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JP4508535B2 - 安全タイヤおよび安全タイヤ用中子 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外傷を受けた後も通常の走行を可能とする安全タイヤおよびこの安全タイヤに供する中子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ内部にゲージ圧で150kPaから250kPa程度の圧力下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
【0003】
ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥るのである。
【0004】
そこで、パンク状態においても走行を可能とする、いわゆる安全タイヤについて多くの提案がなされている。例えば、自動車用の空気入り安全タイヤ及びリム組立体としては、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に荷重支持装置を配設したもの、タイヤサイド部を補強したものなど種々のタイプのものが提案されている。これらの提案の内、実際に使用されている技術としては、タイヤのサイドウォール部を中心にショルダー部からビ−ド部にかけての内面に比較的硬質のゴムからなるサイド補強層を設けたタイヤがあり、この種のタイヤは主にへん平比が60%以下の、いわゆるランフラットタイヤとして適用されている。
【0005】
しかし、サイド補強層を追加する手法は、タイヤ重量を30%から40%も増加してタイヤの縦ばね定数を上昇するため、転がり抵抗の大幅な悪化とパンク前の通常走行時の乗り心地性低下をまねく不利がある。従って、通常走行時の性能、燃費および環境に悪い影響を与えることから、未だ汎用性に乏しい技術である。
【0006】
一方、タイヤ断面高さの高い、へん平比が60%以上の空気入りタイヤにおいては、比較的高速かつ長距離の走行によるサイドウォール部の発熱を避けるために、リムに中子などの内部支持体を固定してパンク時の荷重を支持する構造とした、ランフラットタイヤが主に適用されている。
【0007】
しかし、パンク後のランフラット時にタイヤと内部支持体との間で発生する、局所的な繰り返し応力にタイヤが耐えることができずに、結果としてパンク後の走行距離は100kmから200km程度に限定されていた。加えて、内部支持体をタイヤ内部に配置してからタイヤをリムに組み付ける作業は、煩雑で長時間を要することも問題であった。この点、リムの幅方向一端側と他端側とのリム径に差を設けて、内部支持体を挿入し易くした工夫も提案されているが、十分な効果は得られていない。
【0008】
なお、内部支持体をそなえるランフラットタイヤのパンク後の走行距離を延ばすには、骨格材を追加してタイヤ構造をより重厚にすることが有効であるが、骨格材を追加した分、通常使用時の転がり抵抗や乗り心地性が悪化するため、この手法を採用することは現実的ではない。
【0009】
さらに、これらの従来技術の安全タイヤは、通常のアスファルト路面や、不整地路面等の摩擦係数がある程度高い路面では、パンク後の走行能力をある程度発揮できる。しかしながら、冬期の氷路や雪路に代表される摩擦係数の低い路面では、パンクしたタイヤが駆動輪ではなく遊輪であった場合、大きな欠点を露呈することとなる。すなわち、パンク前の状態では、当然タイヤの撓みが小さく、円に近い形状を保っているため、発進時に駆動輪から発生する駆動力によって車両が動き始めたとき、車両の動きに伴って遊輪が転動を始める。ところが、パンク後の状態では、タイヤの撓みが大きく、円形状からは逸脱した形状となる。遊輪は、ホイールが自ら転動できない、すなわち駆動力を出せない車輪であるため、遊輪の転動は、車両の動きと路面の摩擦係数に依存する事となる。よって摩擦係数の低い路面では、車両が動き始めても、路面の摩擦係数が低いために、パンクにより大きく撓んで円形状から逸脱したタイヤは、接地踏面内で大きな滑りを発生し、転動することなく引きずられながら車両と共に移動することとなる。その理由は、接地踏面内での接地圧力分布が、パンク前の比較的均一な状態に比して、大きな撓み変形と共に極端に不均一になるからである。このような状況は、発進時のみではなく、制動時にも発生する。よって、あらかじめ車両に搭載された機能である摩擦係数の低い路面で安全な走行を補完するための「駆動力調整機能(トラクションコントロールシステム)」や、制動時のタイヤロックを回避する「制動力調整機能(アンチロックブレーキシステム)」などが充分に発揮しないばかりか、誤作動を起こし、車両が制御不能に陥る危険性をはらんでいるのである。特に、前輪が遊輪かつ操舵輪であり、後輪が駆動輪である車両においては、前輪がパンクすると操舵性が極端に低下し、大変危険な状態に陥る事は言うまでもない。
【0010】
また、タイヤとこれに組付けるリムとの組立体の内部空洞へ独立気泡を有する発泡体を充填したタイヤが、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4などに記載されている。これらに提案されたタイヤは、主に農耕用タイヤ、ラリー用タイヤ、二輪車用タイヤおよび自転車タイヤなど特殊な、または小型のタイヤに限定されるものである。従って、乗用車用タイヤやトラックおよびバス用タイヤなど、とりわけ転がり抵抗や乗り心地性を重視するタイヤへの適用は未知数であった。そしていずれの発泡体も発泡倍率が低いために、気泡を有する発泡体のわりには重量が大きく、振動乗り心地性や燃費の悪化を避けられない上、その独立気泡内部は大気圧であるため、従来タイヤの高圧空気の代替とするには機能的に不十分であった。
【0011】
さらに、特許文献5には、発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレスタイヤが開示されているが、気泡内圧が大気圧に極めて近いことによる不利に加え、発泡体がウレタン系であるために、ウレタン基の分子間水素結合に起因するエネルギーロスが大きく、自己発熱性が高い。よって、ウレタン発泡体をタイヤ内に充填した場合、タイヤ転動時のくり返し変形により、発泡体が発熱し大幅に耐久性が低下する。また、気泡を独立して形成するのが難しい素材を用いているため、気泡が連通しやすくて気体を保持することが難しく、所望のタイヤ内圧(荷重支持能力又はたわみ抑制能力、以下同様)を得られない不利がある。
【0012】
さらにまた、特許文献6には、独立気泡を主体とする多気泡体の外周をゴムや合成樹脂等の厚さ0.5〜3mmの外包皮膜で一体的に包被密封した膨張圧力気泡体の多数をタイヤ内に充填し、該タイヤを規定内圧に保持した、パンクレスタイヤが提案されている。この技術は、発泡体の気泡内気圧を常圧より高くするために、膨張圧力気泡体となる独立気泡体形成配合原料中の発泡剤配合量をタイヤ内容積に対して、少なくとも同等以上の発生ガスが発生する発泡剤配合量に設定しており、これによって通常の少なくとも空気入りタイヤと同様の性能を目指している。
【0013】
上記技術では、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸を防ぐために、外包皮膜で一体的に包被密封しているが、この外包皮膜の材料として例示されているものは、自動車用チューブまたは該チューブ形成用配合物のような材料のみである。
つまり、タイヤチューブ等に用いられる、窒素ガス透過性の低いブチルラバーを主体とした軟質弾性外包皮膜にて包被密封を施し、これらの多数をタイヤ内に充填している。製法としては、軟質弾性外包皮膜として未加硫のタイヤチューブを、膨張圧力気泡体として未加硫の独立気泡体形成配合原料を用い、これらの多数をタイヤとリムの組立体の内部に配置後、加熱により発泡させ、発泡体充填タイヤを得ている。発泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気は、リムに開けられた排気小孔から自然排気される。
【0014】
ここで、乗用車用タイヤの内圧は、一般的に常温における150〜250kPa程度に設定されるため、上記の発泡体充填タイヤを製造するには、その加硫成形の加熱時(140℃程度)の状態において、絶対圧で上記内圧の約1.5倍程度になっているものと、気体の状態方程式から推定される。ところが、この程度の圧力レベルでは、加硫圧力不足をまねいてブローンが発生するのを避けることは出来ない。このブローン現象を回避するためには、発泡剤配合量を大幅に増加して発泡による発生圧力を高めたり、加熱温度を高める必要がある。しかしながら、発泡剤配合量を増加する手法は、発泡剤配合量の増加により常温時の内圧が300kPaを大きく超えてしまうため、従来の空気入りタイヤの代替品とするのは困難であった。また、加熱温度を高める手法は、熱老化によるタイヤのダメージが大きくなってタイヤの耐久性を大幅に悪化させるため、長期使用における耐久性に問題が生じる。一方、タイヤおよびリム組立体の内部には、軟質弾性外包皮膜に包まれた膨張圧力気泡体が多数配置されているが、上記ブローンが発生した軟質弾性外包皮膜同士の摩擦、タイヤ内面およびリム内面との摩擦等、耐久性面での問題が大きい。以上から上記の問題は、膨張圧力気泡体の形状が一体的なドーナツ形状をとるのとは異なり、分割された多数の膨張圧力気泡体を配置することに起因する大きな欠点とも言える。また、リムに開けられた排気小孔は、膨張圧力気泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気を自然排気するためには有効であるものの、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸経路となってしまうため、長期間の使用に耐えうるものではない。
【0015】
さらに、軟質弾性外包皮膜として、タイヤチューブ等の、窒素ガス透過性が小さいブチルラバーを主体とした配合組成物を用いているが、ブチルラバーは加硫反応速度が極めて遅いために、反応を完結させるためには、140℃程度の温度では多大なる加熱時間を必要とする。このことは、軟質弾性外包皮膜の架橋密度不足を意味し、軟質弾性外包皮膜の剥離発生の一要因になることはいうまでもない。また、加熱時間の延長は、前述した熱老化によるタイヤのダメージを更に大きくするため、耐久性の低下を避けられず、得策とはいえない。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−127207号公報
【特許文献2】
特開平6−183226号公報
【特許文献3】
特開平7−186610号公報
【特許文献4】
特開平8−332805号公報
【特許文献5】
特許第2987076号公報
【特許文献6】
特開昭48−47002号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、通常走行時における転がり抵抗および乗り心地性を犠牲にすることなしに、タイヤ受傷後にあっても安定した走行が可能となる安全タイヤについて提案することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)タイヤをリムに装着し、該タイヤとリムとで区画されたタイヤの内部に、中空リング状の隔壁を介してリムに沿って周方向に延びる室を区画し、該室内に発泡性組成物を配置した安全タイヤであって、前記隔壁は、発泡性組成物を封入する隔壁本体部分と、リムと接するベース部分とが、異なる素材からなることを特徴とする安全タイヤ。
【0019】
(2)上記(1)において、隔壁は、熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする安全タイヤ。
【0020】
(3)タイヤをリムに装着し、該タイヤとリムとで区画されたタイヤの内部に、中空リング状の隔壁を介してリムに沿って周方向に延びる室を区画し、該室内に発泡性組成物を配置した安全タイヤであって、前記隔壁は、熱可塑性樹脂組成物による外層と弾性体による内層とからなるラミネート構造であることを特徴とする安全タイヤ。
【0022】
)上記(1)ないし()のいずれかにおいて、隔壁の内部が、周方向に並ぶ4個以上の室に仕切られたことを特徴とする安全タイヤ。
【0023】
)上記(1)ないし()のいずれかにおいて、発泡性組成物は、発泡剤を封入した粒子から成ることを特徴とする安全タイヤ。
【0024】
)上記()において、粒子の連続相が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とする安全タイヤ。
【0025】
)上記()または()において、粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
【0026】
)上記()または()において、粒子の連続相がアクリル系重合体から成り、該アクリル系重合体は、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
【0027】
)上記()または()において、粒子の連続相が塩化ビニリデン系重合体から成り、該塩化ビニリデン系重合体は、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体および塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
【0028】
10)上記()ないし()のいずれかにおいて、粒子の内部に、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
−O−R---- (I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体を有することを特徴とする安全タイヤ。
【0029】
11タイヤとそのリムとで区画されたタイヤの内部に、該リムに沿って配置され、タイヤパンク時に荷重支持機能を発揮する、中空リング体の内部に発泡性組成物を配置した中子であって、該中空リング体は、リムと接する側のベース部分に、リムのフランジ高さ以上の深さで径方向外側に窪むドロップ部を有することを特徴とする安全タイヤ用中子。
【0030】
12) 上記(11)において、発泡性組成物は、発泡剤を封入した粒子から成ることを特徴とする安全タイヤ用中子。
【0032】
【発明の実施の形態】
まず、この発明が対象とする安全タイヤについて、その幅方向断面を示す図1に基づいて説明する。
すなわち、図1の安全タイヤは、タイヤ1をリム2に装着し、該タイヤ1とリム2とで区画されたタイヤ1の内部に、中空リング状の隔壁3を介してリム2に沿って周方向に延びる室4を区画し、該室4内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる、発泡性組成物5を配置して成る。なお、タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、例えば乗用車用タイヤなどの一般に従うものであれば、特に構造を限定する必要はない。例えば、図示のタイヤは一般的な乗用車用タイヤであり、1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部に、その半径方向外側へ順にベルトおよびトレッドを配置して成る。
【0033】
なお、図において、符号6は、隔壁3部分をリム2周りに組み付ける際に、該リムのフランジを落とし込むための凹所からなるドロップ部である。すなわち、隔壁3部分を後述のように中空リング体としてタイヤ1内部に組み込む際、リム径よりも小径とした中空リング体を用いて、中空リング体そのものがリムを締め付けることによって、リムに中空リング体を固定している。従って、リムベースより大径のフランジを中空リング体が通過するためのドロップ部が必要になる。このドロップ部は、図1に示すように、リムのフランジ高さh以上の深さdで径方向外側に窪むことが好ましい。
【0034】
ただし、上記のドロップ部は、通常リムに組み付ける際に必要となるものであって、一部の特殊リムにこの発明を適用する際には、ドロップ部を必要としない場合もある。例えば図2に示すような、車両装着時の内側と外側とで内径の異なる特殊リム2A、すなわちリムの底部に窪みを持たないタイプのホイールに、この発明に従う中空リング体を適用する際は、この中空リング体がドロップ部を有する必要はない。
【0035】
また、隔壁3は、熱可塑性樹脂組成物による外層3aと弾性体からなる内層3bとからなるラミネート構造であることが好ましい。この隔壁3を、リム2のリムベースに沿って配置することによって、タイヤ1内面と接触しない配置とする。仮に、大きな入力をタイヤが受けた場合でも、隔壁3が上記の配置である上、それ自体が柔軟であるため、大きな衝撃を受けることなく、通常使用時に乗り心地が阻害されることはない。なお、隔壁3で区画された室4の外側には、窒素や空気などの気体を充填して内圧を付与する。
【0036】
ここで、上記発泡性組成物5は、略球形状の樹脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する、例えば径が10μmから500μm程度の中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該発泡性組成物5は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。この粒子が独立気泡を有するとは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻を有することである。上記の樹脂による連続相とは、この樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相を指す。
【0037】
この発泡性組成物5を室4内部に配置したタイヤが、図3(a)に示すように、受傷Kすると、まずタイヤ1内部で気体が担っていた内圧が徐々に、または急激に減少する。すると、図3(a)に示すように、タイヤ1が撓み、その結果、タイヤ内面と隔壁3外面とが接触し始める。このとき、タイヤ内面と隔壁3外面との間の周長差により双方が擦れ合い、その際の摩擦熱による発熱現象が起きる。この発熱によって、隔壁3、特に隔壁がラミネート構造である場合の熱可塑性樹脂組成物による外層3aが、その溶融点を超えると、一気に流動性を増すことになる。同時に、隔壁3内部に閉じ込められていた発泡性組成物5も、その体積膨張温度を超えた段階で、隔壁を押し広げる向きに作用する。加えて、車重によって変形する隔壁内部では、発泡性組成物同士も擦れ合いを起こし、その自己発熱作用が体積膨張現象を加速する。
【0038】
ここで、隔壁3の内層3bを形成する弾性体は、上記の発熱レベルにおいて、その物性を大きく損なうことはない。よって、発熱により隔壁の外層が溶融しても、発泡性組成物そのものおよび、その発泡圧を隔壁外部に漏洩させることなく、隔壁を拡張させることが可能となる。従って、サイドカットなどの、特に大きな受傷があった場合でも、上記弾性体の内層3bが存在するため、内部からの発泡性組成物の噴出を抑え、図3(b)に示すように、隔壁3はタイヤ1内面に接するまで拡張可能となり、タイヤの内圧が完全に消失した状況からでも内圧の補填が行える。
【0039】
以上の現象により、一旦は低下あるいは消失したタイヤの内圧が、発泡性組成物の発泡圧によって、再度補填され、車重を支持するに足るタイヤ内圧を得る結果となる。かように、パンクに陥ったタイヤのカーカス及びベルト等のタイヤ骨格部に張力が付与される結果、タイヤ受傷後も健全な走行が可能となる。
【0040】
なお、隔壁3の外層3aを構成する熱可塑性樹脂の、熱による物性変化を適切に制御することによって、上記した隔壁内層の機能を外層3aに併せ持たせることも可能である。つまり、適切な隔壁材料の選定により、図4に示すように、内層を省略した単一層による隔壁3によって、上記のラミネート構造と同様の機能を得ることも可能である。
【0041】
さらに、図5に示すように、隔壁3は、発泡性組成物を封入する隔壁本体30aと、リム2と接するベース部30bとを組み合わせて構成し、その素材を異ならせることによって、隔壁本体30aおよびベース部30bのそれぞれに適した性能を与えることもできる。かように、隔壁3を分割構造とすれば、各部品毎の成形も可能となるため、隔壁の成形を簡素化するのにも役立てることができる。
例えば、隔壁本体30aには、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタンが適している。そして、ベース部30bには、ナイロン、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタールなどの他、天然ゴムやブチルゴム加硫物等のゴム弾性体も適用可能である。また、上記ゴム弾性体は、スチールワイヤを埋め込んだ、ビード補強構造を適用してもよい。
【0042】
ここで、隔壁3の外層3aが溶融を開始する温度、並びに発泡性組成物が体積膨張を開始する温度は、通常使用時の温度範囲をこえた温度域に設定する必要があり、具体的には、タイヤの種類や使用条件などによって適宜選択すればよい。
例えば、サマータイヤはウインタータイヤに比較して使用温度域が高いため、発泡開始温度は高く設定することが好ましい。
【0043】
更に、タイヤに異物が刺さったまま走行する場合を想定してみる。この発明の安全タイヤが釘等の異物を刺したまま走行すると、異物の大きさによっては、これが隔壁3まで達する場合もあり、隔壁3を破損する可能性がある。隔壁3が破損されると、隔壁3内部に封入された発泡性組成物は、その損傷部から隔壁3外に漏れ出し、上述のような発熱・膨張作用が得られず、ひいては、荷重支持能力を消失する可能性がある。かような事態に対しては、図5に示すように、隔壁3内部を周方向に仕切り複室化することによって、破損による発泡性組成物の漏洩を最小限に食い止め、安全タイヤの基本性能を確保することが好ましい。
【0044】
複室化するに当たっては、4室以上20室以下の範囲に収めることが好適である。つまり、3室以下と少ないと、一箇所の損傷から漏洩する発泡性組成物量が多くなり、基本性能の維持が困難となるためである。また、各室間の仕切り壁の重量は総重量に加算されるため、20室をこえると安全タイヤの重量アップが無視できなくなり、燃費の悪化などを引き起こし、得策とは言えないからである。
【0045】
なお、タイヤ1、隔壁3部分およびホィールのリム2を所定の状態に配置した後に、隔壁3内部へ発泡性組成物を充填する事も可能だが、その組み込み作業の簡素化を図る為には、予め発泡性組成物を充填した(隔壁となる)中空リング状の中子を、リム組みと同時に装着する事が好ましい。
【0046】
ここで、隔壁3は熱可塑性樹脂組成物と弾性体とからなっているため、常温においてもある程度の伸縮性を保持している。従って、その形状を適切に設計すること(例えば、上記ドロップ部6を設けること)により、特殊な装置や治具を用いることなく、タイヤのリム組みと同時にホィールへ組み込むことが可能となる。言うまでも無く、ホィール径やリム幅毎にその形状が設計されるべきであるが、この発明を適応するにあたり特殊なタイヤやホィールを用意する必要は無く、市販タイヤ、市販ホイールをそのまま転用可能である。なお、隔壁となる中子をリムに組み付けるには、上記ドロップ部6を介して機械的にリムベースに固定するか、あるいは接着剤を用いることも可能である。
【0047】
さらに、後述する図8や図10に示すような、機械的な剛性によって車重を支える従来の中子とは異なり、内部に封入した発泡性組成物の発泡圧を用いて車重を支える為、隔壁そのものを強靭な構造体とする必要は無く、その構成部材が樹脂であるという利点も加わり重量が軽く、よって省燃費化が期待できる。かように、軽量化されたシステムの採用は、常用走行時の乗り心地性及び操縦性に影響を与えるユニフォーミティーヘの悪影響を排除することも可能となり、通常の空気入りタイヤとほぼ同等の常用走行性能を発揮することができる。
【0048】
ここで、隔壁内には酸素が存在しないことが好ましい。すなわち、発泡性組成物が摩擦により静電気を帯びる可能性が有り、しかも炭素数3〜8程度のガスを加圧下で液化封入した樹脂を発泡性組成物として用いた場合には、この樹脂の外側に上記ガスが漏れ出た場合に、スパークにより発火する危険があるからである。よって、発泡性組成物内の封入ガスや隔壁内のガスに、フルオロ化ガスや窒素などの不活性ガスを用いることが好ましい。
【0049】
次に、発泡性組成物としては、熱分解性発泡剤単体、重合体と発泡剤とを配合してなるもの、とりわけ発泡剤を重合体による連続相とする粒子中に封入したもの、または重合体中に発泡剤を分散させたものが有利に適合する。すなわち、発泡性組成物として熱分解性発泡剤のみを用いると、発泡後には弾性体内に気体が充満した、在来のチューブ入りタイヤと何ら変わらない態様となるのに対し、重合体と発泡剤の組み合わせによる発泡組成物を用いると、重合体による連続相と気泡、好ましくは独立気泡とからなる複合体とすることができる。
【0050】
ここに、粒子の連続相は、ガス透過性の低い材質によること、具体的には、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエステル樹脂(PET)およびポリスチレン/ポリエチレン共重合体(PS/PE)のいずれか少なくとも1種から成ることが、肝要である。これらの材料は、いずれもタイヤ内で比較的容易に発泡させることができ、タイヤ変形による入力に対して柔軟性を有するため、この発明に特に有効である。
【0051】
とりわけ、粒子の連続相には、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに、アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種、アクリル系重合体としては、メチルメタクリレート樹脂(MMA)、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体(MMA/AN)、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体(MMA/MAN)およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体(MMA/AN/MAN)から選ばれた少なくとも1種、そして塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体の透過性が低いために、独立気泡内の気体が外部に漏れることはなく、独立気泡内の気圧を保持することができる。
【0052】
また、粒子の独立気泡を構成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
−O−R---- (I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、タイヤ内に充填する気体は、空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。
【0053】
尚、独立気泡を有する粒子とする方法は特に限定されないが、発泡剤を用いることが好ましい。この発泡剤としては、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤のほか、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどを挙げることができる。
特に、熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、これらによる発泡性樹脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内に窒素を有するものとなる。
【0054】
さらに、粒子を形成する上記樹脂連続相重合の際、高圧下でプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタン等を液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法もあり、これによりプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタン等のガス成分を液体状態で上記樹脂連続相にて封じ込めた発泡性の樹脂粒子を得ることができ、これをもってタイヤ内に充填し、加熱により粒子とした場合は、気泡内にプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが封入される。なお、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン、の異性体としては、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、メチルヘキサン類、ジメチルペンタン類、トリメチルブタン、メチルヘプタン類、ジメチルヘキサン類およびトリメチルペンタン類等を挙げることができる。
【0055】
なお、上記の重合の際、上述したように、モノマーとガスとの量比や、液化ガスの加熱発泡条件を適宜に調節することによって、粒子の粒径並びに膜厚を制御することができる。
【0056】
特に、タイヤ受傷後の内圧付与手段とする場合は、重合体による達続相と独立気泡とからなる複合体を、隔壁内に生成させることが好ましい。かような複合体は、個々の気泡が樹脂膜で囲まれて孤立している、独立気泡を有するものであり、発泡性組成物の体積を増加させる原動力としての内包ガスを効率良く保持できるため、タイヤに残留した釘などにより隔壁が傷ついた場合にも、内包ガスが隔壁外に散逸する事を防ぐことができる。
【0057】
さて、発泡性組成物の体積膨張作用により内圧補填を受けたタイヤがさらに外傷を受けると、外傷近傍の弾性体層の一部が損傷して、発泡性組成物あるいは/及び、その内包ガスの一部がタイヤ外部に散逸する可能性がある。しかし、この現象は、極めて微小な領域で内圧低下が起こるにすぎないため、その損傷によってタイヤがケース張力を失うことはなく、従来の空気入りタイヤにおけるパンク状態に陥ることはない。
【0058】
さらに、発泡性組成物が粉粒体の場合、粉粒体の圧密作用により外傷が封止されてしまうため、タイヤ機能を損なうほど発泡性組成物を消失することはあり得ない。この弾性体の破損を考慮した場合、発泡性組成物内に封入された気体が外部へ漏れないこと、換言すると、発泡性組成物のシェルを構成する連続相が、気体を透過し難い性質であることが肝要である。
【0059】
ここで、隔壁の外層には、熱可塑性樹脂を用いる。何故なら、パンク時の発熱により溶融する事によって、隔壁内部で発生する高圧ガスをタイヤ内圧として用いることが可能となるからである。具体的には、ポリプロピレンやスチレン共重合体、熱可塑性ナイロンおよび熱可塑性ウレタンなどの、特定の温度で軟化する樹脂ならば、適用可能である。
【0060】
さらに、形状面では、ホイールに組み込む際にホイールフランジを落とし込む、上記ドロップ部6を有している事が重要である。また、通常の空気充填の阻害とならないように、バルブからタイヤ内部に通じる、空気の流路を確保する必要がある。
【0061】
また、隔壁の内層を形成する弾性体としては、例えば、天然ゴム、イソプレン・イソブチレン共重合体のハロゲン化物およびイソブチレン・パラメチルステレン共重合体のハロゲン化物からなる、加硫物並びに混合物が挙げられ、その他、熱可塑性ウレタンなどのゴム以外の弾性体も適用可能である。
【0062】
なぜなら、ナイロン樹脂を連続相とすることによって、耐ガス透過性が極めて良好になる結果、内包ガス保持機能を強化でき、柔軟性に富み、かつ耐熱性及び耐久性に優れた弾性体が得られるからである。つまり、発泡性組成物の連続のガス透過性が高い場合でも、弾性体のガス透過性が低ければ、内包ガスが隔壁外に漏れ出ることは少なくなり、タイヤの内圧を保持するのに有利である。
【0063】
なお、上記した例では、隔壁3を外層および内層からなる積層構造のものを示しているが、隔壁を従来のチューブのように50質量%以上のブチルゴムを含むゴム組成物の単層構造とすることも可能である。しかしながら、上記した種々の作用を期待する場合は、ラミネート構造とすることが有利である。
特に、タイヤが受傷して内圧が下がるとビードがリムから外れ易いが、ラモネート構造の中子を配置することによって、この内圧低下時のリムからのタイヤの脱落を防ぐことができ、有利である。
【0064】
なお、隔壁となる中子は、中空リング体の内部に発泡性組成物を充填後に、その充填口を融着などの手段で塞ぐことでの作製できる。この発泡性組成物の充填の際、高圧気体を併せて充填することも可能である。
【0065】
【実施例】
195/60R15の乗用車用タイヤ(市販品)を6.0J×15のリムに装着したタイヤ車輪について、表1に示す種々の仕様の下に試作した。この発明に従う例1〜では、表1に示す所定量の発泡性組成物を、予め中空リング体内に充填して安全タイヤ用中子を作製し、タイヤをリムに組み込む際に該中子をタイヤ内部のリムに沿って配置して製品とした。また、比較として、図7に示す通常のタイヤの他、従来技術に従う各種の中子10a〜10c(図8〜10参照)を設置した安全タイヤを試作した。
【0066】
【表1】
Figure 0004508535
【0067】
次に、各試作タイヤのそれぞれについて、2000ccクラスの前輪駆動乗用車に装着して、4名乗車相当の荷重を付加して、次に示す評価を行った。
まず、試験車両の4輪に試作タイヤを装着して、テストコースを走行してテストドラバー2名による、乗り心地性のフィーリング評価を行った。評価は、10点満点で行い、テストドラバー2名の平均値を採用した。この数値が大きいほど乗り心地性に優れることを示している。
【0068】
また、試験車両の4輪に試作タイヤを装着した後、径3mm及び長さ4cmの釘をタイヤトレッド部に貫通させて抜き取り、その後、タイヤ内圧が大気圧まで低下したことを確認してから、テストコースを90km/hで走行させた。この走行を最長200kmまで実施し、走行可能距離を測定した。なお、判定基準は、走行距離200kmを完走とした。これらの調査結果を、表2に示す。
【0069】
【表2】
Figure 0004508535
【0070】
さらに、試験車両の右前輪に試作タイヤを装着し、車両進行方向に対して90°の角度をもって路面に設置した、幅5cm、高さ5cmおよび長さ50cmの金属製段差モデルを、60km/hで乗り越す試験を、内圧を所定値から段階的に低減して繰り返し行った。この試験は、車両のサスペンションに取り付けた加速度センサーによって、ばね下に加わる衝撃を測定して評価した。つまり、この衝撃値が大きいほど、中子とタイヤ内面との接触が厳しい状態にあることを示していて、タイヤ内圧を保持するために最も重要な役割を果たす、インナーライナー層の損傷だけでなく、中子の破壊、ホイールの変形および車体足廻りの変形など、不具合の発生率が高くなることを示唆している。この評価結果を、表3に示す。
【0071】
【表3】
Figure 0004508535
【0072】
【発明の効果】
この発明によって、タイヤ受傷前の通常走行時における転がり抵抗および乗り心地性を犠牲にすることなしに、タイヤ受傷状態にあっても安定した走行を可能とした安全タイヤを、効率良くかつ経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図2】 この発明に従う別の安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図3】 この発明に従う安全タイヤにおける受傷時の挙動を示す図である。
【図4】 この発明に従う別の安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図5】 この発明に従う別の安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図6】 この発明における隔壁内の複室化を示す図である。
【図7】 通常タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図8】 在来手法による安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図9】 在来手法による安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【図10】 在来手法による安全タイヤを示すタイヤ幅方向断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 リム
3 隔壁
4 室
5 発泡組成物
6 ドロップ部

Claims (12)

  1. タイヤをリムに装着し、該タイヤとリムとで区画されたタイヤの内部に、中空リング状の隔壁を介してリムに沿って周方向に延びる室を区画し、該室内に発泡性組成物を配置した安全タイヤであって、前記隔壁は、発泡性組成物を封入する隔壁本体部分と、リムと接するベース部分とが、異なる素材からなることを特徴とする安全タイヤ。
  2. 請求項1において、隔壁は、熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする安全タイヤ。
  3. タイヤをリムに装着し、該タイヤとリムとで区画されたタイヤの内部に、中空リング状の隔壁を介してリムに沿って周方向に延びる室を区画し、該室内に発泡性組成物を配置した安全タイヤであって、前記隔壁は、熱可塑性樹脂組成物による外層と弾性体による内層とからなるラミネート構造であることを特徴とする安全タイヤ。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、隔壁の内部が、周方向に並ぶ4個以上の室に仕切られたことを特徴とする安全タイヤ。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、発泡性組成物は、発泡剤を封入した粒子から成ることを特徴とする安全タイヤ。
  6. 請求項において、粒子の連続相が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とする安全タイヤ。
  7. 請求項またはにおいて、粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
  8. 請求項またはにおいて、粒子の連続相がアクリル系重合体から成り、該アクリル系重合体は、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
  9. 請求項またはにおいて、粒子の連続相が塩化ビニリデン系重合体から成り、該塩化ビニリデン系重合体は、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体および塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする安全タイヤ。
  10. 請求項ないしのいずれかにおいて、粒子の内部に、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
    −O−R---- (I)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体を有することを特徴とする安全タイヤ。
  11. タイヤとそのリムとで区画されたタイヤの内部に、該リムに沿って配置され、タイヤパンク時に荷重支持機能を発揮する、中空リング体の内部に発泡性組成物を配置した中子であって、該中空リング体は、リムと接する側のベース部分に、リムのフランジ高さ以上の深さで径方向外側に窪むドロップ部を有することを特徴とする安全タイヤ用中子。
  12. 請求項11において、発泡性組成物は、発泡剤を封入した粒子から成ることを特徴とする安全タイヤ用中子。
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