JP4485311B2 - チェーン用スプロケットの歯切り方法 - Google Patents
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Description
しかし、このような歯形を有するスプロケットとローラチェーンの噛み合いによるチェーン伝動においては、周知のように、ローラチェーンの多角形運動を生じる。
この多角形運動によりローラチェーンは、一定の周期で上下動(脈動)し、この上下動(脈動)はローラチェーンを振動させ、騒音の発生要因となる。
また、この多角形運動はローラチェーンの進行方向の速度変動も発生させる。
すなわち、この既に出願しているチェーン用スプロケットは、向かい合う歯面が歯底部に連続する歯溝によって複数の歯が形成され、ローラまたはブシュが歯溝に噛み合うチェーン用スプロケットにおいて、スプロケットの歯形は、スプロケットの回転中心と歯の中心とを結ぶ歯の中心線からスプロケットの少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離がピッチ円より歯先側の部分においてピッチ円部分での距離より大きいかまたは等しい部分を有するものである(特許文献2参照)。
以下に、その実施態様である各実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図であり、図2は、本発明の歯切り方法に使用する外丸フライスの下半分を断面で示す側面図であり、図3は、図2に示す外丸フライスの正面図であり、図4は、図1に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットの歯切り加工を開始する前の外丸フライスとスプロケットの素材の配置関係を示す概略説明図であり、図5は、図1に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットの歯底部の外丸フライスによる切削加工状態を示す概略説明図であり、図6は、図1に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットの歯底部に連続する歯面の外丸フライスによる切削加工状態を示す概略説明図であり、図7は、図1に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンとの係合状態を示す正面図であり、図8は、図7におけるローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部Aの拡大図であり、図9は、図7におけるローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部Bの拡大図である。
歯面12a及び歯面12bは、それぞれ断面略凹状の曲面で形成されている。
また、歯底部13は、歯底部円弧半径ri13により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面12a及び歯面12bは、歯底部13に滑らかに連続している。
そして、図1に示すように、歯底円直径df13は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df13<dfの関係にある。
なお、図1には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
そして、このスプロケットの素材(ブランク材)11’の外周に歯切りを行うために、後述する外丸フライス71を使用する。
また、外丸フライス71の切れ刃71aの丸み半径Rは、外丸フライス71の幅Lの半分(R=L/2)となっている。
つぎに、スプロケットの素材(ブランク材)11’を横フライス盤の図示しないテーブルに取り付けられている割出し台上に取り付ける。
そして、アーバ82に取り付けた外丸フライス71を主軸81により回転させ、割出し台上に取り付けたスプロケットの素材(ブランク材)11’をその軸方向にテーブルとともに直線送り運動させる。
これにより、一回の切り込み量の切削が行われる。
この切削が繰り返されることにより、図5に示すように、外丸フライス71による歯底部13の一部の切削加工が行われる。
この際、外丸フライス71の中心が、スプロケットの素材(ブランク材)11’の半径方向に対して傾いても、外丸フライス71の幅Lは、ローラチェーン用スプロケット11の向かい合う歯面12a,12b間の最小寸法Hより小さく形成されているので、外丸フライス71は、スプロケットの素材(ブランク材)11’と干渉することがなく、したがって、その切削加工時に歯欠けなどの損傷を生じることはない。
なお、図6は、一方の歯面12bを切削加工する状態を示しているが、この一方の歯面12bの切削加工が終了すると、これに続いて他方の歯面12aの切削加工を行う。
このようにして、スプロケットの素材(ブランク材)11’の一つの歯溝14の歯切り加工が終了する。
なお、図4,5,6において、切削加工される前の歯底部13及び歯面12a,12bを破線で示している。
そして、同様の歯切り加工を歯溝14の数だけ繰り返し行うことにより、ローラチェーン用スプロケット11の歯切り加工が完了する。
図7に示すように、スプロケット11が矢印で示すように反時計方向に回転すると、ローラチェーン61の各ローラ62は、スプロケット11の歯溝14内に係合し、ローラチェーン61が駆動される。
この際、図8に示すように、スプロケット11とローラチェーン61の噛み合い部Aにおいて、先行ローラ62aが歯溝14内に係合している状態で、後続ローラ62bは既にスプロケット11の回転方向前面側の歯面12aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは、同一水平線上に位置している。
また、スプロケット11の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝14内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット11の歯溝14における位置は、回転方向前面側の歯面12a側から回転方向背面側の歯面12b側へと移動する。
そして、図9に示すように、スプロケット11とローラチェーン61の噛み外れ部Bにおいて、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面12bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面12bとの係合が解除され、スプロケット11からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量を減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。
また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット11の歯溝14における位置は、回転方向前面側の歯面12a側から回転方向背面側の歯面12b側へと移動する。
そして、スプロケット11とローラチェーン61の噛み外れ部Bにおいて、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面12bに係合しているとき、先行ローラ62dは回転方向背面側の歯面12bとの係合が解除され、スプロケット11からスムーズに噛み外れることになる。
図10は、本発明の実施例2に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
歯面22a及び歯面22bは、それぞれ断面略凸状の曲面で形成されている。
また、歯底部23は、歯底部円弧半径ri23により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凸状の曲面で形成された歯面22a及び歯面22bは、歯底部23に滑らかに連続している。
そして、図10に示すように、歯底円直径df23は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df23<dfの関係にある。
なお、図10は、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
したがって、スプロケット21の歯切り方法についての説明は、省略する。
また、図10に示す歯形を有するスプロケット21は、実施例1のスプロケット11について図7,8,9に基づいて説明したと同様の作用・効果を有するので、この点の説明も省略する。
図11は、本発明の実施例3に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
歯面32a及び歯面32bは、それぞれ相互に略平行な平面(すなわち断面で直線)で形成されている。
また、歯底部33は、歯底部円弧半径ri33により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ略平行な平面(すなわち断面で直線)で形成された歯面32a及び歯面32bは、歯底部33に滑らかに連続している。
そして、図11に示すように、歯底円直径df33は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df33<dfの関係にある。
なお、図11は、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
したがって、スプロケット31の歯切り方法についての説明は、省略する。
また、図11に示す歯形を有するスプロケット31は、実施例1のスプロケット11について図7,8,9に基づいて説明したと同様の作用・効果を有するので、この点の説明も省略する。
図12は、本発明の実施例4に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
歯面42aは、断面略凹状の曲面で形成されている。
歯面42bは、ISO歯形の歯面と略同様の曲面で形成されている。
また、歯底部43は、歯底部円弧半径ri43により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面42a及びISO歯形の歯面と略同様の曲面で形成された歯面42bは、歯底部43に滑らかに連続している。
そして、図12に示すように、歯底円直径df43はISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df43<dfの関係にある。
なお、図12は、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
したがって、スプロケット41の歯切り方法についての説明は、省略する。
また、図12に示す歯形を有するスプロケット41は、実施例1のスプロケット11について図7,8,9に基づいて説明したと同様の作用・効果を有するので、この点の説明も省略する。
図13は、本発明の実施例5に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
歯面52a及び歯面52bは、それぞれ断面略凹状の曲面で形成されている。
また、歯底部53は、歯底円の円周の一部で形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面52a及び歯面52bは、丸みを介して歯底部53に滑らかに連続している。
そして、図13に示すように、歯底円直径df53はISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df53<dfの関係にある。
なお、図13は、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
したがって、スプロケット51の歯切り方法についての説明は、省略する。
また、図13に示す歯形を有するスプロケット51は、実施例1のスプロケット11について図7,8,9に基づいて説明したと同様の作用・効果を有するので、この点の説明も省略する。
11’ ・・・スプロケットの素材(ブランク材)
12a,22a,32a,42a,52a ・・・前面側の歯面
12b,22b,32b,42b,52b ・・・背面側の歯面
13,23,33,43,53 ・・・歯底部
14,24,34,44,54 ・・・歯溝
15,25,35,45,55 ・・・歯
o ・・・スプロケットの回転中心
pc ・・・ピッチ円
d ・・・ピッチ円直径
x ・・・歯の中心線
pt ・・・距離
df13〜df53 ・・・歯底円直径
df ・・・ISO歯形の歯底円直径
ri13〜ri43 ・・・歯底部円弧半径
H ・・・向かい合う歯面間の最小寸法
61 ・・・ローラチェーン
62,62a,62b,62c,62d ・・・ローラ
p ・・・チェーンピッチ
d1 ・・・ローラ外径
71 ・・・外丸フライス
71a ・・・外丸フライスの切れ刃
L ・・・外丸フライスの幅
R ・・・外丸フライスの切れ刃の丸み半径
81 ・・・横フライス盤の主軸
82 ・・・アーバ
Claims (1)
- スプロケットの向かい合う歯面を歯底部に連続させた歯溝によって形成した複数の歯の中心と前記スプロケットの回転中心とを結ぶ歯の中心線から前記スプロケットの少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離が前記スプロケットのピッチ円より歯先側の部分で前記ピッチ円部分での距離より大きいかまたは等しい部分を有して、前記歯溝にローラまたはブシュが噛み合うチェーン用スプロケットの歯切り方法において、
前記スプロケットの歯が、外周面に丸い切れ刃を備えかつ前記向かい合う歯面間の最小寸法より小さい幅を有する外丸フライスにより歯切り加工されることを特徴とするチェーン用スプロケットの歯切り方法。
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