JP4535307B2 - 樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
本発明は、樹脂組成物に関する。更に詳しくは、カメラ、撮影用VTRカメラ等に使用するハイブリッドレンズ、液晶ディスプレイ等に使用するフィルムレンズ、プロジェクションテレビ等に使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のシート状のレンズ用に特に適している樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶ディスプレイに使用するフレネルレンズシート、プロジェクションテレビ等に使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のシート状のレンズは、プレス法、キャスト法等の方法により成形された。前者のプレス法は加熱、加圧、冷却のサイクルで製造するため生産性が悪かった。又、後者のキャスト法は金型にモノマーを流し込んで重合するため製作時間が長くかかるとともに金型が多数個必要なために、最近ではレンズ型と透明樹脂基板(例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂あるいは、これらの樹脂とゴムとの混合基材等)との間にレンズ部形成用の紫外線硬化性樹脂液を介在させる方法が種々提案されている(例えば、特開昭61−177215、特開昭61−248707、特開昭61−248708、特開昭63−163330、特開昭63−167301、特開昭63−199302、特開昭64−6935等を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクションテレビ用のフレネルレンズに要求される性能は、高屈折率で、復元性、耐擦傷性が優れていること、又、前記透明樹脂基材との密着性が良好なこと等、要求項目が多いが全てを満足するものはできていないのが現状であり、より満足できる樹脂組成物を提供することが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究の結果、紫外線等の放射線による硬化が速く、樹脂基材に対して密着性に優れ、又その硬化物が脱型性、復元性、耐擦傷性に優れ、高屈折率である樹脂組成物を見出し本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
【0005】
(1)フェニルチオエチル(メタ)アクリレート(A)、(A)成分以外の反応性化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
(2)(A)成分以外の反応性化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(B−1)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−2)及びポリエステル(メタ)アクリレート(B−3)から選択されたオリゴマーの1種又は2種以上である(1)項記載の樹脂組成物、
(3)(A)成分以外の反応性化合物(B)が反応性モノマー類(B−4)である(1)項記載の樹脂組成物、
(4)光重合開始剤(C)を含有する(1)ないし(3)項のいずれか1項記載の樹脂組成物、
(5)レンズ用である(1)ないし(4)のいずれか1項記載の樹脂組成物、
(6)(1)ないし(5)のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物、
(7)屈折率が1.54(25℃)以上である(6)記載の硬化物、
(8)レンズである(6)又は(7)の硬化物、
(9)レンズがシートレンズである(8)記載の硬化物、に関する。
【0006】
本発明では、フェニルチオエチル(メタ)アクリレート(A)を使用する。フェニルチオエチル(メタ)アクリレート(A)の具体例としては、フェニルチオエチルアクリレート、フェニルチオエチルメタクリレートであり、市場より容易に入手することができる。例えば、BIMAX CHEMICALS社製、品名BX−PTEA(フェニルチオエチルアクリレート)等である。
【0007】
本発明では、(A)成分以外の二重結合を有する反応性化合物(B)を使用する。反応性化合物(B)は、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート(B−1)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−2)及びポリエステル(メタ)アクリレート(B−3)等のオリゴマー類や反応性モノマー類(B−4)、スチレン、αーメチルスチレン等が挙げられる。更に具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート(B−1)は、ポリオール化合物(a)と有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)の反応物である。反応方法の代表的なものとしては、(a)成分と(b)成分を反応させ(ウレタン化反応)、次いで(c)成分を反応させる((メタ)アクリレート化反応)方法をあげることができる。
【0008】
ウレタン化反応は、(a)成分の水酸基1当量に対して(b)成分のイソシアネート基の1.1〜2.0当量を反応させるのが好ましい。特に好ましくは、1.5〜2.0当量である。このウレタン化反応は、当業者に公知の手順において行うことができる。このウレタン化反応温度は、通常、常温〜100℃、好ましくは50〜85℃である。
【0009】
次に(c)成分を反応させる(メタ)アクリレート化反応においては、前記ウレタン化反応で得られた末端イソシアネートを有する化合物のイソシアネート基の1当量に対して(c)成分の水酸基の0.9〜1.5当量を反応させるのが好ましく、特に好ましくは1.0〜1.1当量である。この反応には、反応中のラジカル重合によるゲル化を防ぐ為に反応混合物に通常50〜2000ppmのハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、P−メトキシフェノール、P−ベンゾキノン等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。又、このアクリレート化反応温度は、通常、常温〜100℃、好ましくは、50〜85℃である。かかるイソシアネート基と水酸基との反応は、無触媒で進行するが、例えばトリエチルアミン、ジブチルスズラウリレート、ジブチルスズジアセテート等の慣用の触媒を使用することが好ましい。
【0010】
上記ウレタン(メタ)アクリレート(B−1)を製造するために使用するポリオール化合物(a)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ポリオール(a−1)、1,4−ジメタノールベンゼン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール、テトラブロムビスフェノールAポリプロポキシジオール、1,4−ジメタノールベンゼンのポリエトキシ化合物等の芳香族ポリオール(a−2)、前記、脂肪族ポリオール(a−1)とコハク酸、マレイン酸、アジピン酸の脂肪族二塩基酸又はその無水物との反応物である脂肪族ポリエステルポリオール(a−3)、前記脂肪族ポリオールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基酸又はその無水物との反応物もしくは1,4−ジメチロールベンゼン等の芳香族ポリオールと前記脂肪族二塩基酸又はその無水物との反応物である芳香族ポリエステルポリオール(a−4)等を挙げることができる。
【0011】
有機ポリイソシアネート(b)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0012】
水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリ(n≒2〜10)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(n≒2〜10)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(O−フェニルフェニルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等をあげることができる。
【0013】
エポキシ(メタ)アクリレート(B−2)は、エポキシ樹脂(d)と(メタ)アクリル酸の反応物である。反応は、(d)成分のエポキシ基1当量に対して(メタ)アクリル酸は0.5〜1.1当量反応させるのが好ましく、特に好ましくは0.9〜1.05当量である。反応温度は、通常、90〜150℃、好ましくは95〜110℃である。この反応には、反応中のラジカル重合によるゲル化を防ぐ為に反応混合物に通常100〜5000ppmのハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、P−ベンゾキノン等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。反応は、触媒を好ましく用いることができる。触媒としては、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性化合物等を挙げることができる。
【0014】
エポキシ(メタ)アクリレート(B−2)を製造するために使用するエポキシ樹脂(d)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1004等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(例えば、東都化成(株)製、YDF−170、YDF−175S、YDF−2001、YDF−2004等)、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0015】
ポリエステル(メタ)アクリレート(B−3)は、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ベンゼン−1,4−ジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、トリメチロールプロパン等のポリオール類とコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸又はその無水物との反応物であるポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
【0016】
反応性モノマー類(B−4)の具体例としては、例えば、単官能性モノマー(B−4−1)および多官能性モノマー(B−4−2)を挙げることができる。単官能性モノマー(B−4−1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有モノマー;N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカルバゾール、スチレン等のビニル基含有モノマー等を挙げることができる。
【0017】
多官能性モノマー(B−4−2)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有モノマー等を挙げることができる。
これら反応性モノマー類(B−4)は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明の樹脂組成物中、前記(A)及び(B)成分の使用割合は、(A)成分、1〜90重量%が好ましく、特に好ましくは5〜60重量%、(B)成分は、10〜99重量%が好ましく、特に好ましくは40〜95重量%である。
【0019】
本発明の組成物は、熱および/または放射線によって硬化される。ここで放射線とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線およびX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
【0020】
本発明の組成物を、例えば可視光線および/または紫外線硬化させる場合には、通常、重合開始剤(C)が用いられる。該重合開始剤としては、光重合開始剤(C)および必要に応じてさらに光増感剤が用いられる。このような光重合開始剤(C)としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであればいずれでもよく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパ−オキシカルボニル)ベンゾフェノン(以下、「BTTB」という)およびBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン等との組み合わせ等が挙げられる。また、増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。
【0021】
前記光重合開始剤(C)の配合量は、全組成物中に、好ましくは、0〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%である。また、本発明の組成物を熱硬化させる場合、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。好ましいラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物等を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾフェート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
【0022】
さらにまた必要に応じて添加する添加剤としては、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒無機系充填材、有機系充填剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等がある。そして酸化防止剤の市販品としては、Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバガイギー製)等が挙げられ、紫外線吸収剤の市販品としては、Tinuvin P、234、320、326、327、328、213(以上、チバガイギー製)、Sumisorb 110、130、140、220、250、300、320、340、350、400(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられ、光安定剤の市販品としては、Tinuvin 292、144、622LD(以上、チバガイギー製)、サノールLS−770、765、292、2626、1114、744(以上、三共化成工業(株)製)等が挙げられ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品としては、SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン製)、KBE903、KBM803(以上、信越シリコーン(株)製)等が挙げられ、老化防止剤の市販品としては、Antigene W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0023】
また本発明の組成物には、その他の添加剤としてエポキシ樹脂、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、マレイン酸誘導体等の重合性化合物、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーまたはオリゴマーを配合することもできる。
【0024】
本発明の組成物は、前記各成分を常法により混合して製造することができる。
【0025】
本発明の組成物は、カメラ、撮影用VTRカメラ等に使用するハイブリットレンズ、液晶ディスプレイ等に使用するフィルムレンズ、プロジェクションテレビ等に使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のシート状レンズに好適に用いることができるが、その他に、印刷インキ、塗料、コーティング、接着剤、卦止剤、レジスト等にも使用することができる。
【0026】
本発明の組成物をフレネルレンズに適応した場合、フレネルレンズは、フレネルレンズ形状を有する成形型、に本発明の樹脂組成物を塗布し、該樹脂組成物の透明層を設け、その層の上に透明樹脂基板を接着させ、次いでその状態で該樹脂基板側から高圧水銀灯などにより、紫外線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該成形型から離型する。この様にして通常屈折率(25℃)が1.54以上を有するフレネルレンズが得られる。本発明の樹脂組成物の硬化物層の厚さは、10〜300μm程度が好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明が下記、実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
(ウレタン(メタ)アクリレート(B−1)の合成例)
合成例1.
ポリエステルジオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート、平均分子量5500)1870g(0.34モル)、ネオペンチルグリコール174.7g(1.68モル)、トリレンジイソシアネート522gを仕込み、85℃で約15時間、イソシアネート基の濃度が約3.27%になるまで反応し、次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート243.6gとメトキノン1.4gを仕込み85℃で約10時間、イソシアネート基の濃度が0.3%以下になるまで反応しウレタンアクリレート(A−1)を得た。得られた生成物の屈折率(25℃)は1.521であった。
【0028】
合成例2
ポリエステルジオール(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート、平均分子量5500)1100g(0.2モル)、ビスフェノールAポリ(平均値としてn=4)プロポキシジオール(平均分子量460)828g(1.8モル)、トリレンジイソシアネート522gを仕込み、85℃で約15時間、イソシアネート基の濃度が約3.43%になるまで反応し、次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート243.6gとメトキノン1.3gを仕込み、85℃で約10時間、イソシアネート基の濃度が0.3以下になるまで反応しウレタンアクリレート(A−2)を得た。得られた生成物の屈折率(25℃)は1.531であった。
【0029】
実施例1、2、3
表1に示すような処方で(数値は重量部を示す)各成分を混合溶解し、本発明の樹脂組成物(透明な液体)を得た。この樹脂組成物をフレネルレンズ金型の上に塗布し、その上に透明なメタクリル樹脂系基板を接着させて、紫外線を照射して硬化させ、金型から離型しフレネルレンズを得、各種評価を行った。各種評価は以下の方法で行った。
【0030】
(1)離型性:硬化した樹脂を金型より離型させる時の難易。
○・・・・金型からの離型性が良好。
△・・・・離型がやや困難。
×・・・・離型が困難あるいは型のこりがある。
(2)復元性:硬化した樹脂層の金型より離型した面に直径10mmの金属丸棒を押し当て、その跡が完全に消失するまでの時間を測定した。
◎・・・・瞬時に消失した。
△・・・・60秒以内に消失した。
×・・・・1〜60分の間に消失した。
△・・・・消失するのに60分以上を要した。
【0031】
(3)耐擦傷性:硬化した樹脂層の金型より離型した面にメタクリル樹脂系基板(幅100mm、長さ100mm、厚さ2.5mm)を縦に強く押しつけながら約100mmの間隔を、1往復約1秒のスピードで、10往復させた後、面についた傷を観察した。
◎・・・・傷がまったく認められない。
○・・・・スジ状の傷が数本認められる。
△・・・・部分的に帯状の傷が認められる。
×・・・・全面的に帯状の傷が認められる。
(4)密着性:透明メタクリル樹脂系基板上に樹脂組成物を膜厚200μm、幅20mm、長さ150mmに塗布し、次いで高圧水銀灯(80w/cm、オゾンレス)で500mj/cm2の照射を行い硬化させてテストピースを作成し、引張試験機でメタクリル樹脂系基板上の硬化した樹脂膜の90℃における剥離強度を測定した(剥離スピード100mm/分)。
◎・・・・2kg/cm以上
○・・・・1〜2kg/cm
△・・・・0.5〜1kg/cm
×・・・・0.5kg/cm以下
(5)屈折率:硬化した樹脂の屈折率(25℃)を測定した。
【0032】
【0033】
注)*1.ビスフェノールA型エポキシアクリレート:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1004、エポキシ当量925、平均分子量1850)のエポキシ基1当量に対してアクリル酸0.98モルを反応させ、フェノキシエチルアクリレート40重量%で希釈したもので、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(B−2)とフェノキシエチルアクリレート(B−4)の混合物。
【0034】
表1の評価結果から、本発明の樹脂組成物の硬化物は、高屈折率で復元性、耐擦傷性、密着性、離型性等に優れていることが判る。
【0035】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、高屈折率で、復元性、耐擦傷性、密着性及び離型性に優れている。
Claims (6)
- (A)成分以外の反応性化合物(B)がウレタンアクリレート(B−1)、エポキシアクリレート(B−2)及びポリエステルアクリレート(B−3)から選択されたオリゴマーの1種又は2種以上である請求項1記載の樹脂組成物。
- (A)成分以外の二重結合を有する反応性化合物(B)がアクリロイル基を有する反応性モノマー類(B−4)である請求項1記載の樹脂組成物。
- 更に、光重合開始剤(C)を樹脂組成物中、0.5〜7重量%含有する請求項1ないし3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物であるシート状レンズ。
- 屈折率が1.54(25℃)以上である請求項5記載のシート状レンズ。
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JP2000387613A JP4535307B2 (ja) | 2000-12-20 | 2000-12-20 | 樹脂組成物、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 |
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