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JP4505925B2 - チップ型サーミスタ素子 - Google Patents

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JP4505925B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば温度補償や温度検出に用いられるチップ型サーミスタ素子に関し、より詳細には、下地電極膜上にメッキ層を形成してなる外部電極を有するチップ型サーミスタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度検出や温度補償に、チップ型NTCサーミスタ素子が幅広く用いられている。このNTCサーミスタ素子としては、負の抵抗温度特性を有するサーミスタ素体の両端面に外部電極を形成した構造、あるいはサーミスタ素体内に複数の内部電極が形成されており、サーミスタ素体の両端面に形成された外部電極に内部電極が電気的に接続されている積層型の構造が知られている。特に、後者、すなわち積層型のNTCサーミスタ素子では、内部電極構造の設計により、様々な抵抗値のNTCサーミスタ素子を提供することができる。
【0003】
また、チップ型NTCサーミスタ素子の外部電極は、通常、サーミスタ素体にオーム接触し得るAgなどからなる下地電極膜と、下地電極膜上に湿式メッキ法により形成されたメッキ膜とを有する。メッキ膜は、基板等にNTCサーミスタ素子を実装する際の半田付け等において、下地電極膜の半田喰われを防止するために、並びに半田付け性を設けるために設けられている。通常、半田喰われを防止するために、下地電極膜上にNiメッキ膜が形成されており、さらに半田付け性を高めるためにNiメッキ膜上にSnやSn−Pb合金からなるメッキ膜が形成されている。
【0004】
近年、温度補償や温度検知に用いられるチップ型NTCサーミスタ素子では、抵抗値精度の向上が強く求められている。現実には、抵抗値偏差が±1%以下であることが必要とされてきている。
【0005】
ところで、従来のチップ型NTCサーミスタ素子は、製造した直後に5〜10%程度の抵抗値ばらつきを有するのが一般的である。従って、製造されたチップ型NTCサーミスタ素子の抵抗値を測定し、まず抵抗値の選別が行われている。
【0006】
次に、目的とする抵抗値範囲外のチップ型NTCサーミスタ素子の抵抗値の修正が行われている。
上記抵抗値修正方法の1つとして、前述したメッキ膜を形成する際に、サーミスタ素体の一部がメッキ液中に溶出する現象を利用した方法が知られている。
【0007】
すなわち、サーミスタ素体の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより下地電極膜を形成した後、両端面に下地電極膜間の抵抗値を測定する。この抵抗値が目的とする抵抗値範囲からずれている場合、そのずれに応じて、チップをグループ分けする。
【0008】
他方、下地電極膜上に湿式メッキ法によりメッキ膜を形成する場合のメッキ時間とセラミック素体材料の溶出量並びにセラミック素体材料の溶出量とチップの抵抗値変化量とには相関関係が存在する。従って、目的とする抵抗値からの抵抗値のずれに応じて、メッキ時間をコントロールすることにより、メッキ膜形成後のチップ型サーミスタ素子の抵抗値を目標範囲に補正することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記抵抗値補正方法では、メッキ液によるサーミスタ素体材料の溶出現象を利用している。従って、サーミスタ素体外表面の一部においてサーミスタ素体構成成分が溶出することになるため、外部電極とサーミスタ素体表面との隙間を伝わり、メッキ液がサーミスタ素体内部に浸透することがあった。そのため、メッキ液のサーミスタ素体内への侵入により、耐湿性が低下したり、寿命が短くなったりし、信頼性が低下することがあった。
【0010】
本発明の目的は、上述した湿式メッキ法によるメッキ膜の形成に際して抵抗値を補正する従来のチップ型サーミスタ素子の欠点を解消し、抵抗値のばらつきが小さく、耐湿性に優れており、長期寿命特性においても優れている、信頼性に優れたチップ型サーミスタ素子及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、前記サーミスタ素体の第1,第2の端面に形成されており、かつ導電ペーストの焼付けにより形成された下地電極膜と、下地電極膜上に湿式メッキにより形成されたメッキ膜とを有する第1,第2の外部電極と、前記第1,第2の外部電極が形成されている部分を除くサーミスタ素体の外表面において、前記第1,第2の外部電極の端縁に接するように、第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延ばされており、かつ第1,第2の外部電極間にサーミスタ素体外表面露出部分を残すようにして形成された第1,第2の絶縁性保護膜とを備え、前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であることを特徴とする、チップ型サーミスタ素子である。
【0012】
本願の第2の発明は、半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、前記サーミスタ素体の第1,第2の端面に形成されており、かつ導電ペーストの焼付けにより形成された下地電極膜と、下地電極膜上に湿式メッキにより形成されたメッキ膜とを有する第1,第2の外部電極と、前記サーミスタ素体内に形成されており、第1または第2の外部電極に電気的に接続されている複数の内部電極と、前記第1,第2の外部電極が形成されている部分を除くサーミスタ素体の外表面において、前記第1,第2の外部電極の端縁に接するように、第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延ばされており、かつ第1,第2の外部電極間にサーミスタ素体外表面露出部分を残すようにして形成された第1,第2の絶縁性保護膜とを備え、前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であることを特徴とする、チップ型サーミスタ素子である。
【0014】
第1,第2の発明に係るチップ型サーミスタ素子の特定の局面では、前記サーミスタ素体が、負の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスからなり、それによってNTCサーミスタが構成されている。
【0015】
もっもと、第1,第2の発明に係るチップ型サーミスタ素子では、正の抵抗温度特性を有するサーミスタ素体を用い、それによってPTCサーミスタ素子を構成してもよい。
【0016】
本願の第3の発明は、チップ型サーミスタ素子の製造方法であって、半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体を用意する工程と、間にサーミスタ素体露出部分を残すように、前記サーミスタ素体の第1,第2の端面以外の外表面に第1,第2の絶縁性保護膜を、前記第1,第2の絶縁性保護膜が第1,第2の下地電極膜の端部に接するように、かつ第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延びるように、さらに前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であるように形成する工程と、前記サーミスタ素体の少なくとも第1,第2の端面を覆うように、導電ペーストの焼付けにより下地電極膜を形成する工程とを備え、第1,第2の絶縁性保護膜を形成した後に、前記第1,第2の下地電極膜上に湿式メッキ法によりメッキ膜を形成し、第1,第2の外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
なお、第1,第2の絶縁性保護膜の形成工程と下地電極膜の形成工程は、いずれが先に行なわれてもよい。
第3の発明の特定の局面では、前記サーミスタ素体として、対向し合う第1,第2の端面のいずれかに引き出された複数の内部電極を有するサーミスタ素体が用いられる。
【0018】
第3の発明に係るチップサーミスタ素子の製造方法の特定の局面では、前記下地電極膜の形成が、導電ペーストの塗布・焼付けにより行われる
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係るチップ型NTCサーミスタ素子を示す斜視図であり、図2及び図3は、それぞれ、該チップ型NTCサーミスタ素子の縦断面図及び平面断面図である。
【0021】
チップ型NTCサーミスタ素子1は、負の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスよりなる直方体状のサーミスタ素体2を有する。
サーミスタ素体2の第1の端面2aを覆うように外部電極3が形成されている。また、第1の端面と対向している第2の端面2bを覆うように第2の外部電極4が形成されている。
【0022】
第1,第2の外部電極3,4は、端面2a,2bだけでなく、サーミスタ素体2の上面2c、下面2d及び側面2e,2f上にも至るように形成されている。この上面2c、下面2d及び側面2e,2fに至っている部分を、外部電極3,4の電極被り部3a,4aとする。第1の外部電極3を例にとると、電極被り部3aの先端は、第1の端面2aから第1,第2の端面2a,2bを結ぶ方向において、距離aだけ内側に位置している。この距離aを、電極被り部長さとする。
【0023】
外部電極3,4は、下地電極膜5上に、メッキ膜6,7をそれぞれ積層した構造を有する。下地電極膜5は、サーミスタ素体2にオーム接触し得る材料、例えばAg、Cuなどにより構成されている。また、メッキ膜6はNiよりなり、下地電極膜5の半田喰われを防止するために設けられている。メッキ膜7は、半田付け性を高めるために形成されており、SnやSn−Pb合金などからなる。
【0024】
上記メッキ膜6,7は、下地電極膜5を形成した後に、湿式メッキ法により形成される。
他方、サーミスタ素体2内には、第1,第2の内部電極8,9が形成されている。内部電極8,9は、サーミスタ素体2内で同一高さ位置に形成されており、かつ互いの先端が所定距離を隔てて対向されている。もっとも、内部電極8,9は異なる高さ位置に形成されていてもよい。また、2以上の第1,第2の内部電極が配置されていてもよい。
【0025】
内部電極8は端面2aに引き出されており、外部電極3に電気的に接続されている。内部電極9は端面2bに引き出されており、外部電極4に電気的に接続されている。
【0026】
上記内部電極8,9は、サーミスタ素体2を得るにあたり、セラミックス一体焼成技術を用い形成されている。内部電極8,9を構成する材料についても、Ag,PdやAg−Pd合金などのサーミスタ素体2を構成しているサーミスタ素体材料とオーム接触し得る適宜の金属材料を用いて構成することができる。
【0027】
他方、本実施例のチップ型NTCサーミスタ素子1の特徴は、上記サーミスタ素体2の外表面に第1,第2の絶縁性保護膜10,11が形成されていることにある。絶縁性保護膜10,11は、例えば合成樹脂などの適宜の絶縁性材料で構成され得る。
【0028】
絶縁性保護膜10,11は、それぞれ、外部電極3,4の電極被り部3a,4aの端縁3a1 ,4a1 から、相手方の外部電極側に延ばされている。もっとも、絶縁性保護膜10,11間には、サーミスタ素体2の外表面が露出している露出部分が存在する。
【0029】
すなわち、絶縁性保護膜10,11は、間にサーミスタ素体露出部分を隔てて配置されている。
本実施例では、絶縁性保護膜10のサーミスタ素体の中心側の端縁10aは、端面2aから距離bだけ隔てられている。この距離bは、端面2a,2b間の距離をXとした時に、b≦(1/3)Xの範囲とされている。
【0030】
本実施例のチップ型NTCサーミスタ素子1では、絶縁性保護膜10,11が形成された後に、下地電極膜5が形成される。しかる後、湿式メッキ法によりメッキ膜6,7が形成される。従って、後述する実験例から明らかなように、絶縁性保護膜10,11が上記のように形成されているので、耐湿性や耐環境特性などの信頼性を高めることができ、かつ抵抗値を容易に修正することができる。これを、具体的な実験例に基づき、上記チップ型NTCサーミスタ素子1の製造方法を説明することにより明らかにする。
【0031】
Mn34 、NiO及びCo34 を重量比で45:25:30の割合で混合した原料を用意した。この原料を1000℃で2時間仮焼し、粉砕し、仮焼粉末を得た。この仮焼粉末100重量%に対し、有機バインダとしてポリビニルアルコールを10〜20重量%、可塑剤としてグリセリンを0.5重量%、ポリビニル系分散剤を1.0重量%の割合で混合し、得られた混合原料を用いてセラミックスラリーを得た。このセラミックスラリーをドクターブレード法によりシート成形し、厚み50μmのセラミックグリーンシートを得た。
【0032】
上記セラミックグリーンシートを矩形板状に打ち抜き、内部電極8,9用の電極パターンを形成するために、Pdペーストをスクリーン印刷した。上記Pdペーストが印刷されたセラミックグリーンシートの上下に、複数枚の無地のセラミックグリーンシートを積層し、マザーの積層体を得た。
【0033】
次に、マザーの積層体を厚み方向に加圧した後、平面形状が2.4mm×1.5mmの矩形板状となるように切断し、個々のチップ型NTCサーミスタ素子単位の積層体を得た。
【0034】
得られた積層体を、1200℃の温度で2時間焼成し、しかる後、バレル研磨することにより、第1,第2の端面を結ぶ長さ2.0×幅1.25×厚み1.0mmの寸法のサーミスタ素体2を得た。
【0035】
上記サーミスタ素体2の両端面2a,2bに、硼珪素ビスマス系ガラスペーストを塗布し、乾燥させた後、さらにAgペーストを塗布し、850℃の温度で10分間焼き付け、第1,第2の絶縁性保護膜10,11及び下地電極膜5,5が形成されたチップ型NTCサーミスタ素子を得た。
【0036】
なお、下地電極膜5の電極被り部の長さは0.3mmとした。また、ガラスからなる絶縁性保護膜10,11の被り深さ、すなわち前述した距離bを下記の表1に示すように種々変化させて、複数のチップ型NTCサーミスタ素子を作製した。また、比較のために、サーミスタ素体表面にガラスからなる絶縁性保護膜が設けられていないチップ型NTCサーミスタ素子(試料番号1)及び外部電極が形成される領域を除く全ての外表面に上記ガラスからなる絶縁性保護膜が形成されているチップ型NTCサーミスタ素子(試料番号8)も用意した。
【0037】
このようにして得られた各チップ型NTCサーミスタ素子の25℃における抵抗値を測定した。測定に際しては、種々のチップ型NTCサーミスタ素子100個の抵抗値を測定し、その平均値及びばらつき(3CV)を求めた。
【0038】
しかる後、目的抵抗値、すなわち25℃における抵抗値=3kΩに対する個々の抵抗値偏差に基づいて、チップ型NTCサーミスタ素子の選別を行った。この場合、1つのグループの抵抗値範囲が0.03kΩとなるように選別を行った。
【0039】
しかる後、上記抵抗値偏差の大きさに応じて、メッキ時間を異ならせ、下地電極膜5上に、Niからなるメッキ膜6及びSnからなるメッキ膜6を湿式メッキ法により形成した。
【0040】
上記メッキ膜形成後に、再度25℃における抵抗値を上記と同様にして測定し、平均値及びばらつき(3CV)を求めた。
次に、上記のようにして得られたチップ型NTCサーミスタ素子1を、60℃及び相対湿度95%の恒温恒湿槽の中に1000時間放置し、放置前の25℃における抵抗値に対する放置後の25℃における抵抗値の変化率ΔR25(%)を求めた。結果を下記の表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004505925
【0042】
表1から明らかなように、絶縁性保護膜が形成されていない試料番号1のチップ型NTCサーミスタ素子では、メッキ後の抵抗値変化率ΔR25が3.8%と非常に大きいことがわかる。
【0043】
また、試料番号2〜8の各チップ型NTCサーミスタ素子では、絶縁性保護膜10,11の形成により、湿式放置試験後の抵抗値の変化率ΔR25が0.1%以下と低く、従って耐環境特性が高められていることがわかる。
【0044】
もっとも、絶縁性保護膜を第1,第2の外部電極間のサーミスタ素体の外表面の全域に形成している試料番号8のチップ型NTCサーミスタ素子では、メッキ後の抵抗値のばらつき3CVが5.8%と高いのに対し、サーミスタ素体外表面が露出するように第1,第2の絶縁性保護膜を形成してなる試料番号2〜7のチップ型NTCサーミスタ素子では、メッキ後の抵抗値のばらつき3CVが、メッキ前の抵抗値のばらつき3CVに比べてやはり小さくなることがわかる。特に、絶縁性保護膜の被り深さbが0.7mm以下の場合には、メッキ後の抵抗値のばらつきを0.9%以下と著しく小さくでき、従って、抵抗値の補正を高精度に行い得ることがわかる。
【0045】
なお、上記実施例では、内部電極を有するサーミスタ素体を用いたが、内部電極を有しないサーミスタ素体を用いて本発明に係るチップ型NTCサーミスタ素子を構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
第1の発明に係るチップ型NTCサーミスタ素子では、第1,第2の絶縁性保護膜が、第1,第2の外部電極端縁から、相手方の外部電極側に延び、かつ第1,第2の外部電極間にサーミスタ素体外表面露出部分を残すように形成されているので、下地電極膜及び絶縁性保護膜を形成した後に、メッキ膜を形成することにより、メッキ液によりサーミスタ素体外表面露出部分においてサーミスタ素体構成材料を溶出させて、抵抗値の修正を図ることができる。しかも、第1,第2の絶縁性保護膜が形成されているので、メッキ時に、外部電極端縁と接触している素体部分においてはサーミスタ素体構成材料の溶出がほとんど起こらない。従って、メッキ液のサーミスタ素体内部への侵入を確実に抑制することができる。そのため、チップ型NTCサーミスタ素子の耐湿性を向上し得るとともに、長期寿命も延長することができ、信頼性を大幅に高め得る。
【0047】
よって、抵抗値補正を容易に行うことができ、抵抗値のばらつきが少なく、抵抗値精度に優れ、かつ信頼性においても優れたチップ型サーミスタ素子を安価に提供することができる。
【0048】
また、第2の発明に係るチップ型NTCサーミスタ素子においても、第1の発明に係るチップ型NTCサーミスタ素子と同様に、第1,第2の絶縁性保護膜が形成されているので、信頼性を高め得るとともに、抵抗値のばらつきが少なく、抵抗値を高精度に制御し得るチップ型サーミスタ素子を提供することができる。さらに、サーミスタ素体内の内部電極の層数や配置を調節することにより、様々な抵抗値のチップ型サーミスタ素子を容易に提供することができる。
【0049】
第1,第2の絶縁性保護膜が、第1,第2の端面から、第1,第2の端面間の距離の1/3の長さまでの範囲に形成されている場合には、上述した実験例から明らかなように、抵抗値のばらつきをより一層低減することができる。
【0050】
サーミスタ素体として、負の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスを用いた場合には、本発明に従って、信頼性に優れ、かつ抵抗値のばらつきが少ないチップ型NTCサーミスタ素子を提供することができる。
【0051】
本発明に係るチップ型サーミスタ素子の製造方法によれば、間にサーミスタ素体露出部分を残すように第1,第2の絶縁性保護膜を形成する工程と、サーミスタ素体の第1,第2の端面を覆うように下地電極膜を形成する工程とを備え、これらの下地電極膜及び第1,第2の絶縁性保護膜を形成した後に、第1,第2の下地電極膜上に湿式メッキによりメッキ膜が形成されて、第1,第2の外部電極が形成される。
【0052】
従って、メッキ液の外部電極とサーミスタ素体との隙間からの侵入を確実に抑制することができ、チップ型サーミスタ素子の耐湿性や長期寿命などを改善することができ、信頼性を大幅に高め得る。しかも、上記湿式メッキに際してのメッキ液により、サーミスタ素体露出部分においてサーミスタ素体構成材料の一部が溶出するので、メッキ膜間のコントロールにより抵抗値を補正することができる。従って、安価にかつ高精度に抵抗値を制御することができ、抵抗値のばらつきが少ないチップ型サーミスタ素子を提供することができる。
【0053】
本発明に係る製造方法において、サーミスタ素体として、対向し合う第1,第2の端面のいずれかに引き出された複数の内部電極を有するサーミスタ素体を用いた場合には、該複数の内部電極の積層数や配置及び形状を工夫することにより、様々な抵抗値のチップ型サーミスタ素子を容易に提供することができる。
【0054】
下地電極膜の形成が、導電ペーストの塗布・焼付けにより行われる場合、サーミスタ素体にオーム接触し得る下地電極膜を容易にかつ十分な厚みとなるように形成することができる。
【0055】
第1,第2の端面から第1,第2の端面間の距離の1/3の長さまでの範囲に第1,第2の絶縁性保護膜を形成した場合には、抵抗値のばらつきをより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るチップ型NTCサーミスタ素子の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示した実施例のチップ型NTCサーミスタ素子の縦断面図。
【図3】図1に示したチップ型NTCサーミスタ素子の平面断面図。
【符号の説明】
1…チップ型NTCサーミスタ素子
2…サーミスタ素体
2a,2b…第1,第2の端面
3,4…第1,第2の外部電極
5…下地電極膜
6…メッキ膜
7…メッキ膜
8,9…内部電極
10,11…第1,第2の絶縁性保護膜

Claims (5)

  1. 半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、
    前記サーミスタ素体の第1,第2の端面に形成されており、かつ導電ペーストの焼付けにより形成された下地電極膜と、下地電極膜上に湿式メッキにより形成されたメッキ膜とを有する第1,第2の外部電極と、
    前記第1,第2の外部電極が形成されている部分を除くサーミスタ素体の外表面において、前記第1,第2の外部電極の端縁に接するように、第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延ばされており、かつ第1,第2の外部電極間にサーミスタ素体外表面露出部分を残すようにして形成された第1,第2の絶縁性保護膜とを備え、前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であることを特徴とする、チップ型サーミスタ素子。
  2. 半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、
    前記サーミスタ素体の第1,第2の端面に形成されており、かつ導電ペーストの焼付けにより形成された下地電極膜と、下地電極膜上に湿式メッキにより形成されたメッキ膜とを有する第1,第2の外部電極と、
    前記サーミスタ素体内に形成されており、第1または第2の外部電極に電気的に接続されている複数の内部電極と、
    前記第1,第2の外部電極が形成されている部分を除くサーミスタ素体の外表面において、前記第1,第2の外部電極の端縁に接するように、第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延ばされており、かつ第1,第2の外部電極間にサーミスタ素体外表面露出部分を残すようにして形成された第1,第2の絶縁性保護膜とを備え、前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であることを特徴とする、チップ型サーミスタ素子。
  3. 前記サーミスタ素体が、負の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスからなり、それによってNTCサーミスタが構成されている、請求項1または2に記載のチップ型サーミスタ素子。
  4. 半導体セラミックスよりなり、かつ対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体を用意する工程と、
    間にサーミスタ素体露出部分を残すように、前記サーミスタ素体の第1,第2の端面以外の外表面に第1,第2の絶縁性保護膜を、前記第1,第2の絶縁性保護膜が第1,第2の下地電極膜の端部に接するように、かつ第1,第2の外部電極の端縁から第2,第1の外部電極側に延びるように、さらに前記サーミスタ素子の第1,第2の端面から、第1,第2の絶縁性保護膜のサーミスタ素子の中心側の端縁までの距離をbとし、サーミスタ素子の第1,第2の端面間の距離をXとしたとき、b≦(1/3)Xの範囲であるように形成する工程と、
    前記サーミスタ素体の少なくとも第1,第2の端面を覆うように、導電ペーストの焼付けにより下地電極膜を形成する工程とを備え、
    第1,第2の絶縁性保護膜を形成した後に、前記第1,第2の下地電極膜上に湿式メッキ法によりメッキ膜を形成し、第1,第2の外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする、チップ型サーミスタ素子の製造方法。
  5. 前記サーミスタ素体として、対向し合う第1,第2の端面のいずれかに引き出された複数の内部電極を有するサーミスタ素体を用いる、請求項5に記載のチップ型サーミスタ素子の製造方法。
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