JP4577505B2 - 移動体通信システムにおけるダウンリンクｒｒｃメッセージと移動機のセル間移動との競合救済方法 - Google Patents

Description

本発明は、移動体通信システムにおけるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合の救済方法に関する。

第三世代移動体通信(３GPP)で定義されているRRC(Radio Resource Control)レイヤー(Layer)、RLC(Radio Link Control)レイヤーを有する基地局制御装置(RNC: Radio Network Controller)と移動機(UE: User Equipment)による移動体通信システムにおいて、CELL_FACH状態の移動機では特定のセル(Cell)としか通信できない。

また、モバイルユニットによりサポートされるRRCが休止中状態から稼働中に転換されない状況下で配分された無線リソースを不注意に解放しないように確保する処理方法がある（例えば、特許文献１参照）。
特開２００４−１５９２９７号公報

しかしながら、CELL_FACH状態の移動機は、特定の１セルからしかダウンリンク・メッセージ(Down Link Message)は受信できないので、移動機はセル間の移動が発生した場合にはCELL UPDATE処理により、移動機の在圏セルを基地局制御装置に伝えることで、基地局制御装置はそのセルに対しその移動機向けのDL Messageを投げることができる。ただし、基地局制御装置が送信するDL Messageと移動機のセル間移動が、ほぼ同時のタイミングで競合処理がおきた場合、つまり移動機からのトリガーとなるCell Update手順が完了する前に基地局制御装置がDL Messageを古いセルに対して送信してしまった場合には、移動機は該当DL Messageを受信できない。

ここで３GPPでは、移動機、基地局制御装置間のメッセージ送信にあたり、RLCレイヤーで送達確認を行うRLC AM(RLC Acknowledged Mode)が定義されている。そのため、基地局制御装置が送信したRLC AMメッセージを移動機が受信する前に、移動機が別のセルに移動した場合に、基地局制御装置はそのメッセージに対する応答であるRLC ACKを受信することができない。

この場合に基地局制御装置のRRCレイヤーではRLC AM_DATA再送回数（Max DAT）まで、RLC再送を行うが、既に移動機が別のセルに移動してしまったケース等、RLC再送回数が上記の再送回数を超過した場合には、上位RRCレイヤーにRLC アラーム(Alarm)を通知する。RLC アラーム受信により、CELL_FACH状態の場合、既存処理では、移動機、基地局制御装置間のRLC状態アンマッチとなるため、呼解放となる。

そこで本発明は、基地局制御装置がRLC AMを送信した場合に、送達確認できずに従来であればRLC状態がミスマッチとなり呼解放となっていたのを、RLCをリセットし、必要があればRRCメッセージを再送することで通信を継続することができる移動体通信システムにおけるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合の救済方法を提供することを目的とする。

上述の課題を解決するため、本発明は、基地局制御装置から移動機にダウンリンクRRCメッセージを送信してレスポンス・メッセージを受信する移動体通信システムにおいて、基地局制御装置のRLCレイヤーが、ダウンリンクRRCメッセージをRLC AMD_PDUに分割して送信し、移動機からRLC ACKを受信できないことにより、RLC AMD_PDU再送回数超過となった場合、RLCレイヤーからRRCレイヤーにRLCエラー通知をする手段と、基地局制御装置のRRCレイヤーが、タイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば、前記RLCエラーは移動機のセル間移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤーをリセットする手段と、基地局制御装置のRRCレイヤーが、移動機のRLCレイヤーをリセットするため、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORをTRUEとする手段とを備えることを特徴とする。

本発明によれば特定の１セルからしか受信できないCELL_FACH状態においても、ダウンリンクＲＲＣメッセージと移動機のセル間移動が競合したケースでの呼設定処理を継続することで、従来であれば切断となっていたケースでも呼解放を回避することができる。

次に、本発明の最良の形態について図面を参照して説明する。

図１は、本発明による移動体通信システムを構成する基地局制御装置(RNC)、移動機(UE)の関係を示す説明図である。基地局制御装置１０は、配下の各基地局に対応してCell＃１、Cell#2が存在する。移動機２０は当初、Cell#1配下に存在し、その後Cell#2配下に移動する。

基地局制御装置１０のRLCレイヤー１２において、基地局制御装置からのダウンリンクRRCメッセージ（RLC AM Message）をRLC AMD_PDU(RLC Acknowledged Mode Data_Protocol Data Unit)に分割してMAC(Medium Access Control)-dプロトコル１３により送信する。その時点で、移動機が別のセルに移動していた場合には、基地局制御装置のRLCレイヤー１２は、RLC ACKを受信できず、RLC AMD_PDU再送回数超過となり、基地局制御装置１０のRRCレイヤー１１にRLCエラー通知をする。

基地局制御装置のRRCレイヤー１１は、タイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば、上記RLCエラーはセル間の移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤー１２をリセットする。また、基地局制御装置のRRCレイヤー１１は、移動機に対しても、移動機のRLCレイヤーをリセットすべく、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORはTRUEとし、基地局制御装置、移動機間双方で、RLCをリセットすることで通信を継続することができる。

上記のように、通信状態として解消したとしても、Down Link RRC Massageは移動機に届いていないため、RLC上位レイヤーでの状態はアンマッチの可能性があり、全体の呼処理としては問題がある恐れがある。よって、Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージを対象に、基地局制御装置側でDL RRCメッセージを再送することで、RLCレイヤーの継続とRRCレイヤーでの状態を移動機、基地局制御装置間で保つことができる。

なお、Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージの例としては、以下のものがある。
・RRC SECURITY MODE COMMAND
・RRC RADIO BEARER SETUP
・RRC RADIO BEARER RELEASE
・RRC PHYSICAL CHANNEL RECONFIGURATION (CTS CELL_FACH TO CELL_PCH時)
・RRC TRANSPORT CHANNEL RECONFIGURATION (CTS CELL_FACH TO CELL_DCH時)
各メッセージは、RRCレイヤーの状態に対応して以下の処理が行われる。

（CELL_FACHのケース）
・Security Mode Controlについては、基地局制御装置のRLCレイヤーを旧秘匿構成にRollbackしCell Updateを完了後、Security Mode Procedureを１回Retry。２回目は失敗とみなし、移動交換局(CN: Core Network)に失敗の旨を伝える。

・RAB Establishment(CELL_FACH TO CELL_DCH)は、１回目はCell Updateを完了後RAB Setupを再試行、２回目であればRAB SetupはFailureとしCell Updateを完了し、移動交換局に失敗の旨をRANAP:RAB ASSINGMENT RESPONSEで伝える。

・RAB Release(CELL_FACH TO CELL_DCH)は、１回目はCell Updateを完了後RAB Release Procedureが中断させた時点から再開、２回目であればRAB ReleaseはFailureとしCell Updateを完了し、移動交換局に失敗の旨をRANAP:RAB ASSINGMENT RESPONSEで伝える。

・Physical Channel Reconfiguration(CELL_FACH TO CELL_PCH)は、１回目はCell Updateを完了後CTS(Channel Type Switching)を再試行、２回目であればCTSはFailureとしCell Updateを完了し、CELL_FACHのままとする。

・Channel Type Switching(CELL_FACH TO CELL_DCH)は、１回目はCell Updateを完了後CTSを再試行、２回目であればRRC Connection Releaseを実行する。

（Cell_DCHのケース）
・Security Mode Control/RAB Establishment/RAB ReleaseではFailureとし、Cell Updateを実行する。

・Channel Type Switching(CELL_FACH TO CELL_DCH）の場合は、Cell Update（‘RL failure’または‘RLC unrecoverable error’）を無視し、処理を継続する。

図２は、本発明による移動体通信システムの基地局制御装置と移動機とのメッセージ送受信を示すシーケンス図であり、図３は、本発明による移動体通信システムにおけるダウンリンクＲＲＣメッセージと移動機のセル間移動との競合の救済方法の処理を説明するフローチャートである。

基地局制御装置のRLCレイヤーにおいて、基地局制御装置から送信したダウンリンクRRCメッセージ（RLC AM Message）をRLC AMD_PDUに分割して送信し（図３のＳ１）、その時点で、移動機が別のセルに移動していた場合には、基地局制御装置のRLCレイヤーは、RLC ACKを受信できず、RLC AMD_PDU再送回数超過となり、基地局制御装置のRRCレイヤーにRLCエラー通知をする（Ｓ２）。

基地局制御装置のRRCレイヤーはタイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば（Ｓ３）、上記RLC エラーは移動機のセル間移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤーをリセットする。また、移動機に対しても、移動機のRLCレイヤーをリセットすべく、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORはTRUEとし、基地局制御装置、移動機間双方で、RLCをリセットすることで通信を継続する（Ｓ４）。

ただし、移動機からのRRC: CELL UPDATEにて、AM_RLC error indication(RB2, RB3 or RB4)=TRUEの場合には、移動機からのUL RRCメッセージが抜けることで、RRCなどRLCよりも上位レイヤーの状態が移動機と基地局制御装置間で不一致となっている可能性があるため、呼解放とする。

Channel Type Switching（CELL_DCH to CELL_FACH）中の場合、CTSを目的に、CELL_DCH状態でPHYSICAL CHANNEL RECONFIGURATION送信後、基地局制御装置のRLCレイヤーで移動機からのRLC ACKを受信できず、基地局制御装置のRRCレイヤーにRLCエラー報告を受信した時には、従来では、呼解放となっていた。

これを、上記のCELL_FACH状態での基本動作に対応した場合、RLCエラー報告受信時に呼解放せずにCell Update待ちとし、上記Cell Update待ちタイマーを開始する。RRC: CELL UPDATE受信時にタイマーを停止し、共通CH用リソースを設定する。PHYSICAL CHANNELRECONFIGURATION COMPLETE受信なしで、基地局制御装置はCELL_FACH状態に共通的にもっていく。

上記のように、通信状態として解消したとしても、Down Link RRC Massageは移動機に届いていないため、RLC上位レイヤーでの状態はアンマッチの可能性があり、全体の呼処理としては問題がある恐れがある。よって、Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージを対象に、基地局制御装置で再送処理を行う（Ｓ５）。

それでも失敗した場合は、従来通り接続を切断する（Ｓ６）。

本発明による移動体通信システムを構成する基地局制御装置、移動機の関係を示す説明図である。 本発明による移動体通信システムの基地局制御装置と移動機とのメッセージ送受信を示すシーケンス図である。 本発明によるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合救済方法の処理を説明するフローチャートである。

符号の説明

１０ 基地局制御装置(RNC)
１１ RRC
１２ RLC
１３ MAC-d
２０ 移動機(UE)

Claims (6)

1. 基地局制御装置から移動機にダウンリンクRRCメッセージを送信してレスポンス・メッセージを受信する移動体通信システムにおいて、
   基地局制御装置のRLCレイヤーが、ダウンリンクRRCメッセージをRLC AMD_PDUに分割して送信し、移動機からRLC ACKを受信できないことにより、RLC AMD_PDU再送回数超過となった場合、RLCレイヤーからRRCレイヤーにRLCエラー通知をする手段と、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、タイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば、前記RLCエラーは移動機のセル間移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤーをリセットする手段と、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、移動機のRLCレイヤーをリセットするため、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORをTRUEとし、移動機のRLCレイヤーをリセットする手段と、Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージを対象に、基地局制御装置側でDL RRCメッセージを再送する手段を備えることを特徴とする移動体通信システム。
2. RRCレイヤーが、CELL_FACH状態であることを特徴とする請求項１に記載の移動体通信システム。
3. 基地局制御装置から移動機にダウンリンクRRCメッセージを送信してレスポンス・メッセージを受信する移動体通信システムにおけるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合救済方法であって、
   基地局制御装置のRLCレイヤーが、ダウンリンクRRCメッセージをRLC AMD_PDUに分割して送信し、移動機からRLC ACKを受信できないことにより、RLC AMD_PDU再送回数超過となった場合、RLCレイヤーからRRCレイヤーにRLCエラー通知をするステップと、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、タイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば、前記RLCエラーは移動機のセル間移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤーをリセットするステップと、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、移動機のRLCレイヤーをリセットするため、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORをTRUEとし、移動機のRRCレイヤーをリセットするステップと、Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージを対象に、基地局制御装置側でDL RRCメッセージを再送するステップを含むことを特徴とする移動体通信システムにおけるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合救済方法。
4. RRCレイヤーが、CELL_FACH状態であることを特徴とする請求項３に記載の移動体通信システムにおけるダウンリンクRRCメッセージと移動機のセル間移動との競合救済方法。
5. 基地局制御装置から移動機にダウンリンクRRCメッセージを送信してレスポンス・メッセージを受信する移動体通信システムの基地局制御装置において、
   基地局制御装置のRLCレイヤーが、ダウンリンクRRCメッセージをRLC AMD_PDUに分割して送信し、移動機からRLC ACKを受信できないことにより、RLC AMD_PDU再送回数超過となった場合、RLCレイヤーからRRCレイヤーにRLCエラー通知をする手段と、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、タイマーを起動し、一定期間内にCELL UPDATEを受信すれば、前記RLCエラーは移動機のセル間移動との競合とみなし、基地局制御装置のRLCレイヤーをリセットする手段と、
   基地局制御装置のRRCレイヤーが、移動機のRLCレイヤーをリセットするため、基地局制御装置からのRRC: CELL UPDATE CONFIRMで、RLC RESET INDICATORをTRUEとし、移動機のRRCレイヤーをリセットする手段と、 Down Link RRC MassageにRESPONSEメッセージがあるRRCメッセージを対象に、基地局制御装置側でDL RRCメッセージを再送する手段を備えることを特徴とする基地局制御装置。
6. RRCレイヤーが、CELL_FACH状態であることを特徴とする請求項５に記載の基地局制御装置。

Images