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JP4541757B2 - 偏光素子 - Google Patents

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JP4541757B2
JP4541757B2 JP2004149224A JP2004149224A JP4541757B2 JP 4541757 B2 JP4541757 B2 JP 4541757B2 JP 2004149224 A JP2004149224 A JP 2004149224A JP 2004149224 A JP2004149224 A JP 2004149224A JP 4541757 B2 JP4541757 B2 JP 4541757B2
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Description

本発明は、複数の波長、あるいは帯域光で、かつ、比較的広い入射角度範囲で使用する偏光分離素子などの偏光素子に関し、例えば、撮影光学系、投写型表示装置(プロジェクタ)、画像処理装置、半導体製造装置、等の各種光学機器に関するものである。
従来より、波長以下の周期の一次元格子形状を持つSWS(sub−wavelength structure)素子が構造複屈折性を有する事は知られてる。
一般的に図24に示すような一次元格子においてn、nの媒質がa:bの比で繰り返す一次元格子でそれぞれの偏光の有効屈折率は式(1)(2)で表される。
Figure 0004541757
1次元格子においてn1を誘電体、n2を空気としたとき、媒質のピッチに対する比率であるフィリングファクターfは式(3)で示される。この例ではフィリングファクターを約0.5程度になるようにエッチングしたものである。
f=a/(a+b) ・・・(3)
図25は、一次元格子の誘電体をTiO2(n1=2.304)を、一方を空気(n2=1.0)とした格子でのTiO2のフィリングファクタfに対する有効屈折率の変化を表したグラフである。
図25よりfの値によらずnTE>nTMである。
上記のような一次元格子が有効屈折率で記述できる条件としては、格子のピッチが十分に小さく、回折が起こらないことが必要である。
図3に示すようなピッチdの格子の入射側媒質の屈折率をn1、射出側媒質の屈折率をn2とし、入射光の入射角をθ1、回折による射出光の射出角をθ2とすると、隣あう、光線の光路差(L1−L2)が波長の整数倍となるとき回折光が発生する。これは条件式(4)で表われ、この式が成り立つときに回折が発生する。
dn1sinθ1−dn2sinθ2=mλ ・・・(4)
ただし、mは整数
この式(4)がm=0以外に解が存在しないようにすれば回折が生じない。
入射側、射出側の媒質をともにnとして、式(4)を式(5)のように変形する。
sinθ1−sinθ2=mλ/dn ・・・(5)
θ1、θ2が任意の値をとると考えると、式(5)の左辺は式(6)の範囲となる。
−2 ≦ 左辺 ≦ 2 ・・・(6)
よって、λ/dnが左辺より大きければ回折は生じない。すなわち、式(7)が全ての入射角で回折を生じさせないための条件となる。
d < λ /2n ・・・(7)
この一次元格子を互いに直交する様に積層したいわゆる井桁構造の素子に関して製法が特許文献1に提案されている。周期的に積層された感光特性のことなる感光材料を積層構造に配置し、それぞれを感光、エッチングすることで井桁構造を実現している。実施例としては井桁構造の模式図だけであり、具体的な形状の大きさを示す数値実施例の記載はないが、フォトニック結晶として使用するには格子のピッチが波長以下である必要があり、また上記の回折の生じない条件を満たさなければならない。素子の入射側、射出側の媒質は空気(n=1.0)であり条件式(7)より波長の半分程度のピッチで構成されていると考えられる。
特開2001−209189号公報
しかしながら、上記の素子を偏光分離素子などの様に2つのプリズムの間に埋め込んだ構成で使用する際には、上記条件式(7)において屈折率nが空気に比べて大きくなる分、回折を生じさせないためのピッチが狭くなる。上記のような一次元格子では、ピッチに占める媒質の比(フィリングファクタ)と格子の厚み(h)とを変えずにピッチを狭めると、格子の高さと幅の比(アスペクト比)が大きくなることになり、製造上の難易度が増すと言う問題があった。
本発明は、これらの問題を鑑み、使用する光束の入射角度と方向に応じてピッチを最適に設定することで、全光束に対して回折が発生しない条件を保ちながらも、製造が簡易となる構成の偏光素子を得ることを目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明は、所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
前記プリズムの光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記偏光素子に入射する光束のうち入射角度が最大となる光線の入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子とした。
PA<PB
本発明は、所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
前記プリズムの光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、前記偏光素子に入射する光束のうち光束の中心光線を代表光線とするとき、前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記代表光線が前記偏光素子に入射するときの入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子とした。
PA<PB
本発明は、所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
前記プリズムは光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、前記偏光素子から射出する光束のうち射出側に置かれた前記2つのプリズムのうち射出側プリズムの光軸を通る光線を代表光線とするとき、前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記代表光線が前記偏光素子に入射するときの入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子とした。
PA<PB
上記の偏光素子を用いて、光源部からの光束を画像信号に基づいて変調する変調手段に導光し、該変調手段により変調された光束を投写光学系によって所定面上に投写していることで有効な投写型表示装置が得られる。
本発明によれば、前述のように、偏光素子をプリズムに挟んだ構造に関して、製造上簡易な形状をであり、偏光素子性能も、波長特性、入射角度特性ともに広い範囲で高い性能を持った偏光素子素子を実現することができるという効果がある。
図1は本発明の実施例1の偏光分離プリズムの構成図である。表1に実施例1の構成をあらわす設計値を示す。
Figure 0004541757
図1において、プリズムの入射面(25)に対して、偏光分離層(23)は45°傾いている。入射面(25)に垂直に入射する光線のP偏光(18)、S偏光(20)が偏光分離層(23)に入射し、S偏光は反射(21)させ、図1の入射側プリズム(22)にある入射面(25)とは別の射出面(26)から射出させる。また、P偏光は透過(19)させ、射出側プリズム(24)にある射出面(27)から射出させる構成となっている。
図2に格子の方向を表す模式図を示す。偏光分離層(23)に入射する際の入射平面(28)と偏光分離層の第1の一次元格子は図2のように平行となり、その方向を格子方向Pとする。第2の一次元格子は図2のように入射平面と直交する配置であり、その方向は格子方向Vとする。
図4は格子を斜めから見た図であり、図5は図2の29の矢印で示す方向Aから見た格子の断面構造図であり、図6は図2の30の矢印で示す方向Bから見た格子の断面構造図である。第1の一次元格子は空気と誘電体が交互に繰り返す格子方向PのL層(101,103)である、第2の一次元格子は空気と誘電体が交互に繰り返す格子方向VのH層(102)より構成されている。全体で3層と言う比較的簡易な構成で偏光分離を実現することが可能である。また、誘電体としてはTiO2を用いている。
それぞれの層をH層、L層としているのは、反射させるS偏光に対してのそれぞれの有効屈折率の高低を表している。格子方向Vの一次元格子層の厚さは64nmであり、S偏光の反射を完全に達成するのに十分な厚さとなっている。一般的に高屈折率の媒質から低屈折率の媒質に入射するときに入射角度が臨界角以上では、一切透過せずに全反射することが知られている。しかし、この時に、境界面近傍の極めて微小な領域において、エバネセント光がしみ出ている。この光の到達領域に次の媒質があると光が透過してしまう。この現象が全反射減衰(attenuated total reflection:ATR)である。このATRの光同士の干渉を利用して広い角度範囲、波長範囲で高い反射率を得るのである。一方、格子方向Pの一次元格子のからなるL層の厚さは370nmであり、この数字はATRによる反射を有効に活用するためのものである。
この膜厚が薄くなると、臨界角以上の入射角度領域ではATRによる透過が大きくなり、十分な反射が得られない。
一方、ATRの観点からは、膜厚が厚ければ厚いほど好ましい。しかしながら、膜厚を増しても、反射率は全反射に漸近してしまうため、膜厚を増やしただけの効果は得られない。この一次元格子の形状では、膜厚を増すほど製造の難易度は上がる。そのため、実施例の厚み程度に設定することが好ましい。
また、使用角度の範囲に臨界角以下の通常反射を含むが、そこでの干渉においては実施例での厚みに設定することで、最適な結果が得られた。
実施例1では表1に設計値を示すとおり、プリズムの硝材に屈折率が約1.603と比較的低い物を使用した。格子方向Vの一次元格子であるH層と、格子方向Pの一次元格子であるL層の誘電体はともにTiOであり、屈折率2.282の高屈折率な物を使用し、フィリングファクタをL層=0.18、H層=0.84に設定することで、効率よく複屈折を生じさせている。
格子方向Vの一次元格子の層に関しては、P偏光がTM、S偏光がTEとなる。また、格子方向Pの一次元格子の層に関しては、P偏光がTE、S偏光がTMとなる。
(1)、(2)の式において、一方の媒質をTiO、他方を空気として、フィリングファクタf(ピッチに対するTiOの割合)を変化させたときのそれぞれの偏光に対する有効屈折率を表すグラフは図25の様になる。
P偏光に関して、表1に示すとおり第1の一次元格子がf=0.18の時、TE方向の有効屈折率は1.35となり、第2の一次元格子ではf=0.84の時、TM方向の有効屈折率は1.83となる。
一方のS偏光に関して、表1に示すとおり第1の一次元格子ではTM方向の有効屈折率は1.07となり、第2の一次元格子ではTE方向の有効屈折率は2.18となる。
このように、第1と第2の1次元格子層との有効屈折率がP偏光に関しては近い値となり、S偏光に関しては大きな屈折率差を生じさせることで、それぞれの偏光の光線の透過、反射を実現している。
プリズム形状を図10に示す。入射側プリズム(22)と射出側プリズム(24)の間にL層格子(101,103)が図10に示す様に斜面方向に、H層格子(102)がそれと直交する方向で挟んだ形状である。
図11に入射光束を示す。このプリズムに入射光は図11の様に偏光素子面に45°をなす光軸(32)を中心に円形の開口をもって約Fno.2.0光束(31)として入射する。その際、図13に示すようなP方向の格子の周期方向と光軸(32)を含む平面を断面(33)としたとき、断面(33)内での入射光束の角度は、図14で示され、光軸に対してθ3の幅をもつ。
また、図15に示すようなV方向の格子の周期方向と光軸(32)を含む平面を断面(34)としたとき、断面(34)内での入射光束の角度は、図16で示されるように、光軸がθ0傾き、入射角度が最大となる光線の角度はθ3となる。
それぞれの断面における入射角度と、格子ピッチが回折を起こさないようにする必要がある。図14の断面では光軸の格子に対する入射角度θ0は0°であり、入射角が最大となる光線はFno2.0のθ3=約14.5°となる。
ここで、前述の回折の条件式(5)において、
sinθ1−sinθ2=mλ/dn ・・・(5)
入射光の入射角θ1は以下の範囲(9)であり、sinθ1は以下の範囲(10)となる。
−14.5≦θ1≦14.5 ・・・(9)
−0.25≦sinθ1≦0.25 ・・・(10)
θ2が任意であるとき、式(6)の左辺の取りうる値は以下のようである。
−1.25≦左辺≦1.25 ・・・(11)
よって、以下の条件をみたすときに式(5)はm=0以外の解が存在しない。
1.25<λ/dn ・・・(12)
すなわち、格子のピッチdが以下の条件式(13)を満たすとき回折は生じない。
d<λ/1.25n ・・・(13)
使用波長のうち、最も短い波長λ=430nm、プリズムの屈折率n=1.603を代入すると以下のようになる。
d<215[nm] ・・・(14)
図14の断面図で示される格子ピッチ、すなわちL層の格子ピッチは表1に示すように200nmとして上記の条件をほぼ満たす値としている。
一方、図16の断面では光軸の格子に対する入射角度はθ0=45°であり、入射角度が最大になる光線の角度はθ3=59.5°となる。式(5)を用いて上記と同様に扱えば、式(5)の左辺の取りうる値は式(15)の範囲であり、格子ピッチdが以下の条件式(16)を満たすとき回折は生じない。
−1.87≦左辺≦1.87 ・・・(15)
d<λ/1.87n ・・・(16)
使用波長のうち、最も短い波長λ=430nm、プリズムの屈折率n=1.603を代入すると以下のようになる。
d<143[nm] ・・・(17)
図16の断面図で示される格子ピッチ、すなわちH層の格子ピッチは表1に示すように140nmとして上記の条件をほぼ満たす値としている。
光軸の入射角度θ0に関しても、最大光線の入射角度θ3に関しても、最大となる方向は入射平面がV方向なため。L層格子(101,103)のピッチがPB、H層格子(102)のピッチがPAとなる。これは、表3に示すように条件式(8)を満たす値となっている。
表1に示す様に、L層格子の方がピッチが大きくなっているが、L層格子では媒質の幅の割合が小さく、層が厚いので、アスペクト比(格子幅に対する格子厚さの比)大きくなっているが、ピッチを少しでも大きくすることでアスペクト比が減少し製造上の難易度が軽減している。
図26の(a)〜(c)図がこの設計値の厳密結合波解析計算(Rigorous coupled−wave analysis:RCWA)による性能のシミュレーション結果である。P偏光では、高入射角で、透過率が落ちているが、実使用時の角度特性のウエートを考慮するとほとんど問題ないレベルである。
S偏光に関しては低入射角の短波長側で性能が劣化している以外は35〜55°と言うかなり広い入射角範囲で透過する光線がほとんど無く、完全な反射率を達成している。
図7に実施例2の偏光分離素子の構成を示す。図7は格子を斜めから見た図である。実施例1と同様に図2のような方向から見た断面図がそれぞれ図8と図9である。
第1の一次元格子は空気と誘電体が交互に繰り返す格子方向VのH層(201,203,205)である。第2の一次元格子は空気と誘電体が交互に繰り返す格子方向PのL層(202,204)より構成されている。
全体で5層と言う比較的簡易な構成で偏光分離を実現することが可能である。また、誘電体としてはTiO2を用いている。
実施例2では表2に設計値を示すとおり、プリズムの硝材に屈折率が約1.603と比較的低い物を使用した。格子方向Vの一次元格子であるH層と、格子方向Pの一次元格子であるL層の誘電体はともにTiOであり、屈折率2.282の高屈折率な物を使用し、フィリングファクタをL層=0.30、H層=0.90に設定することで、効率よく複屈折を生じさせている。
Figure 0004541757
Figure 0004541757
P偏光に関して、表2に示すとおり第1の一次元格子ではf=0.30の時、TE方向の有効屈折率は1.55となり、第2の一次元格子ではf=0.90の時、TM方向の有効屈折率は1.98となる。
一方のS偏光に関して、表2に示すとおり第1の一次元格子ではTM方向の有効屈折率は1.17となり、第2の一次元格子ではTE方向の有効屈折率は2.21となる。
このように、第1と第2の1次元格子層との有効屈折率がP偏光に関しては近い値となり、S偏光に関しては大きな屈折率差を生じさせることで、それぞれの偏光の光線の透過、反射を実現している。
プリズム形状を図12に示す。入射側プリズム(22)と射出側プリズム(24)の間にL層格子(202,204)が図10に示す様に斜面方向に、H層格子(201,203,205)がそれと直交する方向で挟んだ形状である。
入射光束に関しては実施例1と同様であり図11に示す。
図14,16において各断面(33)、(34)での入射角度と、格子ピッチが回折を起こさないようにする必要があり、その時の各格子のピッチの条件は同様に上記式(14)、(17)となる。
表2に示すようにH層の格子のピッチは120nmと条件式(17)を満たすものとしている。一方、L層の格子のピッチは300nmと条件式(14)を超えているが性能上実質問題のない範囲まで広げている。
光軸の入射角度θ0に関しても、最大光線の入射角度θ3に関しても、最大となる方向は入射平面がV方向なため。L層格子(202,204)のピッチがPB、H層格子(201,203,205)のピッチがPAとなり、表3に示すように条件式(8)を満たす値となっている。
表2に示す様に、L層格子の方がピッチが大きくなっているが、L層格子では媒質の幅の割合が小さく、層が厚いので、アスペクト比(格子幅に対する格子厚さの比)は大きくなっているが、ピッチを少しでも大きくすることでアスペクト比が減少し製造上の難易度が軽減している。
図27の(a)〜(c)図がこの設計値の厳密結合波解析計算(Rigorous coupled−wave analysis:RCWA)による性能のシミュレーション結果である。P偏光では、低入射角で、多少透過率が落ちているが、それ以外は、ほぼ良好な性能を達成している。
S偏光に関しては低入射角の短波長側で性能が劣化している以外は35〜55°と言うかなり広い入射角範囲で透過する光線がほとんど無く、完全な反射率を達成している。
図17は、実施例3の偏光素子を示すものである。位相板などのように入射角が0°で入射するような構成で使用する素子である。図の様に一次元格子(35)、(36)が互いに直交するように積層された構造である。図18は実施例3の入射光束を示すもので、図のように光軸(32)は入射角度0°で入射し、それを中心に楕円の開口を持った光束である。図19に示すように、開口の楕円の長軸を含む断面(37)での光束は、図21のようになる。また図20に示すように、開口の楕円の短軸を含む断面(38)での光束は、図22で示すようになる。
図21で示す断面(37)での入射光束はFNo.=2.0の開口を持ちθ4=14.5°となる。よって、この断面方向の格子ピッチは第1実施例と同様に式(14)を満たすことが必要である。
d<215[nm] ・・・(14)
一方、図22で示す断面(38)での入射光束はFNo.=4.0の開口であり、θ5=7.2°となる。この断面方向の格子ピッチは同様に計算すると式(18)となる。
d<238[nm] ・・・(18)
表3に示すようにそれぞれの格子のピッチは条件式(14)、(18)を満たしているため回折は生じない。
実施例3において図21でしめす断面(37)が入射平面となる光束が最大入射角度を持つため、この断面図で示される格子ピッチがPA、それと直交する格子ピッチがPBとなる。これらは表3に示すように条件式(8)を満たす値となっている。
図23は、本発明の第4実施例である。本発明の偏光分離素子を用いた反射型画像変調装置を示している。図中、1は高圧水銀ランプなどからなる光源、2は光源1から光を所定の方向に放射するためのリフレクター、3は均一な照明強度を有する照明領域を形成するためのインテグレーターであり、フライアイレンズ3a、3bから構成されており、4は無偏光な光を所定の偏光方向に揃える偏光変換素子であり、5は照明光を集光するコンデンサーレンズ、6はミラー、7は照明光をテレセントリックな光にするフィールドレンズ、8は緑の波長領域光を透過するダイクロイックミラー、9a1、9b1、9c1はそれぞれ偏光分離層であり、S偏光を反射してP偏光を透過させる特性をもつ、9a、9b、9cは偏光分離層9a1、9b1、9c1を有する実施例1,2の偏光分離プリズムである。図11に示す光軸(32)と射出側の投射レンズ(14)の光軸を光学的に一致させた配置をとっており、その際の偏光分離素子の格子ピッチは実施例1,2の通り条件式(1)を満たす構成となっている。10a、10bはそれぞれ所定波長領域の光の偏光方向を90°変換(回転)する色選択性位相差板、11r、11g、11bはそれぞれ入射した照明光を反射するとともに画像信号に応じて変調して画像光を形成する反射型液晶表示素子、14は投射レンズ系である。以上の構成のように実施例1、2の偏光分離素子を配置すると、入射角度特性、波長特性に優れているため、光学系全体で得られるコントラストが極めて高い反射型液晶プロジェクタを実現できる。
本発明の第1実施例に対応する偏光分離素子の構成図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子の方向を説明する模式図 格子による回折を説明する模式図 本発明の第1実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の斜視図 本発明の第1実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の方向Aからの格子断面図 本発明の第1実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の方向Bからの格子断面図 本発明の第2実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の斜視図 本発明の第2実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の方向Aからの格子断面図 本発明の第2実施例に対応する偏光分離素子の格子形状の方向Bからの格子断面図 本発明の第1実施例に対応する偏光分離素子プリズムの構成図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子プリズムへの入射光束を示す模式図 本発明の第2実施例に対応する偏光分離素子プリズムの構成図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子プリズムへの入射光束を示す模式図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子プリズムへの入射光束を示す模式図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子プリズムへの入射光束を示す模式図 本発明の第1,2実施例に対応する偏光分離素子プリズムへの入射光束を示す模式図 本発明の第3実施例に対応する位相素子の構成図 本発明の第3実施例に対応する位相素子への入射光束を示す模式図 本発明の第3実施例に対応する位相素子への入射光束を示す模式図 本発明の第3実施例に対応する位相素子への入射光束を示す模式図 本発明の第3実施例に対応する位相素子への入射光束を示す模式図 本発明の第3実施例に対応する位相素子への入射光束を示す模式図 本発明の第4実施例に対応する偏光分離素子を反射型液晶プロジェクタ光学系に組み込んだ構成図 一次元型SWS格子の有効屈折率のモデルを説明する図 一次元型SWS格子にTiO2を用いたときの構造複屈折を表すグラフ 第1実施例に対応する偏光分離素子のRCWA計算による可視光領域での偏光分離特性を表すグラフ(a)は入射角度35.0°(b)は入射角度45.0°(c)は入射角度55.0°での各偏光の透過率の波長特性 第2実施例に対応する偏光分離素子のRCWA計算による可視光領域での偏光分離特性を表すグラフ(a)は入射角度35.0°(b)は入射角度45.0°(c)は入射角度55.0°での各偏光の透過率の波長特性
符号の説明
1 高圧水銀ランプなどからなる光源
2 リフレクター
3 インテグレーター
3a,3b フライアイレンズ
4 偏光変換素子
5 コンデンサーレンズ
6 ミラー
7 フィールドレンズ
8 ダイクロイックミラー
9a、9b、9c 偏光分離プリズム
9a1、9b1、9c1 偏光分離層
10a、10b 色選択性位相差板
11r、11g、11b 反射型液晶表示素子
14 投射レンズ系
18 P偏光入射光
19 P偏光透過光
20 S偏光入射光
21 S偏光反射光
22 入射側プリズム
23 偏光分離層
24 射出側プリズム
25 入射面
26 S偏光反射光の射出面
27 P偏光透過光の射出面
28 入射平面
29 格子断面観察方向Aを示す矢印
30 格子断面観察方向Bを示す矢印
31 入射光束
32 入射光束の光軸
33 入射光束の光軸を含む横断面
34 入射光束の光軸を含む縦断面
35 位相板を構成する格子
36 位相板を構成する格子
37 入射光束の光軸と開口の長軸を含む断面
38 入射光束の光軸と開口の短軸を含む断面

Claims (4)

  1. 所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
    前記プリズムの光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、
    前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、
    前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記偏光素子に入射する光束のうち入射角度が最大となる光線の入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子。
    PA<PB
  2. 所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
    前記プリズムの光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、
    前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、
    前記偏光素子に入射する光束のうち光束の中心光線を代表光線とするとき、
    前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記代表光線が前記偏光素子に入射するときの入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子。
    PA<PB
  3. 所定面と平行な第1の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層と、前記所定面と平行で前記第1の周期方向と垂直な第2の周期方向において使用波長以下の周期の屈折率周期構造を持つ層とが前記所定面と垂直な方向に積層されている偏光分離層の両側をプリズムで挟み込んだ偏光素子であって、
    前記プリズムの光弾性定数の絶対値が1.0×10−8cm2/Nより小さく、
    前記2つのプリズムのうち入射側プリズムの入射面に対して、前記偏光分離層は45°傾いており、
    前記偏光素子から射出する光束のうち射出側に置かれた前記2つのプリズムのうち射出側プリズムの光軸を通る光線を代表光線とするとき、
    前記第1の周期方向及び前記第2の周期方向のうち、前記代表光線が前記偏光素子に入射するときの入射平面に対して平行に近い周期方向における周期をPA、それと直交する周期方向における周期をPBとするとき、以下の条件式を満たす事を特徴とする偏光素子。
    PA<PB
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の偏光素子を用いて、光源部からの光束を画像信号に基づいて変調する変調手段に導光し、該変調手段により変調された光束を投写光学系によって所定面上に投写していることを特徴とする投写型表示装置。
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