JP4513523B2 - 加熱調理機器 - Google Patents
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Description
調理残さ物を見えにくくして、長期間にわたって美麗さや清潔感が維持できる。また、焼成被膜は親水性であり、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物膜が廻りこんでも、主成分である耐熱金属の親水性効果で、親水性を有する様になる。焼成被膜が親水性を有するため水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。このため、加熱調理機器を業務用調理場などの高温多湿環境で長期間使用しても、耐熱防汚基板から落下する結露水分が減少し、調理用鍋を加熱する調理加熱用部品は、防湿対策で充分対応できる。
る。焼成被膜のさらに下面に有機シリコーン膜が形成されている耐熱基板を使用すると、有機シリコーン膜を形成している際中に、有機シリコーン樹脂の気相蒸発焼成膜がその裏側の面に自然と形成される。本発明は、この気相蒸発焼成膜の表面に防汚薄膜を形成しているため、耐熱性が向上する利点が生じる。また、有機シリコーン膜が親水性であるため、防汚薄膜を構成する極めて微薄の有機フッソ化合物は、廻りこんでも多孔質な有機シリコーン膜の内部にもぐり込んでしまう。そのため、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品に水分が落下しにくくなる。さらに、この多孔質な焼成被膜は、筐体と耐熱防汚基板の接合への妨害を低減させる。そのため、筐体は、簡単で耐熱防汚基板に極めて良好に接合できる。
図1(a)は、本発明の実施の形態1における耐熱防汚基板の構成図である。本実施の形態の耐熱防汚基板1は、珪酸系酸化物2が表面に存在する耐熱基板3と、珪酸系酸化物2の表面に形成した少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4とで構成されている。一方、珪酸系酸化物2は、その元素組成が、珪素が50wt〜100%で、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなるアルカリ分の合計量が30wt%以下とした。
物と、硼酸と酸化鉄と酸化マンガンと酸化コバルトを任意の割合で混合した粉末を用い、これら混合粉末を成型し焼結した塊を研磨して、その組成を異ならせた珪酸系酸化物2とした物である。この耐熱基板3を洗浄して表面に付着している汚れを除去した後、シロキサン結合を有する有機フッソ化合物の原料として、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランを準備し、ヘキサメチルシロキサンで希釈した有機溶液を調合した。そして、この有機溶液に耐熱基板3を窒素雰囲気下で浸漬し、その後に大気中に放置することで、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4が形成された耐熱防汚基板1を得た。この耐熱防汚基板1は、製膜直後において水の接触角(室温測定値)が110〜115°の撥水性材料である。
実施の形態2は、前述の実施の形態1において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性や耐磨耗性に与える影響が大きいアルミニウムの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本としており、アルミニウム酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
実施の形態3は、前述の実施の形態1または2において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性に与える影響がやや大きいジルコニウムの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本とし、ジルコニウムの酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
め水酸化基を多くも持っておりその量が多いほど、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が多数生成して強固な結合になっていること。逆に、ジルコニウム酸化物の量が少ないほど、水酸化基の量が少ないため防汚薄膜を結合させているシロキサン結合が僅かしか生成せず弱い結合になっていること。2点目は、ジルコニウム酸化物は珪酸に対して熱膨張が大きいため、その量が多いほど耐熱基板の熱膨張を増大させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離が大きくなり弱い結合にしていること。逆に、ジルコニウム酸化物の量が少ないと耐熱基板の熱膨張を低減させ、防汚薄膜を結合させているシロキサン結合の熱膨張による剥離を防止して強固な結合にしていること。3点目は、ジルコニウム成分の含有量が適正化されているため、水酸化基による強力結合現象と熱膨張による剥離現象がバランスして、強固な結合にしていること。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
実施の形態4は、前述の実施の形態1または2または3において検討した珪酸系酸化物2の化学組成をさらに詳細に検討したものであり、特に、他の遷移金属の酸化物に比較して耐熱性に与える影響がやや大きいチタンの酸化物の最適含有量について検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が30wt%の複合酸化物を基本としており、チタンの酸化物の組成変更にともない、硼素の酸化物や、鉄とマンガンとコバルトの酸化物の組成を変化させることで、組成調整を行ったものである。
実施の形態5は、前述の実施の形態1〜4において検討した珪酸系酸化物2の表面粗さ
を詳細に検討したものである。検討に用いた珪酸系酸化物は、珪素が50wt%でアルカリ分が13wtの酸化物であり、10wt%ずつのジルコニウムやチタンの酸化物の他に、概略同量ずつ混合したアルミニウムと硼素と鉄とマンガンとコバルトの酸化物が含有されている。
実施の形態6は、前述の実施の形態1〜5のいずれかで検討した珪酸系酸化物2が表面に存在する耐熱基板3の物性について検討した。
実施の形態7は、実施の形態1である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる材料組成について検討した。
(1)SiX4 (n=0に相当)
(2)SiX3−O−SiX3 (n=1に相当)
(3)Si(OC2H5)4
(4)Si(OCH3)3−O−Si(OCH3)3
(5)Si(OC2H5)3−O−Si(OCH3)3
(6)Si(OC2H5)3−O−Si(OC2H5)3
(7)Si(NCO)4
(8)Si(NCO)3−O−Si(NCO)3
(9)SiCl4
(10)SiCl3−O−SiCl3
(11)SiYpCl4−p
(12)CH3(CH2)sO(CH2)tSiYqCl3−q
(13)CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiYqCl3−q
(14)CF3COO(CH2)wSiYqCl3−q
但し、pは1〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である。
(15)CH3CH2O(CH2)15SiCl3
(16)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(17)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(18)CH3COO(CH2)15SiCl3
(19)CF3(CF2)7−(CH2)2−SiCl3
(20)CF3(CF2)5−(CH2)2−SiCl3
(21)CF3(CF2)7−C6H4−SiCl3
また、上記クロロシラン系化合物の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き換えたイソシアネート系化合物、例えば下記に示す(22)−(26)を用いてもよい。
(22)SiYp(NCO)4−p
(23)CH3−(CH2)rSiYp(NCO)3−p
(24)CH3(CH2)sO(CH2)tSiYq(NCO)q−P
(25)CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiYq(NCO)3−q
(26)CF3COO(CH2)vSiYq(NCO)3−q
但し、p、q、r、s、t、u、v、wおよびXは、前記と同様である。
(27)CH3CH2O(CH2)15Si(NCO)3
(28)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(NCO)3
(29)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(NCO)3
(30)CH3COO(CH2)15Si(NCO)3
(31)CF3(CF2)7−(CH2)2−Si(NCO)3
(32)CF3(CF2)5−(CH2)2−Si(NCO)3
(33)CF3(CF2)7−C6H4−Si(NCO)3
また、シラン系化合物として、一般に、SiYk(OA)4−k(Yは、前記と同様、Aはアルキル基、kは0、1、2または3)で表される物質を用いることが可能である。中でも、CF3−(CF2)n−(R)l−SiYq(OA)3−q(nは1以上の整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、アリール基、シリコンもしくは酸素原子を含む置換基、lは0または1、Y、Aおよびqは前記と同様)で表される物質を用いると、よりすぐれた防汚性の被膜を形成できるが、これに限定されるものではなく、これ以外にも、 CH3−(CH2)r−SiYq(OA)3−qおよびCH3−(CH2)s−0−(CH2)t−SiYq(OA)3−q、CH3−(CH2)u−Si(CH3)2−(CH2)v−SiYq(OA)3−q、CF3COO−(CH2)v−SiYq(OA)3−q(但し、q、r、s、t、u、v、w、YおよびAは、前記と同様)などが使用可能である。
(34)CH3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(35)CF3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(36)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(37)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(38)CH3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(39)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(40)CF3(CF2)7−C6H4−Si(OCH3)3
(41)CH3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(42)CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(43)CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(44)CF3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(45)CH3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(46)CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(47)CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(48)CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC2H5)3
(49)CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3
(50)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(5l)CF3(CF2)7C6H4Si(OC2H5)3
(52)CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3
(53)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(54)CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OC2H5)2
(55)CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2
(56)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OC2H5
(57)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OCH3
なお、(22)〜(57)の化合物を用いた場合には、塩酸が発生しないため、装置保全および作業上のメリットもある。
実施の形態8は、前述の実施の形態1または実施の形態7である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる材料の原料についての検討内容である。防汚薄膜4に用いる原材料は、ハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン、アミノシランのいずれかである。これら原材料を使用すると、表面上にこれらのシラン化合物同士が結合してできるシロキサン結合を有する、耐熱性の防汚薄膜が簡
単に形成される。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
実施の形態9は、前述の実施の形態8である、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる原料を希釈する溶媒についての検討内容である。溶媒が有機シリコーンであると、有機シリコーンによりシラン化合物は溶媒和されるので、外部からの水の影響を受けにくくなり、耐熱性の防汚薄膜が簡単に形成されることが判明した。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
実施の形態10は、前述の実施の形態8〜9のいずれかである、少なくともシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜4に用いる原料で、特に耐熱性を有する原料についての検討内容である。ハロゲン化シラン化合物が最適であり、特にクロロシランであると、クロロシラン化合物同士が結合してできるシロキサン結合が耐熱基板と強固に化学結合した、耐熱性の防汚薄膜が簡単に形成されることが判明した。また、これら材料を使用すると、調理物のこびりつきが発生しても簡単な掃除で容易に剥離できる効果や、耐磨耗性に優れる効果も生じた。
実施の形態11は、前述の実施の形態1〜10のいずれかである耐熱防汚基板1を、加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図7に示す。加熱調理機器は、防汚薄膜4を上面に形成したガラス製の耐熱基板3からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1を搭載するためにその下部に配置した筐体5と、筐体5の内部空間に収納した電磁誘導加熱器やガスバーナおよびその制御器などの調理加熱用部品6とを少なくとも有している。
用鍋を加熱する調理加熱用部品6は、その上部に配置した耐熱防汚基板1から落下する結露水分が減少し、落下結露水分によるトラブルが無い効果が得られる。また、このことで調理加熱用部品6は、簡単な防湿対策で充分対応できる利点が生じる。一方、焼成被膜7が存在しない耐熱防汚基板1であると、その下面は耐熱基板3として用いたガラス面だけとなる。この耐熱基板3の下面ガラス面に、極めて微薄の有機フッソ化合物膜が廻りこんで付着すると結合して撥水性を有し、その表面に付着する水分が落下し易くなる。従って、加熱調理機器を高温多湿環境で長期間使用する際は、落下結露水分を考慮して調理加熱用部品6は複雑な防湿対策が必要である。
実施の形態12は、前述の実施の形態11における焼成被膜に含有される耐熱金属の材質について検討した結果を、図7を利用して説明する。耐熱金属が少なくとも白金または金またはパラジウムのいずれかであると、その表面は水玉が一層できにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなった。このため、調理加熱用部品6は、一層簡単な製法と品質管理で得られる防湿対策で対応できる。
実施の形態13は、前述の実施の形態1〜10のいずれかである耐熱防汚基板1を、加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図7を利用して説明する。加熱調理機器は、防汚薄膜4を上面に形成した耐熱基板3からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1を搭載するためにその下部に配置した筐体5と、筐体5の内部空間に収納した電磁誘導加熱器やガスバーナおよびその制御器などの調理加熱用部品6とを少なくとも有している。
工程において蒸発した有機フッソ化合物は、その下面に予め形成した酸化ビスマスが含有する焼成被膜7まで廻りこみ、極めて微薄の膜が形成される。さて、酸化ビスマスは、焼成により溶融すると体積膨張して多孔質な親水性の膜が生成するとともに、その多孔質膜が偏析して散在する性質がある。そのため、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜は、多孔質な焼成被膜7の内部にもぐり込んでしまい、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害を低減させる。これらのことにより、筐体5は、耐熱防汚基板1と良好に接合できる。また、この多孔質な親水性の焼成被膜7は、水玉ができにくくなって表面に付着する水分が落下しにくくなり、その下部位置に配置された調理加熱用部品6に水分が落下しにくくなった。
実施の形態14は、前述の実施の形態13における加熱調理機器に用いる焼成被膜7に混合する酸化ビスマスの量を検討した。その結果、酸化ビスマスの混合量は、1〜30wt%が最適であった。それは、1wt%未満であると多孔質度が不足して、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜が、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害をして良好な接合が得られにくくなるためである。一方、30wt%を超えると、多孔質膜が大き過ぎて極めて脆い膜となり、強固な膜が得られなくなるとともに多孔質度が過ぎてやや平滑的になり、廻りこんだ極めて微薄の有機フッソ化合物の膜が、筐体5と耐熱防汚基板1の接合への妨害をして良好な接合が得られにくくなるためである。これらのことより、焼成被膜7は、酸化ビスマスが1〜30wt%含有しており、残部は金や白金さらにパラジウム、銀、銅、ニッケル等から選択した少なくとも1種の耐熱金属、もしくは残部がマイカやカーボンとした。耐熱金属は、薄黒色をしているため、耐熱基板3に透明なガラスを使用した際に、防汚薄膜4に付着した調理残さ物を見えにくくする効果があるため、使用した。これらのことより以後の検討は、酸化ビスマスが5wt%、残部が白金や金を主成分とする焼成被膜7で行なった。
実施の形態15は、前述の実施の形態11〜14のいずれかの加熱調理機器をさらに詳細に実施する方法を検討したものである。その結果、図8に示す様に、焼成被膜7のさらに下面に有機シリコーン膜9が予め形成されている耐熱基板3を使用すると、極めて微薄な有機シリコーン樹脂の気相蒸発膜が簡単に耐熱基板3の上面に形成でき、後工程で防汚薄膜4をその上面に形成すれば、耐熱性の優れた防汚薄膜4が得られることを見出した。
てて完成である。
実施の形態16は、図7および図8における筐体5と耐熱防汚基板1を接合する接着剤8の材質を検討した内容である。その結果、有機シリコーン樹脂が最適であることが判明した。これは、接着剤8として用いた有機シリコーン樹脂が耐熱性であること、耐熱防汚基板1の上面に形成された有機フッソ化合物膜またはその改質膜、もしくはその下面に形成された焼成皮膜7さらには有機シリコーン膜9との親和力があるため馴染みが良く、長期間優れた接合力を保持できるためである。なお、耐熱防汚基板1は、その上面もしくは下面の端部で筐体5と接合されており、接合が良好になるように筐体5に冶具などが設けられている。
実施の形態17は、前述の実施の形態1〜10のいずれかにおける耐熱防汚基板1を、他構成の加熱調理機器に応用したものであり、その構成を図9に示す。加熱調理機器は、防汚薄膜4を形成した透明ガラス製の耐熱基板2からなる耐熱防汚基板1と、耐熱防汚基板1がその側面に配置された調理室10と、調理室10の内部もしくは外面に配置した調理加熱用部品11と、調理室10および調理加熱用部品11を収納する筐体12とを少なくとも有し、耐熱防汚基板1は、防汚薄膜4を調理室10の内面側に、錫薄膜13を調理室10の外面側に形成しているとしたものである。
2 珪酸系酸化物
3 耐熱基板
4 防汚薄膜
5、12 筐体
6、11 調理加熱用部品
7 焼成被膜
8 接着剤
9 有機シリコーン膜
10 調理室
13 錫薄膜
Claims (3)
- 耐熱防汚基板と、前記耐熱防汚基板の下部に配置され前記耐熱防汚基板を保持固定する筐体と、前記筐体と前記耐熱防汚基板との間に設けられた内部空間に収納した調理加熱用部品とを有し、
前記耐熱防汚基板が、
耐熱基板と、
前記耐熱基板の上面に存在し、100〜50wt%の珪素と、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる合計30wt%以下のアルカリ分と、1〜25wt%のアルミニウム、1〜18wt%のジルコニウム、1〜19wt%のチタンのいずれか1つとを含有し合計100wt%を超えない元素組成を有する珪酸系酸化物と、
前記珪酸系酸化物の上面に形成されシロキサン結合を有する有機フッソ化合物の防汚薄膜と、
前記耐熱基板の下面に形成され、白金、金、パナジウムのいずれかの耐熱金属と酸化ビスマスとを含有する焼成被膜と、
前記焼成被膜の下面に形成された有機シリコーン膜と、
前記珪酸系酸化物と前記防汚薄膜との間に形成された有機シリコーン樹脂の気相蒸発膜とを備えた加熱調理機器。 - 前記焼成被膜が、1〜30wt%の酸化ビスマスを含有する請求項1に記載の加熱調理機器。
- 前記耐熱防汚基板が、有機シリコーン接着剤を用いて筐体と接合している請求項1または2に記載の加熱調理機器。
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