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JP4517233B2 - 既製コンクリート杭、既製コンクリート杭の製造方法、基礎杭構造 - Google Patents

既製コンクリート杭、既製コンクリート杭の製造方法、基礎杭構造 Download PDF

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JP4517233B2
JP4517233B2 JP2004278538A JP2004278538A JP4517233B2 JP 4517233 B2 JP4517233 B2 JP 4517233B2 JP 2004278538 A JP2004278538 A JP 2004278538A JP 2004278538 A JP2004278538 A JP 2004278538A JP 4517233 B2 JP4517233 B2 JP 4517233B2
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Description

この発明は、コンクリート杭の外周を鋼管で覆ったいわゆるSC杭に関する既製コンクリート杭、既製コンクリート杭の製造方法、既製コンクリート杭を杭穴内に埋設した基礎杭構造に関する。
従来、コンクリートの外周を鋼管で覆ったいわゆるSC杭は、鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレストレスコンクリート杭(PC杭)に対して、主に曲げ耐力を強化した既製杭であった。従って、多数の既製杭を接合して埋設する連結杭では、主に地上付近に配置して使用していた。従って、一般的なアイデアとしては、単に表面積を増やして地盤との摩擦力を増やすために、SC杭に節を形成する試みはなされていたが、当然、製品化には至っていなかった。
鋼管杭において、内部側から局部拡径して外周に複数の筒状突起を形成する発明が提案されている(特許文献1、特許文献2)。この発明において、流動性固化剤で内張りして、SC杭と類似した構造とする旨の提案も成されているが、突起部の厚みが薄くなり、強度が低下する問題点があった。
特開2000−129671 特開2000−45274 特許3531099号
(1)引用文献1(特開2000−129671)の問題点
節杭は一般に、軟弱地盤等の支持力の小さい地盤で、利用する軽い建造物の荷重に適した基礎杭に使用される。
従って、本来、既製杭の全長に突起が形成されている節杭に期待されるものは、周辺地盤との付着力であり、既製杭の外面の表面積を増やして、既製杭の軸部での摩擦力として利用されている程度である。
従って、強度のある地盤に造成される基礎杭のように、根固め部において、突起面によるせん断力を充分に生かすことが配慮されておらず、具体的に高支持力(耐力)基礎杭として実用化されていないのが実体である。
(2)引用文献2(特開2000−45274)の問題点
本発明は、鋼管を加工・成形し、剛製突起(例えば節状突起)を形成し、内側にコンクリートを内張りにした外殻鋼管コンクリート杭であり、前記突起を杭下端部に形成して、この既製杭の下端部の突起を拡底根固め部に設置し、大きな鉛直支持力が得られるとされている。
しかし、この突起により、高い荷重伝搬耐力を確保するには、突起内部のコンクリート部において、高圧縮力が必要で、この突起は既製杭と一貫の管理された工場生産が必要である。
このため、施工現場毎の地盤特性及びその建造物への耐力等に適合し、所要支持力に対応した寸法、形状の突起付き既製杭を準備・供給するための融通性が劣る。
また、肉厚の均一な突起への加工制御が難しく耐力の向上、安定性に難があり、かつ鋼管より肉厚が厚い突起の形成が難しかった。
(3)課題
また、出願人は、下端部に環状突起を有する支持杭を、高強度の根固め液を充填した杭穴の根固め部内に設置して、従来の2倍程度の支持力を発揮させる工法を提案し(特許3531099号)、多くの施工実績をあげている。この場合、根固め部では従来に無い大きな支持力を発揮できたが、根固め部に下杭を埋設して得た支持力に見合った、高い曲げ強度等を有する高強度の上杭を採用する際には、通常、大径杭を連結し補強しているが、外径を大きくせず、上杭の外径を下杭と同程度とする場合には、上杭に外周を鋼管で被覆したSC杭(高曲げ強度を有する)を採用する必要があった。
また、根固め部用の下杭として、コンクリート杭を使用し、上杭としてSC杭を連結した基礎杭で引抜力が作用した場合、下杭は杭材自身の引抜力が小さく、上杭のSC杭の高引抜力耐力が生かせなかった。
このように上杭をSC杭とする場合、連結杭全体としてみれば、下杭もSC杭として共に同一外径で構造を揃えることにより、より安定した鉛直支持力及び引抜力にバランスの取れた高耐力が期待できる。従って、環状リブを有して、根固め部内で支持地盤に向けて、有効にせん断力を伝搬させることができるSC杭を提案することが求められている。
以上のような大枠の課題に鑑みて、この発明は、突起付き既製杭を埋設する根固め部の高支持力に見合う、バランスが取れた高耐力既製杭を実現することにある。
(a) 根固め部の高軸力に見合う杭構造。
(b) 根固め部の高引抜き力に見合う杭構造。
(c) 高支持力(せん断力)に耐える節部形状。
(d) 高支持力を発現できる節部取付け位置。
(e) 汎用性のある突起付き既製杭。
(f) 施工地盤毎の地盤特性、及び、建造構造物毎の所要耐力に柔軟に対応できる汎用性のある既製杭。
(g) SC杭の生産工場で、安定供給できる生産体制。
然るにこの発明は、筒状のコンクリート製の基体の外周を鋼管で被覆した既製杭で、鋼管の外面に鋼材からなり、少なくとも下面に、放射方向に向けて上向きに傾斜した傾斜面を有する突起を形成して既製コンクリート杭を構成したので、前記問題点を解決した。
即ちこの発明は、外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成し、前記突起のうち少なくとも最下端に位置する突起は、少なくとも下面に、放射方向に向けて上向きに傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする既製コンクリート杭である。
また、他の発明は、外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成し、前記突起は、少なくとも下面に、放射方向に向けて上向きに傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする既製コンクリート杭である。
また、他の発明は、外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内に、コンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成して、掘削孔内に、前記連結杭からなる既製コンクリート杭を埋設した基礎杭構造であって、前記既製コンクリート杭は下端部に、少なくとも1つの突起部を形成してあり、前記掘削孔の下端部に形成した根固め部内に、前記既製コンクリート杭の突起部を少なくとも1つ配置してなり、前記突起部は、前記根固め部内で支持地盤に向けて、斜め下方へのせん断力の伝搬を可能にする傾斜下面を有する構造とし、前記掘削孔に杭周固定液を注入し、前記突起を形成した部分の前記杭周固定液の注入量を、前記突起を形成しないストレート部分の注入量の2倍としたことを特徴とする基礎杭構造である。
前記における「コンクリート」とは、セメントを主成分にした水硬性材料である。従って、粗骨材の有無を問わずモルタルなども含み、所定の強度を有すれば骨材の有無も問わない。
(1) 筒状のコンクリート製の基体の外周を鋼管で被覆したいわゆるSC杭で、鋼管の外周に鋼材から成る突起を形成し、所定の突起の下斜面を形成したので、SC杭の曲げ耐力、鉛直支持力を維持したまま、掘削孔の拡大球根部に突起を配置すれば、鉛直荷重を受けた際に、拡大球根部内で、支持地盤に向けてせん断力の有効な伝搬がなされ、大きな鉛直荷重に対して、抗することができる。
(2) コンクリート製の基体に鋼管を被覆し、鋼管の外面に鋼材による突起を適正寸法で、適正な位置に配置して固着できるので、PC杭を使用した高支持力基礎杭構造と同等な高支持力を発現させることができる。同時に、杭材としても従来の根固め球根部用のコンクリート製の既製杭に比較して5倍以上の高引抜き力も可能となるので、拡大球根部での高引抜き力の利用が可能となった。
(3) また、鋼材からなる突起であるので、鋼管の外面の任意位置に容易に取り付けられるので、地盤特性、建造物所要耐力、求める支持力、拡大球根部の形状等に応じた適切な位置・大きさで突起を形成できる効果がある。従って、求められる条件に適合させた既製杭が容易に供給出来るようになった。即ち、通常のSC杭に所定の形状寸法の突起を、固定することにより、容易に所望要求に対応することもできる。
また、鋼管の外面に、別の鋼材による突起を後付するので、均一な肉厚の突起が形成され各耐力が安定する。更に、鋼管より厚い肉厚の突起が容易に形成できるため、所要の高耐力基礎への対応が可能となる。
(1) 鋼管5の下端部に、鋼材からなる突起形成部材10を溶接固定して、突起形成部材10と鋼管5の外面6とで、閉鎖空間41を形成する。
突起形成部材10は、断面形状が横向き台形状で、リング状の垂直部(台形の上底にあたる位置)11の上縁11aから鋼管5の外面6側(中心側)に向けて上昇するように上斜面12が形成され、垂直部11の下縁11bから鋼管5の外面6側(中心側)に向けて下降する下斜面13が形成される(即ち、下斜面13は、放射方向に向けて上向きに傾斜して形成される)。上斜面12の内周縁12a、下斜面13の内周縁13aが鋼管5の外面6に当接して、当接線で溶接する(図3(b))。尚、溶接によらず、上下斜面12、13の端にフランジ等を形成して、ボルトなどにより固定することもできる(図示していない)。
突起形成部材10は、鋼管5の外面6に設置される環状の部材であるが、取付に際しては、直径方向で2分割された半円状の突起形成部材片を組合わせて使用することもできる(図示していない)。上斜面12と下斜面13とは、垂直部11の中心を通る水平線に対して、対称に形成されている。
(2) 続いて、通常のSC杭を製造する為の手順に従って、杭成型用の遠心成形機内に、鋼管5を設置する(図示していない)。
(3) 通常のSC杭を製造する為の手順に従って、鋼管5内にコンクリートを注入して、遠心成形し、脱型・養生して、通常のSC杭を得る。即ち、コンクリート本体部(内径D)1の外周に、鋼管(外径D、厚さt)5が被覆された構造である。
(4)以上のようにして、この発明の既製コンクリート杭15を構成する(図3、図5(c))。
例えば、既製コンクリート杭15、突起形成部材10は、例えば、以下の数値とする。
・既製コンクリート杭15(下杭35)
軸部径(鋼管の外径)D=600mm
環状突起17部分の径D=750mm
杭底から最下端の環状突起までの長さL= 500mm
杭底から2番目の環状突起までの長さL=1500mm
各環状突起17の上下方向の間隔L=1000mm
鋼管の厚さt=6mm
鋼管の外径D=600mm
鋼管+コンクリート部の肉厚D=90mm
・突起形成部材10 水平と上斜面12との成す角θ=45°
水平と下斜面12との成す角θ=45°
鋼管5の外面6から垂直部11までの
放射方向の長さ(突起の高さ)D=75mm
鋼材の厚さt=9mm(SKK400材)
垂直部11の高さL=75mm
上斜面12の高さL=75mm
下斜面13の高さL=75mm
(5)以上のような寸法で形成した場合、鋼管5と環状突起17(突起形成部材10)との接合部における溶接部の断面積33929mmで、溶接部の応力79.7N/mmが可能で、一箇所の環状突起で2704kNを負担できるので、基礎杭として、短期支持力7510kN程度(安全率1.70)を発揮できる。
(6)ここで、既製コンクリート杭15を拡大球根部33を有する掘削孔31内に納める場合に、せん断力が有効に伝搬するようにする場合、例えば、以下のような寸法・形状で掘削孔を形成して、所定位置に、既製コンクリート杭15を納めることが望ましい(図3(a))。
・掘削孔31
軸部32の掘削径D10=780mm
拡大球根部33の掘削径D11=1100mm
拡大球根部33の長さL11=2500mm
拡大球根部33の底34から
既製コンクリート杭15の下面16の距離L12=500mm
拡大球根部33の上端34aから
下側に位置する環状突起17までの距離L13=500mm
(7)他の構成
(a) 前記において、突起形成部材10は、(鋼管5から膨出させて形成するのではなく)鋼管5とは別部材で形成するので、所望でかつ均一な厚さで形成することができる。また、鋼管5の厚さtによらず、求める各耐力に応じて、適宜厚さtを設定することができる。
(b) 前記における角度θ、θは、垂直荷重又は引抜力が作用した場合の拡大球根部(根固め部)内でのせん断力の伝搬角度が、30〜45°程度であるので、それを考慮して、せん断力の伝搬先が上下斜面12、13から放射状に近い角度で発生するように、30〜45°で適宜選択して設定することが望ましい。
(c) また、通常、既製コンクリート杭15の下面16付近には突起を形成しないが、杭底付近に、突起形成部材10を固定して環状突起17を形成したな場合にも、下斜面13の傾斜角度は維持されることが望ましい。例えば、杭の底面を水平にした場合、杭の埋設及び移送時等で、環状突起17が変形し易くかつ荷重伝搬耐力面からも安定性が良くない。
(d) また、前記において、突起形成部材10は、鋼管5の外面6との間に閉鎖空間41を形成して、閉鎖空間41内を中空としたが、突起形成部材10に開口(注入口)を形成しておき、閉鎖空間17内にコンクリート本体部1と同程度の高強度のコンクリートを充填することもできる(図示していない)。また、高強度のコンクリート以外のそれほど強度が大きくないコンクリート類を充填することもできる。閉鎖空間41内に各種コンクリートを充填した場合、荷重負荷の伝搬をスムーズにさせ、荷重負荷で変形しない強度の形状とすることができるので望ましく、汎用性を向上させることができる。
但し、突起形成部材10に開口(注入口)を形成して、各種コンクリート類を充填する作業は効率的でなく、また固化するコンクリートの品質を維持することも困難であるので、必要な強度や剛性をより強化する場合には、閉鎖空間41内を中空に保った状態で、突起形成部材10自身で、必要な強度や剛性を発揮できるように、突起形成部材10自体の厚さや大きさを確保することが、強度を確実に確保するために望ましい。もちろん、突起形成部材10自身を鋼材ブロックとすることも可能である。
(e) また、前記において、突起形成部材10は2つ設けたが、拡大球根部付きの掘削孔内に、既製コンクリート杭15を埋設した場合、拡大球根部内に少なくとも1つの環状突起17が配置されていれば、高耐力が実現するが(図示していない)。例えば、確実性及び所要耐力により複数とし、3つ(図5(b))、4つ(図4(a))、5つ(図5(e))、6つ(図5(a)(d))固定することもできる。
(f) また、前記において、鋼管5は上端7と下端8とを同一口径としたが、上端7側を大径Dで形成することもできる(図4(b)、図5(b)(d)(e))。例えば、上側の外径Dの鋼管5の内側に、小径の鋼管5を嵌挿して構成する。また、この場合、外径が変化する段差部分43に突起形成部材10を固定することもできる(図4(b)、図5(b)(d))。
(g) また、前記において、突起形成部材10、10の間隔Lは、応力が集中せずに、かつ拡大球根部33に設置した際にせん断力が重ならず、せん断力が有効に伝搬できるように、等間隔となるように設定する。この場合、突起形成部材10は鋼管5とは別部材で形成したので、求める支持力の大きさや拡大球根部の性状により、最適な位置を選択して取り付けできる。
尚、拡大球根部に配置されない突起形成部材10は、必要な外表面積を確保できるように、適宜配置されれば目的を達せられる。
図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
[1]既製コンクリート杭の構成
(1)この発明の既製コンクリート杭15は、コンクリート本体部(長さL、内径D)の外周の全長に亘り、厚さtの鋼管(外径D)で被覆し、鋼管5の外面6で下端8から、長さL、Lの位置に、厚さtの鋼材からなる突起形成部材10、10を溶接固定して、構成する(図3(b))。ここでは、鋼管5の全長に亘り、等間隔Lで、4つの突起形成部材10を固定してある(図4(a))。
突起形成部材10は、垂直部11とその上下に上斜面12、下斜面13を夫々形成したリング状で、全体で環状突起17を構成する。突起形成部材10は、中央部が最も大径で外周が垂直状の垂直部11を有し、垂直部11の上端11aから、中心(内周縁)に向けて斜め上方に向かい小径となる上斜面12を有し、垂直部11の下端11bから、中心(内周縁)に向けて斜め下方に向けて小径となる下斜面13を有する。
上斜面12と下斜面13とは、垂直部11の中心を通る水平面に対して、対称に形成されている。
[2]基礎杭構造50
次に、既製コンクリート杭を使用したこの発明の基礎杭構造について説明する。
(1)下杭35は、前記同様の構造で、コンクリート本体部1の外周を鋼管5で被覆し、突起形成部材10を固定し、環状突起17、17を4つ形成した既製コンクリート杭15(軸部外径D、内径D、突起部外径D)である。また、上杭36は、下杭35と同一軸部外径D、内径Dでで、コンクリート本体部1の外周を鋼管5で覆ったストレート状(環状突起17が無い)の既製コンクリート杭(従来のいわゆるSC杭)である(図1、図3)。
(2)この発明で使用する掘削ロッド20は、ロッド本体21の下端部に、螺旋羽根25を取り付けた中間ロッド24を連結し、更にその下に掘削ヘッド26を連結して構成する。ロッド本体21は撹拌バー22、22と練付ドラム23、23を取付けてある。掘削ヘッド26は、下端に固定掘削刃28、28を有するヘッド本体27に、下端に掘削刃30、30を有する掘削腕29、29を揺動自在に取り付けて構成する(図2)。
(3)杭打ち機のオーガー駆動装置に掘削ロッド20を取付け、地上39の所定位置で、掘削ヘッド26先端から適宜掘削液を注入しながら、孔内を撹拌し、泥土を孔壁に練り付けながら掘削孔31の軸部32の掘削を行う。所定の深度まで、正回転で掘削後、掘削ロッド20を上下に反復し、充分に撹拌し、孔壁を練り付けして掘削孔31を築造する(図1(a))。
(4)掘削ロッド20を逆転して掘削腕29、29を他側に揺動して、掘削孔31先端から所定長さの区間まで、掘削径を大径とし、掘削孔31に拡大球根部(根固め部)33を掘削する。次にこの範囲に根固め液45(水セメント比=60%のセメントミルク、4週圧縮強度=20N/mm、掘削体積の所定量分)を注入し掘削泥土と置換及び撹拌混合して、根固め液が充填された拡大球根部3を築造する(図1(b))。
根固め液45の配合は、例えば、掘削する口径に応じて、例えば、以下のような数値を採用する。ここで、セメントは、通常は普通ポルトランドセメントを使用するが、必要に応じて早強セメント、高炉セメント、シリカセメント等を使用することもできる。
Figure 0004517233
(5)掘削孔31の先端部から杭周固定液46(水セメント比=60%のセメントミルク、4週圧縮強度=20N/mm)を所定量注入し、掘削孔31内を混合撹拌しながら掘削ロッド20を引き上げる(図1(d))。
また、杭周固定液46の配合は、掘削径に応じて、以下の数値を採用する。この際、注入量は、上下杭35、36の体積を考慮した量とし、突起形成部材10を固定して環状突起17を形成した部分では孔内体積の2割、環状突起17を有しないストレート部分では孔内体積の1割を夫々標準とする。
Figure 0004517233
(6)下杭35(既製コンクリート杭15)を掘削孔31内に、自重であるいは回転させながら沈設し、所定深さまで沈設した状態で地上39で保持して、下杭35に上杭36を接合し、連結杭とし、保持を解いて、引き続いて連結杭(上杭36+下杭35)を沈設する(図1(e))。
(7)最後に、圧入または回転沈設して、連結杭(上杭36+下杭35)を所定深度に設置する(図1(f))。この場合、下杭の2つの環状突起17、17が拡大球根部33内に配置される(図1(f)、図4(a))。
(8)以上のようにして、この発明の基礎杭構造50を構成する(図1(f))。
ここで、
・既製コンクリート杭15(下杭35)
軸部径D=600mm
環状突起17部分の径D=750mm
杭底16から最下端の環状突起17までの長さL= 500mm
杭底16から2番目の環状突起17までの長さL=1500mm
各環状突起17の上下方向の間隔L=1000mm
・掘削孔31
軸部32の掘削径D10=780mm
拡大球根部33の掘削径D11=1100mm
拡大球根部33の長さL11=2500mm
拡大球根部33の底34から
既製コンクリート杭15の底16までの距離L12=500mm
拡大球根部33の上端34aから
下側に位置する環状突起17までの距離L13=500mm
上側に位置する環状突起17までの距離L14=500mm
[4]試験例
(1)地盤特性・杭長・杭構成等
下杭35 この発明の既製コンクリート杭15 図4(a)
杭長さL=5m
環状突起17の数 4
上杭36 SC杭
杭長44m
鋼管の外径D=600mm
先端部地盤 土質 砂、N値32.5
(2)掘削孔31
拡大球根部33
長さL11=2500mm
径D11=1100mm
杭下長L12=500mm
節部・球根上端間幅L13=500mm
(3)掘削孔31
軸部32 (深さ約42m)
掘削径D10=780mm
(4)根固め液45、杭周固定液46は前記実施例と同様である。
(5)載荷試験結果
最大荷重時7492kNとなり、下杭をPC杭として、同様の掘削孔31に埋設した場合と同様な高支持力を発揮した。
(5)杭材の引抜き強度:
コンクリート杭(φ600):57t/本(A種)、×2(C種)・・・従来
SC杭(φ600、t=12mm)、480t/本、240t/本(t=6mm)
従来のコンクリート杭に対し、約5倍以上の増強可能。
[4]他の実施例
(1) 前記実施例において、上杭、中杭及び下杭とからなり、下杭35を環状突起17を有するこの発明の既製コンクリート杭15とし、上杭36及び中杭37を通常のSC杭としたが(図6(c))、下杭35に、環状突起17を有するこの発明の既製コンクリート杭15を使用すれば、連結杭の構成は任意である。
例えば、下杭35、中杭37、上杭36の組合せで連結杭を構成し(図6、図7)、下杭35、中杭37、上杭36の総に、環状突起17を有するこの発明の既製コンクリート杭15を使用する(図6(a))、下杭35、中杭37を環状突起17を有するこの発明の既製コンクリート杭15を使用し、上杭36をSC杭とすることもできる(図6(b))。
また、上下で外径が異なるように段差部43を形成した中杭37を使用して、下杭35と上杭36で、外径が異なる杭を使用することもできる(図6(d)(e))。
(a)〜(f)は、この発明の実施例の基礎杭の埋設方法を説明する概略した立て断面図である。 この発明の実施例に使用する掘削ロッドの正面図である。 この発明の実施例の既製杭で、(a)は一部正面図、(b)は一部拡大縦断面図である。 (a)(b)は他の実施例の既製杭の正面図である。 (a)〜(e)は、他の実施例の既製杭の正面図で、(f)(g)は実施例で組み合わせて使用する従来の既製杭の正面図である。 (a)〜(e)は、この発明の基礎杭構造の正面図である。 (a)〜(c)は、同じく他の基礎杭構造の正面図である。
符号の説明
1 コンクリート本体部
5 鋼管
6 鋼管の外面
7 鋼管の上端
8 鋼管の下端
10 突起形成部材
11 垂直部
12 上斜面
13 下斜面
15 既製コンクリート杭
16 既製コンクリート杭の下面
17 環状突起
20 掘削ロッド
21 ロッド本体
24 中間ロッド
26 掘削ヘッド
27 ヘッド本体
28 固定掘削刃
29 掘削腕
30 掘削刃
31 掘削孔
32 掘削孔の軸部
33 掘削孔の拡大球根部
34 拡大球根部の下端
34a 拡大球根部の上端
35 下杭
36 上杭
37 中杭
39 地上
41 閉鎖空間
45 根固め液
46 杭周固定液
50 基礎杭構造

Claims (3)

  1. 外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成し、
    前記突起のうち少なくとも最下端に位置する突起は、少なくとも下面に、放射方向に向けて上向きに傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする既製コンクリート杭。
  2. 外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成し、
    前記突起は、少なくとも下面に、放射方向に向けて上向きに傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする既製コンクリート杭。
  3. 外面に、鋼材からなる突起を別部材で形成した鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を下杭として、鋼管の内にコンクリートを注入して遠心成形して形成した既製杭を上杭として、連結杭を構成して、
    掘削孔内に、前記連結杭からなる既製コンクリート杭を埋設した基礎杭構造であって、
    前記既製コンクリート杭は下端部に、少なくとも1つの突起部を形成してあり、前記掘削孔の下端部に形成した根固め部内に、前記既製コンクリート杭の突起部を少なくとも1つ配置してなり、前記突起部は、前記根固め部内で支持地盤に向けて、斜め下方へのせん断力の伝搬を可能にする傾斜下面を有する構造とし、
    前記掘削孔に杭周固定液を注入し、前記突起を形成した部分の前記杭周固定液の注入量を、前記突起を形成しないストレート部分の注入量の2倍としたことを特徴とする基礎杭構造。
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