JP4482954B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバの製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバの製造方法として、例えば特開平10−25127号公報に記載されたものが知られている。この製造方法は、光ファイバ母材を加熱線引きして中間光ファイバを作製し、この中間光ファイバを再加熱することにより熱処理を施すものであり、再加熱によりガラスの構造緩和(原子再配列)により仮想温度(ガラス内の原子の配列状態の乱雑さが対応する温度)を下げて、レイリー散乱強度の低減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱線引きされた光ファイバを保護するため、線引き直後の光ファイバの表面にUV樹脂等を被覆しており、上述した特開平10−25127号公報に記載された光ファイバの製造方法では、再加熱時の熱により光ファイバの表面に被覆された樹脂が燃えてしまうため、光ファイバ素線の量産に適したものではない。表面に樹脂を被覆しない状態での光ファイバを再加熱することも考えられるが、光ファイバ取り扱い時の傷付き等の問題から、量産の製造方法として適用できるものではない。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造装置及び製造方法について鋭意研究を行った結果、レイリー散乱強度と線引き後の光ファイバの冷却速度との関係について、以下のような事実を新たに見出した。
【0006】
高温のガラス内では熱エネルギーにより原子は激しく振動しており、低温のガラスに比べて原子配列は乱雑な状態となっている。高温のガラスをゆっくり冷却した場合には、原子の再配列が許される温度範囲では、原子は各温度に対応した乱雑さに配列しながら冷却されるので、ガラス内の原子の乱雑さは構造緩和が進行する最低温度(1200℃程度)に対応した状態となる。しかし、高温のガラスを急激に冷却した場合には、原子配列が各温度に対応した平衡状態に達する前に冷却固定されるために、徐冷した場合に比べて原子配列は乱雑な状態となる。レイリー散乱強度は同一の物質でも原子配列が乱雑な方が大きくなり、通常、線引き後に5000〜30000℃/秒の冷却速度で冷却される光ファイバでは、バルクガラスに比べて原子配列が乱雑で、仮想温度が高い状態になっており、これが原因でレイリー散乱強度が大きくなっていると考えられる。
【0007】
一方、構造緩和に要する時間は温度が低くなるほど長くなるため、例えば1200℃程度ではその温度に数十時間維持しておかないと構造緩和が起こらない。線引き後の光ファイバは、通常0.数秒で約2000℃から400℃程度にまで冷却されるため、線引き工程中の光ファイバが冷却される短時間の間に仮想温度を低くして、 1200℃に近づけるためには、1200℃よりも高温の状態で徐冷する必要がある。
【0008】
そこで、本発明者らは線引き後の光ファイバ温度及び冷却速度に着目して、純石英コアファイバの温度が、上述した構造緩和が進行する最低温度(1200℃程度)よりも高温且つ構造緩和が極めて短時間で進行する1700℃以下の1200〜1700℃になっている部分での冷却速度とレイリー散乱係数との関係を調査した。その結果、純石英コアファイバの温度が1200〜1700℃となっている部分での冷却速度とレイリー散乱係数との間には、図5に示されるような関係が存在していることが確認された。なお、レイリー散乱強度(I)は下記(1)式に示すように波長(λ)の4乗に反比例する性質を有しており、この時の係数Aをレイリー散乱係数としている。
I=A/λ4 …………… (1)
【0009】
これらの結果から、加熱線引きされ、樹脂が被覆される前の光ファイバ、特に光ファイバの温度が1200〜1700℃となっている部分のうちの所定区間での冷却速度を遅くすることにより、光ファイバのレイリー散乱強度を低減して、伝送損失を低くすることができるということが判明した。
【0010】
かかる研究結果を踏まえ、請求項1に記載の本発明による光ファイバの製造装置は、光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造装置であって、光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する樹脂被覆部との間に、線引きされた光ファイバを光ファイバの温度が1200〜1700℃の範囲内の温度であるように加熱する加熱炉が設けられていることを特徴としている。
【0011】
上述の請求項1に記載の光ファイバの製造装置によれば、線引き炉と樹脂被覆部との間に、線引きされた光ファイバを光ファイバの温度が1200〜1700℃の範囲内の温度であるように加熱する加熱炉が設けられているので、加熱線引きされ、樹脂が被覆される前の光ファイバのうち、光ファイバの温度が1200〜1700℃となっている部分のうちの所定区間での冷却速度が遅くなり、徐冷される。このため、光ファイバの仮想温度が低くなり、原子配列の乱雑さが低減されることになり、加熱線引きから樹脂被覆までの間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバの製造が可能となる。また、線引き後の樹脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0012】
また、加熱炉は、線引きされた光ファイバを1300〜1600℃の範囲内の温度にて加熱することが好ましい。このように、加熱炉が、線引きされた光ファイバを1300〜1600℃の範囲内の温度にて加熱することで、光ファイバの温度が1200〜1700℃となっている部分のうちの所定区間での光ファイバの冷却速度が遅くなり、光ファイバの構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。ここで、加熱炉の温度は、炉中心近傍の温度であり、例えば炉中心近傍の温度を1600℃程度にするには、ヒータの温度を1700℃程度にする。
【0013】
また、加熱炉は、線引きされた光ファイバが通る炉心管を有し、炉心管は、
L1≦0.2×V
L1:線引き炉のヒータ下端から炉心管上端までの距離(m)
V:線引き速度(m/s)
を満たす位置に配設されていることが好ましい。線引き速度が速い場合、線引き速度が遅い場合に比して、線引きされた光ファイバの温度が同じとなる位置が樹脂被覆部寄りの位置となる。従って、加熱炉の炉心管の位置を、
L1≦0.2×V
が満たされる位置とすることにより、加熱炉の炉心管を線引き速度の大きさに対応した適切な位置に配設することができ、光ファイバの冷却速度を適切に遅らせることができる。
【0014】
また、加熱炉は、線引きされた光ファイバが通る炉心管を有し、炉心管は、線引きされた光ファイバの炉心管への入線温度が1400〜1800℃の範囲となる位置に配設されることが好ましい。この場合には、加熱炉の炉心管が、線引き速度の大きさに対応した適切な位置に配設され、光ファイバの冷却速度を適切に遅らせることができる。
【0015】
また、加熱炉は、線引きされた光ファイバが通る炉心管を有し、炉心管は、
L2≧V/8
L2:炉心管の全長(m)
V:線引き速度(m/s)
を満たすように形成されていることが好ましい。この場合には、加熱炉の炉心管の長さを、線引き速度の大きさに対応した適切な長さに設定することができ、光ファイバの冷却速度を適切に遅らせることができる。
【0016】
また、加熱炉は、線引き炉側を高温に、樹脂被覆部側を低温とする温度勾配が与えられていることが好ましい。加熱線引きされた光ファイバの温度は、線引き炉側から樹脂被覆部側に向かって低下する温度分布を有する。従って、加熱炉に、線引き炉側を高温に、樹脂被覆部側を低温とする温度勾配を与えることにより、加熱炉が上述した温度分布を有する光ファイバに対応した温度分布を有することとなり、光ファイバを更に適切な冷却速度にて冷却することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の本発明による光ファイバの製造方法は、光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造方法であって、光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する樹脂被覆部との間に設けられる加熱炉にて、線引きされた光ファイバを光ファイバの温度が1200〜1700℃の範囲内の温度であるように加熱することを特徴としている。
【0018】
上述の請求項7に記載の光ファイバの製造方法によれば、線引き炉と樹脂被覆部との間に設けられる加熱炉にて、線引きされた光ファイバを光ファイバの温度が1200〜1700℃の範囲内の温度であるように加熱するので、加熱線引きされ、樹脂が被覆される前の光ファイバのうち、光ファイバの温度が1200〜1700℃となっている部分のうちの所定区間での冷却速度が遅くなり、徐冷される。このため、光ファイバの構造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されることになり、加熱線引きから樹脂被覆までの極めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバの製造が可能となる。また、線引き後の樹脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0020】
まず、図1を参照しながら、本発明による光ファイバの製造方法及びこの製造方法に用いられる線引き装置の実施形態を説明する。
【0021】
線引き装置1は石英系光ファイバの線引き装置であって、線引き炉11、徐冷用加熱炉21及び樹脂硬化部31を有し、線引き炉11、徐冷用加熱炉21及び樹脂硬化部31は光ファイバ母材2を線引きする方向(図1において、上から下)に、線引き炉11、徐冷用加熱炉21、樹脂硬化部31の順で配設されている。母材供給装置(図示せず)に保持された光ファイバ母材2を線引き炉11に供給し、線引き炉11内のヒータ12で光ファイバ母材2の下端を加熱・軟化させ、光ファイバ3を線引きする。線引き炉11の炉心管13には、不活性ガス供給部14からの不活性ガス供給通路15が接続されており、線引き炉11の炉心管13内が不活性ガス雰囲気となるように構成されている。加熱線引きされた光ファイバ3は炉心管13内にて、1700℃程度にまで不活性ガスにより急激に冷却される。その後、光ファイバ3は、炉心管13の下部から線引き炉11外に出され、線引き炉11と徐冷用加熱炉21との間にて空冷される。不活性ガスとしては、例えばN2ガスを用いることができ、このN2ガスの熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。空気の熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。
【0022】
空冷された光ファイバ3を徐冷用加熱炉21に送り、光ファイバ3の所定区間を加熱し、所定の冷却速度にて徐冷する。徐冷用加熱炉21はその中を光ファイバ3が通る炉心管23を有し、この炉心管23は、光ファイバ母材2の線引き方向(図1において、上下方向)での全長L2(m)が、
L2≧V/8 ………………… (2)
ここで、V:線引き速度(m/s)
を満足するように設定されている。また、徐冷用加熱炉21は、炉心管23の位置が、炉心管23に入る直前の光ファイバ3の温度(入線温度)が1400〜1800℃の範囲となる位置に設定されており、線引き炉11に対して、
L1≦0.2×V ………………… (3)
ここで、L1:線引き炉11のヒータ12の下端から
炉心管23の上端までの距離(m)
V:線引き速度(m/s)
を満足するように、設けられている。徐冷用加熱炉21のヒータ22の温度は、炉中心(光ファイバ3が通る部分)の温度が1300〜1600℃の範囲内の温度、特に、1300〜1500℃の範囲内の温度に設定されている。
【0023】
上述した徐冷用加熱炉21(炉心管23)の位置及び長さの設定により、徐冷用加熱炉21において、加熱線引きされた光ファイバ3において温度が1200〜1700℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間、例えば、光ファイバ3の温度が1400〜1600℃となる部分(温度差が200℃となる区間)が1000℃/秒以下の冷却速度で徐冷されることになる。なお、炉中心の温度を1300〜1600℃の範囲内の温度に設定することにより、加熱線引きされた光ファイバ3において温度が1400〜1600℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間が1000℃/秒以下の冷却速度で徐冷されることになる。
【0024】
徐冷用加熱炉21の炉心管23には、N2ガス供給部24からのN2ガス供給通路25が接続されており、徐冷用加熱炉21の炉心管23内がN2ガス雰囲気となるように構成されている。N2ガスを用いる代わりに、空気あるいはArといったの分子量の比較的大きいガス等を用いることも可能である。もちろんカーボンヒータを用いる場合には、不活性ガスを用いる必要がある。
【0025】
徐冷用加熱炉21を出た光ファイバ3は、外径測定手段としての外径測定器41により外径がオンライン測定され、その測定値がドラム42を回転駆動する駆動モータ43にフィードバックされて外径が一定となるように制御される。外径測定器41からの出力信号は、制御手段としての制御ユニット44に送られ、光ファイバ3の外径が予め設定された所定値となるように、ドラム42(駆動モータ43)の回転速度を演算により求める。制御ユニット44からは、演算により求めたドラム42(駆動モータ43)の回転速度を示す出力信号が駆動モータ用ドライバ(図示せず)に出力され、この駆動モータ用ドライバは制御ユニット44からの出力信号に基づいて、駆動モータ43の回転速度を制御する。
【0026】
その後、光ファイバ3に、コーティングダイス51によりUV樹脂52を塗布し、樹脂硬化部31のUVランプ32によりUV樹脂52が硬化され、光ファイバ素線4となる。そして、光ファイバ素線4は、ガイドローラ61を経て、ドラム42により巻き取られる。ドラム42は、回転駆動軸45に支持されており、この回転駆動軸45の端部は駆動モータ43に接続されている。ここで、コーティングダイス51及び樹脂硬化部31は、各請求項における樹脂被覆部を構成している。樹脂被覆部としては、熱硬化樹脂を塗布し、加熱炉により硬化させるように構成してもよい。
【0027】
なお、線引き炉11の炉心管13には、不活性ガス供給部14からの不活性ガス供給通路15が接続されており、線引き炉11の炉心管13内が不活性ガス雰囲気となるように構成されているが、不活性ガス供給部14としてN2ガス供給部を設け、炉心管13内にN2ガスを供給してN2ガス雰囲気となるように構成してもよい。炉心管13内にN2ガスを供給する理由は、線引き速度が低速、例えば100m/minの場合には、光ファイバ3がHeガス雰囲気では線引き炉11(炉心管13)内で1000℃程度まで冷却されてしまうことがあり、線引き速度が低速の場合に炉心管13内をN2ガス雰囲気として、線引き炉11(炉心管13)出口での光ファイバ3の温度を1700℃程度とするためである。もちろん、Heガス供給部とN2ガス供給部とを設け、線引き速度に対応して、炉心管13内にHeガス及び/又はN2ガスを供給するように構成してもよい。
【0028】
次に、図2に基づいて、上述した線引き装置1を用いて行った実験の結果について説明する。これらの実験において共通の条件は、以下のとおりである。光ファイバ母材2として、外径35mmのものを用い、この光ファイバ母材2から外径125μmの光ファイバ3を線引きした。線引き炉の温度は、炉心管内周面の表面温度で2000℃程度としている。なお、以下の実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例4においては、光ファイバ3の温度を、光ファイバ3の表面温度としている。光ファイバ3の表面温度と光ファイバ3内部との温度差は20〜100℃程度である。線引き炉11及び徐冷用加熱炉21の温度は、各炉心管13,23の内周面(光ファイバ母材2あるいは光ファイバ3の表面と対向する面)の表面温度としている。実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例4とも、全て不活性ガスにはN2ガスを使用した。
【0029】
実施例1〜実施例3は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例であり、比較例1及び比較例2は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例との対比のために行った比較例である。
【0030】
(実施例1)
L1=0.4m、L2=0.5mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1350℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1350℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である0.5mの区間において平均約2000℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0031】
炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、0.5=0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.167dB/kmであった。
【0032】
(実施例2)
L1=0.4m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1350℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1350℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約1000℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0033】
炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.165dB/kmであった。
【0034】
(実施例3)
L1=0.4m、L2=2.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1300℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1300℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2.0mの区間において平均約600℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0035】
炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、2.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.164dB/kmであった。
【0036】
(参考例)
L1=0.6m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1400℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1300℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1400〜1300℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約250℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0037】
炉心管の位置に関しては、0.8=0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.167dB/kmであった。
【0038】
(比較例1)
徐冷用加熱炉を取り外した状態で光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は2〜10m/s、線引き張力は20gfとした。この時、光ファイバの温度が1300〜1700℃となる部分は、約5000℃/秒の徐冷速度にて冷却された。
【0039】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.168dB/kmであり、線引き速度に対する依存性はなかった。
【0040】
(比較例2)
L1=1.0m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1000℃であった。
【0041】
炉心管の位置に関しては、1.2>0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足していない。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.168dB/kmであり、徐冷用加熱炉を取り外した比較例1における伝送損失と同値となっている。
【0042】
以上のように、実施例1〜実施例3においては、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.164〜0.167dB/kmとなり、比較例1及び比較例2における波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.168dB/kmと比べて、伝送損失を0.001〜0.004dB/kmの範囲で低減できることが確認された。線引き速度が4m/sの場合、徐冷用加熱炉の炉心管の位置としてL1を0.8mより大きく(線引き炉から離れる)することは、線引き後の光ファイバの温度が1200〜1700℃となる部分を加熱することが難しくなり、この部分の冷却速度を遅くすることができず、伝送損失を増加させることになる。また、徐冷用加熱炉の炉心管を(3)式を満足する位置に配設した場合においても、炉心管の全長を0.5mより短くすることは、線引き後の光ファイバの温度が1200〜1700℃となる部分を加熱することが難しくなり、この部分の冷却速度を遅くすることができず、伝送損失を増加させることになる。
【0043】
次に、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度条件を変更して、実験を行った。実施例5及び実施例6は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例であり、比較例3は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例との対比のために行った比較例である。
【0044】
(実施例5)
L1=0.4m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1500℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1530℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1530℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約280℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0045】
炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.162dB/kmであった。
【0046】
(実施例6)
L1=0.4m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1200℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1250℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1250℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約350℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0047】
炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.167dB/kmであった。
【0048】
(比較例3)
L1=0.4m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は4m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1000℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1600℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1050℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1600〜1050℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約2200℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0049】
比較例3は、炉心管の位置に関しては、0.4<0.8(=4×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0>0.5(=4/8)となり上述した(2)式を満足している。しかし、徐冷用加熱炉の部分で光ファイバの温度を1200℃以上にできていない。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.168dB/kmであり、徐冷用加熱炉を取り外した比較例1における伝送損失と同値となっている。
【0050】
以上のように、実施例5及び実施例6においては、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.162〜0.167dB/kmとなり、比較例3における波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.168dB/kmと比べて、伝送損失を0.001〜0.006dB/kmの範囲で低減できることが確認された。実験結果から明らかなように、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1200℃以上とすることで、線引き後の光ファイバの温度が1300〜1700℃となる部分を加熱し、この部分の冷却速度を遅くらせることになり、伝送損失を低減することができる。実施例2及び実施例5から分かるように、特に、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1300〜1500℃とすることで、伝送損失を更に低減することができる。
【0051】
次に、線引き速度条件を変更して、実験を行った。実施例7及び実施例8は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例であり、比較例4は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例との対比のために行った比較例である。
【0052】
(実施例7)
L1=0.8m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は8m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1550℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1700〜1550℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である1.0mの区間において平均約1200℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0053】
炉心管の位置に関しては、0.8<1.6(=8×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、1.0=1.0(=8/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.167dB/kmであった。
【0054】
(実施例8)
L1=0.8m、L2=2.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は8m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1700〜1450℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2.0mの区間において平均約1000℃/秒の徐冷速度にて冷却されたことになる。
【0055】
炉心管の位置に関しては、0.8<1.6(=8×0.2)となり上述した(3)式を満足している。炉心管の全長に関しては、2.0>1.0(=8/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.165dB/kmであった。
【0056】
(比較例4)
L1=2.0m、L2=1.0mとなる炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は8m/s、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉中心の温度)の温度は1300℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度(入線温度)は、光ファイバの表面温度で1000℃であった。
【0057】
炉心管の位置に関しては、2.0>1.6(=8×0.2)となり上述した(3)式を満足していない。炉心管の全長に関しては、1.0=1.0(=8/8)となり上述した(2)式を満足している。線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.168dB/kmであり、徐冷用加熱炉を取り外した比較例1における伝送損失と同値となっている。
【0058】
以上のように、実施例7及び実施例8においては、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.165〜0.167dB/kmとなり、比較例4における波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.168dB/kmと比べて、伝送損失を0.001〜0.003dB/kmの範囲で低減できることが確認された。線引き速度が8m/sの場合、徐冷用加熱炉の炉心管の位置としてL1を2.0mとすることは、線引き後の光ファイバの温度が1200〜1700℃となる部分を加熱することが難しくなり、この部分の冷却速度を遅くすることができず、伝送損失を増加させることになる。また、徐冷用加熱炉の炉心管を上述した(3)式を満足する位置に配設した場合においても、炉心管の全長を1.0mより短くすることは、線引き後の光ファイバの温度が1200〜1700℃となる部分を加熱することが難しくなり、この部分の冷却速度を遅くすることができず、伝送損失を増加させることになる。
【0059】
このように、上述した実験結果からも明らかなように、本実施形態に係る光ファイバの製造装置及び製造方法においては、線引き炉11と樹脂硬化部31(コーティングダイス51)との間に、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3を1200〜1700℃の範囲内の温度にて加熱する徐冷用加熱炉21が設けられているので、上述した光ファイバ3のうち、その温度が1200〜1700℃となる部分の所定区間における冷却速度が遅くなることにより、原子配列の乱雑さが低減されるので、加熱線引きからUV樹脂52の被覆までの間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバ3を製造することが可能となる。また、線引き後のUV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3の冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面にUV樹脂52が硬化、被覆された光ファイバ素線4の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0060】
また、徐冷用加熱炉21にて、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3を1300〜1600℃の範囲内の温度にて加熱することで、光ファイバ3の温度が1200〜1700℃となっている部分のうちの所定区間での光ファイバ3の冷却速度が遅くなり、光ファイバ3の構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。
【0061】
また、徐冷用加熱炉21の炉心管23の位置を、上述した(3)式を満足する位置とすることにより、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3において温度が1200〜1700℃となる部分の所定区間を、確実に加熱し、この部分における冷却速度を適切に遅くすることができる。
【0062】
また、徐冷用加熱炉21の炉心管23の位置を、炉心管23に入る直前の光ファイバ温度(入線温度)が1400〜1800℃の範囲となる位置とすることにより、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3において温度が1200〜1700℃となる部分の所定区間を、確実に加熱し、この部分における冷却速度を適切に遅くすることができる。
【0063】
また、徐冷用加熱炉21の炉心管23の全長を、上述した(3)式を満足する長さとすることにより、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3において温度が1200〜1700℃となる部分の所定区間を、確実に加熱し、この部分における冷却速度を適切に遅くすることができる。
【0064】
また、徐冷用加熱炉21の炉心管23内をN2ガス雰囲気としているため、徐冷用加熱炉21(炉心管23)内における冷却速度を低減することができ、光ファイバ3の更なる低伝送損失化が可能となる。また、線引き炉11の炉心管13内をHeガス雰囲気とすると、線引き炉11(炉心管13)内における光ファイバ3の冷却速度が30000℃/秒程度となり、線引き炉11と徐冷用加熱炉21との間で空冷としているために光ファイバ3の冷却速度が4000〜5000℃/秒となり、光ファイバ母材2を加熱軟化させて一定径に漸近させるまで速やかに冷却され、光ファイバ3の外径の変動を抑制することが可能となる。また、線引き炉11の炉心管13内をHeガス雰囲気とし、線引き炉11と徐冷用加熱炉21との間で空冷とすると、徐冷用加熱炉21に入る前の、光ファイバ3の温度が1700℃より高くなる部分を4000℃/秒以上の冷却速度にて冷却することになるので、光ファイバ3の冷却のために必要となる設備高さを低減することが可能となる。なお、1700℃より高温では、例えば30000℃/秒程度で急激に冷却しても、仮想温度が1700℃より低くなるので、レイリー散乱には影響しない。
【0065】
また、徐冷用加熱炉21から出た光ファイバ3の外径を測定するための外径測定器41と、外径測定器41からの出力信号に応じて光ファイバ3の外径が所定値となるようにドラム42(駆動モータ43)の回転速度を制御する制御ユニット44とを備えているので、徐冷用加熱炉21から出て、外径長さが安定した状態にある光ファイバ3の外径を測定して、この安定した外径に基づいてドラム42(駆動モータ43)の回転速度を制御され、光ファイバ3の線引き速度を適切に制御することが可能となる。
【0066】
次に、図3及び図4に基づいて、本実施形態の変形例を説明する。図3に示されるように、石英系光ファイバの線引き装置101においては、徐冷用加熱炉21のヒータ22が、第1ヒータ71、第2ヒータ72及び第3ヒータ73を含んでいる。各ヒータ71,72,73は光ファイバ母材2を線引きする方向(図2において、上から下)に、第1ヒータ71、第2ヒータ72、第3ヒータ73の順で配設されている。各ヒータ71,72,73は、
T1=T2+25℃ …………………… (4)
T3=T2−25℃ …………………… (5)
ここで、T1:炉心管23の第1ヒータ71に対応する位置の内周面の表面温度
T2:炉心管23の第2ヒータ72に対応する位置の内周面の表面温度
T3:炉心管23の第3ヒータ73に対応する位置の内周面の表面温度
を満たすように、その温度が調節されている。なお、T1とT2との温度差、あるいは、T2とT3との温度差は、上述した25℃に限られるものではなく、例えば30℃程度の温度差を付けるようにしてもよい。
【0067】
このように、第1ヒータ71、第2ヒータ72、第3ヒータ73を設けることにより、徐冷用加熱炉21の炉心管23内において、線引き炉11側を高温に、樹脂硬化部31(コーティングダイス51)側を低温とする温度勾配が与えられる。線引き炉11にて加熱線引きされた光ファイバ3の温度は、線引き炉11側から樹脂硬化部31(コーティングダイス51)側に向かって低下する温度分布を有する。従って、上述したように各々の温度が調節された第1ヒータ71、第2ヒータ72、第3ヒータ73を設けることによって、徐冷用加熱炉21に、線引き炉11側を高温に、樹脂硬化部31(コーティングダイス51)側を低温とする温度勾配が与えられ、炉心管23内が光ファイバ3の温度に対応した温度分布を有することとなり、光ファイバ3との温度差を適切に保ち、光ファイバ3を更に適切な冷却速度にて冷却することができる。
【0068】
更なる変形例として、図4に示された線引き装置201のように、徐冷用加熱炉21を線引き炉11に連続して一体的に設けるように構成してもよい。このように、徐冷用加熱炉21を線引き炉11に連続して一体的に設けた場合においても、線引き炉11にて加熱線引きされた後UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3のうち、その温度が1200〜1700℃となる部分の所定区間における冷却速度が遅くなることにより、構造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されるので、加熱線引きからUV樹脂52の被覆までの極めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバ3を製造することが可能となる。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造装置及び製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバの製造装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明による光ファイバの製造装置及び製造方法による実施例と比較例を示す図表である。
【図3】本発明による光ファイバの製造装置の実施形態の変形例を示す概略構成図である。
【図4】本発明による光ファイバの製造装置の実施形態の変形例を示す概略構成図である。
【図5】レイリー散乱係数と光ファイバの冷却速度との関係を示す図表である。
【符号の説明】
1,101,201…線引き装置、2…光ファイバ母材、3…光ファイバ、4…光ファイバ素線、11…線引き炉、12…ヒータ、13…炉心管、14…不活性ガス供給部、15…不活性ガス供給通路、21…徐冷用加熱炉、22…ヒータ、23…炉心管、24…N2ガス供給部、25…N2ガス供給通路、31…樹脂硬化部、32…UVランプ、41…外径測定器、42…ドラム、43…駆動モータ、44…制御ユニット、45…回転駆動軸、51…コーティングダイス、52…UV樹脂液、61…ガイドローラ、71…第1ヒータ、72…第2ヒータ、73…第3ヒータ。
Claims (1)
- 光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造方法であって、
前記線引きされた光ファイバが通ると共に
L1≦0.2×V
L1:線引き炉のヒータ下端から前記炉心管上端までの距離(m)
V:線引き速度(m/s)
を満たす位置に配設され且つ
L2≧V/8
L2:前記炉心管の全長(m)
V:線引き速度(m/s)
を満たすように形成されている炉心管を有し、前記光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と前記線引きされた光ファイバを前記樹脂により被覆する樹脂被覆部との間に設けられる加熱炉を用い、前記加熱炉に入る直前の前記線引きされた光ファイバの温度を1600℃以上とし、前記線引きされた光ファイバを前記光ファイバの温度が1200〜1700℃の範囲内の温度であるように前記加熱炉にて加熱することを特徴とする光ファイバの製造方法。
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