JP4517554B2 - 熱可塑性樹脂組成物および成形品ならびにシャーシまたは筐体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタッピング性に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形品ならびにシャーシまたは筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量化の要求とともに自動車部品、家電部品、携帯機器部品、事務機部品の樹脂化が検討されてきているが、これまで樹脂化が困難とされていた分野への用途開拓も盛んに試みられ、樹脂に対する要求性能は、益々多様化すると共に厳しくなる傾向にある。近年、特に目立つのが、従来は板金、アルミダイキャストが用いられていた電子機器あるいは事務機のシャーシ部材、FDD(フロッピィーディスクドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)、CD−ROMのシャーシ及びCD(コンパクトディスク)、LD(レーザーデスク)、MD(ミニディスク)等を情報媒体として用いるゲーム機、音楽プレイヤー、AV機器等のシャーシ、ポンプのケーシング等の部品の樹脂化が検討されている。
【0003】
ところが、製品の小型化・高性能化に伴い、成形品の薄肉化が要求されるものの、流動性不足による成形品の未充填、成形時の残留応力あるいは、高温環境下での使用によるソリ変形による問題、CD−ROMの高速化に伴う振動音や振動による読み取りエラーの低減が課題となってきている。また、金属代替によってねじによる部品取り付け時のタッピング強度等が要求されている。
【0004】
そこで、これら要求に対して、制振性改良としてポリカーボネートに液晶性樹脂を針状分散させる方法(特開平9−143379号公報)、ポリカーボネートに液晶性樹脂を配合し、さらに摺動性改良剤を添加する方法(特開平10−87982号公報)、また、事務機器外装部材等として使用するにあたり、耐衝撃性と外観の改良からポリカーボネートに熱可塑性ポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(特開2000−290486号公報)が提案されている。
【0005】
しかしながら、上記で提案されている方法のうち、特開平9−143379号公報および特開平10−87982号公報では、確かに流動性が改良され、制振性も若干改良されるものの、十分ではなく、セルフタッピング性に至っては、一度の取り付けで失敗した場合にネジ山がつぶれ、部品取り付け不能になるという問題がある。また、特開2000−290486号公報において開示されてる組成物は、確かに本発明の熱可塑性樹脂組成物を一部重複するものの、本発明で得られる向上効果については特定の樹脂組成かつ、特定の組成比に限り、特異的に得られるため、その特性発現については、何ら触れられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタッピング性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品ならびにシャーシまたは筐体を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)99.5〜50重量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対し、ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を0.01〜15重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成物であって、後記する特定構造の液晶性樹脂(B)を用いることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の成形品は、かかる熱可塑性樹脂組成物からなり、かつ、ネジ挿入部分を有することを特徴とするものであり、また、本発明のシャーシまたは筐体は、かかる成形品を用いて構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタッピング性に優れた熱可塑性樹脂組成物について、鋭意検討し、熱可塑性樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の特定量からなる組成物に、ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を特定量添加してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0011】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、成形加工できる合成樹脂のことである。その具体例としては、例えば、非液晶性半芳香族ポリエステル、非液晶性全芳香族ポリエステルなどの非液晶性ポリエステル、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミド、脂肪族−芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドなどのポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が使用される(“/”は共重合を表す。以下同じ)。
【0012】
上記非液晶性半芳香族ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステル等が使用される。
【0013】
また、ポリアミドの具体例としては、例えば環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物などが用いられ、具体的にはナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体が使用され、共重合体として、例えばナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン66/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)などを使用することができる。なお、共重合の形態としてはランダム、ブロックのいずれでもよいが、ランダムの方が好ましい。
【0014】
上述した熱可塑性樹脂のうち機械的性質、成形性などの点から、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートなどの非液晶性ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン4・6、ポリノナンメチレンテレフタルアミド、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン66/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)などのポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく用いられる。
【0015】
なかでも寸法安定性、低そり性の点から、以下に示すスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく用いられる。
【0016】
かかるスチレン系樹脂としては、スチレン及び/またはその誘導体から生成した単位を含有するものが好ましく使用される。
【0017】
かかるスチレン、その誘導体(これらを総称して芳香族ビニル系単量体と称する場合がある)から生成した単位の具体例としては、下記構造単位のものが使用される。
【0018】
【化4】
【0019】
R3〜R7は、水素、塩素等のハロゲン、炭素数1〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニル基、ニトロ基などの基を示し、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0020】
R3〜R7は、水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメチル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキシ、フェノキシ、ニトロなどの基であり、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0021】
スチレン、その誘導体の好ましい例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましく使用され、また、これらを併用することもできる。
【0022】
かかるスチレン系樹脂としては、スチレン系(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が使用さる。かかるスチレン系(共)重合体としては、芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上を重合した重合体、芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合体が使用される。また、ゴム強化スチレン(共)重合体としては、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上をグラフト重合したゴム強化グラフト重合体、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上をグラフト共重合したグラフト共重合体が使用される。
【0023】
上記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニルなどが使用される。
【0024】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が用いられるが、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。また、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが使用される。
【0025】
上記ゴム質重合体としては、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などのジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムおよびエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)などのポリオレフィン系ゴムが使用され、なかでもポリブタジエン、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)が好ましく用いられる。
【0026】
前記ゴム強化スチレン系(共)重合体を更に詳しく説明すると、ゴム質重合体(a)に芳香族ビニル化合物(b)から選ばれる少なくとも一種、またはそれと共単量体であるメタクリル酸エステル(c)およびシアン化ビニル化合物(d)から選ばれる少なくとも1種とがグラフト重合したグラフト共重合体(重合体(i))、あるいは該重合体(i)と芳香族ビニル化合物(b)、メタクリル酸エステル(c)等から選ばれる少なくとも1種のビニル化合物とシアン化ビニル化合物(d)が重合した共重合体(重合体(ii))とを配合した樹脂等が使用される。
【0027】
該重合体(i)として、ゴム質重合体(a)に対し、芳香族ビニル化合物(b)とメタクリル酸エステル(c)および/またはシアン化ビニル化合物(d)とをグラフト重合する場合、ゴム状重合体(a)の共重合量は、5〜80重量%に制御するのが好ましい。グラフト成分中、芳香族ビニル化合物(b)、メタクリル酸エステル(c)などから選ばれるビニル化合物の1種または2種以上の合計が、50〜97重量%であり、シアン化ビニル化合物(d)が、3〜50重量%の範囲に制御するのが好ましい。
【0028】
重合体(i)の重合方法は、特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊状−懸濁重合などの公知の方法のいずれをも用いることができる。
【0029】
一方、重合体(ii)中のシアン化ビニル化合物(d)の共重合量としては、3〜50重量%の範囲にするのが好ましい。
【0030】
重合体(ii)の重合方法は、特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊状−懸濁重合などの公知の方法を用いることができる。
【0031】
ゴム状重合体を共重合させたスチレン系樹脂は重合体(i)を必須成分とし、重合体(ii)を任意の割合で配合して用いることもできる。
【0032】
本発明において好ましいスチレン系樹脂としては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体)などのゴム強化(共)重合体等が用いられ、なかでも特にPS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)が好ましく使用される。
【0033】
ポリカーボネート系樹脂としては、カーボネート結合を有し、芳香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエステルなどを反応させることにより得られる芳香族ホモまたはコポリカーボネートが用いられる。該芳香族ホモポリカーボネート樹脂または芳香族コポリカーボネート樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で20℃で測定した対数粘度が、好ましくは0.2〜3.0dl/g、より好ましくは0.3〜1.5dl/gの範囲のものが用いられる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用でき、これら単独あるいは混合物として使用することができる。
【0034】
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、下記繰り返し単位で表される熱可塑性樹脂が用いられ、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.01〜0.80dl/gの重合体が好ましく用いられる。
【0035】
【化5】
【0036】
R8〜R11 は、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニル基、ニトロ基などの基であり、これらはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0037】
R8〜R11 の具体例としては、水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメチル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキシ、フェノキシ、ニトロなどの基が好ましく使用される。
【0038】
かかるポリフェニレンエーテル系樹脂としては、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体などが好ましく使用される。
【0039】
また、かかるスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびポリフェニレンエーテル系樹脂は、2種以上を併用してもよく、具体的には、ABSとポリカーボネートの組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンまたは耐衝撃ポリスチレンとの組み合わせなどを用いることができる。また、その他特性、例えば耐薬品性等を付与させるために、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂の一部(通常、樹脂成分全量(100重量%)の85重量%以下、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは50重量%以下)を結晶性の熱可塑性樹脂に置き換えることが可能であり、このような結晶性の熱可塑性樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などが用いられ、具体的には、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの組み合わせ、ポリカーボネートとポリエチレンテレフタレートの組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとナイロン6の組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとナイロン66の組み合わせなどが好ましく採用される。
【0040】
また、特に耐熱性と成形性のバランスから、ポリカーボネート系樹脂が好適に用いられる。
【0044】
本発明で用いられる液晶性樹脂(B)は下記(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
【0045】
【化6】
【0046】
(ただし式中のR1は
【0047】
【化7】
【0048】
から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0049】
【化8】
【0050】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0051】
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)は、エチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0052】
【化9】
【0053】
であり、R2が
【0054】
【化10】
【0055】
であるものが特に好ましく用いられる。
【0056】
本発明で用いられる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0057】
すなわち、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0059】
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
【0061】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0062】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が挙げられ、特に(3)の方法が好ましく採用される。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニルとテレフタル酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0063】
本発明に使用する液晶性ポリエステルは、フィラー高充填による流動性低下を抑制するため、溶融粘度は0.5〜80Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・sがより好ましい。また、流動性がより優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下とすることが好ましい。
【0064】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0065】
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の配合比は、薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタップ強度等の特性のバランスの点から、(A)と(B)の合計に対し、(A)99.5〜50重量%、(B)0.5〜50重量%、好ましくは(A)97〜65重量%、(B)3〜35重量%、より好ましくは(A)95〜75重量%、(B)5〜25重量%である。
【0066】
また、熱可塑性樹脂(A)にポリカーボネート系樹脂を用いた場合、ポリカーボネート系樹脂に対し、液晶性樹脂(B)を配合すると一部交換反応が起こり、得られる組成物のガラス転移温度(℃)は液晶樹脂配合前のポリカーボネート系樹脂のガラス転移温度(℃)から変化するが、本発明の効果を最大限に発揮するためには、ポリカーボネート系樹脂に対する得られた組成物のガラス転移温度(℃)の変化率が好ましくは5%未満、さらには3%未満であることが、とりわけ優れた流動性を得る点で好ましい。これは、充填材を添加した場合も同様であるが、ただし、リン酸エステル等をはじめとする可塑化効果のある添加剤を用いた組成物(D)のガラス転移温度(℃)は、液晶性樹脂(B)未配合でもポリカーボネート系樹脂(A)単体に対して低下するので、そのような組成物(D)にさらに液晶性樹脂(B)を添加する場合は、得られた液晶性樹脂(B)配合の組成物(E)のガラス転移温度(℃)の変化率は、液晶性樹脂(B)未配合の樹脂組成物(D)に対するガラス転移温度(℃)の変化率であり、その変化率は、好ましくは5%未満、さらには3%未満である。
【0067】
ガラス転移温度(℃)の求め方は、示差熱量測定において、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される変曲点をガラス転移温度(℃)とする。樹脂組成物が複数の樹脂成分からなる場合には複数の変曲点が観察される場合があるが、対象とする変曲点はポリカーボネート系樹脂由来の変曲点とする。
【0068】
また、熱可塑性樹脂(A)中における液晶性樹脂(B)の分散状態については特に規定されないが、優れた流動性および低ソリ性を発揮するためには、成形品の厚み方向の中心部において流れ方向(粒子の配向方向)に切削した場合、球状分散に近いことが好ましく、具体的には液晶性樹脂粒子の平均アスペクト比(粒子の(長径/短径)の平均値)が、6未満が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。また、粒子の長径を測定した数平均分散径が、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1.5〜4μmである。液晶性樹脂のポリカーボネート系樹脂(A)中の分散状態が上記の範囲内の時に本組成物における最大の効果を発現する。
【0069】
液晶性樹脂(B)中の熱可塑性樹脂(A)の数平均分散径の測定方法は、成形品の厚み方向の中心部において、粒子の配向方向に切削して得られたコア層部分の切片を電子透過型顕微鏡(TEM)により、観察・写真撮影し、分散粒子100個の平均値を、それぞれ平均アスペクト比および数平均分散径として求める。なお、数平均分散粒子径は、長径方向で測定するものとする。
【0070】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるものであり、ポリテトラフルオロエチレンは、粒子径が10μmを超え、凝集体となっていないことが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂に配合した際の分散性の観点から、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、ビニル単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより、粉体化して得られるものを用いるのが好ましい。
【0071】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を得るために用いる、粒子径 0.05〜1.0μmポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得られる。
【0072】
ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分として、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好ましい。
【0073】
ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液の市販原料としては、旭硝子フロロポリマー社製のフルオン(R)AD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロン(R)D−1、D−2(R)、三井デュポンフロロケミカル社製 のテフロン(R)30J等を代表的に使用することができる。
【0074】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を得るために用いる有機系重合体粒子水性分散液は、ビニル単量体を乳化重合等の公知の方法で重合させることにより得ることができる。
【0075】
有機系重合体粒子水性分散液を得るために用いるビニル単量体および、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で重合させるビニル単量体としては、特に制限されるものではないが、ポリカーボネートを始めとする熱可塑性樹脂(A)に配合する際の分散性の観点から、熱可塑性樹脂(A)との親和性が高いものであることが好ましい。
【0076】
これらビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o −メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、 2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o −メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メ チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド単量体;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン単量体等を用いることができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0077】
これらの単量体の中で熱可塑性樹脂(A)との親和性の観点から、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を30重量%以上含有する単量体を好ましく用いることができる。特に好ましくはスチレンおよびアクリロニトリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体を30重量%以上含有する単量体を用いることができる。
【0078】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体中に占めるポリテトラフルオロエチレンの含有割合は、0.1〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは、20〜70重量%である。0.1重量%未満であると、特性改良効果が得られず、90重量%を超えると、表面外観および流動性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0079】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、その水性分散液を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレードライにより粉体化することができる。
【0080】
通常のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーは、粒子分散液の状態から粉体として回収する工程で100μm以上の凝集体となってしまうために 熱可塑性樹脂に均一に分散させることが困難であるのに対して、本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、ポリテトラフルオロエチレンが単独で粒子径10μmを超えるドメインを形成していないために 熱可塑性樹脂(A)に対する分散性がきわめて優れている。この結果、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレンが熱可塑性樹脂中で効率よく微分散化しており、セルフタップ強度が優れる上に、表面性にも優れるものを提供することができる。
【0081】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の添加量は、流動性、低そり性およびセルフタップ強度の点から、(A)と(B)の合計量100重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましくは、0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
【0082】
本発明において熱可塑性樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与するために充填剤を使用することが可能であり、特に限定されるものではないが、繊維状もしくは、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充填剤を使用することができる。具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が用いられる。上記充填剤中、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カオリンが好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填剤は機械強度と成形品そりのバランスを得るために、2種以上を併用して使用することもでき、例えば、ガラス繊維とマイカあるいはカオリン、ガラス繊維とガラスビーズ、炭素繊維とマイカあるいはカオリン、炭素繊維とミルドファイバーあるいはガラスフレーク等が用いられる。
【0083】
なお、本発明に使用する上記の充填剤は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできるが、好ましくは、マイカ、カオリン、グラファイトをはじめとする板状フィラーを用いるのが、特に制振性の向上効果が大きくなるので好ましい。
【0084】
また、ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0085】
上記の充填剤の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.5〜250重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100重量部、特に好ましくは20〜80重量部である。
【0086】
本発明において、熱可塑性樹脂組成物に薄肉難燃性などの特性を付与するために、赤リンおよび/または下記一般式(1)で表される燐酸エステルを使用することができる。流動性向上効果の点から、好ましくはリン酸エステルが用いられる。
【0087】
本発明で使用される赤リンは、そのままでは不安定であり、また、水に徐々に溶解したり、水と徐々に反応する性質を有するので、これを防止する処理を施したものが好ましく用いられる。このような赤リンの処理方法としては、特開平5−229806号公報に記載の如く赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素との反応性が高い破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンに水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを微量添加して赤リンの酸化を触媒的に抑制する方法、赤リンをパラフィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合することにより安定化させる方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウムおよびチタンなどの金属塩の水溶液で処理して、赤リン表面に金属リン化合物を析出させて安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆する方法、赤リン表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させる方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好ましくは、赤リンの粉砕を行わずに赤リン表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、などで被覆することにより安定化させる方法であり、特に好ましくは、赤リンの粉砕を行わず、表面に破砕面を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法あるいはこれらの両者を組み合わせた方法である。これらの熱硬化性樹脂の中で、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンが耐湿性の面から好ましく使用することができ、特に好ましくはフェノール系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである。
【0088】
なお、本発明において用いる赤燐として好ましい赤燐である未粉砕赤燐は、破砕面を形成させずに製造された赤燐を指す。
【0089】
また樹脂に配合される前の赤リンの平均粒径は、難燃性、機械特性、耐湿熱特性およびリサイクル使用時の粉砕による赤燐の化学的・物理的劣化を抑える点から35〜0.01μmのものが好ましく、さらに好ましくは、30〜0.1μmのものである。
【0090】
なお赤燐の平均粒径は、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することが可能である。粒度分布測定装置には、湿式法と乾式法があるが、いずれを用いてもかまわない。湿式法の場合は、赤リンの分散溶媒として、水を使用することができる。この時アルコールや中性洗剤により赤リン表面処理を行ってもよい。また分散剤として、ヘキサメタ燐酸ナトリウムやピロ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩を使用することも可能である。また分散装置として超音波バスを使用することも可能である。
【0091】
また本発明で使用される赤リンの平均粒径は上記のごとくであるが、赤リン中に含有される粒径の大きな赤リン、すなわち粒径が75μm以上の赤リンは、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性を著しく低下させるため、粒径が75μm以上の赤リンは分級とうにより除去することが好ましい。粒径が75μm以上の赤リン含量は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性の面から、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。下限に特に制限はないが、0に近いほど好ましい。
【0092】
ここで赤リンに含有される粒径が75μm以上の赤リン含量は、75μmのメッシュにより分級することで測定することができる。すなわち赤リン100gを75μmのメッシュで分級した時の残さ量A(g)より、粒径が75μm以上の赤リン含量は(A/100)×100(%)より算出することができる。
【0093】
また、本発明で使用される赤リンの熱水中で抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤リン5gに純水100mLを加え、例えばオートクレーブ中で、121℃で100時間抽出処理し、赤リンろ過後のろ液を250mLに希釈した抽出水の導電率を測定する)は、得られる成形品の耐湿性、機械的強度、耐トラッキング性、およびリサイクル性の点から、0.1〜1000μS/cmが好ましく、より好ましくは0.1〜800μS/cm、さらに好ましくは0.1〜500μS/cmである。
【0094】
このような赤リンの市販品としては、燐化学工業社製“ノーバエクセル”(R)140、“ノーバエクセル”(R)F5が用いられる。
【0095】
本発明に使用される燐酸エステルとしては、下記式(1)で表されるものが用いられる。
【0096】
【化11】
【0097】
まず前記式(1)で表される難燃剤の構造について説明する。前記式(1)の式中nは0以上の整数であり、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。上限は難燃性の点から40以下が好ましい。
【0098】
またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ましくはk、mは、それぞれ0以上1以下の整数、特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0099】
また前記式(1)の式中、R12〜R19は、同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチル、tert−ペンチル基などであるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
【0100】
また、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は、同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられ、なかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0101】
また、Yは、直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
【0102】
このような燐酸エステルとしては、大八化学社製PX−200、PX−201、PX−130、CR−733S、TPP、CR−741、CR747、TCP、TXP、CDPから選ばれる1種または2種以上が使用することができ、好ましくはPX−200、TPP、CR−733S、CR−741、CR747から選ばれる1種または2種以上、特に好ましくはPX−200、CR−733S、CR−741を使用することができるが、この中で特に好ましくはPX−200である。
【0103】
本発明において赤燐および燐酸エステルのいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
【0104】
上記赤燐および/または燐酸エステルを添加する場合の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.1〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは2〜20重量部である。なかでも3〜15重量部が、最も好ましい。
【0105】
赤燐の添加量が本発明の範囲より少なすぎた場合、添加による難燃性付与効果が小さくなり、多すぎる場合、かえって燃焼促進剤として働くか、または機械物性が低下する傾向にある。
【0106】
燐酸エステルの添加量が、本発明の範囲より多すぎる場合、機械物性の低下およびガス発生による噛み込み不良あるいはガス焼け等が発生しやすくなる傾向にあり、少なすぎる場合、添加による難燃性付与効果が小さい。
【0107】
また、赤燐を添加した場合、難燃性の他に成形時の熱安定性が向上するなどの効果も同時に発現し、燐酸エステルを添加した場合には、流動性がさらに向上する。
【0108】
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、赤燐を配合する場合には、さらに赤燐の安定剤として、金属酸化物を添加することにより、押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の端子腐食性などを向上させることができる。このような金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタンなどが用いられるが、なかでも酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンなどのI族および/またはII族の金属以外の金属酸化物が好ましく、特に酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタンが好ましく用いられるが、I族および/またはII族の金属酸化物であってもよい。押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の端子腐食性の他に、非着色性をさらに向上させるためには、酸化チタンが最も好ましく用いられる。
【0109】
金属酸化物を添加する場合の添加量は、機械物性、成形性の面から熱可塑性樹脂(A)および液晶性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0110】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、その他の難燃剤(例えばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、難燃助剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂)、帯電防止剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0111】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常公知の方法で製造される。例えば、熱可塑性樹脂(A)、液晶性樹脂(B)およびポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体成分中、その他の必要な添加剤および充填剤を予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、充填剤を添加する場合、充填剤の繊維の折損を抑制するために好ましくは、熱可塑性樹脂(A)、液晶性樹脂(B)、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体および添加剤を押出機の元から投入し、充填剤をサイドフィーダーを用いて、押出機へ供給することにより調整される。
【0112】
赤燐および/または燐酸エステルを添加する場合には、ハンドリング性、分散性を向上させるために(A)または(B)で予め、高濃度品を作成し、添加するマスターペレット法を用いることも可能である。
【0113】
熱可塑性樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”(R)タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができるが、本発明の効果をより鮮明に発揮するためには溶融加工条件を制御することが好ましい。
【0114】
例えば、溶融混練温度については、配合する液晶性樹脂(B)の融点以下かつ液晶開始温度以上で行うことが好ましく、より好ましくは液晶性樹脂(B)の融点−5℃〜液晶開始温度であり、さらに好ましくは液晶性樹脂(B)の融点−10℃〜液晶開始温度である。かかる方法で溶融混練する場合には、(A)と(B)との必要以上の交換反応等がコントロール可能であるため、組成物のガラス転移温度(℃)の変化率を小さくし得る傾向があり、ひいては発明の効果である流動性を特に効率よく発揮することができる。本発明においては、溶融混練した組成物を直接成形してもよいが、一旦ペレタイズなどして成形材料とした後、成形に供することも可能である。
【0115】
ここでいう溶融混練温度とは、樹脂温度を指す。例えば、溶融混練、溶融成形などの溶融加工時においては、一般的にせん断発熱により樹脂温度がシリンダー設定温度より高温になるため、シリンダー設定温度を目的の樹脂温度になるように若干低温に設定するか、あるいは、それとともに、スクリュー回転数やスクリューアレンジを制御して、樹脂温度を上記範囲におさめること、あるいは、サイドフィーダー備え付けの押出機を用いる場合には、サイドから液晶性樹脂(B)を配合する全量の一部もしくは全部を投入する方法が好ましく用いられる。
【0116】
液晶開始温度の測定は、剪断応力加熱装置(CSS−450)により剪断速度1,000(1/秒)、昇温速度5.0℃/分、対物レンズ60倍において測定し、視野全体が流動開始する温度を液晶開始温度とした。
【0117】
また、熱可塑性樹脂組成物を成形するにあたっての成形方法は、通常の成形方法(射出成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、ケース(筐体)などに加工することができるが、生産性を考慮した場合、射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が好ましく採用される。
【0118】
かくして得られる成形品は、薄肉流動性、低ソリ性、制振性、セルフタップ強度に優れていることなどの特性を生かし、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、光ピックアップスライドベース、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、タンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、イグニッションコイル用部品、パワーシートギアハウジング、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、パソコンハウジング、携帯電話ハウジングなどの筐体用途、便座、手洗い器・カウンターなどのトイレタリー用途、玩具、パチンコ台部品などの娯楽用途、その他各種用途に有用であり、フィルムとして用いる場合は磁気記録媒体用フィルム、写真用フィルム、コンデンサー用フィルム、電気絶縁用フィルム、包装用フィルム、製図用フィルム、リボン用フィルム、シート用途としては自動車内部天井、ドアトリム、インストロメントパネルのパッド材、バンパーやサイドフレームの緩衝材、ボンネット裏等の吸音パット、座席用材、ピラー、燃料タンク、ブレーキホース、ウインドウオッシャー液用ノズル、エアコン冷媒用チューブおよびそれらの周辺部品に有用であり、繊維として用いる場合にはタイヤコード、コンベアーベルト、ホース等のゴム補強材、ロープ、ケーブル、スピーカーコーン、テンションメンバー、スクリーン紗、封止剤補強、電池セパレーター、カンパス、基布、漁網、不織布、安全着、防弾チョッキ、宇宙服、海底作業服等幅広い分野に有用であり、特にセルフタッピング性に優れることから、ネジ挿入部を有する成形品、さらにはシャーシ、筐体用途に好適であり、具体的には磁気記録再生装置用シャーシ、デジタルディスク駆動装置用シャーシ、モーター部、光学ピックアップおよびディスクテーブルが取り付けられたメカニカルシャーシ、光書き込みユニット固定シャーシ、光学ディスク用ピックアップシャーシ、 OA機器シャーシ、AV機器シャーシ、カメラ外装カバーなどに特に好ましく用いられる。
【0119】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0120】
参考例1(熱可塑性樹脂)
PC:”レキサン”(R)141(ゼネラルエレクトリック社製)(フェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端基(EN)の当量比 (EP)/(EN)は、四塩化チタン錯体測光定量の結果1/100)
PPE:PPO534(ゼネラルエレクトリック社製)
N−6:アミラン(R)CM1010(東レ社製)
参考例2(液晶性樹脂)
LCP1:p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から320℃まで1.5時間で昇温させた後、320℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに約0.25時間反応させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、液晶開始温度293℃の18Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ずり速度1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0121】
LCP2:p−ヒドロキシ安息香酸907重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量部及び無水酢酸873重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から310℃まで1.5時間で昇温させた後、310℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに約0.25時間反応させ重縮合を行った結果、重合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位100モル等量からなる融点283℃、液晶開始温度233℃、293℃で150Pa・s(オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))であった。
【0122】
参考例3(フッ素系樹脂)
(1)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
KA:メタブレン(R)KA−1259(三菱レイヨン社製)
(2)ポリテトラフルオロエチレン
6J:テフロン(R)6J(三井・デュポン・フロロケミカル社製)
(1)薄肉流動性
ROBOSHOTα−30C(ファナック社製)を用いて表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金型温度80℃で12mm幅×150mm長×0.8mm厚の成形品を射出速度150mm/sec、樹脂圧79MPaで流動長を評価した。
【0123】
(2)低そり性
東芝IS−55EPN(東芝機械社製)を用いて表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金型温度80℃で55mm幅×85mm長×0.8mm厚で名刺型成形品を成形し、4角の一端を押さえ、そのそり性(浮き上がり)を見た。
【0124】
評価は、◎:全く反りなし、○:1mm未満の浮きあり、×:1mm以上のソリあるいは成形不可とした。
【0125】
(3)制振性(振幅回数)
住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)を用いて表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金型温度80℃に設定し、かつ、圧力MAX、充填速度を樹脂が金型内に充填可能な最低速で成形品(120mm×12.7mm×3.2mm厚)を作成し、その成形品の振幅回数(前置増幅器(B&K製2639S型)および電力増幅器(B&K製2706型)および2チャンネルFFT分析器(B&K製2034型)を用いる。)を200〜300Hzの領域で測定した。
【0126】
(4)セルフタッピング性
東芝ISー55EPN(東芝機械(株)製)を用いて表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金型温度80℃に設定し、セルフタップ成形品(内径3.2mm、厚み3mm)を成形し、傘型トルクドライバーで(中村製作所社製”カノントルクレンチ”20DPSK)により、タッピングネジ(4×8mmナベ頭)を成形品の穴に挿入し、最大トルク時の破損状況について評価した。
【0127】
評価は、○:破損しない、×:破損する、とした。
【0128】
(4)ガラス転移温度(Tg)変化率上記(1)で得られた試験片をパーキンエルマー製示差走査熱量計にて20℃/minでポリカーボネート由来の変曲点を測定し、液晶性樹脂を配合した組成物のガラス転移点(Y)を求めた。また、液晶性樹脂未配合のポリカーボネート系樹脂組成物のガラス転移点(X)とする以外は同様の方法で得られた試験片を用い、同様の方法でガラス転移点(ポリカーボネートTg)を求めた。これらの結果に基づき以下の式で変化率を求めた。
変化率(%)=((X−Y)/X)×100
実施例1〜6、比較例1〜7
表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼社製)を用いて熱可塑性樹脂(A)、液晶性樹脂(B)、フッ素系樹脂および表1に示す充填剤をドライブレンドし、表1中押出時樹脂温度として示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。このペレットを上記評価方法ごとに成形品を得た。
【0129】
実施例7、比較例8
表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼社製)を用いて熱可塑性樹脂(A)、液晶性樹脂(B)、フッ素系樹脂、リン酸エステル(PX−200;大八化学社製)および表1に示す充填剤をドライブレンドし、表1中押出時樹脂温度として示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。このペレットを上記評価方法ごとに成形品を得た。
【0130】
【表1】
【0131】
表1からも明らかなように、実施例1〜7のものは、比較例1〜8のものに比べ、薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタッピング性に優れることから、これらの特性が要求される用途、特にネジ挿入部を有するシャーシ用の成形品として優れたものが得られることがわかる。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、薄肉流動性、低そり性、制振性、セルフタッピング性に優れることから、自動車部品、電気電子部品、機械機構部品、一般雑貨をはじめとするネジ挿入部を有する成形品として極めて実用的に用いることができる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
Claims (7)
- さらに、リン酸エステルを0.1〜30重量部添加してなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 該熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 該熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度の変化率が、該ポリカーボネート系樹脂単体のガラス転移温度に対して5%未満であることを特徴とする請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、該熱可塑性樹脂(A)成分と該液晶性樹脂(B)成分の合計100重量部に対して、充填剤を0.5〜300重量部含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物からなり、かつ、ネジ挿入部分を有することを特徴とする成形品。
- 請求項6に記載の成形品を用いて構成されていることを特徴とするシャーシまたは筐体。
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