JP4513686B2 - 電子写真感光体、電子写真用カートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法 - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
電気的、化学的または機械的負荷を受けるのは通常最外層である。保護層などを有する場合を除けば、分散型感光層では感光層そのものが、順積層型感光体の場合には電荷輸送層が最外層となる。分散型感光層の感光層、および順積層型感光体の電荷輸送層は、通常バインダー樹脂と光導電性物質からなっており、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂であるが、光導電性物質のドープ量が相当多いため十分な機械強度を持たせるには至っておらず、より耐久性の高い有機感光体が望まれている。さらに、装置の小型化や省電力化を図るため、感光体表面の滑り性をより良くしてブレードなどの周辺部材との摩擦抵抗を小さくし、感光体の所要回転トルクを小さくすることや、摩耗および異音の発生を防止することが望まれている。そして、感光層を形成するためのバインダー樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられているが、これらの数あるバインダー樹脂のなかでは。ポリカーボネート樹脂が比較的優れた性能を有しており、これまで種々のポリカーボネート樹脂が開発され実用に供されている(例えば、特許文献1 参照)。
いてもよいアリーレン基を表す。)
<ポリカーボネート樹脂>
本発明において、感光層は、下記式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂、または(3)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として含有する。式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂は、特開昭63−148263号公報に記載の製造方法にて合成することができるが、この製造方法に限定されるものではない。式(3)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂も同様の手法で合成することができるが、製造方法の如何は問わない。
また、本発明の感光層は本発明に係る式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂、または式(3)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂を含有するものであるが、他のバインダー樹脂を含有していても構わない。併用される他の樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら樹脂のなかでもポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
<ヒドラゾン化合物>
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有するものであって、該感光層は、下記一般式(2)で表されるヒドラゾン化合物を含有する。
置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Ar1〜Ar4は置換基を有していてもよいアリール基であるが、これらは互いに同一でも異なっていても構わない。該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、アンスリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等があげられ、好ましくはフェニル基、ナフチル基等の2個以下の芳香環を有するアリール基である。
ニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、アントラセニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基等があげられ、好ましくは2個以下の芳香環を有するアリーレン基である。該アリーレン基の有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;ベンジル基等の置換基を有していてもよいアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基等があげられ、これらの置換基が更に前記置換基を有していても構わない。
される置換基を有していてもよいアリーレン基がフェニレン基である場合には、Ar5に
結合する窒素原子は、ジアリールヒドラゾン基に対して4位の位置に結合することが好ましく、Ar5で表される置換基を有していてもよいアリーレン基がナフチレン基である場合には、Ar5に結合する窒素原子は、ジアリールヒドラゾン基がナフタレン環の1位に
結合する場合に、4位の位置に結合することが好ましい。
電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に設けられ、下引き層を有する場合は下引き層上に設けられる。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された、いわゆる単層型感光体、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二つに機能分離された複層構造の、いわゆる積層型感光体があげられるが、何れの構成であってもよい。また、感光層上に、帯電性の改善や、耐摩耗性改善を目的としてオーバーコート層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体で使用される、式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂、もしくは式(3)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂、および一般式(2)で表されるヒドラゾン化合物は、導電性支持体上に形成される何れの層に含有されていても構わないが、通常、単層型感光層または積層型感光層の電荷輸送層に含有される。特に、電気特性に高い効果が得られることから、積層型感光層の電荷輸送層中に含有されるのが好ましい。
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定され
るものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、4.5〜6.5、好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は80〜100℃、好ましくは90〜98℃で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダ樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダ樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知のバインダ樹脂があげられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合してもよい。画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えばセレンおよびその合金、アモルファスシリコンその他無機系光導電性材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、スクワリウム顔料などの有機顔料など各種光導電性材料が使用できるが、特に有機顔料、中でもフタロシアニン顔料、アゾ顔料を使用することが望ましい。フタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属またはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類が使用される。
これらフタロシアニン化合物、アゾ顔料は単独で使用しても良く、また複数のフタロシアニン化合物の混合物、混晶、複数のアゾ顔料の混合物、またはフタロシアニン化合物とアゾ顔料の混合物として用いてもよい。
本発明に係る前記一般式(2)で表されるヒドラゾン化合物は、電荷輸送能を有するため、電荷輸送物質として使用することが可能であって、該ヒドラゾン化合物のみを電荷輸送物質として使用しても構わないが、他の電荷輸送物質を併用しても構わない。併用する電荷輸送物質は、1種類であっても2種以上を併用して用いても構わない。併用する電荷輸送物質の、全電荷輸送物質に対する割合に特に制限はないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明に係る前記一般式(2)で表されるヒドラゾン化合物の割合が、全電荷輸送物質に対して30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特に好ましくは本発明のヒドラゾン化合物のみを用いる。
感光層は、蒸着膜であっても構わないが、通常、前記の電荷発生物質や電荷輸送物質などの原料をバインダー樹脂により結着することにより形成され、本発明のポリカーボネートはバインダー樹脂として用いられる。複数の層が積層された感光層の場合、本発明のポリカーボネート樹脂はその何れの層に用いられても構わないが、通常、積層型感光層の電荷輸送層、または単層型感光体の感光層に用いられる。バインダー樹脂は、本発明のポリカーボネートの他に、通常電子写真感光体に適用可能なものであればどのようなバインダー樹脂も併用可能である。また、最外層でない層においては、本発明のポリカーボネート樹脂を含まなくても構わない。
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
ように構成することが好ましく。電気抵抗が1014Ω・cmより高くなると残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまい、一方109Ω・cmより低くなると画像のボケ、
解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
層形成用の塗布液は、単層型感光体および積層型感光体の電荷輸送層の場合には、固形分濃度を、通常5〜40重量%の範囲で用いられるが、10〜35重量%の範囲で使用するのが好ましい。また、該塗布液の粘度は、通常10〜500mPa・sの範囲で用いられるが、50〜400mPa・sの範囲とするのが好ましい。
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常0.1〜15重量%の範囲で使用されるが、1〜10重量%の範囲で使用することがより好ましい。塗布液の粘度は、通常0.01〜20mPa・sの範囲で使用されるが、0.1〜10mPa・sの範囲で使用されることがより好ましい。
塗布液の乾燥は室温における指触乾燥後、30〜200℃の温度範囲で、1分から2時間の間、無風、または送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行ってもよい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。などの公知の方法のいずれでも用いることが可能であり、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
<実施例1>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
また、電荷発生物質として、図2に示されるCuKα線による粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10重量部に、4−メチル−4−メトキシ−ペンタノン−2を150重量部加え、サンドグラインドミルで1時間粉砕し、微粒化処理を行なった後、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカブチラール #6000C」)の5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部及びフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)の5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液100重量部を加えて、電荷発生層用塗布形成用塗布液を調整した。この塗布液を、前記導電性支持体上の下引き層上にバーコーターにより、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質として、以下に示す構造を有するヒドラゾン化合物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体Bを作製した。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、本発明の式(3)に示す繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量約30,000)を100重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体Cを作製した。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、下記構造のポリカーボネート樹脂(A)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより積層型感光層を有する電子写真感光体Dを作製した。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、下記構造のポリカーボネート樹脂(B)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより積層型感光層を有する電子写真感光体Eを作製した。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、下記構造のポリアリレート樹脂(C)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより積層型感光層を有する電子写真感光体Fを作製した。
電荷輸送物質として、以下に示す構造を有するヒドラゾン化合物Cを80部用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体Gを作製した。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、前出のポリカーボネート樹脂(A)を用い、電荷輸送物質として、ヒドラゾン化合物Cを80部用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体Hを作製した。
実施例1〜3、比較例1〜5において作製した電子写真感光体A〜Hを、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
(表面耐久性)
実施例1〜3、比較例1〜5において作製した電子写真感光体A〜Hを、市販のレーザープリンター(沖データ(株)社製 ML9300)に搭載される転写ローラーを接触させた状態で、気温35℃、相対湿度80%の環境下で、10ヶ月保持し、1ヶ月後、3ヶ月後、および10ヶ月後の感光体表面を目視にて検査し、クラックの有無を評価した結果を表1に示す。
また、比較例4の感光体Gと比較例5の感光体Hを比べると、本発明に含有される樹脂(1)は、電荷輸送物質がヒドラゾン化合物Cである場合、比較例の樹脂(A)に比べて非常にVLが高く、良好な電気特性を発現しない。一方、電荷輸送物質が、本発明に含有される一般式(2)で表されるヒドラゾン化合物Aである場合は、本発明の樹脂(1)の方が良好な電気特性を発現でき、感光体表面の耐クラック性を改良しつつ、本来の電子写真特性を損なっていないことがわかる。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ351mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、実施例1で用いた電荷発生層塗布形成用分散液に浸漬塗布して、その乾燥後の膜厚が約0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。電荷発生層塗布形成用分散液は、均一性が高く、ムラなどのない良好な電荷発生層を形成することができた。
バインダー樹脂として、実施例1で用いたポリカーボネート樹脂の代わりに、ポリカーボネート樹脂(A)を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行うことにより積層型感光層を有する感光体ドラム2を作製した。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (5)
- 感光体に接触配置される部材を有する画像形成装置に用いられることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする、電子写真用カートリッジ。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする、画像形成装置。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体、または請求項3に記載の電子写真用カートリッジを用いることを特徴とする、画像形成方法。
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