しかしながら、上記従来の構成では、以下のような問題を生じる。
すなわち、図8の構成では、ポリゴンミラー84は、上述したように、各側面が反射面となっている多角柱形状をしており、回転軸を中心に、図中矢印A方向に回転する。この回転軸と反射面とがなす角度、回転軸方向における反射面の長さ、反射面の反射率などが、複数の反射面で互いに異なると、感光体ドラム87上に形成されるビームスポットに関し、位置ずれや光量の変動が生じる。したがって、上記位置ずれや光量の変動を防ぐためには、ポリゴンミラー84を非常に高い加工精度で製造する必要がある。このため、ポリゴンミラー84の製造コストが高額となっていた。
また、回転軸と反射面とがなす角度が反射面ごとに異なることにより生じる不具合を低減するために、ポリゴンミラーの回転軸方向におけるビーム径を小さくする必要があった。したがって、シリンドリカルレンズ83を用いることが必須であった。
一方、ポリゴンミラー84の代わりに、単一の反射面を備えた反射鏡を用いれば、このような問題は生じない。しかし、反射面の回転速度を従来型の露光装置と同一とすると、例えば反射面の数が6面である従来型のポリゴンミラーに比較して、走査速度(単位時間あたりに走査される画像領域の、副走査方向における長さ)は、1/6に低下する。走査速度も同じとするには、反射面の回転速度を従来の6倍にする必要がある。ところが、現状でも、反射面は数万rpmと十分に高速回転しており、これ以上の高速化は困難である。
この点、特許文献1の方式によれば、例えば、6個の走査光学系を配置することにより、反射面の回転速度が、反射面の数が6面であるポリゴンミラーと同じであっても、走査速度は同一とすることができる。
しかしながら、特許文献1の方式では、走査光学系を複数備える必要がある。また、走査光学系の数だけ感光体ドラムが必要になる。さらに、全ての走査光学系を印刷紙が通過するための搬送系も別途必要になる。このため、装置の製造コストが増加し、装置サイズも増大するという問題が生じる。さらに、複数の走査光学系があるということは、各走査光学系間で、感光体ドラムの表面上に形成されるビームスポットの位置ズレが当然、発生する。このため、各部品の精度や組立て精度を高精度にする必要があり、単一の反射面としたメリットが損なわれる。よって、特許文献1の方式では、十分な解決策になっていなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光装置、画像形成装置および露光方法を提供することにある。
本発明に係る露光装置は、上記課題を解決するために、ビームを射出するビーム射出手段と、該ビーム射出手段から射出されたビームを回転可能な反射面によって偏向する偏向手段とを備え、上記反射面の回転に伴い、偏向後のビームを感光材の表面上に走査させて該感光材の表面を露光する露光装置において、上記偏向手段は、上記反射面として単一の反射面を備え、上記単一の反射面により偏向された後の上記複数本のビームを上記感光材の表面上の異なる位置に照射することを特徴としている。
上記の構成によれば、偏向手段が有する反射面は、単一の反射面である。それゆえ、偏向手段自体が、ポリゴンミラーよりも簡易な構成となっている。また、反射面が1つしかないので、反射面と反射面の回転軸とがなす角度が反射面ごとに異なる、ということはない。このため、反射面と反射面の回転軸とがなす角度の反射面毎の差異による不具合を低減するための、シリンドリカルレンズを設ける必要がない。以上の理由から、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成よりも、装置構成を簡略化できる。
さらに、上記反射面により偏向された複数本のビームを感光材の表面上の異なる位置に照射するので、感光材の表面上を、複数本のビームによって同時に走査できる。このため、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成に劣らない走査速度を実現できる。
したがって、上記の構成によれば、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光装置を提供できる。
本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記感光材は、回転可能な感光体ドラムであり、上記感光体ドラムの周長をLと、上記感光体ドラムの単位時間あたりの回転数をbと、上記反射面の回転に伴い、偏向後のビームが上記感光体ドラムの表面を走査する際の走査方向を主走査方向と、上記感光体ドラムの回転方向とは逆の方向を副走査方向と、主走査方向への1回の走査によって上記感光体ドラムの表面上に形成される画像領域の副走査方向長さをd1とすると、上記反射面の上記単位時間あたりの回転数aは、Lとd1との単位を同一とした場合、
a<L×b/d1
で示される構成であってもよい。
上記の構成によれば、偏向手段の単一の反射面が1回転するために要する時間は、感光体ドラムの表面が、上記長さd1の分だけ回転するために要する時間よりも長くなる。それゆえ、主走査方向への1回の走査によって感光体ドラムの表面上に形成される画像領域と、主走査方向への次の1回の走査によって感光体ドラムの表面上に形成される画像領域との間に、重複部分は生じない。すなわち、感光体ドラムの表面上の同じ領域が続けて露光されることはない。したがって、感光体ドラムの表面上に形成される静電潜像の品位低下を防止できる。
本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記複数本のビームがそれぞれ主走査方向に沿って感光体ドラムの表面上に形成する像であって、隣り合う像についての、感光体ドラムの表面に沿った副走査方向の間隔は一定であり、該間隔をd2とすると、上記回転数aは、d1とd2との単位を同一とした場合、
a=L×b/(d1+d2)
で示される構成であってもよい。
上記の構成によれば、複数本のビームが主走査方向に沿って感光体ドラムの表面上に形成する像であって、隣り合う像についての、感光体ドラムの表面に沿った副走査方向の間隔は一定値d2であり、かつ、主走査方向への1回の走査によって感光体ドラムの表面上に形成される画像領域と、主走査方向への次の1回の走査によって感光体ドラムの表面上に形成される画像領域との間の間隔は、上記d2に等しくなる。それゆえ、主走査方向に沿って感光体ドラムの表面上に形成される像の全てについて、感光体ドラムの表面に沿った副走査方向の間隔が一定となる。それゆえ、感光体ドラムの回転による副走査方向への走査を、常に一定間隔で行うことができる。したがって、ムラのない高品位な静電潜像を、感光体ドラムの表面上に形成できる。
本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記ビーム射出手段からの複数本のビームの出力をオンにするかオフにするかを切り換える出力制御手段をさらに備え、上記出力制御手段は、上記複数本のビームの光路上に上記偏向手段の反射面がない期間は、上記ビーム射出手段からのビームの出力をオフにする構成であってもよい。
ビームの光路上に偏向手段の反射面がない間は、ビーム射出手段からのビームの出力をオフにすることにより、反射面以外の部分によってビームが反射されることを防止できる。それゆえ、反射面以外の部分によって反射されたビームが感光材の表面上に照射されることはなくなる。したがって、感光材の表面上に不要なビームが入射することによる、静電潜像の品位低下を防止できる。
本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記偏向手段の反射面以外の部分であって、反射面の回転に伴って上記複数本のビームが入射する部分は、該ビームの反射を防止する表面処理がなされていてもよい。
上記の構成によれば、偏向手段の反射面以外の部分であって、反射面の回転に伴って上記複数本のビームが入射する部分は、該ビームの反射を防止する表面処理がなされていることにより、反射面以外の部分によってビームが反射されることを防止できる。それゆえ、反射面以外の部分によって反射されたビームが感光材の表面上に照射されることはなくなる。したがって、感光材の表面上に不要なビームが入射することによる、静電潜像の品位低下を防止できる。
本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記ビーム射出手段は、単一のビームを射出する光源と、上記光源から射出された単一のビームを上記複数本のビームに分割する分割手段とを備えていてもよい。
上記の構成によれば、光源から射出された単一のビームを分割手段によって分割することにより、複数本のビームを得ることができる。
また、本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記ビーム射出手段は、複数の発光部を備え、各発光部が単一のビームを射出する構成であってもよい。
上記の構成によれば、ビーム射出手段が複数の発光部を備え、各発光部が単一のビームを射出することにより、複数本のビームを簡単な構成によって得ることができる。
また、本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記分割手段は、複数の光変調素子を備え、全ての光変調素子が、上記光源から射出された単一のビームを反射することにより、上記複数本のビームに分割するものであって、上記各光変調素子は、上記光源から射出された単一のビームを反射させるか、透過させるかを切り換える構成であってもよい。
上記の構成によれば、全ての光変調素子が、光源から射出された単一のビームを反射させるか、透過させるかを切り換えるので、ビーム射出手段からのビームの出力をオンにするかオフにするかを、ビーム毎に切り換えることができる。
また、本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記ビーム射出手段は、上記分割手段により分割された上記複数本のビームを集光する集光手段を備えると共に、上記集光手段で集光されたビーム毎に、自素子に入射するビームを反射させるか、透過させるかを切り換える光変調素子を個別に備えており、上記反射または透過したビームが上記反射面によって偏向される構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記ビーム射出手段は、上記分割手段により分割された上記複数本のビームを集光する集光手段を備えると共に、上記集光手段で集光されたビーム毎に、自素子に入射するビームを反射させるか、透過させるかを切り換える光変調素子を個別に備えているので、ビーム射出手段からのビームの出力をオンにするかオフにするかを、ビーム毎に切り換えることができる。また、集光手段によって集光されることによりビーム径が小さくなったビームを光変調素子に照射するので、小さくなったビーム径に応じて、光変調素子を小型化できる。光変調素子を小型化することにより、ビームを反射させるか、透過させるかの切り換えがより高速となるので、各ビームの出力をオンにするかオフにするかの切り換えを、より高速に行うことができる。
また、本発明に係る露光装置は、上記の露光装置において、上記分割手段は回折格子であってもよい。
分割手段として回折格子を用いることにより、複数本のビームを簡単な構成によって得ることができる。
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記した露光装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記した露光装置を備えていることにより、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光装置を備えた、画像形成装置を実現できる。
本発明に係る露光方法は、上記課題を解決するために、ビームを射出するビーム射出ステップと、射出したビームを回転可能な反射面によって偏向する偏向ステップとを有し、上記反射面の回転に伴い、偏向後のビームを感光材の表面上に走査させて該感光材を露光する露光方法において、上記ビーム射出ステップでは、複数本のビームを同時に射出し、上記偏向ステップでは、上記複数本のビームを、単一の反射面により同時に偏向することを特徴としている。
上記の方法によれば、偏向手段が有する反射面は、単一の反射面である。それゆえ、偏向手段自体が、ポリゴンミラーよりも簡易な構成となっている。また、反射面が1つしかないので、反射面と反射面の回転軸とがなす角度が反射面ごとに異なる、ということはない。このため、反射面と反射面の回転軸とがなす角度の反射面毎の差異による不具合を低減するための、シリンドリカルレンズを設ける必要がない。以上の理由から、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成よりも、装置構成を簡略化できる。
さらに、複数本のビームを感光材の表面上の異なる位置に照射するので、感光材の表面上を、複数本のビームによって同時に走査できる。このため、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成に劣らない走査速度を実現できる。
したがって、上記の構成によれば、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光方法を提供できる。
本発明に係る露光装置は、以上のように、上記偏向手段は、上記反射面として単一の反射面を備え、上記単一の反射面により偏向された後の上記複数本のビームを上記感光材の表面上の異なる位置に照射するので、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光装置を提供できる。
また、本発明に係る画像形成装置は、以上のように、本発明に係る露光装置を備えているので、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現できる露光装置を備えた、画像形成装置を実現できる。
また、本発明に係る露光方法は、以上のように、上記ビーム射出ステップでは、複数本のビームを同時に射出し、上記偏向ステップでは、上記複数本のビームを、単一の反射面により同時に偏向するので、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現可能な露光方法を提供できる。
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると、以下の通りである。
まず、本実施の形態の露光装置を備えた画像形成装置について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態の露光装置を備えた画像形成装置の概略図である。
画像形成装置1は、露光装置(光走査装置)2および感光体ドラム3を備えている。露光装置2は、マルチビーム光源装置(ビーム射出手段)11、コリメータレンズ12、偏向ミラー(偏向手段)13、Fθレンズ14、ミラー15、および制御部(回転制御部、出力制御部)16を備えている。
マルチビーム光源装置11は、同時に6本のビームを射出する装置である。なお、マルチビーム光源装置11の具体的な構成については、後述する。コリメータレンズ12は、マルチビーム光源装置11から射出された各ビームを平行光にするレンズである。
偏向ミラー13は、図中の矢印A方向に回転可能な単一の反射面13sを備えており、コリメータレンズ12によって平行化された各ビームを、この反射面13sによって同時に偏向するものである。Fθレンズ14は、偏向ミラー13により偏向された各ビームを集光するためのレンズである。ミラー15は、Fθレンズ14により集光された各ビームを、露光対象である感光体ドラム3の表面上に照射させるための鏡である。
感光体ドラム3は、表面に感光材料が塗布された、円筒形状の部材である。この感光体ドラム3は、円形の各底部の中心を通る線を回転軸として、図中C方向に回転可能に構成されている。また、感光体ドラム3は、図示しない帯電器により帯電されている。
制御部16は、反射面13sの回転と、感光体ドラム3の回転とを制御する部材である。また、制御部16は、図示しないセンサが検出した反射面13sの回転角度に基づいて、マルチビーム光源装置11からの出力をオンにするかオフにするかを制御する部材である。
マルチビーム光源装置11から射出された6本のビームは、まず、コリメータレンズ12によって平行光にされる。平行光となった各ビームは、次に、偏向ミラー13によって反射される。
偏向ミラー13によって反射された各ビームは、Fθレンズ14によって集光される。その後、各ビームは、ミラー15によって反射され、感光体ドラム3の表面上の異なる位置(より具体的には、後述する副走査方向において互いに異なる位置)に、6つのビームスポットを形成する。
感光体ドラム3の表面上に照射された6本のビームは、偏向ミラー13の反射面13sの回転に伴って、図中の矢印B方向(以下、主走査方向と称する)に向かって、感光体ドラム7の表面上を走査する。
また、反射面13sの回転に伴い、感光体ドラム3も、図中の矢印C方向に回転する。したがって、感光体ドラム3の回転によって、反射面13sによって反射されたビームによる、感光体ドラム3の表面上における、図中の矢印D方向(以下、副走査方向と称する)に関する走査が行われる。
このような、反射面13sの回転による主走査方向への走査と、感光体ドラム3の回転による副走査方向への走査とによって、露光された感光体ドラム3の表面上には、静電潜像が形成される。
このようにして形成された静電潜像は、図示しない現像装置によって顕像化された後、図示しない転写器によって、紙などの記録材に転写される。
本実施の形態の露光装置2では、同時に照射される6本のビームがそれぞれ主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成する像であって、隣り合う像についての、感光体ドラム3の表面に沿った副走査方向の間隔は、一定となっている。また、この間隔をd2(mm)と、感光体ドラム3の周長をL(mm)と、感光体ドラム3の1分あたりの回転数をb(rpm)と、主走査方向への1回の走査によって感光体ドラム3の表面上に形成される画像領域の副走査方向長さをd1(mm)とすると、反射面13sの1分あたりの回転数a(rpm)は、以下の式(1)で示される関係を満たすように、制御部16によって制御されている。
a=L×b/(d1+d2) … (1)
上記式(1)で示される関係が満たされているとき、反射面13sが1回転するために要する時間1/a(分)は、以下の式(2)で示される。
1/a=(d1+d2)/L×b … (2)
ここで、L×bは、感光体ドラム3の表面の回転速度を示している。よって、上記式(2)からは、(反射面13sが1回転するために要する時間)=(感光体ドラム3の表面が上記長さd1に上記間隔d2を加えた長さの分だけ回転するために要する時間)という関係が導かれる。よって、反射面13sが1回転する期間に、感光体ドラム3の表面は、上記長さd1に上記間隔d2を加えた長さの分だけ回転するということが分かる。このとき、主走査方向への1回の走査によって感光体ドラム3の表面上に形成される画像領域と、主走査方向への次の1回の走査によって感光体ドラム3の表面上に形成される画像領域との間の間隔は、上記d2に等しくなる。したがって、主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成される像の全てについて、感光体ドラム3の表面に沿った副走査方向の間隔が一定となる。
このように、同時に照射される6本のビームがそれぞれ主走査方向に沿って感光体ドラム3上に形成する像であって、隣り合う像についての、感光体ドラム3の表面に沿った副走査方向の間隔が一定であり、かつ、制御部16が、上記式(1)の関係を満足するように、反射面13sの1分あたりの回転数aを制御することにより、主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成される像の全てについて、感光体ドラム3の表面に沿った副走査方向の間隔が一定となる。それゆえ、感光体ドラム3の回転による副走査方向への走査を、常に一定間隔で行うことができる。したがって、ムラのない高品位な静電潜像を、感光体ドラム3の表面上に形成できる。
本実施の形態においては、反射面の数が6面であるポリゴンミラーを用いる構成と同一の走査速度(単位時間あたりに走査される画像領域の、副走査方向における長さ)を確保すべく、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの数が6本の場合について記載している。しかしながら、射出されるビームの数は、6本に限られない。ビームの数が多くなるほど、反射面13sが1回転する間に走査される画像領域の、副走査方向における長さは増加するので、より高速な走査を行うことができる。
また、本実施の形態においては、制御部16は、上記式(1)で示される関係を満たすように、反射面13sの1分あたりの回転数aを制御している。しかしながら、制御部16は、以下の式(3)で示される関係を満たすように、上記回転数aを制御してもよい。
a<L×b/d1 … (3)
上記式(3)で示される関係が満たされているとき、反射面13sが1回転するために要する時間1/a(分)は、以下の式(4)で示される。
1/a>d1/L×b … (4)
上述したように、L×bは、感光体ドラム3の表面の回転速度を示している。よって、上記式(4)からは、(反射面13sが1回転するために要する時間)>(感光体ドラム3の表面が上記長さd1の分だけ回転するために要する時間)という関係が導かれる。このとき、主走査方向への1回の走査によって感光体ドラム3の表面上に形成される画像領域と、主走査方向への次の1回の走査によって感光体ドラム3の表面上に形成される画像領域との間に、重複部分は生じない。すなわち、感光体ドラム3の表面上の同じ領域が続けて露光されることはない。したがって、感光体ドラム3の表面上に形成される静電潜像の品位低下を防止できる。
また、本実施の形態においては、図1に示すように、6本のビームが主走査方向に沿って感光体ドラムの表面上に形成する像は、副走査方向において互いに等間隔に並んでいる。この構成によれば、感光体ドラム3の表面上に形成される静電潜像に生じるムラが少なくなるという利点がある。しかしながら、6本のビームが主走査方向に沿って感光体ドラムの表面上に形成する像は、必ずしも、副走査方向において互いに等間隔に並んでいる必要はない。
また、上記の説明では感光材として感光体ドラムを用いたが、感光材はこれに限らず、例えば印画紙であってもよい。印画紙を用いる場合は、印画紙を搬送するための搬送系を別途設けることになる。このとき、同時に照射される6本のビームがそれぞれ印画紙の表面上に形成する像であって、隣り合う像についての、印画紙の搬送方向における間隔は一定とすることが好ましい。また、一定としたこの間隔をd4(mm)と、印画紙の搬送速度をv(mm/分)と、印画紙の表面上に照射された6本のビームが1回の走査によって印画紙の表面上に形成する画像領域の、印画紙の搬送方向長さをd3(mm)とするとき、制御部16は、以下の式(5)で示される関係を満たすように、反射面13sの1分あたりの回転数aを制御することが好ましい。
a=v/(d3+d4) … (5)
上記式(5)で示される関係が満たされているとき、反射面13sが1回転するために要する時間1/a(分)は、以下の式(6)で示される。
1/a=(d3+d4)/v … (6)
上記式(6)は、(反射面13sが1回転するために要する時間)=(印画紙が上記長さd3に上記間隔d4を加えた長さの分だけ搬送されるために要する時間)という関係を示している。よって、反射面13sが1回転する期間に、印画紙は、上記長さd3に上記間隔d4を加えた長さの分だけ搬送されるということが分かる。このとき、6本のビームが1回の走査によって印画紙の表面上に形成する画像領域と、6本のビームが次の1回の走査によって印画紙の表面上に形成する画像領域との間の間隔は、上記d4に等しくなる。それゆえ、印画紙の表面上に形成される像の全てについて、印画紙の搬送方向における間隔が一定となるので、印画紙の搬送による走査を、常に一定間隔で行うことができる。したがって、ムラのない高品位な静電潜像を、印画紙の表面上に形成できる。
また、感光材として印画紙を用いる場合、制御部16は、以下の式(7)で示される関係を満たすように、上記回転数aを制御してもよい。
a<v/d3 … (7)
上記式(7)で示される関係が満たされているとき、反射面13sが1回転するために要する時間1/a(分)は、以下の式(8)で示される。
1/a>d3/v … (8)
上記式(8)は、(反射面13sが1回転するために要する時間)>(印画紙が上記長さd3の分だけ搬送されるために要する時間)という関係を示している。このとき、6本のビームが1回の走査によって印画紙の表面上に形成する画像領域と、6本のビームが次の1回の走査によって印画紙の表面上に形成する画像領域との間に、重複部分は生じない。すなわち、印画紙の表面上の同じ領域が続けて露光されることはない。したがって、印画紙の表面上に形成される静電潜像の品位低下を防止できる。
上記の説明では、露光装置2の制御部16が反射面13sの1分あたりの回転数aを制御するとしたが、これに代えて、またはこれと共に、画像形成装置1の図示しない制御部が、感光体ドラム3の1分あたりの回転数bまたは印画紙の搬送速度vを制御してもよい。
なお、上記の説明で用いた各単位は例示であり、同種の量に同じ単位を用いる限り、上記と異なる単位を用いてもよい。
次に、マルチビーム光源装置11について、図2〜図7を用いて説明する。なお、同一の機能を有する部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図2は、マルチビーム光源装置11の一構成例を示す概略図である。図2に示すマルチビーム光源装置11は、光源21と、光変調素子アレイ24とを備えている。
光源21は、単一の光ビームを射出する部材である。
光変調素子アレイ24は、図3に示すように、8個の光変調素子30を備えている。この光変調素子30は、それぞれ、光源21から射出された単一のビームを反射させるか透過させるかを、自身に印加される電圧に応じて切り換える光変調素子である。
図3では、各光変調素子30は、自身に電圧が印加されている時はビームを反射させ、電圧が印加されていない時はビームを透過させる。
なお、図3では、光変調素子アレイ24は、8個の光変調素子30を備えている。しかし、光変調素子30の数は、複数本のビームをマルチビーム光源装置11から射出できるように複数個設けられていれば、特に限定されない。
また、図3では、各ビームが主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成する像を副走査方向において等間隔に並ばせるための構成として、光変調素子30を、一直線上に等間隔に配列している。しかしながら、光変調素子30の配列は、これに限られるものではない。図4は、光変調素子30の他の配列例を示す図である。例えば、図4に示すように、光変調素子30を、マトリクス状に配列し所定の角度θだけ傾けた構成としてもよい。この場合も、各光変調素子30同士の間隔および所定の角度θを適宜調節することにより、各ビームが主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成する像を副走査方向において等間隔に並ばせることができる。
図2に示すマルチビーム光源装置11では、光変調素子30によって反射したビームを、装置外部に出力する構成となっている。よって、各光変調素子30に対して電圧を印加するか否かを、露光装置2の制御部16が制御することにより、マルチビーム光源装置11からビームを外部に出力するか否かを切り換えられる。
具体的には、制御部16は、図示しないセンサによって反射面13sの回転角度を検出し、検出した回転角度に基づいて、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがあるか否かを判断する。マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがある期間には、制御部16は、光変調素子30に対して電圧を印加するように、図示しない電圧供給源を制御する。一方、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがない期間には、制御部16は、光変調素子30へ電圧を印加しないように、図示しない電圧供給源を制御する。
これにより、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがある期間には、マルチビーム光源装置11からのビームの出力をオンにでき、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがない期間には、マルチビーム光源装置11からのビームの出力をオフにできる。その結果、反射面13s以外の部分によって反射されたビームが感光体ドラム3の表面上に照射されることはなくなるので、感光体ドラム3の表面上に不要なビームが入射することによる、静電潜像の品位低下を防止できる。
図2の構成によれば、光源21から射出された単一のビームを、複数の光変調素子30によって反射させることにより、複数本のビームに分割できる。その際、分割されたそれぞれのビームについて、ビームの出力をオンにするかオフにするかを、個別に切り換えることができるので、各ビームにより露光パターンを形成できる。
図5は、マルチビーム光源装置11の他の構成例を示す概略図である。図2に示すマルチビーム光源装置11では、光変調素子30によって反射されたビームを、装置外部に出力する構成となっているが、図5に示すように、光変調素子30を透過したビームを、装置外部に出力する構成とすることもできる。
ところで、上述したように、図3の構成における光変調素子30は、自身に電圧が印加されている時はビームを反射させる一方、電圧が印加されていない時はビームを透過させる。しかし、これとは逆に、自身に電圧が印加されている時はビームを透過させる一方、電圧が印加されていない時はビームを反射させる構成の光変調素子を用いてもよい。
図6は、マルチビーム光源装置11のさらに他の構成例を示す概略図である。図6に示すマルチビーム光源装置11は、光源21と、回折格子(分割手段)22と、光学レンズ(集光手段)23と、光変調素子アレイ24とを備えている。なお、特許請求の範囲に記載した分割手段に相当する部材は、図6の構成においては、回折格子22である。
回折格子22は、光源21から射出された単一のビームを、複数本のビームに分割する部材である。光学レンズ23は、回折格子22によって分割されたビームを集光する部材である。
光源21から射出された単一のビームは、まず、回折格子22によって、複数本のビームに分割される。その後、この複数本のビームは、光学レンズ23によって光変調素子アレイ24上に集光される。光変調素子アレイ24上に集光されたビームは、それぞれのビームと1対1に対応する光変調素子30によって反射または透過される。光変調素子30によって反射されたビームは、コリメータレンズ12に入射する。
図6の構成によれば、回折格子22による分割後の各ビームを、該ビームに対応する光変調素子30によって反射または透過させるので、回折格子22による分割後の各ビームについて、ビームの出力をオンにするかオフにするかを、個別に切り換えることができる。また、回折格子22による分割後の各ビームを光学レンズ23によって集光することにより、各ビームのビーム径が小さくなる。したがって、小さくなったビーム径に応じて、光変調素子30を小型化できる。また、光変調素子30を小型化することにより、ビームを反射させるか透過させるかの切り換えがより高速となる。したがって、光変調素子30を小型化すれば、各ビームの出力をオンにするかオフにするかの切り換えを、より高速に行うことができる。
図6は、簡略化のため、回折格子22によってビームを3本に分割する場合を記載しているが、回折格子以外の部材によってビームを分割してもよい。また、分割後のビームの数は、3本に限らず、2本でもよいし、4本以上でもよい。
回折格子を用いてビームを分割する構成とすれば、複数の光学素子を用いてビームを分割する構成に比べて、ビームが経由する光学素子の数を減らすことができる。したがって、ビームの光量損失を低減できる。また、回折格子を用いる場合は、分割後の各ビームの光量が均一となるように、格子溝深さと格子断面形状とを最適化することが好ましい。
また、図6では、光変調素子30によって反射されたビームを、装置外部に出力する構成となっているが、光変調素子30を透過したビームを、装置外部に出力する構成とすることもできる。
また、マルチビーム光源装置11として、例えばマルチビームレーザ、面発光レーザアレイ(VCSEL)などの、2個以上の発光部を有する光源装置を用いてもよい。これらの光源装置を用いる構成では、露光装置2の制御部16は、各発光部へ電圧を印加するか否かを切り換えることにより、マルチビーム光源装置11からのビームの出力をオンにするかオフにするかを切り換えることができる。さらに、ビームを分割するための光学系が不要になるので、マルチビーム光源装置11を小型化できる。
また、マルチビーム光源装置11として2個以上の発光部を有する光源装置を用いた場合も、図4に示した構成と同様にして、各発光部を、マトリクス状に配列し所定の角度θだけ傾けた構成としてもよい。この場合も、各発光部同士の間隔および所定の角度θを適宜調節することにより、各ビームが主走査方向に沿って感光体ドラム3の表面上に形成する像を副走査方向において等間隔に並ばせることができる。
図7は、マルチビーム光源装置11のさらに他の構成例を示す概略図である。図7に示すマルチビーム光源装置11は、光源41a・41b、コリメータレンズ42a・42b、反射面43a・43b、偏光ビームスプリッタ44、および、光検出器45を備えている。
2つの光源41a・41bは、それぞれ単一のビームを射出する部材である。コリメータレンズ42a・42bは、それぞれ、光源41a・41bから射出されたビームを平行光にするレンズである。反射面43a・43bは、それぞれ、コリメータレンズ42a・42bによって平行光となったビームを反射させる部材である。
偏光ビームスプリッタ44は、自身に入射する各ビームをそれぞれ分割する部材である。
光検出器45は、自身に入射したビームから、各光源の相対的な位置情報や光量情報を検出する部材である。
光源41aから射出されたビームは、コリメータレンズ42aによって平行化された後、反射面43aによって反射される。反射面43aによって反射されたビームは、偏光ビームスプリッタ44によって、2本のビームに分割される。偏光ビームスプリッタ44は、この2本のビームのうち一方については、偏向することなく透過させることにより、マルチビーム光源装置11の外部に射出する。また、偏光ビームスプリッタ44は、上記2本のビームのうち他方については、偏向することにより、光検出器45に入射させる。
一方、光源41bから射出されたビームは、コリメータレンズ42bによって平行化された後、反射面43bによって反射される。反射面43bによって反射されたビームは、偏光ビームスプリッタ44によって、2本のビームに分割される。偏光ビームスプリッタ44は、この2本のビームのうち一方については、偏向することなく透過させることにより、光検出器45に入射させる。また、偏光ビームスプリッタ44は、上記2本のビームのうち他方については、偏向することにより、マルチビーム光源装置11の外部に射出する。
このようにして、偏光ビームスプリッタ44からは、光源41aから射出されたビームの一部と、光源41bから射出されたビームの一部とが、マルチビーム光源装置11の外部に射出される。一方、光検出器45は、光源41aから射出されたビームの他の一部と、光源41bから射出されたビームの他の一部とを受光する。そして、光検出器45は、受光したビームに基づいて、光源41a・41bの相対的な位置情報や、光源41a・41bから射出された各ビームの光量情報を検出する。
図7の構成によれば、コリメータレンズ42a・42b、反射面43a・43b、および偏向ビームスプリッタ44の設定を適宜変更することにより、光源41a・41bから射出された各ビームをマルチビーム光源装置11の外部へ射出する際の、ビーム同士の間隔やビームの射出方向を任意に設定できる。
なお、ここでは偏光ビームスプリッタを用いているが、自身に入射したビームを分割し、分割後のビームのうち少なくとも1本を透過させ、少なくとも他の1本を偏向させることができる手段であれば、他の手段を用いてもよい。
なお、図7に示した例では、光源の数を2つとして説明したが、光源の数は3つ以上でもよい。
上述したマルチビーム光源装置11の各構成においては、マルチビーム光源装置11から射出されるビームの光路上に反射面13sがない期間には、マルチビーム光源装置11からのビームの出力をオフにしている。しかし、これに限らず、偏向ミラー13の反射面13s以外の部分であって、反射面13sの回転に伴ってビームが入射する部分には、ビームの反射を防止する表面処理を施してもよい。そのような処理としては、例えば、艶消しの黒色塗装や表面を粗面加工することで、正反射する光量を減少させる方法と、反射光を上下に回折させてFθレンズに入射しないように、反射面13の図中の上下方向断面が波型や三角形状とする、もしくは、光源波長オーダーの回折格子を形成する方法が挙げられる。このようにビームの反射を防止する表面処理を施すことによっても、反射面13s以外の部分によって反射されたビームが感光体ドラム3の表面上に照射されることはなくなるので、感光体ドラム3の表面上に不要なビームが入射することによる、静電潜像の品位低下を防止できる。
以上のように、本実施の形態の露光装置2によれば、マルチビーム光源装置11は、複数本のビームを同時に射出し、偏向ミラー13は、単一の反射面13sを備え、上記複数本のビームを、単一の反射面13sにより同時に偏向することにより、偏向後の上記複数本のビームを、感光体ドラム3の表面上の異なる位置に照射する。
上記の構成によれば、偏向ミラー13が備えている反射面13sは、単一の反射面である。それゆえ、偏向ミラー13は、ポリゴンミラーよりも簡易な構成となっている。また、反射面が1つしかないので、反射面と反射面の回転軸とがなす角度が反射面ごとに異なる、ということはない。このため、反射面と反射面の回転軸とがなす角度の反射面毎の差異による不具合を低減するための、シリンドリカルレンズを設ける必要がない。以上の理由から、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成よりも、装置構成を簡略化できる。
さらに、6本のビームを感光体ドラム3の表面上の異なる位置に照射するので、感光体ドラム3の表面上を、6本のビームによって同時に走査できる。このため、6つの反射面を有するポリゴンミラーにより1本のビームを偏向する構成に劣らない走査速度を実現できる。さらに、ビーム数を12本、24本と増やせば、走査速度を2倍、4倍とすることができる。
したがって、上記の構成によれば、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現可能な露光装置2を提供できる。
以下に、本実施の形態の露光装置2における露光処理フローについて説明する。
まず、マルチビーム光源装置11により、6本のビームを同時に射出する(S1;ビーム射出ステップ)。
次に、マルチビーム光源装置11から射出した6本のビームを、偏向ミラー13の単一の反射面13sにより同時に偏向し、偏向後の6本のビームを感光体ドラム3の表面上の異なる位置(より具体的には、副走査方向において互いに異なる位置)に照射する(S2;偏向ステップ)。
以上のステップの結果、感光体ドラム7の表面上に照射された6本のビームは、偏向ミラー13の反射面13sの回転に伴って、図1中の矢印B方向(主走査方向)に向かって、感光体ドラム3の表面上を走査する。
また、反射面13sの回転に伴い、感光体ドラム3も、図1中の矢印C方向に回転する。したがって、感光体ドラム3の回転によって、反射面13sによって反射されたビームによる、感光体ドラム3の表面上における、図中の矢印D方向(副走査方向)に関する走査が行われる。
このような、反射面13sの回転による主走査方向への走査と、感光体ドラム3の回転による副走査方向への走査とによって、露光された感光体ドラム3の表面上には、静電潜像が形成される。
上記の方法によれば、偏向ミラー13が備えている反射面13sは、単一の反射面である。それゆえ、偏向ミラー13は、ポリゴンミラーよりも簡易な構成となっている。また、反射面が1つしかないので、反射面と反射面の回転軸とがなす角度が反射面ごとに異なる、ということはない。このため、反射面と反射面の回転軸とがなす角度の反射面毎の差異による不具合を低減するための、シリンドリカルレンズを設ける必要がない。以上の理由から、ポリゴンミラーによりビームを偏向する構成よりも、装置構成を簡略化できる。
さらに、6本のビームを感光体ドラム3の表面上の異なる位置に照射するので、感光体ドラム3の表面上を、6本のビームによって同時に走査できる。このため、6つの反射面を有するポリゴンミラーにより1本のビームを偏向する構成に劣らない走査速度を実現できる。さらに、ビーム数を12本、24本と増やせば、走査速度を2倍、4倍とすることができる。
したがって、上記の方法によれば、従来よりも装置構成を簡略化しつつ、従来に劣らない走査速度を実現可能な露光方法を提供できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。