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JP4511282B2 - 乾式アンモニア分解処理方法 - Google Patents

乾式アンモニア分解処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばガス化燃料のように炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含み炭素を含む化合物として少なくとも一酸化炭素を含むアンモニア含有燃料の乾式アンモニア分解処理方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、ガス化燃料に代表される炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含み炭素を含む化合物として少なくとも一酸化炭素を含むアンモニア含有燃料中に含まれるアンモニアの乾式分解除去を行うアンモニア分解処理方法に関するものである。
近年、石油に代わる燃料として、石炭やバイオマス燃料を高効率かつクリーンに利用することが求められている。また、特に都市部における大気中の窒素酸化物(NOx)が増加し続けていることから、NOxの発生を抑制することが強く求められている。この窒素酸化物としては燃料中の窒素化合物に因るフュエルNOxと、高温の燃焼域での空気中の窒素と酸素の反応に因るサーマルNOxとがあり、前者は燃料中の窒素化合物を除去することにより、後者は燃焼の際に局部的高温域を発生させないことによりそれぞれ低減可能である。
ところで、石炭・重質油・バイオマス・都市ゴミ等を高効率で利用するためには、これらを高温でガス化して水素や一酸化炭素等を含むガス化燃料にする方法があるが、原料中に窒素化合物が含まれているため、燃料をガス化する際にアンモニアが生成され、燃料中に混入する。アンモニアが混入したガス化燃料をそのまま燃焼させると、アンモニア中の窒素と酸素が反応してフュエルNOxが発生することとなる。
そこで、このフュエルNOxの発生を、ガス化プラントの熱効率を下げずに効率的に抑制する方法として、触媒の反応促進作用によってアンモニアを無害な窒素と水素に分解する乾式の処理方法が研究されている。
この種の方法としては、(a)アンモニア分解活性が高い触媒を用い、高い分解効率が得られる温度に触媒層を加熱してアンモニアを分解する方法(特許文献1)や、(b)ガス化プロセスの中で、ガス化燃料の温度が高温の位置に触媒を配置する方法(特許文献2)、(c)ガス化燃料に酸素または空気を混入してガス化燃料の一部を燃焼させ、その発熱によって触媒を高温に加熱してアンモニアを分解する方法(特許文献3)が提案されている。
(a)の方法としては、実質的に炭素からなる担体と、この担体に担持されアルカリ土類金属及び遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを備えた複合体を触媒として用いて、500〜1200℃の温度条件でアンモニアガスを窒素ガスへと分解するものである。
また、(b)の方法としては、液体炭化水素系燃料またはその液体エマルジョン、石油コークスの水性スラリー、またはそれらの混合物から選ばれ、硫黄、窒素などを含有しているポンプで汲み上げられる燃料を部分酸化させて、約980℃〜1650℃の温度を有し、NH、HSなどを含む高温の生ガス流を製造し、そのガス流を約800℃〜980℃の温度に冷却して、触媒により不均化して実質的にNHを含まないプロセスガス流を生成するものである。
また、(c)の方法としては、炭化水素をガス化して生成したアンモニアを含む可燃性ガスに、酸素富化空気または酸素を添加して上記可燃性ガスの一部を燃焼させてその温度を上昇させた上、800℃以上の温度でニッケル、クロム及び鉄の少なくとも1種類以上を含む触媒に接触させ、アンモニアを窒素と水に分解するものである。
特開2001−261302号 特開平7−10502号 特開平2−276890号
しかしながら、上記(a)の方法は触媒を500〜1200℃に加熱するために、外熱が必要とされる。このため、触媒を加熱するために加熱装置の設置および新たなエネルギーが必要になり、設備費およびエネルギーコストの上昇を招く。尚、触媒の加熱下限温度を500℃としているが、実施例には750℃以上でのアンモニア分解処理しか開示されておらず、しかも750℃での反応では活性低下を生じるが850℃での反応では活性低下が生じていない実験データが開示されており、600℃以下での反応について言及されていない。
また、熱交換による方法でも、熱交換器の設置による設備費の上昇および熱交換に伴うエネルギー損失を生じ、プラント全体の熱効率が低下してしまう。さらに、高温で反応させるためには耐熱性の高い高価な装置材料が必要になる。また、触媒の熱による劣化も加速する。その一方、反応を低温で行わせると、アンモニア分解率が低下するとともに触媒上に炭素が析出して急速に触媒性能が低下してしまう。
また、(b)の方法のように高温のガス化炉の出口にアンモニア分解装置を配置する場合には、ガス化燃料中に含まれる硫化水素およびダスト等が触媒に直接供給されることになるため、被毒や摩耗等によって急速に触媒性能が低下してしまう。さらに、高温で反応させるために耐熱性の高い高価な装置材料が必要になる。また、触媒の熱による劣化も加速する。
また、(c)の方法のように、800℃以上の温度で反応させると、耐熱性の高い高価な装置材料が必要になるとともに、下流に設置される流量調整弁などの機器の耐熱性の問題から、熱交換器を設置して分解後のガスの温度を下げなければならず、設備費の上昇および熱交換に伴うエネルギー損失を生じる。さらに、触媒の熱による劣化も加速する。また、この方法は単にニッケル、クロム及び鉄の少なくとも1種類以上を含む触媒で反応させるため、800℃以下の温度では低い分解率しか得られない。
以上の従来のアンモニア分解方法並びに装置は、いずれも600℃を超える高温での反応を前提としている。ところが、本発明のアンモニア分解処理方法を実施する装置を組み込む実機、例えばガスタービン燃焼器に供給するガス化燃料中のアンモニアを分解する装置などでは、流量調節弁で燃料流量を調節する必要があるが、実機に適用可能なガス化燃料用の流量調節弁の耐熱温度は600℃が上限である。ガス化燃料は多くの場合水素を含んでいるため、鋼は水素脆化を生じやすく、高温高圧での使用は鋼にとって極めて過酷な条件となることから、それ以上の高温で使用可能な鋼製の流量調節弁は入手困難であると共に、入手できても極めて高価で信頼性も低くなり、実機には適用し難い。このことから、600℃を超える温度に触媒が加熱される場合には、熱交換器で600℃以下に温度を下げる必要がある。しかしながら、このようにアンモニア分解処理装置の後流に高価な熱交換器を設置することは、上述したとおり設備コストを上げると共に熱交換器によるエネルギー損失でプラント全体の熱効率を損なうこととなるので、600℃以下で効率的にアンモニアを分解処理できる技術が望まれている。
本発明は、触媒を外熱または熱交換によらずに600℃以下に加熱することができ、分解ガスの冷却が不要となるとともに、触媒の性能を長時間にわたり維持でき、エネルギー損失が少なく、メンテナンスが容易なガス化燃料等の炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含み炭素を含む化合物として少なくとも一酸化炭素を含むアンモニア含有燃料のアンモニア分解処理方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の乾式アンモニア分解方法は、炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含み前記炭素を含む化合物として少なくとも一酸化炭素を含むアンモニア含有燃料に、担体に担持され且つニッケルを含む触媒の上流で当該燃料を気相燃焼させえない量でかつ前記触媒に供給されたときに前記触媒表面で触媒燃焼して前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱するのに必要な量の酸素を前記燃料に対してモル比で0.0008超となるように添加し、前記触媒の表面に供給される酸素によって、前記触媒表面での触媒燃焼により前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱しながら前記燃料中のアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に触媒表面で一酸化炭素等が炭素に分解される反応を同時に抑制するものである。なお、ここで、触媒表面で触媒の酸化促進作用によって燃料が酸化する際に発熱することを示す触媒燃焼と、通常の燃焼とを区別するために、通常の燃焼を気相燃焼と表現している。
したがって、酸素又は酸素を含む少量のガスが触媒に供給されることによって、アンモニアを含みかつ炭素原子を含む化合物も含む燃料例えばガス化燃料の一部が触媒表面で酸化・触媒燃焼されることにより、外部から加熱すること無く、触媒に供給される燃料全体の温度が上昇し、触媒が600℃以下に加熱される。同時に、600℃以下の低温においても触媒表面でアンモニア分子内の水素が選択的に酸素と反応して窒素と水に分解する。さらに、添加された酸素によって触媒への炭素の析出が防止され、600℃の低温であるため触媒の熱による劣化も生じず、触媒の活性が長時間持続される。
ここで、アンモニア分解触媒は、酸素の存在下かつ600℃以下でアンモニアを効率よく分解できる触媒が使用される。このような触媒として、担体に担持され且つニッケルを含む触媒が挙げられる。この触媒はアンモニア以外の可燃成分の酸化活性が低く、アンモニア分子内の水素を選択的に酸素と反応させて窒素と水に分解する活性が高い。
したがって、少量の酸素が触媒に供給されることによって、600℃以下の低温においても燃料に含まれるアンモニアが窒素と水素に分解する反応に加え、酸素によるアンモニアの窒素と水への分解反応が触媒表面で選択的に進む。また、酸素が触媒表面に供給されることによって、触媒表面で一酸化炭素等が炭素に分解される反応が進まなくなり炭素析出が防止される。ここで、本発明において、前記燃料に対する前記酸素のモル比を少なくとも0.004とし、前記触媒を600℃以下400℃以上に加熱することが好ましい。また、前記燃料はガス化燃料であることが好ましい。
しかして、本発明のアンモニア分解処理方法では、アンモニアを含みかつ炭素原子を含む化合物も含む燃料の酸化熱によって触媒が600℃以下に加熱されるのに必要な量の酸素又は酸素を含むガスを触媒に供給しているので、外部から加熱すること無く燃料の酸化熱により触媒を600℃以下に加熱することができる。即ち、高価な加熱装置の設置および加熱に必要なエネルギーの外部からの供給も不要となり、安価な設備費および運転費で効率的にアンモニアを分解処理できる。また、添加された酸素によって触媒への炭素の析出が防止され、600℃の低温であるため触媒の熱による劣化も生じず、触媒の活性が長時間持続される。したがって、安定したアンモニア分解処理を可能とすると共に触媒の長時間使用により運転費を低減できる。
しかも、600℃以下の低温において燃料に含まれるアンモニアを効率よく分解できるため、アンモニア分解処理装置の後流に高価な熱交換器を設置する必要が無くなると共に熱交換器によるエネルギー損失も無くなり、プラント全体の熱効率を損なうことなく効率的にアンモニアを分解処理できる。加えて、低廉な低温用反応器を使用できるので、高価な耐熱材料で設備を構成する必要が無くなり、設備費を安価にできる。
また、600℃以下の低温においても燃料に含まれるアンモニアが窒素と水素に分解する反応に加え、酸素によるアンモニアの窒素と水への分解反応が触媒表面で選択的に進むことによって高いアンモニア分解率が実現される。しかも、担体上に触媒活性成分が高分散担持され、燃料と触媒活性成分が接触する表面積が増大し、少量の触媒活性成分で高いアンモニア分解活性が得られる結果、担体に担持しない触媒より安価に製造できる。さらに、白金族、ランタノイド、及びアクチノイド以上の元素番号の元素の触媒と比べて安価に触媒を製造できるため、アンモニア分解処理費用を低減できる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のアンモニア分解処理方法は、炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含むアンモニア含有燃料に含まれるアンモニアを触媒に接触させて分解するものであり、担体に担持され且つニッケルを含む触媒に供給される燃料に、触媒の上流で当該燃料を気相燃焼させ得ない量でかつ触媒に供給されたときに触媒表面で触媒燃焼して触媒を600℃以下200℃以上に加熱するのに必要な量の酸素を前記燃料に対してモル比で0.0008超となるように添加し、触媒の表面に供給される酸素によって、触媒表面での触媒燃焼により触媒を600℃以下200℃以上に加熱しながら燃料中のアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に触媒表面で一酸化炭素等が炭素に分解される反応を同時に抑制するものである。尚、炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含むアンモニア含有燃料としては、より好ましくはアンモニアを除く可燃成分を10vol%以上含むと共に炭素原子を含む化合物を含み、かつアンモニアを含む燃料であり、ガス化燃料が代表的なものであるので、本実施形態においてはガス化燃料について主に説明する。
ここで、アンモニア分解触媒は、酸素の存在下かつ600℃以下でアンモニアを効率よく分解できる触媒が使用される。このような触媒としては、遷移元素並びに遷移元素以外の一部の元素が挙げられる。
アンモニアの触媒による水中酸化分解に関する研究によると、アンモニア以外に燃料成分が存在しない条件でのアンモニアの窒素への分解活性の序列は、Pt > Ru > Pd > Rh >> Cu, Co, Niである(岩本正和監修、「環境触媒ハンドブック」、エヌ・ティー・エス、p. 69、2001年11月20日)。また、アンモニアの分解率の序列に関する他の研究においては、Ru, Pd > Rh > Mo >> Co > Pt > Mn/CeO2 > Cr, Ni > Feである(岩本正和監修、「環境触媒ハンドブック」、エヌ・ティー・エス、p. 74表1、2001年11月20日)。このようにアンモニアの酸化活性を示す元素の多くは遷移元素である。その理由としては、以下に反応の一例を示すように、遷移元素が酸化数を変化させやすく、アンモニア(NH3)から電子を引き抜いて、遷移元素自身の酸化数を変化させるとともに、H+とNH2やN2に分解したり、H+とO2をH2Oに化合したりする能力を持つためと考えられる。
NH3 + Mn+ → NH2 + M(n-1)+ + H+
2NH2 → N2H4
N2H4 + 4Mn+ → N2 + 4M(n-1)+ + 4H+
2M(n-1)+ + 2H+ + 1/2 O2 → 2Mn+ + H2O
M; 遷移元素
また、遷移元素は水素の酸化活性も有しており、その序列は、PdO > PtO2 > RuO2 > Ag2O > Co3O4, Au > NiO > CuO, MnO2 > Fe2O3 > Cr2O3 > V2O5 であり(春田正毅、触媒、vol.29、No.4、p.299 (1987))、白金族の水素の酸化活性が高い。
ところが、本発明のアンモニア分解処理方法が対象とするアンモニア含有燃料たるガス化燃料中には水素が含まれている。したがって、水素の酸化活性が高いと、アンモニアを選択的に酸化することができない。また、水素以外にも、一酸化炭素、メタンなどの可燃成分が含まれることが多く、これらの酸化活性が高くても、アンモニアを選択的に酸化することができない。白金族の元素の触媒は600℃以上の高温で優れたアンモニア分解活性を有するが、600℃以下の温度では、水素等の酸化反応を優先的に進行させるためにアンモニアの分解活性が低い。これに対し、白金族以外の遷移金属は、600℃以下の温度では水素等の酸化活性が低く、アンモニアの窒素と水への酸化反応を選択的に進行させるために、優れたアンモニアの分解活性を示す。しかも、遷移金属は、600℃以下の温度で酸素を添加せずにガス化燃料を反応させると、触媒上に炭素が析出して急速に触媒性能が低下するが、酸素の添加によって炭素析出が防止され、触媒性能を長時間にわたり維持できる。なお、酸素の添加によってフュエルNOxが生成する可能性があるが、このフュエルNOxはガス化燃料中のアンモニアや水素等によって還元・分解されるため、触媒の出口からのフュエルNOxの排出を防止することができる。このことから、遷移元素のなかでも、水素、一酸化炭素、メタンなどの酸化活性が高い白金族を除いた遷移元素が、これらの可燃成分の存在下で、アンモニアを選択的に酸化する能力を持つと考えられる。
また。プロメチウム及びアクチノイド以上の元素番号の元素については、全て放射性元素であり、また元素番号104以上の元素についても天然に存在せず、現実的に使用が困難であることから、アンモニア分解活性を有し使用可能であるが好適な触媒活性成分としては除外することが好ましい。しかも高価である。
更に、プロメチウムを除くランタノイド(元素番号57〜60、62〜71)については、放射性元素でもなく、天然に存在し入手可能であり、アンモニア分解活性を有していることから使用可能であるが、高価である。このため、経済的理由が問題にならなければ触媒活性成分として使用することが可能である。
以上の理由から、触媒活性成分として好ましい遷移元素は、白金族及びプロメチウム及びアクチノイド以上の元素番号の元素を除く遷移元素(即ち、元素番号21〜29、39〜43,47,57〜60、62〜71,72〜75、79の元素)のうち少なくとも1種の元素であり、より好ましくは白金族、ランタノイド及びアクチノイド以上の元素番号の元素を除く遷移元素のうちの少なくとも1種の元素である。安価で入手し易すさを考慮すると、例えば鉄、コバルト、ニッケル、銅等を含むことが好ましい。
これら触媒活性成分は、担体を用いずに使用することも可能であるが、より好ましくは担体に担持して用いることである。触媒活性成分を担体に担持すると、活性成分粒子を担体上に高分散担持できるので、反応ガスとの接触面積が増大し、少量の活性成分によって600℃以下の温度でアンモニア分解反応の促進が可能となる。担体の形状および組成に制限はなく、例えば粒径が数cmの粒子であってもセル密度が数百セル/平方インチのハニカムであっても良い。また、ハニカムの表面に担体を担持し、その上に触媒を担持しても良い。また、担体の組成も制限はなく、例えばγ−アルミナ、チタニア、ジルコニアであっても良い。
また、触媒活性成分としては、性能は劣るものの安価な遷移元素以外の触媒例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ等の典型金属元素も使用可能である。これら典型金属元素の中から選ばれた1つの元素は、それだけで触媒活性成分を構成しても良いし、白金族及びプロメチウム及びアクチノイド以上の元素番号の元素を除く遷移元素のうち少なくとも1種の元素と同時に含んでも良い。
この触媒に対しガス化燃料に混入されて供給される酸素は、触媒の上流で当該ガス化燃料を気相燃焼させ得ない程度の少量であり、かつ触媒に供給されたときに触媒表面でガス化燃料を触媒燃焼させて触媒を600℃以下200℃以上に加熱するのに必要な量である。これにより、触媒表面にガス化燃料と共に酸素を供給し、酸素によるアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めることができる触媒によって、600℃以下での高いアンモニア分解率を達成しようとするものであり、また、酸素が触媒表面に供給されることによって、触媒表面で一酸化炭素等が炭素に分解される反応が進まなくなり、炭素析出が防止されるようにしたものである。尚、酸素は、純酸素の状態でガス化燃料に注入されても良いし、酸素を含むガスとして供給しても良い。即ち、酸素又は酸素を含むガスは、例えば酸素、空気、空気に酸素を混入して酸素濃度を増加させたガス等である。
ここで、触媒の加熱温度は600℃以下でかつ少なくともアンモニアの分解反応が起こる温度以上の範囲であれば何℃でも良いが、好ましくは600℃以下200℃以上の範囲であり、より好ましくは燃料組成などによって定まるアンモニアの分解反応が起こり易い温度帯域である。例えば、ガス化燃料の組成が水素が約11mol%、一酸化炭素が約28mol%、二酸化炭素が約4mol%、窒素が約54mol%、水蒸気が約3mol%で、Niなどに代表される遷移元素の触媒の場合には、好ましくは400℃〜600℃、より好ましくは400℃〜550℃、最も好ましくは500℃程度である。600℃を超えると、600℃以下に温度を下げる熱交換器が必要となるし、100℃未満ではほとんどアンモニアは分解されず、200℃程度で燃料がガス状を保って安定した分解反応を起こすものと思われる。さらに、温度が高いほど焼結によって活性成分粒子が凝集成長して表面積が減少し、触媒性能が低下するが、600℃以下の低温で触媒を使用できるために活性成分の焼結が防止され、触媒性能を長時間にわたり維持できる。
尚、酸素あるいは酸素を含むガスの供給量は、ガスの温度、燃料の流量、燃料の組成及び温度、ガス中の酸素の濃度並びにアンモニア分解処理装置の放熱量などに応じても変化するので、これらを考慮して適宜決定される。また、自己着火を起こし得ない程度の燃料と酸素との比率となる少量の酸素の場合には、触媒の上流で燃料中に混入しても、燃料は気相燃焼しない。その量は燃料の組成、圧力、入口温度、滞留時間、放熱などによって変化するが、概ね触媒表面での燃料の酸化熱によって触媒を600℃以下に加熱するのに必要な酸素量以下であれば、触媒上流で気相燃焼しない範囲を概ね含むものと思われる。
図1に、本発明を適用したガス化燃料のアンモニア分解処理装置の実施形態の一例を示す。このアンモニア分解処理装置2は、ガス化燃料を触媒3に接触させてガス化燃料に含まれるアンモニアを分解するもので、触媒3にガス化燃料Fと酸素又は酸素を含むガスOを供給して燃料を触媒3に接触させることによって燃料の一部を酸化させてその熱により触媒3を600℃以下に加熱するとともに、燃料中のアンモニアを触媒3で分解するものである。
本実施形態では、乾式脱硫装置1の下流にアンモニア分解処理装置2を配置し、ガス化燃料Fを乾式脱硫装置1で脱硫した後、酸素を含むガスOと共にアンモニア分解処理装置2の内部の触媒3に供給してガス化燃料Fの一部を酸化させる。アンモニア分解処理装置2を乾式脱硫装置1の下流に設置することにより、乾式脱硫装置により脱硫されたガス化燃料に含まれるアンモニアを分解するようにしているので、硫化水素による触媒被毒が防止され、触媒の活性が長時間持続される。
ガスOは酸素又は酸素を含むガスであり、例えば酸素、空気、空気に酸素を混入して酸素濃度を増加させたガス等である。酸素を含むガスOの流量は、ガス化燃料Fの酸化熱によって触媒が600℃以下に加熱されるのに必要な流量であれば良い。それ以上の流量を供給すると、下流の機器の耐熱温度を超えるために、アンモニア分解処理されたガス化燃料の冷却が必要となり、プラントの熱効率の低下および設備費の増加を招く。
酸素を含むガスOの流量は、ガスOの酸化熱によって触媒が600℃以下に加熱されるのに必要な流量に調節する。このため、その流量はガスO中の酸素の濃度、ガスOの温度、ガス化燃料Fの流量、組成及び温度、アンモニア分解処理装置2の放熱などに応じて決定される。酸素富化空気吹き石炭ガス化プラントにおいて、乾式脱硫装置1の下流にアンモニア分解処理装置2を配置する場合、想定される条件の一例として、ガス化燃料Fの組成は水素が10.5mol%、一酸化炭素が28.4mol%、二酸化炭素が3.6mol%、窒素が54.3mol%、水蒸気が3.1mol%、アンモニアが1040ppm、ガス化燃料Fの温度は420℃、ガスOの組成は100%酸素、ガスOの温度は100℃が挙げられる。この場合のガスOの流量は、例えばアンモニア分解処理装置2が断熱構造で放熱が無く、酸素が完全に消費されると仮定し、触媒を600℃に加熱する場合、ガス化燃料1molに対して約0.01molが必要になる。
アンモニア分解処理装置2の下流にはガスタービン燃焼器4が配置され、アンモニアを分解されたガス化燃料が供給される。その結果、燃焼器4内でのフュエルNOxの生成が抑制される。アンモニア分解処理装置2が燃焼器4の上流に設置されることによって、ガス化燃料に含まれるアンモニアを分解して燃焼器4に供給することができるので、燃焼器4で生成するフュエルNOxが低減され、燃焼排ガスのクリーン化が可能になる。
更に、燃焼器4の下流には脱硝装置が配置され、NOxがさらに低減されて、クリーンな排ガスが煙突14から放出される。燃焼器の下流に脱硝装置を設置することにより、アンモニア分解処理装置で分解されずに燃焼器に供給されるアンモニアに起因して、燃焼器内で生成するフュエルNOxに加え、サーマルNOxも低減され、燃焼排ガスの一層のクリーン化を可能とする。
次に、図2にアンモニア分解処理装置を並列に配置した装置の概略構成を示す。この装置は、上述のアンモニア分解処理装置2を並列に二台設置すると共に、当該アンモニア分解処理装置2を各々独立して運転可能にし、運転するアンモニア分解処理装置2を順次切り替えることでガス化燃料Fに含まれるアンモニアの分解処理を継続して行いながら休止状態のアンモニア分解処理装置2のメンテナンスを可能にしたものである。これにより、一方のアンモニア分解処理装置によってガス化燃料に含まれるアンモニアの分解処理を続けながら、他方のアンモニア分解処理装置のメンテナンス、例えば触媒の交換や再生作業を行うことができる。
本実施形態では、2台のアンモニア分解処理装置2を図示しない燃焼器の上流に並列に配置している。なお、2台のアンモニア分解処理装置2のうち、一方のアンモニア分解処理装置2及びその関連部材に符号Aを、他方のアンモニア分解処理装置2及びその関連部材に符号Bを付して説明する。
各アンモニア分解処理装置2へのガス化燃料Fの供給は燃料入口弁15の開閉により制御され、酸素を含むガスOの供給は酸素入口弁17の開閉により制御される。また、各アンモニア分解処理装置2の出口には、出口弁16及び18が設けられている。
いま、一方のアンモニア分解処理装置2Aを運転する場合には、出口弁18A及び他方のアンモニア分解処理装置2Bの燃料入口弁15B及び出口弁16B、18Bを閉じた状態で、一方のアンモニア分解処理装置2Aの燃料入口弁15A、酸素入口弁17A及び出口弁16Aを開弁する。これにより、ガス化燃料及び酸素を含むガスは一方のアンモニア分解処理装置2Aへと流れてアンモニア分解処理された後、図示しない燃焼器へと供給される。即ち、一方のアンモニア分解処理装置2Aが運転される。この状態では他方のアンモニア分解処理装置2Bは休止状態となっており、劣化した触媒3Bの交換などのメンテナンス作業を行うことができる。
なお、劣化の原因が炭素等の可燃性物質の場合には、触媒3Bを充填したまま酸素入口弁17B及び出口弁18Bを開弁し、劣化の原因物質を酸化処理によってガス化して除去排出し、触媒を交換せずに再生することができる。ここで、排出するガスは燃焼器出口または排熱回収ボイラ入口または脱硝装置入口等に供給して良い。
そして、所定期間稼働させた後、運転を一方のアンモニア分解処理装置2Aから他方のアンモニア分解処理装置2Bへと切り替える。即ち、一方のアンモニア分解処理装置2Aの燃料入口弁15A、酸素入口弁17A、及び出口弁16A、18Aを閉じると共に、他方のアンモニア分解処理装置2Bの燃料入口弁15B、酸素入口弁17B、及び出口弁16Bを開き、出口弁18Bを閉じる。これにより、ガス化燃料は他方のアンモニア分解処理装置2Bへと流れてアンモニア分解処理される。この状態では一方のアンモニア分解処理装置2Aは休止状態となるので、劣化した触媒3Aの再生、交換などのメンテナンス作業を行うことができる。即ち、プラントの燃料ガス化装置および燃焼器等を連続運転しながら、劣化した触媒3の再生処理や交換作業を行うことができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、担体に担持され、かつ白金族、ランタノイド、及びアクチノイド以上の元素番号の元素を除く遷移元素のうち少なくとも1種の元素を含む触媒を用いていたが、性能は劣るがより安価なそれ以外の触媒例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズなどを用いても良い。また、乾式脱硫装置1の下流にアンモニア分解処理装置2を配置していたが、ガス化燃料中の硫化水素が少ない場合、乾式脱硫装置1を省いても良い。また、下流にガスタービン燃焼器3を配置していたが、ガスタービン以外の燃焼器でも良く、化学製品の合成装置などの燃焼器以外の装置でも良い。また、燃焼器出口に脱硝装置12を配置していたが、脱硝装置を省いても良い。
また、本発明のアンモニア分解方法は、アンモニアを含み、かつ炭素原子を含む化合物も含む燃料であれば、ガス化ガス以外の燃料に対しても適用できることは言うまでもない。より具体的には、本発明は、アンモニアを除く可燃成分を10vol%以上含むと共に炭素原子を含む化合物を含み、かつアンモニアを含む燃料であれば、実施可能である。また、燃料の中でも特に酸素と反応し易いH2が含まれる燃料においても、上述の触媒を用いることによって、アンモニアを選択的に分解できることから、H2より酸素と反応し難い他の燃料の場合、より一層アンモニアを選択的に分解できると考えられる。なお、炭素析出防止効果を発揮するためには、燃料中に、炭素原子を含む化合物(一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、アルコール、フェノール、エーテル、ケトン等)を含む必要がある。また、少なくとも燃料が触媒表面に接する時点までに気化される燃料の方が好ましい。重質油や石炭等を直接触媒に供給すると、触媒上流で気化されず、液体や固体の状態で触媒に接するため、触媒に接しない部分、即ち液滴や固体粒子の内部でアンモニアの分解反応が進まず、十分な分解率を得られない可能性がある。
更に、このアンモニア分解処理方法は、燃料そのものに含まれるアンモニアを分解する場合に限られず、例えば下水処理や排水処理におけるアンモニア分解にも応用できる。即ち、アンモニアを含む下水や排水を気化して燃料を混入し、該燃料を気相燃焼させえない量でかつ前記触媒に供給されたときに前記触媒表面で触媒燃焼して前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱するのに必要な量の酸素を添加し、前記触媒の表面に供給される酸素によって、前記触媒表面での触媒燃焼により前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱しながら、前記下水や排水中のアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に触媒表面で一酸化炭素等が炭素に分解される反応を同時に抑制することによりアンモニアを分解し、その後に燃料を燃焼して処理を完了する。
(実施例1)
本発明においてガス化燃料中のアンモニアが分解される可能性を、ギブスのエネルギー最小化法を基にして開発された市販の化学平衡計算ソフトウェア(HSC Chemistry)を用いて調べた。図3に、酸素富化空気吹きガス化燃料を模擬した、水素が10.5mol%、一酸化炭素が28.4mol%、二酸化炭素が3.6mol%、窒素が54.3mol%、水蒸気が3.1mol%、アンモニアが1040ppmの組成のガス中のアンモニアの化学平衡組成を示す。図3から明らかなように、約600℃以下の温度では比較的アンモニアの化学平衡濃度が低く、アンモニアの分解速度が速ければ、アンモニアを低濃度に分解できる可能性がある。図4に、前記ガス組成のガス化燃料において、酸素添加が炭素析出に及ぼす影響を化学平衡計算によって求めた結果を示す。添加する酸素が多いほど炭素析出しない温度が低温側にシフトし、炭素析出し難くなる可能性がある。
(実施例2)
以下に示す方法により触媒を製造し、模擬石炭ガス化燃料中のアンモニアを窒素に分解する能力を調べた。担体であるアルミナ粉末は住友化学工業株式会社製TA−1301を用いた。硝酸ニッケル六水和物、アルミナ粉末に蒸留水を加え十分攪拌した。続いてホットプレート上で蒸発乾固を行い、溶媒を蒸発させた後粉末を採取した。得られた粉末は電気炉を用い、シリカゲルによる乾燥空気気流中10℃/minで昇温、800℃で2時間焼成し、自然放冷した。Ni担持量は15wt%になるように担持した。得られたNi/Al触媒は、プレス成形後9〜16メッシュに整粒した。次に、実験方法を示す。ボンベから質量流量調節計で流量を調節しながらN、H、CO、CO、O、2vol%NH/Nを混合器に供給し、定量ポンプを用いて蒸留水をスプレーノズルから混合器に噴射した。混合されたガスを反応管に供給し、反応ガスを分析した。反応管はインコネル製外管、石英製内管およびインコネル製シース管の三重管構造で、触媒層の軸方向温度分布をシース管内に挿入したK型熱電対で3点測定した。石英管の内径は16mm、シース管の外径は3.2mmで、石英製目皿の上に石英ウールを敷き、触媒を充填した。反応管はマッフル炉で加熱した。130℃に加熱したテフロン(デュポン社商標)製サンプルチューブを通して触媒出口からガスの一部を堀場製作所製FT−730Gフーリエ変換赤外分光光度計に導入し、NH、HCN、NO、NOおよびNOを定量分析した。同時に、塩化カルシウムを用いて室温で除湿後、Chrompack社製CP2002マイクロガスクロマトグラフィに導入し、H、CH、CO、CO、NおよびOを測定した。反応装置内の圧力は、反応装置出口の圧力調整弁で制御した。基準とした実験条件を表1に示す。酸素富化空気吹き石炭ガス化燃料を模擬した組成である。実験終了後の触媒の炭素析出量は、マックサイエンス製四重極質量分析・熱重量・示差熱分析装置TG−DTA2000Sを用いて測定した。アルミナセルに50mgの触媒を充填して天秤にセットし、21vol%のO濃度となるOとHeの混合ガスを100ml/minの流量で供給しながら、室温から1000℃まで10℃/minの速度で昇温し、COに相当するm/zが44のピーク強度を生じる温度範囲の重量減少を測定した。この値から、その温度範囲の触媒の酸化による重量増加を差し引いて、炭素析出量を計算した。
Figure 0004511282
図5に3.0mlの触媒を用い、大気圧下で反応させた場合の酸素の添加効果を示す。酸素/燃料が0.0008mol/mol以下では600℃以下の触媒温度でアンモニアの分解がほとんど進行しなかったが、酸素/燃料が0.004mol/mol以上で400℃から600℃の温度範囲における分解が促進され、特に酸素/燃料が0.008mol/mol、触媒温度が500℃の条件でアンモニアの窒素への転換率が44%を達成した。実験終了後の触媒への炭素析出量を図6に示す。なお、触媒は、各燃料/酸素条件で200℃から875℃までほぼ同じ温度履歴で7時間実験を行った後にそれぞれ反応器から取り出して、炭素析出量を測定している。図6から明らかなように、酸素を添加しない場合は触媒重量に対して約3wt%の炭素析出を生じたが、酸素/燃料が0.0008mol/molで急激に炭素析出量が減少し、0.004mol/molで炭素析出量が50分の1以下の0.06wt%以下に抑制された。
(実施例3)
前記Ni/Al触媒と同様の製法でRu/Al触媒を製造した。なお、Ruの原料試薬は硝酸ルテニウム六水和物を用いた。空筒、3.6mlの前記Ni/Al触媒、及び3.6mlの本Ru/Al触媒を用いて表1の条件で酸素/燃料が0.008mol/molの酸素を供給し、かつ0.9MPaの圧力で反応させた場合のアンモニアの窒素への転換率を図7に示す。空筒の場合、700℃以下の反応温度でアンモニアの分解がほとんど進行しなかった。Ru/Al触媒の場合は、約300℃の触媒温度で10%程度の転換率を示したが、温度の上昇と共に600℃まで転換率が減少した。なお、600℃以上では急激に転換率が上昇した。それに対し、Ni/Al触媒は約400℃から550℃にかけて高いアンモニア転換率を示した。
本発明のアンモニア分解処理方法を実施するアンモニア分解処理装置を組み込んだ発電システムの一実施形態を示す概略構成図である。 本発明にかかるアンモニア分解処理方法を実施する装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。 アンモニアを含む石炭ガス化模擬燃料の種々の圧力におけるアンモニアの化学平衡組成と温度の関係を示すグラフである。 アンモニアを含む石炭ガス化模擬燃料の炭素析出/非析出温度領域に関して、種々の圧力における酸素/燃料比の影響を化学平衡計算によって求めたグラフである。 実施例2の実験において、Ni/Al触媒を用い、アンモニアを含む石炭ガス化模擬燃料を大気圧下で反応させた場合の、アンモニアの転換率に及ぼす酸素/燃料比の影響を示すグラフである。 実施例2の実験において、各酸素/燃料比の反応実験を行った後の触媒の炭素析出量を測定し、反応時の酸素/燃料比が炭素析出量に与える影響を調べたグラフである。 実施例3の実験において、空筒、Ni/Al触媒、及びRu/Al触媒について、アンモニアを含む石炭ガス化模擬燃料に酸素/燃料が0.008mol/molの酸素を供給し、かつ0.9MPaの圧力で反応させた場合の、アンモニアの転換率を示すグラフである。
符号の説明
1 乾式脱硫装置
2 アンモニア分解処理装置
3 触媒
4 燃焼器
5 空気圧縮機
6 ガスタービン
7 発電機
8 排熱回収ボイラ
9 蒸気タービン
10 発電機
11 コンデンサー
12 加圧ポンプ
13 脱硝装置
14 煙突
15 燃料入口弁
16 出口弁
17 酸素入口弁
18 出口弁
A 空気
F ガス化燃料
O 酸素を含むガス
G アンモニアを分解処理したガス化燃料
H 触媒再生時に発生したガス

Claims (3)

  1. 炭素原子を含む化合物とH とを少なくとも含み前記炭素を含む化合物として少なくとも一酸化炭素を含むアンモニア含有燃料に、担体に担持され且つニッケルを含む触媒の上流で当該燃料を気相燃焼させえない量でかつ前記触媒に供給されたときに前記触媒表面で触媒燃焼して前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱するのに必要な量の酸素を前記燃料に対してモル比で0.0008超となるように添加し、前記触媒の表面に供給される酸素によって、前記触媒表面での触媒燃焼により前記触媒を600℃以下200℃以上に加熱しながら前記燃料中のアンモニアの窒素と水への分解反応を選択的に進めると共に前記触媒表面で前記炭素原子を含む化合物が炭素に分解される反応を同時に抑制する乾式アンモニア分解処理方法。
  2. 前記燃料に対する前記酸素のモル比を少なくとも0.004とし、前記触媒を600℃以下400℃以上に加熱する請求項1に記載の乾式アンモニア分解処理方法。
  3. 前記燃料はガス化燃料である請求項1または2記載の乾式アンモニア分解処理方法。
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