JP4485101B2 - 樹脂成形装置および樹脂成形方法 - Google Patents
樹脂成形装置および樹脂成形方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4485101B2 JP4485101B2 JP2001190653A JP2001190653A JP4485101B2 JP 4485101 B2 JP4485101 B2 JP 4485101B2 JP 2001190653 A JP2001190653 A JP 2001190653A JP 2001190653 A JP2001190653 A JP 2001190653A JP 4485101 B2 JP4485101 B2 JP 4485101B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- cavity
- outside air
- air introduction
- sink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形装置および樹脂成形方法に関し、特に、広域で均質な転写を必要とする成形品、あるいは、ある単位形状がアレイ状あるいは面状に並ぶ成形品、ギヤのように単位形状(例えば、歯)が円周上に並ぶ成形品など、単位形状がどの部分においても均質に転写されることが要求される成形品や、歯車,プーリなどの動力駆動用成形品をはじめとする円筒形状を有する高精度なプラスチック成形品の製造に有効である樹脂成形装置および樹脂成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、樹脂成形においては、肉厚部、変肉部を有する成形品を高精度に成形することは困難であり、機能上精度が必要な部分や微細表面形状の転写が必要な部分(以下、転写面という。)にもひけや収縮分布による転写精度の不良現象が生じやすい。
【0003】
例えば、動力駆動用部品の1つであるプラスチック歯車は、金属歯車と比較して自己潤滑性,低騒音,軽量,耐腐食性,量産性等に優れているため、複写機,プリンタ等の精密機械の動力伝達部に使用されている。通常、これらのプラスチック歯車を射出成形で作製する場合、外周面(歯面)および、内周面(軸受け部)が転写面となるため、以下に説明するように複数のピンゲートより溶融樹脂を金型ディスク部に注入し、キャビティ全体に樹脂を充填し、その後、固化工程を経て固化して成形品を得る。
【0004】
図4は、従来の通常のギヤ成形の例を説明するための図で、成形されたギヤと該ギヤを成形する樹脂成形装置の下側金型を上方からみた要部平面概略図である。
ここでは、ギヤピッチ円を点線で示している。一般に用いられる複数のピンゲートによる射出成形方法においては、形成されたギヤピッチ円は図4に実線で示したようになる。すなわち、ディスク部(ウェブ部)に充填された溶融樹脂は、ゲート3を中心に放射状に広がりキャビティ2の外周部(歯形形成部)に侵入する。その結果、ゲート放射方向部Aと、ゲート間の放射方向部(ウェルド部)Bで外周部への樹脂の流動分布が発生し、これによって、A部とB部では樹脂温、収縮率が異なるため、成形品外周のギヤピッチ円は目的とした点線で示されているような円形状ではなく、実線で示されるようなゲート位置に対応した花びら状の凹凸形状となる。このままでは外周面を均一に転写した高精度な成形品を作製することはできない。
【0005】
また、通常は、リム部とディスク部の交わる部分がもっとも厚肉になるため、金型による樹脂の冷却が一番遅くなる部分であり、樹脂部のなかで最後に冷えて固まる。この際の収縮によって周囲の樹脂を肉厚中心部に引き込むため、引張られた部分の表面形状が凹状のくぼみ(ひけと呼ばれている)となる。通常のギヤ形状においては、精度を要する外周の歯面にひけが発生しやすく問題となっている。
【0006】
そこで、特開平10−156861号公報に記載のガス加圧射出成形方法では、転写精度の必要な樹脂部分の裏側あるいは該裏側の近傍を、流体あるいは気体の圧力によって、転写面側に押し付ける成形方法を提案している。
【0007】
しかしながら、前記特開平10−156861号公報に開示されている成形方法は、転写精度を必要とする樹脂部分(転写面側)に対応する裏側(非転写面)あるいは該裏側の近傍を、流体あるいは気体の圧力によって、転写面側に押し付ける方法であるため、高圧の流体源および当該流体源からの流体の圧力と導入タイミングを制御する制御装置等の高価な設備を必要とするとともに、流体として高圧ガスを使用する場合には、高圧ガス使用の許可や装置の設置場所の許可等が必要となり、設備を導入するまでの制限事項が多く、利用性が悪いという問題があった。
【0008】
これに対し、本出願人が先に、金型のキャビティ内に溶融樹脂を流入、固化し成形するに際して、キャビティの転写面以外の任意の部分に開口して金型外部とキャビティ内を連通する外気導入部(例えば、スリット)を金型に形成し、金型のキャビティ内に、当該キャビティ内に流入された溶融樹脂の流動方向に対して直交する方向に段差部を形成し、外気導入部の樹脂に選択的にひけを発生させることによって、特別で高価な装置を用いることなく、かつ、低圧の成形条件で、転写させたい面(転写面)にひけが発生することを防止し、安価かつ低消費エネルギーで、高精度な転写面を有する成形品を製造することができるような耐久性の良好な樹脂成形装置、および成形方法を提案している。
【0009】
前記本出願人が先に提案した方法では、ディスク部の任意の位置に円周状に外気導入部(歯面に対しては、外周部の歯面の裏側が効果的)を設け、これによって外周面(転写面)以外のディスク部でのひけの発生を誘起することによって、歯面の転写性を高めている。
【0010】
以上のように、前記本出願人が先に提案した方法では、ウェブ部に外気導入部などの開口部を設けて金型と樹脂との密着性を解除してやることによって、その部分の樹脂が歯面など他の部分より、肉厚中心に引かれた際に、金型表面から離れやすく、ひけやすい状況をつくっている。さらに、外部から圧縮気体を送入することによって、よりひけやすい状況は加速されることになる。通常、金型内の冷却によって、樹脂残圧が低下し、樹脂表面部での圧力がゼロになったときにひけの発生が始まるが、外部から圧縮気体を送入することによって、そのタイミングはより早まることになり、より樹脂の温度が高く、弾性率が低い状態で金型面からはなれて動くことになる。したがって、樹脂が動きやすく、ひけの程度も相対的に大きくなる。ひけの程度が大きくなると、転写させたい外周面の転写性はその程度に応じて向上する(部分的にみると収縮率も変化する)。
【0011】
しかし、円盤形状の周方向において複数ゲートによる流動分布があり、周方向に温度分布や圧力分布を生じるため、周方向に同条件で圧縮気体の導入などのひけの発生のきっかけを与える場合には、そのひけの発生の程度に分布を生じ、外周面への転写性向上の程度(収縮率変化の程度)にも分布が生じるため、その結果としての、外周面での真円度の低減には限界があり、その条件の調整も難しくなる。
【0012】
例えば、前記本出願人が先に提案した方法を図4に示したギヤの成形に適応すれば、歯面以外の部分をひけさせることによって確かに歯面転写性の改善効果はみられるが、流動分布、あるいは温度分布の影響によって、ひけの発生度合いが異なり、ゲート放射方向部Aと、ゲート間の放射方向部(ウェルド部)Bはひけの深さが異なるため、A部とB部における歯面の転写性の差を低減するには限界がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、以上のような従来の方法においては、転写面の転写性の改善効果があるものの、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においては非転写面でひけの発生の仕方に分布が生じやすいという欠点がある。ひけの発生の仕方に分布が生じると、転写面での転写性向上の程度にも影響が生じ、転写面全体で均質な転写が必要な成形品の場合には、均質性に問題を生じる。
【0014】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、樹脂成形時に、各樹脂部分でのひけの程度を個別、あるいはグループ別に調整できる手段を有することによって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する場合においても、広域の転写面を均質に転写できるような樹脂成形装置および樹脂成形方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、キャビティの任意の部分に開口して金型外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる樹脂成形装置において、前記外気導入部を、前記キャビティの溶融樹脂流入口の樹脂放射方向部に対応した位置で、かつ同一円周上の位置であって、前記キャビティ内で樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、部分円弧状に複数形成し、前記外気導入部に各々独立した通気経路を設け、該通気経路を個別に開閉可能にしたことを特徴としたものである。
【0016】
請求項2の発明は、キャビティの任意の部分に開口して金型外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる樹脂成形装置において、前記外気導入部を、前記キャビティの溶融樹脂流入口の樹脂放射方向部に対応した位置で、かつ同一円周上の位置であって、前記キャビティ内で樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、部分円弧状に複数形成し、前記外気導入部を前記樹脂がひけやすい位置と前記ひけ難い位置とのグループに分け、前記外気導入部に前記グループごとに通気経路を設け、該通気経路を前記グループごとに開閉可能にしたことを特徴としたものである。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記外気導入部の近傍に樹脂温計測手段を複数設け、前記通気経路ごとに前記外気導入部を通して前記キャビティ内に、前記樹脂温計測手段で計測した樹脂温に応じた圧力の気体を送入するように制御する制御手段を備えたことを特徴としたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を樹脂成形装置の主要部を示す図1〜図3の実施例に基づいて説明する。
【0027】
(実施例1)図1は、本発明の実施例1による樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図で、請求項1に対応する図である。樹脂形成装置の下側の金型1と図示しない上側の金型とで歯車に対応したキャビティ2が形成され、下側の金型1の歯車のディスク部に対応した位置に溶融樹脂の流入口である複数のゲート3が形成されている。金型1には、金型1外側とキャビティ2内を貫通しているスリットがゲート放射方向部Aに対応したスリット4a、および、ゲート間の放射方向部(ウェルド部)Bに対応したスリット4bとして同一円周上に形成されている。なお、スリット4a,4bは、各々独立した通気経路(図3に示す)を有し、該通気経路は、制御装置によって個別に制御されて開閉可能である。
【0028】
なお、スリット4a,4bのクリアランスは、キャビティ開口部で0.001〜0.03mm、好ましくは0.001〜0.02mmとなるように形成されている。これによって、射出・充填時に樹脂が侵入してバリを形成することを防ぐことができる。
【0029】
ゲート3からキャビティ2内に注入された溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内への流入中、あるいは流入中および流入後に、スリット4a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入して、樹脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除することによって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮によるひけを密着状態が解除された部分をきっかけとして発生させるが、このひけの発生の程度を各通気経路ごとに異なる圧力の圧縮気体を送入することによってスリット4a,4bごとに調整することが可能である。
【0030】
このように、2つ以上のスリット等の外気導入部が各々独立した通気経路を有し、個別に通気経路の開閉が可能であるので、各非転写面のひけの発生の程度を個別に調節することができる。
ここで、さらに、キャビティ2内に、溶融樹脂の流動方向に対して直交する方向に段差部が形成されていると、非転写面にひけをより確実に発生させることができる。
これによって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0031】
(実施例2)図2は、本発明の実施例2による樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図で、請求項2に対応する図である。図中、図1と同じ機能の構成要素は、図1に付した番号と同じ番号を付してある。本実施例において、外気導入部は、樹脂が先に流れ込む部分であるA部と、樹脂が後から流れ込む部分(ウェルド部周辺など)であるB部ごとに同一円周上の位置にそれぞれスリット4a,4bとして形成されている。スリット4a,4bはA部やB部のようにグループ分けし、グループ別に独立した通気経路5a,5bに接続され、通気経路5a,5bは、グループ別に制御装置によって制御されて開閉可能である(この点は、図3に基づいて後述する)。
【0032】
ゲート3からキャビティ2内に注入された溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内への流入中、あるいは流入中および流入後に、スリット4a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入して、樹脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除することによって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮によるひけを密着状態が解除された部分をきっかけとして発生させるが、このひけの発生の程度をグループ別の通気経路ごとに異なる圧力の圧縮気体を送入することによってグループ別ごとに調整することが可能である。
【0033】
このように、実施例1,2においては、外気導入部があらかじめキャビティ内の樹脂がひけやすい位置(樹脂が先に流れ込む部分)とひけ難い位置(樹脂が後から流れ込む部分)とに、分けて配置されているので、各非転写面のひけの発生の程度を効率良く個別に調節することができる。従って、外気導入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコストを低減することができる。また、ひけやすさが同レベルとなる位置の複数の外気導入部をグループとして1つの通気経路に接続することにより、通気経路を減らすことができ、金型製作期間とコストを低減することができ、また、付帯設備を減らすことができる。これによって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0034】
(実施例3)図3は、本発明の実施例3による図1に示した樹脂形成装置のスリット4a,4bに接続される通気経路に送入する気体を制御する気体送入手段を説明するための図で、請求項3に対応するものである。本実施例において、外気導入部は、図1に示したように、樹脂が先に流れ込む部分であるA部と、樹脂が後から流れ込む部分(ウェルド部周辺など)であるB部のように樹脂の流動分布に対応した位置にそれぞれスリット4a,4bとして形成されている。さらに、スリット4a,4bは、A部やB部のようなグループ別に独立した通気経路5a,5bに接続され、通気経路5a,5bは、開閉手段6a,6bに接続され、さらに、圧縮気体源8と接続している気体圧力調節手段7a,7bおよび開閉手段6a,6bは、コントローラ9によって制御されている。
【0035】
ゲート3からキャビティ2内に注入された溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内への流入中、あるいは流入中および流入後に、コントローラ9に接続された気体圧力調節手段7a,7bは、圧縮気体源8の圧縮気体を適切な圧力とし、コントローラ9の制御によって開閉手段6a,6bがスリット4a,4bの通気経路5a,5bを開閉することにより、スリット4a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入して、樹脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除することによって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮によるひけを密着状態が解除された部分をきっかけとして発生させる。このひけの発生の程度は、グループ別の通気経路ごとに異なる圧力の圧縮気体を送入することによってグループ別ごとに調整することが可能である。
【0036】
このように、独立した通気経路ごとに外気導入部を通して、溶融樹脂のキャビティ内への流入後、あるいは流入中および流入後にキャビティ内へ気体を強制的に送入する開閉手段6a,6bを備え、より確実に各部のひけの程度を調節することができ、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0037】
また、転写面がより均質になるように、コントローラ9で各通気経路5a,5bの開閉タイミングや送入気体の圧力を調整して溶融樹脂から樹脂成形品を製造するように制御することにより、各非転写面のひけの発生の程度を個別により細かく適切に調節することができる。これによって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0038】
さらに、スリット4a,4bの近傍の金型1壁面の任意の複数個所に樹脂温を計測する樹脂温計測手段を設け、樹脂温に応じた圧力の気体を送入するようにコントローラ9で制御することにより、設備や外部環境の外乱や、成形開始時などの不安定要因が生じた場合に、非転写面のひけの程度を自動的に適切に制御することができる。したがって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を安定して均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を安定して得ることができる。
【0039】
本発明においては、流動分布、あるいは樹脂温度分布に応じて、非転写面をひけを発生しやすい個所とそうでない個所に分類し、該個所別に、圧縮気体の圧力などを適切な条件とし、ひけの発生の程度を調節する。これによって、外周面での花びら状の凹凸形状を最小限に低減することが可能となり、真円度の高い成形品を得ることができる。
【0040】
本発明による樹脂成形装置を用いて製造する樹脂成形品の例として挙げた歯車においては、振れが少なく、全歯面の均質性が良い歯車を得ることができる。
また、本発明による樹脂成形装置は、歯車以外の均質性を有する円形、あるいは円筒形部品を製造する際にも効果的である。
さらに、本発明による樹脂成形装置は、広域で均質な転写を必要とする成形品、あるいは、ある単位形状がアレイ状あるいは面状に並ぶ成形品、単位形状がどの部分においても均質に転写されることが要求される成形品を製造する場合において、特に有効である。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明の効果
請求項1の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を効率良く個別に調節することができる。従って、外気導入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコストを低減することができる。また、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0046】
請求項2の発明の効果
請求項2の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を効率良く個別に調節することができる。従って、外気導入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコストを低減することができる。また、ひけやすさが同レベルとなる位置の複数の外気導入部をグループとして1つの通気経路に接続することにより、通気経路を減らすことができ、金型製作期間とコストを低減することができ、また、付帯設備を減らすことができる。また、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0049】
請求項3の発明の効果
請求項3の発明によると、設備や外部環境の外乱や、成形開始時などの不安定要因が生じた場合にも、非転写面のひけの程度を自動的に適切に制御することができる。したがって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を安定して均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図である。
【図2】 本発明の実施例2による樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図である。
【図3】 本発明の実施例3による樹脂形成装置のスリットに接続される通気経路に送入する気体を制御する気体送入手段を説明するための図である。
【図4】 成形されたギヤと該ギヤを成形する樹脂成形装置の下側金型を上方からみた要部平面概略図である。
【符号の説明】
1…金型、2…キャビティ、3…ゲート、4a,4b…スリット、5a,5b…通気経路、6a,6b…開閉手段、7a,7b…気体出力手段、8…圧縮気体源、9…コントローラ。
Claims (3)
- キャビティの任意の部分に開口して金型外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる樹脂成形装置において、
前記外気導入部を、前記キャビティの溶融樹脂流入口の樹脂放射方向部に対応した位置で、かつ同一円周上の位置であって、前記キャビティ内で樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、部分円弧状に複数形成し、
前記外気導入部に各々独立した通気経路を設け、該通気経路を個別に開閉可能にしたことを特徴とする樹脂成形装置。 - キャビティの任意の部分に開口して金型外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる樹脂成形装置において、
前記外気導入部を、前記キャビティの溶融樹脂流入口の樹脂放射方向部に対応した位置で、かつ同一円周上の位置であって、前記キャビティ内で樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、部分円弧状に複数形成し、
前記外気導入部を前記樹脂がひけやすい位置と前記ひけ難い位置とのグループに分け、前記外気導入部に前記グループごとに通気経路を設け、該通気経路を前記グループごとに開閉可能にしたことを特徴とする樹脂成形装置。 - 前記外気導入部の近傍に樹脂温計測手段を複数設け、前記通気経路ごとに前記外気導入部を通して前記キャビティ内に、前記樹脂温計測手段で計測した樹脂温に応じた圧力の気体を送入するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001190653A JP4485101B2 (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 樹脂成形装置および樹脂成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001190653A JP4485101B2 (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 樹脂成形装置および樹脂成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003001663A JP2003001663A (ja) | 2003-01-08 |
JP4485101B2 true JP4485101B2 (ja) | 2010-06-16 |
Family
ID=19029393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001190653A Expired - Fee Related JP4485101B2 (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 樹脂成形装置および樹脂成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4485101B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05212751A (ja) * | 1992-02-04 | 1993-08-24 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | ディスク基板の成形方法 |
JPH0866949A (ja) * | 1994-08-30 | 1996-03-12 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 合成樹脂成形品の射出成形方法 |
JPH1044179A (ja) * | 1996-07-31 | 1998-02-17 | Mazda Motor Corp | 中空射出成形方法及びその装置並びに中空射出製品の検査方法 |
JPH11170304A (ja) * | 1997-12-16 | 1999-06-29 | Canon Inc | 成形金型および成形方法ならびに樹脂成形品 |
JP2001096578A (ja) * | 1999-09-29 | 2001-04-10 | Ricoh Co Ltd | プラスチック成形装置 |
-
2001
- 2001-06-25 JP JP2001190653A patent/JP4485101B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05212751A (ja) * | 1992-02-04 | 1993-08-24 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | ディスク基板の成形方法 |
JPH0866949A (ja) * | 1994-08-30 | 1996-03-12 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 合成樹脂成形品の射出成形方法 |
JPH1044179A (ja) * | 1996-07-31 | 1998-02-17 | Mazda Motor Corp | 中空射出成形方法及びその装置並びに中空射出製品の検査方法 |
JPH11170304A (ja) * | 1997-12-16 | 1999-06-29 | Canon Inc | 成形金型および成形方法ならびに樹脂成形品 |
JP2001096578A (ja) * | 1999-09-29 | 2001-04-10 | Ricoh Co Ltd | プラスチック成形装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003001663A (ja) | 2003-01-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4359435A (en) | Method for manufacturing plastic products | |
JPH08142112A (ja) | 樹脂巻き部品の成形方法 | |
JP4485101B2 (ja) | 樹脂成形装置および樹脂成形方法 | |
JP5264447B2 (ja) | 環状樹脂成形品 | |
JP2002172653A (ja) | 樹脂成形装置、樹脂成形方法及び樹脂成形品 | |
JP3816021B2 (ja) | 射出成形装置及び射出成形方法 | |
JP2000141381A (ja) | 円板状プラスチック成形品 | |
JP2003136561A (ja) | 環状成形品の射出成形用金型及び環状成形品の成形方法 | |
JP2003053790A (ja) | 円盤状プラスチック成形品及び製造方法 | |
JP2003094490A (ja) | 樹脂成形装置、該樹脂成形装置を用いた樹脂成形方法および樹脂成形品 | |
EP1419869A1 (en) | Method of manufacturing molded product and valve gate type metal mold device | |
JP3146476B2 (ja) | 成形装置 | |
JP2003320557A (ja) | 射出成形金型および射出成形方法 | |
JP2004330676A (ja) | 金型装置および成形方法 | |
JPH0516179A (ja) | 射出成形品 | |
JPH0839574A (ja) | 中空プラスチック品の製造方法 | |
JP2002292694A (ja) | 射出成形用金型のガス抜き状態検出方法 | |
JP4202653B2 (ja) | 樹脂長尺体成形金型及びその成形方法 | |
JP2006240038A (ja) | 成形金型と成形方法及び成形品 | |
JP3341275B2 (ja) | 成形用金型装置 | |
JP2008238687A (ja) | 金型装置と射出成形方法、及び光学素子 | |
JP2003291178A (ja) | 成形用金型装置 | |
JP2016203474A (ja) | 成形金型及びそれを用いる金型内被覆成形方法 | |
JPH08257683A (ja) | 鋳造・成形用金型の製造方法 | |
JP2021030702A (ja) | 射出成形装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060825 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060920 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090303 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090421 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090611 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100323 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100324 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |