[go: up one dir, main page]

JP4478352B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4478352B2
JP4478352B2 JP2001097001A JP2001097001A JP4478352B2 JP 4478352 B2 JP4478352 B2 JP 4478352B2 JP 2001097001 A JP2001097001 A JP 2001097001A JP 2001097001 A JP2001097001 A JP 2001097001A JP 4478352 B2 JP4478352 B2 JP 4478352B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma processing
plasma
microwave
processing apparatus
slots
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001097001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001345312A5 (ja
JP2001345312A (ja
Inventor
伸昌 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001097001A priority Critical patent/JP4478352B2/ja
Publication of JP2001345312A publication Critical patent/JP2001345312A/ja
Publication of JP2001345312A5 publication Critical patent/JP2001345312A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4478352B2 publication Critical patent/JP4478352B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波を用いて被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関し、特に、環状導波路を有するマイクロ波供給器を備えたプラズマ処理装置、並びにプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波をプラズマ励起用の励起源として使用するプラズマ処理装置としては、構造体の製造に用いられるプラズマ重合装置、CVD装置、表面改質装置、エッチング装置、アッシング装置、クリーニング装置等が知られている。
【0003】
こうしたいわゆるマイクロ波プラズマ処理装置を使用するCVDは例えば次のように行われる。即ち、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ発生室及び/又は成膜室内にガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してプラズマ発生室内にプラズマを発生させ、ガスを励起、解離、イオン化する等してイオンやラジカル等を生成しプラズマ発生室又はプラズマ発生室から離れた成膜室内に配された被処理体上に堆積膜を形成する。そして同様の手法で有機物のプラズマ重合や酸化、窒化、フッ化等の表面改質を行うこともできる。
【0004】
又、いわゆるマイクロ波プラズマエッチング装置を使用する被処理体のエッチング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、該装置の処理室内にエッチャントガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して該処理室内にプラズマを発生させ、エッチャントガスを励起、解離、イオン化して生成したイオンやラジカル等により該処理室内に配された被処理体の表面をエッチングする。
【0005】
又、いわゆるマイクロ波プラズマアッシング装置を使用する被処理体のアッシング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、該装置の処理室内にアッシングガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して該処理室内にプラズマを発生させ、該アッシングガスを励起、解離、イオン化して生成したイオンやラジカルやオゾン等により該処理室内に配された被処理体の表面即ちホトレジストをアッシングする。アッシング同様にして、被処理体の被処理面に付着した不要物を除去するクリーニングを行うこともできる。
【0006】
マイクロ波プラズマ処理装置においては、ガスの励起源としてマイクロ波を使用することから、電子を高い周波数をもつ電界により加速でき、ガス分子を効率的にイオン化、励起させることができる。それ故、マイクロ波プラズマ処理装置については、ガスのイオン化効率、励起効率及び解離効率が高く、高密度のプラズマを比較的容易に形成し得る、低温で高速に高品質処理できるといった利点を有する。又、マイクロ波が石英ガラスのような誘電体を透過する性質を有することから、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとして構成でき、これが故に高清浄なプラズマ処理を行い得るという利点もある。
【0007】
こうしたマイクロ波プラズマ処理装置の更なる高速化のために、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したプラズマ処理装置も実用化されてきている。ECRは、磁束密度が87.5mTの場合、磁力線の周りを電子が回転する電子サイクロトロン周波数が、マイクロ波の一般的な周波数2.45GHzと一致し、電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速され、高密度プラズマが発生する現象である。又、別のタイプの高密度プラズマ発生用のプラズマ処理装置も提案されている。
【0008】
例えば、米国特許第5,034,086号の明細書には、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)を用いたプラズマ処理装置が開示されている。
【0009】
或いは、特開平5−290995号公報や、米国特許第5,359,177号の明細書や、EP0564359公報には、終端付環状導波管を用いたプラズマ処理装置が開示されている。
【0010】
これらとは別に、マイクロ波プラズマ処理装置の例として、近年、マイクロ波の均一で効率的な導入装置として複数のスロットが内側面に形成された無終端環状導波管を用いた装置が提案されている(特開平5−345982号公報、米国特許第5,538,699号)。
【0011】
しかしながら、内側面にスロットを有する無終端環状導波管を備えた従来のマイクロ波プラズマ処理装置を用いて、例えばアッシング処理の場合のように、100mTorr(約13.3Pa)以上の高圧領域で処理を行う場合、プラズマの拡散が抑制されるため、プラズマが周辺に局在し基体中央部分の処理速度が低下することがある。又、プラズマ発生空間の容積が非常に大きくなる。
【0012】
一方、特開平7−90591号公開特許公報には、円盤状のマイクロ波導入装置を用いたプラズマ処理装置が開示されている。この装置ではガスを導波管内に導入し、導波管に設けられたスロットからガスをプラズマ発生室に向けて放出している。
【0013】
これら従来の装置に対して、本発明者が先に提案したプラズマ処理装置の構成は図12に示すようなものである。
【0014】
1は内部が排気可能な容器、2は被処理体の保持手段、3は内部に環状導波路を有する環状導波管からなるマイクロ波供給器、4は誘電体窓、7はガス供給口7aを有するガス供給管である。これらの部品から組み立てられた装置では、マイクロ波供給器3のマイクロ波導入口15よりマイクロ波を導入して、スロット36から誘電体窓4を介して容器1内にマイクロ波を供給する。
【0015】
図13〜図15は、マイクロ波供給器の環状導波路内におけるマイクロ波の伝搬と、スロットからのマイクロ波の放射の様子を説明するための模式図である。
【0016】
図13は、環状導波路を上方から見た時の様子をスロットを省略して示している。図14は、図13のB−B’線による断面を図15はC−C’線による断面を示している。
【0017】
マイクロ波導入口15付近はE面T分岐の等価回路となっており、マイクロ波導入口15より導入されたマイクロ波は時計回りd2と反時計回りd1とに分配されるように進路を変更する。各スロット3bはマイクロ波の進行方向d1,d2と交差するように設けられており、マイクロ波はスロットからマイクロ波を放出しながら進む。
【0018】
環状導波路は無終端であるため、方向d1、d2(z軸方向)に伝搬していくマイクロ波は互いに干渉し合う。C1は導波路の中心を結んで形成される環(輪)を示しており、この長さ即ち周長を管内波長(路内波長)に整数倍とすれば、所定のモードの定在波を生成し易くなる。
【0019】
図14はマイクロ波の進行方向(z軸方向)に垂直な断面を示しており、導波路の上下の面3cは電界EFの向きに垂直なH面となっており、導波管の左右の面3dは電界EFの向きに平行なE面となっている。C0はスロット3bの長手方向、即ちマイクロ波の進行・伝搬方向と垂直な方向(x軸方向)の中心である。
【0020】
このように導波路のマイクロ波進行方向に垂直な断面はx軸、y軸を長辺、短辺とする矩形断面になっている。
【0021】
環状導波路3a内に導入されたマイクロ波MWは、E面T分岐の分配ブロック10で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって伝搬する。分配されたマイクロ波同士は対向部で干渉し、管内波長の1/2毎に定在波を生じる。スロットを横切る電界が最大になるような位置に設置されたスロット3bから誘電体窓4を透して放射された漏れ波EWは、スロット3b近傍のプラズマP1を生成する。生成したプラズマP1の電子周波数がマイクロ波電源の周波数を超える(例えば電源周波数が2.45GHzの場合、電子密度が7×1010cm-3を超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなる、いわゆるカットオフが生じ、誘電体窓4とプラズマの界面を表面波SWとして伝搬する。隣接するスロットから導入された表面波SW同士が干渉し、表面波SWの波長(λ・εr -1/2〔λ:自由空間マイクロ波波長、εr:比誘電率〕)の1/2毎に電界の腹を生じる。プラズマ発生空間側1にしみ出したこの表面波干渉による腹電界によって表面波干渉プラズマ(SIP:Surface−wave Interfered Plasma)P2が生成する。この時に処理用ガスをプラズマ処理室内に導入しておくと処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起、解離、イオン化され、被処理基体の表面を処理することができる。
【0022】
このようなマイクロ波プラズマ処理装置を用いることにより、圧力1.33Pa程度、マイクロ波パワー1kW以上で、直径300mm以上の口径を有する空間に±3%以内の均一性をもって、電子密度1012/cm3以上、電子温度3eV以下、プラズマ電位20V以下の高密度低電位プラズマが発生できる。
【0023】
よって、ガスを充分に反応させ活性な状態で被処理面に供給できる。しかも、圧力2.7Pa、マイクロ波電力2kWとした時、誘電体窓内面から8〜10mm離れた位置でマイクロ波による電流は検出できなくなる。これはプラズマ拡散が抑えられる高圧領域では非常に薄いプラズマの層が誘電体窓近傍にできることを意味する。よって、入射イオンによる基板表面ダメージも減るので、低温でも高品質で高速な処理が可能になる。
【0024】
ところで、環状導波路の周長は、被処理体の被処理面積に応じて、管内波長の2倍、3倍、4倍…の中から選択しなければならない。路内が大気圧の空気の場合、この管内波長が約159mmであることを考慮すると、選択できる周長は約318mm、約477mm、約636mm…である。これを環の直径に換算すると約101mm、約151mm、約202mmとなる。
【0025】
一方、被処理体として一般的な8インチウエハ、12インチウエハを用いる場合、それぞれの直径は約200mm、約300mmである。両者を組み合わせて最適な組み合わせを選んでみても、プラズマの均一性、処理の均一性という点で未だ充分なものとは言えず、例えば被処理体の中心付近でプラズマ密度が低下して処理速度が低くなる現象が生じたり、或いは被処理体の外周端付近でプラズマ密度が低下して処理速度が低くなる現象が生じることがある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、環の半径方向或いはそれに等価な方向におけるマイクロ波放射特性をより精密に制御できるマイクロ波供給器を提供することにある。
【0027】
本発明の別の目的は、被処理体の半径方向における処理の均一性をより一層高めることができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0028】
本発明の更に別の目的は、環の半径方向及び周方向或いはこれらに等価な方向におけるマイクロ波放射均一性を向上させることができるマイクロ波供給器を提供することにある。
【0029】
本発明の他の目的は、被処理体の半径方向及び周方向或いはこれらに等価な方向における処理の均一性を共に高めることができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ処理装置は、容器と、前記容器内に処理ガスを供給するガス供給口と、誘電体窓を透してマイクロ波を前記容器内に供給するマイクロ波供給器とを備えたプラズマ処理装置であって、前記マイクロ波供給器は、前記誘電体窓に接する面に所定の間隔で設けられた複数のスロットを有する環状導波路を有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する前記環状導波路の一周長1gの倍率として、半径reが略、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
である円周上に前記スロットの中心が存在することを特徴とする。
【0031】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、ngの値は、2〜5の範囲内にある。
【0032】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記スロットの角度間隔は、π/ngである。
【0033】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数n1は、3,5,7のいずれかである。
【0034】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記誘電体窓は、主成分が窒化アルミニウムである。
【0035】
本発明のプラズマ処理方法は、マイクロ波が透過可能な誘電体窓を有する容器内に被処理体を設置する工程と、前記容器内を排気する工程と、前記容器内に処理ガスを導入する工程と、前記誘電体窓に接する面に所定の間隔で穿孔されて設けられた複数のスロットを有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する前記環状導波路の一周長1gの倍率として、半径reが略、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
である円周上に前記スロットの中心が存在するように構成された環状導波路を用い、当該環状導波路から前記容器内にマイクロ波を供給することによりプラズマを発生させる工程とを有することを特徴とする。
【0036】
本発明のプラズマ処理方法の一態様では、前記被処理体に化学気相成長法により成膜を施す。
【0037】
本発明のプラズマ処理方法の一態様では、前記被処理体にエッチング処理を施す。
【0038】
本発明のプラズマ処理方法の一態様では、前記被処理体にアッシング処理を施す。
【0039】
本発明のプラズマ処理方法の一態様では、前記被処理体にドーピング処理を施す。
【0040】
本発明のプラズマ処理装置は、内部が排気可能な容器と、前記容器内に処理ガスを供給するガス供給口とを有し、該容器内に配された被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記容器内に前記ガスのプラズマを発生させるためのマイクロ波エネルギーを供給する手段を有し、当該マイクロ波エネルギーを供給する手段は、前記誘電体窓側の面に所定の間隔で設けられた複数のスロットを有する無終端の環状導波路を有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する前記環状導波路の一周長1gの倍率として、半径reが略、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
である円周上に前記スロットの中心が存在するように前記複数のスロットの中心が前記面に沿った方向に前記環状導波路の中心に対して偏って配置されていることを特徴とする。
【0041】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、ngの値は、2〜5の範囲内にある。
【0042】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記スロットの角度間隔は、π/ngである。
【0043】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数n1は、3,5,7のいずれかである。
【0044】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記誘電体窓は、主成分が窒化アルミニウムである。
【0045】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記ガス供給口が前記容器の側壁に設けられている。
【0046】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記ガス供給口が前記被処理体より前記複数のスロットが設けられた面寄りに設けられている。
【0047】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記ガス供給口から前記複数のスロットが設けられた面に向けて前記処理ガスを放出する。
【0048】
本発明のプラズマ処理装置の一態様では、前記容器には、該容器内を1.34×103Pa以下に減圧できる排気ポンプが設けられている。
【0049】
本発明のプラズマ処理方法は、被処理体をプラズマ処理するためのプラズマ処理方法において、前記プラズマ処理装置を用いて前記被処理体をプラズマ処理することを特徴とする。
【0050】
本発明のプラズマ処理方法の一態様では、アッシング、エッチング、クリーニング、CVD、プラズマ重合、ドーピング、酸化、窒化の少なくともいずれか一種である。
【0051】
本発明の構造体の製造方法は、前記プラズマ処理装置を用いて前記被処理体をプラズマ処理する工程を含むことを特徴とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
図1は、プラズマ処理装置を示す模式的断面図である。
このマイクロ波を放射するための複数のスロット33が設けられた面を有する環状導波路13を備えたマイクロ波供給器3は、前記環状導波路13の中心C1に対して前記複数のスロット33の中心C2が前記面に沿った方向に偏って配置されていることを特徴とする。
【0053】
1は被処理体Wを内部に収容し、プラズマをプラズマ発生空間9に発生し得る真空容器であり、例えば大気開放型の容器或いは並設される不図示のロードロック室により大気と遮断された容器である。
【0054】
2は被処理体Wを容器1内に収容し、保持するためのサセプタ或いはホルダーと呼ばれる被処理体保持手段であり、被処理体Wを昇降し得るリフトピン12を有している。更に必要に応じて保持手段2に、被処理体Wを加熱するためのヒーター或いは被処理体を冷却するためのクーラー等の温度調整手段を付設してもよい。
【0055】
3は容器1内にプラズマを発生させるためのマイクロ波エネルギーを供給するマイクロ波供給器である。スロット33の位置は内方にオフセットしている。因みに、図14に示したスロットがオフセットしていないものである。
【0056】
4は容器1内を気密に封止するとともにマイクロ波を透過させる誘電体窓である。
【0057】
5はマイクロ波導波管、6はマイクロ波電源である。
【0058】
7はマイクロ波によってプラズマ化される処理ガスを供給するためのガス供給路であり、斜め上方を向いた放出路の先にガス供給口17を有する。
【0059】
ガス供給路7は各種ガスボンベ57、バルブ47、流量コントローラー37等のガス供給系27に連通している。
【0060】
8は、容器1内を排気するための排気路であり、真空ポンプ18、バルブ28等を含む排気系に不図示の排気口を通じて連通している。
【0061】
図2は、図1の装置のマイクロ波供給器3に用いられるスロット付平板23を示している。
【0062】
スロット付平板23は、複数のスロット33を有している。スロットは、環状導波路13の中心C1を結ぶ線より、環の内方にスロットの中心C2を結ぶ線が位置するように、平板23の表面に沿った方向に偏在して設けられている。C3は環状導波路13の外側面の位置を、C4はその内側面の位置を示している。
【0063】
図1の装置によるプラズマ処理方法は以下のとおりである。所定の圧力まで減圧、排気された容器1内にガス供給口17から処理ガスを供給する。
【0064】
処理ガスはプラズマ発生室となる空間9に放出された後、排気路8へと流れていく。
【0065】
一方、マグネトロンのようなマイクロ波電源6において発生したマイクロ波は、同軸導波管、円筒導波管又は矩形導波管のような導波管5を介して伝搬し、導入口15よりマイクロ波供給器3内に導入される。
【0066】
1つのスロット33に対向する上方のH面から導入されたマイクロ波は、そのスロット33からマイクロ波を放射するとともに、図2中時計回わり乃至反時計回わりにマイクロ波供給器3の無終端環状導波路13内を伝搬する。
【0067】
環状導波路13のH面には、例えばTE10モードにて路内を伝搬・進行するマイクロ波の伝搬・進行方向と交差する縦長のスロット33が設けられているために、そのスロット33から、空間9に向かって、マイクロ波が放射される。
【0068】
マイクロ波は、誘電体からなるマイクロ波透過窓4を透過して空間9に供給される。
【0069】
空間9には、処理ガスが存在しており、この処理ガスはマイクロ波エネルギーによって励起されプラズマを発生させる。マイクロ波の放射及びプラズマ発生の仕組みは、図15を参照して説明したとおりである。
【0070】
被処理体Wの表面には、このプラズマを利用して表面処理が施される。プラズマPは、投入されるマイクロ波の電力や容器内の圧力に応じて、図1のようにスロット下方のみに存在することもあるし、又、窓4の下面全面に拡がることもある。
【0071】
被処理体Wの大きさや、マイクロ波供給器導波路の周長に応じて、スロットを外方に偏在させることもできる。
【0072】
図3はプラズマ処理装置を示す模式的断面図である。
【0073】
この装置は、図4に示すようなスロット付平板23を有している。図1の装置との相違点は、図4のスロット付平板23が付設されている点と、被処理体バイアス電源22が付設されている点である。
【0074】
空間9内の圧力を低くして、プラズマがより拡がるように調整し、被処理体Wにバイアス電源22よりバイアス電圧を印加しながらプラズマ処理を行える構成になっている。このような構成はエッチングに好適なものである。
【0075】
更に、必要に応じて保持手段2にクーラーを付設して被処理体Wの昇温を抑制することも好ましいものである。
【0076】
図1、2と同符号で示す部位は、図1の実施形態の装置と同じ構成であるので、詳述を省略する。
【0077】
図4は本発明に用いられるマイクロ波供給器のスロット付平板の別の例を示す。
【0078】
図4の例では図2と同様に設けられたスロット33の延長線上に更に別のスロット43が設けられている点が図2に示した平板とは異なっている。
【0079】
この外方のスロット43も又、その中心を結ぶ線C5が、環状導波路13の中心を結ぶ線C1に対して、環の外方に偏在して設けられている。
【0080】
同一径方向にある一対のスロット33とスロット43とは不連続直線状に形成されることにより、従来のスロットの場合よりも径方向に均一にマイクロ波を放射することができる。又、スロット33とスロット43とを一体化した長尺スロットとした場合よりも、周方向(マイクロ波の進行方向)において、より均一にマイクロ波を放射することができる。
【0081】
本発明に用いられるスロットの偏心量は、使用する処理条件に応じて適宜定められる。特にスロット付平板23を導波路13となる凹部を有する導電性基材に対して交換可能に構成すれば、処理条件の変更にも柔軟に対応できる。
【0082】
本発明に用いられるスロットの中心が、環状導波路の中心とは異なっている異中心スロットの形状は、各々のスロットの中心が導波路の中心に対して内方及び/又は外方に偏在しているのであれば、1つの矩形状穿孔でも、長さが管内波長の1/4から3/8である穿孔が複数、不連続かつ直線上に配置されたものでも適用可能である。
【0083】
図5は不連続直線状スロット付の平板状環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置の横断面模式図で、図6は環状導波管のスロット板の上面図である。
図3、図4に示した装置と異なる点は、被処理体Wの大きさに比べて環状導波管(マイクロ波供給器)3の大きさが相対的に大きい点、ガス放出口17が斜め下方を向いている点、内方及び外方に偏在した一組のスロット33,43からなる不連続線状スロットの数が8個になっている点である。又、被処理体の温度制御用にヒーター114が保持手段2に設けられている。
排気系やガス供給系は、図1、図3に示したものと同様のものを使用できる。
図5ではスロット33,43は省略されて図示されている。
【0084】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気系(不図示)を介して容器1内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスをガス供給路7を介して所定の流量で容器1内に導入する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、容器1内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、マイクロ波供給器3を介して、容器1内に供給することにより、容器1内にプラズマが発生する。この時に導入された処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起、解離、イオン化され、保持手段2上に載置された被処理体Wの表面が処理される。
【0085】
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置に用いられるマイクロ波供給器となる環状導波管の材質は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをできるだけ抑えるため導電率の高いAl、Cu、Ag/CuメッキしたSUSなどが最適である。本発明に用いられる環状導波管のマイクロ波導入口15の向きは、マイクロ波供給器内の導波路に効率よくマイクロ波を導入できるものであれば、図のようにH面に垂直方向で導入部で伝搬空間の左右方向に二分配するものでも、H面に平行で伝搬空間の接線方向でもよい。本発明に用いられるマイクロ波供給器のマイクロ波進行方向におけるスロット間隔は、管内波長の1/2が最適である。
【0086】
本発明においては、不連続スロットの連続部分のそれぞれの長さ即ちスロット33又はスロット43の長さはそれぞれ管内波長の1/4から3/8であるのが好ましい。不連続線状スロット33,43はマイクロ波の進行方向121に対して交差する方向を向いている。即ちスロットの長手方向がマイクロ波の進行方向121と交差、ここでは垂直に交わっている。ここでは、矩形導波管を無終端となるように環状(勿論、円環状だけではなく、楕円環状、四角環状、五角環状等も含む)とし、TE10モード(H01モード)のマイクロ波を伝搬させている為、振動の腹一個に対して一個の不連続線状スロット(一対のスロット)が対応している。符号120は磁界の向きを模式的に示している。
【0087】
図7は接線導入型の平板状環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置の横断面模式図である。
【0088】
マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、E面に形成された導入口15より平板状環状導波管3内に導入する。導入されたマイクロ波は、管内波長の1/2毎に形成されたスロットを介し誘電体窓4を透してプラズマ発生空間9に導入される。導入されずに1周伝搬したマイクロ波は、導入口15付近で新たに接線導入されたマイクロ波と干渉して強め合い、数周伝搬するまでにほとんどのマイクロ波はプラズマ発生空間に導入される。
【0089】
図7もスロットが省略されて図示されている。
図7に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Paと133Pa、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行なった。プローブに印加する電圧を−50から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合1.9×1012/cm3±2.7%(φ300面内)、133Pa場合8.7×1011/cm3±5.6%(φ300面内)であり、高圧領域でも高密度で均一なプラズマが形成されていることが確認された。
【0090】
図8はRFバイアス印加機構を用いたマイクロ波プラズマ処理装置の横断面模式図である。22はRFバイアス印加手段である。図8もスロットは省略されて図示されている。
【0091】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。被処理体Wを保持手段2上に設置し、ヒータ114を用いて所望の温度まで加熱する。排気系(不図示)を介してプラズマ発生空間9を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスを所定の流量でプラズマ発生空間9に導入する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生空間を所定の圧力に保持する。RFバイアス印加手段22を用いて保持手段2にRF電力を供給するとともに、マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、平板状環状導波管3を介し誘電体窓4を透してプラズマ発生空間9に導入する。導入されたマイクロ波の電界により電子が加速され、プラズマ発生空間9にプラズマが発生する。この際、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起、解離、イオン化され、被処理体Wの表面が処理される。また、RFバイアスにより基板に入射するイオンの運動エネルギーを制御できる。
【0092】
図9は温度制御用の冷却機構付きマイクロ波プラズマ処理装置の横断面模式図、414は基体を冷却するクーラである。
図9もスロットが省略されて図示されている。
【0093】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。被処理体Wを保持手段2上に設置し、クーラ414を用いて冷却する。排気系(不図示)を介してプラズマ発生空間9を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスを導入する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生空間9を所定の圧力に保持する。RFバイアス印加手段22を用いて保持手段2にRF電力を供給するとともに、マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、平板状環状導波管3を介し誘電体窓4を透してプラズマ発生空間に導入する。導入されたマイクロ波の電界により電子が加速され、プラズマが発生する。クーラ414を用いることにより、高密度プラズマと高バイアスを用いた場合に問題となるイオン入射による基板の過加熱を抑制することができる。
【0094】
本発明に用いられる環状導波路は、前述したとおり環状であれば、円環状に限らず、楕円環状、四角環状、五角環状、等様々な形状であり得る。
半導体ウエハや光ディスクや磁気ディスクのような円盤状の被処理体を処理する場合には、円環状が好適である。
【0095】
本発明に用いられる環状導波路を有するマイクロ波供給器としては、導波路となる環状凹部を有する導電性基材と、スロット付平板との組み立て体を用いることも好ましいものである。
【0096】
又、必要に応じて導波路内に管内波長を短くするべく誘電体を充てんすることも好ましいものである。このような誘電体としてはテトラフルオロエチレン等の樹脂が好ましく用いられる。そして、本発明におけるスロットの位置は、後述するように設定する。
【0097】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について述べる。図16(a)〜16(c)は、マイクロ波プラズマ処理装置を示す模式図である。図16(a)は装置の断面図、図16(b)はマイクロ波供給器の平面図、図16(c)はマイクロ波伝搬の様子を示す模式図である。
【0098】
ここで、1はプラズマ処理室を構成する容器、Wは被処理体、2は被処理体Wの支持体、114は被処理体Wの温度を調節する手段、22は高周波バイアス印加手段、7は処理ガス供給口、18は排気ポンプ、28は排気コンダクタンス調整バルブ、4はプラズマ処理室を大気側と分離する誘電体窓、3はマイクロ波を誘電体窓4を透してプラズマ処理室に導入するためのスロット付無終端環状導波管からなるマイクロ波供給器、13は無終端環状導波管内のマイクロ波導波路、15は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐を構成しているマイクロ波導入口、STWはE分岐で分配された導波路内を伝播したマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、33は誘電体窓4に接する面(ここではH面)に所定の間隔で穿孔されて設けられた複数のスロットである。
【0099】
そして、SWはスロット33を通して導入された誘電体4の表面を伝播する表面波、SSTWは隣接するスロット33から放出された表面波SW同士の干渉により生じた表面定在波である。プラズマは表面定在波SSTWによる電子励起により誘電体窓の下方側に生じるので、表面波干渉プラズマと呼ぶ。
【0100】
ここで、スロット33は、無終端環状導波管内のマイクロ波導波路13の中央ではなく、n1をスロット33間に生じる表面定在波SSTWの腹の個数、λ5を表面波SWの波長、ngを路内波長λgに対する環状導波路13の一周長lgの倍率として、
半径reが略、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
である円周C2上にスロット33の中心が存在する。
【0101】
この理由を図17を用いて説明する。
隣接するスロット33から発生した表面波SW同士の干渉により、スロット33間に奇数個の表面定在波SSTWがスロットの配列方向と平行に複数生じると近似できる場合には、表面定在波SSTWは、表面波SWの波長λ5の1/2間隔で発生する。したがって、最も効率的に等間隔に表面定在波SSTWを発生させるには、スロット間の表面波SWの伝播長(これは中央定在波間隔Lに等しい)を、
L=n1λ5/2
にする必要がある。スロットの配列方向と複数発生した表面定在波SSTWの配列方向とが平行と近似できない一般的場合に、
L=n1λ5/{1+cos(π/ng)}
で置き換える必要がある。
【0102】
また、伝播長Lはスロット中心が存在すべき円周の半径reとスロット間半角度θとを用いて、
L=2retanθ
=2retan(π/(2ng
とも表される(この場合、スロットの角度間隔はπ/ngとなる)。したがって、スロット中心が存在すべき円周の半径reは、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
と表される。
【0103】
ここで、ng(=1g/λg)の値は、2〜5の範囲内にあることが望ましい。また、スロット33間に生じる表面定在波SSTWの腹の個数n1は、3,5,7のいずれかであることが望ましい。
【0104】
一例として、スロット間表面定在波個数n1:3,5、マイクロ波周波数2.45GHz(λ0:22.44mm)、ng:2,3,4、誘電体窓:石英ガラス(εw:3.8)、窒化アルミニウム(εw:9.8)の場合のスロット中心半径を以下の表1に示す。
【0105】
【表1】
Figure 0004478352
【0106】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。
先ず、排気手段18を介してプラズマ処理室を真空排気する。
続いて、プラズマ処理ガスを処理ガス供給口7を介して所定の流量でプラズマ処理室に導入する。
【0107】
次に、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンス調整手段28を調整し、プラズマ処理室を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段22を介して被処理体Wにバイアスを印加する。マイクロ波電源MWより所望の電力を無終端環状導波路13を介してプラズマ処理室に供給する。
【0108】
この際、無終端環状導波路13内に導入されたTE10モードのマイクロ波は、導入口15のE分岐で左右に二分配され、自由空間よりも長い路内波長をもって導波路13内を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をもつ定在波STWを生じる。導波管の導電性の面、ここではH面を流れる電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの“腹”間の中央に設置されたスロット33から誘電体窓4を透してプラズマ処理室に導入されたマイクロ波は、スロット33近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010/cm3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、更に電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数、μ0:真空透磁率、σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は4mm以下になる)と、誘電体窓4の表面を表面波SWとして伝搬する。
【0109】
隣接するスロット33から導入された表面波SW同士が干渉し、略、
λ5=λ0εr -1/2
[λ0:自由空間マイクロ波波長、εr:誘電体比誘電率]
で表される表面波SWの波長の1/2毎に表面定在波SSTWを生じる。
【0110】
プラズマ処理室にしみ出したこの表面定在波SSTWによって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface−wave Interfered Plasma)が生成される。この時に処理ガス供給口7を介して処理ガスをプラズマ処理室に導入しておくと、処理ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体2上に載置された被処理体Wの表面を処理する。
【0111】
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置に用いられるスロット33の形状は、スロット33の中心が略、
e=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
で表される位置C2に存在するのであれば、長さが管内波長の1/4から3/8である矩形状穿孔でなくても適用可能である。
【0112】
(第2の実施形態)
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、ngが3、スロット間表面定在波個数n1が3、誘電体が石英ガラス(誘電率εr:3.8)の場合のマイクロ波供給器を図18に示す。装置本体の構成は図16(a)等とほぼ同じである。
【0113】
ここでは、スロット33は、無終端環状導波管内のマイクロ波導波路13の中央より外側の、半径が略103.9mmである円周C5上にスロットの中心が存在するように形成されている。
【0114】
この際、無終端環状導波管内に導入されたTE10モードのマイクロ波は、E分岐で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路13内を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、路内波長の1/2毎に6個の“腹”をもつ定在波を生じる。電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの“腹”間の中央に設置されたスロット33から誘電体窓を透してプラズマ処理室に導入されたマイクロ波は、スロット33近傍にプラズマを生成する。
【0115】
生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010/cm3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、更に電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数、μ0:真空透磁率、σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は4mm以下になる)と、石英製の誘電体の表面を表面波として伝搬する。
【0116】
隣接するスロット33から導入された表面波同士が干渉し、約31mm毎に表面定在波を生じる。プラズマ処理室にしみ出したこの表面定在波によって電子が加速され表面波干渉プラズマが生成する。
【0117】
誘電体窓の材質は無水合成石英、直径300mm、厚さ12mmである。無終端環状導波管は、内部導波路断面の寸法が27mm×96mmであって、中心直径が152mm(導波路周長lgが路内波長λgの3倍)である。
【0118】
無終端環状導波管の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。無終端環状導波管のH面には、マイクロ波をプラズマ処理室を導入するためのスロット33が形成されている。スロット33は、長さ40mm、幅4mmの矩形状であり、中心が半径103.9mmの円周C5上にあり放射状に60°間隔で計6個形成されている。無終端環状導波管には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0119】
図18に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Pa、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合、2.1×1012cm-3±2.7%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0120】
(第3の実施形態)
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、導波路周長/管内波長倍率ngが3、スロット間表面定在波個数n1が3、誘電体がAIN(誘電率εw:9.8)の場合のマイクロ波供給器の例を図19に示す。装置本体の構成は図16(a)等と同じである。
【0121】
ここで、スロット33は、無終端環状導波管内のマイクロ波導波路13の中央より内側の、半径が略67.7mmである円周C2上にスロットの中心が存在するようにオフセットをもって形成されている。
【0122】
無終端環状導波管に導入されたTE10モードのマイクロ波は、E分岐で左右に二分配され、自由空間よりも長い路内波長をもって導波路13内を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、路内波長の1/2毎に定在波を生じる。電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの定在波間の中央に設置されたスロット33からAlN製の誘電体窓4を透してプラズマ処理室に導入されたマイクロ波は、スロット33近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010cm-3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、更に電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数、μ0:真空透磁率、σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は4mm以下になる)と、誘電体窓4の表面を表面波として伝搬する。
【0123】
隣接するスロット33から導入された表面波同士が干渉し、約20mm毎に表面定在波を生じる。プラズマ処理室にしみ出したこの表面定在波によって電子が加速された表面波干渉プラズマが生成する。
【0124】
AlN製の誘電体窓4は、直径300mm、厚さ12mmである。無終端環状導波管は、内部導波路断面の寸法が27mm×96mmであって、中心直径が152mm(導波路周長lgが路内波長λgの3倍)である。無終端環状導波管の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。
【0125】
無終端環状導波管のH面には、マイクロ波をプラズマ処理室へ導入するためのスロット33が形成されている。スロット33は、長さ40mm、幅4mmの矩形状であり、中心が半径67.7mmの円周C2上にあり放射状に60°間隔で計6個形成されている。無終端環状導波管には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源が順に接続されている。
【0126】
図19に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Pa、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合、1.9×1012cm-3±3.1%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0127】
(第4の実施形態)
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、導波路周長/管内波長倍率ngが4、スロット間表面定在波個数n1が3及び5、誘電体がAlN(誘電率εw:9.8)の場合のマイクロ波供給器の例を図20に示す。装置本体の構成は図16(a)の他の装置と同じである。
【0128】
ここで、スロット33は、無終端環状導波管内のマイクロ波導波路13の中央の内側と外側、即ち、半径が略82.9mmの円周C2上と、半径がほぼ127.2mmである円周C5上とに一対のスロット33の中心がそれぞれ存在するよう直線状に並んで形成されている。
【0129】
この際、無終端環状導波管内に導入されたTE10モードのマイクロ波は、E分岐で左右に二分配され、自由空間よりも長い路内波長をもって導波路を伝搬する。
【0130】
分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、路内波長の1/2毎に導波路内に定在波を生じる。電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの定在波間の中央に設置されたスロット33から誘電体窓4を透してプラズマ処理室に導入されたマイクロ波は、スロット33近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010cm-3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、更に電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数、μ0:真空透磁率、σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は4mm以下になる)と、誘電体窓の表面を表面波として伝搬する。
【0131】
隣接するスロット33から放出された表面波同士が干渉し、約20mm毎に表面定在波を生じる。プラズマ処理室にしみ出したこの表面定在波によって電子が加速された表面波干渉プラズマが生成する。
【0132】
AlN製の誘電体窓は、直径350mm、厚さ13mmである。無終端環状導波管は、内部導波路断面の寸法が9mm×96mmであって、中心径が202mm(導波路周長が路内波長の4倍)である。無終端環状導波管の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。
【0133】
無終端環状導波管のH面には、マイクロ波をプラズマ処理室へ導入するためのスロット33が形成されている。スロット33は、内側の半径82.9mmの円周C2上にあるものが長さ40mm、幅4mmの矩形状であり、外側の半径127.2mmの円周C5上にあるものが長さ46mm、幅4mmの矩形状であり、それぞれ、放射状に45°間隔で8組計6個形成されている。無終端環状導波管には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源MWが順に接続されている。
【0134】
図20に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力10mTorr、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合、1.9×1012cm-3±2.2%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0135】
本発明に用いられるスロットの偏心量は、前述したとおり使用する処理条件に応じて適宜定められる。特にスロット付平板23を交換可能に構成すれば、処理条件の変更にも柔軟に対応できる。
【0136】
本発明に用いられるスロットの中心が、環状導波路の中心とは異なっている異中心スロットの形状は、前述したとおり各々のスロットの中心が導波路の中心に対して内方及び/又は外方に偏在しているのであれば、1つの矩形状穿孔でも、長さが管内波長の1/4から3/8である穿孔が複数、不連続かつ直線上に配置されたものでも適用可能である。
【0137】
本発明に用いられるスロット付平板や環状導波管の材質は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをできるだけ抑えるため導電率の高いAl,Cu,Ag/Cuメッキしたステンレススチールなどが最適である。本発明に用いられる環状導波路への導入口の向きは、環状導波路内のマイクロ波伝搬空間に効率よくマイクロ波を導入できるものであれば、H面T分岐や接線導入のようにH面に平行にマイクロ波を導入できる向き、又はE面T分岐のようにH面に垂直に導入できる向きでもよい。又、導入口付近に図15の符号10に示したような分配器を設けてもよい。本発明に用いられるマイクロ波進行方向のスロット間隔は、管内波長の1/2もしくは1/4が最適である。
【0138】
本発明に用いられるマイクロ波周波数は、0.8GHz乃至20GHzの範囲から適宜選択することができる。
【0139】
本発明に用いられるマイクロ波透過窓の誘電体としては、石英ガラスやSiO2系のその他各種ガラス、Si34,NaCl,KCl,LiF,CaF2,BaF2,Al23,AlN,MgOなどの無機物が適当であるが、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなども適用可能である。
【0140】
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法においては、磁界発生手段を用いても良い。本発明において用いられる磁界としては、ミラー磁界なども適用可能であるが、スロット近傍の磁界の磁束密度は基板近傍の磁界の磁束密度よりも大きいマグネトロン磁界が最適である。磁界発生手段としては、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。コイルを用いる場合には過熱防止のため水冷機構や空冷など他の冷却手段を用いてもよい。
【0141】
また、処理のより高品質化のため、紫外光を被処理体表面に照射してもよい。光源としては、被処理体もしくはその上に付着したガスに吸収される光を放射するものなら適用可能で、エキシマレーザ、エキシマランプ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプなどが適当である。
【0142】
本発明のプラズマ処理室内の圧力は1.33×10-2Pa乃至1.33×103Paの範囲、より好ましくは、CVDの場合1.33×10-1Pa乃至1.33×101Pa、エッチングの場合6.65×10-2Paから6.65Pa、アッシングの場合1.33×101Paから1.33×103Paの範囲から選択することができる。
【0143】
本発明によるプラズマ処理方法について図10(a)〜図10(e)を参照して説明する。
【0144】
図10(a)に示すようにシリコン基板のような被処理体101の表面にCVD装置又は表面改質装置により、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル等の無機物や、テトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル等の有機物からなる絶縁膜102を形成する。
【0145】
図10(b)に示すようにフォトレジストを塗布して、ベーキングを行いフォトレジスト層103を形成する。
【0146】
図10(c)に示すように、露光装置によりホールパターン潜像の形成を行い、これを現像してホール104を有するフォトレジストパターン103’を形成する。
【0147】
図10(d)に示すように、エッチング装置により、フォトレジストパターン103’の下の絶縁膜102をエッチングしてホール105を形成する。
【0148】
図10(e)に示すように、アッシング装置を用いてフォトレジストパターン103’をアッシングして除去する。
【0149】
こうして、ホール付絶縁膜を有する構造体が得られる。
【0150】
続いて、ホール内に導電体等を堆積させる場合には、前もって、クリーニング装置等によりホール内をクリーニングすることも好ましいものである。
【0151】
そして、図1〜図9を参照して説明した本発明によるプラズマ処理装置は、前述した工程に用いられるCVD装置、表面改質装置、エッチング装置、アッシング装置のうちの少なくともいずれか1つとして利用可能である。
【0152】
図11(a)〜図11(c)は本発明による別のプラズマ処理方法を示している。
【0153】
図11(a)に示すようにアルミニウム、銅、モリブデン、クロム、タングステンのような金属或いはこれらの金属のうち少なくとも一つを主成分とする各種合金等からなる導電体のパターン又は多結晶シリコンのパターン(ここではラインアンドスペース)を形成する。
【0154】
図11(b)に示すようにCVD装置等により絶縁膜107を形成する。
【0155】
不図示のフォトレジストパターンを形成した後、エッチング装置にて絶縁膜107にホール108を形成する。
【0156】
フォトレジストパターンをアッシング装置等により除去すると図11(c)に示すような構造体が得られる。
【0157】
そして、本発明のプラズマ処理装置は、上述CVD装置、エッチング装置、アッシング装置として使用できるが、後述するようにこれらにのみ限定的に適用されるわけではない。
【0158】
本発明のマイクロ波プラズマ処理方法による堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択することによりSi34,SiO2,Ta25,TiO2,TiN,Al23,AlN,MgF2,フルオロカーボンなどの絶縁膜、a−Si,poly−Si,SiC,GaAsなどの半導体膜、Al,W,Mo,Ti,Taなどの金属膜、アモーファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンド等、各種の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
【0159】
本発明のプラズマ処理方法により処理する被処理体の基体は、半導体であっても、導電性のものであっても、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。具体的にはSiウエハ、SOIウエハ等の半導体基体が挙げられる。
【0160】
導電性基体としては、Fe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pbなどの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0161】
絶縁性基体としては、石英ガラスやそれ以外の各種ガラス、Si34,NaCl,KCl,LiF,CaF2,BaF2,Al23,AlN,MgOなどの無機物、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなどが挙げられる。
【0162】
CVD法により基板上に薄膜を形成する場合に用いられるガスとしては、一般に公知のガスが使用できる。
【0163】
a−Si,poly−Si,SiCなどのSi系半導体薄膜を形成する場合のSi原子を含有する原料ガスとしては、SiH4,Si26などの無機シラン類、テトラエチルシラン(TES),テトラメチルシラン(TMS),ジメチルシラン(DMS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4,Si26,Si38,SiHF3,SiH22,SiCl4,Si2Cl6,SiHCl3,SiH2Cl2,SiH3Cl,SiCl22などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnが挙げられる。
【0164】
Si34,SiO2などのSi化合物系薄膜を形成する場合のSi原子を含有する原料としては、SiH4,Si26などの無機シラン類、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、オクタメチルシクロテトラシラン(OMCTS)、ジメチルジフルオロシラン(DMDFS)、ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4,Si26,Si38,SiHF3,SiH22,SiCl4,Si2Cl6,SiHCl3,SiH2Cl2,SiH3Cl,SiCl22などのハロゲン化シラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合の同時に導入する窒素原料ガスまたは酸素原料ガスとしては、N2,NH3,N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、O2,O3,H2O,NO,N2O,NO2などが挙げられる。
【0165】
Al,W,Mo,Ti,Taなどの金属薄膜を形成する場合の金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリブデンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl3,WF6,TiCl3,TaCl5などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnが挙げられる。
【0166】
Al23,AlN,Ta25,TiO,TiN,WO3などの金属化合物薄膜を形成する場合の金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリブデンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl3,WF6,TiCl3,TaCl5などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合の同時に導入する酸素原料ガスまたは窒素原料ガスとしては、O2,O3,H2O,NO,N2O,NO2,N2,NH3,N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。アモーファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンド等のカーボン膜を形成する場合には、CH4,C26等の炭素含有ガスを、フルオロカーボン膜を形成する場合には、CF4やC26等のフッ素、炭素含有ガスを用いるとよい。
【0167】
基体表面をエッチングする場合のエッチング用ガスとしては、F2,CF4,CH22,C26,C48,CF2Cl2,SF6,NF3,Cl2,CCl4,CH2Cl2,C2Cl6などが挙げられる。
【0168】
フォトレジストなど基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合アッシング用ガスとしては、O2,O3,H2O,N2,NO,N2O,NO2などが挙げられる。
【0169】
また本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法を表面改質にも適用する場合、使用するガスを適宜選択することにより、例えば基体もしくは表面層としてSi,Al,Ti,Zn,Taなどを使用してこれら基体もしくは表面層の酸化処理あるいは窒化処理さらにはB,As,Pなどのドーピング処理等が可能である。更に本発明はクリーニング方法にも適用できる。その場合酸化物あるいは有機物や重金属などを除去するクリーニングに使用することもできる。
【0170】
基体を酸化表面処理する場合の酸化性ガスとしては、O2,O3,H2O,NO,N2O,NO2などが挙げられる。また、基体を窒化表面処理する場合の窒化性ガスとしては、N2,NH3,N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0171】
基体表面の有機物をクリーニングする場合、またはフォトレジストなど基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合のクリーニング/アッシング用ガスとしては、O2,O3,H2O,H2,NO,N2O,NO2などが挙げられる。また、基体表面の無機物をクリーニングする場合のクリーニング用ガスとしては、F2,CF4,CH22,C26,C48,CF2Cl2,SF6,NF3などが挙げられる。
【0172】
【実施例】
(実施例1)
図16(a)〜16(c)に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理体としては、層間SiO2膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。
【0173】
先ず、Si基板を支持体2上に設置し、温度調節手段114としてのヒータを用いてSi基板を250℃に加熱した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理ガス供給口7を介して酸素ガスを500sccmの流量でプラズマ処理室に導入した。
【0174】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、処理室を40Paに保持した。プラズマ処理室に、2.45GHzのマイクロ波電源MWより1.5kWの電力を無終端環状導波管を介して供給した。
【0175】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理ガス供給口7を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室で励起、分解、反応して酸素ラジカルとなり、Si基板の方向に輸送され、Si基板上のフォトレジストを酸化し、排気系側に排出除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0176】
得られたアッシング速度及び均一性は、5.6μm/min±4.5%と極めて良好で、表面電荷密度も、−1.3×1011cm-2と充分低い値を示した。
【0177】
(実施例2)
図17に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理体Wとしては、層間SiO2膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。
【0178】
先ず、Si基板を支持体2上に設置した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理ガス供給口を介して酸素ガスを1slmの流量でプラズマ処理室に導入した。
【0179】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、処理室を80Paに保持した。プラズマ処理室に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWのTE10モードのマイクロ波電力を無終端環状導波管を介して供給した。
【0180】
かくして、プラズマ処理室内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理ガス供給口7を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室で励起、分解、反応して酸素ラジカルとなり、Si基板の方向に輸送され、基板上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0181】
得られたアッシング速度及び均一性は、5.4μm/min±3.4%と極めて大きく、表面電荷密度も−1.4×1011cm-2と充分低い値を示した。
【0182】
(実施例3)
図16(a)〜16(c)に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用の窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理体としては、Al配線パターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成された層間SiO2膜付きP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。
【0183】
先ず、シリコン基板を支持台2上に設置した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。
【0184】
次いで、温度調整手段としてのヒータ114に通電し、シリコン基板を300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理ガス供給口を介して窒素ガスを600sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室に導入した。
【0185】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ18を調整し、処理室を2.67Paに保持した。
【0186】
次いで、2.45GHzのマイクロ波電源MWより3.0kWの電力を無終端環状導波管を介して供給した。
【0187】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理ガス供給口7を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板上に1.0μmの厚さで形成した。
【0188】
成膜後、成膜速度、応力などの膜質について評価した。応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo(商品名)で測定し求めた。
得られた窒化シリコン膜の成膜速度及び均一性は、530nm/min±3.5%と極めて大きく、膜質も応力1.2×109dyne/cm2(圧縮)、リーク電流1.2×10-10A/cm2、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良質な膜であることが確認された。
【0189】
(実施例4)
図19に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防止用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理体としては、直径50mmプラスチック凸レンズを使用した。レンズを支持台2上に設置した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理ガス供給口7を介して窒素ガスを160sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室に導入した。
【0190】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、処理室を9.33Paに保持した。
【0191】
次いで、2.45GHzのマイクロ波電源MWより3.0kWの電力を無終端環状導波管を介してプラズマ処理室に供給した。
【0192】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理ガス供給口を介して導入された窒素ガスは、プラズマ処理室で励起、分解されて窒素原子などの活性種となり、レンズの方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がレンズ上に21nmの厚さで形成された。
【0193】
次いで、プラズマ処理ガス供給口を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室に導入した。
【0194】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、処理室を0.13Paに保持した。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源MWより2.0kWの電力を無終端環状導波管を介してプラズマ処理室に供給した。
【0195】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理ガス供給口を介して導入された酸素ガスは、プラズマ処理室で励起、分解されて酸素原子などの活性種となり、レンズの方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がレンズ上に86nmの厚さで形成された。成膜後、成膜速度、反射特性について評価した。
【0196】
得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の成膜速度及び均一性はそれぞれ330nm/min±2.4%、350nm/min±2.6%と良好であり、膜質も500nm付近の反射率が0.2%と極めて良好な光学特性であることが確認された。
【0197】
(実施例5)
図20に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成を行った。
被処理体としては、最上部にAlパターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。
【0198】
先ず、シリコン基板を支持台2上に設置した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。
【0199】
続いて、ヒータに通電し、シリコン基板を300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理ガス供給口7を介して酸素ガスを500sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室に導入した。
【0200】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、プラズマ処理室を4.0Paに保持した。
【0201】
次いで、13.56MHzの高周波印加手段22を介して300Wの電力を支持体2に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管を介してプラズマ処理室に供給した。
【0202】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。プラズマ処理ガス供給口7を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板上に0.8μmの厚さで形成された。この時、イオン種はRFバイアスにより加速されて基板に入射しパターン上の膜を削り平坦性を向上させる。処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び段差被覆性について評価した。段差被覆性は、Al配線パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することにより評価した。
【0203】
得られた酸化シリコン膜の成膜速度及び均一性は250nm/min±2.7%と良好で、膜質も絶縁耐圧8.5MV/cm、ボイドフリーであって良質な膜であることが確認された。
【0204】
(実施例6)
図20に示したマイクロ波供給器を有するプラズマ処理装置を使用し、半導体素子の層間SiO2膜のエッチングを行った。
被処理体としては、Alパターン(ラインアンドスペース0.18μm)上に1μm犀の層間SiO2膜が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。
【0205】
先ず、シリコン基板を支持台2上に設置した後、排気系を介して処理室を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧した。プラズマ処理ガス供給口7を介してC48を100sccmの流量でプラズマ処理室に導入した。
【0206】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、プラズマ処理室を1.33Paの圧力に保持した。
【0207】
次いで、13.56MHzの高周波印加手段22を介して300Wの電力を支持体2に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管を介してプラズマ処理室に供給した。
【0208】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。プラズマ処理ガス供給口7を介して導入されたC48ガスはプラズマ処理室で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板の方向に輸送され、自己バイアスによって加速されたイオンによって層間SiO2膜がエッチングされた。
【0209】
温度調整手段としてのクーラ114により基板温度は80℃までしか上昇しなかった。エッチング後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0210】
エッチング速度及び均一性と対PR選択比は560nm/min±3.2%、15と良好で、エッチング形状もほぼ垂直であり、マイクロローディング効果も少ないことが確認された。
【0211】
(実施例7)
図20に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、低誘電率絶縁体としての半導体素子層間絶縁用ポリアリールエーテル(PAE)膜のエッチングを行った。
被処理体Wとしては、0.6μm厚のPAE膜上にハードマスクとして0.18μmのSiO2膜パターンが0.3μm厚に形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。
【0212】
先ず、シリコン基板を支持台2上に設置し、温度調整手段としてのクーラ114により基板温度を−10℃に冷却した後、排気系を介してプラズマ処理室を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧した。処理ガス供給口7を介してN2を200sccmの流量でプラズマ処理室に導入した。
【0213】
次いで、プラズマ処理室と排気ポンプ18との間に設けられたコンダクタンスバルブ28を調整し、プラズマ処理室を1.33Paの圧力に保持した。
【0214】
次いで、1MHzの高周波印加手段22を介して300Wの電力を支持体2に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管を介してプラズマ処理室に供給した。
【0215】
かくして、プラズマ処理室にプラズマを発生させた。処理ガス供給口7を介して導入されたN2ガスはプラズマ処理室で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板の方向に輸送され、自己バイアスによって加速されたイオンによってPAE膜がエッチングされた。
【0216】
エッチング後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0217】
エッチング速度及び均一性と対SiO2選択比は660nm/min±3.7%、10と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認された。
【0218】
【発明の効果】
本発明によれば、低圧・低パワーで処理を行う場合でも、高品質な処理を高速・均一かつ安定に行うことが可能になるように、高密度低電子温度プラズマを安定して発生できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法が実現する。
【0219】
本発明によれば、マイクロ波の放射特性をより精密に制御できるので、被処理体の半径方向及び周方向或いはこれらに等価な方向における処理の制御性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図2】本発明に用いられるスロット付平板の一例を示す平面図である。
【図3】本発明による別のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図4】本発明に用いられるスロット付平板の他の例を示す平面図である。
【図5】本発明による環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置の模式的断面図である。
【図6】スロット付平板の上面図である。
【図7】本発明による接線導入型の環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置の模式断面図である。
【図8】本発明による他のマイクロ波プラズマ処理装置の模式断面図である。
【図9】本発明による他のマイクロ波プラズマ処理装置の模式断面図である。
【図10】プラズマ処理方法の一例を示す図である。
【図11】プラズマ処理方法の別の例を示す図である。
【図12】プラズマ処理装置の構成を示す図である。
【図13】マイクロ波供給器の断面図である。
【図14】導波路の断面図である。
【図15】マイクロ波の放射の様子を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態によるプラズマ処理装置、本発明に用いられるマイクロ波供給器、及び本発明に用いられるマイクロ波供給器におけるマイクロ波伝搬の様子を示す模式図である。
【図17】スロットの配置を示す模式図である。
【図18】本発明に用いられるマイクロ波供給器の模式図である。
【図19】本発明に用いられるマイクロ波供給器の模式図である。
【図20】本発明に用いられるマイクロ波供給器の模式図である。
【符号の説明】
1 真空容器
2 被処理体保持手段
3 マイクロ波供給器
4 誘電体窓
5 導波管
6 マイクロ波電源
7 ガス供給路
8 排気路
9 プラズマ発生空間
33 スロット

Claims (23)

  1. 容器と、前記容器内に処理ガスを供給するガス供給口と、誘電体窓を透してマイクロ波を前記容器内に供給するマイクロ波供給器とを備えたプラズマ処理装置であって、前記マイクロ波供給器は、前記誘電体窓に接する面に所定の間隔で設けられた複数のスロットを有する環状導波路を有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する前記環状導波路の一周長lgの倍率として、半径reが、re=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
    である円周上に前記スロットの中心が存在することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. gの値は、2〜5の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記スロットの角度間隔は、π/ngであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数n1は、3,5,7のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記誘電体窓は、主成分が窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  6. マイクロ波が透過可能な誘電体窓を有する容器内に被処理体を設置する工程と、前記容器内を排気する工程と、前記容器内に処理ガスを導入する工程と、前記誘電体窓に接する面に所定の間隔で穿孔されて設けられた複数のスロットを有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する環状導波路の一周長lgの倍率として、半径reが、re=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
    である円周上に前記スロットの中心が存在するように構成された前記環状導波路を用い、当該環状導波路から前記容器内にマイクロ波を供給することによりプラズマを発生させる工程とを有することを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 前記被処理体に化学気相成長法により成膜を施すことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  8. 前記被処理体にエッチング処理を施すことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  9. 前記被処理体にアッシング処理を施すことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  10. 前記被処理体にドーピング処理を施すことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  11. 内部が排気可能な容器と、前記容器内に処理ガスを供給するガス供給口とを有し、該容器内に配された被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記容器内に前記ガスのプラズマを発生させるためのマイクロ波エネルギーを供給する手段を有し、当該マイクロ波エネルギーを供給する手段は、誘電体窓側の面に所定の間隔で設けられた複数のスロットを有する無終端の環状導波路を有しており、n1を前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数、λ5を表面波の波長、ngを路内波長λgに対する前記環状導波路の一周長lgの倍率として、半径reが、re=n1λ5/{2tan(π/(2ng))}{1+cos(π/ng)}
    である円周上に前記スロットの中心が存在するように前記複数のスロットの中心が前記面に沿った方向に前記環状導波路の中心に対して偏って配置されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  12. gの値は、2〜5の範囲内にあることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記スロットの角度間隔は、π/ngであることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記スロット間に生じる表面定在波の腹の個数n1は、3,5,7のいずれかであることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記誘電体窓は、主成分が窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記ガス供給口が前記容器の側壁に設けられていることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記ガス供給口が前記被処理体より前記複数のスロットが設けられた面寄りに設けられていることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記ガス供給口から前記複数のスロットが設けられた面に向けて前記処理ガスを放出することを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記容器には、該容器内を1.34×103Pa以下に減圧できる排気ポンプが設けられていることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  20. 被処理体をプラズマ処理するためのプラズマ処理方法において、請求項11に記載のプラズマ処理装置を用いて前記被処理体をプラズマ処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
  21. アッシング、エッチング、クリーニング、CVD、プラズマ重合、ドーピング、酸化、窒化の少なくともいずれか一種であることを特徴とする請求項20に記載のプラズマ処理方法。
  22. 構造体の製造方法において、請求項1に記載のプラズマ処理装置を用いて被処理体をプラズマ処理する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  23. 構造体の製造方法において、請求項11に記載のプラズマ処理装置を用いて前記被処理体をプラズマ処理する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
JP2001097001A 2000-03-29 2001-03-29 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法 Expired - Lifetime JP4478352B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001097001A JP4478352B2 (ja) 2000-03-29 2001-03-29 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-91709 2000-03-29
JP2000091709 2000-03-29
JP2001097001A JP4478352B2 (ja) 2000-03-29 2001-03-29 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001345312A JP2001345312A (ja) 2001-12-14
JP2001345312A5 JP2001345312A5 (ja) 2008-05-22
JP4478352B2 true JP4478352B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=26588740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001097001A Expired - Lifetime JP4478352B2 (ja) 2000-03-29 2001-03-29 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4478352B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3625197B2 (ja) 2001-01-18 2005-03-02 東京エレクトロン株式会社 プラズマ装置およびプラズマ生成方法
JP3874726B2 (ja) * 2001-01-18 2007-01-31 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ生成方法
JP5312411B2 (ja) * 2003-02-14 2013-10-09 東京エレクトロン株式会社 プラズマ発生装置およびリモートプラズマ処理装置
JP4369264B2 (ja) * 2003-03-25 2009-11-18 東京エレクトロン株式会社 プラズマ成膜方法
JP2006040609A (ja) * 2004-07-23 2006-02-09 Naohisa Goto プラズマ処理装置および方法、並びにフラットパネルディスプレイ装置の製造方法
JP2009224455A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Tokyo Electron Ltd 平面アンテナ部材およびこれを備えたプラズマ処理装置
US9928993B2 (en) * 2015-01-07 2018-03-27 Applied Materials, Inc. Workpiece processing chamber having a rotary microwave plasma antenna with slotted spiral waveguide

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001345312A (ja) 2001-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6870123B2 (en) Microwave applicator, plasma processing apparatus having same, and plasma processing method
KR100554116B1 (ko) 멀티슬롯 안테나를 이용한 표면파 플라즈마 처리장치
US6497783B1 (en) Plasma processing apparatus provided with microwave applicator having annular waveguide and processing method
US6884318B2 (en) Plasma processing system and surface processing method
JP2925535B2 (ja) 環状導波路を有するマイクロ波供給器及びそれを備えたプラズマ処理装置及び処理方法
US6652709B1 (en) Plasma processing apparatus having circular waveguide, and plasma processing method
US20080173402A1 (en) Microwave plasma processing apparatus
US20080053816A1 (en) Plasma processing apparatus and method
JP3907444B2 (ja) プラズマ処理装置及び構造体の製造方法
JP4478352B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法
JP2001308071A (ja) E面分岐を有する導波管を用いたプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP3530788B2 (ja) マイクロ波供給器及びプラズマ処理装置並びに処理方法
JP4298049B2 (ja) 誘電体窓を用いたマイクロ波プラズマ処理装置
KR100425658B1 (ko) 마이크로파 공급기, 이를 구비한 플라즈마 처리 장치, 및 플라즈마 처리 방법
JP2002164330A (ja) 遮光膜で被覆された透過窓を有するプラズマ処理装置
JP4669153B2 (ja) プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および素子の製造方法
JP2008159763A (ja) プラズマ処理装置
JPH09306900A (ja) マイクロ波プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JPH11329792A (ja) マイクロ波供給器
JPH11193466A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JPH10158846A (ja) バッチ式マイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法
JP2000138171A (ja) 円弧状スロット付無終端環状導波管、及びそれを用いたプラズマ処理装置及び処理方法
JP4532632B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4217420B2 (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
JP2000345354A (ja) 複数の角度を有するガス導入手段を用いたプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080331

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3