JP4477205B2 - 吊荷の振れ止め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は吊荷の振れ止め装置に関するものであり、特にコンテナヤードにおいてクレーン吊りしたコンテナを横行トロリーにより搬送する作業を安全に行うための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にコンテナはその長手方向を船の進行方向に合わせて船積みされている。これを陸上げする際には、岸壁に接岸された船の側方からクレーンでコンテナを吊り上げ、横行トロリーにより陸側に移動搬送し、荷下ろししている。
【0003】
一般的なコンテナクレーンおよび横行トロリーの構成および動作について、図4を用いて簡単に説明する。巻上げロープ106は、巻上げドラム108からロープガイドシーブ114を介して、コンテナ102の上面に装着された吊具104上のシーブ105に巻き回される。さらにその巻上げロープは、左右反対側において同様に配置された巻上げロープと、イコライザシーブ109側で結合させている。従って巻上げドラム108が巻上げロープ106を巻上げると、巻上げロープにより4カ所のシーブ105が均等に持ち上げられ、コンテナ102が吊り上げられる。次に巻上げドラム108を固定して、コンテナ102を一定の高さに保持する。そしてトロリー駆動手段112により、図示しない横行レール上に配置された横行トロリー110を図4の左右方向に移動させて、コンテナを搬送する。目標地点まで搬送したら、巻上げドラム108から巻上げロープ106を送り出し、コンテナを荷下ろしする。
【0004】
搬送中のコンテナにおいて、横行トロリーの加減速によって横行トロリー進行方向の振れ(図5(1)参照)が発生するとともに、コンテナ重心のずれ等によってねじれ振動(スキュー振れ;図5(2)参照)が発生することがある。その際、コンテナが振れたままでは目標地点に正確に荷下ろしできないため、振れがおさまるまで待ってから荷下ろししていた。しかしそれでは荷役効率が悪く、コンテナの振れを短時間で減衰させる必要があった。
【0005】
そこで特開平6−255928号公報等において、吊荷の振れ止め装置が提案されている。図4に従来技術にかかる吊荷の振れ止め装置の説明図を示す。これは一般的なコンテナクレーンおよび横行トロリーにおいて、横行トロリー110の左右両側部に、横行トロリー本体111に対し相対的にその横行方向に沿って前後移動できるようにした可動体116を設け、可動体内に間隔をおいて2組のロープガイドシーブ114を設置し、さらに各可動体を移動させる可動体駆動手段118を設けたものである。
【0006】
上記の吊荷の振り止め装置を用いた場合、以下のようにして吊荷の振れ止めを行っている。図5(1)にトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図を示し、同図(2)にスキュー振れ止め方法の説明図を示す。まずコンテナ102にトロリー進行方向の振れ182vが発生した場合には、矢印182のようにコンテナの振れ方向と同じ方向に、可動体駆動手段118により両可動体を同期して移動させる。さらにコンテナが逆方向に振れた場合にも、両可動体をこれに追随して移動させる。またスキュー振れ184vおよび184wが発生した場合には、矢印184aおよび184bのように各可動体側のコンテナの振れ方向と同位相となる方向に、各可動体相互を逆方向に可動体駆動手段118により移動させる。このようにしてコンテナの振れを短時間で減衰させ制止させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術にかかる吊荷の振れ止め装置では、可動体がトロリー上のすべり軸受け等の上に配設されている。これを移動させる可動体駆動手段が破損した場合、可動体を移動させることができなくなるばかりか、可動体の位置が決まらず不安定になるという問題があった。このような状態でトロリーを移動させ吊荷の運搬を行うと、不安定な可動体により吊荷の姿勢が急激に変化し、吊荷の内容物が破損するおそれがあるとともに、装置各部に衝撃力が及んで各部を破損させるおそれがあった。また不安定な可動体により吊荷の振れも平常の場合より大きくなるという問題があった。従って吊荷の振れ止め制御はもちろん、吊荷の運搬さえできなくなっていた。
本発明は上記問題点に着目し、可動体駆動手段が破損した場合でも、自動的かつ安定的に可動体の位置が決まる吊荷の振れ止め装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る吊荷の振れ止め装置は、荷物搬送用トロリーにおいて複数のロープにより吊り下げられた吊荷の振れ止めを行う装置であって、トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記トロリーの下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記トロリー本体に対して相対的に前記可動体を前記トロリー進行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けた構成とした。
【0009】
また、コンテナ搬送用横行トロリーにおいてロープにより4点吊りされたコンテナの振れ止めを行う装置であって、横行トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記横行トロリー横行方向の両側下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記横行トロリー本体に対して相対的に前記各可動体を相互に独立して前記横行トロリー横行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けた構成とした。
【0010】
また、コンテナ搬送用横行トロリーにおいてロープにより4点吊りされたコンテナの振れ止めを行う装置であって、横行トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記横行トロリー横行方向の片側下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記横行トロリー本体に対して相対的に前記可動体を前記横行トロリー横行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けるとともに、前記横行トロリーを前記可動体の移動方向と相反移動させる横行トロリー駆動手段を備えた構成とした。
【0011】
【作用】
可動体はトロリー本体と平行リンク機構を形成するので、可動体を移動させる可動体駆動手段が破損した場合でも、可動体は自動的かつ安定的に最下点に位置する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実施形態の一態様にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1に第1実施形態に係る吊荷の振れ止め装置の説明図を示す。第1実施形態に係る吊荷の振れ止め装置は、トロリー本体11と平行リンク機構を構成してトロリー10の下部に垂下される可動体16にロープガイドシーブ14を収容させ、可動体をトロリー進行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段18を設けてなる。これらはトロリー進行方向の両側に配設される。さらにそのトロリー10は、荷物を吊り上げるクレーン装置内に配置されて横行トロリーとして使用される場合が多いが、これに限られず、例えば工場内の天井部分に配置されて水平2方向の吊荷の移動に使用される場合もある。なお、作業対象となる吊荷はコンテナである場合が多いが、これに限られるものではない。また吊荷を吊り上げる巻上げロープは、吊荷の重量を支持する十分な強度がありなおかつ可撓性を有するものであれば、ワイヤロープ等に限られず鎖等でもよい。
【0014】
本実施形態に係る吊荷の振れ止め装置の可動体16には、巻上げロープが巻き回される円筒形状のロープガイドシーブ14を設置するのが好ましい。もっともトロリーをクレーン装置内で使用しない場合にはこれに限られず、ロープガイドシーブ以外でも可動体が巻上げロープを支持することができるのであれば、例えば小型の巻上げドラムを可動体内に設置してもよく、また巻上げロープを可動体に直接固定してもよい。ロープガイドシーブ14を設置する場合、可動体16は側面を鋼板等で囲って平面視長方形状に形成するのが好ましい。ロープガイドシーブ14からは巻上げロープ6が下方に伸びるため、ロープガイドシーブまたは巻上げロープと干渉する可動体の下面部分は開放しておく。
【0015】
ロープガイドシーブ14を設置する場合には、その中心軸をトロリー進行方向と直交させて回転自在に設置する。可動体16に収容するロープガイドシーブの個数は、何本の巻上げロープで荷物を吊り上げるかによって決まる。図1のように4本の巻上げロープで荷物を吊り上げる場合には、バランス上トロリーの四隅に近い部分に各巻上げロープが配置されるので、トロリー進行方向の左右両側にはそれぞれ2本の巻上げロープが配置され、従って各可動体は2個のロープガイドシーブ14を収容することになる。また、吊荷にできるだけ振れが生じないようにするため、吊具4上に設置されたシーブ5相互の間隔よりも、ロープガイドシーブ14相互の間隔を大きくとるのが好ましい。従って各ロープガイドシーブ14は可動体16長手方向の両端部付近に設置するのが好ましいが、必ずしもこれに限られるものではない。なお、巻上げロープの位置がロープガイドシーブの軸方向にずれないように、ロープガイドシーブの表面には巻上げロープの外径に対応したガイド溝を形成するのが好ましい。
【0016】
上記のように構成した可動体16は、トロリー10の下部にこれと平行に、その長手方向をトロリーの進行方向に合わせて配置する。そしてトロリー本体11と可動体16との間を平行リンク24で接続し、平行リンク機構を形成する。平行リンク機構は、平行に配置した部材間に1組のリンク部材を平行に掛け渡し、各リンク部材の端部をピン結合したものである。このような平行リンク機構を形成することにより、可動体は各頂点をピン結合した平行四辺形の底辺として機能し、トロリー本体に対して平行を維持しながら移動可能となる。この平行リンク24は可動体の幅方向両側に設置するのが好ましいが、これに限られない。なおトロリー本体側への接続は、トロリー本体下面に固定した接続部材26に対して行うのが好ましいがこれに限られず、例えばトロリー平面に直接接続してもよい。以上のようにして、可動体16をトロリー進行方向の左右両側に配設する。なおその進行方向とは、トロリーをクレーン装置内に配置して横行トロリーとして使用する場合には横行方向であるが、クレーン装置以外の例えば工場内の天井部分に配置されて水平2方向の吊荷の移動に使用される場合には、水平2方向のいずれでもよい。
【0017】
さらに可動体を移動させる可動体駆動手段18を設ける。可動体駆動手段としては大きな駆動力を発生しうる油圧シリンダを用いるのが好ましいが、荷物を吊り下げた状態で可動体を移動させるだけの力を発揮しうるものであればこれに限られず、例えばモータ等でもよい。可動体駆動手段18として油圧シリンダを用いた場合には、シリンダおよびロッドの一方をトロリー本体側に他方を可動体側に接続する。また図1にように両側のロッドが伸縮する油圧シリンダの場合には、一方のロッドをトロリー本体側に他方のロッドを可動体側に接続する。一方可動体駆動手段としてモータを用いた場合には、モータ本体を前記接続部材26内部に設置し、前記平行リンクを直接回動させるようにしてもよい。各可動体駆動手段18は、図示しない制御部と接続する。制御部は、各可動体の移動方向および移動量につき、後述するようにそれぞれの比率に基づいて相対的に制御する機能を有する。
【0018】
以上のように構成したトロリーにつき、クレーン装置内に配置して横行トロリーとして使用する場合には、車輪等を設けた上で横行レール(図1には不図示)上に配置する。さらにトロリーを横行レールに沿って移動させるトロリー駆動手段12を設置する。トロリー駆動手段は、吊荷やトロリーの重量を直接負担しないので極端に大きな出力を必要としないが、吊荷やトロリーの重量によりトロリーの車輪等に係る転がり抵抗を負担するので、これを上回る出力を発揮しうるものを選択する。
【0019】
一方、吊荷2の上面には吊具4を固定し、吊具4の上面にはシーブ5を設置する。そして巻上げロープ6の一端は巻上げドラム8に固定し、他端は可動体に設置したロープガイドシーブ14を介して吊具4上のシーブ5に巻き回す。さらに再度同じロープガイドシーブ14を介した上で、イコライザシーブ9の側で傾転ジャッキ7に接続するのが好ましいが、これに限られない。傾転ジャッキは巻上げドラム8とは別に、各巻上げロープの長さを個別に微調整する部分である。なお傾転ジャッキに接続しないで、従来技術のように、トロリー進行方向の両側に同様に配置された巻上げロープどうしを、イコライザシーブ側で結合させてもよい。上記のように巻上げロープを巻上げドラムからイコライザシーブ側に渡しかけることにより、トロリーは吊荷を吊り下げつつ巻上げロープの途中に配置された形となる。
【0020】
そして、巻上げドラムを回転させ巻上げロープを巻き取れば、巻上げロープの長さが短くなり荷物が持ち上げられる。一定の高さまで持ち上げたら巻上げドラムの回転を止める。次にトロリー駆動手段によりトロリーを移動させる。トロリーは吊荷を一定の高さに保ちつつ、巻上げロープをたぐり寄せながら水平方向に吊荷を搬送する。荷下ろし地点まで吊荷を搬送したらトロリー駆動手段を止め、巻上げドラムから巻上げロープを繰り出して吊荷を下降させ、荷下ろしをする。なお傾転ジャッキを設置した場合には、上記各作業の途中で必要に応じて傾転ジャッキを駆動し、各巻上げロープの長さを個別に微調整することにより、吊荷の前後方向傾転および左右方向傾転を行って姿勢をコントロールすることもできる。
【0021】
また上記のように構成したトロリーにつき、クレーン装置以外の例えば工場内の天井部分に配置して水平2方向の吊荷の移動に使用する場合には、トロリー移動平面の両脇にレール等を設け、さらに両レール間に渡し掛けられレール上を移動する梁等を設けて、その梁等に沿って移動可能にトロリーを設置するのが好ましいが、これに限られない。その場合にはトロリー駆動手段の他に、梁等の駆動手段を設ける。一方、巻上げロープの一端はトロリー上に設置した巻上げドラムに固定し、他端は吊荷上面に固定する。そして巻上げドラムにより巻上げロープを巻き取れば荷物が持ち上げられる。あとはトロリー駆動手段および梁の駆動手段を駆動して吊荷を搬送すればよい。なお上記巻上げドラムを巻上げロープ毎に別個に設置しておけば、搬送作業中に吊荷の姿勢制御も可能となる。
【0022】
上記のように構成した吊荷の振り止め装置を用いた吊荷の振れ止め方法は、従来技術に係る吊荷の振り止め装置を用いた吊荷の振れ止め方法と同様である。図2(1)にトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図を示し、同図(2)にスキュー振れ止め方法の説明図を示す。
【0023】
トロリーが吊荷を搬送する際の加減速により、吊荷に図2(1)の矢印82vのようなトロリー進行方向の振れが発生する場合がある。この場合には両方の可動体16を矢印82のように、吊荷の振れ方向と同じ方向に移動させる。上記の吊荷の運動は、ロープガイドシーブ14を設置した場合には、これらを支点とした振り子運動と同視できる。一般に振り子は中立点からの振れ幅に比例して、重力が振り子の進行方向成分に分解された復元力を生じる。しかし振り子の変位に追随してその支点を移動させれば、重力の方向は振り子の半径方向と一致して、復元力が減少ないし消滅するから、振動を短時間で減衰させることができる。よって可動体とともに支点となるロープガイドシーブ14を上記のように移動させることにより、吊荷の振れを短時間で減衰させることができる。1回の上記操作によって吊荷の振れが十分に減衰しない場合には、吊荷の反対側への振れに追随するように可動体を再移動させるのが好ましいが、これに限られない。このような操作を繰り返して、最終的に吊荷の振れを減衰ないし停止させる。
【0024】
また、荷物の中心に対して重心がずれている場合には、荷物搬送中に図2(2)の矢印84vおよび84wのようなスキュー(ねじれ振動)が発生することがある。この場合に吊荷の振れ84vおよび84wは、それぞれロープガイドシーブ14を支点とする振り子運動と同視することもできる。そこで各可動体16をトロリー本体に対して相対的に、矢印84aおよび84bのように各可動体側のコンテナの振れ方向と同位相となる方向に、各可動体相互を逆方向に移動させる。
【0025】
また可動体の移動量については、吊荷の中心とスキュー振れの中心が一致している場合には、各可動体の絶対的移動量の比率が1:1程度となるようにする。一方吊荷の中心とスキュー振れの中心が一致していない場合には、上記比率のまま可動体を移動させると、スキュー振れの中心が動いて新たにトロリー進行方向の振れが発生してしまう。そこで各可動体の絶対的移動量の比率が、各可動体側の吊荷のスキュー振れ幅の比率と同等となるように、可動体を移動させる。こうすれば、スキュー振れの中心が動くことによって新たにトロリー進行方向の振れを発生させることなく、スキュー振れを止めることができる。
【0026】
よって上記操作により、図2(1)と同じ原理でスキュー振れを短時間で減衰させることができる。1回の上記操作によって吊荷の振れが十分に減衰しない場合には、吊荷の反対側への振れに追随するように可動体を再移動させるのが好ましいが、これに限られない。このような操作を繰り返して、最終的に吊荷の振れを減衰ないし停止させる。
【0027】
なお以上は、吊荷の振れを目視で確認しながら手動で可動体を移動させて振れ止めを行う場合について述べたが、以下のように自動制御することもできる。すなわち、トロリー本体に設置したCCDカメラ等により吊荷を撮像し、画像をコンピュータに転送して吊荷の振れ方向および振幅を解析し、振れ止めのための可動体の移動方向および最適な移動量を計算し、計算結果に基づく命令信号を可動体駆動手段に出力するのである。このような制御を逐時行うことにより、最短時間で吊荷の振れ止めができる。
【0028】
上記のように構成した吊荷の振れ止め装置は、可動体がトロリーの下部に配置され、トロリー本体、可動体および平行リンクにより平行リンク機構が形成されるので、可動体は各頂点をピン結合した平行四辺形の底辺として機能する。そして平行リンクが垂直下方に伸びて長方形を形成した場合に可動体は最下点をとり、その位置から平行リンクがいずれの方向に回動しても可動体の高さは上昇する。従って可動体駆動手段が破損し可動体に対する制御が不能となった場合でも、可動体はその自重により自動的に前記最下点に位置する。また外力が作用して可動体が振れても、最後には安定的に前記最下点に位置することになる。このような状態でトロリーを移動させ吊荷の運搬を行えば、吊荷の姿勢が急激に変化することがないから、吊荷の内容物が破損したり、装置各部に衝撃力が及んでその部分を破損させることがない。また吊荷の振れの増加も最小限に抑えることができる。よって可動体駆動手段が破損した場合でも、吊荷の運搬を継続して行うことができるのである。
【0029】
第1実施形態として、トロリー進行方向の両側下部に可動体を配設する吊荷の振れ止め装置について述べたが、第2実施形態として、片側下部のみに可動体を配設する吊荷の振れ止め装置について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成および動作となる部分については説明を省略する。
【0030】
図3において、第1実施形態と同様に構成した可動体16および可動体駆動手段18は、第1実施形態と同様の接続方法により、トロリー進行方向の片側のみに配設する。なお進行方向の選び方も第1実施形態と同様である。
【0031】
可動体を配設した一方の側とは反対の他方の側には、図3のように可動体を介さず直接トロリー上に巻き上げロープ用のロープガイドシーブ15を設置するのが好ましい。もっともトロリーをクレーン装置内で使用しない場合にはこれに限られず、ロープガイドシーブ以外でもトロリーが巻上げロープを支持することができるのであれば、例えば小型の巻上げドラムをトロリー上に設置してもよく、また巻上げロープをトロリーに直接固定してもよい。ロープガイドシーブ15については、可動体を介さず直接トロリー上に設置する点の他は、第1実施例においてロープガイドシーブ14について述べたことがそのまま当てはまる。
【0032】
さらにトロリーを移動させるトロリー駆動手段を設置する。後述する吊り荷の振れ止めには、荷物搬送用のトロリー駆動手段12をそのまま使用するのが好ましいが、振れ止め用のトロリー駆動手段を別途設けて使用してもよい。可動体駆動手段18およびトロリー駆動手段12は、図示しない制御部と接続する。制御部は、可動体およびトロリーの移動方向および移動量につき、後述するようにそれぞれの比率に基づいて相対的に制御する機能を有する。
【0033】
上記のように構成した吊荷の振り止め装置を用いた場合は、以下のように吊荷の振れ止めを行う。図3(1)にトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図を示し、同図(2)にスキュー振れ止め方法の説明図を示す。
【0034】
吊荷に図3(1)の矢印82vのようなトロリー進行方向の振れが発生した場合には、トロリーを矢印82のように、吊荷の振れ方向と同じ方向に移動させる。その際可動体16はトロリー本体11上を移動させないでおくのが好ましい。トロリーとともに支点となるロープガイドシーブ14および15を上記のように移動させることにより、図2(1)の場合と同じ原理で、吊荷の振れを短時間で減衰させることができる。1回の上記操作によって吊荷の振れが十分に減衰しない場合には、吊荷の反対側への振れに追随するようにトロリーを再移動させるのが好ましいが、これに限られない。このような操作を繰り返して、最終的に吊荷の振れを減衰ないし停止させる。
【0035】
また、荷物搬送中に図2(2)の矢印84vおよび84wのようなスキュー(ねじれ振動)が発生した場合には、可動体16をトロリー本体に対して相対的に、矢印84bのように可動体を設置した側の吊荷2の振れ方向84wと同位相となる方向に移動させる。一方トロリー10は矢印84aのように、吊荷2の振れ方向84vと同位相となる方向であって可動体16とは反対方向に移動させる。ここで可動体のみを上記のように移動させた場合には、スキュー振れを停止させることはできてもトロリー進行方向の振れが新たに発生してしまう。そこでトロリーを上記のように移動させれば、図2(1)と同じ原理でトロリー進行方向の振れの新たな発生を抑えることができるのである。結局ロープガイドシーブ14および15の最終的な移動方向は、従来技術において各可動体を逆方向に移動させた場合と同じ移動方向となる。
【0036】
また可動体の移動量については、吊荷の中心とスキュー振れの中心が一致している場合には、可動体の絶対的移動量とトロリーの絶対的移動量との比率が1:1程度となるようにする。これを可動体のトロリー本体に対する相対的移動量とトロリーの絶対的移動量との比率でいえば2:1程度となる。一方吊荷の中心とスキュー振れの中心が一致していない場合には、上記比率のまま可動体およびトロリーを移動させると、可動体のみを移動させた場合と同様に、スキュー振れの中心が動いて新たにトロリー進行方向の振れが発生してしまう。そこで、可動体の絶対的移動量とトロリーの絶対的移動量との比率が、可動体側の吊荷のスキュー振れ幅とその反対側の吊荷のスキュー振れ幅との比率と同等となるように、可動体およびトロリーを移動させる。こうすれば、スキュー振れの中心が動くことによって新たにトロリー進行方向の振れを発生させることなく、スキュー振れを止めることができる。
【0037】
また1回の上記操作によって吊荷の振れが十分に減衰しない場合には、吊荷の反対側への振れに追随するように可動体およびトロリーをそれぞれ再移動させるのが好ましいが、これに限られない。このような操作を繰り返して、最終的に吊荷の振れを減衰ないし停止させる。
【0038】
なお以上は、吊荷の振れを目視で確認しながら手動で可動体を移動させて振れ止めを行う場合について述べたが、自動制御することもできる点は第1実施形態の場合と同様である。
【0039】
上記のように構成した吊荷の振れ止め装置を上記のように使用することにより、有効な吊荷の振れ止めを実現することができる。しかも第2実施形態に係る吊荷の振れ止め装置はトロリーの片側のみに可動体および可動体駆動手段を配設したものであり、トロリーの両側に可動体および可動体駆動手段を配設している従来の吊荷の振れ止め装置および第1の実施形態に比べて、コストを低く抑えるとともにトロリーの重量を低減することができる。トロリーの重量を低減すれば、トロリー駆動手段の負担を減らしてその耐久性能を向上させることができるばかりか、エネルギー消費量を減らして運転コストを低減することができる。
【0040】
【発明の効果】
荷物搬送用トロリーにおいて複数のロープにより吊り下げられた吊荷の振れ止めを行う装置であって、トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記トロリーの下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記トロリー本体に対して相対的に前記可動体を前記トロリー進行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けた構成としたので、可動体駆動手段が破損した場合でも可動体は自動的かつ安定的に最下点に位置する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る吊荷の振り止め装置の説明図である。
【図2】第1実施形態に係る吊荷の振れ止め方法の説明図であり、(1)はトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図であり、(2)はスキュー振れ止め方法の説明図である。
【図3】第2実施形態に係る吊荷の振れ止め方法の説明図であり、(1)はトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図であり、(2)はスキュー振れ止め方法の説明図である。
【図4】従来技術に係る吊荷の振れ止め装置の説明図である。
【図5】従来技術に係る吊荷の振れ止め方法の説明図であり、(1)はトロリー進行方向の振れ止め方法の説明図であり、(2)はスキュー振れ止め方法の説明図である。
【符号の説明】
2………吊荷、4………吊具、5………シーブ、6………巻上げロープ、
7………傾転ジャッキ、8………巻上げドラム、9………イコライザシーブ、
10………トロリー、11………トロリー本体、12………トロリー駆動手段、
14………ロープガイドシーブ、15………ロープガイドシーブ、
16………可動体、18………可動体駆動手段、
24………平行リンク、26………接続部材、
82、82v………矢印、84a、84b、84v、84w………矢印、
102………コンテナ、104………吊具、105………シーブ、
106………巻上げロープ、108………巻上げドラム、
109………イコライザシーブ、110………横行トロリー、
111………横行トロリー本体、112………横行トロリー駆動手段、
114………ロープガイドシーブ、115………ロープガイドシーブ、
116………可動体、118………可動体駆動手段、
182、182v………矢印、
184a、184b、184v、184w………矢印
Claims (3)
- 荷物搬送用トロリーにおいて複数のロープにより吊り下げられた吊荷の振れ止めを行う装置であって、トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記トロリーの下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記トロリー本体に対して相対的に前記可動体を前記トロリー進行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けたことを特徴とする吊荷の振れ止め装置。
- コンテナ搬送用横行トロリーにおいてロープにより4点吊りされたコンテナの振れ止めを行う装置であって、横行トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記横行トロリー横行方向の両側下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記横行トロリー本体に対して相対的に前記各可動体を相互に独立して前記横行トロリー横行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けたことを特徴とする吊荷の振れ止め装置。
- コンテナ搬送用横行トロリーにおいてロープにより4点吊りされたコンテナの振れ止めを行う装置であって、横行トロリー本体と平行リンク機構を構成して前記横行トロリー横行方向の片側下部に垂下される可動体にロープガイドシーブを収容させ、前記横行トロリー本体に対して相対的に前記可動体を横行トロリー横行方向に沿って前後移動可能とする可動体駆動手段を設けるとともに、前記横行トロリーを前記可動体の移動方向と相反移動させる横行トロリー駆動手段を備えたことを特徴とする吊荷の振れ止め装置。
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