JP4534218B2 - エンジン駆動直流アーク溶接機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンで駆動される交流主発電機と始動用バッテリーを備え、エンジンの始動時にはこの始動用バッテリーでスタータモータを駆動し、交流主発電機が発電を開始すると、この交流主発電機で発電され整流された溶接電力に、前記始動用バッテリーの電力が加わって、エンジンで駆動される交流主発電機で発電され整流された溶接電力が小さくても、始動用バッテリーの電力が加わった分だけ、溶接電力を高めることができるようにしたエンジン駆動直流アーク溶接機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
野外の溶接現場において使用されるエンジン駆動直流アーク溶接機においては、可搬性を向上させるため、その小型化、軽量化が図られている。エンジン駆動直流アーク溶接機の小型化、軽量化の実現のため、発電機の効率向上やその冷却効率向上を図っているが、エンジン出力(馬力)と同等あるいはそれ以上の溶接出力を得ることができないのが実情であった。
また、このエンジン駆動直流アーク溶接機は、溶接現場によっては低騒音化が望まれ、それを実現するため複雑な防音構造の筐体を必要とし、その結果としてエンジン駆動直流アーク溶接機の大型化や重量増大を招いていた。
【0003】
そこで従来、エンジン発電機とバッテリーを備えた、いわゆるハイブリッド化したエンジン駆動直流アーク溶接機として、特開平10−314939号公報に開示されたようなものが開発されていた。このバッテリー・エンジン駆動発電機併用溶接機は、垂下特性のエンジン駆動発電機にバッテリーを直列接続し、エンジン駆動発電機出力と溶接出力によって、公称12Vバッテリー2個を直・並列に切り換えるようにしたものである。
また、実公平5−19179号公報に開示されたようなエンジン駆動型アーク溶接機も開発されていた。このエンジン駆動型アーク溶接機は、交流発電機の出力を主整流器で整流して溶接電力として出力するエンジン駆動型アーク溶接機において、エンジンの始動用のバッテリーに溶接出力の無負荷電圧を高めるために高電圧の交流出力に変換するインバータを接続し、また、前記バッテリーにこのインバータの交流出力を整流する補助整流器を介して前記主整流器の出力端に接続するとともに、前記バッテリーに、溶接出力のうち溶接電流のみを増加させるため電流値の高い交流出力に変換するインバータを接続し、このインバータの交流出力を整流する補助整流器を介して前記主整流器の出力端に接続し、かつ、前記溶接電流のみを増加させるため電流値の高い交流出力に変換するインバータに溶接電流を可変するための短絡電流制御装置を付設させてなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のバッテリー・エンジン駆動発電機併用溶接機は、エンジン駆動発電機に直列に接続するバッテリーを備えているが、このバッテリーは、エンジンを始動するスタータモータに接続するようになっていないばかりか、エンジン回転数を定格より低くし、発電機の出力容量の不足分をバッテリーに分担させる構造のもので、発電機の出力容量の条件によって、前記バッテリーを直・並列に切り換えるものである。従って、バッテリーを2個必要として、重量が大きくなり、また、エンジンの始動用バッテリーも必要であるので、コストも高くなり、バッテリー・エンジン駆動発電機併用溶接機が思うほど小さくならない、という問題がある。
また、後者のエンジン駆動型アーク溶接機は、エンジンの始動用バッテリーに、溶接出力の無負荷電圧を高めるため高電圧の交流出力に変換するインバータを接続し、このインバータの交流出力を整流する補助整流器を介して前記主整流器の出力端に接続するとともに、また、前記始動用バッテリーに溶接出力のうち溶接電流のみを増加させるため電流値の高い交流出力に変換するインバータを接続し、このインバータの交流出力を整流する補助整流器を介して前記主整流器の出力端に接続するようにしているが、その構成が複雑で、製造コストが高くなる、といった問題がある。
この発明は、エンジンの始動用バッテリーを、エンジンの駆動時には、エンジンを駆動するスタータモータに接続し、エンジンが駆動されて、それによって交流主発電機の発電が開始されると、その交流電力が整流されて得られる直流出力に、前記始動用バッテリーの出力が直列に加えられて、溶接出力電力を高めるようにして、エンジン駆動直流アーク溶接機の小型化を図ることを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、例えば図1を参照して説明すると、エンジンで駆動される交流主発電機6と、この交流主発電機6の出力を整流し溶接電力として出力するための主整流器7とを備えたエンジン駆動の直流アーク溶接機において、前記主整流器7をエンジンの始動用バッテリー10と直列になるように接続するとともに、前記始動用バッテリー10の両端には充電回路16を接続し、前記始動用バッテリー10と前記主整流器7との間には電流制御可能な半導体素子9を直列に接続し、前記半導体素子9の導通角を制御して、前記始動用バッテリー10から前記半導体素子9を介して前記交流主発電機6へと流れる電流の電流制御を可能にする制御回路5を設け、エンジンを始動させるスタータスイッチ12のオン時には、前記始動用バッテリー10からスタータモータ15に電流が流れるような回路を形成し、前記始動用バッテリー10と電流制御可能な半導体素子9との直列回路に並列に、バイパス用の整流器17を設けて構成したことを特徴とするエンジン駆動直流アーク溶接機としたものである。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、例えば図2を参照して説明すると、エンジンで駆動される交流主発電機6と、この交流主発電機6の出力を整流し溶接電力として出力するための主整流器7とを備えたエンジン駆動の直流アーク溶接機において、前記主整流器7をエンジンの始動用バッテリー10と直列になるように接続するとともに、前記始動用バッテリー10の両端には充電回路16を接続し、前記始動用バッテリー10と前記主整流器7との間には電流制御可能な半導体素子9を直列に接続し、前記半導体素子9の導通角を制御して、前記始動用バッテリー10から前記半導体素子9を介して前記交流主発電機6へと流れる電流の電流制御を可能にする制御回路5を設け、エンジンを始動させるスタータスイッチ12のオン時には、前記始動用バッテリー10からスタータモータ15に電流が流れるような回路を形成して構成したことを特徴とするエンジン駆動直流アーク溶接機としたものである。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、例えば図1〜図4を参照して説明すると、前記始動用バッテリー10の(−)極および溶接電力の(−)出力端子11を機体24に接続せず、前記スタータモータ15の電源の一端を、スタータスイッチ12のオン時にオンとなる一方の電磁開閉器接点14を介して始動用バッテリーの(+)極に接続し、スタータモータ15の電源の他端を機体24に接続し、始動用バッテリー10の(−)極および溶接電力の(−)出力端子11をスタータスイッチ12のオン時にオンとなる他方の電磁開閉器接点14′を介して機体24に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン駆動直流アーク溶接機としたものである。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、例えば図3および図4を参照して説明すると、前記充電回路16は、前記交流主発電機6と連動して駆動される補助発電機18に補助整流器19を接続して、この補助整流器19の直流出力で前記始動用バッテリー10を充電するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のエンジン駆動直流アーク溶接機としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は請求項1に係る発明の実施の形態を説明するための電気回路図(参照図面)であり、この実施の形態においては、交流主発電機を構成する界磁巻線1の励磁制御方式は、エンジン付設の交流発電装置2の交流発電出力を整流器3で整流したものを励磁電源として用い、励磁電流回路に励磁電流制御用のトランジスタ4を接続し、このトランジスタ4のベースが制御回路5に接続され、励磁電流の調整時には前記トランジスタ4が前記制御回路5によって制御されて、励磁電流が制御されるようになっている。また、この実施の形態においては、後述する主交流発電機6としてY型三相の発電巻線61,62,63が固定され、界磁巻線1に励磁電流が流れて生じる磁界がエンジンによって回転されるようになっているが、その反対になっていてもよい。
【0010】
請求項1に係る発明の実施の形態は、エンジンで駆動される主交流発電機6として例えばY型三相の発電巻線61,62,63と、この主交流発電機6の交流出力を整流し溶接電力として出力するための主整流器7として例えばダイオード71,72,73とを備えたエンジン駆動直流アーク溶接機において、前記主整流器7としてのダイオード71,72,73のアノードを主交流発電機6としての発電巻線61,62,63に接続し、ダイオード71,72,73のカソードを溶接電力の(+)出力端子8に接続し、前記発電巻線61,62,63とダイオード71,72,73のアノードとの接続点とバッテリー10の(+)極との間には、電流制御可能な半導体素子9としてサイリスタ91,92,93が直列に接続されて、前記主交流発電機6で得られる溶接電力に始動用バッテリー10の電力が加わるようになっている。
前記始動用バッテリー10の両端には充電回路16が接続され、また、始動用バッテリー10の両端にはスタータスイッチ12を介して電磁開閉器13が接続され、また、始動用バッテリー10の(+)極と機体24との間には、エンジンを始動させるスタータスイッチ12のオン時に前記電磁開閉器13に通電してオンとなる電磁開閉器接点14を介してスタータモータ15に電流が流れるような回路が形成されている。
また、前記始動用バッテリー10と電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93との直列回路に並列に、バイパス用の整流器17としてのダイオード171,172,173を接続してエンジン駆動直流アーク溶接機が構成されている。
なお、一般に溶接棒22は溶接電力の(−)出力端子11に接続し、被溶接物23は溶接電力の(+)出力端子8に接続する。
【0011】
次に、前記のように構成された請求項1に係る発明の作用について説明する。
まず、エンジンのスタータスイッチ12をオンにすると、電磁開閉器13に通電して電磁開閉器接点14がオンとなり、この電磁開閉器接点14を介してバッテリー10よりスタータモータ15に通電してエンジンが始動する。エンジンが始動するとスタータスイッチ12はオフとなり、前記電磁開閉器13が作動停止して、電磁開閉器接点14がオフとなり、スタータモータ15は停止する。
【0012】
次に、前記制御回路5に接続した溶接電流制御用の可変抵抗器21を、最高に調整すなわち溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11の間の出力電力(出力電圧)が最大になるように調整する。この場合、交流主発電機の出力電圧波形は図6の(a1),(a2),(a3),(a4)に示すような波形となり、前記電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93の導通角が180度になるように、サイリスタのゲートに図6の(b1)に示すような制御信号が印加され、主発電巻線6で得られる交流出力が主整流器7で整流された溶接出力電流波形および始動用バッテリー10の出力電流波形は図6の(e1)および(d1)となり、溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11の間の溶接出力電圧波形は、図6の(c1)に示すようにVcボルトとなって、主整流器7で得られた電圧Vaボルトに始動用バッテリー10の電圧が加えられて高くなる。
この場合は、例えば、主発電巻線6および主整流器7とで得られる発電機出力のみの溶接電流対溶接電圧の垂下特性曲線が図5のa特性曲線(図7のa′特性曲線参照)とすると、前記発電機出力に始動用バッテリー10の全電力が加わったときの垂下特性曲線は図5のc特性曲線(図7のc′特性曲線参照)となり、前記溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11との間に最大の溶接出力が得られる。また、図5のc特性曲線は、図5のa特性曲線より溶接無負荷電圧の上昇および溶接短絡付近の溶接電流Icが増加していることがわかる。
【0013】
また、前記溶接電流制御用の可変抵抗器21が最小に調整されると、前記電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93の導通角が0度すなわち非導通状態(オフ)になるように、サイリスタのゲートに図6の(b2)に示すような制御信号が印加される。
この場合、始動用バッテリー10からは図6の(d2)に示すように電流は流れず、溶接電流は、前記ダイオード71,72,73→溶接電力の(+)出力端子8→被溶接物23→溶接棒22→(−)出力端子11→ダイオード171,172,173→主交流発電機6へと流れる。
従って、前記のように主整流器7で得られた電圧に始動用バッテリー10の電圧が加わらない。そして、溶接出力電流波形は、図6の(e2)に示すようになり、溶接出力電圧波形は図6の(c2)に示すVaボルトのようになり、溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11の間の溶接出力は前記図6の(c1)に示す場合よりも下がる。
【0014】
また、前記溶接電流制御用の可変抵抗器21が中程度に調整されると、前記電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93の導通角が120度程度になるように、サイリスタのゲートに、図6の(b3)に示すような制御信号が印加されて、始動用バッテリー10の出力電流波形は図6の(d3)に示すようになり、サイリスタ91,92,93の導通角によって、始動用バッテリー10から電流が流れないときには、溶接電流は、前記のように、ダイオード71,72,73→溶接電力の(+)出力端子8→被溶接物23→溶接棒22→(−)出力端子11→ダイオード171,172,173→主交流発電機6へと流れるものと、サイリスタ91,92,93の導通角によって、始動用バッテリー10から電流が流れるときには、溶接電流は、前記ダイオード71,72,73→(+)出力端子8→被溶接物23→溶接棒22→(−)出力端子11→始動用バッテリー10→サイリスタ91,92,93→主交流発電機6へと流れるものがある。この場合、図6の(c3)に示す溶接出力電圧波形は、図6の(c1)に示す電圧波形と(c2)に示す電圧波形を合成したような波形になり、また、図6の(e3)に示す溶接出力電流波形は、図6の(e1)に示す溶接出力電流波形と(e2)に示す溶接出力電流波形を合成したような波形になり、始動用バッテリー出力電流波形は図6の(d3)に示すようになり、溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11の間の溶接電流対溶接電圧の垂下特性曲線は図5のb特性曲線のようになる。
【0015】
また、請求項2に係る発明の実施の形態は、図2および図4に示すように、前記始動用バッテリー10と電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93との直列回路に並列に、前記のようなバイパス用の整流器17としてのダイオード171,172,173を接続してない点が請求項1に係る発明のエンジン駆動直流アーク溶接機と異なる。
このように構成したことにより、前記制御回路5に接続した溶接電流制御用の可変抵抗器21を調整することによって、前記主交流発電機6と主整流器7とで得られる溶接電力および前記始動用バッテリー10からの電力に、充電回路からの充電電源も加わることから、前記始動用バッテリー10の消費が抑えられ、始動用バッテリー10の消耗を抑えることができるという利点がある。
しかし、最大出力に調整する場合は、エンジンに充電電源が負荷として加わり、最大出力が下がるため(図7のb′参照)最大出力の調整時に充電電源の(+)側と始動用バッテリー10の(+)極との接続間をオフにできるように、電流制御可能な半導体素子(図3、図4に示すトランジスタ制御素子20)を設ければ、最大出力(発電機+始動用バッテリーの出力のみ)が得られる(図7のc′参照)。なお、図7のa′特性曲線は発電機出力のみの場合を参考として破線で示している。
また、前記制御回路5に接続した溶接電流制御用の可変抵抗器21を調整することによって、前記電流制御可能な半導体素子9としてのサイリスタ91,92,93の導通角が150度程度になるように、サイリスタのゲートに図6の(b4)に示すような制御信号が印加されると、始動用バッテリー10の出力電流波形および溶接出力電流波形は図6の(d4)および(e4)に示すようになり、溶接出力の電圧波形は図6の(c4)に示すVbボルトのようになる。
【0016】
また、請求項3に係る発明の実施の形態は、図1〜図4に示すように、前記始動用バッテリー10の(−)極および溶接電力の(−)出力端子11を機体24に接続せず、前記スタータモータ15の電源の一端を、スタータスイッチ12のオン時に電磁開閉器13に通電してオンとなる一方の電磁開閉器接点14を介して始動用バッテリーの(+)極に接続し、スタータモータ15の電源の他端を機体24に接続し、始動用バッテリー10の(−)極および溶接電力の(−)出力端子11を、スタータスイッチ12のオン時に電磁開閉器13′に通電してオンとなる他方の電磁開閉器接点14′を介して機体24に接続して、エンジン駆動直流アーク溶接機が構成されている。
【0017】
このように構成したことにより、前記スタータスイッチ12のオンによって、電磁開閉器13,13′に通電して、電磁開閉器接点14,14′がオンとなると、これらの電磁開閉器接点14,14′を介してスタータモータ15が始動用バッテリー10に接続され、スタータモータ15が回転してエンジンが始動し、エンジンが始動するとスタータスイッチ12がオフとなって、電磁開閉器13,13′が作動停止し、電磁開閉器接点14′がオフとなると、始動用バッテリー10の(−)極および溶接電力の(−)出力端子11と機体24との間が絶縁されるようになっている。
このように構成した理由は、例えばバッテリー10の(−)極と溶接電力の(−)出力端子11が機体24に接続されている場合に、溶接棒22を溶接出力の(−)出力端子11に接続し、被溶接物23を(+)出力端子8に接続すると、被溶接物23が機体24に接触すると、前記(+)出力端子8が機体24を経由して(−)出力端子11に導通して、溶接出力が短絡する、という問題を無くすためである。
【0018】
また、請求項4に係る発明の実施の形態は、図3および図4に示すように、前記充電回路16は、前記交流主発電機6と連動して駆動される補助発電機18に補助整流器19を接続して、この補助整流器19にトランジスタ制御素子20を介して前記始動用バッテリー10に接続して、エンジン駆動直流アーク溶接機が構成されている。
このように構成したことにより、前記補助発電機18で発電された交流出力が補助整流器19で整流されて直流出力となり、この直流出力がトランジスタ制御素子20で調整して始動用バッテリーに充電される。すなわち、溶接作業中でも始動用バッテリー10の出力電流が零(0)の期間(溶接出力電流が最大出力より低い場合)、かつ、溶接休止期間には、始動用バッテリー10が充電可能となる。
なお、この実施の形態においては、補助発電機18としてY型三相発電巻線とし、補助整流器19もそれに対応したものとしているが、単相発電巻線であってもよい。
また、本構成では、エンジンの始動時においてスタータモータが回転中は電磁開閉器接点14′がオンとなり、従って、始動用バッテリー10の(−)極が機体24に接続し、溶接電力の(+)出力端子8に接続した被溶接物23が機体24に接触すると、溶接電力の(+)出力端子8と(−)出力端子11とが短絡されそうに思われるが、しかし、下記のような構成にすることによって、そのようにはならない。すなわち、スタータモータが回転してエンジンが回転し、それによって前記主交流発電機6が発電を開始したことを、前記制御回路5(制御回路5内に設けた図示しない検出素子)が検出するまでは、この制御回路5から電流制御可能な半導体素子9であるサイリスタ91,92,93のゲートに、サイリスタの流通角が零(0)になるような制御信号が印加されて、サイリスタをオフ状態とするため、始動用バッテリー10の(+)極と溶接電力の(+)出力端子8との間が遮断されるから、前記のような問題は生じない。
【0019】
なお、前記電磁開閉器13,13′は、それぞれ別体になっているが、これを一体の電磁開閉器とし、電磁開閉器接点14,14′を別体にすることができ、また、前記サイリスタをトランジスタにすることもできる。
また、普通に溶接する場合は、溶接棒22を直流アーク溶接の(−)出力端子11に接続し、被溶接物23を(+)出力端子8に接続する。一方、薄板や肉盛り溶接の場合は、溶接棒22を(+)出力端子8に接続し、被溶接物23を(−)出力端子11に接続する。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、前記のように構成したので、すなわち、前記始動用バッテリーと電流制御可能な半導体素子との直列回路に並列に、バイパス用の整流器を接続したことにより、前記電流制御可能な半導体素子に流れる電流が最大になるように調整された場合には、主発電機および主整流器によって得られる溶接電力に、始動用バッテリーからの電力が加えられて、溶接電力の(+)出力端子と(−)出力端子との間の溶接出力が上がるので、エンジンおよび主交流発電機が小型であっても、この主交流発電機によって得られる電力以上の溶接出力を得ることができ、従って、エンジン駆動直流アーク溶接機の小型化を図ることができる。
また、前記電流制御可能な半導体素子が非導通(オフ)のときには、溶接電流は前記バイパス用の整流器を通して始動用バッテリーをバイパスして流れるようになるため、その間は始動用バッテリーの消耗を抑えることができる。
【0021】
また、請求項2に係る発明のように、前記のようなバイパス用の整流器を設けていない場合でも、前記電流制御可能な半導体素子に流れる電流が最大になるように調整された場合には、前記同様に、主発電機および主整流器によって得られる溶接電力に、始動用バッテリーからの電力が加えられた値に、溶接電力の(+)出力端子と(−)出力端子との間の溶接出力が上がるので、エンジンおよび主交流発電機が小型であっても、この主交流発電機によって得られる電力以上の溶接出力を得ることができ、従って、エンジン駆動直流アーク溶接機の小型化を図ることができる。
【0022】
また、請求項3に係る発明は、前記のように構成したので、前記スタータスイッチのオンによって、電磁開閉器に通電して、電磁開閉器接点がオンになると、これらの電磁開閉器接点を介してスタータモータが始動用バッテリーに接続されて、スタータモータが回転してエンジンが始動し、エンジンが始動するとスタータスイッチがオフとなって、電磁開閉器が作動停止し、電磁開閉器接点がオフとなると、始動用バッテリーの(−)極および溶接電力の(−)出力端子と機体との間が絶縁されるようにしたことにより、始動用バッテリーの(−)極および溶接電力の(−)出力端子を機体に接続し、溶接棒を溶接電力の(−)出力端子に接続し、被溶接物を(+)出力端子に接続した場合に、被溶接物が機体に接触すると、(+)出力端子が機体を経由して(−)出力端子に導通して、溶接出力が短絡する、という問題を無くすことができる。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、前記のように構成したので、すなわち、前記交流主発電機と連動して駆動される補助発電機に補助整流器を接続して、この補助整流器の直流出力で前記始動用バッテリーを充電するように構成したので、溶接中および非溶接中に始動用バッテリーに十分に充電を行うことができる。
また、請求項1〜請求項4に係る発明は、図5のc特性曲線のように溶接無負荷電圧の上昇によるアークスタート特性、アークの再点弧性の向上や溶接短絡付近の溶接電流の増加による深溝溶接作業の容易化の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明およびその実施の形態の電気回路図(参照図面)である。
【図2】請求項2に係る発明およびその実施の形態の電気回路図(参照図面)である。
【図3】請求項1および請求項4に係る発明の実施の形態の電気回路図(参照図面)である。
【図4】請求項2および請求項4に係る発明の実施の形態の電気回路図(参照図面)である。
【図5】請求項1に係る発明の垂下特性曲線を示す図である。
【図6】この発明の電気回路図の各部の電気波形を示す図である。
【図7】請求項2に係る発明の垂下特性曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 界磁巻線
2 エンジン付設の発電装置
3 整流器
4 励磁電流制御用のトランジスタ
5 制御回路
6 主交流発電機
7 主整流器
8 (+)出力端子
9 電流制御可能な半導体素子
10 始動用バッテリー
11 (−)出力端子
12 スタータスイッチ
13,13′ 電磁開閉器
14,14′ 電磁開閉器接点
15 スタータモータ
16 充電回路
17 ダイオード
18 補助発電巻線
19 補助整流回路
20 トランジスタ制御素子
21 可変抵抗器
22 溶接棒
23 被溶接物
Claims (4)
- エンジンで駆動される交流主発電機と、この交流主発電機の交流出力を整流し溶接電力として出力するための主整流器とを備えたエンジン駆動の直流アーク溶接機において、
前記主整流器をエンジンの始動用バッテリーと直列になるように接続するとともに、前記始動用バッテリーの両端には充電回路を接続し、前記始動用バッテリーと前記主整流器との間には電流制御可能な半導体素子を直列に接続し、前記半導体素子の導通角を制御して、前記始動用バッテリーから前記半導体素子を介して前記交流主発電機へと流れる電流の電流制御を可能にする制御回路を設け、エンジンを始動させるスタータスイッチのオン時には、前記始動用バッテリーからスタータモータに電流が流れるような回路を形成し、前記始動用バッテリーと電流制御可能な半導体素子との直列回路に並列に、バイパス用の整流器を設けて構成したことを特徴とするエンジン駆動直流アーク溶接機。 - エンジンで駆動される交流主発電機と、この交流主発電機の交流出力を整流し溶接電力として出力するための主整流器とを備えたエンジン駆動の直流アーク溶接機において、
前記主整流器をエンジンの始動用バッテリーと直列になるように接続するとともに、前記始動用バッテリーの両端には充電回路を接続し、前記始動用バッテリーと前記主整流器との間には電流制御可能な半導体素子を直列に接続し、前記半導体素子の導通角を制御して、前記始動用バッテリーから前記半導体素子を介して前記交流主発電機へと流れる電流の電流制御を可能にする制御回路を設け、エンジンを始動させるスタータスイッチのオン時には、前記始動用バッテリーからスタータモータに電流が流れるような回路を形成して構成したことを特徴とするエンジン駆動直流アーク溶接機。 - 前記始動用バッテリーの(−)極および溶接電力の(−)出力端子を機体に接続せず、前記スタータモータの電源の一端を、スタータスイッチのオン時にオンとなる一方の電磁開閉器接点を介して始動用バッテリーの(+)極に接続し、スタータモータの電源の他端を機体に接続し、始動用バッテリーの(−)極および溶接電力の(−)出力端子をスタータスイッチのオン時にオンとなる他方の電磁開閉器接点を介して機体に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン駆動直流アーク溶接機。
- 前記充電回路は、前記交流主発電機と連動して駆動される補助発電機に補助整流器を接続して、この補助整流器の直流出力で前記始動用バッテリーを充電するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のエンジン駆動直流アーク溶接機。
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