characteristics of a low yield ratio high tensile steel sample (A1) and a comparative sample (B2) in an example.
FIG. 2 is a diagram illustrating an optical microscope image obtained by observing the structures of Sample A1 and Sample B2 in Examples.
FIG. 3 is a diagram illustrating SEM images obtained by observing the structures of sample A1 and sample B2 in an example.
4 is a diagram schematically showing the distribution of each tissue in an SEM image (A1 in FIG. 3) of a sample A1.

Claims

It has a three-phase composite structure of a ferrite colony having a particle size of less than 1 μm, a ferrite particle having a particle size of 1 μm to 10 μm, and a low-temperature transformation product of martensite / bainite, a tensile strength of 680 MPa or more, and a yield ratio of 0.50 or more. A method for producing a high yield strength steel having a low yield ratio of 0.85 or less, in which C: 0.15% or less, Si: 0.6% or less, Mn: 2.0% or less, P: 0.030 by weight%. %: S: 0.005% or less, N: 0.0060% or less, Al: 0.010% or more and 0.040% or less, Ti: 0.030% or less (including 0) , the balance being Fe and unavoidable impurities, the following formula (1),

(However, the element symbol in the formula represents the weight% of the element.) Steel having a weld cracking sensitivity index P _cm of 0.28 or less is heated to a temperature of not less than A _{c1 and} not more than 1250 ° C. In the state where the austenite fraction is 5 to 50% in the two-phase temperature range of ferrite + austenite,

(However, ε _{x, i} , ε _{y, i} , ε _{z, i} in the equation represents the plastic strain (true strain) of the x, y, and z components in the i-th machining pass, respectively). A method for producing a low-yield-ratio high-strength steel, characterized by performing plastic working so that the cumulative equivalent plastic strain ε _eq is 1.4 or more.

In Claim 1, when steel contains 1 type or 2 types of Nb: 0.005-0.060% and V: 0.010-0.10% by weight% in addition to the said component, the steel A method for producing a low-yield ratio high-strength steel, characterized in that plastic working is performed after heating the steel to a temperature of 1050 ° C. or higher and 1250 ° C. or lower.

The method for producing a low yield ratio high strength steel according to claim 1 or 2, wherein after the plastic working, accelerated cooling is performed to a temperature less than 500 ° C at a cooling rate of 1 ° C / s or more.

After plastic working, 400 ° C ~ A _c1c1 The method for producing a low-yield-ratio high-tensile steel according to any one of claims 1 to 3, wherein a tempering treatment is performed to reheat to a point temperature range.

After plastic working, cooling is interrupted and held isothermally or slowly cooled to 400 ° C. to A _c1c1 The method for producing a low-yield ratio high-strength steel according to any one of claims 1 to 4, wherein the steel is kept in the temperature range for one hour or longer.