JP4501270B2 - コンデンサ用リード線およびこれを用いた固体電解コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性高分子を固体電解質とする巻回形の固体電解コンデンサに最適なコンデンサ用リード線およびこれを用いた固体電解コンデンサとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の高周波化に伴い、電子部品である電解コンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れた大容量の電解コンデンサが求められてきている。近年、この高周波領域のインピーダンス低減のため、電気伝導度の高い導電性高分子やテトラシアノキジメタン錯体(以下、TCNQという)等の固体電解質を用いた電解コンデンサが検討されてきている。また、大容量化の要求に対しては、電極箔を積層させる場合と比較して構造的に大容量化が容易な巻回形(陽極箔と陰極箔とをその間にセパレータを介在させて巻回した構造のもの)のアルミ電解コンデンサへの導電性高分子固体電解質やTCNQの応用が成されてきている。
【0003】
また、電解質に用いられる導電性高分子としては、エチレンジオキシチオフェンを適当な酸化剤により化学酸化重合して形成するポリエチレンジオキシチオフェンやポリピロールやポリアニリンが一般によく知られている。
【0004】
このような巻回形のアルミ電解コンデンサの構造は従来から一般によく知られているように液状の電解液を電解質として用いる非固体のものであり、この非固体アルミ電解コンデンサにおいては、電極タブを外部へ導出するための合成ゴム等からなる封口材に設けられた貫通孔と、この貫通孔に挿入された電極タブとの僅かな隙間からの電解液の漏出を防止するための工夫が種々提案されている。
【0005】
電解液の漏出の防止を目的とする電極タブへの工夫としては、アルミニウムからなる電極タブ部に電気化学的に酸化皮膜層を設けることによる電極タブと陰極箔間の電位差コントロールや、電位差電流を原因とする電気化学反応の抑止等が提案されている。また、絶縁性の樹脂層(エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンやポリプロピレン等)を導電性の電極タブの表面に設けることで電極タブの表面を不導体化し、タブ部分で生じる電気化学反応を抑制することが提案されている。
【0006】
また、タンタル電解コンデンサ等のように、金属粉末を成形・焼結したコンデンサ焼結体素子を液状エポキシ樹脂に浸漬させ、このコンデンサ焼結体素子に付着したエポキシ樹脂を硬化させて外装材とする固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ焼結体素子より導出するリード線部分に液状エポキシ樹脂が付着して半田付け阻害を生じさせないように、エポキシ樹脂に対する濡れ性を低下させるフッ素系樹脂を予めリード線に塗布(コンデンサ内部の電極端子への塗布ではなく、コンデンサが回路基板に実装される際に半田付けされる外部端子に該当する部分への塗布)する処理が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の導電性高分子を固体電解質とした固体電解コンデンサ(特に、巻回形の固体アルミ電解コンデンサ)では、その漏れ電流値が大きく、かつ、半田時の熱ストレスを受けた際に漏れ電流が著しく増大し易いという課題を有したものであった。
【0008】
本発明は従来のこのような課題を解決し、漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動の少ない、低インピーダンスで高信頼性の固体電解コンデンサを実現することができる、コンデンサ用リード線およびこれを用いた固体電解コンデンサとその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、扁平部を形成したアルミニウム線材製の電極タブと、この電極タブに電気的に接続された引き出しリードからなり、上記電極タブにポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンジオキシチオフェン、ピロール、エチレンジオキシチオフェン、脂肪族スルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸および上記化合物の誘導体、およびメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、水の少なくとも一つ以上の混合物に対する濡れ性を低下させる樹脂を被覆し、前記樹脂が2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)メチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)エチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルキルオキシ)メチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルキルオキシ)エチルアクリレート、パーフルオロアルケニルポリビニルフェニルエーテル、パーフルオロアルキルポリビニルフェニルエーテルの群より選ばれる少なくとも一つ以上により構成される重合体からなる樹脂を含有するフッ素系樹脂であるコンデンサ用リード線というもので、この構成により、漏れ電流が特に大きくなりやすい箇所である陽極箔に電気的に接続される電極タブ部分に、ポリエチレンジオキシチオフェンなどの導電性高分子、エチレンジオキシチオフェンなどのモノマー、トルエンスルホン酸などのドーパント、n−ブタノールなどの重合溶剤、3価の鉄塩などの酸化剤等が重合時に付着しづらくなり、濡れ性の著しく低い樹脂による処理層を形成することができる。このため陰極体として作用する導電性高分子の電極タブ部分への付着を抑制することができ、この結果、このコンデンサ用リード線を用いて固体電解コンデンサを構成した場合、漏れ電流の引き出し部分の遮断効果により、漏れ電流の小さな固体電解コンデンサを構成することができるという作用効果が得られる。
【0011】
なお、電解液を電解質とする非固体の巻回形アルミ電解コンデンサにおいて、既に提案されている前述のリード線に関する樹脂の被覆処理方法では、処理の目的を電解液の漏出防止や電気化学反応の抑制(金属の絶縁)としているため、電解液を構成する有機溶媒や電解質に対して安定な樹脂材料を選定し、それを金属表面を絶縁することができるに十分な厚みを持って被覆することが最良とされている。これに対して、今日現在我々が確認する範囲では、電気化学反応を抑制するのに十分な絶縁層を金属タブの表面に設けようとした場合、樹脂層の厚みとしては少なくとも10μm以上が必要なものであった。
【0012】
しかしながらこのような方法では、漏れ電流が特に大きくなりやすい箇所である陽極箔に電気的に接続された電極タブ部分への導電性高分子、モノマー、ドーパント、重合溶剤、酸化剤等の重合時の付着は抑制できないため、陰極体として作用する導電性高分子が電極タブ部分へ付着し、その結果、漏れ電流の遮断効果は得られず、漏れ電流を小さくすることは困難であった。また、この方法により漏れ電流に対する低減対策をしようとした場合、漏れ電流の引き出し部分の遮断効果が得られないばかりでなく、むしろ絶縁を目的とするがために電極タブの表面に絶縁性を確保しやすい樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等)を厚く被覆しなければならず、これが原因となって電極タブの表面に凹凸を生じさせ、封口材の電極タブ貫通用の孔と電極タブとの接触面のかん合性、コンデンサ組み立て時の電極タブ貫通用の孔への電極タブの挿入性を低下させてしまうため、コンデンサ組み立て時に重合物で充填されたコンデンサ素子に外的なストレスを与えやすくなり、その結果、漏れ電流を大きくしてしまうという欠点を有するために好ましくない。
【0014】
また、(本発明の構成においては樹脂の被覆層には絶縁性を要求していないため)樹脂の被覆層の厚みが薄くても、欠陥部のない均一な層を電極タブの表面に設けることができるので、電極タブの表面の凹凸を大きくする弊害がないため、封口材の電極タブ貫通用の孔と電極タブとの接触面のかん合性や電極タブ貫通用の孔への電極タブの挿入性が樹脂の被覆処理によって損なわれることが無くなり、その結果、コンデンサの組み立て時においてコンデンサ素子に与える外的ストレスを少なくすることができ、外的ストレスが原因となる漏れ電流の増大をも抑制することができるものである。
【0015】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、電極タブに被覆されるフッ素系樹脂が、被覆状態における表面張力が30mN/m以下である構成としたもので、この構成により、一般に電解質となる導電性高分子をコンデンサ素子に充填する際に用いられる薬品類(重合性モノマー、酸化剤、ドーパント、重合溶剤等)に対して、濡れ性の著しく低い樹脂による処理層を形成することができるので、請求項1に記載の発明により得られる作用効果をより一層高めることができ、その結果、より一層漏れ電流を小さくすることができるという作用効果が得られる。なお、表面張力が30mN/mを超える樹脂(例えば、ポリエチレン;表面張力31mN/m)では、濡れ性低下効果が十分ではないために、陰極体として作用する導電性高分子の電極タブ部分への付着を抑制することができず、その結果、漏れ電流を十分に小さくすることができないので好ましくない。
【0016】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、電極タブに被覆されるフッ素系樹脂が、ポリフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、メチルパーフルオロエーテルイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ビストリフルオロメチルベンゼン、キシレンヘキサフルオライド、ヘキサフルオロプロペン、およびこれらの誘導体および/または多量体の少なくとも1種以上の混合含フッ素系溶剤に0.1重量%以上溶解する含フッ素系樹脂である構成としたものであり、この構成により、とりわけ濡れ性低減効果が大きい、表面張力の小さい含フッ素樹脂を溶剤に可溶化しやすくできるため、高濃度の含フッ素樹脂の溶液を調整することができるものであり、この高濃度の含フッ素樹脂の溶液を用いることで、電極タブの表面に一定の厚みの均一かつ欠陥部分のない樹脂層を堆積することが容易となり、処理が安定化されるため、請求項2に記載の発明により得られる作用効果をより一層安定化することができるという作用効果が得られる。
【0017】
また、含フッ素系溶剤や含塩素系溶剤は比較的安全性が高い上、難燃性であり、かつ蒸気圧が高いために被覆処理時に用いる溶剤の除去工程を常温〜100℃程度といった低温域で行うことができるので好ましい。また、これらの中でもハイドロフルオロエーテル、メチルパーフルオロエーテルイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、ビストリフルオロメチルベンゼンはオゾン層破壊係数もゼロであり、環境上の問題点も少ないために好ましい。
【0018】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明によるコンデンサ用リード線が夫々電気的に接続された帯状の陽極箔と陰極箔をその間にセパレータを介在させて巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に充填された導電性高分子の固体電解質からなる固体電解コンデンサというもので、この構成により、漏れ電流が特に大きくなりやすい箇所である陽極箔に電気的に接続された電極タブ部分に、導電性高分子、モノマー、ドーパント、重合溶剤、酸化剤等が重合時に付着しづらくなる(濡れ性低下効果)ため、陰極体として作用する導電性高分子の電極タブ部分への付着を抑制することができ、その結果、漏れ電流の引き出し部分の遮断効果により漏れ電流を小さくすることができるという作用効果が得られる。
【0019】
また、これらの導電性高分子は電極タブの被覆樹脂であるフッ素含有樹脂に対して著しく濡れ性が悪いため、濡れ性低下効果を十分かつ安定して発揮することができ、電極タブ部分への重合物の付着が生じにくく、その結果、極めて漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動が極めて少ない固体電解コンデンサを得ることができるという作用効果が得られる。なお、導電性高分子が置換基として含フッ素基や含塩素基を有するものやポリアニリン系の場合には、導電性高分子と電極タブの被覆樹脂層との相溶性が高い傾向にあるため、濡れ性低下効果が十分に発揮されにくい上、重合時に被覆樹脂層が溶解して容易に剥がれ落ちやすくなるために本発明の効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。
【0020】
また、導電性高分子を構成する繰り返し単位モノマーが、ピロール、エチレンジオキシチオフェンおよび上記化合物の誘導体のいずれか一つ以上を用いる時は、これらの繰り返し単位モノマーは電極タブの被覆樹脂であるフッ素含有樹脂に対して著しく濡れ性が悪いため、前述の濡れ性低下効果を十分かつ安定して発揮することができ、電極タブ部分への重合物の付着が生じにくく、その結果、極めて漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動が極めて少ない固体電解コンデンサを得ることができるという作用効果が得られる。なお、モノマーが置換基として含フッ素基や含塩素基を有するものやアニリン系の場合には、モノマーと電極タブの被覆樹脂層との相溶性が高い傾向にあるため、濡れ性低下効果が十分に発揮されにくい上、重合時に被覆樹脂層が溶解して容易に剥がれ落ちやすくなるために本発明の効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。
【0021】
また、導電性高分子を構成するドーパントおよびその化合物が、脂肪族スルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸および上記化合物の誘導体のいずれかを用いる時は、これらのドーパントは電極タブの被覆樹脂であるフッ素含有樹脂に対して著しく濡れ性が悪いため、濡れ性低下効果を十分かつ安定して発揮することができ、電極タブ部分への重合物の付着が生じにくく、その結果、極めて漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動が極めて少ない固体電解コンデンサを得ることができるという作用効果を有する。
【0022】
なお、ドーパントが置換基として含フッ素基や含塩素基を有する場合(例えばフルオロメタンスルホン酸等)は、ドーパントと電極タブの被覆樹脂層との相溶性が高い傾向にあるため、濡れ性低下効果が十分に発揮されにくい上、重合時に被覆樹脂層が溶解して容易に剥がれ落ちやすくなるために本発明の効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。
【0023】
また、導電性高分子を充填する際に用いる重合溶剤が、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、水および上記溶剤の少なくとも一つ以上を含有する混合溶剤を用いる時は、これらの重合溶剤は電極タブの被覆樹脂であるフッ素含有樹脂、珪素含有樹脂に対して著しく濡れ性が悪いため、濡れ性低下効果を十分かつ安定して発揮することができ、電極タブ部分への重合物の付着が生じにくく、その結果、極めて漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動が極めて少ない固体電解コンデンサを得ることができるという作用効果を有する。
【0024】
なお、重合溶剤がフッ素系溶剤(フルオロベンゼンやビストリフルオロメチルベンゼン等)や塩素系溶剤(クロロフォルムやジクロロメタン等)の場合には、電極タブの被覆樹脂層との相溶性が高い傾向にあるため、濡れ性低減効果が十分に発揮されにくい上、重合時に被覆樹脂層が溶解して容易に剥がれ落ちやすくなるために本発明の効果を十分に発揮することが困難であり、好ましくない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0027】
図1は本発明による固体電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図であり、図2(a),(b)は同コンデンサ素子を構成するアルミニウム製の電極タブを示した斜視図とその要部であるA−B断面における断面図である。
【0028】
図1において、4はコンデンサ素子であり、このコンデンサ素子4はエッチング処理により表面を粗面化した後に酸化処理により誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔1に陽極引き出しリード5が接合された陽極タブ6を接続すると共に、アルミニウム箔からなる陰極箔2に陰極引き出しリード7が接合された陰極タブ8を接続し、このように構成された陽極箔1と陰極箔2をその間にセパレータ3を介在させて巻回することにより作製され、さらに上記陽極箔1と陰極箔2との間に導電性高分子等からなる固体電解質(図示せず)を形成して構成されているものである。
【0029】
そしてこのコンデンサ素子4を有底筒状のアルミニウムケース9に収納すると共に、上記アルミニウムケース9の開放端をゴム製の封口材10により、陽極箔1および陰極箔2の夫々から導出した外部導出用の陽極引き出しリード5と陰極引き出しリード7が封口材10を貫通するようにして封止することにより構成されているものである。
【0030】
また、図2に示すように、上記陽極引き出しリード5(または陰極引き出しリード7)が電気的に接合された陽極タブ6(または陰極タブ8)の表面部分は、濡れ性を低下させる処理層11(例えば、濡れ性低下効果のある樹脂の被覆層)により被覆されているものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、陽極タブ6の少なくとも一部が処理されていれば同様の漏れ電流の低下−安定化効果が得られるものである。好ましくは、封口材10の電極タブ貫通用の孔の内部と陽極タブ(または陰極タブ8)とが接する部分(電極タブの円柱形部分)への処理が効果的、かつ経済的である。また、陽極タブ6と陰極タブ8の両方に処理を施しても良く、陽極タブ6一方への処理でも良い。また、本発明の原理上、陰極タブ8のみへの処理は効果的ではない。
【0031】
次に、本発明の具体的な実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
リード端子(鉄芯材に銅のフラッシュめっきを施し、更にその上に錫めっきを施したもの)が溶接されたアルミニウム製の電極タブのアルミニウム部分を、2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)エチルアクリレートと2−(ペルフルオロアルキルオキシ)エチルアクリレートの共重合体を含有するフッ素系樹脂の3重量%ビストリフルオロメチルベンゼン溶液に浸漬して引き上げた後、85℃雰囲気中で10分間放置し、電極タブに付着した溶液中の溶剤成分であるビストリフルオロメチルベンゼンを完全に揮発させることで電極タブのアルミニウム部分全面にフッ素系樹脂を被覆した。なお、このフッ素系樹脂の被覆層の厚みは電子顕微鏡観察の結果、0.5〜1.0μmであった。また、被覆層の表面張力は17mN/mであった。
【0033】
このようにして作製したリード線の電極タブを誘電体酸化皮膜を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔(誘電体酸化皮膜の耐電圧32V)とエッチング処理を施したアルミニウム箔からなる陰極箔とに夫々かしめ接合することにより電気的接合を取った。
【0034】
次に、これらの電極タブを接合した陽極箔と陰極箔の間にポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布セパレータ(厚さ50μm、秤量20g/m2)を介在させて巻回することにより、巻回形の(アルミニウム)電解コンデンサ用の素子を作製した(このコンデンサ素子にアジピン酸アンモニウムの10重量%エチレングリコール溶液を含浸させた際の周波数120Hzにおける静電容量は250μFであった)。
【0035】
続いて、このコンデンサ素子を導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸1.0%水溶液中に浸漬して引き上げた後、150℃で5分間乾燥処理を行い、陽極箔と陰極箔の誘電体酸化皮膜上ならびにセパレータ繊維上にポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸の層を形成した。
【0036】
続いて、このコンデンサ素子を重合性モノマーであるエチレンジオキシチオフェン1部と酸化剤兼ドーパント成分となるp−トルエンスルホン酸第二鉄2部と重合溶剤であるn−ブタノール4部を含む溶液に浸漬して引き上げた後、85℃で60分間放置することにより化学重合性導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンを電極箔間に形成した。
【0037】
続いて、このコンデンサ素子を水洗し、乾燥した後、樹脂加硫ブチルゴム製の封口部材(ブチルゴムポリマー30部、カーボン20部、無機充填剤50部から構成、封口体硬度:70IRHD[国際ゴム硬さ単位])と共にアルミニウム製の外装ケースに封入した後、カーリング処理により開口部を封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両リード端子をポリフェニレンサルファイド製の座板に通し、リード線部を扁平に折り曲げ加工することにより面実装型の固体(アルミ)電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ10mm、定格電圧16V)。
【0038】
このようにして作製した固体電解コンデンサの端子間に直流電圧19Vを105℃雰囲気中で1時間印加し、エージング処理を実施した。
【0039】
(実施の形態2)
上記実施の形態1において、フッ素樹脂の3重量%ビストリフルオロキシレン溶液の代わりに、成膜改質材を添加した2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)エチルアクリレートとペルフルオロアルケニルポリビニルフェニルエーテルとのグラフト共重合体を含有するフッ素樹脂のビストリフルオロキシレンとパラキシレンヘキサフルオライドを含有する混合溶媒溶液(フッ素系樹脂の濃度2重量%)を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。なお、上記フッ素系樹脂の厚みは電子顕微鏡観察の結果、0.3〜0.7μmであった。また、被覆層の表面張力は17mN/mであった。
【0040】
(実施の形態3)
上記実施の形態1において、フッ素樹脂の3重量%ビストリフルオロキシレン溶液の代わりに、フッ素樹脂の2重量%ハイドロフルオロエーテル溶液を用いた以外は実施の形態1と同様に作製した。なお、上記フッ素系樹脂の厚みは電子顕微鏡観察の結果、0.5〜1.0μmであった。また、被覆層の表面張力は11mN/mであった。
【0041】
(比較例1)
上記実施の形態1において、リード端子が溶接されたアルミニウム製の電極タブのアルミニウム部分に処理を行わなかった以外は実施の形態1と同様に作製した。
【0042】
以上のように作製した本発明の実施の形態1〜3と比較例1の固体電解コンデンサについて、その静電容量(測定周波数120Hz)、ESR(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧16V印加後2分値)およびリフロー半田付け処理(ピーク温度250℃、200℃以上に曝される時間45秒の条件)を行った後の漏れ電流を比較した結果を(表1)に示す。なお、試験個数はいずれも50個であり、特性値はいずれも平均値で示した。
【0043】
【表1】
【0044】
(表1)から明らかなように、本発明の実施の形態1〜3の固体電解コンデンサは、比較例の固体電解コンデンサと比較して漏れ電流が小さく、かつリフロー半田付け処理後の漏れ電流の変動も少なく、信頼性の高い固体電解コンデンサが構成できていることがわかる。
【0045】
また、濡れ性低下効果により電極タブ部分への重合物の付着も著しく少なく、これらによる半田付け阻害(重合物が端子部分や引き出しリードの錫めっき層を覆うことによる半田濡れ性低下による半田付け不良)の心配も無いものである。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、リード端子引き出し用の電極タブの少なくとも一部に導電性高分子等に対する濡れ性を低下させる処理を施した構成としたことにより、漏れ電流が特に大きくなりやすい箇所である陽極箔に電気的に接続された電極タブ部分に導電性高分子等が重合時に付着しづらくなる(濡れ性低下効果)。このため、陰極体として作用する導電性高分子の電極タブ部分への付着を抑制することができ、その結果、漏れ電流の引き出し部分の遮断効果により、漏れ電流の小さな固体電解コンデンサを構成することができる。
【0047】
また、この固体電解コンデンサを得るための製造方法として、電極タブの少なくとも一部に導電性高分子等に対する濡れ性を低下させる樹脂の被覆処理工程を、溶剤可溶性樹脂の溶液を電極タブの少なくとも一部に付着させる工程と、溶剤可溶性樹脂の溶液の溶剤成分を気化−逸散させる工程を含むようにしたことにより、濡れ性を低下させる樹脂の被覆処理を容易かつ均一に行うことができる。
【0048】
これらの本発明により、漏れ電流が小さく、かつ半田付け時の熱ストレスに対しても漏れ電流変動の少ない、信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることができ、その工業的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による固体電解コンデンサの構成を示した部分断面斜視図
【図2】(a)同コンデンサ素子のリード線の電極タブを示した斜視図
(b)同A−B断面における断面図
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 コンデンサ素子
5 陽極引き出しリード
6 陽極タブ
7 陰極引き出しリード
8 陰極タブ
9 アルミニウムケース
10 封口材
11 濡れ性を低下させるための処理層
Claims (4)
- 扁平部を形成したアルミニウム線材製の電極タブと、この電極タブに電気的に接続された引き出しリードからなり、上記電極タブにポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンジオキシチオフェン、ピロール、エチレンジオキシチオフェン、脂肪族スルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸および上記化合物の誘導体、およびメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、水の少なくとも一つ以上の混合物に対する濡れ性を低下させる樹脂を被覆し、前記樹脂が2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)メチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルケニルオキシ)エチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルキルオキシ)メチルアクリレート、2−(ペルフルオロアルキルオキシ)エチルアクリレート、パーフルオロアルケニルポリビニルフェニルエーテル、パーフルオロアルキルポリビニルフェニルエーテルの群より選ばれる少なくとも一つ以上により構成される重合体からなる樹脂を含有するフッ素系樹脂であるコンデンサ用リード線。
- 電極タブに被覆されるフッ素系樹脂が、被覆状態における表面張力が30mN/m以下である請求項1に記載のコンデンサ用リード線。
- 電極タブに被覆されるフッ素系樹脂が、ポリフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル、メチルパーフルオロエーテルイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ビストリフルオロメチルベンゼン、キシレンヘキサフルオライド、ヘキサフルオロプロペン、およびこれらの誘導体および/または多量体の少なくとも1種以上の混合含フッ素系溶剤に0.1重量%以上溶解する含フッ素系樹脂である請求項1または2に記載のコンデンサ用リード線。
- 請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンデンサ用リード線が夫々電気的に接続された帯状の陽極箔と陰極箔をその間にセパレータを介在させて巻回することにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に充填された導電性高分子の固体電解質からなる固体電解コンデンサ。
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