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JP4498625B2 - ファンビームアンテナ - Google Patents

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JP4498625B2
JP4498625B2 JP2001028687A JP2001028687A JP4498625B2 JP 4498625 B2 JP4498625 B2 JP 4498625B2 JP 2001028687 A JP2001028687 A JP 2001028687A JP 2001028687 A JP2001028687 A JP 2001028687A JP 4498625 B2 JP4498625 B2 JP 4498625B2
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宜一 松井
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Dxアンテナ株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平面と垂直面とで指向性が異なるファンビームアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファンビームアンテナを構成する場合、一方の面に地導体が形成された本体の他方の面に、マイクロストリップアンテナ素子を複数配置し、各マイクロストリップアンテナ素子の出力を、本体の他方の面に設けたマイクロストリップラインによる合成器で合成した上に、各マイクロストリップアンテナ素子の上方に抑圧素子をそれぞれ設けることが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなファンビームアンテナでは、合成器が必要であるので、アンテナ出力に損失が生じる上に、抑圧素子のような付属素子を各マイクロストリップアンテナ素子の上に設けなければならず、製造が面倒であった。
【0004】
本発明は、出力に損失が生じず、かつ付属素子が不要なファンビームアンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるファンビームアンテナは、キャビティを有している。このキャビティは、中心点からn・λg/4(nは正の3以上の奇数、λgは管内波長)離れた位置に短絡面を有している。このキャビティ内において前記中心点からそれぞれm・λg/4(mは正の奇数で、m<n)離れた位置に、互いに等しい角度をなすように複数のスロットが形成されている。これらスロットは、前記中心点を挟んで点対称の位置にあるスロットと対をなしている。
【0006】
前記キャビティの一方の面の前記中心点にプローブを配置することができる。この場合、前記一方の面と対向する面に前記各スロットが形成されている。
【0007】
前記キャビティを、両端を短絡した2つの矩形導波管が十字型に組み合わされた形状とすることができる。この場合、2つの矩形導波管に前記対のスロットがそれぞれ配置されている。
【0008】
前記キャビティを、直径が前記n・λg/2である円柱形に形成することができる。この場合、この円柱形の交差し且つ互いに等しい角度をなす少なくとも2本の直径の上に、前記対のスロットがそれぞれ形成されている。
【0009】
前記キャビティを、直径がn・λg/2である円に外接する正多角形柱に形成することができる。この場合、この正多角形柱の対向する短絡面間に前記対のスリットがそれぞれ形成されている。
【0010】
前記キャビティを、互いに等しい角度をなす複数本の対角線を有する正多角形柱に形成することができる。この場合、前記各対角線上に、前記対のスロットがそれぞれ形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態のファンビームアンテナは、図1及び図2に示すように、偏平な直方体状に形成された導電性の本体2を有している。この本体2は、その平面形状が概略正方形状に形成され、その上面側に凹所した円柱形の凹所4が形成されている。この凹所4は、図2に示すように、n/2λg、例えば約3/2λgの直径を有している。nは正の整数で、奇数であることが望ましい。λgは、このファンビームアンテナによって送受信しようとする電波の管内波長である。
【0012】
この凹所4の底面の中心、即ち中心点には、図3に示すように、このファンビームアンテナによって電波を送受信するためのプローブ6が設けられている。
【0013】
凹所4の上面開口を被蓋するように、本体2の上面とほぼ同一形状の導電板8が上面と接触させて配置されている。この導電板8と凹所4とによって、導電板8と凹所4の底面とを平行平板とする円柱形のキャビティが形成されている。このキャビティは、約3/2λgの直径を持つ円周壁によって周囲全域が短絡されている。従って、プローブ6から短絡面である円周壁までの距離は、nλg/4である。この導電板8には、複数、例えば4つのスロット10a、10b、10c、10dが形成されている。スロット10a、10bが対をなし、スロット10c、10dが対をなしている。
【0014】
スロット10a、10bは、キャビティにおける電波の伝搬方向、即ちキャビティの1本の直径上に位置している。これらスロット10a、10bは、図2に示すように、直径方向の長さが約λ/6(λはこのファンビームアンテナで送受信しようとする電波の自由空間波長)で、直径方向に直交する方向の長さが、例えば約λ/2の矩形開口に形成されている。これらスロット10a、10bは、mλg/2(mは正の整数で、m<n、mは奇数であることが望ましい。)、例えば約λg/2の間隔を隔てて位置している。これらスロット10a、10bは、プローブ6を間に挟んで等距離の位置に、言い換えれば点対称の位置に位置している。スロット10a、10bは、短絡面であるキャビティの周面から約λg/2(約λg/4の偶数倍)の位置にある。
【0015】
スロット10c、10dは、スロット10a、10bが形成されている直径と直交する直径上に位置する以外、スロット10a、10bと同様に構成されている。従って、スロット10a、10b、10c、10dは、プローブ6から約mλg/4の位置に配置され、プローブ6を挟んで点対称の位置にあるスロット10a、10bが対をなし、同様にスロット10c、10dが対をなしている。対は偶数対設けられている。また、これらスロット10a乃至10dは、プローブ6を中心とする半径が約mλg/4の円周上に互いに等角度をなすように偶数個配置されてもいる。
【0016】
キャビティは、上述したように円形凹所4の底面と導電板8とからなる平行平板を約3/2λgの直径の円柱で短絡した形状であり、共振幅は約3/2λgである。従って、電界の節(電流最大点)は、1本の直径上において、短絡面を含めて、図4に示すように4点あり、1本の直径をスロット10a、10bを含むものとすると、スロット10a、10bは電流の最大点に位置している。なお、図4において実線は電流の、破線は電圧の共振時の状態を示す。
【0017】
図5のZ軸方向(導電板8に垂直な方向、即ちZ軸に対する角度θ=0、導電板8の一辺の方向Xに対する角度φ(図7参照)=0)からの入射波を考える。スロット10a、10b、10c、10dは全て到来波に直交する面(図7のX−Y平面)内にあり、各スロット10a、10b、10c、10dにおける入射波はいずれも同相であり、それぞれスロット10a、10b、10c、10dに共振してキャビティ内を励振する。キャビティ内を進行する進行波はそれぞれ短絡面で反射してプローブ6に受信される。キャビティは共振しており、その電流、電圧の状態は図4に示すような状態であるから、対向する2つのスロット例えば10aと10b、または10cと10dでは電流は逆相であり、各スロットから短絡面を経てプローブ6へ到達する距離は、スロット10aと10bとではまたはスロット10cと10dとでは等しく、対向する2つのスロットで受信された到来波はプローブ6で打ち消され、結局、受信されない。
【0018】
到来波の方向が、図5に示すようにθ及びφの一方または双方が0でないとき、対向する2つのスロット10aと10bまたは10cと10dとの間に、例えば距離差δ(θ≠0、φ=0の場合)に相当する位相差が生じるので、上述したのと同じ経路をたどるキャビティ内の進行波は、プローブ6に何らかの電流及び電圧を生じ、プローブ6によって到来波が受信される。
【0019】
1対のスロット、例えばスロット10aと10bまたは10cと10dは、それぞれスロットアンテナの2素子直線アレイであり、そのθ面指向性はアレイファクターによるサイドローブが無い形となり、また、アンテナの正面への入射波は上述したように受信されないので、その指向性は、1対のスロット10aと10bまたは10cと10dをわたる面内で、図6に示すようになる。
【0020】
2対のスロット10aと10b、10cと10dは、それぞれ直線偏波用のアンテナであるが、スロット10a、10bとスロット10c、10dとは互いに直交しているので、例えば図6におけるθ=35度付近にθを固定した状態で、図5のZ軸を回転軸としたφ方向の指向性を考える。
【0021】
直線(水平または垂直)偏波では、φ=0度、90度、180度、270度において、1対のスロットアレイの指向性利得となる。これは、例えば1対のスロット10a、10bが同一偏波となり、他方の1対のスロット10c、10dが交差偏波となるからである。
【0022】
φ=45度、135度、225度、315度でも、1対のスロットアレイの指向性利得となる。これは、2対のスロット10a、10bと、10c、10c、10dとも、偏波は正または負に45度ずれていて、各々3dBの偏波損失があるが、2対分を合成すると1対分の同一偏波の指向性利得分となるからである。
【0023】
φが上記の角度以外の任意の角度の場合でも、1対のスロットアレイの指向性利得となる。これは、1対のスロット10a、10bと、他方の1対のスロット10c、10dの偏波の差が常に90度あって、上述した45度正または負にずれている場合と同様に、そのベクトル和は1対の同一偏波の指向性利得となるからである。
【0024】
また、後述する第5及び第6の実施形態のように構成して円(右旋または左旋)偏波を受信するように構成した場合でも、φの値に拘わらず、常に2対のスロットアレイの指向性利得となるので、結局、直線偏波でも円偏波でも、相対値ではφ方向の指向性は、図8に示すようにφを変更しても電界の変化が少ない円形のパターンとなる。
【0025】
このように任意のφ値断面のθ面指向性は、図6に示したようなサイドローブのない形であり、φ方向の指向性は図8に示すような円形となり、θ面とφ方向とで指向性が異なるファンビームアンテナが得られる。
【0026】
図9に、このファンビームアンテナの周波数対VSWR特性を示す。VSWRは、最悪でも1.2よりも小さく、充分に実用となる。また、θ面指向性は、40度以上60度以下の方向で高い相対利得を示している。この角度範囲は、衛星放送を受信するために必要な仰角30度乃至50度に一致するので、衛星放送の受信用に適したアンテナである。
【0027】
このファンビームアンテナは、キャビティに複数のスロットを設けることによって構成されているので、マイクロストリップアンテナ素子の出力をマイクロストリップラインによって合成するような作業が不要であり、出力損失が生じない。また、ファンビーム特性とするために、抑圧素子を設ける必要もなく、製造が容易である。
【0028】
図10乃至図13に、第2の実施の形態のファンビームアンテナを示す。このファンビームアンテナも 本発明の第1の実施の形態のファンビームアンテナと同様に、偏平な直方体状の導電性の本体2を有している。この本体2は、平面形状が概略正方形状に形成され、その上面側に十字状に形成された凹所4aが形成されている。この凹所4aは、図11に示すように、幅が約0.8λgで、長さが約5/2λgである直方体状の凹所を、2本直交させた形状である。
【0029】
この凹所4aの底面の中心には、図3に示すように、このファンビームアンテナによって電波を送受信するためのプローブ6が設けられている。
【0030】
凹所4aの上面開口を被蓋するように、本体2の上面とほぼ同一形状の導電板8が上面と接触させて配置されている。この導電板8と凹所4aとによって、導波管型の十字のキャビティが形成されている。このキャビティの各直線状の導波管部では、約5/2λgだけ隔てて短絡面が位置する。この導電板8には、複数のスロット10a、10b、10c、10dが形成されている。スロット10a、10bが対をなし、スロット10c、10dが対をなしている。
【0031】
スロット10a、10bは、キャビティにおける電波の伝搬方向、即ちキャビティの1本の直線状部の短絡面間を繋ぐ直線上に位置している。これらスロット10a、10bは、図2に示すように、上記直線方向の長さが約λ/6で、上記直線方向に直交する方向の長さが、例えば約λ/2の矩形に形成されている。これらスロット10a、10bは、mλg/2(mは正の整数で、m<n、mは奇数であることが望ましい。)、例えば約3/2λgの間隔を隔てて位置している。これらスロット10a、10bは、プローブ6を間に挟んで等距離の点対称の位置に位置している。スロット10a、10bは、短絡面から約λg/2(約λg/4の偶数倍)の位置にある。
【0032】
スロット10c、10dは、スロット10a、10bが形成されている直線状部と等角度をなす、例えば直交する直線状部に位置する以外、スロット10a、10bと同様に構成されている。従って、これらスロット10a乃至10dは、プローブ6からそれぞれmλg/4離れた位置に互いに等角度をなすように形成され、プローブ6を挟んで点対称の位置にあるものが対をなしている。また、これらスロット10a乃至10dは、プローブ6を中心として半径がmλg/4の円周上に互いに等角度をなして、偶数個配置されてもいる。
【0033】
第2の実施の形態のファンビームアンテナも、第1の実施の形態のファンビームアンテナと同様に動作する。図13に第2の実施の形態のファンビームアンテナの任意のφ値断面のθ面指向性を示す。また、第2の実施の形態のファンビームアンテナのφ方向指向性は、図8に示したものと同様になる。また、図14に、このファンビームアンテナの周波数対VSWR特性図を示す。この特性図から明らかなように最悪でもVSWR値は最大1.3であり、充分に実用になる。
【0034】
図15及び図16に第3の実施の形態のファンビームアンテナを示す。このファンビームアンテナも偏平な直方体状の導電性の本体2を有している。この本体2は、平面形状が概略正方形状に形成され、その上面側に開口した正多角形柱、例えば八角形柱の凹所4bが形成されている。この凹所4bは、図2に示すように、n/2λg、例えば約3/2λgの直径を有する円に外接するように形成されている。nは正の整数で、奇数であることが望ましい。λgは、このファンビームアンテナによって送受信しようとする電波の管内波長である。
【0035】
この凹所4bの底面の中心には、このファンビームアンテナによって電波を送受信するためのプローブ6が設けられている。
【0036】
凹所4bの上面開口を被蓋するように、本体2の上面とほぼ同一形状の導電板8が上面と接触させて配置されている。この導電板8と凹所4bとによって、導電板8と凹所4bの底面とを平行平板とするキャビティが形成されている。このキャビティは、対向するものの距離が約3/2λgである短絡壁によって周囲全域が短絡されている。この導電板8には、複数のスロット10a、10b、10c、10dが形成されている。スロット10a、10bが対をなし、スロット10c、10dが対をなしている。
【0037】
スロット10a、10bは、キャビティにおける電波の伝搬方向、即ちキャビティの相対向する短絡壁間を繋ぐ1本の直線上に位置している。これらスロット10a、10bは、図16に示すように、上記直線方向の長さが約λ/6で、直線方向に直交する方向の長さが、例えば約λ/2の矩形に形成されている。これらスロット10a、10bは、mλg/2(mは正の整数で、m<n、mは奇数であることが望ましい。)、例えば約λg/2の間隔を隔てて位置している。これらスロット10a、10bは、プローブ6を挟んで等距離の位置に点対称に位置している。スロット10a、10bは、短絡面であるキャビティの周面から約λg/2(約λg/4の偶数倍)の位置にある。
【0038】
スロット10c、10dは、スロット10a、10bが形成されている直径と等しい角度をなす、例えば直交する直径上に位置する以外、スロット10a、10bと同様に構成されている。従って、スロット10a乃至10dは、プローブ6からそれぞれmλg/4離れた位置に形成され、プローブ6を挟んで点対称の位置に配置されている。また、これらスロット10a乃至10dは、プローブ6を中心とする半径mλg/4の円周上に互いに等角度をなすように偶数個配置されている。
【0039】
第3の実施の形態のファンビームアンテナも、第1の実施の形態のファンビームアンテナと同様に動作する。図17に第3の実施の形態のファンビームアンテナの任意のφ値断面のθ面指向性を示す。また、第3の実施の形態のファンビームアンテナのφ方向指向性は、図8に示したものと同様になる。また、図18に、このファンビームアンテナの周波数対VSWR特性図を示す。この特性図から明らかなように最悪でもVSWR値は最大1.17であり、充分に実用になる。
【0040】
図19及び図20に第4の実施形態のファンビームアンテナを示す。第4の実施形態のファンビームアンテナも、偏平な直方体状に形成された導電性の本体2を有している。この本体2の上面側に開口した正多角形状の凹所4dが形成されている。この凹所4dは、本体2の上面に、2列2行に平面形状が概略矩形の凹所を、所定の間隔を互いの間に形成し、導電板2の中心側において、それぞれの一部を切り欠いて、互いに連通させた形状である。また、概略正方形の各辺の中点から中心側に向かって各辺の長さの約1/2λgの長さだけ、切り込んだ形状とも言える。なお、この正方形の各隅はR形状とされている。
【0041】
各隅がR形状とされた正方形の中心にプローブ6が配置されている。この正方形の2本の対角線の長さは、いずれも、図20に示すように、n/2λg、例えば約3/2λgに選択されている。nは正の整数で、奇数であることが望ましい。λgは、このファンビームアンテナによって送受信しようとする電波の管内波長である。
【0042】
本体2の上面に接触して被蓋するように、導電板8が配置されている。この導電板8には、2対のスロット10a、10b、10c、10dが形成されている。スロット10a、10bは、一方の対角線上にあり、対角線に沿う方向の長さが約λ/10であり、対角線に直交する方向の長さが例えば約λ/2である矩形の開口である。これらスロット10a、10bは、mλg/2(mは正の整数で、m<n、mは奇数であることが望ましい。)、例えば約λg/2の間隔を隔てて位置している。これらスロット10a、10bは、プローブ6を挟んで等距離の位置に点対称に配置されている。スロット10a、10bは、短絡面であるキャビティの周面から約λg/2(約λg/4の偶数倍)の位置にある。
【0043】
スロット10c、10dも、スロット10a、10bと直交する以外、同様に構成されている。従って、スロット10a、10b、10c、10dは、プローブ6から約mλg/4の位置に配置され、プローブ6を挟んで点対称の位置にあるスロット10a、10bが対をなし、同様にスロット10c、10dが対をなしている。対は偶数対設けられている。また、これらスロット10a乃至10dは、プローブ6を中心とする半径が約mλg/4の円周上に互いに等角度をなすように偶数個配置されてもいる。
【0044】
このファンビームアンテナは、第1の実施の形態のファンビームアンテナと同様に動作する。図21に、このファンビームアンテナの任意のφ値断面のθ面指向性を示す。また、第4の実施の形態のファンビームアンテナのφ方向指向性は、図8に示したものと同様になる。また、図22に、このファンビームアンテナの周波数対VSWR特性図を示す。この特性図から明らかなように最悪でもVSWR値は約1.2であり、充分に実用になる。
【0045】
図23に第5の実施の形態のファンビームアンテナを示す。このファンビームアンテナは、円偏波を送受信するためのもので、第1の実施の形態の導体板8の上方に誘電体からなるスペーサ20を介して無給電ダイポールアンテナ22を配置したものである。無給電ダイポール22は、導体板24に4つのスロット26を形成したものである。これらスロット26は、スロット10a乃至10dにそれぞれ対応して設けられ、対応するスロット10a乃至10dに対して所定の角度、例えば約45度の角度をなすように構成されている。このようにスロット26を配置することによって円偏波の送受信が行える。
【0046】
図24に第6の実施形態のファンビームアンテナを示す。このファンビームアンテナも円偏波を送受信するためのもので、第4の実施の形態のファンビームアンテナに対して、第5の実施の形態のファンビームアンテナで使用したスペーサ20と無給電ダイポールアンテナ22を配置したものである。無給電ダイポールアンテナ22の導体板24に形成した、各スロット26が、対応するスロット10a乃至10dに対して所定の角度、例えば45度をなすように配置されている。
【0047】
図25に第7の実施形態のファンビームアレイアンテナを示す。このファンビームアレイアンテナ28は、第2の実施の形態で示したファンビームアンテナをアレイ化したものである。このファンビームアレイアンテナ28では、本体2に4行4列にわたって第2の実施の形態の凹所4aに相当する凹所40aが形成されている。凹所40aの大きさは、第2の実施の形態の凹所4aと同様である。また、導体板8aには、各凹所40a上に第2の実施形態のスロット10a乃至10dに相当するスロットが配置されるように、多数のスロット10が形成されている。
【0048】
このようなファンビームアレイアンテナ28は、例えば図26に示すように、導電板8が床面に平行になるように、天井に取り付けられ、無線LAN用のアンテナとして使用することができる。上記のように取り付けているので、φ方向の指向性が床面を向き、様々な方向からの電波を受信することができる。
【0049】
或いは、図27に示すように、図25のファンビームアレイアンテナ28の各ファンビームアレイアンテナ28aそれぞれに周波数変換器、例えばローノイズブロックコンバータ30を接続し、それらの出力信号を移相器32を介して合成器34に供給し、合成器34の出力を分配器36によって分配した出力を検波器38によって検波し、その検波出力に基づいて各移相器32の位相をCPU36によって調整することで、フェーズドアレイアンテナを構成することもできる。この場合、ファンビームアンテナ28を、その導電板8が地面と平行になるように配置すると、所要仰角方向のビーム合成が容易になる。なお、ファンビームアンテナ28aの各出力側に移相器を設けて、位相調整を行ってもよい。
【0050】
上記の各実施の形態では、電波の伝搬方向に沿って2つのスロット、例えば10a、10bとを設けたが、隣接するスロットの間隔がm/2λgの条件を満たす場合、さらに多くのスロットを設けることもできる。また、上記の各実施の形態では、キャビティは、凹所を形成した直方体状の本体と導電板とによって形成したが、本体を、例えば薄い導電金属、例えばアルミニウムをプレスして、凹所を形成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、抑圧素子のような付属品を使用せずに、ファンビームアンテナを実現することができ、更に合成回路も不要であるので、損失が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のファンビームアンテナの組み立て図である。
【図2】図1のファンビームアンテナの平面図である。
【図3】図1のファンビームアンテナの縦断面図である。
【図4】図4のファンビームアンテナのキャビティでの共振状態を示す図である。
【図5】図1のファンビームアンテナにおけるθ方向からの電波の入射を示す図である。
【図6】図1のファンビームアンテナのθ方向の指向特性図である。
【図7】図1のファンビームアンテナにおけるφ方向からの電波の入射を示す図である。
【図8】図1のファンビームアンテナにおけるφ方向の指向特性図である。
【図9】図1のファンビームアンテナにおける周波数対VSWR特性図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のファンビームアンテナの組み立て図である。
【図11】図10のファンビームアンテナの平面図である。
【図12】図10のファンビームアンテナの縦断面図である。
【図13】図10のファンビームアンテナのθ方向の指向特性図である。
【図14】図10のファンビームアンテナにおける周波数対VSWR特性図である。
【図15】本発明の第3の実施形態のファンビームアンテナの組み立て図である。
【図16】図15のファンビームアンテナの平面図である。
【図17】図15のファンビームアンテナのθ方向の指向特性図である。
【図18】図15のファンビームアンテナにおける周波数対VSWR特性図である。
【図19】本発明の第4の実施形態のファンビームアンテナの組み立て図である。
【図20】図19のファンビームアンテナの平面図である。
【図21】図19のファンビームアンテナのθ方向の指向特性図である。
【図22】図19のファンビームアンテナにおける周波数対VSWR特性図である。
【図23】本発明の第5の実施形態のファンビームアンテナの組み立て図である。
【図24】本発明の第6の実施形態のファンビームアレイアンテナの組み立て図である。
【図25】本発明の第7の実施形態のファンアレイビームアンテナの組み立て図である。
【図26】図25のファンビームアレイアンテナを配置した状態を示す斜視図である。
【図27】図25のファンビームアレイアンテナを用いて構成したフェーズドアレイアンテナのブロック図である。
【符号の説明】
2 本体
4 凹所(キャビティ)
8 導電板(キャビティ)
10a乃至10d スロット

Claims (6)

  1. 中心点からn・λg/4(nは正の3以上の奇数、λgは管内波長)離れた位置に短絡面を有するキャビティと、
    このキャビティ内において前記中心点からそれぞれm・λg/4(mは正の奇数で、m<n)離れた位置に、互いに等しい角度をなすように形成された複数のスロットとを、
    有し、これらスロットは、前記中心点を挟んで点対称の位置にあるスロットと対をなすファンビームアンテナ。
  2. 請求項1記載のファンビームアンテナにおいて、前記キャビティの一方の面の前記中心点にプローブが配置され、前記一方の面と対向する面に前記各スロットが形成されているファンビームアンテナ。
  3. 請求項1記載のファンビームアンテナにおいて、前記キャビティが両端を短絡した2つの矩形導波管を十字型に組み合わせた形状であり、前記2つの矩形導波管に前記対のスロットがそれぞれ配置されているファンビームアンテナ。
  4. 請求項1記載のファンビームアンテナにおいて、前記キャビティを、直径が前記n・λg/2である円柱形に形成し、この円柱形の交差し且つ互いに等しい角度をなす少なくとも2本の直径の上に、前記対のスロットがそれぞれ形成されているファンビームアンテナ。
  5. 請求項1記載のファンビームアンテナにおいて、前記キャビティを、直径がn・λg/2である円に外接する正多角形柱に形成し、この正多角形柱の対向する短絡面間に前記対のスリットがそれぞれ形成されているファンビームアンテナ。
  6. 請求項1記載のファンビームアンテナにおいて、前記キャビティは、互いに等しい角度をなす複数本の対角線を有する正多角形柱に形成され、前記各対角線上に、前記対のスロットがそれぞれ形成されているファンビームアンテナ。
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