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JP4549587B2 - Fmcwレーダ装置 - Google Patents

Fmcwレーダ装置 Download PDF

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JP4549587B2
JP4549587B2 JP2001226104A JP2001226104A JP4549587B2 JP 4549587 B2 JP4549587 B2 JP 4549587B2 JP 2001226104 A JP2001226104 A JP 2001226104A JP 2001226104 A JP2001226104 A JP 2001226104A JP 4549587 B2 JP4549587 B2 JP 4549587B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はFMCWレーダ装置に関し、特にミリ波を用いた車載用のFMCWレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、道路上で前方を走行する車両を捕捉し、自車に対し安全を確保できない衝突危険性がある場合にアラーム音等によりドライバに警告を与える車両用衝突警報装置が用いられるようになってきた。このセンシング装置としては、ミリ波を用いたFMCWレーダ装置は構成の簡単さ、全天候性等の理由で広く用いられている。
【0003】
FMCWレーダ装置は、その送信信号に三角波による周波数変調をかけ、送信信号の送信から対象物で反射された反射信号の受信までの時間によって変調された周波数の偏移量である変調周波数偏移幅から検知距離を決定する。
【0004】
しかし、この変調周波数偏移幅は信号源となる発振器の変調感度と変調制御信号の温度特性等により変化が生じ、検知距離に誤差を生じさせる。とくに、この種の車載用FMCWレーダ装置では環境条件、特に温度条件が厳しく温度変動に対する測距精度劣化が問題となる。
【0005】
従来、FMCWレーダ装置では、測距精度を確保するための一般な解決方法として、送信信号の周波数変調幅を一定とする構成がある。例えば、送信信号の源であるミリ波発振器の発振信号を分周し、測定容易な低い周波数にて変調幅の測定を行い変調幅を一定に保つ低周波数変換ループ制御方式や、温度変動等による周波数変調偏差を予め見込んでおいて、ロム(ROM)テーブルに見込んだ偏差補正データを格納し変調制御する温度偏差テーブル補正方式などの方法が提案されている。
【0006】
しかし、上記の方法では、周波数変調幅を一定にするための回路を特別に追加するため、実現にはコスト及び回路規模が増大するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のFMCWレーダ装置は、発振器の変調感度や変調制御信号の温度特性に起因する周波数変調幅の変動を抑制して測距精度を確保するため、低周波数変換ループ制御方式や温度偏差テーブル補正方式などの方法を用いていたが、周波数変調幅を一定化するための回路を特別に追加する必要があり、コスト及び回路規模が増大するというという欠点があった。
【0008】
本発明の目的は、温度変動に起因する測距精度劣化を防止した高測距精度で、かつ、回路規模及びコストの増大を抑制したFMCWレーダ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のFMCWレーダ装置は、送信信号に三角波による周波数変調をかけ、送信信号の照射から対象物であるターゲットの後方散乱信号である反射信号の受信までの時間によって変調された周波数の偏移量である変調周波数偏移幅から前記ターゲットまでの距離を求めるFMCWレーダ装置において、
通常動作であり前記変調周波数偏移幅から検知距離を求めるFMCWレーダモードで動作するFMCWレーダ部と、
送信信号をパルス変調し送信パルス信号を発生するパルス変調手段と、前記送信パルス信号を前記ターゲットに照射してから前記反射信号を受信するまでの伝播時間を求める距離カウント手段とを備え、
前記FMCWレーダモードの予め定めた一定時間毎に前記送信パルス信号を照射し前記伝播時間から前記ターゲットまでの距離を検知するパルスレーダモードで動作させこのパルスレーダモードによる検知距離により前記FMCWレーダモードによる検知距離を校正することを特徴とすることを特徴である。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のFMCWレーダ装置において、ミリ波帯周波数を用いた車載用であり、S/N比の高い近距離の車両をターゲットとして選択して前記FMCWレーダモードの検知距離の前記パルスレーダモードによる校正を行うことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の発明のFMCWレーダ装置は、送信信号に三角波による周波数変調をかけ、送信信号の照射から対象物であるターゲットの後方散乱信号である反射信号の受信までの時間によって変調された周波数の偏移量である変調周波数偏移幅から前記ターゲットまでの距離を求めるFMCWレーダ装置において、
前記送信信号を発生する送信部と、
前記送信信号を送信する送信アンテナと前記ターゲットからの反射信号を受信し受信信号を出力する受信アンテナとを有するアンテナ部と、
前記受信アンテナからの受信信号の処理を行い受信検波信号を生成する受信部と、
レーダ全体の制御を行う制御部とを備え、
前記送信部が、FMCWレーダモード用の三角波及びパルスレーダモード用の一定電圧の変調信号を発生する変調電圧発生器と、
前記変調信号により発振周波数が制御されFM変調又は無変調の高周波信号を出力する高周波発振器と、
前記高周波信号を所定のレベルに増幅し増幅信号を出力するとともに後述する高周波ミキサに供給する送信サンプル信号を出力する高周波増幅器と、
前記パルスレーダモード時に前記増幅信号をパルス変調したパルス送信信号を生成し前記FMCWレーダモード時には前記増幅信号をそのまま通過させて前記送信信号を出力し前記送信アンテナに供給するパルス変調回路と、
前記パルス変調回路に供給するパルス変調信号を発生するパルス発生器とを備え、
前記受信部が、前記FMCWレーダモード時に前記受信信号と前記送信サンプル信号とをミキシングしビート信号を出力する高周波ミキサと、
前記ビート信号の周波数解析処理を含む受信信号処理を行いターゲット情報を出力するFFT部と、
前記パルスレーダモード時に前記受信信号の受信レベルを検知し検知信号を出力する検波増幅器と、
前記検知信号が予め設定したしきい値を超えるとストップ信号を生成するコンパレータとを備え、
前記制御部が、前記パルス送信信号の送信開始から前記受信信号の受信までの時間を計測しこの計測時間から距離を算出する距離校正部と、
パルスレーダモードのインターバル時間を設定するタイマとを備えて構成されている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のFMCWレーダ装置において、前記高周波発振器が、前記変調信号の電圧レベルにより発振周波数が制御る電圧制御発振器を備えて構成されている。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、請求項3記載のFMCWレーダ装置において、前記パルス変調回路が、前記パルス変調信号の供給に応答して伝送路の導通/遮断のスイッチイングを行うミリ波帯のRFスィッチを備えて構成されている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、請求項3記載のFMCWレーダ装置において、前記距離校正部が、前記パルス変調信号の供給に応答してサンプルパルスの発生を開始し前記ストップ信号の供給に応答して前記サンプルパルスの発生を停止するサンプルパルス発生器と、
前記サンプルパルスをカウントし時間計数値を出力するカウンタと、
前記時間計数値を距離に変換する距離計算部とを備えて構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本実施の形態のFMCWレーダ装置は、送信信号に三角波による周波数変調をかけ、送信信号の照射から対象物であるターゲットの後方散乱信号である反射信号の受信までの時間によって変調された周波数の偏移量である変調周波数偏移幅から上記ターゲットまでの距離を求めるFMCWレーダ装置において、通常動作であり上記変調周波数偏移幅から検知距離を求めるFMCWレーダモードで動作するFMCWレーダ部と、送信信号をパルス変調し送信パルス信号を発生するパルス変調手段と、上記送信パルス信号を上記ターゲットに照射してから上記反射信号を受信するまでの伝播時間を求める距離カウント手段とを備え、上記FMCWレーダモードの予め定めた一定時間毎に上記送信パルス信号を照射し上記伝播時間から上記ターゲットまでの距離を検知するパルスレーダモードで動作させこのパルスレーダモードによる検知距離により上記FMCWレーダモードによる検知距離を校正することを特徴とするものである。
【0017】
また、本実施の形態のFMCWレーダ装置は、自動車に搭載され、ミリ波帯周波数、例えば76.5GHzを用いて150m程度の近距離を測定する車載用のFMCWレーダ装置であり、上記FMCWレーダモードの検知距離の校正を、S/N比の高い近距離の車両をターゲットとして選択して行うことで、高信頼度な校正を行うことができる。
【0018】
次に、本発明の実施の形態をブロックで示す図1を参照すると、この図に示す本実施の形態のFMCWレーダ装置は、送信信号TXを発生する送信部1と、送信信号TXを送信する送信アンテナ21とターゲットからの反射信号を受信し受信信号Rを出力する受信アンテナ22とから成るアンテナ部2と、受信アンテナ22からの受信信号の処理を行い受信検波信号を生成する受信部3と、レーダ全体の制御を行う制御部4とを備える。
【0019】
送信部1は、FMCWレーダモード用の三角波及びパルスレーダモード用の一定電圧の変調信号Mを発生する変調電圧発生器11と、変調信号Mにより発振周波数が制御(周波数変調)されFM変調された又は無変調の高周波信号RFを出力する高周波発振器12と、高周波信号RFを所定のレベルに増幅し増幅信号TAを出力するとともに後述する高周波ミキサに供給する送信サンプル信号STを出力する高周波増幅器13と、パルスレーダモード動作時に増幅信号TAをパルス変調しFMCWレーダモード時には増幅信号TAをそのまま通過させて送信信号TXを出力し送信アンテナ21に供給するパルス変調回路14と、パルス変調回路14へのパルス変調信号Pを発生するパルス発生器15とを備える。
【0020】
受信部3は、FMCWレーダモード時に受信アンテナ22から供給を受けた受信信号Rと高周波増幅器13から供給を受けた送信サンプル信号STとをミキシングしビート信号Bを出力する高周波ミキサ31と、ビート信号Bの周波数解析処理等の受信信号処理を行いターゲット情報Kを出力するFFT部32と、パルスレーダモード時に受信信号Rの受信レベルを検知し検知信号Dを出力する検波増幅器33と、検知信号Dが予め設定したしきい値を超えると後述する制御部4のサンプルパルス発生器41のサンプルパルスPSの発生を停止させるストップ信号Gを生成するコンパレータ34とを備える。
【0021】
制御部4は、パルスレーダとしての時間カウント用のクロックであるサンプルパルスPSを発生するサンプルパルス発生器41と、パルス送信開始からパルス受信するまでのサンプルパルスPSをカウントしカウント結果である時間計数値を時間/距離変換し変換結果の距離を記憶する距離校正部42と、制御用のCPU43と、パルスレーダ動作のインターバル時間を設定するタイマ44とを備える。
【0022】
次に、図1及び本実施の形態のレーダ動作モードを説明図で示す図2を参照して本実施の形態の動作について説明すると、本実施の形態の動作モードは通常動作であるFMCWレーダモードと、距離校正動作であるパルスレーダモードの2つの動作モードを有する。
【0023】
まず、通常動作時には、FMCWレーダ動作を行う。次に、FMCWレーダモードで動作中に、タイマ44が予め設定したパルスレーダ動作のインターバル時間TF毎に一定時間TPの間、距離校正のためのパルスレーダモードを行う。
【0024】
FMCWレーダモードは、まず、送信部1の変調電圧発生器11が、三角波の変調信号Mを発生し、高周波発振器12に供給する。高周波発振器12は、搬送波周波数と同一のミリ波帯の電圧制御発振器(VCO)により構成され、変調信号Mにより発振周波数が制御、すなわち、周波数変調(FM)された連続波(CW)の高周波信号RFを発生し、高周波増幅器13に供給する。ここでは、説明の便宜上、高周波発振器12の周波数変調特性、すなわち、変調信号電圧(レベル)対発振周波数特性として、変調信号Mのレベルに正比例、すなわち、変調信号Mのレベルの増大に従い直線的に発振周波数が上昇するものとする。従って、変調信号Mのレベルが最低値の場合は高周波信号RFの周波数が最低であり、変調信号Mのレベルが最高値の場合は高周波信号RFの周波数が最高となり、変調信号Mの最低電圧と最高電圧の丁度中間の電圧である中央電圧の時、高周波信号RFはキャリア(搬送波)周波数となるものとする。
【0025】
高周波増幅器13は、高周波信号RFを所定電力レベルまで増幅し、FMCW増幅信号TAをパルス変調回路14に供給する。また、増幅信号TAの一部を抽出し送信サンプル信号STとして後述する受信部3の高周波ミキサ31に供給する。送信サンプル信号STの抽出は、例えば、所定の結合度を有する方向性結合器を用いる。
【0026】
このFMCWレーダモードでは、パルス変調回路14は、後述する変調素子であるRFスイッチが閉じられ導通状態となっており、供給を受けたFMCW増幅信号TAは、そのまま通過して、送信信号TXとして送信アンテナ21に供給する。
【0027】
送信アンテナ21は、自車の前方の自動車等のターゲットに対し送信信号TXを照射する。送信信号TXの照射を受けたターゲットは対応する散乱波を放射する。この散乱波のうち送信方向に戻る成分が後方散乱信号(以下反射信号と呼ぶ)である。受信アンテナ22はこの反射信号を受信信号Rとして受信し、受信部3に供給する。
【0028】
受信部3は、供給を受けた受信信号Rが、高周波ミキサ31に入力する。高周波ミキサ31は、受信信号Rと上述した送信サンプル信号STとをミキシングし、両信号R,STのミキシング結果であるビート信号Bを生成し、FFT32に供給する。
【0029】
FFT32は、ビート信号Bの周波数解析処理を含む受信信号処理を行い、詳細は後述するように、ターゲットまでの距離、及び距離変化等の情報を含むターゲット情報Kを出力し、CPU43に供給する。
【0030】
CPU43は、ターゲット情報Kに基づき、周波数対距離変換等の処理を行い、距離を求める。
【0031】
パルスレーダモードは、まずFMCWレーダモードの動作において、捕捉中のターゲットから反射(後方散乱)した受信信号レベルが充分高いS/N比を有することを認識し、このターゲットを距離校正用ターゲットとして確立する。
【0032】
距離校正用ターゲットが確立すると、まず、FMCWレーダモードの送信信号TXを一時停止する。すなわち、変調電圧発生器11の動作を停止して変調信号Mの供給を停止し、高周波発振器12の発振を停止させることにより、高周波信号RFの出力を停止する。次に、その状態から、再度変調電圧発生器11から三角波のほぼ中央(0レベル)レベルに相当する一定電圧の変調信号Mを高周波発振器12に供給し、高周波発振器12は、変調信号M対応の一定周波数(キャリア周波数)の高周波信号RF(無変調の連続波CW)を出力し、高周波増幅器13に供給する。高周波増幅器13は、高周波信号RFを増幅し無変調の増幅信号TAをパルス変調回路14に供給する。
【0033】
パルス発生器15は、所定タイミングのパルス変調信号Pを生成して、パルス変調回路14に供給する。パルス変調回路14は増幅信号TAをパルス変調し送信信号TXを出力し送信アンテナ21に供給する。送信アンテナ21は距離校正用ターゲットに向けてパルス変調された送信信号TXを放射する。
【0034】
パルス変調回路14は、例えば、パルス変調信号Pの供給に応答して伝送路の導通/遮断のスイッチイングを行うミリ波帯のRFスィッチを備えて構成されており、パルス変調信号Pに対する応答特性の良いRFスィッチを用いると、送信信号TXとしてパルス変調信号Pの波形と相似のミリ波パルス信号が得られる。
【0035】
例えば、ターゲットの距離を60mとすると、送信信号TXの送信からターゲットで反射して受信するまでの時間は、約400nSとなるため、受信信号Rが送信信号TXと重ならないための送信信号TX、すなわち、パルス変調信号Pの適切なパルス幅は若干の余裕をみて100〜200nSとする。
【0036】
また、パルス変調信号Pの立ち上がりタイミングに同期して時間測定用のクロックであるサンプルパルスPSを生成するサンプルパルス発生器41も同時に動作を開始する。
【0037】
次に、ターゲットで反射された反射信号は、受信アンテナ22により受信信号Rとして受信され、受信部3に供給される。
【0038】
受信部3の検波増幅器33は、供給を受けた受信信号Rを振幅検波し、さらに検波出力信号を増幅して受信信号Rの振幅レベル(以下レベル)に対応するレベルの検波信号Dを出力し、コンパレータ34に供給する。コンパレータ34は、検波信号Dが予め設定したしきい値を超えると、ストップパルスGを出力し、動作中のサンプルパルス発生器41のサンプルパルスPSの発生を停止させる。
【0039】
距離校正部42は、例えば、パルス送信開始、すなわち、パルス変調信号Pの入力時刻から、ストップパルスGの入力時刻までサンプルパルス発生器41が出力したサンプルパルスPSをパルス動作時の時間の間計数し時間計数値を出力するするカウンタと、この計数値に対し公知の時間/距離変換演算を実施して距離に変換する距離計算部とから成り、算出した距離を距離校正データCDとして記憶し、保持する。
【0040】
CPU43は、距離校正部42から距離校正データCDを読出し、FMCWレーダモードで求めた同一ターゲットの距離データとを比較し、パルスレーダモードの距離校正データCDを基準として両レーダモードの差分を補正することにより、距離校正を実施する。
【0041】
次に、FMCWレーダモードの距離検知方法を説明図で示す図3を併せて参照して、FMCWレーダモードとパルスレーダモードの各々の場合の距離検知方法とその精度について詳細に説明する。
【0042】
FMCWレーダの距離検知方法は、上述したように、その送信信号TXの基となる高周波発振器12を直線スロープを有する三角波で連続的に周波数偏移を行いうことにより、送信信号TXとして周波数変調された信号を放射する。ターゲットは送信信号TXの照射を受け対応する散乱波を放射する。この散乱波のうち送信方向に戻る成分(後方散乱信号)である反射信号を受信信号Rとして受信し、この受信信号Rと、送信信号TXの一部をサンプリングした送信サンプル信号STとをミキシングすることにより両信号R,STのミキシング結果であるビート信号Bを生成する。
【0043】
このビート信号Bは、送信から受信までの往復の空間伝播に要する時間である伝播時間Tで変化した変調周波数の偏移幅である周波数偏移幅Frの信号である。
【0044】
この周波数偏移幅Frから、送信信号の送信から受信までの伝播時間Tを算出し、距離Lに換算する(図3(A))。
【0045】
FMCWレーダモードの伝播時間Tは次式により求められる。
【0046】
T=Fr×Tm/2×ΔF・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、Tm:変調周期、ΔF:FM変調周波数幅、を表す。
【0047】
また、ターゲットとの距離Lは次式により求められる。
【0048】
L=C×T/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、L:距離、C:光速、を表す。
【0049】
具体的な数値例を示すと、高周波発振器12の変調感度を300MHz/Vであるとすると、FM変調周波数幅ΔF=75MHzを得るには変調電圧発生器11の供給すべき変調信号Mの信号レベルは、0.25Vp−pとなる。
【0050】
また、変調周期Tm=10kHzとした場合、距離L=40mのターゲットに対する距離測定を行うとすると、送信信号TXが、レーダターゲットに反射し受信信号Rとして受信するまでの伝播時間Tは、2式より次のよう求められる。
【0051】
T=2×L/C=267(ns)
この間に高周波発振器12の周波数偏移幅Frは、1式及び2式より次のよう求められる。
【0052】
Fr=ΔF×TF×Tm=100(kHz)
この周波数100kHzは、予め設定されている距離換算データにより距離40mと判断される。
【0053】
本実施の形態のFMCWレーダ装置を車載レーダに応用する場合の要求性能の一例を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004549587
【0055】
表1に示す距離精度±3%以下を得るには、高周波発振器12の変調感度及び変調信号Mの精度も±3%以下を保持する必要がある。
【0056】
しかし、一般的に高周波発振器の変調感度や変調信号のレベルは温度等の条件にて変化し、以下に述べるように検知距離に誤差が生じる(図3(B))。
【0057】
高周波発振器12は、上述のように、GaAsFET等のミリ波増幅素子を用いたミリ波帯のVCOであり、その変調信号レベル対発振周波数特性は、温度の影響を受けることが知られている。
【0058】
高周波発振器12の変調特性(ΔF/M)が温度等により変化すると、FMCWレーダモードにて測定している周波数偏移幅Frの値が変化する。
【0059】
ところが、距離Lを算出するパラメータとしてのFM変調周波数幅ΔFの値は一定のままなので、算出された検知距離Lには誤差が生じる。
【0060】
高周波発振器12の変調信号M(V)対発振周波数Fの温度特性データの一例をグラフで示す図4を参照すると、温度変化+25℃〜+90℃での変調感度の変化は、発振周波数76.5GHzでは320MHz/Vから260MHz/Vとなり、約20%の低下となる。
【0061】
従って、上述の発振周波数Fが変調信号Mのレベルに正比例するという仮定により、高周波発振器12へ入力する変調信号Mのレベル範囲が一定であるとすると高周波発振器12のFM変調周波数幅ΔFも20%低下する。
【0062】
FM変調周波数幅ΔFが低下するとレーダターゲットの距離Lが一定で伝播時間TFが一定であってもミキサの出力であるビート信号Bの周波数偏移幅Frはそのまま20%低下する。
【0063】
この周波数偏移幅Frの低下はそのまま距離換算の結果として検知距離Lの低下(誤差)として現れる。例えば、ターゲットの距離Lが40mの場合、誤差は約−8mとなり、従って距離測定値は32mとなってしまう。
【0064】
次に、パルスレーダモードでの距離検知方法をタイムチャートで示す図5を参照すると、距離検知は、上述したように、送信信号TXの放射から、反射信号対応の受信信号Rを受信するまでの伝播時間Tを、送信信号TXの放射時刻、すなわち、パルス発生器15のパルス変調信号Pの発生時刻に出力開始し受信信号Rの受信時刻、すなわち、コンパレータ34からのストップパルスGの出力時刻に出力を停止するサンプルパルス発振器41からのサンプルパルスPSを距離校正部42のカウンタでカウントすることにより求める。サンプルパルスPSとして、後述する高精度のクロック信号を用いることにより伝播時間Tを高精度に計測可能である。
【0065】
ターゲットとの距離Lは次式により表される。
【0066】
L=C×T/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
また、サンプルパルスPSは、距離精度を確保するため、例えば、周波数100MHz、すなわち、パルス周期10ns、デューテイサイクル0.5とすると、パルス幅5nsで周波数安定度0.1%程度のパルスが要求される。この程度のパルス幅、周波数安定度のパルスを発生することは、例えば、サンプルパルスPSの基準周波数源として水晶振動子を用いる公知の発振回路により容易に実現できる。
【0067】
これは、距離校正部42でのカウントにおける1パルス分の誤差として5nsは距離換算して約0.75mとなり、本レーダの目標性能を確保する条件となる。
【0068】
例えば、FMCWモードと同様に、ターゲットの距離Lが40mの場合、誤差が1パルス分、すなわち、0.75mとすると、測定値は39.25〜40.75mとなる。
【0069】
以上より、現状では、FMCWレーダモードに比べパルスレーダモードの方が距離検知の精度ははるかに高い。ただし、パルスレーダモードが高精度を発揮するのは信号対雑音比(S/N)が、例えば20dB以上と十分高い場合であり、このためこのような高S/Nを確保可能な比較的近距離の測距に限定される。
【0070】
すなわち、パルスレーダモードはFMCWレーダモードに較べ測距精度は高いが、同一探知距離を得ようとすると、一般に高いS/N比が必要なため、高電力送信機、低雑音受信機や複雑な信号処理を必要とし、高価になる。
【0071】
従って、通常時はFMCWモードで動作し、FMCWレーダモードの動作中において、上記高S/N条件が確保できる適切なターゲットが存在する場合、距離校正のためのパルスレーダモードに切替ることが望ましい。
【0072】
本実施の形態では、距離校正のためのパルスレーダモードへの切替は、通常のFMCWレーダモードの動作中において、一定時間のインターバル毎に、かつ上記条件を満たす40〜60m程度の近距離ターゲットの存在を確認した場合に行うものとする。
【0073】
例えば、FMCWレーダモードの連続動作時間内にて0.5〜1時間/回程度の頻度で実施する。これは、瞬時に校正を行うことができるため車載レーダにおいては通常のFMCWレーダモード動作の合間に処理ができること、また、発振器変調感度等の変動は温度変化等によるものであり、短時間に起こらないためである。
【0074】
これにより、FMCWによる検知距離の誤差補正のための校正を、高電力化等の送信機性能及び低雑音化等の受信機性能を向上させること無く、従って回路規模及びコストの増大を抑制した小規模の回路追加により実現できる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFMCWレーダ装置は、通常動作であり変調周波数偏移幅から検知距離を求めるFMCWレーダモードで動作するFMCWレーダ部と、送信信号をパルス変調し送信パルス信号を発生するパルス変調手段と、送信パルス信号をターゲットに照射してから反射信号を受信するまでの伝播時間を求める距離カウント手段とを備え、FMCWレーダモードの予め定めた一定時間毎に送信パルス信号を照射し伝播時間からターゲットまでの距離を検知するパルスレーダモードで動作させこのパルスレーダモードによる高精度の検知距離によりFMCWレーダモードによる検知距離を校正することにより、FMCWによる検知距離の誤差補正を、高電力化等の送信機性能及び低雑音化等の受信機性能を向上させること無く、従って回路規模及びコストの増大を抑制した小規模の回路追加により実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFMCWレーダ装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のFMCWレーダ装置におけるレーダ動作モードの一例を示すタイムチャートである。
【図3】FMCWレーダモードにおける距離検知方法を示す説明図である。
【図4】高周波発振器の変調信号対発振周波数の温度特性データの一例を示すグラフである。
【図5】パルスレーダモードにおける距離検知方法を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 送信部
2 アンテナ部
3 受信部
4 制御部
11 変調電圧発生器
12 高周波発振器
13 高周波増幅器
14 パルス変調回路
15 パルス発生器
21 送信アンテナ
22 受信アンテナ
31 高周波ミキサ
32 FFT部
33 検波増幅器
34 コンパレータ
41 サンプルパルス発生器
42 距離校正部
43 CPU
44 タイマ

Claims (2)

  1. 送信信号に三角波による周波数変調をかけ、送信信号の照射から対象物であるターゲットの後方散乱信号である反射信号の受信までの時間によって変調された周波数の偏移量である変調周波数偏移幅から前記ターゲットまでの距離を求めるFMCWレーダ装置において、
    通常動作であり前記変調周波数偏移幅から検知距離を求めるFMCWレーダモードで動作するFMCWレーダ部と、
    送信信号をパルス変調し送信パルス信号を発生するパルス変調手段と、前記送信パルス信号を前記ターゲットに照射してから前記反射信号を受信するまでの伝播時間を求める距離カウント手段とを備え、
    前記FMCWレーダモードの予め定めた一定時間毎に前記送信パルス信号を照射し前記伝播時間から前記ターゲットまでの距離を検知するパルスレーダモードで動作させこのパルスレーダモードによる検知距離により前記FMCWレーダモードによる検知距離を校正することを特徴とするFMCWレーダ装置。
  2. ミリ波帯周波数を用いた車載用であり、S/N比の高い近距離の車両をターゲットとして選択して前記FMCWレーダモードの検知距離の前記パルスレーダモードによる校正を行うことを特徴とする請求項1記載のFMCWレーダ装置
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