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JP4560234B2 - バッフルフォーマボルトの保全計画支援システム、同方法、同システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、および同プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

バッフルフォーマボルトの保全計画支援システム、同方法、同システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、および同プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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宏司 長谷川
秀高 清水
正和 田中
公人 竹内
和英 安食
登 久保
正章 片山
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Kansai Electric Power Co Inc
Japan Atomic Power Co Ltd
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Kansai Electric Power Co Inc
Japan Atomic Power Co Ltd
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトについて、点検や補修にかかる保全計画の立案等を支援するバッフルフォーマボルトの保全支援システム、同方法、同システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、および同プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にステンレス綱等から形成される炉内構造物のバッフルフォーマボルトは、炉内で中性子線に曝されて照射誘起応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking:IASCC)を引き起こすことが懸念される。これまで日本国内ではバッフルフォーマボルトの損傷事例はないが、運転時間の長い海外の原子炉では損傷例が確認されているため、従来、定期的に一定周期で点検が実施されている。
【0003】
このようなバッフルフォーマボルトの点検は一般に超音波探傷試験が採用されているが、この検査は原子炉炉内構造物を炉外へ取り出して行うものであるから、検査装置の組立てや分解等の付帯作業に伴って多大なコストや時間を要するものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバッフルフォーマボルトの点検は、日本国内および海外を含めても点検実績が少ないことから適切な点検周期が不明であったため、原子炉の健全性を確保しながら合理的な点検周期の計画を立案することができなかった。したがって、バッフルフォーマボルトの点検は多大なコストや時間を要するものであるにもかかわらず、原子炉の健全性を確保するために必要以上に点検周期を短くせざるを得ず、不必要なコスト増大を招いていた可能性があった。
【0005】
さらに、現在のところ法令によって原子炉建設当時の全ボルトが健全な状態を維持することが求められているため、点検によってバッフルフォーマボルトに損傷が発見された場合は点検補修工期を延長して直ちに当該ボルトの取り替えが行われている。しかしながら、電力供給の長期計画を狂わせる要因ともなるこのようなボルトの取り替えは、バッフルフォーマボルトは多数のボルトで機能を維持するものであることからも、原子炉の機能上の健全性を確保するために必要であるか否かも不明であり、不必要なコスト増大を招いていた可能性があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、原子炉の機能上の健全性を確保しながら、合理的な保全計画の立案等を支援することができるバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム、同方法、同システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、および同プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムであって、原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、前記許容損傷ボルト数算出手段は、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定する、ことを特徴とするものである。
【0008】
このようなバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムによると、各バッフルフォーマボルトの損傷時期の予測において、各ボルトの位置によって異なる環境条件と、この環境条件がボルトの損傷時期に影響を与える影響度合いを示す影響パラメータとを分離したため、この影響パラメータを全ボルトで共通化することができる。
【0009】
このような影響パラメータを用いて予測した各バッフルフォーマボルトのボルト損傷時期は、実際の点検実績には各ボルトの締付力や製造誤差等が含まれるためにずれを生じることが避けられない。しかしながら、損傷していたボルトの数が束ねられた損傷ボルト実測数では各ボルト毎の製造誤差等が相殺されるため、予測した各ボルトのボルト損傷時期を全ボルトについて束ねて算出される損傷ボルト予測数によると、前記損傷ボルト実測数に対し、製造誤差等の影響による予測と実績とのずれを軽減して比較することができる。
【0010】
そして、点検実績データが取得される度に、全ボルトの損傷予測を束ねた損傷ボルト予測数と損傷ボルト実測数とに基づいて影響パラメータの設定を更新するため、各ボルト毎では避けられない予測と実際とのずれを軽減して、少ない点検実績であってもこれを有効に利用することができ、全ボルトで共通に用いられる影響パラメータに点検実績を反映して適切に設定することができる。
【0011】
こうして影響パラメータが設定されることにより、この影響パラメータを用いて信頼性の高い損傷ボルト予測数を算出して、合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0012】
また、許容損傷ボルト数算出手段及び保全時期計画手段を有するので、複数のボルトで機能を発揮するバッフルフォーマボルトに対し、原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数が設定される。そして、この機能維持ボルト数から損傷が許容される許容損傷ボルト数が算出され、上記損傷ボルト予測数がこの許容損傷ボルト数に至る管理時期よりも前に保全時期が設定されるため、原子炉の機能上の健全性を確保しながらも所定数のバッフルフォーマボルトの損傷を許容して、点検周期の長周期化を図ることができる合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0013】
また、前記許容損傷ボルト数算出手段は、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定する。
【0014】
このようにすると、損傷を受けていないボルトが不利なボルト配置パターンに配置された場合においても原子炉の機能上の健全性を確保しうるボルト数が機能維持ボルト数として設定されるため、安全サイドで保全時期を設定することができる。また、通常の構造物では材料が片持ち梁状態になるときが不利な支持形態であるが、本発明者らは原子炉特有の構造から、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置された状態が不利なボルト配置パターンとなることを見出した。バッフル板の最上部および最下部はバッフルフォーマボルトが損傷していても燃料集合体の上下に配設されるノズル台によって変位が規制され、原子炉の機能上の健全性に与える影響が小さいからである。
【0015】
このようなボルト配置パターンを不利なボルト配置パターンとして設定すれば、上記シミュレーションにおいて想定される機能維持ボルト数が原子炉の機能上の健全性をより確実に確保しうるものであることを確認することができる。また、この確認に際し、種々のボルト配置パターンを検討しなくても済むため、上記シミュレーションにおいて想定された機能維持ボルト数が原子炉の機能上の健全性を確保しうるものであるか否かを効率的に確認することができる。
【0016】
また、前記許容損傷ボルト数算出手段は、前記機能維持ボルト数に対し、所定の安全率を考慮して前記許容損傷ボルト数を算出することが望ましい。
【0017】
このようにすると、原子炉の安全性を確保しうる機能維持ボルト数に対して、適切な安全率を考慮した許容損傷ボルト数を算出し、これを用いて保全時期を設定することができるため、極めて高い信頼性を確保しながら合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0018】
また、前記ボルト損傷時期予測手段は、前記環境条件として複数の因子を用いるとともに、これら複数の因子毎の影響パラメータを用いることが望ましい。
【0019】
このようにすると、バッフルフォーマボルトの損傷時期に対して互いに独立して影響を与えうる複数の因子を、バッフルフォーマボルトの損傷時期の予測に反映させてより確実な予測を行うことができる。また、各因子毎の影響パラメータを用いるため、各因子の損傷時期への影響の度合いを別個に調整することで、ボルトの損傷時期予測を点検実績データに対して柔軟に対応させることができる。
【0020】
具体的には、前記環境条件の複数の因子は、各バッフルフォーマボルトに作用する応力、各バッフルフォーマボルトが曝される温度、および各バッフルフォーマボルトに照射される中性子照射量を含むことが望ましい。
【0021】
このようにすると、バッフルフォーマボルトの損傷時期に対して大きな影響を与える応力、温度、中性子照射量の影響を考慮して、点検実績を的確に反映した損傷予測を行うことができる。
【0022】
また、前記影響パラメータ設定手段は、前記複数の影響パラメータのうちその変動がボルト損傷時期に与える影響が大きい影響パラメータの設定を優先して更新するように構成されることが望ましい。
【0023】
このようにすると、複数の影響パラメータの適正値が不明な場合であっても、暫定的に影響の大きい影響パラメータから優先して設定を更新していくことで迅速に点検実績に適合したボルト損傷予測を実現する影響パラメータを設定することができる。
【0024】
また、このようなバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムにおいては、前記ボルト損傷時期予測手段は、複数の原子炉で共通する前記影響パラメータに基づいて各原子炉における各バッフルフォーマボルト毎のボルト損傷時期を予測するように構成され、前記点検実績データ取得手段は、複数の原子炉における点検実績データを逐次取得するように構成され、前記影響パラメータ設定手段は、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と当該点検実績データの損傷点検が行われた原子炉にかかる前記損傷ボルト予測数とに基づいて、複数の原子炉で共通する前記影響パラメータの設定を更新するように構成されることが望ましい。
【0025】
上述したように、ボルト損傷時期の予測において、各バッフルフォーマボルトが置かれた環境条件と影響パラメータとを分離しており、影響パラメータの更新は、点検実績データの損傷点検が行われた原子炉の構造条件が加味されて求められる損傷ボルト予測数に基づいて行うため、構造が異なる原子炉のバッフルフォーマボルトに対しても共通する影響パラメータを適用することができる。
【0026】
そして、複数の原子炉で共通する影響パラメータを用い、点検実績データが取得される度に複数の原子炉で共通する影響パラメータを更新するようにしているため、複数の原子炉における点検実績データを、保全計画の対象とする全ての原子炉における影響パラメータ設定に適用することができ、これにより、より少ない点検実績を有効に利用することができる。
【0027】
また、本発明は、加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援方法であって、原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するステップと、前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出するステップと、バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得するステップと、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新するステップと、原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出するステップと、前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定するステップと、を備え、前記許容損傷ボルト数を算出するステップは、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定する、ことを特徴とするものである。
【0028】
このようなバッフルフォーマボルトの保全計画支援方法によると、各バッフルフォーマボルトの損傷時期の予測において、各ボルトの位置によって異なる環境条件と、この環境条件がボルトの損傷時期に影響を与える影響度合いを示す影響パラメータとを分離したため、この影響パラメータを全ボルトで共通化することができる。
【0029】
このような影響パラメータを用いて予測した各バッフルフォーマボルトのボルト損傷時期は、実際の点検実績には各ボルトの締付力や製造誤差等が含まれるためにずれを生じることが避けられない。しかしながら、損傷していたボルトの数が束ねられた損傷ボルト実測数では各ボルト毎の製造誤差等が相殺されるため、予測した各ボルトのボルト損傷時期を全ボルトについて束ねて算出される損傷ボルト予測数によると、前記損傷ボルト実測数に対し、製造誤差等の影響による予測と実績とのずれを軽減して比較することができる。
【0030】
そして、点検実績データが取得される度に、全ボルトの損傷予測を束ねた損傷ボルト予測数と損傷ボルト実測数とに基づいて影響パラメータの設定を更新するため、各ボルト毎では避けられない予測と実際とのずれを軽減することで、少ない点検実績であってもこれを有効に利用することができ、全ボルトで共通に用いられる影響パラメータに点検実績を反映して適切に設定することができる。
【0031】
こうして影響パラメータが設定されることにより、この影響パラメータを用いて信頼性の高い損傷ボルト予測数を算出して、合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0032】
また、本発明は、加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、前記許容損傷ボルト数算出手段が、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定するようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラムである。
【0033】
このようなプログラムによれば、コンピュータを上述したバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムとして機能させて、上記作用効果を得ることができる。
【0034】
また、本発明は、加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体であって、原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、前記許容損傷ボルト数算出手段が、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定するようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0035】
このようなプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体によれば、コンピュータを上述したバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムとして機能させて、上記作用効果を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、一実施形態に基づいて本発明にかかるバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムについて説明する。
【0037】
まず、保全計画支援システムの説明に先立って、原子炉の炉内構造物の構成について概説する。
【0038】
図1は原子炉の炉内構造物を示す斜視説明図である。この図に示すように、原子炉容器80内に配設される原子炉の炉内構造物は、上部炉内構造物81と下部炉内構造物90とに分けられる。上部炉内構造物81は、主に制御棒クラスタの位置決めおよび案内を行うものであり、上部炉心板82、上部炉心支持柱83、上部炉心支持板84、制御棒クラスタ案内管85等から構成されている。下部炉内構造物90は、主に燃料集合体(炉心)91を支持するものであり、炉心そう92、炉心バッフル(バッフル板)93、炉心バッフル取付板(フォーマ板)94、下部炉心板95、下部炉心支持柱96,下部炉心支持板97等から構成されている。
【0039】
図2は下部炉内構造物90の水平断面図、図3は炉心バッフルの取付状態示す斜視説明図、図4はバッフルフォーマボルトの取付状態を示す一部断面斜視説明図、図5は炉心バッフル近傍の縦断面説明図である。図2に示すように、下部炉心構造物90の炉心そう92は水平断面が円形に形成されており、図3に示すように、この炉心そう92の内側に炉心の境界を形成する複数の炉心バッフル(バッフル板)93が炉心バッフル取付板94を介して取り付けられている。炉心バッフル取付板94は、高さ方向について所定間隔ごとに複数段(例えば7段)にわたって配設されており、図3,図4に示すように、炉心バッフル93は、各炉心バッフル取付板94に対して水平方向に複数本(例えば2〜4本)のバッフルフォーマボルト98で締結されている。図5に示すように、燃料集合体91は、その上下をノズル911,912に支持されており、各炉心バッフル93は、近接する燃料集合体91およびノズル911,912に所定のギャップS(例えば1mm程度)を介して対向するように配設されている。
【0040】
バッフルフォーマボルト98は、一般に各原子炉において600〜1000本程度用いられており、複数本で炉心バッフル93を炉心バッフル取付板94に固定するようになっている。
【0041】
次に、このようなバッフルフォーマボルト98の点検や補修に関する保全計画立案を支援する保全計画支援システムについて詳述する。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態にかかるバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムの全体構成図である。
【0043】
この保全計画支援システムは、CPU、メモリ、外部記憶装置、キーボードやマウスおよびモニタ等の入出力手段を備えたコンピュータから構成されており、機能的には、図6に示すように、ボルト損傷時期予測手段10と、損傷ボルト数算出手段20と、点検実績データ取得手段30と、影響パラメータ設定手段40と、許容損傷ボルト数算出手段50と、保全時期計画手段60と、構造データ記憶部70とを備えている。
【0044】
なお、これら各機能はプログラムによって実現され、このプログラムはインターネット等のネットワークからのダウンロードやCD−ROM等のコンピュータ読取り可能な記録媒体等によって提供されるようになっている。以下、各機能要素について説明する。
【0045】
ボルト損傷時期予測手段10は、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するものである。
【0046】
バッフルフォーマボルトの損傷は、照射誘起応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking:IASCC)によるものと想定される。この照射誘起応力腐食割れによるき裂の発生時期は、応力腐食割れに対する感受性が発生するまでの時間と、感受性が発生してから損傷に至るまでの時間の和と考えられるが、後者に比べて前者は短時間と予想されること、また安全サイド(損傷時期が早い方)の予測となることから、ここでは、後者の時間のみをもってボルト損傷時期を予測する。
【0047】
このボルト損傷時期の予測は、各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境データ(環境条件)と、この環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて行われる。
【0048】
環境データは、後述する構造データ記憶部70に記憶される原子炉の構造データから、このボルト損傷時期予測手段10によって各バッフルフォーマボルト毎に求められる。この環境データは、互いに独立してボルト損傷時期に影響を与えうる複数の因子が用いられる。すなわち、各ボルト毎に、環境データとして複数の因子が算出される。このように環境データ(環境条件)として複数の因子を用いることで、各因子がボルトの損傷時期に与える影響を反映してより確実な予測を実現することができる。この実施形態においては、このような因子として、各バッフルフォーマボルトに作用する応力、各バッフルフォーマボルトが曝される温度、および各バッフルフォーマボルトに照射される中性子照射量の3つを想定する。
【0049】
影響パラメータは、後述する影響パラメータ設定手段40に記憶されており、各ボルトの位置によって異なる環境条件と分離されているため、全ボルトで共通して用いることができるものとなっている。さらに、複数の原子炉のボルトについても共通して用いることができる。この影響パラメータは、少なくとも前記環境データの各因子毎に設定され、後述するように、全ての因子がボルト損傷時期に与える影響度合いを束ねた比例定数等を含んでもよい。このように各因子毎の影響パラメータを用いるため、各因子の損傷時期への影響度合いを各因子毎に別個に調整することができる。
【0050】
次式(1)は、このような環境データおよび影響パラメータからボルト損傷時期を予測する予測式の一例である。
【0051】
【数1】
【0052】
ただし、tN : ボルト損傷時期(損傷に至るまでの時間)
k : 比例定数(全体を束ねた影響パラメータ)
σ : ボルトに作用する応力
σY : ボルト材料の降伏応力
n : 応力依存性を示す影響パラメータ
T : ボルトが曝される温度
R : 気体定数
Q : 温度依存性を示す影響パラメータ(材料の活性化エネルギー)
Φ : ボルトに照射される中性子照射量
m : 中性子照射量依存性を示す影響パラメータ
各バッフルフォーマボルトに作用する応力σは、図7に示すように、ボルト締付力(図7(a))、バッフル熱変形(図7(b))、さらに原子炉の運転時間とともに変動するスウェリング(図7(c))、中性子照射硬化(図7(d))、照射下クリープ(図7(e))といった各要素の影響を受けるものであり、これら各要素を各時点において足し合わせることにより、図7(f)に示すように時間変動する値として算出される。なお、ボルト締付力は図7(a)に示すように締付トルクのばらつきがあるためこれを考慮してその中央値等を採用する。また、他の要素の大きさはバッフルフォーマボルトの位置によって各々異なるため、これらを足し合わせた応力もバッフルフォーマボルトの位置によって異なるものとなっている。
【0053】
各バッフルフォーマボルトが曝される温度Tは、各バッフルフォーマボルトの位置に応じて前記構造データ記憶部70の構造データから求められる。なお、この温度Tは、上記応力σのバッフル熱変形、スウェリングおよびクリープの各要素に影響を与えるため、これら各要素は温度Tに応じて算出される。
【0054】
各バッフルフォーマボルトに照射される中性子照射量Φは、各バッフルフォーマボルトの位置に応じて前記構造データ記憶部70の構造データから求められる。なお、この中性子照射量Φは、上記応力σのスウェリング、中性子照射硬化およびクリープの各要素に影響を与えるため、これら各要素は中性子照射量Φに応じて算出される。
【0055】
影響パラメータは、応力依存性を示す影響パラメータn、温度依存性を示す影響パラメータQ、中性子照射量依存性を示す影響パラメータm、および環境データの各因子の影響を束ねた比例定数kの4つである。影響パラメータn,Q,mは、各因子がボルト損傷時期に与える相対的な影響度合いを表現したものであり、kはこれらを総括する比例定数となっている。
【0056】
なお、このボルト損傷時期予測手段10は、原子炉の構造データがあれば任意の原子炉のバッフルフォーマボルトのボルト損傷時期予測を行うことができる。このため、保全計画の立案の対象となっている原子炉についてボルト損傷時期を予測するとともに、ある原子炉が保全計画の立案の対象となっている場合に、他の原子炉の検査実績データが得られたときには、この他の原子炉の検査実績データを利用するべく、この他の原子炉の構造データを用いてこの他の原子炉のボルト損傷時期の予測を行うようになっている。
【0057】
損傷ボルト数算出手段20は、ボルト損傷時期予測手段10によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出するものである。
【0058】
具体的には、原子炉の運転開始からの各時点において、ボルト損傷時期が到来したボルトの本数を累算することによって損傷ボルト予測数が算出される。
【0059】
なお、損傷ボルト予測数は、ボルト本数であっても、全ボルト本数に対する損傷が予測されるボルト本数の割合(損傷率)であってもよい。
【0060】
また、この損傷ボルト数算出手段20も、ボルト損傷時期予測手段10によってボルト毎のボルト損傷時期が予測されていれば、任意の原子炉について損傷ボルト予測数を算出することができる。
【0061】
なお、原子炉の運転開始後に一部または全部のバッフルフォーマボルトが取り替えられている場合には、この取り替えを考慮しないで原子炉の運転開始当初のボルトについての損傷ボルト予測数を算出される。このようにして算出される損傷ボルト予測数は、後述するパラメータ設定手段40における予測と実績との比較に供される。このようにするのは、予測と実績との条件を対等として適切な比較を行うためである。
【0062】
一方、予測と実績との比較によって適切な影響パラメータが設定されている状態において、保全時期計画手段60における管理時期の予測等が行われるときには、このボルト損傷時期予測手段10は、取り替えられたボルトについては取り替え時点を始期とするボルト損傷時期の予測を用いた損傷ボルト予想数を算出する。このようにして算出される損傷ボルト予測数は、ボルト取り替えを加味した予測となっており実状に即したものであるので、より適切な保全計画の立案に供することができる。
【0063】
点検実績データ取得手段30は、バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における点検実績データを取得するものである。
【0064】
この点検実績データには、点検が行われた時点における原子炉の運転時間と、該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とが少なくとも含まれる。
【0065】
実際の損傷点検において得られる点検実績は、各ボルトの締付力や製造誤差等が含まれるから、理論上の損傷時期(予測)とずれが生じることは避けられない。しかしながら、損傷したボルトの数を束ねた損傷ボルト実績数では各ボルトの製造誤差等が相殺されるため、理論上の損傷時期(予測)とのずれを軽減することができる。
【0066】
この損傷点検は、一般的な超音波探傷試験によっても、あるいは他の点検方法によってもよい。また、炉心の対称性を利用して原子炉に含まれるボルトの一部のみを点検する部分検査であってもよい。
【0067】
点検実績データの取得の形態としては、点検検査装置から直接データ送信を受けても、任意の記録媒体に記録されたデータを読み込んでも、あるいはオペレータによるキーボード入力等によってもよく、取得の形態に応じて、この点検実績データ取得手段30は、点検検査装置等からデータを受信する受信手段、記録媒体等に記録されたデータを読み込む読取り手段、あるいはデータの入力を受ける入力手段やインタフェース等として構成される。
【0068】
なお、損傷ボルト実測数は、ボルト本数であっても、全ボルト本数に対する損傷していたボルト本数の割合(損傷率)であってもよい。
【0069】
この点検実績データ取得手段30は、保全計画の立案の対象となっている原子炉の点検実績データに限らず、他の原子炉の実績の点検実績を点検実績データも逐次取得することができるようになっている。他の原子炉の点検実績データには、少なくとも点検が行われた原子炉を特定する情報、あるいは点検が行われた原子炉の構造条件(構造データ)を特定する情報が含まれる。さらに、バッフルフォーマボルトの取り替えが行われている原子炉については、取り替えられたボルト本数および取り替え時期を示す情報も含まれる。
【0070】
この点検実績データ取得手段30は、取得した点検実績データを記憶保持するようになっている。
【0071】
影響パラメータ設定手段40は、ボルト損傷時期予測手段10および損傷ボルト数算出手段20による予測と、点検実績データ取得手段30によって取得された点検実績とから、上述した影響パラメータの設定を更新するものである。
【0072】
この影響パラメータ設定手段40による処理が影響パラメータの更新であるのは、ボルト損傷時期予測手段10および損傷ボルト数算出手段20による予測は更新前に既に設定されていた影響パラメータによって行われたものだからである。
【0073】
この影響パラメータの更新は、取得した点検実績データの運転時間における損傷ボルト実測数(実績)と、その運転時間における損傷ボルト予測数(予測)とを比較して、損傷ボルト予測数が損傷ボルト実測数と一致している、あるいは不一致の度合いが許容範囲内にある(以下、単に「一致」という。)かを判断し、一致していない場合には、損傷ボルト予測数が損傷ボルト実測数を一致(包絡)するように影響パラメータの設定を変更することにより行われる。
【0074】
後述するように、予測と実績が一致していない場合には影響パラメータを変更して仮設定し、この仮設定した影響パラメータに基づく予測が実績と一致するまで、前記仮設定を繰り返して行うようになっている。
【0075】
点検実績データが一部のボルトが取り替えられた原子炉にかかるものである場合には、取り替えられたボルトは原子炉の運転開始当初のボルトが損傷したものとして扱い、予測と実績の比較には、運転開始当初の全ボルトに対する損傷ボルト実測数を用いる。一方、損傷ボルト予測数についても運転開始当初の全ボルトに対する損傷ボルト予測数を用いる。このようにすることで、予測と実績の条件を対等にした比較を行うことができ、適切な影響パラメータの設定に寄与することができる。
【0076】
なお、点検実績データにおいて損傷ボルト実測数が0(ゼロ)であった場合は、その点検直後に損傷ボルトが1本発生したと仮定して、影響パラメータの設定の更新を行う。このようにすると、より安全サイドに立った損傷予測を実現することができるため望ましい。
【0077】
この影響パラメータの設定更新においては、全ボルトの損傷予測および損傷実績をそれぞれ束ねた損傷ボルト予測数と損傷ボルト実測数との比較が行われるため、各ボルト毎に比較検討すると避けられない予測と実際とのずれを軽減することができる。これにより、少ない点検実績を有効に利用して適切な影響パラメータの設定更新が可能となる。
【0078】
この影響パラメータの更新には、直近に取得された点検実績データだけでなく、点検実績データ取得手段30に記憶されている以前に取得された点検実績データの全てが比較検討の対象とされる。
【0079】
同一の原子炉を対象とした複数の検査実績(検査実績データの損傷ボルト実測数)は、その全てが、その原子炉についての予測(損傷ボルト予測数)に一致(包絡)するか否かが判断される。構造条件(構造データ)が同じである同一タイプの原子炉の場合も同様である。
【0080】
構造条件(構造データ)が異なる原子炉を対象とした複数の検査実績は、同一タイプの原子炉毎に予測に一致しているか否かが判断され、全タイプの原子炉において実績と予測が一致する影響パラメータに更新される。
【0081】
上述したように、この実施形態では、予測式(1)において、環境条件(環境データ)として各バッフルフォーマボルト毎の応力σ、温度Tおよび中性子照射量Φが想定され、これに対応して影響パラメータは、応力依存性を示すn、温度依存性を示すQ、中性子照射量依存性を示すm、およびこれらを総括する比例定数kの4つが設定されている。
【0082】
このように、複数の影響パラメータが設定されている場合、影響パラメータ設定手段40は、予め各影響パラメータがボルト損傷時期に与える影響の大きさの順位をパラメータサーベイによって求めておき、この結果を用いて変動がボルト損傷時期に与える影響が大きい影響パラメータの設定を優先して更新することで、早期に適切な影響パラメータのセットを設定しうるようになっている。
【0083】
具体的に、影響パラメータn,Q,m,kのうち比例定数kは、全体の比例定数となっているためにその変動が直接にボルト損傷時期に反映され、最も影響が大きい影響パラメータである。
【0084】
また、他の影響パラメータについては、検討対象とする影響パラメータ以外を固定したまま、検討対象とする影響パラメータに想定される範囲内でいくつかの値を設定してボルト損傷時期予測に与える影響を検討したところ、比較的影響パラメータQの影響が大きい。
【0085】
したがって、この影響パラメータ設定手段40においては、予測と実績とが一致しない場合、まず、影響パラメータkを他に優先して調整することで予測と実績との大まかな一致を図り、さらに影響パラメータQ,n,mによって予測と実績とが一致するように微調整が行われる。
【0086】
このように、複数の未知の影響パラメータが存在しても暫定的に影響の大きい影響パラメータから優先して設定を更新していくことで、迅速に点検実績に適合したボルト損傷予測を実現する影響パラメータを設定することができる。
【0087】
この影響パラメータ設定手段40は、こうして更新した影響パラメータを記憶保持するようになっている。
【0088】
このような影響パラメータの設定更新は、点検実績データ取得手段が新たに点検実績データを取得する度に行うことが好ましい。取得された点検実績を早期に保全計画に反映して、より適切な保全計画の遂行に寄与するためである。
【0089】
なお、後述するように、影響パラメータ設定手段40は、未だ影響パラメータが設定されていないときには、影響パラメータの初期仮設定も行うようになっている。
【0090】
図8は、こうして得られる損傷ボルト予測数の一例を示すグラフである。なお、縦軸は損傷ボルト予測数であり、全ボルト数に対する損傷ボルト本数の割合として表現している。また、図中の丸印は、損傷予測の対象となった原子炉の点検実績データに基づく損傷ボルト実測数をプロットしたものであり、三角印は損傷予測の対象となった原子炉と同タイプの原子炉の点検実績データに基づく損傷ボルト実測数をプロットしたものである。
【0091】
許容損傷ボルト数算出手段50は、損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出するものである。詳細には、まず原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数が設定され、この機能維持ボルト数に所定の安全率を考慮して許容損傷ボルト数が算出される。
【0092】
このような機能維持ボルト数を設定できるのは、バッフルフォーマボルトは、他の炉内構造物とは異なり、多数本でバッフル板を支持するという機能を果たしているものであるため、必ずしも全てのボルトが健全でなくとも原子炉の機能上の健全性を確保することができるからである。
【0093】
この機能維持ボルト数は、損傷を受けていない健全なバッフルフォーマボルトが原子炉の機能上の健全性を確保するために不利なボルト配置パターンに配置された場合であっても、原子炉の機能上の健全性を確保し得るバッフルフォーマボルトの数として設定される。このように設定された機能維持ボルト数によると、安全サイドに立って機能上の健全性が確保されているため、実際に損傷しているボルトがこの機能維持ボルト数以下である限り、確実に原子炉の機能上の健全性を確保することができる。
【0094】
図9は、原子炉の対称性を考慮して、各列に2本の健全なボルトが残る場合の種々のボルト配置パターンを例示した説明図である。この図において黒丸は健全なボルト、白丸は損傷したボルトを示している。
【0095】
本発明者らは、加圧水型原子炉特有の構造から、損傷を受けていない健全なバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置された状態が不利なボルト配置パターンであることを見出した。すなわち、通常の構造物では材料が片持ち梁状態になるときが不利な支持形態であるが、図5に示したように、原子炉においては、炉心バッフル(バッフル板)93の最上部および最下部はバッフルフォーマボルト98が損傷していても燃料集合体91の上下に配設されるノズル台911,912によって変位が規制され、原子炉の機能上の健全性に与える影響が小さいからである。したがって、図9においては、図の左側のボルト配置パターンほど原子炉の機能上の健全性を確保するのに厳しい不利なパターンとなる。
【0096】
図10は、この不利なボルト配置パターンを想定した場合の斜視説明図である。この図においても図9と同様に黒丸は健全なボルト、白丸は損傷したボルトを示している。
【0097】
なお、実際の原子炉内におけるボルトの損傷は、高さ方向の中央部のボルトに対する中性子照射量が多いため、この部分が損傷しやすく、最上部および最下部は損傷を受けずに残ることが予想される。したがって、上述した不利なボルト配置パターンは非現実的に不利なパターンを想定したものとはなっておらず、このことから必要以上に安全側に立つことで点検コストの増大等を招くことが防止されている。
【0098】
許容損傷ボルト数算出手段50は、仮定した損傷ボルト数に対して、上述した不利なボルト配置パターンを設定するボルト配置パターン設定手段51を備えている。このようなボルト配置パターン設定手段51を備えることにより、種々のボルト配置パターンを検討しなくても済むため、損傷ボルト数が原子炉の機能上の健全性を確保しうるものであるか否かを効率的に確認することが可能となる。
【0099】
さらに、許容損傷ボルト数算出手段50は、こうして設定されたボルト配置に対し、後述する構造データ記憶部70に記憶された原子炉の構造データ(構造条件)に基づいて、原子炉の機能上の健全性を確保しうるか否かを検討する健全性評価手段52を備えている。
【0100】
加圧水型原子炉ではそのメカニズム上暴走することはありえないが、原子炉を安全に止められることが機能上の健全性を確保するために必要とされる。この実施形態では、前記健全性評価手段52によるシミュレーションによって、想定される地震時や事故時において、(1)残存バッフルフォーマボルトの健全性が確保できること、(2)燃料集合体が健全であること、(3)制御棒クラスタが挿入できること、の3つの機能維持条件を満たすことが、原子炉の機能上の健全性が確保されている条件とする。
【0101】
前記条件(1)は、バッフルフォーマボルトに作用する荷重が許容値以下であるか否かによって判断できる。バッフルフォーマボルトに作用する荷重は、具体的には、たとえば有限要素法に基づいて、原子炉の構造データから炉内構造物をモデル化して、想定される地震波や配管破断事故時の炉心バッフル内外差圧の圧力変動を入力するシミュレーションを実行することによって求めることができる。
【0102】
前記条件(2)は、燃料集合体近傍に配設されている炉心バッフル(バッフル板)が変形して燃料集合体の燃料被覆管と衝突することによって、燃料被覆管が破損しないことを求める条件であり、燃料被覆管に作用する応力が許容値以下であるか否かによって判断できる。この燃料被覆管に作用する応力は、具体的には、前記条件、(1)と同様に有限要素法等に基づくシミュレーションによって求めることができる。
【0103】
前記条件(3)は、炉心バッフルが変形して燃料集合体の燃料被覆管と衝突し、燃料集合体が変形することにより、燃料集合体の上方から行われる制御棒クラスタの挿入を妨げないことを求める条件であり、燃料集合体の最大たわみが許容値以下であるか否かによって判断できる。この燃料集合体の最大たわみもまた、具体的には、上記条件、(1)と同様に有限要素法に基づくシミュレーションによって求めることができる。
【0104】
このようにして仮定した損傷ボルト数に対する不利なボルト配置パターンで原子炉の機能上の健全性が確認されれば、この仮定した損傷ボルト数が機能維持ボルト数として設定され、この機能維持ボルト数に安全率を考慮して許容損傷ボルト数が算出される。
【0105】
保全時期計画手段60は、損傷ボルト予測数が許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期(次回点検時期)を設定するものである。
【0106】
この保全時期計画手段60は、オペレータ等から定期保全計画案(定期点検計画案)の入力を受けて、この計画案による保全時期(次回点検時期)を仮定しておき、この仮定した保全時期(次回点検時期)が前記管理時期よりも前であるか否かを判断し、管理時期より前であればそのまま保全時期(次回点検時期)を確定して設定する一方、管理時期より後であれば、保全時期(次回点検時期)を早めて設定するようになっている。
【0107】
このように、損傷ボルト数が許容損傷ボルト数に至る管理時期よりも保全時期(次回点検時期)を前に設定するため、原子炉の機能上の健全性を確保しながらも所定数のバッフルフォーマボルトの損傷を許容して、点検周期の長期化を図り、点検コスト等の増大を抑えることができる合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0108】
この保全時期における保全作業には、具体的には、バッフルフォーマボルトの損傷点検、一部または全部のボルト交換、さらにバッフルフォーマボルトを含む炉内構造物の交換等を含む。また、ボルト交換は、損傷が確認されたボルトを交換する場合だけでなく、損傷の有無に関わらず一部のボルトを交換する予防保全行為等も含まれる。
【0109】
こうして設定される保全時期(次回点検時期)は、出力手段によってオペレータに提示するようになっている。
【0110】
なお、保全時期計画手段は、定期点検計画案等によらずに管理時期から保全時期を設定するようにしてもよい。
【0111】
また、管理時期をオペレータ等に提示して、これを参照したオペレータからの入力に応じて保全時期を設定するようにしてもよい。
【0112】
図11は、次回点検時期(保全時期)の設定・計画の一例を示す説明図である。ここでは、機能維持ボルト数が全ボルト数に対して70%、許容損傷ボルト数が20%の場合を例としている。すなわち、70%のボルトが健全に残っていれば、原子炉の機能上の健全性を確保することができることが確認されており、この70%に1.5以上の安全率を考慮して許容損傷ボルト数が算出されている。ここでは、安全率を3.5としている。損傷ボルト予測数がこの20%に達するまでに次回の保全(点検)を行うことが望まれる。
【0113】
この図において実線で示す曲線は損傷ボルト予測数を示している。ここで、図中三角印で示す時期にバッフルフォーマボルトの損傷点検が行われ、その点検実績データが取得されれば、この点検実績データに応じて上記影響パラメータの設定が更新され、この点検実績データを包絡する損傷ボルト予測数が求められる。
【0114】
具体的に、この点検実績データの損傷ボルト実測数が図中のAであるならば、損傷予測が点検実績を包絡しているので予測の修正は行われない。そして、この損傷ボルト予測数(実線)が許容損傷ボルト数(20%)に達する時期Qが管理時期となり、保全時期(次回点検時期)がこの管理時期より前であればそのままの保全計画が採用される。
【0115】
この点検実績データの損傷ボルト実測数が図中のBであるならば、このBは損傷ボルト実測数が0(ゼロ)であるので、この検査直後にボルトの損傷が発生するという安全サイドに立ちながらこのBを包絡するように損傷ボルト予測数は図の一点鎖線に修正される。そして、この損傷ボルト予測数(一点鎖線)が許容損傷ボルト数(20%)に達する時期Rが管理時期となり、保全時期(次回点検時期)がこの管理時期より前であればそのままの保全計画が採用される。
【0116】
この点検実績データの損傷ボルト実測数が図中のCであるならば、このCを包絡するように損傷ボルト予測数は図の二点鎖線に修正される。そして、この損傷ボルト予測数(二点鎖線)が許容損傷ボルト数(20%)に達する時期Pが管理時期となり、保全時期(次回点検時期)はこの管理時期より後であるので、この管理時期より前になるように保全時期(次回点検時期)を修正した保全計画が採用される。
【0117】
構造データ記憶部70は、原子炉の構造データを記憶するものである。
【0118】
構造データとは原子炉の構造条件を表現したデータであり、ボルト損傷時期予測手段10において環境データ(環境条件)を求めるために必要な構造データとともに、許容損傷ボルト数算出手段50において原子炉の機能上の健全性を確認するためのシミュレーションに供する構造データが含まれている。
【0119】
具体的には、この構造データは、炉内構造物の形状データ、材質データ、想定される地震時や事故時に作用する荷重や振動等のデータ等が含まれている。
【0120】
なお、この構造データ記憶部70には、保全計画の立案対象となる原子炉の構造データの他、点検実績データが取得される全ての原子炉の構造データも記憶するようになっている。これらの構造データは、点検実績データ取得手段30が取得する原子炉または原子炉の構造を特定する情報に基づいて呼び出すことができるようになっている。
【0121】
次に、このような保全計画支援システムにおける保全計画立案の手順について説明する。
【0122】
まず、バッフルフォーマボルトの損傷予測手順について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0123】
この損傷予測手順は、点検実績データ取得手段30が新たな点検実績を取得する度に行われる影響パラメータの設定更新と、保全計画の立案対象となる原子炉について、設定更新された影響パラメータに基づいた損傷予測とを並行して行うものである。
【0124】
このバッフルフォーマボルトの損傷予測は、まず、影響パラメータ設定手段40によって影響パラメータの仮定が行われる(ステップS10)。既に設定された影響パラメータが存在する場合には、影響パラメータ設定手段40に記憶された影響パラメータが用いられ、未だ影響パラメータが設定されてしない場合には、影響パラメータ設定手段40によって各影響パラメータの物理的意義に応じて適当な値が仮定される。
【0125】
つづいて構造データ記憶部70に記憶された構造データに基づいて、ボルト損傷時期予測手段10により各バッフルフォーマボルト毎に環境データが算出され(ステップS12)、各ボルトの環境データと仮定された上記影響パラメータに基づいて、各バッフルフォーマボルト毎にボルト損傷時期が予測される(ステップ14)。なお、ステップS12の環境データの算出とステップS14のボルト損傷時期の予測は、各バッフルフォーマボルト毎に繰り返して行ってもよい。
【0126】
こうして各バッフルフォーマボルトのボルト損傷時期が予測されれば、損傷ボルト数算出手段20により、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数が算出される(ステップS16)。
【0127】
このボルト損傷時期の予測および損傷ボルト予測数の算出の対象となる原子炉は、点検実績データが取得されている全ての原子炉である。また、後述するように影響パラメータの設定が更新された際には、保全計画の立案の対象となる原子炉についてもこのボルト損傷時期が予測され、保全計画の立案に供される。
【0128】
こうして算出された損傷ボルト予測数が、点検実績データ取得手段30によって取得された点検実績データを包絡するか否かが影響パラメータ設定手段40によって判断される(ステップS18)。なお、判断対象とされる点検実績データとしては、いま取得した点検実績データだけではなく、既に取得されている全ての点検実績データが用いられる。この判断は、点検実績データが対象とする原子炉ごとに、各点検実績データが各原子炉の前記損傷ボルト予測数に包絡されるか否かが判断される。
【0129】
損傷ボルト予測数が点検実績データを包絡していなければ(ステップS18でNO)、ステップS10に戻って、影響パラメータが再び仮定される。このとき、パラメータサーベイの結果を用いて影響の大きな因子(比例定数k)から優先しての影響パラメータ(具体的にはQ)が、修正されて仮定される。
【0130】
損傷ボルト予測数が点検実績データを包絡していれば(ステップS18でYES)、影響パラメータ設定手段40により、このときの影響パラメータが今後の影響パラメータとして更新登録される(ステップS20)。
【0131】
異なるタイプの原子炉に対しては、同タイプの原子炉ごとに検討した実績と予測との違いを埋めるように、共通して用いる影響パラメータが設定更新される。こうすれば、異なるタイプの複数の原子炉について得られた実績データを共用してデータを増やし、より精度の高い影響パラメータの設定が可能となる。
【0132】
こうして影響パラメータが設定更新されれば、保全計画の立案対象となる原子炉について、この影響パラメータに基づいて予測された損傷ボルト予測数が、後述する保全計画の立案に供される。
【0133】
次に、保全計画の立案対象となる原子炉について損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する手順について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0134】
この許容損傷ボルト数の算出は、まず、許容損傷ボルト数算出手段50によって損傷ボルト数が仮定される(ステップS30)。そして、この仮定された損傷ボルト数に対して不利なボルト配置パターンが設定され、このボルト配置パターンについて、構造データ記憶部70に記憶されている構造データに基づき、原子炉の機能上の健全性を確認するためのシミュレーションが実行される(ステップS32)。
【0135】
この原子炉の機能上の健全性は、具体的には、各バッフルフォーマボルトに作用する荷重が許容値以下であるか(ステップS34)、燃料被覆管に作用する応力が許容値以下であるか(ステップS36)、燃料のたわみは許容値以下であるか(ステップS38)がそれぞれ確認され、これらのいずれが満たされていなければ(ステップS34〜S38のいずれかがNO)、ステップS30に戻って再び損傷ボルト数が仮定される。
【0136】
これらの全てが満たされていれば(ステップS34〜S38の全てがYES)、仮定された損傷ボルト数が機能維持ボルト数として設定され(ステップS40)、こうして設定された機能維持ボルト数に所定の安全率を考慮して許容損傷ボルト数が算出される(ステップS42)。こうして算出される許容損傷ボルト数は、後述する保全計画の立案に供される。
【0137】
次に、保全計画を立案する手順について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0138】
保全計画の立案では、まず、保全時期計画手段60に対し、オペレータ等によって定期点検計画案が入力される(ステップS50)。この定期点検計画案には、保全計画立案の対象となる原子炉を特定する情報が含まれる。
【0139】
この定期点検計画案を受けた保全時期計画手段60は、この定期点検計画案に基づいて次回点検時期(保全時期)を仮定する(ステップS52)。
【0140】
つづいて、保全時期計画手段60は、対象となっている原子炉について、ボルト損傷時期予測手段10および損傷ボルト数算出手段20に対し、損傷ボルト予測数を算出させる(ステップS54)。この損傷ボルト予測数の算出は、この時点で設定されている影響パラメータに基づくボルト損傷時期予測に応じて行われる。
【0141】
また、保全時期計画手段60は、対象となっている原子炉について、許容損傷ボルト数算出手段50に対し、許容損傷ボルト数を算出させる(ステップS56)。なお、この許容損傷ボルト数の算出は各原子炉ごとに予め行って記憶しておき、保全計画の立案時に、この記憶されている許容損傷ボルト数を用いてもよい。
【0142】
こうして対象となっている原子炉について損傷ボルト予測数と許容損傷ボルト数が得られれば、保全時期計画手段60は、損傷ボルト予測数が許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し(ステップS58)、上記仮定した次回点検時期(保全時期)がこの管理時期よりも前であるか否かを判断する(ステップS60)。管理時期よりも前でなければ(ステップS60でNO)、ステップS52に戻り、次回点検時期の仮定を変更する。この際、次回点検時期は管理時期よりも前に設定すればよい。
【0143】
次回点検時期が管理時期よりも前であれば(ステップS60でYES)、この点検時期を次回点検時期として設定し(ステップS62)、オペレータ等に出力提示して一連の手順を終了する。
【0144】
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明にかかるバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形することが可能である。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各バッフルフォーマボルトの位置によって異なる環境条件と全ボルトで共通の影響パラメータに基づいて各バッフルフォーマボルト毎のボルト損傷時期を予測し、全ボルトのボルト損傷時期を束ねて原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出し、点検実績データが取得される度に、損傷ボルト予測数と損傷ボルト実測数とに基づいて影響パラメータの設定を更新するため、各ボルト毎では避けられない製造誤差等を含む実際の点検実績と予測とのずれを軽減して、少ない点検実績であってもこれを有効に利用することができ、全ボルトで共通に用いられる影響パラメータに点検実績を反映して適切に設定することができる。こうして影響パラメータが設定されることにより、この影響パラメータを用いて信頼性の高い損傷ボルト予測数を算出して、合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【0146】
さらに、原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出して、前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定するようにすれば、原子炉の機能上の健全性を確保しながらも所定数のバッフルフォーマボルトの損傷を許容して、点検周期の長周期化を図ることができる合理的な保全計画の立案を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原子炉の炉内構造物を示す斜視説明図である。
【図2】 下部炉内構造物の水平断面図である。
【図3】 炉心バッフルの取付状態示す斜視説明図である。
【図4】 バッフルフォーマボルトの取付状態を示す一部断面斜視説明図である。
【図5】 炉心バッフル近傍の縦断面説明図である。
【図6】 本発明の一実施形態にかかるバッフルフォーマボルトの保全計画支援システムの全体構成図である。
【図7】 各バッフルフォーマボルトに作用する応力σの一例を示すグラフであり、(a)はボルト締付力、(b)はバッフル熱変形、(c)はスウェリング、(d)は中性子照射硬化、(e)は照射下クリープの影響をそれぞれ示しており、(f)はこれらを足し合わせた応力σである。
【図8】 損傷ボルト予測数の一例を示すグラフである。
【図9】 種々のボルト配置パターンを例示した説明図である。
【図10】 不利なボルト配置パターンを想定した場合の斜視説明図である。
【図11】 次回点検時期(保全時期)の設定・計画の一例を示す説明図である。
【図12】 バッフルフォーマボルトの損傷予測手順を示すフローチャートである。
【図13】 許容損傷ボルト数を算出する手順を示すフローチャートである。
【図14】 保全計画を立案する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ボルト損傷時期予測手段
20 損傷ボルト数算出手段
30 点検実績データ取得手段
40 影響パラメータ設定手段
50 許容損傷ボルト数算出手段
51 ボルト配置パターン設定手段
52 健全性評価手段
60 保全時期計画手段
70 構造データ記憶部
80 原子炉容器
90 下部炉内構造物
91 燃料集合体(炉心)
92 炉心そう
93 炉心バッフル(バッフル板)
94 炉心バッフル取付板(フォーマ板)
98 バッフルフォーマボルト

Claims (9)

  1. 加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムであって、
    原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、
    前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、
    バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、
    前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、
    原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、
    前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、
    前記許容損傷ボルト数算出手段は、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定する、
    ことを特徴とするバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  2. 前記許容損傷ボルト数算出手段は、前記機能維持ボルト数に対し、所定の安全率を考慮して前記許容損傷ボルト数を算出することを特徴とする請求項1に記載のバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  3. 前記ボルト損傷時期予測手段は、前記環境条件として複数の因子を用いるとともに、これら複数の因子毎の影響パラメータを用いることを特徴とする請求項1に記載のバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  4. 前記環境条件の複数の因子は、各バッフルフォーマボルトに作用する応力、各バッフルフォーマボルトが曝される温度、および各バッフルフォーマボルトに照射される中性子照射量を含むことを特徴とする請求項3記載のバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  5. 前記影響パラメータ設定手段は、前記複数の影響パラメータのうちその変動がボルト損傷時期に与える影響が大きい影響パラメータの設定を優先して更新するように構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載のバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  6. 前記ボルト損傷時期予測手段は、複数の原子炉で共通する前記影響パラメータに基づいて各原子炉における各バッフルフォーマボルト毎のボルト損傷時期を予測するように構成され、
    前記点検実績データ取得手段は、複数の原子炉における点検実績データを逐次取得するように構成され、
    前記影響パラメータ設定手段は、前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と当該点検実績データの損傷点検が行われた原子炉にかかる前記損傷ボルト予測数とに基づいて、複数の原子炉で共通する前記影響パラメータの設定を更新するように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバッフルフォーマボルトの保全計画支援システム。
  7. 加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援方法であって、
    原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するステップと、
    前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出するステップと、
    バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得するステップと、
    前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新するステップと、
    原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出するステップと、
    前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定するステップと、を備え、
    前記許容損傷ボルト数を算出するステップは、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定する、
    ことを特徴とするバッフルフォーマボルトの保全計画支援方法。
  8. 加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、
    前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、
    バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、
    前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、
    原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、
    前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、
    前記許容損傷ボルト数算出手段が、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定するようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  9. 加圧水型原子炉の炉内構造物を構成するバッフルフォーマボルトの保全計画の立案を支援する保全計画支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
    原子炉の構造条件から各バッフルフォーマボルトの位置において想定される環境条件と該環境条件がバッフルフォーマボルトの損傷時期に与える影響度合いを示す影響パラメータとに基づいて、ボルト損傷時期を各バッフルフォーマボルト毎に予測するボルト損傷時期予測手段と、
    前記ボルト損傷時期予測手段によって各バッフルフォーマボルト毎に予測されたボルト損傷時期から、原子炉の運転時間に対する損傷ボルト予測数を算出する損傷ボルト数算出手段と、
    バッフルフォーマボルトの損傷点検が行われた場合における原子炉の運転時間と該運転時間において損傷していたバッフルフォーマボルトの数を示す損傷ボルト実測数とを含む点検実績データを取得する点検実績データ取得手段と、
    前記点検実績データが取得される度に、前記点検実績データの運転時間における前記損傷ボルト実測数と前記損傷ボルト予測数とに基づいて前記影響パラメータの設定を更新する影響パラメータ設定手段と、
    原子炉の構造条件に基づいて原子炉の機能上の健全性を確保するに足る機能維持ボルト数を設定し、この機能維持ボルト数に基づいて損傷が許容される許容損傷ボルト数を算出する許容損傷ボルト数算出手段と、
    前記損傷ボルト予測数が前記許容損傷ボルト数に至る管理時期を予測し、この管理時期よりも前に保全時期を設定する保全時期計画手段と、を備え、
    前記許容損傷ボルト数算出手段が、損傷を受けていないバッフルフォーマボルトがバッフル板の最上部および最下部に離れて配置され、且つ、損傷を受けているバッフルフォーマボルトが前記最上部と前記最下部との間に配置された状態のシミュレーションを実行し、このシミュレーションの結果において原子炉の機能上の健全性を確保し得ることが確認された場合に限り、この確認がなされた際に損傷していることを想定したバッフルフォーマボルトの数を前記機能維持ボルト数として設定するようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体。
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