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JP4505910B2 - ズームレンズ及び該レンズを備える撮影装置 - Google Patents

ズームレンズ及び該レンズを備える撮影装置 Download PDF

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JP4505910B2
JP4505910B2 JP34903899A JP34903899A JP4505910B2 JP 4505910 B2 JP4505910 B2 JP 4505910B2 JP 34903899 A JP34903899 A JP 34903899A JP 34903899 A JP34903899 A JP 34903899A JP 4505910 B2 JP4505910 B2 JP 4505910B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負先行型ズームレンズ、特に大画角を有する大口径広角ズームレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、負・正群から始まる所謂広角ズームレンズは、多数提案されているが、最大画角110°を越える超広角の領域をカバーする超広角ズームレンズの提案は数少ない。例えば、特開平4−275515号公報には最大画角112.7°を有し、F2.8程度の口径を有する負・負・正3群構成の超広角ズームレンズが提案されている。また、本願発明と同一出願人による特開平10−325923号公報には、最大画角118°を有し、F2.9程度の口径を有する負・正・負・正の4群構成の超広角ズームレンズが開示されている。
【0003】
また、本願発明と同一出願人による特開平9−171139号公報、及び特開平9−171140号公報には最大画角107°、最大口径がF4程度の負・正2群構成の超広角ズームレンズが開示されている。
【0004】
しかしながら、最大画角110°を越える超広角の領域をカバーし、大口径を有するズームレンズを、非常に単純な負・正2構成のズームレンズで実現した光学系は提案されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−275515号公報に開示されたズームレンズにおいては、負の第1群中の凸レンズに非球面を1面設けて広角側の歪曲を中心に収差補正を行なっている。一般に、特に最大画角100°を越える超広角レンズおよび超広角ズームレンズの場合、より物体側に存在する正レンズは歪曲収差の絶対量は減少させても画角の差による歪曲収差の変化量(傾きまたは微分値に相当)を増加させる傾向がある。また、同様のことが、倍率色収差や非点収差についても言える。したがって、収差補正的見地からも好ましくなく、歪曲収差をはじめとする諸収差の補正状態も満足できるものではない。また、レンズを製造する見地からも製造精度が厳しくなるので好ましくない。また、より物体側に位置する凸レンズは同様に巨大化を招き、前玉径が巨大化してしまいズームレンズ全系の小型化、小径化に反するので好ましくない。
【0006】
また、該ズームレンズは負・負・正の3群ズームレンズであり、高コストな上、大型であり、製造上の難易度が高い。しかも性能的には今だ実用の域に達していない。したがって、より大画角化、小型化、高性能化が望まれていた。
【0007】
また、特開平10−325923号公報には、最大画角118°を有し、第1レンズに非球面を設けて収差補正を行なっている。しかし、負・正・負・正4群ズームレンズで高コストな上、大型であり、製造上の難易度が高かった。さらに、現在の非球面加工技術では、第1非球面レンズは、切削研磨方式及びガラスモールド方式の何れの方式でも量産が困難であった。したがって、より小型、高性能で製造可能であり、製造容易な超広角大口径ズームレンズの実現が望まれていた。
【0008】
また、特開平9−171139号公報及び特開平9−171140号公報に開示されているズームレンズにおいては、比較的小型で構成の簡単な2群構成で超広角なズームレンズが提案されている。しかし、前記公報同様に第1非球面凹レンズが切削研磨方式及びガラスモールド方式の何れの方式でも量産が困難であった。また、口径がF4程度と暗く、画角も110゜を越えるものではなかった。したがって、更なる大口径化、大画角化、小型化、高性能化した製造容易な超広角大口径ズームレンズの実現が望まれていた。
【0009】
本発明は上記諸問題にかんがみてなされたものであり、最大画角が110°を越える様な超広角を含み、FナンバーがF2.8程度の大口径比を有する高性能な超広角2群ズームレンズ及び該レンズを備える撮影装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と正の屈折力を有する第2レンズ群G2とによって構成され、該第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔を変化させることにより変倍するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、非球面を像側の面に設けた負レンズL1と、非球面を凹面に設けた負レンズL2と、少なくとも負レンズを含む複数枚のレンズからなるレンズ群と、さらに最も像側に正のレンズ成分Leとを有し、
前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズ群L21と、負レンズ群L22と、正レンズ群L23とを有し、該正レンズ群L21は少なくとも2枚の正レンズ成分を有し、該負レンズ群L22は少なくとも1枚の厚レンズを有し、
前記第1レンズ群G1の無限遠合焦時の焦点距離をf1、
前記第2レンズ群G2の無限遠合焦時の焦点距離をf2、
前記ズームレンズ全系の広角端状態の焦点距離をfw、
前記ズームレンズ全系の望遠端状態の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
(1) 0.8 ≦ |f1|/(fw・ft)1/2≦ 2
(2) 2.9 ≦ f2/fw ≦ 5
の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記第1レンズ群G1中の非球面を像側の面に設けた前記負レンズL1と、非球面を凹面に設けた前記負レンズL2との合成の焦点距離をfn、
前記ズームレンズ全系の広角端状態の焦点距離をfwとそれぞれしたとき、
(3) 1.4 ≦ |fn| /fw ≦ 2.5
の条件を満足することが望ましい。
【0013】
また、本発明では、前記第1レンズ群G1中の非球面を像側の面に設けた前記負レンズL1は樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分とからなる複合型非球面であり、
前記樹脂部分における前記負レンズL1の最大有効径位置の樹脂厚をΔS10
前記負レンズL1の最大有効径を100%としたときの50%位置における樹脂厚をΔS5とそれぞれしたとき、
(4) 0.2 < ΔS10 / ΔS5 < 10
の条件を満足することが望ましい。
【0014】
また、本発明では、前記第2レンズ群G2の中に開口絞りを有することを特徴とするズームレンズを提供する。
また、本発明では、前記第2レンズ群G2は、非球面を有することを特徴とするズームレンズを提供する。
また、本発明は、前記ズームレンズを備えることを特徴とする撮影装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるズームレンズの基本的な構成を説明する。本発明は、基本的に負・正2群を有するズームレンズタイプの超広角化、高変倍化、小型化を実現し、かつ高性能で比較的口径の大きいズームレンズを実現したことを最大の特徴としている。特に特徴的なことは、このクラスとしては非常に画角が大きく、かつ口径が比較的大きい光学系であること、諸収差、特に歪曲収差、コマフレアー、望遠側の球面収差等が非常に良好に補正されていること、さらに、光学系が負と正との2群ズームレンズで実現されていることである。
【0016】
負・正の2群構成ズームレンズの場合、負・負・正3群や負・正・負・正4群ズームレンズに比較して収差補正上不利な点が有るが、明らかに小型化、小径化が可能である。まして、本発明のような他に例を見ない無いほどの大画角を有し、かつ大口径化されたズームレンズの場合、複雑な多群ズームタイプを採用すると巨大化する事は必須であり、光学系中に導入された非球面レンズも製造不可能になってしまう。本発明では、この小型化と、可能な限りレンズを容易に製造するために、負の第1レンズ群の物体側に2枚の非球面レンズを設置し、それぞれ凹面側の面に非球面を導入することで、歪曲収差、像面湾曲、下方コマ収差、望遠端状態の球面収差の補正を行っている。
【0017】
非球面を凸面に導入する場合に比較して、非球面を凹面に導入する場合、適切な収差補正、特に歪曲、望遠側の球面収差の補正に有利である。また、該非球面は奇数次項、高次項、κを使用した非球面であることが好ましい。さらに、非球面の収差補正効果と同様に、第1レンズ群のパワー配置が高性能化と小型化、小径化の重要な要素となる。本発明の様な今までに無いほどの大画角を有し、かつ大口径化されたズームレンズの場合、特に軸外収差の補正と、第1レンズ群中の比較的物体側のレンズの径の小径化、ひいては非球面レンズの小径化を決めるための重要な条件である。
【0018】
以下に本発明の条件式について説明する。
【0019】
条件式(1)は、第1レンズ群G1のパワーに関する条件である。この条件値が1の時に広角端状態と望遠端状態との全長変化が等しくなり、丁度ズーム域の中央の焦点距離で第2レンズ群G2全体の結像倍率が−1(等倍)になる。
【0020】
条件式(1)の上限を上回る場合、広角端状態でレンズの全長が最大になり、第1レンズ群のパワーが弱くなる。このため、特に本発明の様な今までに無いほどの大画角を有し、かつ大口径化されたズームレンズの場合、第1レンズ群中の比較的物体側のレンズ径が巨大化し、ひいては非球面レンズが巨大化し製造困難になる。また、全系も巨大化するため重量も重くなり、携帯性に不便な光学系になってしまうので好ましくない。さらに、バックフォーカスも短くなりカメラ側のミラー等に機械的な干渉を起こす可能性が増加してしまい好ましくない。
【0021】
なお、条件式(1)の上限値を1.5以下に設定すると小型化、小径化のために有利である。さらに好ましくは、条件式(1)の上限値を1.4以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0022】
逆に、条件式(1)の下限を下回る場合、望遠端状態で全長が最大になり、第1レンズ群のパワーが強くなるため、本発明の様な今までに無いほどの大画角を有し、かつ大口径化されたズームレンズの場合、軸外収差の補正、特に広角側では歪曲収差とコマ収差の補正が悪化し好ましくない。また、望遠側では球面収差、下方コマ収差も困難になり大口径化が困難になり、好ましくない。
【0023】
なお、条件式(1)の下限値を0.9以上に設定するとより収差補正が容易になるので望ましい。さらに好ましくは、条件式(1)の下限値を1.0以上に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0024】
また、本発明における第2レンズ群G2は、基本的に正・負・正のトリプレット、エルノスタータイプを基本としたマスターレンズである事が望ましい。特に、第2レンズ群G2中の最も物体側の正レンズ群は、2枚以上の正レンズ成分を含んでいる事が、大口径化に望ましく、更には屈折率の低い凸レンズと屈折率の高い凹レンズの接合によりなる接合正レンズを1つ以上含む事が望ましい。また、中間部の負レンズ群中には最大有効径の3割の値よりも大きい中心厚を有する厚肉レンズを有している事が収差補正上望ましい。さらに、該第2レンズ群中最も像側の正レンズ群は、アッベ数が60より大きい少なくとも1つの凸レンズと、該凸レンズより屈折率が高く、かつアッベ数の小さい凹レンズとの接合正レンズを有する事が望ましい。
【0025】
次に、条件式(2)の説明をする。条件式(2)は、第2レンズ群G2の適切なパワーバランスを設定した条件である。上述したとおり、本発明は超広角・大口径2群ズームレンズの最適な設計解を提案するものであり、負の第1レンズ群と同様に、正の第2レンズ群の適切なパワーの設定は、全体の良好な収差バランスと実用的な大きさとを実現するために必要な条件である。
【0026】
条件式(2)の上限を上回る場合、第2レンズ群G2が弱いパワーで構成されることになる。したがって、第2レンズ群G2の変倍時の移動量が増し大型化を招く。また、第1レンズ群G1との空気間隔を確保できなくなり、十分な変倍比を得ることができなくなり好ましくない。さらに、実質的に負の第1レンズ群G1のパワーが増すためにペッツバールサムの適切な設定に支障をきたし好ましくない。
【0027】
なお、条件式(2)の上限値を4.8以下に設定すると実用的な大きさの解を得ることが可能である。さらに好ましくは、条件式(2)の上限値を4.5以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できるので望ましい。
【0028】
逆に、条件式(2)の下限を下回る場合、第2レンズ群G2が強いパワーで構成されることになる。したがって、本発明のような大画角・大口径を有するズームレンズの場合、特に望遠側の球面収差、上方コマ収差、非点収差等の補正が悪化し好ましくない。その結果、大口径化が困難になり好ましくない。
【0029】
なお、条件式(2)の下限値を3以上に設定するとより良好な収差補正が実現でき、本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0030】
次に条件式(3)について説明する。条件式(3)は前記第1レンズ群G1中の非球面を像側の面に設けた負レンズL1と、非球面を凹面に設けた負レンズL2との合成焦点距離の適切な大小関係に関する条件である。
【0031】
条件式(3)の上限を上回る場合、物体側の2枚の非球面レンズ全体のパワーが弱くなる。したがって、該各非球面レンズが大型化し加工困難になる。またひいてはズームレンズ全系も大型化する事になり好ましくない。さらに、第2レンズ群との可変空気間隔の確保が困難になるので好ましくない。
【0032】
なお、条件式(3)の上限値を2.3以下に設定すると実用的な大きさの解を得ることが可能である。さらに好ましくは、条件式(3)の上限値を2以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0033】
逆に、条件式(3)の下限を下回る場合、該2枚の非球面レンズ全体のパワーが著しく強くなる事を意味し、非球面のパワーも強くなり曲率も強くなる。したがって、成形技術上の問題から非球面製造が困難になる。また、収差補正上の問題として、特に広角側の歪曲収差、非点収差、下方コマ収差の補正が困難になり好ましくない。
【0034】
なお、条件式(3)の下限値を1.48以上または1.69以上に設定するとより良好な収差補正が実現でき、本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0035】
また、本発明における前記最も物体側に位置する非球面負レンズL1は樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分との複合材料からなる、所謂複合型非球面で製造されている事が望ましい。非球面の製造方法には大きく区分して、切削研磨方式、ガラスモールド方式、及び複合型方式の3タイプに代表される。しかしながら、それぞれに制約条件が有り、現実的に製造できる設計解はかなりの制約を受ける。
【0036】
本発明では、通常の射影方式では限界に近いほどの大画角化を実現しているため、非球面の加工上の難易度も大きい。したがって、より現実的な設計解にするためには凹レンズの凹面側に非球面を設定し、かつ所謂複合型非球面で製造するのが最良の方法である。また、その樹脂層の厚さの分布は収差補正上の問題と量産性の問題から条件式(4)を満足する事が望ましい。
【0037】
条件式(4)の上限を上回る場合、樹脂層の中心部分から中間部分までの厚さに比較して最周辺部分の樹脂厚が著しく大きいことを示している。本発明の様な大型の非球面レンズの場合、著しく樹脂量が増すので、温度変化による形状変化、吸水による形状変化を考慮すると好ましくない。また、材料費も増加しコスト的にも好ましくない。
【0038】
逆に、条件式(4)の下限を下回る場合、樹脂層の中心部分から中間部分までの厚さに比較して最周辺部分の樹脂厚が著しく小さいことを示している。この場合、本発明の様な大型の非球面レンズの場合、非球面部分成形時に十分な精度が出せなくなるので好ましくない。
【0039】
また、本発明においては、無限遠物点に対する性能向上のみならず、さらに無限遠方物点から近距離物点の合焦点時に至るまで諸収差の変動が少ない合焦方式を実現した。本発明の以下に示す実施例の通り第1レンズ群G1または第2レンズ群G2の中を分割し、その一部によって合焦するインナーフォーカス方式及びリアフォーカス方式によって合焦する事が望ましく、合焦群LFの焦点距離をfF、該合焦群LFが含まれているレンズ群LGの焦点距離をfGとした時、以下の条件式を満足する事が望ましい。
(5) 1 < fF / fG < 5
上記条件式(5)は合焦群のパワーを設定した条件である。条件式(5)の上限を上回る場合、 合焦群のパワーが弱くなり、結果的に合焦のための移動量が増し大型化を招き好ましくない。
【0040】
なお、条件式(5)の上限値を4以下に設定すると実用的な大きさの解を得ることが可能である。また、条件式(5)の上限値を3以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0041】
逆に、条件式(5)の下限を下回る場合、合焦群のパワーが強くなるために、収差補正上の問題として、特に像面湾曲及び非点収差、コマ収差の合焦による変動が増し、補正が困難になり好ましくない。
【0042】
なお、条件式(2)の下限値を1.2以上または1.3以上に設定するとより良好な収差補正が実現でき、本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0043】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明にかかるズームレンズの数値実施例を説明する。
【0044】
(第1実施例)
図1(a),(b),(c)は、第1実施例にかかるズームレンズの構成及びその移動軌跡を示している。図1(a)は広角端状態、同図(b)は中間焦点距離状態、同図(c)は望遠端状態をそれぞれ示している。
【0045】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と正の屈折力を有する第2レンズ群G2との負・正2つの群から構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分との複合からなる複合型負メニスカス非球面レンズL1と、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する樹脂材料とガラス材料の複合からなる複合型負メニスカス非球面レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの接合よりなる接合負レンズと、両凸レンズLeとより構成されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合によりなる接合正レンズと開口絞りSと両凸レンズとよりなる正レンズ群L21と、厚肉両凹レンズと両凹レンズと両凸レンズとの接合によりなる接合正レンズよりなる負レンズ群L22と、非球面を有する両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合によりなる接合正レンズよりなる正レンズ群L23とにより構成されている。
【0046】
また、変倍は広角端状態から望遠端状態に向かって、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が縮小するように第1,2レンズ群を移動することによって行なう。また、近距離合焦は第1レンズ群G1を分割し、前記複合型負メニスカス非球面レンズL1以外のレンズを合焦群LFとし、この合焦群LFを物体方向に移動して行なう。したがって、本実施例においては、レンズ群LGは第1レンズ群G1に相当する。
【0047】
以下の表1に第1実施例の諸元値を掲げる。表において、fは焦点距離、FnoはFナンバー、2ωは画角を示す。また、左端の数字は物体側から数えたレンズ面の順番、riはレンズ面Riの曲率半径、di+1はレンズ面Riとレンズ面Ri+1との光軸上の面間隔、niはレンズ面Riとレンズ面Ri+1との間のd線(λ=587.56nm)の屈折率、νiはレンズ面Riとレンズ面Ri+1との間のアッベ数をそれぞれ示している。
【0048】
また、非球面は、光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点の接平面から光軸方向に沿った距離(サグ量)をS(y)、基準の曲率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCnとそれぞれするとき、
【数1】
Figure 0004505910
の非球面式で表現するものとする。非球面のr欄には近軸曲率半径を掲げ、非球面係数欄にκ、各非球面係数を記載する。なお、表中の非球面には星印を付してある。また、焦点距離、曲率半径等の単位はmmである。
【0049】
【表1】
Figure 0004505910
Figure 0004505910
Figure 0004505910
【0050】
図2は本実施例の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、図3は中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図、図4は望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高、d,gはそれぞれd線,g線の収差曲線であることを示している。また、非点収差において、実線はサジタル像面、点線はメリジオナル像面を示している。広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の何れの状態においても良好に収差補正が成されていることがわかる。なお、以下全ての実施例の諸収差図において、本実施例の収差図と同様の符号を用いる。
【0051】
(第2実施例)
図5(a),(b),(c)は、第2実施例にかかるズームレンズの構成及びその移動軌跡を示している。図5(a)は広角端状態、同図(b)は中間焦点距離状態、同図(c)は望遠端状態をそれぞれ示している。
【0052】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2との負・正2つの群から構成されている。
【0053】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分との複合からなる複合型負メニスカス非球面レンズL1と、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する負メニスカス非球面レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合よりなる接合負レンズと、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの接合よりなる接合負レンズと、両凸レンズLeとより構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合によりなる接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと接合によりなる接合正レンズよりなるレンズ群L21と、厚肉凸メニスカスレンズと、両凹レンズと両凸レンズとの接合によりなる接合負レンズよりなる負レンズ群L22と、非球面を有する両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合による接合正レンズよりなる正レンズ群L23とにより構成されている。
【0054】
また、変倍は広角端状態から望遠端状態に向かって、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が縮小するように第1,2レンズ群を移動することによって行なう。また、近距離合焦は第2レンズ群を分割し、前記レンズ群L21中の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合によりなる接合正レンズのみを合焦群LFとし、この合焦群LFを像側方向に移動して行なう。したがって、本実施例においては、レンズ群LGは第2レンズ群G2に相当する。
【0055】
表2に実施例2の諸元値を示す。
【0056】
【表2】
Figure 0004505910
Figure 0004505910
Figure 0004505910
【0057】
図6は本実施例の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、図7は中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図、図8は望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の何れの状態においても良好に収差補正が成されていることがわかる。
【0058】
(第3実施例)
図9(a),(b),(c)は、第3実施例にかかるズームレンズの構成及びその移動軌跡を示している。図9(a)は広角端状態、同図(b)は中間焦点距離状態、同図(c)は望遠端状態をそれぞれ示している。
【0059】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2との負・正2つの群から構成されている。
【0060】
第1レンズ群G1は、物体側から、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分との複合からなる複合型負メニスカス非球面レンズL1と、物体側に凸面を向け、像側の面に非球面を有する負メニスカス非球面レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合よりなる接合負レンズと、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの接合よりなる接合負レンズと、両凸レンズLeとより構成されている。
【0061】
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合によりなる接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと接合によりなる接合正レンズよりなるレンズ群L21と、開口絞りSと、厚肉凸メニスカスレンズと両凹レンズと両凸レンズとの接合によりなる接合負レンズよりなる負レンズ群L22と、非球面を有する両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合による接合正レンズよりなる正レンズ群L23とにより構成されている。
【0062】
変倍は広角端状態から望遠端状態に向かって、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が縮小するように第1,2レンズ群を移動することによって行なう。また、近距離合焦は第2レンズ群を分割し、前記レンズ群L22及びレンズ群L23を合焦群LFとし、合焦群LFを物体方向に移動して行なう。したがって本実施例においては、レンズ群LGは第2レンズ群G2に相当する。
【0063】
表3に本実施例の諸元値を掲げる。
【0064】
【表3】
Figure 0004505910
Figure 0004505910
Figure 0004505910
【0065】
図10は本実施例の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図、図11は中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図、図12は望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の何れの状態においても良好に収差補正が成されていることがわかる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2ω=約119〜96°という通常の射影方式では限界に近いほどの大画角を有する超広角領域までカバーし、約1.45倍の変倍比を有し、各焦点距離においてFナンバーがF2.9という従来にない明るさを有し、構成が単純で製造が容易にでき、小型でダウンサイジングされた超広角・大口径のズームレンズ及び該レンズを備える撮影装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、第1実施例のレンズ構成及び移動軌跡を示した図である。
【図2】第1実施例の広角端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【図3】第1実施例の中間焦点距離における無限遠合焦時の収差図である。
【図4】第1実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【図5】(a)〜(c)は、第2実施例のレンズ構成及び移動軌跡を示した図である。
【図6】第2実施例の広角端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【図7】第2実施例の中間焦点距離における無限遠合焦時の収差図である。
【図8】第2実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【図9】(a)〜(c)は、第3実施例のレンズ構成及び移動軌跡を示した図である。
【図10】第3実施例の広角端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【図11】第3実施例の中間焦点距離における無限遠合焦時の収差図である。
【図12】第3実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
LF 合焦群
LG 合焦群を含むレンズ群
L1 第1レンズ群内第1負レンズ成分
L2 第1レンズ群内第2負レンズ成分
e 第1レンズ群内最も像側に位置する正レンズ成分
L21 第2レンズ群内正レンズ成分
L22 第2レンズ群内負レンズ成分
L23 第2レンズ群内正レンズ成分
S 開口絞り

Claims (6)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と正の屈折力を有する第2レンズ群G2とによって構成され、該第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔を変化させることにより変倍するズームレンズにおいて、
    前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、非球面を像側の面に設けた負レンズL1と、非球面を凹面に設けた負レンズL2と、少なくとも負レンズを含む複数枚のレンズからなるレンズ群と、さらに最も像側に正のレンズ成分Leとを有し、
    前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズ群L21と、負レンズ群L22と、正レンズ群L23とを有し、該正レンズ群L21は少なくとも2枚の正レンズ成分を有し、該負レンズ群L22は少なくとも1枚の厚レンズを有し、
    前記第1レンズ群G1の無限遠合焦時の焦点距離をf1、
    前記第2レンズ群G2の無限遠合焦時の焦点距離をf2、
    前記ズームレンズ全系の広角端状態の焦点距離をfw、
    前記ズームレンズ全系の望遠端状態の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
    (1) 0.8 ≦ |f1|/(fw・ft)1/2≦ 2
    (2) 2.9 ≦ f2/fw ≦ 5
    の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第1レンズ群G1中の非球面を像側の面に設けた前記負レンズL1と、非球面を凹面に設けた前記負レンズL2との合成の焦点距離をfn、
    前記ズームレンズ全系の広角端状態の焦点距離をfwとそれぞれしたとき、
    (3) 1.4 ≦ |fn| /fw ≦ 2.5
    の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記第1レンズ群G1中の非球面を像側の面に設けた前記負レンズL1は樹脂材料で形成される部分とガラス材料で形成される部分とからなる複合型非球面であり、
    該樹脂部分における該負レンズL1の最大有効径位置の樹脂厚をΔS10
    前記負レンズL1の最大有効径を100%としたときの50%位置における樹脂厚をΔS5とそれぞれしたとき、
    (4) 0.2 < ΔS10/ ΔS5 < 10
    の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第2レンズ群G2の中に開口絞りを有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第2レンズ群G2は、非球面を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のズームレンズ。
  6. 請求項1乃至の何れか一項に記載のズームレンズを備えることを特徴とする撮影装置。
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