JP4553507B2 - 水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムスラッジの脱水方法に関し、詳しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材の表面処理工程で生じたアルミニウムを含むアルカリ性及び/又は酸性の廃液から工業的に有用なアルミナゲルを製造する際、該廃液を中和処理し発生した水酸化アルミニウムの濃縮スラッジを、効率良く脱水するための脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材は、船舶、車両、機械当の種々の部品やサッシ等の建築材料を始め、電気製品、事務用品等の多くの分野で利用されており、その際に、アルミニウム材には、その表面の清浄化、耐蝕性や意匠性の付与等を目的として、アルカリ溶液によるエッチング処理や酸性溶液による陽極酸化処理等の種々の表面処理が施される。
【0003】
ところでこのような表面処理で用いられる処理液については、処理液中の有効成分の消費やアルミニウム材由来のアルミニウム分の蓄積が不可避的に発生し、これらの消費や蓄積がある一定の限度を超えると、いわゆるエッチング処理老化浴や陽極酸化処理老化浴となってその更新が必要になり、これらの老化浴はアルミニウム分を多量に含有するアルミニウム含有廃液となる。
【0004】
近年、これらの老化浴そのものは、アルミニウム分の有用資源化を図りながらこれを再生処理する方法が工夫され、あるいは、他の分野の工業薬品として利用されるようになり、これらアルミニウム含有廃液の処理上の問題は克服され、従来に比べて効率の良い表面処理が行われるようになっている。
【0005】
またアルミニウム材の表面処理においては、単に老化浴からなるアルミニウム含有廃液に限らず、アルミニウム材の表面処理の際に発生するガスと共にミストとして飛散し、排気系に吸収されて発生したり、その他のハンドリングロスとして漏洩する、いわゆる「ミスト等由来の廃液」が発生し、また、各表面処理の後に行われる水洗工程で発生する多量の「洗浄水由来の廃液」が発生する。
【0006】
そして、これらのミスト等由来の廃液や洗浄水由来の廃液は、その濃度が希薄であって、しかも、多種多様な不純物を含んでいるために有効な利用方法がなく、一括して廃液処理されている。
【0007】
この廃液処理としては、通常、先ずその廃液をpH5〜9、好ましくはpH5.5〜8.5に中和処理し、その際に生成したゲル状水酸化アルミニウムスラッジを可及的に分離除去し、得られた中性の清澄液を排水として処理する。水酸化アルミニウムスラッジについてはこれを経済的に有用資源化することが現在、種々検討されているが、時には多額の処理コストを費やして廃棄処分にすることもやむおえず行われている。従って、水酸化アルミニウムスラッジの有用資源化には、脱水が非常に重要な工程として存在する。この水酸化アルミニウムスラッジには、70〜80%の水分が含まれていて、アルミニウム分の四分の一から二分の一の硫酸根を除去し、アルミニウム純度を向上させるうえでも脱水工程は、欠かせないものである。
【0008】
水酸化アルミニウムスラッジ脱水時に使用される凝集剤としては、例えば特開昭48−32800号公報には、ノニオン性ポリアクリルアミド水溶液の製品形態の例記載されてい。また、アルミニウム加工工程から排出される排水の凝集分離には、特開平9−3671号公報には、アニオン性のエマルジョン型ポリアクリルアミドを使用し、更に分離した水酸化アルミニウムスラッジの脱水にも同様なポリアクリルアミドを使用するのが、一般的であった。しかしこれらポリアクリルアミド系凝集剤添加時の水溶液は粘性が高く、水酸化アルミニウムスラッジへの分散性が悪く、また添加後、スラッジに粘性が発生するため、脱水機として普通使用されているフィルタ−プレスにおける脱水性も十分とは言えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、水酸化アルミニウムスラッジを脱水機により脱水する場合、水酸化アルミニウムスラッジへの凝集剤水溶液の分散制が良好で、その結果、スラッジの含水率も十分に低下し、効率良く脱水する方法を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記のような発明に達した。即ち請求項1の発明は、アルミスラッジに水溶性単量体混合物を塩水溶液中で、該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共存下で、分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子からなるアニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子を添加、混合した後、脱水機により脱水することを特徴とする水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法である。
【0011】
請求項2の発明は、アニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子が、下記一般式(1)で表わされるアニオン性単量体0〜50モル%、アクリルアミド50〜100モル%及び他の共重合可能な非イオン性単量体0〜20モル%からなることを特徴とする請求項1に記載の水酸化アルミニウムスラッジ脱水方法である。
【化1】
R 1 は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、R 2 は水素またはカルボキシル基、AはSO 3 、C 6 H 4 SO 3 、CONHC(CH 3 ) 2 CH 2 SO 3 あるいはC
【0012】
請求項3の発明は、前記高分子からなる分散剤が、イオン性高分子であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法である。
【0013】
請求項4の発明は、前記イオン性高分子のイオン当量が、1.5〜15meq/gであることを特徴とする請求項3に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法である。
【0014】
請求項5の発明は、前記アニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子の分子量が200万〜2000万であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミスラッジの脱水方法である。
【0015】
請求項6の発明は、前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン性塩を含有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法である。
【0016】
請求項7の発明は、フィルタ−プレスであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するアニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子は、水溶性単量体混合物を塩水溶液中で、該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共存下で、攪拌をしながら分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子からなる分散液として存在し、水に希釈し水溶液とした後、水酸化アルミニウムスラッジに添加する。使用する水溶性単量体のうち、アニオン性単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸あるいはイタコン酸などである。また、スルフォン酸基含有単量体も使用可能である。たとえば、ビニルスルフォン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、2−(アクリロイルオキシ)エチルスルフォン酸などがあげられる。
【0018】
また、この高分子分散液からなる水溶性高分子は、非イオン性単量体であるアクリルアミド単独重合体、または非イオン性単量体あるいは前記アニオン性単量体との共重合体でも良い。非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、これらアニオン性単量体あるいは非イオン性単量体のうちから一種または二種以上と組み合わせ共重合が可能である。最も好ましいものは、非イオン性水溶性高分子の場合は、アクリルアミド単独重合体、アニオン性水溶性高分子の場合は、アクリル酸あるいはアクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸とアクリルアミドである。
【0019】
水溶性高分子中のアニオン性水溶性単量体の占める割合は、0〜70モル%、アクリルアミドは30〜100モル%、共重合可能な非イオン性単量体は0〜20モル%である。また好ましくは、アニオン性水溶性単量体0〜40モル%、アクリルアミドは60〜100モル%、共重合可能な非イオン性単量体は0〜10モル%である。
【0020】
分散液を構成する非イオン性あるいはアニオン性水溶性高分子の分子量としては、100万〜2000万であり、好ましくは、500万〜1500万である。
100万以下では凝集力が不足し歩留率が低下し、2000万以上では、フロックが巨大化して脱水性が返って悪化する。また、溶液粘度も高くなり過ぎ分散性も悪くなるほか、水溶液の取り扱いも悪くなる。
【0021】
本発明で使用する高分子分散液からなる非イオン性あるいはアニオン性水溶性高分子を塩水溶液中で製造する際、該塩水溶液中に溶解する高分子分散剤を使用する。非イオン性高分子としては、ポリビニルピロリドンあるいはビニルピロリドン系重合体、ポリビニルアルコ−ルなど弱い疎水基を有する高分子を使用する。
これら高分子の分子量は、1000〜10万であり、好ましくは5000〜2万である。また、より好ましく使用できる高分子はイオン性高分子であり、アニオン性及びカチオン性高分子が使用できる。アニオン性高分子としては、アニオン性単量体の単独重合体あるいアニオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体が使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどである。アニオン性単量体は、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸などであるが、最も好ましい組み合わせは、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)とメタクリル酸(塩)との共重合体である。
【0022】
また、カチオン性高分子としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物などの単独重合体、これらカチオン性単量体と上記非イオン性単量体との共重合体である。好ましく使用されるのは、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体である。これらイオン性高分子の分子量は、1万〜100万であり、好ましくは5万〜50万である。
【0023】
重合時使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。塩類溶液の濃度としては、5重量%以上、飽和濃度以下である。
【0024】
アニオン性単量体を含有する単量体(混合物)を(共)重合するには、ラジカル重合開始剤を用いる。使用する開始剤としては、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)などがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオキシ二硫酸アンモニウムあるいはカリウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤で最も好ましいものは、レドックス系であり、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムである。
【0025】
本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法により製造されたアニオン性高分子に較べ、水に溶解した場合の見かけ粘度が非常に低い。たとえば、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドを30/70のモル比で含有する共重合体の場合、分子量約1300万で0.2重量%の水溶液の粘度は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法による重合物では、400〜800mPa・sであるのに対し、本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、20〜100mPa・sである。これは重合時共存させる無機塩類の影響もある。また、重合時使用する単量体の酸のうち10〜20モル%を中和するのみであることも一因である。しかしこれらの影響を差し引いても、これだけでは説明できない。
この現象は、塩水溶液中で生成した高分子を析出させながら重合していることも原因していると推定されるが、詳細な機構は未解明である。そのため、見かけ粘度が低いということは、それだけ汚泥中での分散性が良く、十分な凝集効果を発揮でき、アニオン性水溶性高分子の添加量を削減できることになる。
【0026】
本発明の高分子分散液からなる非イオン性あるいはアニオン性水溶性高分子の水酸化アルミニウムスラッジに対する添加量は、含水状態の水酸化アルミニウムスラッジに対し、0.01%〜1%であり、好ましくは0.05%〜0.1%である。本発明で使用する高分子分散液からなる非イオン性あるいはアニオン性水溶性高分子は、水溶液の見かけ粘度が低いため、スラッジへの分散が良い。その結果効率良くスラッジが凝集し、従来の脱水剤より添加量を2割〜4割、場合によっては5割程度減少できる。また、添加後のスラッジの「べとつき」が少なく、
脱水効率が向上し、脱水後の含水率が低下する。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0028】
(合成例−1)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウム26.8g、硫酸ナトリウム17.9g、60%アクリル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。また15重量%のメタクリル酸/アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸=3/7(モル比、酸の90モル%を中和)共重合体水溶液(溶液粘度42、600mPa・s)18.9gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオクソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で0.6g添加し重合を開始させた。重合開始後3時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ3.0g追加し15時間で反応を終了した。この試作品を試作−1とする。この試作−1のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、粘度は400mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定機(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0029】
(合成例−2)
合成例−1と同様な操作により、アクリル酸とアクリルアミドのモル比は10:90からなるアニオン性水溶性高分子分散液を合成した。結果を表1に示す。
【0030】
(合成例−3)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:220.4g、硫酸アンモニウム34.0g、硫酸ナトリウム10.7g、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸:2.8g、60%アクリル酸:9.9g、50%アクリルアミド:182.2gを加え、25重量%の水酸化ナトリウム1.6gによりアクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸とアクリル酸の当量値に対し10%を中和した。また15重量%のメタクリル酸/アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸=3/7(モル比、酸の90モル%を中和)共重合体水溶液(溶液粘度42、600mPa・s)18.9gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオクソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で0.6g添加し重合を開始させた。重合開始後3時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ3.0g追加し15時間で反応を終了した。この試作品を試作−3とする。この試作−3のアクリル酸/アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸/アクリルアミドのモル比は6:1:93であり、粘度は835mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜20μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定機(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
(合成例4)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:181.8g、硫酸アンモニウム64.0g、50%アクリルアミド:120.0gを加え、高分子分散剤としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、2250mPa・s)g、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物重合体15.0(20重量%溶液、9750mPa・s)gを添加した(それぞれ対単量体5重量%)。また、重合度調節剤として、フッ化ナトリウム0.3g(対単量体50ppm)を加えた。その後、ウオ−タ−バスで外部から加熱し、反応容器内の温度を35℃に調節し、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。30分の後、2、2−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物の1重量%溶液0.9g(対単量体150ppm)を添加し重合を開始させた。反応を35℃で継続させ7時間後前記開始剤溶液を0.6g追加し、15時間で反応を終了した。この分散液を試作−4とする。この試作−4の分散液粘度は230mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0032】
【実施例1〜4】
アルミミウム剤表面処理廃液を中和し、凝集沈殿操作を行った結果生成した水酸化アルミニウムスラッジを用い、フィルタ−プレスを想定した脱水試験を行った。このスラッジはpH7.06、アルミニウム分18200mg/L、硫酸根8210mg/Lであった。スラッジ200mLをポリビ−カ−に採取し、表1の試作−1〜試作−4の水溶性アニオン性あるいは非イオン性高分子を液量に対し20ppmあるいは40ppm添加し、ビ−カ−移し変え攪拌10回行った後、ビ−カ−移し変え攪拌10回を行った後、フィルタ−プレス用濾布(現場脱水機と同様なもの)により濾過し、5分間自然濾過した。その後、濾布上のスラッジをプレス圧2.5Kg/m2で2分間脱水し、105℃で20hr乾燥することにより、ケ−キ含水率を測定した。また、脱水時の濾布剥離性を目視によりチェックした。結果を表2に示す。
【0033】
【比較例1〜3】
実施例1〜4と同様な操作により、粉末品アニオン性(ss−120、ハイモ社製、高分子凝集剤、アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド=20/80共重合物、分子量:1200万)(比較−1)及び非イオン性水溶性高分子(ss−200、ハイモ社製、高分子凝集剤、アクリルアミド重合物、分子量:1200万)、(比較−2)エマルジョン型アニオン性水溶性高分子(V−320、ハイモ社製、高分子凝集剤、アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド=20/80共重合物、分子量:1200万)(比較−3)を用いて比較試験を行った。結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
AAC;アクリル酸、AMPS;アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、AAM;アクリルアミド、
分散液粘度;mPa・s、分子量;単位は万
【0035】
【表2】
スラッジ含水率;質量%、脱水剤添加量は対液;質量%
濾布剥離性;○>△>×の順に良いことを表わす
Claims (7)
- 水酸化アルミニウムスラッジに、水溶性単量体混合物を塩水溶液中で、該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共存下で、分散重合法により製造した粒径100μm以下の微粒子からなるアニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子を添加、混合した後、脱水機により脱水することを特徴とする水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- アニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子が、下記一般式(1)で表わされるアニオン性単量体0〜50モル%、アクリルアミド50〜100モル%及び他の共重合可能な非イオン性単量体0〜20モル%からなることを特徴とする請求項1に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- 前記高分子からなる分散剤が、イオン性高分子であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- 前記イオン性高分子のイオン当量が、1.5〜15meq/gであることを特徴とする請求項3に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- 前記アニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子の分子量が200万〜2000万であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン性塩を含有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
- 脱水機がフィルタ−プレスであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の水酸化アルミニウムスラッジの脱水方法。
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