JP4559644B2 - 車体傾斜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両における車体傾斜装置に関し、詳細には、空気ばねを用いて車体を傾斜させる車体傾斜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気ばねを利用して鉄道車両の車体を傾斜させる車体傾斜装置が知られている。
かかる車体傾斜装置は、例えば、特開平11−34868号公報に記載されている発明のように、左右の台車枠上に設けられた一対の空気ばねを介して車体を支持する。また、左右の空気ばね間で一定容積のエアを移動させる容積移動シリンダーを有し、当該容積移動シリンダーを作動させて左右の空気ばねの高さを変えることにより車体を傾斜させる。加えて、この空気ばねは、車体の弾性支持と台車回転偏倚の横ずれ(偏倚)を吸収する機能をも有している。従って、かかる車体傾斜装置では、空気ばねの上下方向のストロークを大きくして、車体の傾斜機能と横ずれ吸収機能を併せ持つように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような考えに基づくと、空気ばねは大きな3次元の変位を許容しなければならず、車体と台車の間に横ずれが起きて空気ばねが水平方向に伸長してしまう場合、高さ方向の制御量のみで3次元の制御を行うことなる。従って、空気ばねの高さコントロールが極めて複雑となって、正確な制御を行うためには多大なコストを要するという問題点があった。
また、空気ばね1つで高さをコントロールするため、高さのフィードバック制御を行うこととなって、制御の安定性に欠けるという問題点もあった。
更に、空気ばねがパンクした場合には、制御が出来なくなるという問題点もあった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、車体傾斜制御を容易、且つ正確に、しかも低コストにて行うことが出来る車体傾斜装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、左右の台車枠D上に設けられた一対の空気ばね部2を介して車体Sを支持する鉄道車両用の車体傾斜装置(例えば、偏倚用空気ばね22、傾斜用空気ばね24a、24b、24c、自動制御装置7など)において、前記空気ばね部は、内部の空気量の調整により前記車体を弾性的に支持するとともに、曲線路での車体に対する台車回転変位を吸収する第1の空気ばね(例えば、偏倚用空気ばね22など)と、内部の空気量の調整により車体の高さを変更する第2の空気ばね(例えば、傾斜用空気ばね24a、24b、24cなど)と、を備え、前記第2の空気ばねは、複数段に積層されて構成され、各段ごとに独立して空気の出入が制御されることを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、第1の空気ばねにより車体に対する台車の回転変位が吸収され、第2の空気ばねにより車体の高さが変更されるので、車体の回転変位を許容する制御と、車体を傾斜させる制御とが別々行われることとなって、3次元的な複雑な制御を行う必要がなく、車体傾斜制御を容易かつ正確に行うことが出来る。
【0008】
また、請求項1記載の発明によれば、第2の空気ばねは複数段に積層されて構成され、各段の第2の空気ばね毎の高さが別個独立に制御されるので、高さ調整する第2の空気ばねの組み合わせを指定するだけで、車体の傾斜が様々なバリエーションで制御できるようになり、空気ばねの高さ制御が簡単に行えるようになる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車体傾斜装置において、前記第2の空気ばねの各段の高さは2段階に制御されることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、第2の空気ばねの高さ調整が、2段階の調整となるので、制御が単純となって制御にかかるコストを削減出来る。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の車体傾斜装置において、
前記各第2の空気ばねに給気することに基づく第2の空気ばねの高さ上昇を所定の位置に制限する高さ上昇阻止手段(例えば、位置決めボス242など)を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、高さ上昇阻止手段により、給気時における各第2の空気ばねの高さが一定に保たれるので、給気による高さ制御が正確に行われるようになる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記車体は、前記空気ばね部にピン結合(例えば、ピンジョイント部8など)されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、車体は車体傾斜装置とピン結合されているため、車体は車体傾斜用装置の上面とピンジョイントのピンを軸心として回転できるようになり、車体傾斜装置は水平方向を保った状態でも、車体は傾斜することが可能になり、車体傾斜装置の上面は車体の下面ともに傾斜することはなくなり、車体傾斜装置の高さが一定に保たれる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記第1の空気ばねの内圧を検知する内圧検知手段(例えば、圧力検出器91)と、前記内圧検知手段によって検知された内圧に基づいて、前記第2の空気ばねの圧力を前記内圧と等しく、若しくは該内圧に所定の比率をかけた値に調整する圧力調整手段(例えば、圧力調整弁9)と、を備えていることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、第2の空気ばねの内圧が第1の空気ばねの内圧に基づいて調整制御されるため、第1の空気ばねとともに第2の空気ばねのばね定数も適当な値に設定され、全ての空気ばねにおいて、車体重量に応じたばね定数の調整が行われ、車体振動が減り、乗客の乗り心地がよくなる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記空気ばね部は、前記台車枠Dに設けられた側面が逆ハ状の側はりの凹部D1に取り付けられ、前記第1の空気ばねは、前記第2の空気ばねの上面に一体的に連設されていることを特徴としている。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、第1の空気ばねは、第2の空気ばねの上部に一体的に設けられているので、車体が回転変位して第1の空気ばねが横ずれした場合、台車枠の凹部の干渉をなくすことが出来る。従って、台車枠の凹部に、第1の空気ばねの変位用の遊びを設ける必要がなくなり、台車枠の中央部に設けられた凹部の水平部分の距離を短くすることが可能となって、その結果、台車枠に取り付けられる車軸間の距離を短くすることが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の好適な実施例を示す。
図1は、本発明に係る車体支持装置を備えた鉄道車両の側面図、図2は、車体支持装置の制御系を示す図、図3は、車体支持装置要部の断面図である。
【0020】
図1〜3に示す車体支持装置1は、空気ばね部2と、この空気ばね部2の下部に設けられた積層ゴム3と、を備え、積層ゴム3は、台車枠Dの横はり中央部に設けられた側面が逆ハ字状に傾斜した凹部の底面D1に取り付けられている。前記凹部の底面D1下方の台車枠Dには、補助空気室4が設けられている。また、車体支持装置1は、高さ調整装置5、電磁弁6、自動制御装置7などを備えている。
【0021】
空気ばね部2は、積層ゴム3の上面に設けられた下面板21と、この下面板21の上に取り付けられた偏倚用空気ばね(第1の空気ばね)22と、その偏倚用空気ばね22の上に設けられた下隔て板23と、この下隔て板23の上に一体的に取り付けられた下傾斜用空気ばね(第2の空気ばね)24aと、を備えている。更に、空気ばね部2には、下傾斜用空気ばね24aの上に、中隔て板25と、中傾斜用空気ばね(第2の空気ばね)24bと、上隔て板26と、上傾斜用空気ばね(第2の空気ばね)24cとが、積層されて設けられ、上傾斜用空気ばね24cの上には、上面板27が設けられている。
【0022】
下隔て板23には、偏倚用空気ばね22と連通する給排気管28a及び下傾斜用空気ばね24aに連通する給排気管28bが挿入されている。また、中隔て板25には中傾斜用空気ばね24cと連通する給排気管28cが挿入され、上隔て板25には上傾斜用空気ばね24cと連通する給排気管28dが挿入されている。そして、各給排気管28a〜28dを介して各空気ばね22、24a〜24cの内部に空気を給気したり或いは内部の空気を排気することにより車体支持制御、車体傾斜制御を行っている。
【0023】
積層ゴム3は、ゴム31と金属板32が積層されたドーナツ形状をしており、内部に空洞部33を有する。積層ゴム3は、内部空間を有するボス34が凹部底面D1に挿入されOリング34aでシールされている。従って、空洞部33は、補助空気室4と連通されており、また、空洞部33は下面板21に設けられた連通孔21aを介して偏倚用空気ばね22とも連通している。
【0024】
偏倚用空気ばね22は、図3に示すように、ダイヤフラム型の空気ばねであり、十分な撓みを有し車体Sを弾性支持するとともに、車両が曲線路を通過する際、下面板21と下隔て板23の水平方向のずれを受け、車体Sと台車枠D間の偏倚を吸収する機能を有する。また、偏倚用空気ばね22は、高さ調整装置5により、一定の内圧を保った状態で車体Sを支持しており、この内圧は車体重量に応じた適値に設定されている。
【0025】
高さ調整装置5は、偏倚用空気ばね22に挿入された給排気管28aに設けられており、高さ調整装置5は偏倚用空気ばね22の高さが変化すると、偏倚用空気ばね22の空気量を出入調整して、偏倚用空気ばね22の高さを一定に保っている
【0026】
傾斜用空気ばね24a〜24cは、空気室241a〜241cと、位置決めボス242を備えた空気ばねであり、横ずれ(偏倚)しないように構成されている。
下隔て板23、中隔て板25、上隔て板26には、それぞれ中央部に空気連通室23a、25a、26aが設けられている。各空気連通室23a、25a、26aの上面には、傾斜用空気ばね24a〜24cの空気室241a〜241cと連通する空気連通孔231、251、261を備える蓋体232、252、262が設けられている。各空気連通室23a、25a、26aは通気孔231、251、261を介して各空気室241a〜241cと連通している。
【0027】
また、蓋体232、252、262には、傾斜用空気ばね24a〜24cの高さ位置決めを行う位置決めボス242が各々挿入されている。
位置決めボス242は下部にフランジ242aを有する円柱体であり、位置決めボス242の上端部は上部に位置する隔て板25、26或いは上面板27に固定されている。即ち、下隔て板23の空気連通室23aに下端部が位置する位置決めボス242の上端部は、中隔て板25の下端部に固定され、中隔て板25の空気連通室25aに下端部が位置する位置決めボス242の上端部は、上隔て板26の下端部に固定され、上隔て板26の空気連通室26aに下端部が位置する位置決めボス242の上端部は上面板27の下端部に固定されている。
【0028】
蓋体232、252、262に設けられる位置決めボス挿入用の挿入孔の半径は、フランジ242aの半径より小さくなるように設計されており、空気室241に空気が吸入され、隔て板25、26が上昇すると、位置決めボス242のフランジ242aが空気連通室23a、25a、26aの蓋体232、252、262の下面に引っかかり、それ以上の上昇を阻止するため、傾斜用空気ばね24a〜24cを所定の高さに保つことが出来るようになっている。
【0029】
また、上面板27の上面にはピンジョイント部8が固定して設けられており、空気ばね部2と車体Sはピンジョイント部8を介して連結されている。ピンジョイント部8には軸心が車体Sの前後方向と同一方向を向くピン81が挿入されており、車体Sはピン81の外周面に沿って時計回り及び反時計回りに回動自在であり、図4に示すように、車両が曲線路に進入し車体Sが傾斜しても、空気ばね部2の上面は水平位置を保てるようになっている。
【0030】
なお、車体傾斜装置は、傾斜用空気ばね24a〜24c、給排気管28b〜28d、電磁弁6、自動制御装置7などにより構成される。
【0031】
次に、車体支持装置1の空気の給排気制御について説明する。
ここで、偏倚用空気ばね22の制御系は、上述した高さ調整装置5による内圧調整機構により行われる。偏倚用空気ばね22の制御系についての周知の技術を用いるため説明は省略する。
傾斜用空気ばね24a〜24cは、図2に示すように、電磁弁6と、自動制御装置7、圧力調整弁9により行われる。図2では、図面左側の車体支持装置1の制御系しか示していないが右側の制御系も左と同一であり、ここでは、左側の車体支持装置1の制御系についてのみ説明する。
【0032】
車体支持装置1に設けられた車体傾斜用空気ばね24a〜24cは、それぞれ電磁弁6、6、6を経由して、圧力調整弁9と接続されており、圧力調整弁9は元空気溜Pと接続されている。
【0033】
圧力調整弁9は、傾斜用空気ばね24a〜24cの内圧と偏倚用空気ばね22の内圧とを関連付けるためのものである。
圧力調整弁9は、偏倚用空気ばね22の給排気管28aの内圧を検出する圧力検出器91に接続されている。
圧力調整弁9は、圧力検出器91から出力される偏倚用空気ばね22の内圧データを常時入力し、この内圧データを基に傾斜用空気ばね24a〜24cの内圧を偏倚用空気ばね22の内圧と同等もしくは所定の比率をかけた圧力に保っている。
これは、傾斜用空気ばね24a〜24cのばね定数を車体重量に応じた適値に設定するためであり、傾斜用空気ばね24a〜24cの内圧を、予め適値に設定された偏倚用空気ばね22の内圧と関連づけた値にすることで傾斜用空気ばね24a〜24cのばね定数も適値に設定される。
【0034】
電磁弁6は、傾斜用空気ばね24a〜24cに接続された給排気管28b〜28dの流れの方向を制御する方向制御弁であり、自動制御装置7から送信される信号によって、弁を切り換える。
即ち、電磁弁6の切り換えにより、傾斜用空気ばね24a〜24cに空気を入れたり、排出して、各傾斜用空気ばね24a〜24cの高さを2段階に調整する。
【0035】
自動制御装置7は、車体傾斜角度を算出するためのデータ、例えば、台車Dの偏倚角度や車両の走行速度から車体傾斜角度を算出し、算出された車体傾斜角度に応じて電磁弁6、6、6に切換操作を指示する。
電磁弁6は、傾斜用空気ばね24a〜24cと圧力調整弁4を繋ぐ管路と、傾斜用空気ばね24a〜24cと大気中を繋ぐ管路に分かれており、大気と繋がれた管路にはオリフィスまたは絞り等が設けられ、管路抵抗により傾斜用空気ばね24a〜24cの空気排出速度が適正に制御されている。
【0036】
以上のような構成による傾斜用空気ばね24a〜24cの車体傾斜動作について説明する。
図2は、本車体支持装置1の直線路走行時の状態を示す図である。
図2に示すように、直線路走行時において、電磁弁6、6、6は、元空気溜Pと連通した状態にあり、傾斜用空気ばね24a〜24cには空気が充填され、各傾斜用空気ばね24a〜24cは位置決めボス241により所定の高さに保たれている。
【0037】
ここで、車両が曲線路に進入すると、自動制御装置7は台車Dの偏倚角度や車両の走行速度から、適当な傾斜用空気ばね24a〜24cを選択し、電磁弁6に管路の切り換えを指示する。
【0038】
そして、電磁弁6が作動し、電磁弁6の管路が切り換えられると、傾斜用空気ばね24a〜24cの空気は給排気管28b〜28dを通って大気中に排出され、傾斜用空気ばね24a〜24cは収縮し、位置決めボス242のフランジ下面は対向する空気連通室23a、25a、26aの底面に当接する。
傾斜用空気ばね24a〜24cのいずれを、又は何個を収縮させるかは必要な傾斜角により決定され、必要な空気ばねが収縮すると、図4に示すように、車体Sは傾斜する。
なお、車体Sの傾斜には上側の傾斜用空気ばねから行うほうが望ましい。
【0039】
また、このとき車体Sと車体支持装置1をピンジョイント部8で連結し、車体Sが車体支持装置1の上方で車体Sの左右方向に回動するようにしたため、車体支持装置1の上面、すなわち、最上段の上傾斜用空気ばね24cは水平な状態を保ったまま、傾斜した車体Sを支持し、傾斜用空気ばね24a〜24cは車体Sとともに傾くことがなく、車体傾斜時の傾斜用空気ばね24a〜24cの高さを意図した値に保つことができる。
【0040】
また、電磁弁6の大気に連通するポートにはオリフィス、または、絞りが設けられているため、傾斜用空気ばね24a〜24c内の空気は、管路の抵抗により徐々に排出されることとなり、車体支持装置1の高さは、適正な速度で低くなっていき、車体内部に違和感を与えないようになっている。
【0041】
その後、車両が再び直線路に進入するときになると、自動制御装置7は台車Dの回転偏倚角度と走行速度から電磁弁6を切り換えて、元空気溜Pと傾斜用空気ばね24a〜24cを連通させ、収縮した傾斜用空気ばね24a〜24cに空気を注入して、傾斜用空気ばね24a〜24cの高さを所定値に戻す。
【0042】
以上のように、本発明における車体支持装置1は、偏倚用空気ばね22に傾斜用空気ばね24a〜24cが積層された構造をしており、車体Sと台車Dの偏倚の許容には偏倚用空気ばね22を利用し、車体Sの傾斜には傾斜用空気ばね24a〜24cを利用することを特徴とし、車体偏倚の制御と、車体傾斜の制御が分離され制御が単純になる。
【0043】
また、傾斜用空気ばね24a〜24cの高さ方向の変位を電磁弁6の開閉操作のみによって、実行するようにしたため、自動制御装置7の指示が単純になり、信頼性の高い制御系とすることができる。
【0044】
また、各傾斜用空気ばね24a〜24cの位置決めボス242を設けたため、傾斜用空気ばね24a〜24cの車体傾斜時における高さ方向の変位が容易に調節でき、複数の傾斜用空気ばねを積層した構造であっても、台車Dの高さ設定が容易にできる。
【0045】
さらに、傾斜用空気ばね24a〜24cの位置決めボス242の上端部は空気室の上面に固定され、下部は下隔て板23、中隔て板25、上隔て板26の位置決めボス挿入孔に嵌入されているため、車両100が曲線路を走行する際に、傾斜用空気ばね24a〜24cの位置決めボス242の円柱部分が空気連通室23a、25a、26aの位置決めボス挿入用の挿入孔に当接して、傾斜用空気ばね24a〜24cは横ずれしなくなっている。
【0046】
更に、傾斜用空気ばね24a〜24cの内圧を偏倚用空気ばね22の内圧と関連づけた値に調整するため、偏倚用空気ばね22だけでなく、傾斜用空気ばね24a〜24cのばね定数の設定が容易で、車体振動が減り、乗客の乗り心地のよい車両を提供することができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態にかかる車体支持装置100について、図5を用いて説明する。
第2の実施の形態にかかる車体支持装置100は、第1の実施の形態の傾斜用空気ばね24a〜24cの上に偏倚用空気ばね22を取り付けたことを特徴とする。
【0048】
具体的には、図5に示すように、台車枠Dは、車体Sの中央部側面が逆ハ状に形成された凹部D1を有しており、このような台車枠Dの中央部に空気ばね部2と積層ゴム3が配置されている。側はりの凹部D1が逆ハの字状に上方に広がっているため、車体支持装置1の水平方向の移動も上側の方が広く取れるようになっている。そのため、偏倚用空気ばね22を最上部に配置すると、偏倚用空気ばね22の横ずれに必要なあそびが不必要になり、側はりの中央部に設けられた凹部D1の水平部分の距離を短くすることが可能となり、その結果、台車枠Dの両端部に取り付けられた車軸間の距離を短くすることが可能になる。
【0049】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとする。
例えば、図4の図面において、本実施例の台車は、枕ばり(ボルスタ)のないボルスタレス台車のように書かれているが、必ずしもボルスタレス台車である必要はなく、枕ばりを有するダイレクトマウント台車や、インダイレクトマウント台車にも適用できる。
【0050】
また、上記実施の形態においては、傾斜用空気ばねを複数段積層させた構造としたが、一つの傾斜用空気ばねの内部を複数段の階層構造として、各階層の空気室の給排気を別個独立に制御する構成であってもよく、これらは本発明の技術的思想に含まれる。
【0051】
【発明の効果】
本発明による主効果は、第1の空気ばねにより車体に対する台車の回転変位が吸収され、第2の空気ばねと車体傾斜制御手段により車体の傾斜が制御されるので、車体の回転変位を許容する制御と、車体を傾斜させる制御が別々行われることとなって、3次元的な複雑な制御を行う必要がなく、車体傾斜制御を容易かつ正確に行うことが出来るということである。
加えて、第2の空気ばねを複数段に積層させて、各々の第2の空気ばねの高さ調整を別個独立に行い、車体傾斜制御をより簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車体支持装置の側面図である。
【図2】本発明を適用した車体支持装置および車体支持装置の制御系を示す図である。
【図3】本発明を適用した車体支持装置要部の断面図である。
【図4】本発明を適用した車体支持装置の車体傾斜時の状態を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る車体支持装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1 車体支持装置
2 空気ばね部
3 積層ゴム
5 高さ調整装置
6 電磁弁
7 自動制御装置
8 ピンジョイント部
9 圧力調整弁
22 偏倚用空気ばね(第1の空気ばね)
24a〜24c 傾斜用空気ばね(第2の空気ばね)
28a〜28c 給排気管
242 位置決めボス(高さ上昇阻止手段)
91 圧力検出器
Claims (6)
- 左右の台車枠上に設けられた一対の空気ばね部を介して車体を支持する鉄道車両用の車体傾斜装置において、
前記空気ばね部は、
内部の空気量の調整により前記車体を弾性的に支持するとともに、曲線路での車体に対する台車回転変位を吸収する第1の空気ばねと、
内部の空気量の調整により車体の高さを変更する第2の空気ばねと、
を備え、
前記第2の空気ばねは複数段に積層されて構成され、
各段ごとに独立して空気の出入が制御されることを特徴とする車体傾斜装置。 - 請求項1記載の車体傾斜装置において、
前記第2の空気ばねの各段の高さは2段階に制御されることを特徴とする車体傾斜装置。 - 請求項1又は2に記載の車体傾斜装置において、
前記各第2の空気ばねに給気することに基づく第2の空気ばねの高さ上昇を所定の位置に制限する高さ上昇阻止手段を備えていることを特徴とする車体傾斜装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記車体は、前記空気ばね部にピン結合されていることを特徴とする車体傾斜装置。 - 請求項1〜4の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記第1の空気ばねの内圧を検知する内圧検知手段と、
前記内圧検知手段によって検知された内圧に基づいて、前記第2の空気ばねの圧力を前記内圧と等しく、若しくは該内圧に所定の比率をかけた値に調整する圧力調整手段と、
を備えていることを特徴とする車体傾斜装置。 - 請求項1〜5の何れかに記載の車体傾斜装置において、
前記空気ばね部は、前記台車枠に設けられた側面が逆ハ状の側はりの凹部底面に取り付けられ、
前記第1の空気ばねは、前記第2の空気ばねの上面に一体的に連設されていることを特徴とする車体傾斜装置。
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