JP4512273B2 - 新規なぺプチド類 - Google Patents
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Description
本発明は選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストとして有用な新規ぺプチド類及びそれらの誘導体に関する。本発明はこれらのぺプチド類を含む医薬組成物、これらのぺプチド類の活性類似体を発見するのに有用な核酸プローブ、選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する化合物を発見するための検定法、及び排尿状態又は心臓血管状態などの、これらに限らないが、状態の予防又は治療におけるこれらのぺプチド類の使用にも関する。
【0002】
コナス属(円錐巻貝)の海洋性巻貝類は、自己の餌を捕るために精巧な生化学的戦法を用いる。魚、虫又は他の軟体動物類いずれかの捕食者として、この円錐巻貝はその餌に生物活性を有する小ぺプチド類のカクテルを含む毒を注入する。これらの毒性分子は、コノトキシン類(conotoxins) と呼ばれるが、様々な受容体及びイオンチャンネル類を標的とすることにより神経伝達を妨害する。どの単一のコナス種から得られる毒も100種より多くの異なるぺプチド類を含んでいる。このコノトキシン類はその生理学的標的に基づいてクラス分けされている。今日までに、10のクラスが記述されてきた。ω−コノトキシンクラスのぺプチド類は電圧感受性のCa2+チャンネルを標的としこれを遮断して、神経伝達物質の放出を阻害する。α−コノトキシン類とΨ−コノトキシン類はニコチン性ACh受容体を標的としこれをブロックして神経節遮断及び神経筋遮断を惹き起こす。μ−コノトキシンクラスのぺプチド類は電圧感受性のNa+ チャンネル類を遮断するよう作用して筋肉及び神経の活動電位を阻害する。δ−コノトキシン類は電圧感受性のNa+ チャンネル類の不活性化を標的としこれを遅延させてニューロンの興奮性を高める。κ−コノトキシンクラスのぺプチド類は電圧感受性のK+ チャンネル類を標的としこれを遮断する。これらもニューロンの興奮性の向上を惹起する。コノプレッシン類はバソプレッシン受容体アンタゴニストであり、そしてコナントキン類はNMDA受容体アンタゴニストである。より最近、電圧感受性の非特異的カチオンチャンネルを標的とする新たなγ−コノトキシンクラスの原型、及び5HT3 受容体に拮抗する新たなσ−コノトキシンクラスの原型が記述された。
【0003】
ρ−コノトキシンクラスと以下に呼ばれる、コノトキシンの新しいクラスが存在することがここに発見されるに至った。このクラスはα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を持つことを特徴とするものである。
【0004】
α1 −アドレナリン受容体は心臓血管系及び泌尿生殖系の多くの生理学的及び病理生理学的過程において重要な役割を果している。これらの過程には、筋肉の変力性、変時性、心臓の肥大及び不整脈、血管収縮、平滑筋収縮及び前立腺の病気が含まれる。α1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト薬剤は基礎的研究の道具として及び治療剤としての両方で有用である。
【0005】
米国特許第5,620,993号(パテインら)には、α1 −サブタイプのアドレナリン作用性受容体の既知の機能の一部並びにそれらに結合する既知の薬理学的作用物質の一部が記述されている。本発明のぺプチド類はα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有すると報告された最初のぺプチド類である。さらに、ρ−コノトキシン・ぺプチド類はノルアドレナリンの作用を非競争的に作用して阻害する。こうして、ρ−コノトキシン類はノルアドレナリン活性化の部位と異なる部位、プラゾシンなどの従来のα−アドレナリン受容体アンタゴニストの作用部位とは異なる部位に作用するように見える。
【0006】
従って、本発明の一つの側面では、選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチドが提供される。
【0007】
このρ−コノトキシン・ぺプチドは円錐巻貝から単離去れる天然産のぺプチドでもよく、その誘導体でもよい。
【0008】
該ρ−コノトキシン・ぺプチドはρ−TIA又はその誘導体であることが好ましい。ρ−TIAは魚狩猟性の円錐巻貝、コナス・チューリパ(Conus tulipa) の毒素管から単離されうる。それは19個のアミノ酸を含み、2個のジスルフィド結合を含むぺプチドである。ρ−TIAのアミノ酸配列は下記のとおりである。
FNWRCCLIPACRRNHKKFC 配列番号:1
そのC末端は遊離の酸でもアミド化されていてもよい。
【0009】
本明細書で用いるとき、用語「選択的な」とは、文脈が別意を要求する場合を除き、α1 −アドレナリン受容体のアンタゴニストとして作用するぺプチドの能力が他のα−アドレナリン受容体のアンタゴニストとして作用する能力よりも相当に大きいことを意味する。他のα−アドレナリン受容体における活性は無視できることが好ましい。
【0010】
用語「誘導体」とは、ρ−TIAなどの天然産のρ−コノトキシン・ぺプチド類との関連で本明細書で用いるとき、一以上のアミノ酸の欠失、付加、置換、又は側鎖の修飾により天然産のぺプチド類とは異なるぺプチドを指す。選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を持たないこのような誘導体は本発明の範囲には入らない。そのような不活性誘導体の一つは以下に示す先端の切れたρ−TIAである。
CCLIPACRRNHKKFC 配列番号:2
ρ−TIAのC末端切断の研究により、4位の残基が結合に重要であることが示された。従って、4位のアルギニン残基が保持されるか、又は陽性の荷電を有する別のアミノ酸で置換されたぺプチド類が好ましい。
【0011】
位置1、2及び3の残基はρ−TIAの効力及び選択性を変更するために置換することができる。このような変更には、検定法開発のためρ−TIAの標識化を容易にする一つ以上のチロシン残基の付加又は置換が挙げられる。
【0012】
置換はアミノ酸が異種の天然型アミノ酸残基又は非天然型アミノ酸残基で置換されるアミノ酸の変更を包含する。このような置換は、ポリぺプチドに含まれるアミノ酸残基が極性、側鎖の官能基若しくはサイズのいずれかに関して類似の特性を持つ別の天然型アミノ酸で置換される場合、例えばSer←→Thr←→Pro←→Hyp←→Gly←→Ala、Val←→Ile←→Leu、His←→Lys←→Arg、Asn←→Gln←→Asp←→Glu又はPhe←→Trp←→Tyrの場合には、「同類置換」として分類されうる。一部の非天然型アミノ酸が天然型アミノ酸を置換するのに適当であることもあることは理解されるべきである。例えば、オルニチン、ホモアルギニン及びジメチルリジンはHis、Arg及びLysに関連する。
【0013】
本発明により包摂される置換は「非同類置換」であってもよい。この場合は、ポリぺプチド中に存在するアミノ酸残基が異なる基を持つ天然アミノ酸などの異なる特性を持つアミノ酸で置換され(例えば、荷電を持ったアミノ酸又は疎水性アミノ酸がアラニンで置換されること)、また、天然アミノ酸が非天然型アミノ酸で置換される。
【0014】
アミノ酸置換は通常1残基の置換であるが、かたまりの又は分散した複数の残基の置換でもよい。
【0015】
アミノ酸置換は同類置換が好ましい。
【0016】
付加は一つ以上の天然型又は非天然型のアミノ酸残基の付加を含む。欠失は一つ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。
【0017】
上述のように本発明はアミノ酸の一つ以上が側鎖の修飾を受けたぺプチドを含む。本発明が予定する側鎖の修飾の例としては、アルデヒドとの反応の後NaBH4 での還元による還元的アルキル化、メチルアセチミデートでのアミディネーション(amidination)、無水酢酸によるアシル化、シアネートによるアミノ基のカルバモイル化、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化、無水コハク酸及び無水テトラヒドロフタル酸によるアミノ基のアシル化、及びピリドキサル−5−リン酸で処理した後NaBH4 での還元によるリジンのピリドキシル化などによるアミノ基の修飾が挙げられる。
【0018】
アルギニン残基のグアニジン基は2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサル及びグリオキサル等の試薬との複素環縮合産物の形成により修飾されうる。
【0019】
カルボキシル基はO−アシルイソウレア形成を経てカルボジイミド活性化の後誘導体化により、例えば対応するアミドに誘導することにより修飾されうる。
【0020】
スルフヒドリル基は、ヨード酢酸又はヨードアセトアミドでのカルボキシメチル化、システイン酸への過ギ酸酸化、他のチオール化合物との混合ジスルフィドの形成、マレイミド、無水マレイン酸又は他の置換マレイミドとの反応、4−クロロメルクリ安息香酸、4−クロロメルクリフェニルスルホン酸、フェニルメルクリクロリド、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール及び他の水銀化合物を用いる水銀誘導体の形成、アルカリ性pHでのシアン酸塩によるカルバモイル化などの方法により修飾しうる。システイン残基の修飾はいずれも、必要なジスルフィド結合を形成するそのぺプチドの能力に悪影響を与えてはならない。ぺプチドが一つ以上のジスルフィド結合の代わりにジセレン結合を形成するようにシステインのスルフヒドリル基をセレン等価体と置換することも可能である。
【0021】
トリプトファン残基は、例えば、N−ブロモスクシンイミドでの酸化又は2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミド若しくはスルフェニルハライドによるインドール環のアルキル化により修飾しうる。他方、チロシン残基はテトラニトロメタンでの硝酸化により変化させて3−ニトロチロシン誘導体を形成させうる。
【0022】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾は、ヨード酢酸誘導体によるアルキル化又はジエチルピロカーボネートによるN−カルベトキシル化により達成しうる。
【0023】
プロリン残基は、例えば、4−位におけるヒドロキシル化により修飾しうる。
【0024】
修飾された側鎖を持つアミノ酸及び他の非天然型アミノ酸の一部のリストを表1に示す。
【0025】
【表1a】
【0026】
【表1b】
【0027】
【表1c】
【0028】
これらのタイプの修飾は、個体に投与されるとき又は診断用試薬として使用されるとき該ぺプチドを安定化するのに重要でありうる。
【0029】
本発明が予定する他の誘導体としては、全くグリコシル化されていない分子から変更されたグリコシル化分子までのある範囲のグリコシル化変異型が挙げられる。変更されたグリコシル化パターンは異なる宿主細胞における組換え分子の発現から生じうる。
【0030】
本発明のρ−コノトキシン類は通常そのC末端でアミド化されているが、遊離のカルボキシル末端又はC末端における他の修飾を有する化合物も本発明の範囲内にあると考えられる。このぺプチド類はそのC末端がアミド化されているか又は遊離のカルボキシルを有することが好ましい。
【0031】
天然産のρ−コノトキシン・ぺプチド類の誘導体はCys残基及び特徴的なジスルフィド結合様式を保持していることが好ましい。誘導体には付加的なCys残基が含まれうる、ただしそれらがジスルフィド結合の形成の間保護されている場合である。
【0032】
修飾により天然産のρ−コノトキシン・ぺプチド類の誘導体を形成する場合、活性な天然産ぺプチド類のアミノ酸配列を比較して、あるとすれば、どの残基が活性ぺプチド間で保存されているかを決定することが有用である。これらの保存された残基の置換は、禁止されるわけではないが、保存されていない残基の置換よりは好ましくない。
【0033】
Alaで一つ以上の残基を置換している誘導体は薬理団(pharmacophore)を同定するために使用することができる。一時に一つ又は二つのアミノ酸だけがAlaで置換されることが好ましい。この薬理学的クラスのぺプチドのその受容体への結合に関与する相互作用のタイプをより正確に規定するのを助けるため、荷電を持った残基、極性の残基又は疎水性の残基がそれぞれ置換されているさらなる新たなぺプチド類を作ることができる。荷電が逆転されたり、又は極性の残基が疎水性の残基と置換したりする非同類置換は、結合に関与する残基をそれ以上に同定することができる。これらのぺプチドはすべて、効力の改善又はα1 −アドレナリン受容体サブタイプ選択性の増大を示す潜在能力を有する。非天然型アミノ酸の変更も、効力、選択性、及び/又は安定性を改善するために含められよう。
【0034】
露出されている残基は受容体結合に関与する可能性が最も高く、そして体系的に置換することができる。効力及び/又は選択性の改善を目指して追加的な結合相互作用を獲得するため、より長い側鎖型又は非同類置換を用いて、結合に関与する残基及び薬理団の直ぐ周囲にある残基を変えることは、特に強調される。TIAの環の大きさや尾を減少させたり拡大したりすると、活性はさらに変化する。
【0035】
ρTIAは一つの尾(残基1〜4)と二つの環(残基7〜10及び残基12〜18)から構成されることに注目されるが、ρ−コノトキシン・ぺプチド類及び本発明の誘導体はアミノ酸及びジスルフィド結合のこの特定の配列を持つものに限定されない。他の配列も可能であり、その結果得られるぺプチドが選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有するならば、そのぺプチドは本発明の範囲に入る。該ぺプチド類は少なくとも二つのシステイン残基及び少なくとも一つのジスルフィド結合を持つことが好ましく、又は四つのシステイン残基と二つのジスルフィド結合を持つことがさらに好ましい。
【0036】
これらのぺプチド類におけるジスルフィド結合の連結はA−C/B−D、A−D/B−C又はA−B/C−Dでありうるが、前者がρ−TIAにとって好ましい。A、B、C及びDはそれぞれジスルフィド結合の形成に関与する第一、第二、第三及び第四Cys残基を指す。
【0037】
これらのぺプチド類に標識を付け、同じ部位に作用する新たな分子を同定するための結合検定法を確立するために使用することもできる。例えば、ρ−TIAの標識化リガンドには、Tyr又は他の適当な残基を介してトリチウムを含ませ又は放射活性ヨウ素若しくは類似のものを付着させることができよう。各ぺプチドの全体にわたるTyrを調査すれば、該Tyrの組み込みに適する位置を決定できる。組織ホモジネート又は化合物若しくは混合物により発現されたアドレナリン受容体に対するこのような標識ぺプチド類の結合の阻害から、この部位において活性な新たなぺプチド、ヒト組織を含む哺乳類の血清及び神経や筋肉組織中に存在するぺプチドを含む新たなぺプチドの同定が可能となるであろう。この検定法はρ−TIAと同じ部位にも作用する非ぺプチド分子であって、これらのぺプチドの経口的に活性な形として有用性を持ちうるものの同定をも可能とする。標識ぺプチド類はさらに種々の組織にわたるぺプチド結合の位置を同定するためのオートラジオグラフによる研究を可能とする。
【0038】
これらの配列の部分を使用してESTRデータベースを調査し、哺乳類において同様に作用する内因性リガンドを同定するために使用できる関連配列情報を含むぺプチド類又はタンパク質類を哺乳類で同定することができる。
【0039】
本発明のρ−コノトキシン類は標準的なぺプチド合成の後の酸化的ジスルフィド結合形成の方法により調製しうる。例えば、その線状ぺプチドは、シュノルツァーら(1992)が記述したように、BOC化学を用いる固相法により合成しうる。脱保護及び固体支持体からの切断の後、還元型ぺプチドを調製用クロマトグラフィーにより精製する。この精製された還元型ぺプチドを、例えば実施例2で述べるように、緩衝系で酸化する。この酸化型ぺプチドを調製用クロマトグラフィーを用いて精製した。
【0040】
コノトキシン類の合成を記述する参考文献としては、サトーら、リューら及びWO91/07980が挙げられる。
【0041】
ρ−コノトキシン類は組換えDNA技術を用いて調製することもできる。所望のぺプチド配列をコードするヌクレオチド配列を適当なベクター中に挿入し、適当な発現系でタンパク質を発現させる。場合によっては、この発現されたぺプチドのさらなる化学修飾、例えばC末端のアミド化、が適当でありうる。一部の状況の下では、ぺプチド発現後の化学的工程として、発現したぺプチドの酸化的結合形成を行うことが望ましい。これには折り畳まれていないぺプチドを得るため還元的工程を先行させてもよい。当分野の熟練者はぺプチドの還元及び酸化に適する条件を容易に決定しうる。
【0042】
本発明はさらに、上述のρ−コノトキシン・ぺプチドをコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的な配列を含む単離された核酸分子を提供する。
【0043】
本発明の更なる側面において、ρ−コノトキシン・ぺプチドの全部又は一部をコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的な配列を含む核酸プローブが提供される。
【0044】
特に好ましい実施態様では、該核酸プローブは配列番号:1に示す配列をコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的な配列を含む。
【0045】
本明細書で用いるとき、「プローブ」という言及には、増幅に用いられるプライマー又は直接ハイブリダイゼーションに使用するためのプローブに対する言及が含まれる。
【0046】
本発明のさらに別の側面は、本発明のρ−コノトキシン・ぺプチド類に対する抗体に関する。このような抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよく、標準的技法を用いて該ぺプチドに対して天然に生ずる抗体から選択してもよく、又は該ぺプチドに対し特異的に形成させてもよい。後者の場合、該ぺプチドはまず担体分子と混合する必要がありうる。本発明の抗体は治療薬又は診断薬として特に有用である。
【0047】
この点に関して、特異的な抗体を本発明のぺプチド類をスクリーニングするためにを使用することができる。そのような検定のための技法は当分野で良く知られており、例えば、サンドイッチ検定法やELISA法が含まれる。ぺプチドのレベルについての知識はある種の治療計画をモニターするのに重要でありうる。
【0048】
当分野で知られた技法を用いて抗イディオタイプ抗体を調製することも可能である。これらの抗イディオタイプ抗体及び治療薬としてのその使用は本発明の更なる側面を表す。
【0049】
本発明の核酸分子はDNAであってもRNAであってもよい。該核酸分子がDNA型であるときは、それはゲノムDNA又はcDNAでありうる。本発明の核酸分子のRNA型は一般にmRNAである。
【0050】
本発明の核酸分子は通常単離された形であるが、それらはベクター分子、とりわけ発現ベクター分子などの他の遺伝子分子に組み込まれ、又は連結され、又は他の方法で融合され又は関係付けられていてもよい。ベクター及び発現ベクターは一般に複製可能であり、そして適用可能であれば、原核細胞又は真核細胞の一方又は両方で発現可能である。原核細胞には大腸菌、バチルス・スピーシーズ、及びシュードモナス・スピーシーズが含まれることが好ましい。好ましい真核細胞としては、酵母細胞、糸状菌細胞、哺乳類細胞及び昆虫細胞が挙げられる。
【0051】
従って、本発明の別の側面は、ベクター部分と本発明のぺプチドをコードすることができる遺伝子とを含む遺伝子構築物を予定する。
【0052】
該遺伝子構築物の遺伝子部分は該ベクター上のプロモーターに機能的に連結されており、それにより該プロモーターが適当な細胞中で該遺伝子部分の発現を指示することができることが好ましい。
【0053】
本発明は、このような遺伝子構築物及びそれを含む原核細胞又は真核細胞にまで及ぶ。
【0054】
他の分子中にその活性を工学的に組み込むために、場合によっては余分の機能を持つ新たな分子を作成するために、他のコノトキシン類と又は付加的に他のぺプチド若しくはタンパク質とρ−TIAなどのρ−コノトキシン類とのキメラを作成することができる。これはその薬理団を含むこれらのぺプチド配列の部分(単数又は複数)を用いて行うことが好ましいであろう。この薬理団が断続的である場合、薬理団を構成する複数の部分が受容体に結合できるよう該新たな構築物中に配置されるべきである。他のコノトキシン類とのキメラは、追加されたCys残基及び追加されたジスルフィド結合を含んでもよい。
【0055】
一つの活性クラス内のコノトキシン・ぺプチド類が、それぞれのシステイン残基の間のぺプチド環を持つ類似のジスルフィド結合パターンを有することは普通である。ρ−TIAの場合、ジスルフィド結合は第一と第三、第二と第四のシステイン残基を連結する。このパターンはα−コノトキシン・ぺプチド類で観察された結合パターンと類似する。従って、キメラ誘導体は、α−コノトキシン類を含む別のぺプチドの配列を含む環でρ−コノトキシン・ぺプチドの環を置換することにより作成しうる。
【0056】
本発明は他のぺプチド類に結合したρ−コノトキシン・ぺプチド類と同様にρ−コノトキシン・ぺプチド類のダイマー、トリマー等をも含む。
【0057】
本発明のρ−コノトキシン・ぺプチド類は10〜30アミノ酸を持つことが好ましく、15〜25アミノ酸を持つことがより好ましい。
【0058】
天然に生ずるρ−コノトキシン・ぺプチド類の完全な遺伝子配列は、クローニング及びDNA配列決定と併用した5’RACEと3’RACEの組合せ戦術を用いて得られうる。
【0059】
ρ−TIAはニコチン性ACh受容体ブロッカーであるα−コノトキシン類との一部の配列相同性を示すが、ρ−TIA(10μM)はモルモット回腸及びマウス横隔膜神経−片側横隔膜の単離された調製物を用いる検定でニコチン性ACh受容体のニューロン又は筋肉のサブタイプを標的としないことが見出された。
【0060】
従って、本発明の好ましい側面では、ρ−コノトキシン・ぺプチドはニコチン性ACh受容体のニューロン又は筋肉サブタイプにおける活性の欠如によりさらに特徴付けられる。
【0061】
結合研究において、α1a、α1b及びα1d−アドレナリン受容体サブタイプへのρ−TIAの親和性に変動があることも見出された。従って、本発明のさらなる側面では、選択的なα1 −アンタゴニスト活性及び他のサブタイプに優る一つのα1 サブタイプへの選択性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチドが提供される。
【0062】
本発明のρ−コノトキシン・ぺプチド類は選択的なα1-アドレナリン受容体アンタゴニストである。従って、本発明は選択的なα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストとしての本発明のρ−コノトキシンの使用、及びα1 −アドレナリン受容体におけるアンタゴニスト活性が有効な治療と関連がある病気又は状態の治療又は予防における本発明のρ−コノトキシンの使用が提供される。薬剤におけるこのような活性は、排尿系又は心臓血管系の病気若しくは状態又は気分変調の予防又は治療における有効性、又は苦痛若しくは炎症の治療又は制御における有効性と関連する。
【0063】
従って、本発明は、排尿又は心臓血管の状態若しくは病気、又は気分変調の治療又は予防のための方法、又は苦痛若しくは炎症の治療又は制御における方法であって、選択的α1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチドの有効量を哺乳類に投与する工程を含む方法を提供する。
【0064】
排尿系の病気又は状態の例としては、良性の前立腺肥大及び関連障害が挙げられる。心臓血管の病気又は状態の例には、種々の領域の不整脈、高血圧及び冠心不全が挙げられる。気分変調の例には、喫煙などの切望が含まれる。苦痛の例としては、慢性の苦痛、神経障害性苦痛及び炎症性苦痛が挙げられる。
【0065】
該哺乳類は、予防的な意味で該ぺプチドが投与されることもありうるが、そのような治療が必要であることが好ましい。
【0066】
本発明は選択的なα1 ーアドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチドと、薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物をも提供する。
【0067】
該組成物は医薬組成物の形であることが好ましい。
【0068】
また、排尿又は心臓血管の状態若しくは病気、又は気分変調の治療又は予防用、又は苦痛若しくは炎症の治療又は制御用の医薬の製造における、選択的なα1 ーアドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチドの使用も提供される。
【0069】
当分野の熟練者は容易に理解するように、投与の経路及び薬学的に許容しうる担体の性質は該状態の性質及び治療される哺乳類に左右される。具体的な担体又は送達系の選択、及び投与経路の選択は当分野の熟練者により容易に決定され得ると思われる。該活性ぺプチドを含む任意の製剤の調製においては、該ぺプチドの活性が工程中に破壊されないように、かつ、該ぺプチドが破壊されずに作用部位まで到達できるように注意が払われるべきである。状況によっては、例えば、ミクロカプセル化などの当分野で知られた手段により該ぺプチドを保護することが必要であることもある。同様に、選ばれる投与経路は該ぺプチドがその作用部位に到達するようなものであるべきである。
【0070】
注射可能な用途に適切な薬学的剤形には、滅菌注射可能な溶液又は分散液、及び滅菌注射可能溶液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。これらは製造及び貯蔵の条件下で安定であるべきであり、酸化及び細菌や黴などの微生物の汚染作用に対して保護されうる。
【0071】
当分野の熟練者は常法的アプローチで本発明のぺプチド類又は修飾されたぺプチド類のための適切な処方を容易に決定しうる。好ましいpH範囲及び、例えば抗酸化剤などの適当な賦形剤の特定は当分野では機械的作業である(例えば、クリーランドら,1993を参照)。緩衝系は望みの範囲のpH値を得るために機械的に用いられ、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩及びコハク酸塩などのカルボン酸緩衝液が含まれる。このような処方には、BHT又はビタミンEなどのフェノール性化合物、メチオニン又は亜硫酸塩などの還元剤、及びEDTAなどの金属キレート剤を含む多様な抗酸化剤が利用可能である。
【0072】
注射可能な溶液又は分散液のための溶媒又は分散媒としては、活性ぺプチドのための任意の従来の溶媒又は担体系が含まれ、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合液、及び植物油が含まれる。適当な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆剤の使用により、分散液の場合には要求される粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により維持できる。微生物の作用の防止は、必要ならば、例えば、パラベン、塩化ブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の種々の抗細菌剤及び抗真菌剤を含めることにより可能となる。多くの場合、重量オスモル濃度を調整するための薬剤、例えば、糖類又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用の処方は血液と等張であることが好ましい。注射可能な組成物の長期吸収性は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンなどの吸収を遅延する薬剤を組成物に含めることにより達成できる。注射可能な使用に適切な薬学的剤形は、静脈内、筋肉内、大脳内、鞘内、硬膜外の注射又は注入を含む任意の適切な経路により送達されうる。
【0073】
注射可能な滅菌溶液は、必要量の活性化合物を、上に列挙したような種々の他の成分と適切な溶媒中で混合し、必要ならば、その後濾過滅菌することにより調製される。一般に、分散液は、基本的な分散媒と上に列挙したものから選択された必要な他の成分とを含む滅菌ビークル中に種々の滅菌した活性成分を混合することにより調製される。注射可能な滅菌溶液調製用の滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、活性成分に任意の追加の望みの成分を加え予め濾過滅菌した溶液を真空乾燥又は凍結乾燥したものである。
【0074】
該活性成分が適切に保護されている場合、該成分は、例えば、不活性希釈剤若しくは同化しうる食用担体とともに経口投与してもよく、又は硬い殻若しくは軟い殻のゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、常食の食物と直接混合してもよい。経口治療投与では、該活性化合物は賦形剤と混合してもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート剤等の剤形で用いてもよい。このような組成物及び調製物は少なくとも1重量%の活性化合物を含むことが好ましい。もちろん、組成物及び調製物の百分率は様々であり、その単位剤形の重量の約5%から約80%の間にあるのが都合がよい。このような治療に有用な組成物における活性化合物の量は、適切な服用量が得られるような量である。
【0075】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル等は以下に列挙するような成分も含みうる。ゴム、アラビアゴム、コーンスターチ又はゼラチン等の結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム塩などの滑剤、及びスクロース、ラクトース又はサッカリンなどの甘味料が添加されてもよく、あるいはペパーミント、冬緑油、又はさくらんぼ風味などの香味料が添加されてもよい。投与単位剤形がカプセルの場合、上記タイプの物質に加えて液体の担体を含んでもよい。種々の他の物質が被覆剤として又はその他の方法で投与単位の物理的形態を改変するために存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセルがセラック、糖又はその両方で被覆されてもよい。シロップ又はエリキシルは活性化合物、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、さくらんぼ又はオレンジ風味の色素及び香味料を含んでもよい。もちろん、いかなる投与単位剤形を調製するのに用いられるいずれの物質も、その使用量において薬学的に純粋であり実質的に無毒性であるべきである。さらに、これらの活性化合物(単数又は複数)は放出制御調製物及び放出制御処方に組込まれてもよい。
【0076】
本発明は、投与に適する任意の他の剤形にも及ぶ。例えば、クリーム、ローション、ジェル等の局所的適用、又は、吸入若しくは鼻腔内送達に適した組成物、例えば、溶液若しくは乾燥粉末である。
【0077】
静脈内、大脳内、鞘内若しくは硬膜外の送達に適する剤形などの非経口投与剤形は好ましい。
【0078】
薬学的に許容しうる担体及び/又は希釈剤には、任意の及び全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、及び吸収遅延剤等が含まれる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は当分野では周知である。通常の媒体及び薬剤はいずれも、活性成分と配合禁忌であるときに限りそれを除いて、治療用組成物にそれらを使用することが予定される。補足的活性成分もまた該組成物に組み込まれ得る。
【0079】
投与の容易性及び服用量の均一性のため、非経口組成物を投与単位剤形に製剤化することは特に利点がある。本明細書で使用されるとき、投与単位剤形とは、治療される哺乳類の患者にとって一回の投薬に適した物理的に個別の単位を指し、各単位は必要とされる薬学的担体とともに所望の治療効果を生じるように計算され予め測られた量の活性物質を含む。本発明の新規な投与単位剤形の仕様は、(a)活性物質のユニークな特性及び達成される具体的な治療効果、並びに(b)本明細書で詳細に開示されるような身体の健康が損なわれた病気の状態を有する生物の患者における病気の治療のためにこのような活性物質を調合する技術に固有の制限によって左右され、直接これらに依存する。
【0080】
この主要な活性成分は、簡便かつ効果的な投与のために投与単位剤形中に適切な薬学的に許容しうる担体とともに有効な量で調合される。単位投与剤形は、例えば、0.25 μgから約2000mgまでの範囲の量で主要な活性成分を含むことができる。割合で表わすと、この活性化合物は一般的に 1mlの担体に対して約0.25μgから約200mgまで存在する。補足的活性成分を含む組成物の場合、一回投薬量は前記成分の通常の一日服用量及び投与の仕方を参照して決定される。
【0081】
添付の図面及び実施例を参照してここに本発明を記述するが、以下の記述の具体性が本発明についてのこれまでの記述の一般性にとって代わるものではないことが理解されるべきである。
【0082】
実施例
統計学及びデータ解析
以下の実施例のデータは3〜6回の実験から得られた結果の平均値の平均値±seとして表した。スチューデントの両側tテスト又はANOVAを使用して統計的評価を行った。p<0.05という値は有意とみなされた。EC50値の計算のための濃度−応答曲線のシグモイド曲線−適合はソフトウエア・パッケージ・イゴール・プロ(ウエイブメトリクス)を用いる非線型回帰により行った。放射性リガンド結合データは繰り返し非線形曲線−適合プログラム・プリズム(グラフパド)を用いて解析した。IC50値はチェン−プルソフ式を用いてKi 値及び66pMの[125I]−HEATに対するKD 値に変換した。
【0083】
薬物
以下の薬物、即ち、インドメタシン、ニコチン水素酒石酸塩、(−)−ノルアドレナリン二酒石酸塩、プラゾシン塩酸塩、スラミン、テトロドトキシン、ヨヒンビン塩酸塩はシグマから入手した。[125I]−HEAT(比活性2200Ci/mM)はニュー・イングランド・ヌクレアーから入手した。
【0084】
実施例1
ラットの精管
雄ウイスターラット(250〜350g)を頭部を打って殺し、放血した。その精管を切除し、連結組織を切り取った。各精管を二等分した精巣上体部分と前立腺部分に切断した。この組織部分を37℃の生理食塩水溶液を含む5mlの器官浴中に置き0.5gの張力を掛け、O2 中5%v/vCO2 を吹き込んだ。この浴溶液の組成は、NaCl,119mM、KCl,4.7mM、MgSO4 ,1.17mM、KH2 PO4,1.18mM、NaHCO3 ,25.0mM、グルコース,5.5mM、CaCl2 ,2.5mM、EDTA,0.026mMであった。実験の開始前にこの組織調製物を少なくとも45分間平衡化させた。アイソメトリック収縮はフォース・トランスデューサー(ナルコ・バイオ・システムF−60)により記録し、チャート・バージョン3.5.4/sソフトウエア及びマックラボ/8s・データ・アクイジション・システム(ADインストルーメンツ)を備えたパワー・マッキントッシュ・コンピュータに10Hz又は200Hzいずれかのサンプリング頻度でデジタル記録した。
【0085】
この二等分した前立腺セグメントを二つのプラチナ刺激電極間に置いた。交感神経系神経伝達により媒介される平滑筋の電気誘発収縮に及ぼすρ−TIAの効果を試験するため、該組織が電場刺激に供されていたとき、増加する濃度のぺプチドを該器官浴に累積的に添加した。グラスS44スティミュレーターにより振幅55V、持続1msの1回の電気パルスを3分間隔で発生させた。得られた収縮はテトロドトキシン(0.1μM)により消失した。このことはこの収縮がその起源において神経性のものであったことを示す。さらに、この収縮の初期相はスラミン(0.3mM)に感受性であったし、第二相はプラゾシン(0.5μM)で阻害することができた。
【0086】
ラット精管における交感神経系神経伝達に及ぼすρ−TIAの効果
二等分されたラットの前立腺精管の電場刺激への応答は2相性であった。この収縮の第一の相は2相のうちの大きな方であり、刺激の後ほぼ200msにピークがあった。第二の相は刺激の後ほぼ500〜600msで最大に達した。ρ−TIAは該収縮の第二の相を濃度依存的に減少させるように作用した(図1)。使用したρ−TIAの最高濃度(10μM)の存在下で得られたトレースを他のトレースから差し引くことにより作成される単相のピークは、該コノトキシンの効果が該収縮の第二の成分に対してのみ特異的であったことを示す。該収縮の第二の相を50%まで阻害するコノトキシンの濃度、即ちIC50値は約300nM(図1)であることが見出された。
【0087】
ρ−TIAにより惹起される阻害の様式はプラゾシン又は他のα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストを用いて観察されたものと類似する(マックグラス,1978,J. Physiol Lond, 283, 23-39)。しかしながら、プラゾシンの高濃度(0.5μM)を使用すると、この作用の特異性が消失し、該収縮の第一の成分も阻害に感受性となる。この第一の成分はP2X−プリン受容体における交感神経系の共伝達物質であるATPの作用により媒介され、スラミンなどのP2X−プリン受容体アンタゴニストにより消失させることができる。従って、該収縮の第一の相の非特異的阻害はニューロンのNa+チャンネルの遮断、即ちプラゾシン及び他の幾つかのα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストについて先に報告された局部麻酔効果によるものである(ブラレットら,1985,Br J Pharmacol, 84, 47-55 、ノースオーバー,1983, Br J Pharmacol, 80, 85-93、ペレッツら,1994,Mol Pharmacol, 46, 823-31)。ρ−TIAは機能性の非競争的アンタゴニストとして作用した。このことはρ−TIAがα1 −アドレナリン受容体へのノルアドレナリンの結合を調節するための新たな部位にアロステリックに作用したことを示唆する。
【0088】
実施例2
接合部後の応答方法の効果
これらの実験は、二等分された精巣上体部分が電気刺激されなかった点を除き、実施例1に記述された実験に類似した。これらの組織調製物を用いてノルアドレナリンへの接合部後の収縮性応答に及ぼすρ−TIAの効果を検討した。ρ−TIAの存在下及び非存在下で累積的濃度−応答曲線を求めた。該コノトキシンを1μM、3μM、又は10μMいずれかの濃度で器官浴に添加し、20分間該組織を平衡化させた後、ノルアドレナリンの用量を適用した。調製物当たり1個の濃度−応答曲線を作成した。ρ−TIAと接触させなかった反対側の組織断片を対照として使用した。
【0089】
ラット精管のノルアドレナリンへの応答に及ぼすρ−TIAの効果
電場刺激への応答に及ぼすρ−TIAの効果が神経伝達物質放出の下流でのぺプチドの作用によるものであったことを確認するために、外因的に適用されたノルアドレナリンへの応答に及ぼすその効果を検討した。
【0090】
ラット精巣上体精管の二等分断片のノルアドレナリンに対するlog濃度−応答曲線をρ−TIAの存在下及び非存在下で作成した(図2)。1μMの濃度でのρ−TIAの効果はノルアドレナリンへの該組織の感受性における3倍の減少であり、該濃度−応答曲線の右側への移動として観察された。より高い濃度(3μM及び10μM)では、ρ−TIAは該組織の感受性をさらに減少させるように作用し、5.2倍及び16.7倍だけノルアドレナリンのEC50を増加させた。ρ−TIAのこの二つの高濃度は対照の応答のそれぞれ82%及び42%まで最大応答レベルを低下させるようにも作用した。
【0091】
ρ−TIAにより惹起された該精管のノルアドレナリンへの最大応答の減少は、コノトキシンが非競争的α1 −アドレナリン受容体アンタゴニストとして作用することと矛盾しない。最初、ノルアドレナリンの濃度応答曲線は生じた最大張力には変化なしに右側へ移動する。ρ−TIAの濃度が増加するにつれ、該曲線は右側へさらに移動し、最大応答も同時に次第に減衰する。これらの結果は、この組織には「予備の」α1 −アドレナリン受容体のプールが存在することを示し、ラット精管におけるα−アドレナリン受容体の機能的貯蔵庫を明らかにしたディアツ−トレド及びマルティ1988,Eur J Pharmacol, 156, 315-24、及びミンネマン及びエイベル1984,Mol Pharmacol, 25, 56-63の発見を支持するものである。ρ−TIAは非競争的方式で作用するが、薬物を含まない溶液で該調製物を洗浄すると該コノトキシンにより惹起された精管の電気誘発応答の阻害から徐々に回復するので、ρ−TIAは不可逆的アンタゴニストではない。
【0092】
実施例3
α 2 −アドレナリン受容体に及ぼすρ−TIAの効果を検討するための実験
電場刺激が同じ持続時間及び振幅の1回パルスであるが20秒間隔でなされたことを除き、実施例1と同様の実験計画で実施した。プラゾシン(0.5μM)の存在下でのノルアドレナリンの累積的濃度−応答曲線から、該プラゾシンがひきつり応答の阻害を惹起することが明らかになった。洗浄し回収した上で、プラゾシンを置き換え、ρ−TIA(10μM)を器官浴に適用した。20分の平衡化期間の後、ノルアドレナリンに対する第二の濃度−応答曲線を作成した。
【0093】
ラット精管における神経伝達物質放出のシナプス前阻害に及ぼすρ−TIAの効果
交感神経系共伝達物質であるATP及びノルアドレナリンのニューロン貯蔵庫からの放出はシナプス前α2 −アドレナリン受容体の活性化による調節を受ける(アモビ及びスミス,1988,J Auton Pharmacol, 8, 141-52、マックローら,1985,Br J Pharmacol, 86, 455-64) 。ρ−TIAがα2 −アドレナリン受容体を遮断するように作用するか否かを決定するため、ラット精管断片のプリン作用性収縮のノルアドレナリンによる阻害に及ぼすρ−TIAの効果を検討した。ヨヒンビンなどのα2 −アドレナリン受容体アンタゴニスト薬剤はこの検定でノルアドレナリンの阻害効果に拮抗する(ワーミングら,1982,Arch Int Pharmacodyn Ter, 259, 14-30) 。
【0094】
プラゾシンの存在下における電場刺激への該精管の応答はノルアドレナリンにより阻害され、その−logIC50値は5.96±0.052であった(図3)。この値は10μMのρ−TIAの存在下で測定された−logIC50の値(5.90±0.031,p>0.3,n=5)とは有意には異ならなかった。
【0095】
ρ−TIAはα2 −アドレナリン受容体におけるノルアドレナリンの作用に拮抗しないことが見出された。従って、ρ−TIAはα1 −アドレナリン受容体とα2 −アドレナリン受容体の間を識別することができる。
【0096】
実施例4
モルモットの回腸
雄モルモット(285〜425g)を一晩絶食させた後頭部を打って殺し、放血した。その回腸から約1.5cm長の部分を切除し、腸内容物を浴溶液で温和に洗浄して除去した。この調製物を1.0gの静止張力を掛け、5mLの器官浴中に置いた。この浴溶液はNaCl,136.9mM、KCl,2.68mM、CaCl2 ,1.84mM、MgCl2 ,1.03mM、グルコース,5.55mM、NaHCO3 ,11.9mM、KH2 PO4,0.45mMを含むものであり、これを37℃まで温め、O2 中5%v/vCO2 を吹き込んだ。安定なベースラインを維持するため浴溶液にはインドメタシン(10μM)を含めた。少なくとも40分の平衡期間の後、ニコチン(4μM)の用量を15分間隔で添加した。ニコチンへの収縮応答に再現性があると分かったとき、この組織をρ−TIAに25分間曝した。この時間の後、ニコチンの別の用量を適用した。ニコチンに対するこの応答をアイソメトリカリに測定し、10Hzのサンプリング速度でデジタル化した。
【0097】
モルモット回腸のニコチンへの応答に及ぼすρ−TIAの効果
ニコチンに対する回腸断片の応答はρ−TIA(10μM)により有意に影響されなかった。ρ−TIAの非存在下では平均応答は3.29±0.67gであり、ρ−TIAの存在下では4.13±0.70g(p>0.25、対合t−テスト、n=4)であった。
【0098】
モルモット回腸断片のニコチンへの応答及びマウス横隔膜神経−片側横隔膜の電場刺激への応答がρ−TIAにより影響されないという本発見は、α−コノトキシン類と異なり、この新規なコノトキシンはニコチン性ACh受容体のニューロン又は筋肉のサブタイプのいずれをも標的としないことを示す。
【0099】
実施例5
マウス横隔膜神経−片側横隔膜
頸部転移により殺した雄クアケンブッシュマウス(20〜30g)から、左側及び右側横隔膜を横隔膜神経を付着させたまま切除した。片側横隔膜それぞれの基部を二つの平行プラチナ刺激電極の間に配置し、横隔膜神経は電場刺激のための二つの小さなプラチナループを介して配置した。該調製物を1.0gの張力を掛けて5mLの器官浴中に配置し、下記の組成、即ち、NaCl,135.0mM、KCl,5.0mM、CaCl2 , 2.0mM、MgCl2 , 1.0mM、グルコース,11.0mM、NaHCO3 , 15.0mM、及びKH2 PO4 ,1.0mMを含む溶液に浸した。この浴溶液を37℃まで温め、O2 中5%v/vCO2 を連続的に吹き込んだ。少なくとも30分の平衡期間の後、直接刺激及び間接刺激を交互に10秒間隔で行った。直接刺激は該筋肉のいずれかの側に置かれた電極に送達された2ms持続の30Vパルスで行い、間接刺激は横隔膜神経を取り巻く電極に送達された0.2ms持続の3Vパルスで行った。これらの直接的及び間接的に誘発された応答に及ぼす10μM濃度でのρ−TIAの1回用量の効果を検討した。該収縮を精管調製物について述べたと同様に記録した。
【0100】
マウス横隔膜神経−片側横隔膜の電気刺激への応答に及ぼすρ−TIAの効果
ρ−TIA(10μM)は横隔膜神経の電場刺激により又は直接筋肉刺激により誘発されるマウス片側横隔膜の収縮には影響を与えなかった(n=4、データは示していない)。これはρ−TIAが筋肉のニコチン性ACh受容体を標的としないことを示す。
【0101】
実施例6
放射性リガンド結合研究
使用したα−アドレナリン受容体構築物は、先に記述されたような(フアら,1995,J Biol Chem, 270, 23189-95、ペルッツら,1991,Mol Pharmacol, 40, 876-83 、ペルッツら, 1994,Mol Pharmacol, 46, 823-31)改変された真核発現ベクターであるpMT2’中にクローニングされたラットα1A−AR・cDNA、ハムスターα1B−AR・cDNA及びラットα1D−cDNAであった。COS−1細胞(アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション)を培養し、DEAE−デキストラン法(カレン,1987,Methods Enzymol, 152, 684-704)を用いて該構築物で一時的にトランスフェクトした。この方法のトランスフェクション効率は30〜40%である。細胞をトランスフェクション後72時間で収穫した。先に記述されたように(ペルッツら,1991,Mol Pharmacol, 40, 876-83 )、トランスフェクトされたCOS−1細胞から膜を調製した。この膜を10%(v/v)グリセロールを含むHEM緩衝液(20mMのヘペス,pH7.5、1.5mMのEGTA、125mMのMgCl2 )中に再懸濁し−70℃で貯蔵した。発現された受容体のリガンド結合特性は、特異的α1 −アドレナリン受容体アンタゴニストである[125I]−HEATを用いた一連の放射性リガンド結合研究で決定した。この操作は、COS−1細胞膜、70pMの[125I]−HEAT、HEM緩衝液、及びρ−TIA(9種の異なる濃度で)を250μLの総反応用量中に含む二連のチューブで行った。非特異的結合はフェントルアミン(100μM)の存在下で測定した。室温で1時間インキュベートした後、氷冷HEM緩衝液を添加することにより該反応を停止し、ブランデル細胞収穫器を用いてワットマンGF/Cグラスフィルター上に濾過した。このフィルターを氷冷HEM緩衝液で5回洗浄した。結合放射活性の量はパッカード・オート−ガンマ500カウンターを用いて分析した。
【0102】
放射性リガンド結合研究におけるρ−TIAの効果
α1 −アドレナリン受容体は異質なファミリーであり、3種の異なるサブタイプ、α1A、α1B及びα1Dがクローニングされてきた。放射性リガンド結合研究におけるρ−TIAの作用は発現したα1 −アドレナリン受容体サブタイプへの[125I]−HEATの結合を阻害することであり、α1 −アドレナリン受容体が該コノトキシンの標的であることを確認することであった(図4)。−logKi 値はα1Aサブタイプに対して7.29±0.141であり、α1Bサブタイプに対して7.70±0.179であり、そしてα1Dサブタイプに対して7.09±0.057であると決定された。ρ−TIAの効力のα1B−アドレナリン受容体とα1D−アドレナリン受容体における差は有意であることが見出され(p<0.05)、このことはρ−TIA及び類似物がα1 −アドレナリン受容体サブタイプを識別する能力を有することを示す。
【0103】
ρ−TIAはα1Bアドレナリン受容体サブタイプにおいて最も強力であった。20nMのKi 値は文献に報告されたデータに基づくこのサブタイプにおける古典的α1 −アドレナリン受容体アンタゴニストであるプラゾシンよりもρ−TIAの方が約2オーダーほど効力が弱いことを示した。サブタイプ特異的アンタゴニストの発見は、α1 −アドレナリン受容体の構造及び機能を研究するための研究道具として、及び良性の前立腺肥大(チャプル,1995,Br J Urol, 1, 47-55)のような状態の治療のための潜在的治療薬としての両方におけるその潜在的有用性という点で興味がある。放射性リガンド結合研究により、ρ−TIAが[125I]−HEAT結合を阻害するように非競争的に作用することがさらに示された。これはρ−TIAがα1 −アドレナリン受容体上のノルアドレナリン結合部位とは離れた部位で作用するアロステリック調節因子であることを示すものである。
【0104】
結論すれば、α1 −アドレナリン受容体アンタゴニストとして作用する能力を持つ化合物には多くの構造的に異なるクラスがある。これらのクラスの中には、多数の天然産物を含むグループであるアルカロイド類がある。これらは、植物資源から単離されたディセントリン(テングら,1991,Br J Pharmacol, 104, 651-6) 及びデヒドロエボディアミン(チオウら,1996,J Cardiovasc Pharmacol, 27, 845-53) 、及び海綿動物から単離されたアルカロイドであるヒメニン(コバヤシら,1986,Experientia, 42, 1064-5)を含む。海綿動物の一種から単離された別のα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストはアアプタミンである。ヒメニンと異なり、アアプタミンはアルカロイドではなく、複素芳香環化合物(オーイズミら,1984,J Pharm Pharmacol, 36, 785-6) である。これらのアルカロイドは高度の特異性をもって作用することはなく、そしてα1 −アドレナリン受容体遮断のほかに、抗血栓症の作用及び局部麻酔作用が観察された。ρ−TIAはそれがぺプチドのα1 −アドレナリン受容体アンタゴニストの今日までに知られた唯一の例であるという点で、これらの現存する天然又は合成の有機低分子の全てと構造的に異なる。さらに、ρ−TIAはα1 −アドレナリン受容体を標的とすることが見出された最初のコノトキシンであり、従って本発明者らがρ−コノトキシンファミリーと命名する新規なクラスのぺプチドの最初のメンバーである。
【0105】
実施例7
ρ−コノトキシン・ぺプチド類の遺伝子配列の誘導
このρ−コノトキシンの完全な遺伝子配列は、クローニング及びDNA配列決定法と併用した5’RACE(Random Amplification of cDNA Ends 、cDNA末端の無作為増幅)及び3’RACEの組合せ手法を用いて単離した。
【0106】
5’RACE
オリゴヌクレオチドプライマーRHO−1Bを成熟ρ−TIAぺプチド配列から設計した。このオリゴヌクレオチドと該ぺプチドとの関係は以下のとおりであり、そのオリゴヌクレオチド配列と共に示す。
ρ−TIA − FNWRCCLIPACRRNHKKFC
配列番号:1
RHO−1B 5'− RCARAAYTTYTTRTGRTT−3'
配列番号:3
AP1 5'− CCATCCTAATACGACTCACTAT
AGGGC−3' 配列番号:4
(ここで、N=A/C/G/T、R=A/G、Y=C/Tである)
【0107】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、イモガイ(coneshell)の毒管から単離されたmRNA由来のcDNA鋳型の上にAP1オリゴヌクレオチドと組合せたRHO−1Bオリゴヌクレオチドを用いて行った。このPCR産物はρ−TIA遺伝子の5’領域を表すが、これを単離し、精製し、細菌ベクターの中にクローニングし、配列決定した。ρ−TIAに対する遺伝子配列はシー.チューピラから得た(図5)。
【0108】
3’RACE
ρ−TIA遺伝子の5’領域のDNA配列を用いてρ−TIA配列及び他の密接に関連するぺプチド由来の配列を検出できるオリゴヌクレオチドを設計した。この遺伝子配列に関連するオリゴヌクレオチドの配置は図5に示す。オリゴヌクレオチドRHO−1AはANCHORオリゴヌクレオチドと連結してPCRで使用し、この遺伝子のリーダーぺプチド、成熟ぺプチド及び3’非翻訳領域(3’UTR)に対応するDNA断片類を作成する。シー.チューリパ由来の毒管cDNA鋳型のPCRによりρ−TIAに対応するDNA断片を作成する。
【0109】
ANCHORに対するDNA配列は
ANCHOR 5'−AACTGGAAGAATTCGCGGCCGCAGGA
AT−3' 配列番号:5
【0110】
ρ−TIAの完全な配列
5’RACE及び3’RACEを用いて作成されたρ−TIAの遺伝子配列は該遺伝子の重複する断片を表す。これらの断片を組合せ、各遺伝子に対する共通配列を作成する。この共通配列は該遺伝子の完全なcDNAであり、5’UTR、リーダーぺプチド、成熟ぺプチド及び3’UTRを含む。
【0111】
本発明及び特許請求の範囲を通じて、文脈が別意を要求しない限り、用語「含む(comprise) 」及びその変形「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は述べられた主体若しくは工程又は主体群若しくは工程群の含有を意味するが、任意の他の主体若しくは工程又は主体群若しくは工程群の排除を意味するものではないと理解されるべきである。
【0112】
当業者は本明細書に記述された発明が具体的に記述されたもの以外の変更及び修飾を受け易いことを認めるはずである。本発明はこのような変更及び修飾をすべて包含するものと解すべきである。本発明は本明細書で個々に若しくは集合的に言及し又は示したすべての工程、特徴、組成物及び化合物、及び該工程又は特徴の任意の組合せ及びすべての組合せをも包含する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は1回の超最大パルス(55V,1ms)での電場刺激を受けた二等分ラット前立腺精管の代表的調製物のアイソメトリック収縮の時間経過に及ぼすρ−TIAの効果を示すグラフである。ρ−TIA(100nM−3μM)は半対数単位投与量増加でその器官浴に累積的に添加した。
【図2】 図2は、1μM(△)、3μM(□)又は10μM(◇)のρ−TIAの存在下又は非存在下(O)における二等分されたラット精巣上体精管のノルアドレナリンに対するlog濃度−応答曲線を示すグラフである。データ点は5回の別の実験から得られた応答の平均値±SEMである。誤差棒の一部は記号によって曖昧にされている。
【図3】 図3は1回の超最大パルス(55V,1ms)での電場刺激に対する二等分されたラット前立腺精管のひきつり応答のα2 −アドレナリン受容体媒介阻害に及ぼすρ−TIAの効果を表すグラフである。10μMのρ−TIAの存在下(◇)及び非存在下(O)におけるノルアドレナリンに対するlog濃度−応答曲線。各点は5実験の平均値及び垂直の棒はそのSEMを示す。
【図4】 図4は放射標識α1 −アドレナリン受容体アンタゴニスト[125I]−HEATの、3種のα1 −アドレナリン受容体サブタイプであるα1a、α1b及びα1dのcDNAクローンで一時的にトランスフェクトされたCOS−1細胞由来の膜調製物への結合に及ぼすρ−TIAの効果を表すグラフである。各点は3回の実験の平均値±SEMを表す。誤差棒の一部は記号で曖昧にされている。
【図5】 図5はイモガイ(cone shell) の毒のぺプチド配列の誘導を示す図式的表示である。プライマーAP1+RHO−1Bを用いる5’RACE・PCRにより5’UTR及びリーダーぺプチド配列を作成し、次いでそれを用いてρ−コノトキシン類に特異的なPCRプライマー類を作成する。プライマーRHO−1A+ANCHORを用いる3’UTRにより残りの成熟ぺプチド配列及び3’UTR配列の誘導を完成した。
【配列表】
Claims (20)
- 下記配列
FNWRCCLIPACRRNHKKFC 配列番号:1
又は一つのアミノ酸の欠失、付加、置換(ただし、4位の残基については同類置換)若しくは側鎖の修飾を受けた該配列を有し、
選択的なα1アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有する単離され、合成され又は組換えで得られたρ−コノトキシン・ぺプチド(ρ-conotoxin peptide)。 - アミノ酸配列が、配列番号:1に示される配列を有するρ−TIAである請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチド。
- ニコチン性ACh受容体のニューロンサブタイプ又は筋肉サブタイプにおける活性を有しないか殆ど有しない、請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチド。
- α1a、α1b及びα1d−アドレナリン受容体サブタイプのうちの一つに対して、他のサブタイプに勝る選択性を有する、請求項1記載のρ−コノトキシン・ペプチド。
- 4個のシステイン残基と2個のジスルフィド結合を有する請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチド。
- 該ジスルフィド結合の連結がA−C/B−Dであり、A、B、C及びDがそれぞれ第一、第二、第三及び第四システイン残基である、請求項5記載のρ−コノトキシン・ぺプチド。
- α1−アドレナリン受容体活性のアンタゴニストとしてのある分子の活性を試験するための受容体結合検定における、請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチドの使用。
- 請求項1〜請求項6いずれか1項に記載のρ−コノトキシン・ペプチドをコードするヌクレオチド配列又はコードする配列に相補的な配列を含む単離された核酸分子。
- 請求項1記載のρ−コノトキシン・ペプチドの全部又は一部をコードするヌクレオチド配列を含む請求項1記載のρ−コノトキシン・ペプチドに特異的な核酸プローブ。
- 請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチドに対するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体。
- ベクター部分と請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチドをコードすることができる核酸を含む遺伝子構築物。
- 排尿若しくは心臓血管の状態若しくは病気又は気分変調(mood disorders)の治療若しくは予防、又は苦痛若しくは炎症の治療若しくは制御のための医薬の製造における請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチドの使用。
- 該排尿系の病気又は状態が前立腺肥大又は関連する障害である請求項12記載の使用。
- 該心臓血管の病気又は状態が不整脈、高血圧又は冠心不全である請求項12記載の使用。
- 該気分変調が喫煙の切望である請求項12記載の使用。
- 該苦痛が慢性の苦痛、神経障害性の苦痛又は炎症性の苦痛である請求項12記載の使用。
- 請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチド、及び薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物。
- 医薬組成物である請求項17記載の組成物。
- α1−アドレナリン受容体のアンタゴニストとしての、請求項1記載のρコノトキシン・ぺプチドの使用。
- α1−アドレナリン受容体の選択的な拮抗が有効な治療又は予防と関連がある病気又は状態を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項1記載のρ−コノトキシン・ぺプチドの使用。
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