JP4531320B2 - 水素含有ガス生成装置の運転制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質部加熱手段にて加熱されて、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気にて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質部と、前記改質部から供給される改質処理ガスをその改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成処理ガスをその変成処理ガス中の一酸化炭素を選択酸化することにより選択酸化処理する選択酸化部が設けられた水素含有ガス生成装置の運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる水素含有ガス生成装置は、炭化水素系の原燃料ガスを改質部にて水蒸気により水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理し、その改質処理ガスを変成部にて改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理し、その変成処理ガスを選択酸化部にて変成処理ガス中の一酸化炭素を選択酸化することにより選択酸化処理して、一酸化炭素濃度の低い(例えば10ppm以下)水素リッチな水素含有ガスを生成するものであり、生成水素含有ガスは、例えば、燃料電池における発電反応用の燃料ガスとして用いる。
【0003】
そして、かかる水素含有ガス生成装置の運転中は、改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ、改質処理に適正な温度(以下、改質処理温度と記載する場合がある)、変成処理に適正な温度(以下、変成処理温度と記載する場合がある)、選択酸化処理に適正な温度(以下、選択酸化処理温度と記載する場合がある)に維持する必要がある。ちなみに、改質処理温度は例えば600〜700°Cの範囲、変成処理温度は例えば150〜250°Cの範囲、選択酸化処理温度は80〜100°Cの範囲である。
【0004】
そこで、従来は、改質部と変成部と選択酸化部を、それぞれ改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持するように運転するための運転制御方法においては、変成部を加熱する変成部加熱手段及び変成部を冷却する変成部冷却手段、並びに、選択酸化部を加熱する選択酸化部加熱手段及び選択酸化部を冷却する選択酸化部冷却手段を設けて、改質部を改質処理温度に維持するように、改質部加熱手段の加熱能力を調節し、変成部を変成処理温度に維持するように変成部加熱手段の加熱能力及び変成部冷却手段の冷却能力を調節し、並びに、選択酸化部を選択酸化処理温度に維持するように、選択酸化部加熱手段の加熱能力及び選択酸化部冷却手段の冷却能力を調節していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の運転制御方法においては、改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持するために、改質部、変成部及び選択酸化部それぞれの温度を各別に制御するというように、複雑な制御を必要とし、改善が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な制御にて改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に維持して運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記選択酸化部を冷却する選択酸化部冷却手段を設け、
前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、前記改質部と前記選択酸化部との間に前記変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、前記改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給し、
前記改質部と前記選択酸化部との間に、前記脱硫部及び前記変成部を並べて、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスと前記改質部からの改質処理ガスとを熱交換させる熱交換部を、前記改質部と前記脱硫部との間に設け、
前記改質部と前記脱硫部との間は、前記改質部の側から順に並ぶ断熱材、前記熱交換部及び断熱材にて伝熱量を設定し、
前記改質部を改質処理に適正な温度に維持するように、前記改質部加熱手段の加熱能力を調節し、且つ、前記選択酸化部を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、前記選択酸化部冷却手段の冷却能力を調節し、
前記選択酸化部冷却手段が、通風量の調節により冷却能力を調節する冷却用ファンであり、
前記改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、
前記変成部を冷却するための変成部冷却用通流部を前記変成部と前記選択酸化部との間に設け、
ブロアからの空気を前記変成部冷却用通流部を通流させてから前記改質部加熱手段に供給する燃焼用空気路に、前記変成部冷却用通流部を迂回させて前記ブロアからの空気を通流させる燃焼用空気バイパス路を接続し、
前記燃焼用空気路を通して前記ブロアからの空気を通流させる冷却用供給状態と、前記燃焼用空気バイパス路を通して前記ブロアからの燃焼用空気を通流させるバイパス供給状態とに切換える空気経路切り換え用開閉弁を設け、
前記バイパス供給状態では前記変成部の冷却能力が不足するときには、前記冷却用供給状態に切り換えることにある。
即ち、本発明の発明者らは、改質処理温度、変成処理温度及び選択酸化処理温度においては、改質処理温度が最も高く、選択酸化処理温度が最も低く、変成処理温度は、改質処理温度と選択酸化処理温度との間にあるということに鑑みて、運転制御方法を簡略化すべく鋭意研究した。
そして、改質部、変成部及び選択酸化部を、最も高温に維持する必要のある改質部と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部との間に、それら改質部の温度と選択酸化部の温度との間の温度に維持する必要のある変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設け、そのように改質部、変成部及び選択酸化部を設けた状態で、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度に制御するだけで、変成部は、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができるということを見出した。
つまり、図9に示すように、最も高温に維持する必要のある改質部3と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部6との間に、それら改質部3の温度と選択酸化部6の温度との間の温度に維持する必要のある変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設けると、図9において矢印にて示すように、改質部3から選択酸化部6に向かって伝熱して、選択酸化部6から放熱される。尚、図9において、4は、改質部3を加熱する燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部であり、10は、選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段としての冷却用ファンである。
そして、隣接するもの同士、図9では、改質部3と変成部5との間、及び、変成部5と選択酸化部6との間のそれぞれの伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように選択酸化部冷却手段としての冷却用ファン10の風量調節により冷却能力を調節するだけで、それら改質部3と選択酸化部6との間に位置する変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、変成処理温度になるようにすることができるのである。
要するに、改質部の温度と選択酸化部の温度を制御するだけの簡単な制御にて、改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持することができるようになった。
従って、簡単な制御にて改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に維持して運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を提供することができるようになった。
又、本発明の発明者らは、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給する場合に、改質処理温度、脱硫処理に適正な温度(以下、脱硫処理温度と記載する場合がある)、変成処理温度及び選択酸化処理温度においては、改質処理温度が最も高く、選択酸化処理温度が最も低く、脱硫処理温度と変成処理温度は、改質処理温度と選択酸化処理温度との間にあるということに鑑みて、運転制御方法を簡略化すべく鋭意研究した。ちなみに、脱硫処理温度は例えば150〜270°Cの範囲である。
そして、改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、最も高温に維持する必要のある改質部と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部との間に、それら改質部の温度と選択酸化部の温度との間の温度に維持する必要のある脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設け、そのように改質部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を設けた状態で、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度に制御するだけで、脱硫部及び変成部は、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができるということを見出した。
つまり、図8に示すように、最も高温に維持する必要のある改質部3と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部6との間に、それら改質部3の温度と選択酸化部6の温度との間の温度に維持する必要のある脱硫部1及び変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設けると、図8において矢印にて示すように、改質部3から選択酸化部6に向かって伝熱して、選択酸化部6から放熱される。尚、図8において、4は、改質部3を加熱する燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部であり、10は、選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段としての冷却用ファンである。
そして、隣接するもの同士、図8では、改質部3と脱硫部1との間、脱硫部1と変成部5との間、及び、変成部5と選択酸化部6との間のそれぞれの伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように選択酸化部冷却手段としての冷却用ファン10の風量調節により冷却能力を調節するだけで、それら改質部3と選択酸化部6との間に位置する脱硫部1と変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度になるようにすることができるのである。
要するに、改質部の温度と選択酸化部の温度を制御するだけの簡単な制御にて、脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれ脱硫処理温度、改質処理温度、変成処理温度、選択酸化処理温度に維持することができるようになった。
従って、簡単な制御にて脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に維持して運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を提供することができるようになった。
又、改質部と脱硫部との間に設けた熱交換部にて、脱硫部からの脱硫原燃料ガスと改質部からの改質処理ガスとを熱交換させて、脱硫原燃料ガスを予熱して改質部に供給すると共に、改質処理ガスを冷却して変成部に供給する。
つまり、脱硫部から排出された状態の脱硫原燃料ガスは、脱硫部の温度に近い温度であり、その脱流原燃料ガスが供給される改質部の温度との差が大きく、一方、改質部から排出された状態の改質処理ガスは、改質部の温度に近い温度であり、その改質処理ガスが供給される変成部との温度差が大きい。そこで、脱硫部から排出された脱硫原燃料ガスと改質部から排出された改質処理ガスとを熱交換部にて熱交換させることにより、脱硫原燃料ガスを予熱するために余分なエネルギを消費することなく、且つ、改質処理ガスを冷却するために熱を捨てることなく、脱硫原燃料ガスを予熱して、改質部との温度差を小さくした状態で改質部に供給することができると共に、改質処理ガスを冷却して、変成部との温度差を小さくした状態で変成部に供給することができるようになる。
しかも、熱交換部に流入及び流出する各流体の温度は、改質部の温度と脱硫部の温度との間の範囲内か、あるいはその範囲に近い温度であるので、熱交換部を、改質部と脱硫部との間に設けることにより、改質部の温度、脱硫部の温度をそれぞれに適正な温度に維持し易く、延いては、水素含有ガス生成装置の各部の温度をそれぞれに適正な温度に維持し易くなる。
従って、エネルギー効率を向上して水素含有ガスを生成することができながら、脱硫部、改質部、変成部及び選択酸化部それぞれの温度を一層的確に維持して運転することができるようにする上で好ましい具体構成を提供することができる。
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記改質部、前記熱交換部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記熱交換部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設することにある。
請求項2に記載の運転制御方法によれば、外形形状が偏平な板状の改質部、熱交換部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に、熱交換部、脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように、厚さ方向に並設するので、改質部、熱交換部、脱硫部、変成部及び選択酸化部の各部を厚さ方向に伝熱する状態で、改質部から選択酸化部に向かって伝熱する。
つまり、改質部、熱交換部、脱硫部、変成部及び選択酸化部を、改質部と選択酸化部との間に、熱交換部、脱硫部及び変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能な並設し、隣接するもの同士の伝熱状態を適宜に設定することにより、改質部と選択酸化部をそれぞれに適正な温度に制御するだけで、脱硫部及び変成部をそれぞれに適正な温度に維持することができるようにするに当たって、上述のように、改質部、熱交換部、脱硫部、変成部及び選択酸化部をそれぞれ偏平な板状に構成して、厚さ方向に並設することにより、改質部、熱交換部、脱硫部、変成部及び選択酸化部の各部における伝熱経路を短くして、伝熱経路に沿った温度勾配を小さくすることができ、もって、各部の温度分布を小さくすることができる。
従って、脱硫部と改質部と変成部と選択酸化部を、温度分布を小さくしながらそれぞれに適正な温度に維持して運転することができるので、本発明の運転制御方法を実施するのに好ましい具体構成を提供することができる。
【0008】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記改質部における前記変成部が設けられている側とは反対側に、供給される水を前記燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、前記改質部における改質処理用の水蒸気を生成する水蒸気生成部を設けることにある。
請求項3に記載の運転制御方法によれば、改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、水蒸気生成部にて、供給される水を燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、改質部における改質処理用の水蒸気を生成するので、余分なエネルギーを消費することなく、改質処理用の水蒸気を生成することができる。しかも、水蒸気生成部は、改質部における変成部が設けられている側とは反対側に設けることから、改質部からの放熱を抑制することができるので、改質部加熱手段におけるエネルギーの消費量を低減することができる。
従って、エネルギー効率を向上して水素含有ガスを生成できるように運転できるようにする上で好ましい具体構成を提供することができる。
【0011】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法の特徴は、前記脱硫部及び前記変成部としてそれぞれ複数ずつを、前記脱硫部と前記変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けることにある。
請求項4に記載の運転制御方法によれば、脱硫部及び変成部としてそれぞれ複数ずつを、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、複数の脱硫部にて、炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理し、複数の変成部にて、改質処理ガスを変成処理する。
つまり、脱硫処理温度と変成処理温度とは同様の温度範囲にあるので、脱硫部及び変成部としてそれぞれ複数ずつを、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けることにより、改質部と選択酸化部をそれぞれ適正な温度を制御するだけで、複数の脱硫部及び複数の変成部のそれぞれを、温度を制御することなくそれぞれに適正な温度に維持することができ、それら複数の脱硫部にて炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理することにより、脱硫処理能力を向上し、複数の変成部にて改質処理ガスを変成処理することにより、変成処理能力を向上することができる。
しかも、複数の脱硫部及び複数の変成部を、脱硫部と変成部とが交互に並ぶように設けることにより、複数の脱硫部を処理対象ガスが順次流れるように、それらを管路にて接続し、又、複数の変成部を処理対象ガスが順次流れるように、それらを管路にて接続するに当たって、通流経路の順に並ぶもの同士を接続する管路の長さを長くすることが可能となるので、管路接続作業が容易となり、低廉化を図ることが可能となる。
ちなみに、複数の脱硫部及び複数の変成部を、脱硫部同士をまとめて隣接させて設け、変成部同士をまとめて隣接させて設けると、隣接するもの同士を管路にて接続する必要があるので、接続する管路の長さが短くなって、管路接続作業がし難くなる。
従って、簡単な制御にて脱硫処理能力及び変成処理能力を向上するように運転することができる水素含有ガス生成装置の運転制御方法を、低廉化を図りながら提供することができるようになった。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、水素含有ガス生成装置Pは、供給される天然ガス等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部1と、供給される原料水を加熱して水蒸気を生成する水蒸気生成部Sと、燃焼式の改質部加熱手段としての燃焼部4にて加熱されて、脱硫部1から供給される脱硫原燃料ガスを水蒸気生成部Sで生成された水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質部3と、改質部3から供給される改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理する変成部5と、その変成部5から供給される変成処理ガス中の一酸化炭素ガスを選択酸化することにより選択酸化処理する選択酸化部6と、水素含有ガス生成装置の運転を制御する制御部Cを備えて構成して、一酸化炭素ガス濃度の低い(例えば10ppm以下)水素リッチな水素含有ガスを生成するように構成してある。
【0015】
脱硫部1においては、例えば150〜270°Cの範囲の脱硫処理温度で、脱硫触媒にて原燃料ガス中の硫黄化合物が水素化され、その水素化物が酸化亜鉛に吸着されて脱硫される。ちなみに、脱硫部1における脱硫反応は発熱反応である。
【0016】
改質部3においては、メタンガスを主成分とする天然ガスが原燃料ガスである場合は、改質触媒の触媒作用により、例えば600〜700°Cの範囲の改質処理温度の下で、メタンガスと水蒸気とが下記の反応式にて改質反応して、水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理される。ちなみに、改質部3における改質反応は吸熱反応である。
【0017】
【化1】
CH4 +H2O→CO+3H2
【0018】
変成部5においては、改質処理ガス中の一酸化炭素ガスと水蒸気とが、変成触媒の触媒作用により、例えば150〜250°Cの範囲の変成処理温度の下で、下記の反応式にて変成反応して、一酸化炭素ガスが二酸化炭素ガスに変成処理される。ちなみに、変成部5における変成反応は発熱反応である。
【0019】
【化2】
CO+H2O→CO2 +H2
【0020】
選択酸化部6においては、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系の変成触媒の触媒作用によって、例えば80〜100°Cの範囲の選択酸化処理温度の下で、変成処理ガス中に残っている一酸化炭素ガスが選択酸化される。ちなみに、選択酸化部6における酸化反応は発熱反応である。
【0021】
そして、水素含有ガス生成装置にて生成された水素含有ガスは燃料ガスとして、燃料ガス路23を通じて燃料電池Gに供給される。燃料電池Gは、詳細な説明は省略するが、高分子膜を電解質とする固体高分子型であり、水素含有ガス生成装置Pから供給される燃料ガス中の水素と、ブロア(図示せず)から供給される反応用空気中の酸素との電気化学反応により発電するように構成してある。
【0022】
燃焼部4は、燃料電池Gから排出されて、オフガス路24を通じて供給されるる燃料ガスであるオフガスをガス燃料として燃焼させると共に、改質部3を改質処理可能なように加熱するに当たって、オフガスだけでは不足する分をガス燃料供給路37を通じて供給される都市ガス(13A等)をガス燃料として燃焼させる。
【0023】
水蒸気生成部Sは、燃焼部4から排出された燃焼ガスを通流させる水蒸気生成用加熱通流部11と、供給される原料水を水蒸気生成用加熱通流部11による加熱にて蒸発させる蒸発処理部2とから構成してある。
【0024】
更に、水素含有ガス生成装置Pには、改質部3から排出された高温の改質処理ガスを通流させて、改質部3を保温する保温用通流部7と、脱硫部1からの脱硫原燃料ガスと改質部3からの高温の改質処理ガスとを熱交換させて、改質部3に供給される脱硫原燃料ガスを予熱する脱硫原燃料ガス用熱交換器Ep(熱交換部に相当する)と、改質部3からの高温の改質処理ガスと脱硫部1に供給される原燃料ガスを熱交換させて原燃料ガスを予熱する原燃料ガス用熱交換器Eaと、変成部5を冷却するために冷却用流体を通流させる変成部冷却用通流部8と、同じく、変成部5を冷却するために冷却用流体を通流させる変成部冷却用通流部9と、選択酸化部6を冷却する選択酸化部冷却手段としての冷却用ファン10とを設けてある。
又、変成部5から排出された変成処理ガスと、水蒸気生成部Sへ供給する原料水とを熱交換させて、原料水を予熱する原料水予熱用熱交換器17を設けてある。
【0025】
脱硫原燃料ガス用熱交換器Epは、保温用通流部7から排出された改質処理ガスを通流させる上流側改質処理ガス通流部12と、改質部3に供給する脱硫原燃料ガスを通流させる脱硫原燃料ガス通流部13とを熱交換自在に設けて構成し、原燃料ガス用熱交換器Eaは、上流側改質処理ガス通流部12から排出された改質処理ガスを通流させる下流側改質処理ガス通流部15と、脱硫部1に供給する原燃料ガスを通流させる原燃料ガス通流部16とを熱交換自在に設けて構成してある。
【0026】
起動時に、脱硫部1を脱硫処理可能なように加熱する脱硫部用ヒータ32、変成部を変成処理可能なように加熱する2個の変成部用ヒータ33を設けてあり、それらヒータ32,33は電気ヒータから成る。
【0027】
第1実施形態においては、改質部3、脱硫部1、変成部5及び選択酸化部6を、改質部3と選択酸化部6との間に脱硫部1及び変成部5が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、改質部3を改質処理に適正な温度に維持するように、燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、冷却用ファン10の通風量を調節して冷却能力を調節することにより、脱硫部1及び変成部5がそれぞれの処理に適正な温度になるように、隣接するもの同士の伝熱状態を予め設定してある。
【0028】
説明を加えると、図1に示すように、水素含有ガス生成装置Pは、矩形板状の偏平な容器Bの複数を板状形状の厚さ方向に並べて設けて、各容器Bを用いて、脱硫部1、改質部3、燃焼部4、変成部5、選択酸化部6、水蒸気生成部S、各通流部等を夫々構成してある。
複数の容器Bのうちの一部は、一つの室を備えるように形成した単室具備容器Bmにて構成し、残りは、区画された二つの室を備えるように形成した双室具備容器Bdにて構成してある。
【0029】
図2に示すように、双室具備容器Bdは、一対の皿形状容器形成部材41の間に平板状の仕切り部材43を位置させた状態で、周辺部を溶接接続して、二つの偏平な室を区画形成し、図3に示すように、単室具備容器Bmは、皿形状容器形成部材41と平板状容器形成部材42とを周辺部を溶接接続して、一つの偏平な室を区画形成してある。
各単室具備容器Bmや、各双室具備容器Bdには、必要に応じて、流体供給用や流体排出用の接続ノズル44を内部の室と連通する状態で取り付けてある。
又、図示を省略するが、必要に応じて、容器Bの室内を蛇行状流路になるように構成して、流体の通流経路を長くしている。
【0030】
図1に示すように、本第1実施形態においては、8個の双室具備容器Bdと、1個の単室具備容器Bmを、側面視において左端から3個目に単室具備容器Bmを位置させた状態で、横方向に厚さ方向に並べて設けて、コンパクトに形成してある。
8個の双室具備容器Bdの区別が明確になるように、便宜上、双室具備容器を示す符号Bdの後に、左からの並び順を示す符号1,2,3……………8を付す。
【0031】
左端の双室具備容器Bd1にて水蒸気生成部Sを構成してあり、その双室具備容器Bd1の左側の室を備えた部分を用いて、水蒸気生成用加熱通流部11を構成し、右側の室を備えた部分を用いて蒸発処理部2を構成し、両室内にステンレスウール等からなる伝熱促進材を通気可能な状態で充填してある。
左から2個目の双室具備容器Bd2の左側の室を備えた部分を用いて燃焼部4を構成し、右側の室を備えた部分を用いて改質部3を構成してある。燃焼部4を構成する左側の室を、燃焼室に構成すると共に、その燃焼室内でガス燃料を燃焼させるように改質用バーナ4bを設け、改質部3を構成する右側の室には、ルテニウム、ニッケル、白金等の改質用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
単室具備容器Bmを用いて、保温用通流部7を構成してある。
【0032】
左から3個目の双室具備容器Bd3の左側の室を備えた部分を用いて、上流側改質処理ガス通流部12を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、脱硫原燃料ガス通流部13を構成してある。両室内には、ステンレスウール等からなる伝熱促進材を通気可能な状態で充填してある。
【0033】
左から4個目の双室具備容器Bd4の左側の室を備えた部分を用いて、脱硫部1を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、原燃料ガス通流部16を構成してある。脱硫部1を構成する左側の室内には、脱硫用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
【0034】
左から5個目の双室具備容器Bd5の左側の室を備えた部分を用いて、下流側改質処理ガス通流部15を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成してある。
左から6個目の双室具備容器Bd6の左側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部8を構成してある。
左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて、変成部5を構成してある。変成部を構成する各室内には、酸化鉄又は銅亜鉛の変成反応用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
つまり、変成部5は、左から5個目の双室具備容器Bd5、左から6個目の双室具備容器Bd6及び左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて構成して、変成部5は3台設けてある。
【0035】
左から8個目(右端)の双室具備容器Bd8の左側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部9を構成し、右側の室を備えた部分を用いて選択酸化部6を構成してある。選択酸化部6を構成する室内には、ルテニウムの選択酸化用触媒を保持したセラミック製の多孔質粒状体の多数を通気可能な状態で充填してある。
【0036】
つまり、燃焼部4及び改質部3を構成する双室具備容器Bd2の一方側に、その双室具備容器Bd2の側から、保温用通流部7を構成する単室具備容器Bm、断熱材19、上流側改質処理ガス通流部12及び脱硫原燃料ガス通流部13、即ち脱硫原燃料ガス用熱交換器Epを構成する双室具備容器Bd3、断熱材19、脱硫部1及び原燃料ガス通流部16を構成する双室具備容器Bd4、下流側改質処理ガス通流部15及び変成部5を構成する双室具備容器Bd5、変成部5及び変成部冷却用通流部8を構成する双室具備容器Bd6、変成部5を構成する双室具備容器Bd7、変成部冷却用通流部9及び選択酸化部6を構成する双室具備容器Bd8を記載順に並ぶように互いに密接配置して設け、双室具備容器Bd2の他方側に、その双室具備容器Bd2の側から、断熱材19、水蒸気生成部Sを構成する双室具備容器Bd1を記載順に並ぶように密接配置して設けてある。
【0037】
脱硫部用ヒータ32は、脱硫部1を構成する左から4個目の双室具備容器Bd4とそれに隣接する断熱材19との間に設け、一方の変成部用ヒータ33は、1段目の変成部5を構成する左から5個目の双室具備容器Bd5と、2段目の変成部5を構成する左から6個目の双室具備容器Bd6との間に設け、他方の変成部用ヒータ33は、3段目の変成部5を構成する左から7個目の双室具備容器Bd7と変成部冷却用通流部9及び選択酸化部6を構成する左から8個目(右端)の双室具備容器Bd8との間に設けてある。
【0038】
図4及び図5に示すように、水素含有ガス生成装置Pは、複数の容器B及び断熱材19等を、上述のように並べて配置位置して、並び方向両端の容器Bに一対の保持板49を各別に当て付けた状態で、それら一対の保持板49を6組のネジ式連結手段にて連結することにより、一体的に組み付けて構成してある。
ネジ式連結手段は、ボルト45、一対のナット46及び一対のスプリングワッシャ47から成る。
各保持板49は、L字状に形成すると共に、各保持板49は、2本の補強用リブ48にて補強してある。
そして、ボルト45の両端夫々を、保持板49に挿通した状態で、両側からスプリングワッシャ47を介してナット46にて締め付けることにより、複数の容器Bを並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で並び方向両側から押し付けるようにしてある。又、スプリングワッシャ47の伸縮作用により、各容器Bの並び方向での膨張収縮も許容するようにしてある。
尚、一対の保持板49を立設して、その一対の保持板49にて支持する状態で、水素含有ガス生成装置Pを設置する。
【0039】
図1において、白抜き線矢印にて示すように、原燃料ガス供給路21を原燃料ガス用熱交換器Eaの原燃料ガス通流部16に接続し、並びに、原燃料ガス通流部16、脱硫部1、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epの脱硫原燃料ガス通流部13、改質部3、保温用通流部7、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epの上流側改質処理ガス通流部12、原燃料ガス用熱交換器Eaの下流側改質処理ガス通流部15、3段の各変成部5、選択酸化部6の順に流れるガス処理経路を形成するように、それらをガス処理用流路22にて接続してある。
【0040】
原燃料ガス供給路21には、水素含有ガス生成装置への原燃料ガスの供給を断続する原燃料ガス断続弁20を設けてある。
最後段の変成部5と選択酸化部6とを接続するガス処理用流路22に、後述する原料水供給路25を流れる原料水を変成処理ガスにて予熱する原料水予熱用熱交換器17を設けると共に、変成処理ガスから凝縮水を除去するドレントラップ34を、その原料水予熱用熱交換器17よりも下流側の箇所に設けてある。
【0041】
選択酸化部6から排出された選択酸化処理ガスを燃料ガスとして燃料電池Gに供給するように、選択酸化部6と燃料電池Gとを燃料ガス路23にて接続し、燃料電池Gから排出された排燃料ガスを燃焼部4に供給すべく、燃料電池Gと燃焼部4とをオフガス路24にて接続してある。
オフガス路24には、ガスの逆流を防止する逆止弁39を設け、ガス燃料供給路37を、オフガス路24における逆止弁39よりも下流側の箇所に接続すると共に、そのガス燃料供給路37に、ガス燃料の供給量を調節するガス燃料供給量調整弁38を設けてある。
【0042】
図1において、実線矢印にて示すように、原料水ポンプ14から水蒸気生成用の原料水が送られる原料水供給路25を水蒸気生成部Sの蒸発処理部2に接続し、蒸発処理部2にて生成された水蒸気を送出する水蒸気路26を、脱硫部1と被改質ガス通流部13とを接続するガス処理用流路22に接続して、ガス処理用流路22を通流する脱硫原燃料ガスに改質用の水蒸気を混合させるように構成してある。
【0043】
原料水供給路25の途中に、原料水予熱用熱交換器17を設け、更に、原料水供給路25における原料水予熱用熱交換器17よりも下流側の箇所に、原料水を蛇行状に流す蛇行状通流部18を設け、その蛇行状通流部18を、水素含有ガス生成装置Pの外壁部のうちの、燃焼部4を覆う箇所に熱伝導可能に当て付けて設けて、水素含有ガス生成装置Pの外壁部からの伝導熱及び輻射熱により、蛇行状通流部18を通流する原料水を予熱するように構成してある。
【0044】
図1において、破線矢印にて示すように、燃焼部4から排出された燃焼ガスを、水蒸気生成用加熱通流部11、変成部冷却用通流部8の順に流すように、それら燃焼部4、水蒸気生成用加熱通流部11、変成部冷却用通流部8を燃焼ガス路27にて接続して、水蒸気生成用加熱通流部11においては、燃焼ガスによって蒸発処理部2を加熱し、変成部冷却用通流部8においては、燃焼ガスによって、発熱反応である変成反応が行われる変成部5を冷却するように構成してある。
【0045】
図1において、一点鎖線矢印にて示すように、ブロア28からの空気を燃焼用空気として、変成部冷却用通流部9を通流させてから、燃焼部4に供給するように、ブロア28、変成部冷却用通流部9、燃焼部4を燃焼用空気路29にて接続すると共に、燃焼用空気を変成部冷却用通流部9を迂回させて通流させるように、燃焼用空気路29に燃焼用空気バイパス路30を接続し、ブロア28からの空気を酸化用空気として選択酸化部6に供給するように、ブロア28に接続した酸化用空気供給路31を、最後段の変成部5と選択酸化部6とを接続するガス処理用流路22に接続してある。
【0046】
燃焼部4に対して、燃焼用空気を変成部冷却用通流部9を通流させて供給する冷却用供給状態と、変成部冷却用通流部9を迂回させて燃焼用空気バイパス路30を通じて供給するバイパス供給状態とに切り換えるために、空気経路切り換え用開閉弁35,36を設け、更に、燃焼用空気路29において燃焼用空気バイパス路30による迂回部分よりも下流側の箇所に、燃焼部4への燃焼用空気の供給を調節する燃焼用空気供給量調整弁40を設けてある。尚、空気経路切り換え用開閉弁35,36は、通常、バイパス供給状態に切り換えるが、変成部5の冷却能力が不足するとき、例えば、夏期の高気温時には、冷却用供給状態に切り換えて、燃焼用空気にて変成部5を冷却する。
【0047】
更に、改質部3の温度を検出する改質部温度センサT1、及び、選択酸化部6の温度を検出する選択酸化部温度センサT2を設けてある。
改質部温度センサT1は、改質部3における改質処理ガスの出口部付近の温度を検出するように設け、選択酸化部温度センサT2は、偏平形状の選択酸化部6における面方向の中央部付近の温度を検出するように設けてある。
【0048】
要するに、脱硫部1、改質部3、変成部5及び選択酸化部6を、それらのうちで最も高温に維持する必要のある改質部3と、最も低温に維持する必要のある選択酸化部6との間に、それら改質部3の温度と選択酸化部6の温度との間の温度に維持する必要のある脱硫部1と変成部5が記載順に改質部3の側から並んで位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、改質部3における脱硫部1が設けられている側とは反対側に、燃焼部3と、それよりも低い温度に維持する必要のある水蒸気生成部Sを、記載順に改質部3の側から並び、且つ、隣接するもの同士で伝熱可能なように設けてある。
【0049】
すると、図8において矢印にて示すように、燃焼部4にて加熱される改質部3から選択酸化部6に向かって、脱硫部1、変成部5を順次伝熱して、選択酸化部6から放熱されると共に、燃焼部4から水蒸気生成部Sに向かって伝熱する。
【0050】
一方、原燃料ガス供給路21から供給される原燃料ガスは、原燃料ガス用熱交換器Eaにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、脱硫部1に供給して脱硫処理し、その脱硫原燃料ガスを水蒸気路26からの水蒸気と混合し、続いて、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、改質部3に供給して燃焼部3にて加熱して改質処理し、その改質処理ガスを、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて脱硫原燃料ガスとの熱交換により冷却し、更に、原燃料ガス用熱交換器Eaにて原燃料ガスとの熱交換により熱交換した後、3段の変成部5に順次供給して、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させて変成処理し、その変成処理ガスを原料水予熱用熱交換器17にて原料水との熱交換により冷却した後、選択酸化部6に供給して一酸化炭素ガスを選択酸化させて選択酸化処理する。
【0051】
ちなみに、変成部5における変成反応は、発熱反応であるので、変成部5に供給する改質処理ガスは、脱硫原燃料ガス用熱交換器Ep及び原燃料ガス用熱交換器Eaにて、変成部5における変成処理温度よりも低い温度に、例えば、変成処理温度が250°Cのときは200°C程度に冷却する。同様に、選択酸化部6における酸化反応も発熱反応であるので、選択酸化部6に供給する変成処理ガスは、原料水予熱用熱交換器17にて、選択酸化部6における選択酸化処理温度よりも低い温度にまで冷却する。
【0052】
又、燃焼部4から排出された燃焼ガスは、水蒸気生成用加熱通流部11を通流させて水蒸気生成のために授熱させた後、変成部冷却用通流部8を通流させて、変成部5を冷却する。
【0053】
そこで、脱硫部1、改質部3、変成部5及び選択酸化部6を上述のように配置した状態で、上述の如き流体の流れを考慮して、隣接するもの同士、即ち、改質部3と脱硫部1との間、脱硫部1と変成部5との間、変成部5と選択酸化部6との間、及び、燃焼部4と水蒸気生成部Sとの間のそれぞれの伝熱状態(伝熱量)を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように冷却用ファン10の通風量を調節することにより、改質部3と選択酸化部6との間に位置する脱硫部1と変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度に維持することができ、並びに、水蒸気生成部Sを成り行きにて水蒸気生成に適正な温度に維持することができるのである。
【0054】
つまり、改質部3と脱硫部1との間は、改質部3の側から順に並ぶ断熱材19、脱硫原燃料ガス用熱交換器Ep及び断熱材19にて伝熱量を設定し、脱硫部1と変成部5との間は、原燃料ガス用熱交換器Eaにて伝熱量を設定し、変成部5と選択酸化部6との間は、変成部冷却用通流部9にて伝熱量を設定し、燃焼部4と水蒸気生成部Sとの間は、断熱材19にて伝熱量を設定してある。
【0055】
次に、上述のように構成した水素含有ガス生成装置Pの運転制御方法について説明する。
水素含有ガス生成装置Pを起動するときは、燃料電池Gからはオフガスが供給されないので、ガス燃料供給量調整弁38を開弁して、ガス燃料供給路37を通じて供給される都市ガスにて燃焼部4を燃焼させて、改質部3を加熱し、脱硫部用ヒータ32を加熱作動させて、脱硫部1を加熱し、変成部用ヒータ33を加熱作動させて変成部5を加熱する起動運転制御を行い、その起動運転制御は、改質部温度センサT1の検出温度が予め設定した設定改質処理温度になるまで継続する。
【0056】
起動運転制御が終了すると、脱硫部用ヒータ32及び変成部用ヒータ33を停止させ、一方、燃焼部4の燃焼は継続して、原燃料ガス断続弁20を開弁して原燃料ガスの供給を開始すると共に、原料水ポンプ14を作動させて原料水の供給を開始して、水素含有ガスを生成するガス生成運転を開始し、以降、ガス生成運転中は、脱硫部用ヒータ32及び変成部用ヒータ33を停止させた状態で、燃料電池Gから排出されるオフガスを燃焼部4にて燃焼させ、改質部3を改質処理温度に維持するに当たって、オフガスだけでは不足する分をガス燃料供給路37を通じて都市ガスを燃焼部3に供給して燃焼させる。
【0057】
次に、ガス生成運転における運転制御方法について説明する。
本発明においては、改質部3を設定改質処理温度に維持するように、燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を設定選択酸化処理温度に維持するように、冷却用ファン10の通風量を調節する。
すると、上述のように、改質部3と脱硫部1との間、脱硫部1と変成部5との間、変成部5と選択酸化部6との間、及び、燃焼部4と水蒸気生成部Sとの間のそれぞれの伝熱量を設定してあるので、脱硫部1と変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度に維持することができ、並びに、水蒸気生成部Sを成り行きにて水蒸気生成に適正な温度に維持することができる。
【0058】
本発明においては、制御部Cを用いて、上述の如き起動運転における運転制御、及び、ガス生成運転における運転制御を自動的に行わせるように構成してある。
以下、制御部Cがガス生成運転における運転制御を実行するときの制御動作について説明する。
制御部Cは、改質部温度センサT1の検出温度が予め設定した設定改質処理温度になるように、ガス燃料供給量調整弁38及び燃焼用空気供給量調整弁40それぞれを制御して、燃焼部4の加熱能力を調節し、並びに、選択酸化部温度センサT2の検出温度が予め設定した設定選択酸化処理温度になるように、冷却用ファン10の作動を制御して冷却用の通風量、即ち、冷却能力を調節する。
【0059】
燃焼部4の加熱能力の調節について説明を加えると、加熱能力を増大するときは、例えば、都市ガスの供給量を増大するようにガス燃料供給量調整弁38を制御し、加熱能力を減少するときは、都市ガスの供給量を減少するようにガス燃料供給量調整弁38を制御する制御、及び、燃焼用空気供給量を増大するように燃焼用空気供給量調整弁40を制御する制御を、予め設定した条件にて実行する。
【0060】
以下、上記の運転制御方法にて運転して、水素含有ガス生成装置の性能を検証した結果を説明する。
【0061】
水素含有ガス生成装置の運転条件は以下の通りである。
原燃料ガス(13A)流量:4.0L(標準状態)/min
オフガス流量:10.1L(標準状態)/min
水蒸気生成用原料水(純水):12.0cc/min
選択酸化処理用空気流量:0.8L(標準状態)/min
【0062】
そして、図6に示すように、改質部3の温度に応じて、改質部3を設定改質処理温度に維持するための都市ガス(13A)の供給量、及び、燃焼用空気供給量を設定して、改質部温度制御情報として制御部Cに記憶させてある。
制御部Cは、改質部温度センサT1の検出温度及び記憶している改質部温度制御情報に基づいて、検出温度に応じた都市ガス供給量及び燃焼用空気供給量になるように、ガス燃料供給量調整弁38及び燃焼用空気供給量調整弁40それぞれを制御する、所謂フィードフォワード制御を実行する。
又、選択酸化部温度センサT2の検出温度が設定選択酸化処理温度になるように、冷却用ファン10をオンオフさせる。
【0063】
そして、設定改質処理温度を例えば642.9°Cに、並びに、設定選択酸化処理温度を例えば95.0°Cに設定して、上述のように制御したときの、脱硫部1、変成部5、及び、水蒸気生成部Sの蒸発処理部2の温度は、以下の通りに熱平衡し、それぞれ適正な温度に維持できていることが分かる。
又、そのときの燃焼部4の温度は以下の通りであり、この燃焼部4の温度は、改質部3の温度と相関があるので、上述のように、改質部3を設定改質処理温度になるように燃焼部4の加熱能力を調節するための制御情報として、改質部温度センサT1の代わりに、燃焼部4の温度を検出する燃焼部温度センサを設けて、その燃焼部温度センサの検出温度に基づいて、改質部3を設定改質処理温度になるように燃焼部4の加熱能力を調節するように制御することも可能である。
【0064】
脱硫部1の温度:261.8°C
変成部5の温度:238.9°C
水蒸気生成部Sの蒸発処理部2の温度:136.9°C
燃焼部4の温度:838.7°C
【0065】
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、この実施形態においては、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0076】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明を燃料電池用の水素含有ガス生成装置に適用した場合の第2実施形態を説明する。
図7に示すように、第2実施形態においては、改質部3と選択酸化部6との間に、脱硫部1及び変成部5としてそれぞれ複数(本第2実施形態では3台)ずつを、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設けてある。
そして、改質部3を改質処理に適正な温度に維持するように、燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、冷却用ファン10の通風量を調節して冷却能力を調節することにより、複数の脱硫部1がそれぞれ脱硫処理に適正な温度になり、複数の変成部5がそれぞれ変成処理に適正な温度になるように、隣接するもの同士の伝熱状態を予め設定してある。
【0077】
説明を加えると、図7に示すように、水素含有ガス生成装置Pは、矩形板状の偏平な容器Bの複数を板状形状の厚さ方向に並べて設けて、各容器Bを用いて、脱硫部1、改質部3、燃焼部4、変成部5、選択酸化部6、水蒸気生成部S、各通流部等を夫々構成してある。第1実施形態と同様に、複数の容器Bのうちの一部は単室具備容器Bmにて構成し、残りは双室具備容器Bdにて構成してある。
第2実施形態においては、10個の双室具備容器Bdと、1個の単室具備容器Bmを、側面視において左端から3個目に単室具備容器Bmを位置させた状態で、横方向に厚さ方向に並べて設けて、コンパクトに形成してある。
10個の双室具備容器Bdの区別が明確になるように、便宜上、双室具備容器を示す符号Bdの後に、左からの並び順を示す符号1,2,3……………10を付す。
【0078】
第1実施形態と同様に、左端の双室具備容器Bd1にて水蒸気生成部Sを構成し、左から2個目の双室具備容器Bd2を用いて燃焼部4及び改質部3を構成し、単室具備容器Bmを用いて、保温用通流部7を構成し、左から3個目の双室具備容器Bd3を用いて、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epを構成してある。
【0079】
左から4個目の双室具備容器Bd4を用いて、脱硫部1を構成し、左から5個目の双室具備容器Bd5の左側の室を備えた部分を用いて、脱硫部1を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、原燃料ガス通流部16を構成してある。
左から6個目の双室具備容器Bd6の左側の室を備えた部分を用いて、下流側改質処理ガス通流部15を構成し、右側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成してある。
左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて、脱硫部1を構成し、左から8個目の双室具備容器Bd8の左側の室を備えた部分を用いて、変成部5を構成し、右側の室を備えた部分を用いて変成部冷却用通流部8を構成してある。
左から9個目の双室具備容器Bd9を用いて、変成部5を構成し、左から10個目(右端)の双室具備容器Bd10の左側の室を備えた部分を用いて、変成部冷却用通流部9を構成し、右側の室を備えた部分を用いて選択酸化部6を構成してある。
つまり、脱硫部1は、左から4個目の双室具備容器Bd4、左から5個目の双室具備容器Bd5及び左から7個目の双室具備容器Bd7を用いて構成して、脱硫部1は3台設けてある。
又、変成部5は、左から6個目の双室具備容器Bd6、左から8個目の双室具備容器Bd8及び左から9個目の双室具備容器Bd9を用いて構成して、変成部5は3台設けてある。
そして、3台の脱硫部1及び3台の変成部5を、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように設けてある。
【0080】
つまり、燃焼部4及び改質部3を構成する双室具備容器Bd2の一方側に、その双室具備容器Bd2の側から、保温用通流部7を構成する単室具備容器Bm、断熱材19、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epを構成する双室具備容器Bd3、断熱材19、脱硫部1を構成する双室具備容器Bd4、脱硫部1及び原燃料ガス通流部16を構成する双室具備容器Bd5、下流側改質処理ガス通流部15及び変成部5を構成する双室具備容器Bd6、脱硫部1を構成する双室具備容器Bd7、変成部5及び変成部冷却用通流部8を構成する双室具備容器Bd8、変成部5を構成する双室具備容器Bd9、変成部冷却用通流部9及び選択酸化部6を構成する双室具備容器Bd10を記載順に並ぶように互いに密接配置して設け、双室具備容器Bd2の他方側に、その双室具備容器Bd2の側から、断熱材19、水蒸気生成部Sを構成する双室具備容器Bd1を記載順に並ぶように密接配置して設けてある。
【0081】
第2実施形態においては、燃焼部4及び改質部3を構成する双室具備容器Bd2の仕切り部材43と、その双室具備容器Bdの燃焼部4の側に隣接する断熱材19とにわたって、複数の補強部材63を架け渡してある。そして、それら複数の補強部材63により、熱膨張による双室具備容器Bdの変形を抑制するように構成してある。
【0082】
脱硫部用ヒータ32は、左から4個目の双室具備容器Bd4と左から5個目の双室具備容器Bd5との間に設け、一方の変成部用ヒータ33は、左から6個目の双室具備容器Bd6と左から7個目の双室具備容器Bd7との間に設け、他方の変成部用ヒータ33は、左から9個目の双室具備容器Bd9と左から10個目の双室具備容器Bd10との間に設けてある。
更に、第2実施形態においては、起動時に、水蒸気生成用加熱通流部11を加熱する水蒸気生成用ヒータ60、脱硫原燃料ガス通流部13を加熱する原燃料ガス用ヒータ61を設けてある。
【0083】
原燃料ガス供給路21を原燃料ガス用熱交換器Eaの原燃料ガス通流部16に接続し、並びに、原燃料ガス通流部16、3段の脱硫部1、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epの脱硫原燃料ガス通流部13、改質部3、保温用通流部7、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epの上流側改質処理ガス通流部12、原燃料ガス用熱交換器Eaの下流側改質処理ガス通流部15、3段の変成部5、選択酸化部6の順に流れるガス処理経路を形成するように、それらをガス処理用流路22にて接続してある。
3台の脱硫部1及び3台の変成部5を、脱硫部1と変成部5とが交互に並ぶように設けることにより、複数の脱硫部1を処理対象ガスが順次流れるようにそれらをガス処理用流路22にて接続し、又、複数の変成部5を処理対象ガスが順次流れるようにそれらをガス処理用流路22にて接続するに当たって、通流経路の順に並ぶもの同士を接続するガス処理用流路22の長さを長くすることが可能となるので、接続作業が容易となる。
【0084】
第2実施形態においては、変成部冷却用通流部8から燃焼ガス路27を通じて排出された燃焼ガスと、燃焼用空気路29を通じて燃焼部4に供給する燃焼用空気及びオフガス路24を通じて燃焼部4に供給するオフガスとを熱交換させて、燃焼用空気及びオフガスを予熱する排熱回収用熱交換器62を設けてある。
尚、図示は省略するが、第1実施形態と同様に、燃焼用空気バイパス路30、及び、空気経路切り換え用開閉弁35,36を設けてある。
【0085】
燃焼部4にて加熱される改質部3から選択酸化部6に向かって、脱硫部1、変成部5、脱硫部1、変成部5を順次伝熱して、選択酸化部6から放熱されると共に、燃焼部4から水蒸気生成部Sに向かって伝熱する。
一方、原燃料ガス供給路21から供給される原燃料ガスは、原燃料ガス用熱交換器Eaにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、3段の脱硫部1に順次供給して脱硫処理し、その脱硫原燃料ガスを水蒸気路26からの水蒸気と混合し、続いて、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて改質処理ガスとの熱交換により予熱した後、改質部3に供給して燃焼部3にて加熱して改質処理し、その改質処理ガスを、脱硫原燃料ガス用熱交換器Epにて脱硫原燃料ガスとの熱交換により冷却し、更に、原燃料ガス用熱交換器Eaにて原燃料ガスとの熱交換により熱交換した後、3段の変成部5に順次供給して、一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させて変成処理し、その変成処理ガスを原料水予熱用熱交換器17にて原料水との熱交換により冷却した後、選択酸化部6に供給して一酸化炭素ガスを選択酸化させて選択酸化処理する。
【0086】
そこで、3台の脱硫部1、改質部3、3台の変成部5及び選択酸化部6を上述のように配置した状態で、上述の如き流体の流れを考慮して、隣接するもの同士間のそれぞれの伝熱状態(伝熱量)を適宜に設定することにより、改質部3を改質処理温度に維持するように燃焼部4の加熱能力を調節し、且つ、選択酸化部6を選択酸化処理温度に維持するように冷却用ファン10の通風量を調節することにより、改質部3と選択酸化部6との間に位置する3台の脱硫部1と3台の変成部5を、温度を制御しなくても成り行きにて、それぞれ脱硫処理温度、変成処理温度に維持することができ、並びに、水蒸気生成部Sを成り行きにて水蒸気生成に適正な温度に維持することができるのである。
【0087】
制御部Cがガス生成運転における運転制御を実行するときの制御動作は、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0088】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
【0093】
(イ) 燃焼部4の加熱能力を調節するための制御として、上記の実施形態においては、都市ガスの供給量を減少するようにガス燃料供給量調整弁38を制御する制御、及び、燃焼用空気供給量を増大するように燃焼用空気供給量調整弁40を制御する制御を併用する場合について例示したが、都市ガスの供給量を減少するようにガス燃料供給量調整弁38を制御のみを行うように構成しても良い。
あるいは、燃焼部4に対するオフガスの供給量を調節するオフガス供給量調整弁を設けて、そのオフガス供給量調整弁の制御によるオフガス供給量の調節により、燃焼部4の加熱能力を調節するように構成しても良い。
【0094】
(ロ) 改質部3を改質処理温度に維持すべく燃焼部4の加熱能力を調節するた
めの制御形態は、上記の実施形態において例示した如きフィードフォワード制御に限定されるものではなく、改質部温度センサT1の検出温度と改質処理温度とを比較して、検出温度が改質処理温度よりも高いときは加熱能力を減少し、検出温度が改質処理温度よりも低いときは加熱能力を増大するようにガス燃料供給量調整弁38及び燃焼用空気供給量調整弁40を制御するフィードバック制御を行うようにしたり、あるいは、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の両方を行うようにしても良い。
【0095】
(ハ) 改質部温度センサT1及び選択酸化部温度センサT2それぞれの温度検出位置は、上記の実施形態において例示した位置に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0096】
(ニ) 上記の第1実施形態においては、変成部5を3段に設ける場合について例示したが、変成部5を複数段に設ける場合の段数は適宜変更可能であり、あるいは、変成部5を1段に設けても良い。
又、上記の第2実施形態においては、脱硫部1及び変成部5をそれぞれ3台設ける場合について例示したが、脱硫部1及び変成部5を複数台設ける場合の台数は適宜変更可能であり、脱硫部1と変成部5の台数を異ならせても良い。又、脱硫部1と変成部5とを交互に並べるに当たって、その形態は上記の第2実施形態において例示した形態に限定されるものではなく、1台ずつ交互に並べても良い。
【0097】
(ホ) 改質部加熱手段の具体構成は、上記の実施形態にて例示した如き燃焼式の改質部加熱手段である燃焼部4に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータにて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る水素含有ガス生成装置の縦断側面図
【図2】 水素含有ガス生成装置を構成する双室具備容器の斜視図
【図3】 水素含有ガス生成装置を構成する単室具備容器の斜視図
【図4】 第1実施形態に係る水素含有ガス生成装置の側面図
【図5】 第1実施形態に係る水素含有ガス生成装置の正面図
【図6】 改質部の温度と都市ガス供給量及び燃焼用空気供給量それぞれとの関係を示す図
【図7】 第2実施形態に係る水素含有ガス生成装置の縦断側面図
【図8】 水素含有ガス生成装置における伝熱を説明する図
【図9】 水素含有ガス生成装置における伝熱を説明する図
【符号の説明】
1 脱硫部
3 改質部
4 改質部加熱手段
5 変成部
6 選択酸化部
10 選択酸化部冷却手段
Ep 熱交換部
S 水蒸気生成部
Claims (4)
- 改質部加熱手段にて加熱されて、炭化水素系の原燃料ガスを水蒸気にて水素ガスと一酸化炭素ガスを含むガスに改質処理する改質部と、前記改質部から供給される改質処理ガスをその改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを二酸化炭素ガスに変成させることにより変成処理する変成部と、その変成部から供給される変成処理ガスをその変成処理ガス中の一酸化炭素を選択酸化することにより選択酸化処理する選択酸化部が設けられた水素含有ガス生成装置の運転制御方法であって、
前記選択酸化部を冷却する選択酸化部冷却手段を設け、
前記改質部、前記変成部及び前記選択酸化部を、前記改質部と前記選択酸化部との間に前記変成部が位置し、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部にて脱硫処理した脱硫原燃料ガスを、前記改質部で改質処理する炭化水素系の原燃料ガスとして供給し、
前記改質部と前記選択酸化部との間に、前記脱硫部及び前記変成部を並べて、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設け、
前記脱硫部からの脱硫原燃料ガスと前記改質部からの改質処理ガスとを熱交換させる熱交換部を、前記改質部と前記脱硫部との間に設け、
前記改質部と前記脱硫部との間は、前記改質部の側から順に並ぶ断熱材、前記熱交換部及び断熱材にて伝熱量を設定し、
前記改質部を改質処理に適正な温度に維持するように、前記改質部加熱手段の加熱能力を調節し、且つ、前記選択酸化部を選択酸化処理に適正な温度に維持するように、前記選択酸化部冷却手段の冷却能力を調節し、
前記選択酸化部冷却手段が、通風量の調節により冷却能力を調節する冷却用ファンであり、
前記改質部加熱手段をガス燃料を燃焼させる燃焼式に構成し、
前記変成部を冷却するための変成部冷却用通流部を前記変成部と前記選択酸化部との間に設け、
ブロアからの空気を前記変成部冷却用通流部を通流させてから前記改質部加熱手段に供給する燃焼用空気路に、前記変成部冷却用通流部を迂回させて前記ブロアからの空気を通流させる燃焼用空気バイパス路を接続し、
前記燃焼用空気路を通して前記ブロアからの空気を通流させる冷却用供給状態と、前記燃焼用空気バイパス路を通して前記ブロアからの燃焼用空気を通流させるバイパス供給状態とに切換える空気経路切り換え用開閉弁を設け、
前記バイパス供給状態では前記変成部の冷却能力が不足するときには、前記冷却用供給状態に切り換える水素含有ガス生成装置の運転制御方法。 - 前記改質部、前記熱交換部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を、外形形状が偏平な板状になるように構成し、それら板状の前記改質部、前記熱交換部、前記脱硫部、前記変成部及び前記選択酸化部を厚さ方向に並設する請求項1記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
- 前記改質部における前記変成部が設けられている側とは反対側に、供給される水を前記燃焼式の改質部加熱手段から排出される燃焼ガスにて加熱して、前記改質部における改質処理用の水蒸気を生成する水蒸気生成部を設ける請求項1又は2記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
- 前記脱硫部及び前記変成部としてそれぞれ複数ずつを、前記脱硫部と前記変成部とが交互に並ぶように、且つ、隣接するもの同士で熱伝導可能なように設ける請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素含有ガス生成装置の運転制御方法。
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