JP4485716B2 - 熱可塑性材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品に関し、より詳細には、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、透明性、軽量性に優れる、熱可塑性を有する材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品(例えば、レンズ(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズ、OHP用レンズ等)、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基盤、ディスプレー基盤、コーティング材、プリズム等)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化社会に向けたオプトエレクトロニクスの研究が精力的に行われ、その実現に向けて光学材料の研究も盛んに行われている。光通信、光記録、光加工、光計測、光演算等、オプトエレクトロニクスの様々な展開を支える光学材料として、次のような特性が求められている。すなわち、高屈折性、低分散性(すなわち高いアッベ数)、耐熱性、透明性、無色性、クリーン性、易成形性、軽量性、耐薬品性・耐溶剤性等である。
【0003】
これまで光学材料として、石英や光学ガラスなどの無機系材料が主に用いられてきた。これら無機系材料は、優れた光学特性や耐熱性を有しているものの、加工性やコスト、密度が大きいなどの問題を抱えている。例えば、屈折率1.70を有する光学用ガラスの密度は約3.0g/cm3と非常に大きい。これらに対応すべく近年、優れた光学特性と加工性、軽量性等を兼ね備えた材料開発が進められ、有機光学材料、特に熱可塑性を有する樹脂材料に対する期待が高まっている。熱可塑性を有する樹脂材料は、軽量で可とう性に優れる、電気的誘導を受けない、成形加工が容易であるなどの多くの特徴を有し、光ファイバー、光導波路、光ディスク基盤、光フィルター、レンズ、光学用接着剤等の用途に向けた展開が図られている。
【0004】
代表的な熱可塑性樹脂材料としてポリカーボネート樹脂があり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)を原料としたものは、透明性に優れているうえにガラスに比べて軽く、耐衝撃性に優れ、溶融成形が可能であるため大量生産が容易である等の特徴から、多くの分野において、光学部品として応用が図られている。しかし、屈折率は1.58程度と比較的高い値を有しているものの、屈折率の分散性の程度を表すアッベ数が30と低く、屈折率と分散特性とのバランスが悪く、光学部品を構成する樹脂として、その用途が限られているのが現状である。例えば光学部品の代表例である眼鏡レンズは、視覚機能を考慮すると眼鏡レンズ素材のアッベ数は40以上が望ましいことが知られており(季刊化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編、学会出版センター 等)、ビスフェノールAを原料としたポリカーボネート樹脂をそのまま使用しても所望の特性を得ることは難しい。
【0005】
これらの問題点を解決しようとする多くの試みがこれまでになされており、酸素を含む環から成る特定構造を導入したポリカーボネート樹脂(特開平10−251500等)、芳香族系と脂肪族系を共重合したポリカーボネート樹脂(特開2000−230044等)、特定の脂肪族系構造を有するポリカーボネート樹脂(特開2000−63506等)等が提案されている。しかし、例えば眼鏡レンズに適用した場合に視覚機能から必要であるアッベ数40以上を有する樹脂は数少なく、30〜38程度のものが大半である。またアッベ数40以上を有する樹脂も幾つか提案されているが、屈折率は高くても1.56程度であり、高い屈折率と高いアッベ数が望まれる用途には適用できない。例えば眼鏡レンズであれば、屈折率1.58以上であり、かつアッベ数40以上を有する樹脂が望まれている。
【0006】
さらには、例えば光ファイバーや光導波路、一部のレンズのように、異なる屈折率を有する複数の材料を併用したり、屈折率に分布を有する材料の開発も望まれている。これらの材料に対応するためには、屈折率を任意に調節できることが不可欠となる。
【0007】
一方において、特に眼鏡レンズを対象とした熱硬化性樹脂の開発が盛んに行われてきた。これまでに多くの樹脂が上市されており、その多くは1.60以上の高屈折率と40以上のアッベ数を併せ持った光学特性に大変優れたものであり、これまで主流であった光学ガラスに比べて軽量であるといった特徴を有する(季刊化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編 学会出版センター 等)。しかしながら、これら全ては熱可塑性樹脂であるため、その加工に煩雑な工程と数十時間以上の多大な時間を要するのが一般であり、これらは生産効率の面から非常に大きな問題となっている。
【0008】
従って、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、透明性、及び軽量性を併せ持ち、さらには屈折率を任意に制御できる熱可塑性を有する材料、およびそれを含んで構成される光学部品は未だ見出されておらず、その開発が切に望まれていた。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、▲1▼数式(H)及び(J)で表される屈折率nおよびアッベ数νを有する優れた光学特性、▲2▼ガラス転移温度80℃以上の耐熱性、▲3▼光線透過率70%以上の透明性、▲4▼密度2.0g/cm3以下の軽量性、及び▲5▼熱可塑性及び/または溶融成形性を併せ持つ材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品を提供することにある。
【0010】
1.45<n≦1.80 (H)
ν≧205−100n (J)
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の光学特性を有する熱可塑性樹脂と、特定の平均粒子直径と特定の組成を有するチタンを主成分とする酸化物微粒子とから成る材料組成物が、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、透明性、及び軽量性を併せ持ち、さらには屈折率を任意に制御できる熱可塑性を有する材料組成物であり、それを含んで構成される光学部品が、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、透明性、及び軽量性を併せ持ち、成形加工性に優れることを見い出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[10]に記載した事項により特定される。
[1] 数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを主成分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、該酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが数式(D)で示される範囲である、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可塑性材料組成物。
【0013】
1.45≦n1≦1.65 (A)
ν1≧195−100n1 (B)
1nm≦di≦200nm (C)
50重量%≦Ci≦59.5重量% (D)
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0014】
[2] 熱可塑性樹脂が、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であり、熱可塑性材料組成物が、溶融成形可能な熱可塑性材料組成物である、[1]記載の熱可塑性材料組成物。
【0015】
[3] 熱可塑性樹脂が、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボネート樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリアミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有するポリイミド樹脂である[1]〜[2]記載の熱可塑性材料組成物。
【0016】
[4] [1]〜[3]記載の熱可塑性材料組成物を含んで構成される光学部品。
【0017】
[5] 光学部品が、レンズであることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0018】
[6] レンズが、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズまたはOHP用レンズであることを特徴とする[5]記載のレンズ。
【0019】
[7] 光学部品が、光ファイバーであることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0020】
[8] 光学部品が、光導波路であることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0021】
[9] 光学部品が、光フィルターであることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0022】
[10] 光学部品が、光学用接着剤であることを特徴とする[4]記載の光学部品。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性材料組成物は、数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを主成分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、該酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが数式(D)で示される範囲である、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可塑性材料組成物である。
【0024】
1.45≦n1≦1.65 (A)
ν1≧195−100n1 (B)
1nm≦di≦200nm (C)
50重量%≦Ci≦59.5重量% (D)
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0025】
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂である。屈折率n1及びアッベ数ν1が、数式(A)及び(B)で示される範囲を外れると、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる恐れがある。
【0026】
本発明における屈折率(n、n1、n2)とは、「季刊化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編、学会出版センター」に記載されているとおり、588nmの波長における屈折率を示す。また本発明におけるアッベ数νとは、「季刊化学総説No.39 透明ポリマーの屈折率制御 日本化学会編、学会出版センター」に記載されているとおり、数式(K)で示される値である。但し数式(K)において、nd、nf、ncはそれぞれ、588nm、486nm、656nmにおける屈折率を示す。
【0027】
ν=(nd−1)/(nf−nc) (K)
【0028】
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が80℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上300℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃未満であると、十分な耐熱性が得られない恐れがあり、またガラス転移温度が400℃を超えると、成形加工する際に高温が必要となり、プロセス的に不利となるばかりでなく、材料が変色する等の問題が生じる恐れがある。
【0029】
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。光線透過率が70%未満であると、得られる熱可塑性材料組成物の光線透過率が70%未満となる恐れがある。なお本発明における光線透過率とは、樹脂を加熱成形して厚さ3.2mmの基板を作成し、ASTM D1003に従って得られる値である。
【0030】
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、密度が2.0g/cm3以下であることが好ましく、1.5g/cm3以下であることがより好ましい。密度が2.0g/cm3を超えると、得られる熱可塑性材料組成物の密度が2.0g/cm3を超える恐れがある。
【0031】
本発明において用いる熱可塑性樹脂として、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂を用いることにより、本発明の熱可塑性材料組成物として、溶融成形が可能な熱可塑性材料組成物を得ることができる。
【0032】
本発明における熱可塑性樹脂とは、ある温度範囲で加熱により軟化し、その軟化した状態で成形や押し出し等により製品加工ができることを示す。具体的には、例えば、加熱状態でプレスすることにより、0.1〜5000μm程度の厚さを有するフィルムを成形できる性能を有する。また、本発明における溶融成形が可能な熱可塑性樹脂とは、熱的に安定な温度域で溶融成形が可能な溶融粘度を有しており、押し出しや射出等により成形加工ができることを示す。具体的には、例えば、空気中において加熱により樹脂の5重量%が減少する温度、すなわち5%重量減少温度に比べ、1〜100パスカル・秒程度の溶融粘度を有する温度が30℃以上、好ましくは50℃以上低いことをいう。溶融成形性を有することにより、押し出し成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、圧縮成型、ブロー成形、カレンダー成形、積層成形等が可能となり、ディスク、ファイバー等の様々な成形体を得ることができる。
【0033】
本発明において用いる熱可塑性樹脂は、上述の光学特性(屈折率及びアッベ数)を満たすものであり、より好ましくはさらに、上述のガラス転移温度、光線透過率、密度、及び樹脂加工性(熱可塑性及び/または溶融成形性)をも満たす樹脂である。例えば、アクリル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボネート樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリアミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。より具体的には、例えば、第1表(表1)記載の化学式(1)〜(14)で示される構造骨格を有する樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
【表1】
【0035】
また、環状脂肪族鎖の一部を芳香環に置き換えた共重合体を用いることもでき、硫黄を結合鎖などに一部含んだチオカーボネートやチオエステル、チオエーテル等も好適に用いることができる。なお、芳香環や硫黄はアッベ数の低減を伴うことがあるので、本発明で提示している熱可塑性樹脂の光学特性を外れない範囲で選択することが重要である。
【0036】
本発明において用いる熱可塑性樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法を用いることもできる。また樹脂に含まれる不純物の種類及び量についても、特に制限されるものではないが、用途によっては不純物が本発明の効果を損なう恐れがあるので、総不純物量は1重量%以下、特にナトリウムや塩素などのイオン性不純物は0.5重量%以下であることが望ましい。
【0037】
本発明において用いる熱可塑性樹脂の分子量は、特に限定されるものではなく、用途や加工方法に応じ、任意の分子量とすることができるが、成形加工性を勘案すると、樹脂を0.5g/100ミリリットルの濃度で溶解可能な溶剤に溶解した後の35℃で測定した対数粘度の値が、0.1〜3.0デシリットル/gであることが好ましい。
【0038】
また、着色の抑制や溶融成形における流動性の改善などを目的として、メタノールやエタノールなどのモノアルコール類、フェノールやターシャリーブチルフェノールといった芳香族モノヒドロキシ化合物などの末端封止用化合物を併用してもよい。
【0039】
本発明の熱可塑性樹脂は、構成単位の繰り返しに特に制限はなく、交互構造、ランダム構造、ブロック構造等のいずれの場合でも良い。また、通常用いられる分子形状は線状であるが、分岐している形状を用いても良い。また、グラフト状でも良い。
【0040】
本発明において用いる酸化物微粒子は、平均粒子直径diが数式(C)で示される酸化物微粒子である。平均粒子直径diが1nm未満であると、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる恐れがある。また平均粒子直径diが200nmを超えると、得られる熱可塑性材料組成物が濁るなどして透明性が低下し、光線透過率が70%未満となる恐れがある。
【0041】
1nm≦di≦200nm (C)
【0042】
本発明において用いる酸化物微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、好適には球状の微粒子が用いられる。また、粒子径の分布に関しても特に制限されるものではないが、本発明の効果をより効率よく発現させるためには、広範な分布を有するものよりも、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。
【0043】
本発明において用いる酸化物微粒子は、チタンを主成分とする酸化物微粒子であり、酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciは数式(D)で示される範囲である。酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが59.5重量%を超える場合、または50重量%未満の場合、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲から外れる恐れがある。
【0044】
50重量%≦Ci≦59.5重量% (D)
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0045】
本発明において用いる酸化物微粒子に含まれる、チタンおよび酸素以外の元素については特に制限されるものではなく、例えば、亜鉛、鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト、ニッケル、マグネシウム、炭素、ホウ素、硫黄などが挙げられる。これらの元素は、一種類でもよく、また複数種類から構成されていてもよい。また、ベンゼンなどの有機化合物でもよい。チタンおよび酸素以外のこれらの元素は、酸化物微粒子の中において高分散に含有されていることが望ましい。より好ましくは、原子又は分子レベルで分散されていることが望ましい。
【0046】
本発明において用いる酸化物微粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、ハロゲン化チタンやアルコキシチタンを原料に用い、水を含有する反応系において加水分解してチタン酸化物微粒子を合成する際、ハロゲン化ケイ素やアルコキシシランなどのハロゲン化金属やアルコキシ金属、アルコキシフェニルシランなどの加水分解性のアルコキシ基と非加水分解性の有機基を併有する金属化合物、クロロフェニルシランなどのハロゲン基と非加水分解性の有機基を併有する金属化合物などを共存させる方法により、所望の酸化物微粒子を得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有機酸や有機アミンなどを併用する方法も用いられる。
【0047】
本発明における熱可塑性材料組成物は、数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子直径diが数式(C)で示され、チタンの含有量Ciが数式(D)で示される範囲であるチタンを主成分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、より好適には、熱可塑性樹脂100重量部と酸化物微粒子5〜150重量部から成る。熱可塑性樹脂100重量部に対して酸化物微粒子が1重量部未満であると、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる恐れがある。また、酸化物微粒子が200重量部を超えると、得られる熱可塑性材料組成物の屈折率n2及びアッベ数ν2が、数式(E)、(F)及び(G)で示される範囲を外れる恐れがあるばかりでなく、材料組成物の熱可塑性という特性が損なわれる恐れがある。
【0048】
1.45≦n1≦1.65 (A)
ν1≧195−100n1 (B)
1nm≦di≦200nm (C)
50重量%≦Ci≦59.5重量% (D)
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0049】
本発明における熱可塑性材料組成物は、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子から成るが、その作成方法は特に限定されるものではない。すなわち、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子をそれぞれ独立して作成し、その後に両者を混合させる方法、予め作成した酸化物微粒子が存在する条件で熱可塑性樹脂を作成する方法、予め作成した熱可塑性樹脂が存在する条件で酸化物微粒子を作成する方法、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の両者を同時に作成させる方法など、いずれの方法をも採用できる。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂が溶解した溶液と、酸化物微粒子が均一に分散した分散液の二液を均一に混合し、熱可塑性樹脂に対して溶解性が乏しい溶液中に打ち合わせることにより、目的とする材料組成物を得る方法を好適に挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
本発明における熱可塑性材料組成物において、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の混合の程度は特に限定されるものではないが、本発明の効果をより効率よく発現させるためには、均一に混合していることが望ましい。混合の程度が不十分の場合には、特に屈折率やアッベ数、光線透過率などの光学特性に影響を及ぼすことが懸念され、また熱可塑性や溶融成形性などの樹脂加工性にも悪影響する恐れがある。混合の程度は、その作成方法に影響されることが考えられ、用いる熱可塑性樹脂及び酸化物微粒子の特性を十分に勘案して、方法を選択することが重要である。熱可塑性樹脂と酸化物微粒子の両者がより均一に混合するために、熱可塑性樹脂と酸化物微粒子を直接結合させる方法等も、本発明において好適に用いることができる。
【0051】
本発明の熱可塑性材料組成物は、数式(E)、(F)及び(G)を満たす屈折率n2及びアッベ数ν2を有する光学的に優れた材料組成物であり、さらには熱可塑性及び/または射出成形性を有するために、成形加工性に非常に優れた材料組成物である。この優れた光学特性と成形加工性を併せ持った材料は、これまでに開示されている材料では達成することができなかった特性であり、特定の熱可塑性樹脂と特定の無機微粒子から成ることが、この特性に寄与していることが考えられる。
【0052】
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0053】
本発明の熱可塑性材料組成物は、▲1▼数式(H)及び(J)を満たす屈折率nおよびアッベ数νを有する優れた光学特性、▲2▼ガラス転移温度80℃以上の耐熱性、▲3▼光線透過率70%以上の透明性、▲4▼密度2.0g/cm3以下の軽量性、▲5▼成形加工性を併せ持ち、これらの優れた性能を損なうことなく、さらに屈折率nを数式(H)で表されるの範囲で任意に調節ができる。屈折率の調節は、用いる熱可塑性樹脂と無機微粒子の構成比を調節すること等により、精度よく調節することができる。
【0054】
1.45<n≦1.80 (H)
ν≧205−100n (J)
【0055】
本発明の熱可塑性材料組成物は、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、耐熱性、光線透過性、軽量性、成形加工性を併せ持ち、さらには屈折率を任意に調節できる、光学特性に優れた熱可塑性材料組成物であり、光学用部品に好適に使用できる。
【0056】
本発明の熱可塑性材料組成物を含んで構成される光学部品に特に制限はなく、例えば、部品の一部あるいは全部に使用することができ、高屈折性と低分散性が必要とされる部品、高い透明性を必要とされる部品、あるいは透明性と高屈折性を必要とされる部品等が挙げられる。また、任意に屈折率を調節できるため、例えば光ファイバーや光導波路、一部のレンズのように、異なる屈折率を併用したり、屈折率に分布を必要とする光学用部品にも好適に用いることができる。より具体的には、例えば、レンズ(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズ、OHP用レンズ等)、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基盤、ディスプレー基盤、コーティング材、プリズム等が挙げられる。
【0057】
本発明の熱可塑性材料組成物は、原料に溶融成形可能な熱可塑性樹脂を用いることにより、溶融成形性を有するようになるため、従来用いられている熱硬化性樹脂に比べ、これら上述の光学部品を効率よく製造することができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。尚、実施例中の熱可塑性樹脂、無機微粒子、熱可塑性材料組成物等の物性及び光学特性は以下の方法により測定した。
▲1▼対数粘度η:熱可塑性樹脂を、その樹脂が溶解可能な溶媒(例えばクロロホルム、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、オルト−ジクロロベンゼン、クレゾール等)に、0.5g/100ミリリットルの濃度で溶解した後、35℃において測定した。
▲2▼屈折率n及びアッベ数ν:通常の熱プレス機を用いて厚さ約0.1〜1mmの板上サンプルを作成し、アッベ屈折計(アタゴ社DR−M2)により測定した。
▲3▼ガラス転移温度Tg:DSC(島津DT−40シリーズ,DSC−41M)により測定した。
▲4▼光線透過率:材料組成物を加熱成形して厚さ3.2mmの基板を作成し、ASTM D1003に従って測定した。
▲5▼5%重量減少温度Td5:空気中でDTA−TG(島津DT−40シリーズ、DTG−40M)により測定した。
▲6▼溶融粘度:高化式フローテスター(島津CFT−500)で直径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて溶融粘度を測定した。所定の温度で5分間保った後、10万ヘクトパスカルの圧力で押し出した。
【0059】
【合成例1】
第2表(表2)に示した化学式(15)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶液重合法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計を備えた重合容器に、4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)、及びピリジン200gを仕込み、撹拌して完全に溶解させた。溶液を温水浴で40℃に保ち、溶液を激しく撹拌させながら、ホスゲンを約0.25g/分の速度で吹き込んだ。約25分後にピリジン塩酸塩が析出し始め、さらに約15分後、溶液の粘性が徐々に増し始めた。さらに10分ホスゲンを吹き込んだ後に供給を止め、そのまま1時間激しく撹拌を続けた。その後、その状態で上部よりメタノール200gとイオン交換水100gの混合液300gを5分かけて導入し、析出したポリカーボネート樹脂を濾別した。ピリジン塩酸塩などの残留物を除くため、得られたポリカーボネート樹脂をメタノール600gとイオン交換水300gの混合液900gに懸濁させ、ホモミキサーを用いて激しく撹拌し、再度濾別した。この操作を3回繰り返した後、メタノール900gで洗浄し、80℃で2時間真空乾燥させて樹脂22.0gを得た。
得られたポリカーボネート樹脂について、C、Hの元素分析を行ったところ、その含有量はそれぞれ70.1wt%、8.8wt%であり、それぞれの理論値69.6wt%、8.9wt%とほぼ同等であり、化学式(15)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることを確認した。
得られたポリカーボネート樹脂について、上記の方法に従って対数粘度η、屈折率n、アッベ数ν、ガラス転移温度Tg、及び光線透過率、密度ρ、5%重量減少温度Td5、及び溶融粘度の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。この樹脂は、5%重量減少温度に比べて50℃以上の十分に低い180℃において、9パスカル・秒という、溶融成形を行うのに適した溶融粘度を有しており、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂であることがわかる。結果からわかるように、このポリカーボネート樹脂は、数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する溶融成形可能な熱可塑性樹脂であり、本発明の条件に適した樹脂である。
【0060】
1.45≦n1≦1.65 (A)
ν1≧195−100n1 (B)
【0061】
【合成例2】
4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン24.0g(0.1mol)に変えた以外は、合成例1と同様にして、表2に示した化学式(16)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶液重合法にて合成し、樹脂26.2gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(16)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリカーボネート樹脂は本発明の条件に適した樹脂である。
【0062】
【合成例3】
第2表(表2)に示した化学式(17)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂を、酸クロリド法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計を備えた重合容器に、4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド20.9g(0.1mol)、及びニトロベンゼン100gを仕込んだ。窒素雰囲気下で撹拌しながらゆっくり加熱し、2時間で145℃まで昇温した。この温度で6時間保持して重合させた後、ニトロベンゼンを減圧下で留去した。残ったポリマーを更にこの温度にて減圧下で2時間乾燥させ、樹脂32.4gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(17)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリエステル樹脂は本発明の条件に適した樹脂である。
【0063】
【合成例4】
4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン24.0g(0.1mol)に変えた以外は、合成例3と同様にして、表2に示した化学式(18)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂を酸クロリド法にて合成し、樹脂36.4gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(18)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリエステル樹脂は本発明の条件に適した樹脂である。
【0064】
【合成例5】
第2表(表2)に示した化学式(19)の繰り返し構造単位を有するポリエーテル樹脂を、ポリマー・マテリアル・サイエンス・エンジニアリング第60巻170頁(1989年)に従って合成した。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(19)の繰り返し構造単位を有するポリエーテル樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリエーテル樹脂は本発明の条件に適した樹脂である。
【0065】
【合成例6】
第2表(表2)に示した化学式(20)の繰り返し構造単位を有するポリアミド樹脂を、酸クロリド法にて合成した。窒素導入ライン、攪拌機、温度計を備えた重合容器に、1,4−シクロヘキサンジアミン11.4g(0.1mol)及びN,N−ジメチルアセトアミド200gを仕込み、氷冷しながら撹拌した。1,4−シクロヘキサンジアミンが溶解した後、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド20.9g(0.1mol)を徐々に加え、その後3時間撹拌を続けた。その後、その状態で上部よりメタノール200gとイオン交換水100gの混合液300gを5分かけて導入し、析出した樹脂を濾別した。ピリジン塩酸塩などの残留物を除くため、得られた樹脂をメタノール600gとイオン交換水300gの混合液900gに懸濁させ、ホモミキサーを用いて激しく撹拌し、再度濾別した。この操作を3回繰り返した後、メタノール900gで洗浄し、80℃で2時間真空乾燥させて樹脂24.0gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(20)の繰り返し構造単位を有するポリアミド樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリアミド樹脂は本発明の条件に適した樹脂である。
【0066】
【合成例7】
4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)の代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン12.0g(0.05mol)とビスフェノールA11.4g(0.05mol)に変えた以外は、合成例1と同様にして、表2に示した化学式(23)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶液重合法にて合成し、樹脂23.2gを得た。得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(23)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリカーボネート樹脂は本発明の条件に適していない樹脂である。
【0067】
【合成例8】
4,4’−ビシクロヘキサノール19.8g(0.1mol)の代わりに1,4−シクロヘキサンジオール11.6g(0.1mol)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリド20.9g(0.1mol)の代わりにテレフタル酸クロリド20.3g(0.1mol)に変えた以外は、合成例3と同様にして、表2に示した化学式(24)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂を酸クロリド法にて合成し、樹脂23.8gを得た。
得られた樹脂のC、Hの元素分析から、化学式(24)の繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂であることを確認した。
合成例1と同様にして各特性の評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。結果からわかるように、このポリエステル樹脂は本発明の条件に適していない樹脂である。
【0068】
【表2】
【0069】
【合成例9】
四塩化チタン及びジメチルジメトキシシランを原料に、チタンを主成分とする酸化物微粒子の合成を行った。まず、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス第37巻4603−4608頁(1998年)に記載の方法に準じて、中間物であるTiOCl2の合成を行った。四塩化チタン25.0g(0.132mol)を窒素ボックス内で三口フラスコに装入し、メタノール・氷浴で−5℃程度に冷却した。撹拌を行いながら、ここに蒸留水14.3g(0.792mol)を、30分かけてゆっくり滴下した。最終的に黄色い透明な粘性のある液体が得られた。この液体を125gの蒸留水で希釈し、TiOCl2の水溶液を得た。また、ジメチルジメトキシシラン0.6g(0.005mol)を、50gの脱水したエタノールで希釈し、ジメチルジメトキシシラン溶液を得た。次いで、蒸留水1450g、エタノール1650g及びプロピオン酸5.31g(0.072mol)から成り、50℃に維持された混合液に、この両液、すなわちTiOCl2水溶液とジメチルジメトキシシラン溶液を、別々に、かつ同時に撹拌しながら一気に投入した。さらに50℃にて撹拌を続けると、数十分で薄く白濁し始めた。この条件で6時間熟成した後、10000rpmで2分間遠心分離を行い、得られた白色のゲル状物を酢酸エチルに懸濁させ、さらに同条件で遠心分離を行い、白色の微粒粉末10.5gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン57.5重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0070】
【合成例10】
ラングミュア第16巻第1号241−246頁(2000年)に記載の方法に準じて、テトライソプロポキシチタン及びジメチルジメトキシシランを原料に、チタンを主成分とする酸化物微粒子の合成を行った。2−プロパノール1000gで希釈したテトライソプロポキシチタン2.8g(0.01mol)及びジメチルジメトキシシラン0.06g(0.0005mol)を、65℃に維持されたエタノール10000gで希釈したプロピオン酸11.5g(0.1mol)に、激しく撹拌しながら2分間かけて滴下した。そのまま65℃で10分間続けて激しく撹拌した後、蒸留水2000gを激しく撹拌しながら10分かけて滴下した。そのままの条件でさらに2時間維持した後、10000rpmで2分間遠心分離を行い、得られた白色のゲル状物を酢酸エチルに懸濁させ、さらに同条件で遠心分離を行い、白色の微粒粉末0.8gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が4nmであることを確認した。元素分析から、チタン56.8重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0071】
【合成例11】
用いるプロピオン酸の量を、5.31g(0.072mol)から26.6g(0.36mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が2nmであることを確認した。元素分析から、チタン57.2重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0072】
【合成例12】
用いるプロピオン酸の量を、5.31g(0.072mol)から0.0531g(0.00072mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ球状であり、平均粒子直径が150nmであることを確認した。元素分析から、チタン57.5重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0073】
【合成例13】
用いるプロピオン酸の量を、5.31g(0.072mol)から106.2g(1.44mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が0.8nmであることを確認した。元素分析から、チタン57.5重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この二酸化チタン微粒子は本発明の条件に適していない無機微粒子である。
【0074】
【合成例14】
用いるプロピオン酸の量を、5.31g(0.072mol)から0.00531g(0.000072mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末9.2gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が250nmであることを確認した。元素分析から、チタン57.5重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この二酸化チタン微粒子は本発明の条件に適していない無機微粒子である。
【0075】
【合成例15】
用いるジメチルジメトキシシランの量を、0.6g(0.005mol)から0.24g(0.002mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.2gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン59.0重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0076】
【合成例16】
用いるジメチルジメトキシシランの量を、0.6g(0.005mol)から1.8g(0.015mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.9gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン53.2重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0077】
【合成例17】
用いるジメチルジメトキシシランの量を、0.6g(0.005mol)から0.06g(0.0005mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.2gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン59.7重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適していない微粒子である。
【0078】
【合成例18】
用いるジメチルジメトキシシランの量を、0.6g(0.005mol)から3.0g(0.025mol)に変えた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末11.2gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン49.5重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適していない微粒子である。
【0079】
【合成例19】
ジメチルジメトキシシラン0.6g(0.005mol)の代わりに、ジメチルジクロロシラン0.645g(0.005mol)を用いた以外は、合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.6gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン58.1重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0080】
【合成例20】
ジメチルジメトキシシラン0.6g(0.005mol)の代わりに、ジメチルジメトキシチタン1.4g(0.01mol)合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.7gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン58.3重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0081】
【合成例21】
ジメチルジメトキシシラン0.6g(0.005mol)の代わりに、塩化マグネシウム0.95g(0.01mol)合成例9と同様にして合成を行い、白色の微粒粉末10.4gを得た。この粒子を電子顕微鏡観察し、粒子はほぼ真球状であり、平均粒子直径が5nmであることを確認した。元素分析から、チタン58.8重量%であることを確認した。またエックス線回折から、この微粒子はアナターゼ型の二酸化チタンが主成分であることを確認した。また、他にピークが観察されなかったことから、チタン以外の成分は、比較的高分散に含有されていることが推察される。微粒子の評価結果を第3表(表3)に示す。結果からわかるように、この酸化物微粒子は本発明の条件に適した微粒子である。
【0082】
【表3】
【0083】
【実施例1】
第3表(表3)記載の番号(U1)の酸化物微粒子0.3gを1−ブタノール10gに懸濁させ、超音波処理を30分行った後、100℃にて30分加熱した。得られる白濁液を、表2記載の番号(P1)の樹脂が10重量%で溶解したクロロホルム溶液10gに、撹拌しながら常温で5分かけて滴下した。得られた混合液は、ほんのり青白がかった無色透明な液であった。この液を、ホモジナイザーを用いてメタノールと蒸留水の等容量混合液中に析出させ、無機微粒子が樹脂中に混合した材料組成物を得た。この組成物を加熱成形して、厚さ3.2mmの基板を作成したところ、この基板はうすく黄色味を帯びた透明であった。電子顕微鏡観察を行ったところ、無機微粒子が樹脂中に均一に分散していることを確認した。この材料組成物について、屈折率、アッベ数、ガラス転移温度、光線透過率、密度、5%重量減少温度、及び溶融粘度を測定し、その結果を表4に示した。結果からわかるように、この材料組成物は、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を有する溶融成形可能な可塑性材料組成物、すなわち光学特性および成形加工性に優れた材料組成物であり、さらにはガラス転移温度80℃以上の耐熱性、光線透過率70%以上の透明性、密度2.0g/cm3以下の軽量性をも併せ持つものであることがわかる。従って、このような特性が要求される光学部品に適した材料組成物である。
【0084】
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0085】
【実施例2〜8】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P2)〜(P8)の樹脂に代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0086】
【比較例1〜2】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P9)〜(P10)の樹脂に代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。本発明の条件範囲の樹脂を用いているため、得られた材料組成物は、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を満たさない。
【0087】
【実施例9〜11】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、表3記載の番号(U2)〜(U4)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0088】
【比較例3】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、表3記載の番号(U5)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成した。得られた組成物から作成された基板は白濁しており、光線透過率が低いために屈折率及びアッベ数の測定ができなかった。電子顕微鏡観察から、無機微粒子が凝集した状態であった。
【0089】
【比較例4】
用いる樹脂を、表2記載の番号(P3)の樹脂に、また用いる酸化物微粒子を、表3記載の番号(U6)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成した。得られた組成物から作成された基板は白濁しており、光線透過率が低いために屈折率及びアッベ数の測定ができなかった。電子顕微鏡観察から、無機微粒子が凝集していることは観察されなかった。
【0090】
【実施例12〜13】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子の量を代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0091】
【比較例5】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子の量を代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を表4に記した。酸化物微粒子の使用量が本発明の条件の範囲外であるため、光学特性の向上は図ることができず、得られた材料組成物は、数式(G)で示される屈折率n2を満たすものではない。
【0092】
n2≧n1+0.01 (G)
【0093】
【比較例6】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子の量を代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成した。しかし、得られた材料組成物は非常に脆く、熱プレス等でフィルムを作成することができなかった。すなわち、熱可塑性を有していない材料組成物であった。
【0094】
【実施例14〜15】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子を、第3表(表3)記載の番号(U7)〜(U8)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0095】
【比較例7〜8】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子を、第3表(表3)記載の番号(U9)〜(U10)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。酸化物微粒子の使用量が本発明の条件の範囲外であるため、得られた材料組成物は、数式(E)、(F)及び(G)で示される屈折率n2及びアッベ数ν2を有するものではない。
【0096】
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G)
【0097】
【実施例16〜18】
用いる樹脂を、第2表(表2)記載の番号(P3)の樹脂に代え、また用いる酸化物微粒子を、第3表(表3)記載の番号(U11)〜(U13)代えた以外は、実施例1と同様にして材料組成物を作成し、その物性測定結果を第4表(表4)に記した。いずれの実施例においても、得られる材料組成物は実施例1の材料組成物と同様な優れた特性を有しており、光学部品に適した材料組成物であることがわかる。
【0098】
【表4】
【0099】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品は、▲1▼数式(H)及び(J)で表される屈折率nおよびアッベ数νを有する優れた光学特性、▲2▼ガラス転移温度80℃以上の耐熱性、▲3▼光線透過率70%以上の透明性、▲4▼密度2.0g/cm3以下の軽量性、及び▲5▼熱可塑性及び/または溶融成形性を併せ持つ材料組成物、及びそれを含んで構成される光学部品であり、例えば、レンズ(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズ、OHP用レンズ等)、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基盤、ディスプレー基盤、コーティング材、プリズム等の用途に好適である。
1.45<n≦1.80 (H)
ν≧205−100n (J)
Claims (8)
- 数式(A)及び(B)で示される屈折率n1及びアッベ数ν1を有する、アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリカーボネート樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエステル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリエーテル樹脂、環状脂肪族鎖を有するポリアミド樹脂、または環状脂肪族鎖を有するポリイミド樹脂から選択される熱可塑性樹脂100重量部と、平均粒子直径diが数式(C)で示されるチタンを主成分とする酸化物微粒子1〜200重量部とから成り、該酸化物微粒子中のチタンの含有量Ciが数式(D)で示される範囲である、数式(E)、(F)及び(G)を満たす屈折率n2及びアッベ数ν2を有する熱可塑性材料組成物。
1.45≦n1≦1.65 (A)
ν1≧195−100n1 (B)
1nm≦di≦200nm (C)
50重量%≦Ci≦59.5重量% (D)
1.45<n2≦1.80 (E)
ν2≧205−100n2 (F)
n2≧n1+0.01 (G) - 請求項1記載の熱可塑性材料組成物を含んで構成される光学部品。
- 光学部品が、レンズであることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
- レンズが、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、CDピックアップ用レンズ、自動車用ランプレンズまたはOHP用レンズであることを特徴とする請求項3記載の光学部品。
- 光学部品が、光ファイバーであることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
- 光学部品が、光導波路であることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
- 光学部品が、光フィルターであることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
- 光学部品が、光学用接着剤であることを特徴とする請求項2記載の光学部品。
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