JP4535594B2 - 連続鋳造機の浸漬ノズル交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造機における浸漬ノズルの交換装置およびその使用方法に関する。特に連続鋳造機の鋳込操業中に、タンディッシュ底部の浸漬ノズルを簡単かつ安全に交換し得るようにした浸漬ノズル交換装置およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶鋼金属容器の出湯口にスライドゲートを用い、流量を制御することは一般的に知られている。スライドゲートは主としてゲートを構成する一対の耐火物プレートと、これを保持・駆動する機械装置とにより構成されており、耐火物プレートの一枚を駆動しゲート開度を調整し、出湯速度を制御する装置である。耐火物プレートは、溶融金属の静圧に打ち勝ち金属の流出を閉塞又は絞って流量を制御するために使用するので、一定の力で面圧を負荷させないとプレート間から溶融金属の流出を招き重大事故に繋がる危険がある。
【0003】
このため、一般的な溶融容器用スライドゲートにあっては、プレート間の面圧は耐火物プレートの単位平面積当たり0.数MPaの圧力が負荷され、耐火物全体にかかる力は通常2.3tonfから10tonfに及ぶ。一方、スライドゲートの耐火物は高温の溶融金属にさらされるので損耗が激しく、数時間使用毎に交換される。そして、交換に当たってはその都度、面圧を解除し、スライドゲート金物を開放し、耐火物を押ボルト又はコッターを操作して交換し、再び面圧を負荷するという作業が必要である。また、面圧の設定が低すぎるとプレート間から漏鋼し、高すぎるとスライドゲートの摺動抵抗が大きく作動不能となり、容器内の溶鋼が取出せない等重大な事故に繋がるので、面圧負荷の調整は極めて重要な作業である。
【0004】
連続鋳造機において、タンディッシュからモールドへ注入する溶鋼量を制御する最もシンプルな方法として、タンディッシュ底板に設けた面積一定の開口から、浸漬ノズルなどの導管を用いずに溶鋼をモールドへ向けて大気中(或いは雰囲気ガス中)を落下させる、所謂オープンノズル方式がビレット連続鋳造機、ブルーム連続鋳造機、ビームブランク連続鋳造機などに広く採用されている。オープンノズルにおいて、単位時間当りの溶鋼流出量は、ノズル開口面積とタンディッシュ内溶鋼深さの平方根の積に比例するので、開口面積一定とする時タンディッシュの溶鋼量を一定に保てば流出量も一定となり、流量計測も容易な流量制御が出来る。従来のオープンノズルは、一定開口を有する耐火物で構成され、タンディッシュの底部の耐火物内に固定されており、鋳込中に簡単に交換することは出来ない。このため、溶鋼供給側の電気炉、転炉などの操業に合わせて、いわゆる連々鋳操業を行う場合は、タンディッシュの溶鋼深さを加減するなどして鋳込速度のコントロールを行っているが、溶鋼深さが浅くなり過ぎると鋳片品質を悪化させる。またレードルからの溶鋼ストリームにより湯当たりレンガの損傷に繋がるので、多ストランド鋳込においては、特定ストランドのノズルにタンディッシュ下部より危険を冒して栓をするか、タンディッシュ内側よりノズル穴に栓をするかにより、溶鋼流出を止めて溶湯供給と同調させている。また、スライドゲートを用いないで浸漬ノズル鋳込を行う場合も同様に、タンディッシュの溶鋼深さを加減して鋳込速度をコントロールする必要があり、非常停止を含む鋳込停止時は、内装式の浸漬ノズル使用の場合はタンディッシュ内より楔状の栓をする必要があり、外装式の場合も同様にタンディッシュ内側より栓をするか又は浸漬ノズル交換装置を備えた上で孔の無いノズルに交換する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
オープンノズルは、ジルコニアなど高強度耐火物を使用しているが、溶鋼から科学的、機械的なアタックを受け、通常10数時間から20数時間程度で口径が拡大し、使用に耐えなくなる。また、浸漬ノズルについても通常数時間から10数時間で、溶鋼面接触部が浸食され使用に耐えられなくなる。一方、タンディッシュの内張り耐火物は、数10時間の耐用性はあるが、オープンノズル及び浸漬ノズルの寿命のため鋳込を止めて冷却し、オープンノズル及び浸漬ノズルを交換すると共に補修又は張り替えを行っている。
【0006】
もしここで、オープンノズル及び浸漬ノズルを鋳込中に簡単に交換できれば、タンディッシュは連続、且つ長時間の使用が可能となり、鋳造作業の連続化による準備作業の低減、タンディッシュ内張り耐火物の原単位削減、冷却および再加熱のエネルギ損出の削減など便益が大きい。従来、タンディッシュのオープンノズルを交換する手段として、例えば特公昭49−31411号あるいは特公昭51−4187号公報に示される如く、タンディッシュ外部に設けたレール上にオープンノズルを滑り抜け可能に取り付て交換可能としたものが知られている。前述の特公昭51−4187号において、ブランクゲートをオープンノズルに相当するオリフィスゲートと同様な開口付きプレートとすれば、溶損ノズルを新品ノズルと交換することが可能であり、ブランクプレートとすれば鋳込停止を行うことができ、栓で止めるような危険な作業は不要となる。
【0007】
上述した従来の方法において、流量を制御するオリフィスプレートは、通常耐火物と、該耐火物の割れ防止機能を目的とする金属製ケーシングとで構成されており、2枚のオリフィスプレートまたはオリフィスプレートとブランクプレートを鋳込中に入れ替えるときには、前記金属製ケーシングも上側ノズルの開口部を通過するので、金属製ケーシングが溶鋼にさらされることになる。前記金属製ケーシングが前記オリフィスプレートの上部摺動面と同一面になるように構成し、かつ後続プレートの金属製ケーシングと充分に密着しておれば、オリフィスプレートの入替時も溶鋼の漏洩は起らないが、例えばプレス加工した経済的な金属ケースを用いるオリフィスプレート製作手段では必ずしも充分な平坦度と密着性は得られない。
【0008】
本発明は、上述した従来の不具合を無くし、耐火物プレート及び浸漬ノズルをタンディッシュ底に外付けして、安全かつ簡単に、鋳込み操業中にも交換可能とし、タンディッシュ耐火物とのバランスのとれた操業、柔軟性のある操業を可能とする連続鋳造機の浸漬ノズル交換装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明の浸漬ノズル交換装置は、タンディッシュの底面に固定したベースプレート(8)と、該ベースプレート(8)に固定した耐火性の上ノズル(4)と、前記ベースプレート(8)の下面にヒンジピン(16)で支持して揺動させて開閉可能に設けたフレーム(9)と、該フレーム(9)に取付けられており、耐火物プレート(5)を支持し、装入動作を案内する一対の上ガイドレール(11)と、前記フレーム(9)の下面に取付けられており、浸漬ノズル(6)を支持し、装入動作を案内する下ガイドレール(10)と、前記上ガイドレール(11)の入側に保持された耐火物プレート(5)と、前記下ガイドレール(10)の入側に保持された浸漬ノズル(6)を、タンディッシュの開口に通ずる開口位置まで、またその先の交換完了位置まで押し出すシリンダ(18)とを備え、前記上ガイドレール(11)は、耐火物プレート(5)を2個並べて載せ、耐火物プレート(5)の1個分を押し出せる長さを有し、前記下ガイドレール(10)は、浸漬ノズル(6)を2個並べて載せ、浸漬ノズル(6)の1個分を押し出せる長さを有しており、開口位置にある耐火物プレート(5)を交換位置方向に移動不能に拘束する上ストッパ(20a)が装入、取り外し可能に設けられており、開口位置にある浸漬ノズル(6)を交換位置方向に移動不能に拘束する下ストッパ(20b)が装入、取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
第2発明の浸漬ノズル交換装置は、第1発明において、前記シリンダ(18)が、トラニオン(18d)を有しており、前記フレーム(9)には、前記トラニオン(18d)を着脱自在に嵌脱するフック(9c)を形成していることを特徴とする。
第3発明の浸漬ノズル交換装置は、第1発明において、前記下ガイドレール(10)は、待機位置にある浸漬ノズル(6)を支持する入側下レール(10a)と、開口位置にある浸漬ノズル(6)を支持する可動レール(10c)と、交換位置にある浸漬ノズル(6)を支持する出側下レール(10b)とからなり、前記可動レール(10c)は、前記フレーム(9)に取付けられた球面座(13)で揺動自在に支持され、外端部は前記フレーム(9)との間にコイルばね(17)が介装されて、浸漬ノズル(6)を載せている内端部が押し上げられていることを特徴とする。
【0010】
第4発明の浸漬ノズル交換装置の使用方法は、請求項1載の浸漬ノズル交換装置を用い、上ストッパ(20a)および下ストッパ(20b)を外しておいて、耐火物プレート(5)および浸漬ノズル(6)を共に交換することを特徴とする。
第5発明の浸漬ノズル交換装置の使用方法は、請求項1記載の浸漬ノズル交換装置を用い、上ストッパ(20a)を外し下ストッパ(20b)のみを取付けておいて、耐火物プレート(5)のみを交換することを特徴とする。
第6発明の浸漬ノズル交換装置の使用方法は、請求項1記載の浸漬ノズル交換装置を用い、下ストッパ(20b)を外し上ストッパ(20a)のみを取付けておいて、浸漬ノズル(6)のみを交換することを特徴とする。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明による浸漬ノズル交換装置の側面断面図、図2は図1の矢視Aから見た浸漬ノズル交換装置の底面図、図3は図2のC−C線断面図、図4は図1のB−B線矢視図、図5はタンディッシュ2aにオープンノズル22を用いた場合の連続鋳造機における鋳込作業を説明するための概略図である。
【0013】
まず、連続鋳造機において、オープンノズルを使用した場合の溶鋼流量制御について図5を参照して説明する。レードル2cからタンディッシュ2aに供給される溶鋼流を該レードル2cの底部に設けられたスライドゲート21によりオン、オフし、タンディッシュ2a内の溶鋼深さHを一定範囲に制御すれば、タンディッシュ2aの底部のオープンノズル22からモールド23へ流入する単位時間当りの溶鋼量Qは、オープンノズル22の開口面積をAとして、Q∝A√(H)で表される。前記開口面積Aが一定であれば、溶鋼深さHが10%程度で変動しても溶鋼量Qは5%程度の変動に抑えられ充分な実用性が確保され、ビレット連続鋳造機、ブルーム連続鋳造機やビームブランク連続鋳造機に広く利用される。
【0014】
オープンノズル22は所定の開口面積を持った耐火物部材であるが、高温高流速の溶鋼にさらされるため徐々に溶損して開口面積Aが増大し、溶鋼深さが連続鋳造機の鋳片品質の確保できる限度以内では、所定のQに制御することが不能になる。オープンノズル22の機能が溶損などにより損なわれると、鋳込を停止し、タンディッシュ2aを冷却し、内張り耐火物と共に交換する。鋳込停止作業は、タンディッシュ2a内に若干の残鋼や残滓があり、依然流出が継続している状態で円錐状の栓をノズル下部に差し込んで行う方法が一般的であり、火傷の危険が高い。同様の鋳込停止作業はブレークアウトやオーバーフローなどの緊急時にも行われ、溶鋼深さが深いだけ溶鋼飛散など更に大きな危険を伴う。
【0015】
図1〜図4を参照して、浸漬ノズル交換装置1を説明する。この浸漬ノズル交換装置1はタンディッシュの底部に取付けられたベースプレート8を有しており、該ベースプレート8には上ノズル4を収納する凹みを有する。
【0016】
フレーム9は、前記ベースプレート8にヒンジピン16により開閉可能に結合され、該ヒンジピン16を中心にフレーム9はドア状に開閉可能となっている。該フレーム9には上ノズル4を収納する凹みを有すると共に、一端に耐火物プレート5及び浸漬ノズル6を駆動するシリンダ18が取付けられている。即ち、耐火物プレート5および浸漬ノズル6は、前記シリンダ18のシリンダロッド18bの端部に装着した押し金具19とシリンダー18の動きに従い交換をするようになっている。耐火物プレート5の上・下面には摺動面が形成されている。
【0017】
浸漬ノズル交換装置1の全体は、タンディッシュの鉄皮2bに一体化されたベースプレート8に4本の固定ボルト14にて取り付けられている。浸漬ノズル交換装置1のフレーム9は、全体として平面形状が大略角形の金属部材であり、そのほぼ中央部に上ノズル4の取付用の開口と、一端にシリンダ18を取り付けるためのフック9cと、このフック9cのほぼ延長線上に、浸漬ノズル6を水平方向にガイドする入側下レール10aを有している。
【0018】
次に、面圧負荷装置について説明する。面圧負荷装置は、前記フレーム9の側面に設けられている。即ち、フレーム9の側面にスプリング受け15が設けられ、該スプリング受け15にコイルばね17が組込まれている。フレーム9には、図3に示されるように、前述の上ノズル4取付用の開口を挟んで可動レール10c取付用のスタッド12が取り付けられている。
【0019】
可動レール10cは、スタッド12に組み付けた球面座13に揺動自在に支えられ、外端部にコイルばね17が取り付けられ、これによって耐火物プレート5及び浸漬ノズル6を支持する内端部が上ノズル4に向って押し上げている。耐火物プレート5は、内部に流量制御用の所定の開口5cを持っており、上ガイドレール11、可動レール10c及び浸漬ノズル6で支えられている。そして、シリンダ18のロッド18bの先端に取り付けた押し金具19により図1の右から左へ送り駆動される。
【0020】
上ノズル4は、浸漬ノズル交換装置1のベースプレート8及びフレーム9にて挟み込むことにより固定された耐火物ノズルであって、下面は水平な平坦面を有している。
【0021】
シリンダ18は、ロッド側の長方形フランジ部18cの先端部を角形に削り込んだ形状のトラニオン18dを有し、フレーム9のフック9cに設けられた角溝9dにトラニオン18dを嵌入することにより位置決めされ、上方に持ち上げるとタンディッシュの鉄皮2bとフック9cの上端部との隙間より取り外すことができるようになっている。
【0022】
入側下レール10aと出側下レール10bと可動レール10cで、特許請求の範囲にいう下ガイドレール10が構成されている。入側下レール10aと出側下レール10bの上面は浸漬ノズル6をセットしたときの可動レール10cの上面より若干、例えば1〜2mm低くされ、これによって耐火物プレート5及び浸漬ノズル6の寸法公差があっても、上ノズル4及び耐火物プレート5の隅部に突きかかることがないように配慮されている。可動レール10cには、入側下レール10aから浸漬ノズル6が確実に乗り移り、かつ、浸漬ノズル6の先行側の上部隅部が確実に耐火物プレート5下部に案内されるように、入側には大きな斜面10dが形成されている。
【0023】
上ガイドレール11及び下ガイドレール10の出側下レール10bは、シリンダ18により押し出された耐火プレート5と浸漬ノズル6を一時的に保持し、モールド23内に落下するのを防止している。
【0024】
次に上記実施例の装置の組み付け作業および稼働中における浸漬ノズル交換装置1について説明する。図1において、上ノズル4をフレーム9内にセットし、上ノズル4にモルタル3bを付け耐火物レンガ3aの底部にフレーム9を介して固定する。耐火物プレート5及び浸漬ノズル6を浸漬ノズル交換装置1に装着するに当っては、まずシリンダ18を取り外した状態で耐火物プレート5及び浸漬ノズル6を上ガイドレール11及び下ガイドレール10の入側下レール10aに乗せ掛け、ついでシリンダ18の角形トラニオン18dをフック9cの角溝9dに落し込むようにして取り付ける。このときシリンダ18のトラニオン18dは角形を成しているため、その重心がオーバーハングしているにもかかわらず、傾いたり落下したりすることはない。
【0025】
次に、シリンダ18のストロークエンドは、耐火物プレート5及び浸漬ノズル6の位置が正確に決まるように、フレーム9、シリンダ18、押し金具19、ストッパ孔9a,9b及び上ストッパ20a,下ストッパ20bの寸法が決定されているので、18のヘッド側に図示しない油圧源より圧油を送ると、シリンダロッド18bが図1,図2の左側へ突き出し、その先端の押し金具19により押されて、耐火物プレート5及び浸漬ノズル6は上ノズル4の直下に移動する。
【0026】
その後、タンディッシュ2aの予熱を行い、予熱終了後ストッパ孔9aに装入されている上ストッパ20aを取り外し、耐火物プレート5の代わりにブランクプレート7をシリンダ18にてセットし、耐火物レンガ3a内に詰め物をして鋳込の準備は完了する。この場合、浸漬ノズル6は交換しないためストッパ孔9bに装入されている下ストッパ20bは取り外さない。
【0027】
鋳込みは、モールド23上にタンディッシュ2aを誘導し、タンディッシュ2a内に溶鋼を注ぎ、次にブランクプレート7を耐火物プレート5で押し出すことにより、溶鋼が上ノズル開口4c,耐火物プレート開口5cおよび浸漬ノズル開口6cを流下し鋳込開始状態となる。
【0028】
図1の状態よりストッパ孔9a及び9b内に装入された上ストッパ20a,下ストッパ20bを取り外し、シリンダ18のロッド18bを押し出せば、耐火物プレート5は上ノズル4直下に、浸漬ノズル6は耐火物プレート5直下へ移動し、それぞれ使用後の耐火物は押し出されて上ガイドレール11及び出側下レール10b上へ移動し、新しい耐火物と交換される。
【0029】
流量制御のみ行う場合は、浸漬ノズル6を動かさないために下ストッパ20bをストッパ孔9bに装入し、シリンダ18を取り外した状態で、現在使用中の先行耐火物プレート5とはノズル径の異なる後続耐火物プレート5を上ガイドレール11に乗せ掛け、ついでシリンダ18を取り付け、シリンダ18のロッド18bを押し出せば交換が完了する。
【0030】
ここで、耐火物プレート5の代わりにブランクプレート7(孔の無い耐火物プレート)れ、鋳込がストップされる。
【0031】
浸漬ノズル6のみ交換する場合は、耐火物プレート5を動かさないために上ストッパ20aをストッパ孔9aに装入し、シリンダ18を取り外した状態で、現在使用中の先行浸漬ノズル6aとは異なる後続浸漬ノズル6bを下ガイドレール10の入側下レール10aに乗せ掛け、ついでシリンダ18を取り付け、シリンダ18のロッド18bを押し出せば交換が完了する。
【0032】
通常の鋳込中は、瞬時の非常ストップに対応するためにストッパ孔9aに装入されている上ストッパ20aは取り外し、ブランクプレート7を上ガイドレール11に乗せ掛け、シリンダ18も耐火物プレート5と交換可能な如くセットしておく。この場合浸漬ノズル6が動かないように下ストッパ20bはストッパ孔9bに必ず装入しておく。
なお、上ストッパ20aをストッパ孔9aに装入し、セットしている状態と取り外している状態に変更可能であり、また下ストッパ20bをストッパ孔9bに装入し、セットしている状態と取り外している状態に変更可能であり、上ストッパ20a,下ストッパ20bのいずれか一方だけを装入し、セットしている状態と、いずれも取り外している状態にも変更可能である。
【0033】
この交換動作中に、相前後する2組の耐火物の組立高さ寸法に若干の誤差があっても、可動レール10cは上下左右に揺動可能であり、耐火物プレート5及び浸漬ノズル6は上ノズル4及び耐火物プレート5に密着する。押し出された耐火物プレート5及び浸漬ノズル6は出側下レール10bから鋏み金具などにより、系外へ搬出される。
【0034】
ここで、耐火物プレート5の耐火物の組立対を順送り式に上ノズル4の下を通過させるとき、前記耐火物プレート5の上面が完全に前記上ノズル4に密着していると、溶鋼の充満したタンディッシュ2aであっても、溶鋼流は完全に遮断されたまま先行耐火物(耐火物プレート5)から後続の耐火物(耐火物プレート5)へ移動する。本交換装置によれば耐火物プレート5,5の寿命まで何回も繰り返し使用することが可能である。
【0035】
以上のように本実施形態によれば、浸漬ノズルの交換が鋳込中にシリンダ操作でワンタッチで行うことができ、タンディッシュの内張り耐火物の寿命一杯まで連々鋳操業が可能となり、耐火物原単価の低減がもたらされる。耐火物プレートの取り替えは予熱開始時ないし鋳込中でも良いので、ノズル径の選択、変更が自由で、鋳片サイズの変更、鋳込速度の変更に柔軟に対応できる。また、緊急時などの鋳込停止を安全、確実に行い得、極めて経済的な浸漬ノズル交換装置が得られる。浸漬ノズルの取り外し、取り付けが迅速、容易に行い得ることから、鋳造条件の変更にも柔軟に対応できるなど多くの効果がもたらされる。また従来より使用されているいわゆるスライドゲートに比較し、設備費及び耐火物費共に大幅に安価となる。
【0036】
【発明の効果】
第1発明によれば、上ガイドレール(11)で使用中の耐火物プレート(5)と使用前の耐火物プレート(5)をシリンダ(18)で押し出して、順送りして鋳込中でも交換でき、下ガイドレール(10)で使用中の浸漬ノズル(6)と使用前の浸漬ノズル(6)をシリンダ(18)で押し出して、順送りして鋳込中でも交換することができる。また、上ストッパ(20a)と下ストッパ(20b)を取り外せば耐火物プレート(5)と浸漬ノズル(6)の交換が可能となり、上ストッパ(20a)を装入して下ストッパ(20b)を取り外せば浸漬ノズルの交換が可能となり、上ストッパ(20a)を取り外して下ストッパ(20b)を装入すれば耐火物プレート(5)の交換が可能となる。
第2発明によれば、シリンダ(18)のトラニオン(18d)をフレーム(9)のフック(9c)に嵌脱することによって、シリンダ(18)の着脱を自在にできる。
第3発明によれば、下ガイドレール(10)の可動レール(10c)は、コイルばね(17)で浸漬ノズル(6)を載せている内端部が押し上げられているので、浸漬ノズル(6)が耐火物プレート(5)に密着する。
第4発明により、上ストッパ(20a)と下ストッパ(20b)を外せば、耐火物プレート(5)と浸漬ノズル(6)を交換できる。
第5発明により、上ストッパ(20a)を外しておけば、耐火物プレート(5)のみ交換できる。
第6発明により、下ストッパ(20b)を外しておけば、浸漬ノズル(6)のみ交換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る連続鋳造機のタンディッシュ用浸漬ノズル交換装置の側面断面図である。
【図2】図1の矢視Aからみた浸漬ノズル交換装置の底面図である。
【図3】図2のC−C線断面図である。
【図4】図1のB−B線矢視図である。
【図5】耐火物ノズルを用いた連続鋳造機における鋳込作業を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 浸漬ノズル交換装置
4 上ノズル
5 耐火物プレート
6 浸漬ノズル
7 ブランクプレート
8 ベースプレート
9 フレーム
9c フック
11 上ガイドレール
10 下ガイドレール
10a 入側下レール
10b 出側下レール
10c 可動レール
12 スタッド
13 球面座
16 ヒンジピン
17 コイルばね
18 シリンダ
19 押し金具
20a 上ストッパ
20b 下ストッパ
Claims (6)
- タンディッシュの底面に固定したベースプレート(8)と、
該ベースプレート(8)に固定した耐火性の上ノズル(4)と、
前記ベースプレート(8)の下面にヒンジピン(16)で支持して揺動させて開閉可能に設けたフレーム(9)と、
該フレーム(9)に取付けられており、耐火物プレート(5)を支持し、装入動作を案内する一対の上ガイドレール(11)と、
前記フレーム(9)の下面に取付けられており、浸漬ノズル(6)を支持し、装入動作を案内する下ガイドレール(10)と、
前記上ガイドレール(11)の入側に保持された耐火物プレート(5)と、前記下ガイドレール(10)の入側に保持された浸漬ノズル(6)を、タンディッシュの開口に通ずる開口位置まで、またその先の交換完了位置まで押し出すシリンダ(18)とを備え、
前記上ガイドレール(11)は、耐火物プレート(5)を2個並べて載せ、耐火物プレート(5)の1個分を押し出せる長さを有し、前記下ガイドレール(10)は、浸漬ノズル(6)を2個並べて載せ、浸漬ノズル(6)の1個分を押し出せる長さを有しており、
開口位置にある耐火物プレート(5)を交換位置方向に移動不能に拘束する上ストッパ(20a)が装入、取り外し可能に設けられており、
開口位置にある浸漬ノズル(6)を交換位置方向に移動不能に拘束する下ストッパ(20b)が装入、取り外し可能に設けられている
ことを特徴とする浸漬ノズル交換装置。 - 前記シリンダ(18)が、トラニオン(18d)を有しており、
前記フレーム(9)には、前記トラニオン(18d)を着脱自在に嵌脱するフック(9c)を形成している
ことを特徴とする請求項1記載の浸漬ノズル交換装置。 - 前記下ガイドレール(10)は、待機位置にある浸漬ノズル(6)を支持する入側下レール(10a)と、開口位置にある浸漬ノズル(6)を支持する可動レール(10c)と、交換位置にある浸漬ノズル(6)を支持する出側下レール(10b)とからなり、
前記可動レール(10c)は、前記フレーム(9)に取付けられた球面座(13)で揺動自在に支持され、外端部は前記フレーム(9)との間にコイルばね(17)が介装されて、浸漬ノズル(6)を載せている内端部が押し上げられている
ことを特徴とする請求項1記載の浸漬ノズル交換装置。 - 請求項1載の浸漬ノズル交換装置を用い、上ストッパ(20a)および下ストッパ(20b)を外しておいて、耐火物プレート(5)および浸漬ノズル(6)を共に交換する
ことを特徴とする浸漬ノズル交換装置の使用方法。 - 請求項1記載の浸漬ノズル交換装置を用い、上ストッパ(20a)を外し下ストッパ(20b)のみを取付けておいて、耐火物プレート(5)のみを交換する
ことを特徴とする浸漬ノズル交換装置の使用方法。 - 請求項1記載の浸漬ノズル交換装置を用い、下ストッパ(20b)を外し上ストッパ(20a)のみを取付けておいて、浸漬ノズル(6)のみを交換する
ことを特徴とする浸漬ノズル交換装置の使用方法。
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JP2000314301A JP4535594B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 連続鋳造機の浸漬ノズル交換装置 |
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JP2000314301A JP4535594B2 (ja) | 2000-10-13 | 2000-10-13 | 連続鋳造機の浸漬ノズル交換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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