JP4531442B2

JP4531442B2 - 内視鏡の鉗子栓

Info

Publication number: JP4531442B2
Application number: JP2004139272A
Authority: JP
Inventors: 矢寿子石井
Original assignee: Hoya Corp
Current assignee: Hoya Corp
Priority date: 2004-05-10
Filing date: 2004-05-10
Publication date: 2010-08-25
Anticipated expiration: 2024-05-10
Also published as: JP2005319057A

Description

この発明は内視鏡の鉗子栓に関する。

内視鏡の鉗子栓は一般に、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に着脱自在に設けられたゴム製の部材であり、処置具が通されることにより弾性変形して押し拡げられるスリットが形成された閉鎖膜を有している。

しかし、そのようなスリットが形成された閉鎖膜を設けただけでは、処置具を使用しない状態の時に、処置具挿通チャンネルを通じて体内の汚液がスリットの隙間から噴出して周囲を汚染してしまう場合がある。

そこで、処置具が通されることにより弾性変形して一端側を支点に押し下げられる舌片を閉鎖膜の裏面に面する状態に配置して、処置具を使用しない状態の時に処置具挿通チャンネル内の圧力が高まると、その圧力で舌片が閉鎖膜の裏面に押し付けられてスリット部分が裏側から塞がれるようにしていた（例えば、特許文献１）。
実公平５−１５２８２

内視鏡検査が終わると、一症例毎に、内視鏡本体だけでなく鉗子栓等も完全に洗浄消毒を行う必要があり、上述のような鉗子栓の場合は、舌片と閉鎖膜との間の部分が汚れたままにならないように注意する必要がある。

しかし、舌片と閉鎖膜との間の部分を洗浄するためには、舌片を根元側（支点側）から大きく折り曲げて閉鎖膜との間に十分な隙間を作らなければならないので、舌片の根元部分に短期に割れが発生して鉗子栓を新品に交換しなければならなくなっていた。

そこで本発明は、スリットが形成された閉鎖膜の裏面側に舌片を配置して処置具不使用時の汚液漏れをより完全に防止すると共に、使用後には閉鎖膜と舌片との間の部分を容易かつ確実に洗浄消毒することができて、優れた耐久性を有する内視鏡の鉗子栓を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の鉗子栓は、処置具が通されることにより弾性変形して押し拡げられるスリットが形成された閉鎖膜と、閉鎖膜の裏面に面する位置に配置されて処置具が通されることにより弾性変形して一端側を支点に押し下げられる舌片、とを有する内視鏡の鉗子栓において、鉗子栓に、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に着脱自在な弾力性のある材料からなる樽状部材と、樽状部材に対して係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とを設け、閉鎖膜を蓋状部材に形成し、舌片を樽状部材に形成したものである。

なお、舌片が樽状部材の内周壁から内方に向かって片持状態に突出形成されていてもよい。そして、閉鎖膜の裏面と舌片とが常態において密着するように配置されていてもよく、或いは、閉鎖膜の裏面と舌片との間に常態において隙間があるように構成されていてもよい。

また、舌片が弾性変形しながら乗り越えることができる突起が、舌片の裏面に隣接して樽状部材の内周壁に形成されていてもよい。

本発明によれば、内視鏡使用時には、処置具不使用時にスリットに隙間ができても、舌片によりスリットが塞がれるので鉗子栓からの汚液漏れをより完全に防止すると共に、内視鏡使用後には、閉鎖膜が形成された蓋状部材と舌片が形成された樽状部材とを分離することにより、閉鎖膜と舌片との間の部分を容易かつ確実に洗浄消毒することができて、優れた耐久性を得ることができる。

処置具が通されることにより弾性変形して押し拡げられるスリットが形成された閉鎖膜と、閉鎖膜の裏面に面する位置に配置されて処置具が通されることにより弾性変形して一端側を支点に押し下げられる舌片、とを有する内視鏡の鉗子栓において、鉗子栓に、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に着脱自在な弾力性のある材料からなる樽状部材と、樽状部材に対して係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とを設け、閉鎖膜を蓋状部材に形成し、舌片を樽状部材に形成する。

図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図２において、１は、可撓管によって外装された内視鏡の挿入部であり、その基端が操作部２の下端に連結されている。

挿入部１内に挿通配置された処置具挿通チャンネル３の先端は挿入部１の先端において外部に開口し、処置具挿通チャンネル３の入口部分に着脱自在に取り付けられた鉗子栓１０が、操作部２の下端部分から斜め上方に突出する状態に配置されている。

図１は、処置具挿通チャンネル３の入口端部に設けられた処置具挿入口金３０に対して鉗子栓１０が取り付けられた状態を示しており、処置具挿入口金３０は、処置具挿通チャンネル３に連通して操作部２の外壁面から突出した状態に配置されている。

鉗子栓１０は、弾力性のあるゴム材によって形成された樽状部材１１に、やはり弾力性のあるゴム材によって形成された蓋状部材１２を着脱自在に取り付けて、その二部品だけで構成されている。

樽状部材１１の下寄りの内径部分には小径部１３が形成されており、小径部１３を弾性変形させて処置具挿入口金３０に形成されている括れ部３１に係合させることにより、樽状部材１１が処置具挿入口金３０に取り付けられた状態になり、その状態から力を加えて樽状部材１１を弾性変形させることにより、小径部１３と括れ部３１との係合を外して、樽状部材１１を処置具挿入口金３０から取り外すことができる。

蓋状部材１２の中央部分は内方に向かって窪んだ形状に形成されていて、その底面部分が閉鎖膜１４になっており、その閉鎖膜１４の中央部分に「−」状のスリット１５が形成されている。

スリット１５は、通常は自己の弾力性によって閉じた状態を維持して処置具挿通チャンネル３内と外部との間をシールしており、処置具挿通チャンネル３に挿脱される処置具等により弾力的に押し拡げられて弾性変形する。

そのような閉鎖膜１４部分から間隔をあけてその周囲を囲む状態に蓋状部材１２に形成された円周壁部には、弾性変形させることにより、樽状部材１１の上端近傍の外周面に形成された円周溝１６に係脱自在な内方突起１７が形成されている。

したがって、円周溝１６と内方突起１７との係合を外すことにより、図１に二点鎖線で示されるように、蓋状部材１２を樽状部材１１から取り外すことができる。ただし、蓋状部材１２から一体的に延出形成された連結ベルト１８が樽状部材１１の下端付近に常に連結されているので、樽状部材１１と蓋状部材１２が完全に分離してしまう訳ではない。

２０は、樽状部材１１の内周壁から内方に向かって突出形成された舌片であり、蓋状部材１２が樽状部材１１に取り付けられて円周溝１６に内方突起１７が係合した状態においては、平面状に形成されている閉鎖膜１４の裏面１４ａに舌片２０が密着した状態になるようにレイアウトされている。

舌片２０は、図３にも示されるように、その一端側に形成されたつながり部２１においてのみ樽状部材１１と片持状態でつながっており、スリット１５を通過するように処置具等が通されると、舌片２０がつながり部２１を支点に弾性変形して押し下げられる。

図４は、このように構成された実施例の鉗子栓１０に外方から処置具１００が通される状態を示しており、閉鎖膜１４に形成されたスリット１５が処置具１００によって弾力的に押し拡げられ、舌片２０がつながり部２１を支点に弾力的に押し下げられている。図５は、処置具１００に代えて注射筒２００が鉗子栓１０に差し込まれた状態であり、スリット１５が注射筒２００によって押し拡げられ、舌片２０が押し下げられる。

また、処置具１００や注射筒２００が鉗子栓１０に差し込まれない状態では、図１に示されるように、閉鎖膜１４の裏面１４ａに密着する舌片２０によってスリット１５が確実に塞がれていて、例えば被検者がげっぷ等をして処置具挿通チャンネル３内の圧力が急上昇しても、鉗子栓１０の閉塞状態がよく維持されて体内汚液等が外部に噴出しない。

したがって、処置具１００等の挿脱が繰り返されてスリット１５に若干の隙間が発生したような場合でも、舌片２０による閉塞作用によって体内汚液等の噴出が防止され、鉗子栓１０を長期間廃棄することなく使用することができる。

内視鏡検査が終了したら、図６に示されるように、内視鏡の処置具挿入口金３０から鉗子栓１０を取り外して、蓋状部材１２を樽状部材１１の上端部から外す。すると、蓋状部材１２側に形成されている閉鎖膜１４と樽状部材１１側に形成されている舌片２０とが引き離された状態になるので、閉鎖膜１４と舌片２０との対向面を含めて鉗子栓１０全体を容易かつ確実に洗浄消毒することができる。

また、本発明の鉗子栓１０は、閉鎖膜１４と舌片２０とを蓋状部材１２と樽状部材１１とに分離して形成したことにより、閉鎖膜１４と舌片２０を共に蓋状部材１２に形成する場合に比べて製造が大幅に容易である。

なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図７に示される第２の実施例のように、閉鎖膜１４の裏面１４ａと舌片２０との間に若干の隙間があいていてもよい。このように構成しても、処置具挿通チャンネル３内の圧力が上昇すると、その圧力によって舌片２０が閉鎖膜１４の裏面１４ａに押し付けられて閉鎖膜１４が完全に閉塞される。

また、図８とそのIX−IX断面を図示する図９に示されるように、舌片２０が弾性変形しながら乗り越えることができる程度の小さな突起２２を、舌片２０の裏面に隣接して樽状部材１１の内周壁に形成してもよい。

このように構成することにより、閉鎖膜１４の裏面１４ａに対する舌片２０の密着状態を良好に維持させて、処置具挿通チャンネル３の内部圧力が上昇していない場合でもスリット１５の閉塞状態をより確実にすることができる。

本発明の第１の実施例の内視鏡の鉗子栓が内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。本発明の第１の実施例の内視鏡の全体構成を示す側面図である。本発明の第１の実施例の内視鏡の鉗子栓の樽状部材の斜視図である。本発明の第１の実施例の内視鏡の鉗子栓に処置具が差し込まれた状態の側面断面図である。本発明の第１の実施例の内視鏡の鉗子栓に注射筒が差し込まれた状態の側面断面図である。本発明の第１の実施例の内視鏡の鉗子栓が内視鏡から取り外されて洗浄消毒される状態の側面断面図である。本発明の第２の実施例の内視鏡の鉗子栓の側面断面図である。本発明の第３の実施例の内視鏡の鉗子栓の側面断面図である。本発明の第３の実施例の内視鏡の鉗子栓の図８におけるIX−IX断面図である。

符号の説明

３処置具挿通チャンネル
１０鉗子栓
１１樽状部材
１２蓋状部材
１４閉鎖膜
１４ａ裏面
１５スリット
１８連結ベルト
２０舌片
２１つながり部
３０処置具挿入口金
１００処置具
２００注射筒

Claims

処置具が通されることにより弾性変形して押し拡げられるスリットが形成された閉鎖膜と、上記閉鎖膜の裏面に面する位置に配置されて上記処置具が通されることにより弾性変形して一端側を支点に押し下げられる舌片、とを有する内視鏡の鉗子栓において、
上記鉗子栓に、上記内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に着脱自在な弾力性のある材料からなる樽状部材と、上記樽状部材に対して係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とを設け、上記閉鎖膜を上記蓋状部材に形成して、上記舌片を上記樽状部材に形成し、上記閉鎖膜の裏面と上記舌片とが常態において密着するように配置したことを特徴とする内視鏡の鉗子栓。
上記舌片が上記樽状部材の内周壁から内方に向かって片持状態に突出形成されている請求項１記載の内視鏡の鉗子栓。
上記舌片が弾性変形しながら乗り越えることができる突起が、上記舌片の裏面に隣接して上記樽状部材の内周壁に形成されている請求項１又は２記載の内視鏡の鉗子栓。