JP4467024B2 - 高潤滑防錆油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板等の金属板に対して、防錆性と潤滑性を付与することができる高潤滑防錆油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、鉄鋼メーカにおいては、鋼板の保管時の錆や変色を防ぐために鋼板に防錆油を塗布しているのが一般であり、鉄鋼メーカは自動車メーカ等鋼板のユーザに対しては、防錆油を塗布された状態の鋼板を納入している。
【0003】
このような目的で使用される防錆油は、鉄鋼メーカにおける鋼板の保管時の錆や変色を防止する機能を有することは勿論であるが、鋼板のユーザ側において必要な鋼板の防錆性、脱脂性、化成処理性、油面接着性、溶接性、ハンドリング性等の機能を果たすため、鉱油を基油としてこれに必要最小限の防錆添加剤を添加して、40℃での動粘度が25cSt以下の低粘度に調製されたものが採用されるのが一般である。
【0004】
一方、鋼板のユーザにおいては、鉄鋼メーカで防錆油を塗布された鋼板をそのままの状態で加工に供するか、または、所望の加工形態に合わせて高粘度のプレス加工油等の潤滑剤を塗布して加工に供しているのが実状である。また、鉄鋼メメーカの一部では、鋼板のユーザでの鋼板加工に先立つ潤滑剤の塗布作業を廃止すべく、予め、鋼板にワックス系潤滑剤や樹脂皮膜系潤滑剤等を塗布して、これを鋼板のユーザに納入する手段も採られている。
【0005】
ところで、鋼板の製造コスト、鋼板の加工コストの低減を目的とした潤滑剤の省略化や鋼板のグレードダウン、自動車等の鋼板加工品の軽量化や高強度化を目的とした鋼板のハイテン化等により鋼板の加工条件が過酷になると、防錆油を塗布しただけの状態の鋼板を加工に供する場合には、潤滑不足に起因して、鋼板の加工品に割れやカジリが発生して加工品の品質を低下させるとともに、成形型では摩耗が増大してその寿命を低下させるという問題が発生する。
【0006】
また、鋼板の加工性を向上すべく、鋼板にワックス系潤滑剤や樹脂皮膜系潤滑剤等を塗布する場合には、これらの潤滑剤が防錆油に比較して高価であるとともに、潤滑剤の塗布工程を特別に設けなければならないことから、鋼板のコストや鋼板製造コストがアップして鋼板が高価格になる。
【0007】
これらの問題に対処すべく、鋼板のプレス加工時の潤滑性を付与し得る防錆油の開発が試みられており、このような特性を有する潤滑防錆油が特公平7−42470号公報、特開平8−311476号公報、特開平8−12989号公報等にて提案されている。
【0008】
これらのうち、特公平7−42470号公報にて提案されている潤滑防錆油は亜鉛メッキ鋼板用防錆兼用プレス加工油の名称のもので、当該加工油は、基油65〜95質量部、塩基性アルキルスルフォネート塩を含む防錆添加剤1〜20質量部、潤滑助剤としてアルキル亜リン酸エステル1〜20質量部、不活性タイプの硫黄系極圧剤1〜20質量部からなり、アルキル亜リン酸エステルと不活性タイプの硫黄系極圧剤の含有比率が1:15〜2:1、活性硫黄分が0.5質量部以下であって、動粘度が40℃で5〜30cStの範囲にあることを特徴とするものである。
【0009】
また、特開平8−311476号公報にて提案されている潤滑防錆油は鋼板用防錆兼用プレス加工油の名称のもので、当該加工油は、基油30〜90質量部、防錆添加剤1〜20質量部、耐摩耗剤としてアルキル亜リン酸エステル1〜20質量部、不活性タイプの硫黄系極圧剤1〜20質量部、油性剤として飽和脂肪酸エステル5〜40質量部からなり、アルキル亜リン酸エステルと不活性タイプの硫黄系極圧剤の含有比率が1:15〜2:1、活性硫黄分が0.5質量部以下であって、ケン化価が80mgKOH/g以下、動粘度が40℃で3〜30cStの範囲にあることを特徴とするものである。
【0010】
また、特開平8−12989号公報にて提案されている潤滑防錆油は塑性加工用防錆潤滑剤組成物の名称のもので、当該防錆潤滑剤組成物は、炭化水素系溶剤20〜70重量%、硫化エステル20〜70重量%、鉱油および/または合成油2〜30重量%、防錆添加剤2〜20重量%からなるものであることを特徴とするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これらの潤滑防錆油は、鋼板に高い防錆性と高い潤滑性を付与することができるものであれば、鋼板の製造コスト、鋼板の加工コストを低減させることができて、鋼板の加工品の価格を低減させることができる。
【0012】
しかしながら、特公平7−42470号公報にて提案されている亜鉛メッキ鋼板用防錆兼用プレス加工油においては、要請される防錆性を確保するために不活性タイプの硫黄系極圧剤が使用されていて、活性硫黄分が0.5質量部以下に設定されている。このため、当該加工油によっては、鋼板には上記した過酷な加工条件下では十分な潤滑性を付与することができないという問題がある。
【0013】
また、特開平8−311476号公報にて提案されている鋼板用防錆兼用プレス加工油は、上記した亜鉛メッキ鋼板用防錆兼用プレス加工油に油性剤を添加して、亜鉛メッキ鋼板だけでなく冷延鋼板にも適用可能に改良しているものである。しかしながら、当該鋼板用防錆兼用プレス加工油においては、上記した鋼板用防錆兼用プレス加工油と同様、要請される防錆性を確保するために不活性タイプの硫黄系極圧剤を使用されていて、活性硫黄分が0.5質量部以下に設定されている。このため、当該加工油によっては、鋼板には上記した過酷な加工条件下では十分な潤滑性を付与することができないという問題がある。その上、油性剤を添加することに起因して、鋼板の防錆性、脱脂性、化成処理性、油面接着性、溶接性等が大きく低下するという問題がある。
【0014】
また、特開平8−12989号公報にて提案されている塑性加工用防錆潤滑剤組成物においては、炭化水素系溶剤を多量に含んでいるため、溶剤の揮発によって鋼板に付与する潤滑性が不安定になる。その上、プレス加工時の加工熱の影響を受け易く、作業環境の汚染等、安全性に問題がある。
【0015】
従って、本発明はこれらの問題に対処すべくなされたもので、その目的とするところは、鋼板等の金属板用の防錆油に要請される全ての性能を満たして、従来の種々の加工油では不可能であった過酷な加工条件下での高い潤滑性を示す高潤滑防錆油組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高潤滑防錆油組成物に関する。本発明に係る高潤滑防錆油組成物は、鉱油または合成油の少なくとも1種を基油として、A成分として油溶性防錆添加剤の群から選択される少なくとも1種を1〜15質量部、B成分として硫黄系極圧添加剤の群から選択される少なくとも1種を5〜40質量部、C成分として第三級ホスファイト、第二級ホスファイト、酸性リン酸エステルの群から選択される少なくとも1種を1〜20質量部、D成分として塩基性スルフォネートの群から選択される少なくとも1種を含有し、D成分の添加量が下記の(1)式または(2)式に示す値DWであって、40℃にける動粘度が5〜50mm2/secであり、かつ、B成分である硫黄系極圧添加剤に含まれる活性硫黄は組成物の全量を基準として0.5〜5質量部(但し、0.5質量部は除く)であって、D成分である塩基性スルフォネートの群は平均塩基価が50mgKOH/g以上であり、D成分の添加量の上限は17.2質量部であることを特徴とするものである。
【0017】
【数7】
【0018】
【数8】
【0019】
但し、(1)式はD1≧0の場合、(2)式はD1<0の場合であり、各式中xは0.5〜1、D1,D2,D3,D4は下記の(3)式,(4)式,(5)式,(6)式に示す値である。
【0020】
【数9】
【0021】
【数10】
【0022】
【数11】
【0023】
【数12】
【0024】
但し、各数式中BS,C3,C3MW,C2,C2MW,CA,CAV,DBNは下記に示す値である。
【0025】
BS:活性硫黄分添加量(質量部)であって、BS={平均活性硫黄分(質量
部)×B成分添加量(質量部)}/100
C3:第三級ホスファイト添加量(質量部)
C3MW:第三級ホスファイト平均分子量
C2:第二級ホスファイト添加量(質量部)
C2MW:第二級ホスファイト平均分子量
CA:酸性リン酸エステル添加量(質量部)
CAV:酸性リン酸エステルの平均全酸価(mgKOH/g)
DBN:塩基性スルフォネートの平均全塩基価(mgKOH/g)
本発明に係る高潤滑防錆油組成物においては、A成分である油溶性防錆添加剤の群は中性スルフォネート、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステルからなる群であること、B成分である硫黄系極圧添加剤の群は硫化油脂、硫化エステル、硫化オレフィン、ポリサルファイドからなる群であることが好ましい。また、本発明に係る高潤滑防錆油組成物においては、D成分である塩基性スルフォネートの群はBa塩、Ca塩、Mg塩、Zn塩からなる群であることが好ましい。
【0027】
【発明の作用・効果】
本発明者等は、本発明の解決課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記に示す(1)項〜(3)項に記載の技術事項を知得している。
【0028】
(1)活性硫黄分を含有する硫黄系極圧添加剤(本発明におけるB成分に該当する)と、第三級ホスファイト、第二級ホスファイト、または酸性リン酸エステル(本発明におけるC成分に該当する)を組合わせて使用すると、相乗的に優れた潤滑性が得られる。
【0029】
(2)従来の通常の防錆油をベースとして(1)項の組合わせで各潤滑添加剤を添加すると、潤滑剤の腐食性により、防錆性が大きく低下して、要請される防錆性能が得られない。
【0030】
(3)これらの潤滑剤の添加に起因する防錆性の低下は、塩基性スルフォネートが効果的に抑制する。但し、塩基性スルフォネートを過剰に添加すると、脱脂性、化成処理性、油面接着性、溶接性等に悪影響を及ぼす。
【0031】
本発明者等は、これらの技術事項の知見から、潤滑防錆油組成物を調製する場合の各添加剤の添加量の基準を、従来の添加量の基準とは異なり、組成物の調製時における添加剤同士の反応、組成物調製後の保管時や鋼板に塗布した後に予想される反応等を考慮して、これらの反応が起こった場合でも要請される各特性を保持し得るように、各添加剤それぞれの反応性に基づいて最適な添加量を計算により算出することにより、要請される防錆性と潤滑性を十分に満たすことを見出した。
【0032】
要請される防錆性と潤滑性を十分に満たすための添加量は、A成分である油溶性防錆添加剤は1〜15質量部、B成分である硫黄系極圧添加剤は5〜40質量部、C成分である第三級ホスファイト、第二級ホスファイト、酸性リン酸エステルは1〜20質量部、D成分である塩基性スルフォネートは上記した(1)式または(2)式に示す添加量DW質量部である。
【0033】
C成分である第三級ホスファイトは、硫黄系極圧添加剤と併用することにより、硫黄系極圧添加剤中の活性硫黄分と反応してチオホスフェートを生成し、加水分解し難い安定な状態となる。また、生成されたチオホスフェートは、潤滑剤として効果的に機能する。すなわち、第三級ホスファイトと活性硫黄を含む硫黄系極圧添加剤を併用することにより、防錆性を低下させる活性硫黄分が減少するとともに、第三級ホスファイトが加水分解して酸性物質を生成するようなこともない。このため、第三級ホスファイトおよび硫黄系極圧添加剤を併用した場合は、それぞれ単独で使用した場合に比較して、防錆性に対する悪影響が少なくなる。但し、第三級ホスファイトおよび硫黄系極圧添加剤を併用する場合、これら両者のいずれか一方の添加比率が過剰である場合には、防錆性に影響を及ぼすことが予想される。
【0034】
C成分である第二級ホスファイトは、硫黄系極圧添加剤と併用してもチオホスフェートを生成しないため、第二級ホスファイトの加水分解生成物による防錆性への悪影響が予想され、また、C成分である酸性リン酸エステルは、それ自体が酸性物質であって錆の発生要因となる。これらの硫黄系極圧添加剤や有機リン化合物類に起因する防錆性への悪影響は、塩基性スルフォネートの作用で効果的に抑制される。
【0035】
このように、本発明に係る高潤滑防錆油組成物は、従来の潤滑防錆油組成物では不可能であった過酷な加工条件での加工を可能とする摺動性、耐型カジリ性と、防錆油として要請される防錆性、脱脂性を兼ね備えたものである。従って、本発明に係る高潤滑防錆油組成物よれば、鋼板等の金属板用の防錆油に要請される全ての性能を満たし、従来の種々の加工油では不可能であった過酷な加工条件下でも良好な潤滑性を示す高潤滑防錆油組成物を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物は、鉱油および合成油の少なくとも1種を基油として、A成分として油溶性防錆添加剤の群から選択される少なくとも1種と、B成分として硫黄系極圧添加剤の群から選択される少なくとも1種と、C成分として第三級ホスファイト、第二級ホスファイト、酸性リン酸エステルの群から選択される少なくとも1種と、D成分として塩基性スルフォネートの群から選択される少なくとも1種とからなるもので、これらの含有量は、A成分が1〜15質量部、B成分が5〜40質量部、C成分が1〜20質量部であるとともに、D成分が下記の(1)式または(2)式に示す添加量DWである。また、本発明に係る高潤滑防錆油組成物は、40℃における動粘度が5〜50mm2/secであり、かつ、B成分である硫黄系極圧添加剤に含まれる活性硫黄は組成物の全量を基準として0.5〜5質量部(但し、0.5質量部は除く)であって、D成分である塩基性スルフォネートの群は平均塩基価が50mgKOH/g以上であり、D成分の添加量の上限は17.2質量部である。
【0037】
【数13】
【0038】
【数14】
【0039】
但し、(1)式はD1≧0の場合、(2)式はD1<0の場合であり、各式中xは0.5〜1、D1,D2,D3,D4は下記の(3)式,(4)式,(5)式,(6)式に示す値である。
【0040】
【数15】
【0041】
【数16】
【0042】
【数17】
【0043】
【数18】
【0044】
但し、各数式中BS,C3,C3MW,C2,C2MW,CA,CAV,DBNは下記に示す値である。
【0045】
BS:活性硫黄分添加量(質量部)であって、BS={平均活性硫黄分(質量部)×B成分添加量(質量部)}/100
C3:第三級ホスファイト添加量(質量部)
C3MW:第三級ホスファイト平均分子量
C2:第二級ホスファイト添加量(質量部)
C2MW:第二級ホスファイト平均分子量
CA:酸性リン酸エステル添加量(質量部)
CAV:酸性リン酸エステルの平均全酸価(mgKOH/g)
DBN:塩基性スルフォネートの平均全塩基価(mgKOH/g)
これらの式中、(3)式および(4)式は、活性硫黄を含む硫黄系極圧添加剤と第三級ホスファイトとを添加した場合に想定される未反応の活性硫黄分による腐食性、および、未反応の第三級ホスファイトが加水分解した場合に生成される酸性物質の腐食性、の両腐食性を抑制するのに必要な塩基性スルフォネートの量を求める計算式である。
【0046】
(3)式は、活性硫黄分のmol数が第三級ホスファイトのmol数以上である場合の、未反応の活性硫黄分による腐食性を抑制するのに必要な塩基性スルフォネートの量D1を算出する計算式である。また、(4)式は、活性硫黄分のmol数が第三級ホスファイトのmol数未満である場合の、未反応の第三級ホスファイトが加水分解した場合に生成される酸性物質の腐食性を抑制するのに必要な塩基性スルフォネートの量D2を算出する計算式である。
【0047】
また、これらの式中、(5)式は、活性硫黄を含む硫黄系極圧添加剤と第二級ホスファイトを添加した場合に想定される、第二級ホスファイトが加水分解した場合に生成される酸性物質の腐食性を抑制するのに必要な塩基性スルフォネートの量D3を算出する計算式である。
【0048】
また、これらの式中、(6)式は、活性硫黄を含む硫黄系極圧添加剤と酸性リン酸エステルを添加した場合に想定される、酸性物質である酸性リン酸エステルを中和して腐食性を抑制するのに必要な塩基性スルフォネートの量D4を算出する計算式である。
【0049】
(1)式および(2)式中のxの値は、0.5〜1の範囲であることが好ましい。xの値が0.5未満であると、潤滑成分による腐食を抑制するには不十分であって、長期間の防錆性は得られない。一方、xの値が1を越えると、潤滑成分による腐食抑制効果は飽和状態に達するとともに脱脂性等その他の性能に影響を及ぼす。
【0050】
潤滑成分であるB成分およびC成分として複数の成分を選択する場合には、選択する個々の成分について計算し、その合計により添加すべき塩基性スルフォネートの量を決定するようにする。添加すべき塩基性スルフォネートの総量は、塩基性スルフォネートを構成するスルフォン酸化合物量として10質量部以下とすることが好ましい。添加すべき塩基性スルフォネートを構成するスルフォン酸化合物の総量が10質量部を越えると、脱脂性等その他の性能に悪影響を及ぼすため好ましくない。また、A成分である油溶性防錆添加剤として中性スルフォネートを採用する場合には、中性スルフォネートを構成するスルフォン酸化合物量を含めて10質量部以下とすることが好ましい。比較的塩基価の低い塩基性スルフォネートを採用する場合には、計算により算出される添加量がスルフォン酸化合物量として10質量部を越える場合には、より塩基価の高い塩基性スルフォネートに変更するか、または、塩基価の高い塩基性スルフォネートを併用することにより、スルフォン酸化合物量として10質量部以下とすることができる。なお、本発明に係る発明の実験結果から、塩基性スルフォネートの添加量の上限は17.2質量部とする。
【0051】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を設計するには、下記の手法を採ることができる。先ず、要請される防錆性を満たすA成分を選定するが、この選定に当たっては、潤滑成分であるB成分およびC成分を考慮せずに選定する。次いで、対象とする加工に要請される潤滑性を考慮して、B成分およびC成分を選定する。その後、潤滑成分の添加により予測される腐食性を抑制するのに必要なD成分の添加量を計算により算出し、最終的な組成を決定する。
【0052】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を構成する基油としては、防錆油、金属加工油等の基油として一般に使用されている鉱油や合成油を採用することができる。この場合には、1種の基油を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種の基油を併用することもできる。鉱油としては、例えば、原油を蒸留して得られる留分を精製したパラフィン系、ナフテン系等の精製鉱油を挙げることができ、合成油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、オレフィン系等の炭化水素系合成油、および、エステル系の合成油を挙げることができる。
【0053】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を構成するA成分である油溶性防錆添加剤は、中性スルフォネート、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステルの群から選択されるもので、これらのうちの1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。
【0054】
中性スルフォネートとしては、例えば、石油留出成分の芳香族成分をスルホン化して得られる石油スルホン酸や、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等の合成スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等を挙げることができる。
【0055】
カルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ノナデカン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルこはく酸、酸化ワックス等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、これらの各カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等を挙げることができる。
【0056】
カルボン酸エステルとしては、上記した各カルボン酸とアルコールのエステル化合物を挙げることができる。アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等を挙げることができる。
【0057】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を構成するB成分である硫黄極圧添加剤は、硫化油脂、硫化エステル、硫化オレフィン、ポリサルファイドの群から選択されるもので、これらのうちの1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。硫黄極圧添加剤中に含まれる活性硫黄分は、組成物全量を基準として0.5〜5質量部(但し、0.5質量部は除く)である。活性硫黄が0.5質量部未満では十分な極圧性能が得られず、高面圧条件での過酷な加工においては、潤滑不足による割れやカジリが発生するおそれがある。また、活性硫黄が5質量部を越えると、鋼板の保管中に硫黄と鋼板表面との反応が生じ、鋼板の表面の変色や錆の発生する原因となる。
【0058】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を構成するC成分は、第三級ホスファイト、第二級ホスファイト、酸性リン酸エステルの群から選択されるもので、これらのうちの1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。
【0059】
第三級ホスファイトとしては、例えば、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等を挙げることができる。また、第二級ホスファイトとしては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルハイドロゼンホスファイト、ジラウリルハイドロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼンホスファイト等を挙げることができる。また、酸性リン酸エステルとしては、例えば、ブチルアシッドホスフェイト、2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト、ラウリルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト等を挙げることができる。
【0060】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物を構成するD成分は塩基性スルフォネートの群から選択されるもので、これらのうちの1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。
【0061】
塩基性スルフォネートとしては、例えば、石油留出成分中の芳香族成分をスルホン化して得られる石油スルホン酸、または、ドデシルベンセンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等の合成スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカル土類金属塩、Zn塩、アミン塩等を挙げることができ、Ba塩、Ca塩、Mg塩、Zn塩等から選択される1種または2種以上であることが好ましい。採用される塩基性スルフォネートにおいては、平均塩基価が50mgKOH/g以上であることが好ましく、より好ましくは、平均塩基価が200mgKOH/g以上である。平均塩基価が50mgKOH/g未満の低い平均塩基価の塩基性スルフォネートを採用して、平均塩基価の高い塩基性スルフォネートと同等の効果を得るには、低い平均塩基価の塩基性スルフォネートを多量に添加する必要があり、この場合には、脱脂性、化成処理性、油面接着性、溶接性が低下する。
【0062】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物の40℃における動粘度は、5〜50mm2/secであることが好ましい。当該組成物の動粘度が5mm2/sec未満である場合には、粘度が低すぎて十分な潤滑性が得られない。また、低粘度の組成物を調製するには、基油として低引火点の溶剤を使用しなけばならないという問題がある。一方、当該組成物の動粘度が50mm2/secを越える場合には、当該組成物の鋼板への塗布が困難になるとともに、当該組成物が塗布された鋼板のハンドリング性が悪くなる。
【0063】
本発明に係る高潤滑防錆油組成物は、上記したA成分、B成分、C成分、およびD成分のみを含有するものに限定されるものではなく、必要により、油性向上剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、水置換剤、消泡剤等を添加することもできる。
【0064】
【実施例】
(試験油)
本実施例では、表1(潤滑防錆油組成物を構成する成分)に示す基油、A成分、B成分、C成分およびD成分を使用して、これらの各成分を各種組合わせて、実施例に係る21種類の潤滑防錆油組成物と、比較例に係る13種類の潤滑防錆油組成物を調製し、これらの潤滑防錆油組成物を試験油として下記に示す防錆試験、脱脂試験、平面摺動試験を行うとともに、市販の鋼板用防錆油、潤滑防錆油、プレス加工油を試験油として同様の試験を行った。調製された各潤滑防錆油組成物および市販の各試験油の組成を表2〜表5(試験油の組成)に示すとともに、各試験油のBS,DBN,x,D1,D2,D3,D4値および動粘度を表6および表7に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
(防錆試験)
冷延鋼板(SPCC:0.8×70×100mm)を試験片として、試験片の表面にゴムローラを用いて試験油を2g/m2塗布して、各試験油ごとの供試片を調製し、同様に試験油を塗布して調製した5枚の供試片を重ね合わせて支持板に挟みボルト・ナットで締結し、各試験油ごとの供試体を調製した。これらの各供試体を、恒温恒湿の試験箱(温度50℃、湿度95%)に720時間収容して防錆試験を行い、720時間後の各供試体を構成する各供試片の発錆状態を観察して、発錆状態の評価を行った。評価の基準は、720時間後の錆発生面積(%)とし、錆発生面積が10%未満の状態を◎、10〜20%の状態を○、20〜30%の状態を△、30%以上を×とした。
(脱脂試験)
冷延鋼板(SPCC:0.8×70×100mm)を試験片として、試験片の表面にゴムローラを用いて試験油を2g/m2塗布して、各試験油ごとの供試片を調製し、同様に試験油を塗布して調製した5枚の供試片を重ね合わせて支持板に挟みボルト・ナットで締結し、各試験油ごとの供試体を調製した。これらの各供試体を、室内に720時間放置した後に脱脂試験に供した。脱脂試験で採用した脱脂剤は、ファインクリーナー4480(日本パーカライジング株式会社製:登録商標)であり、脱脂剤の1.8重量%水溶液を42℃に調整し、この水溶液を撹拌しつつ同水溶液に各供試体を3分間浸漬した。浸漬後の各供試体を構成する各供試片を流水中で30秒間水洗し、水洗後の各供試片の脱脂状態を観察して評価した。評価の基準は、水洗後の各供試片の水濡れ面積(%)とし、水濡れ面積が90%以上の状態を◎、90〜80%の状態を○、80〜70%を状態を△、70%未満を×とした。
(平面摺動試験)
熱延酸洗軟鋼板(2.0×20×300mm)を試験片として、試験片の表面に、ゴムローラを用いて試験油を2g/m2塗布し、各試験油ごとの供試片を調製した。これらの各供試片を、ダイス(SKD−11:R=2.5,幅5mm)を用いて、面圧200MPa、摺動速度5mm/sec、摺動距離130mmの条件下で平面摺動試験を行い、試験油を再塗布することなく連続して摺動を付与した状態での、供試片に焼付きが発生するまでの摺動回数、および、1回目の摺動時の摩擦係数を測定して、各試験油の潤滑性(摺動回数、摩擦係数)を評価した。摺動回数の評価の基準は、5回以上の場合を◎、4回の場合を○、3回の場合を△、2回以下の場合を×とし、摩擦係数評価基準は、摩擦係数が0.130以下の場合を◎、0.130〜0.140の場合を○、0.140〜0.150の場合を△、0.150以上の場合を×とした。
【0073】
以上の防錆試験(発錆評価)、脱脂試験(水濡れ評価)、および平面摺動試験(摺動回数および摩擦係数評価)の結果を表8および表9に示す。
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
Claims (4)
- 鉱油および合成油の少なくとも1種を基油として、A成分として油溶性防錆添加剤の群から選択される少なくとも1種を1〜15質量部、B成分として硫黄系極圧添加剤の群から選択される少なくとも1種を5〜40質量部、C成分として第三級ホスファイト、第二級ホスファイトおよび酸性リン酸エステルの群から選択される少なくとも1種を1〜20質量部、D成分として塩基性スルフォネートの群から選択される少なくとも1種を含有し、D成分の添加量が下記の(1)式または(2)式に示す値DWであって、40℃における動粘度が5〜50mm2/secであり、かつ、B成分である硫黄系極圧添加剤に含まれる活性硫黄は組成物の全量を基準として0.5〜5質量部(但し、0.5質量部は除く)であって、D成分である塩基性スルフォネートの群は平均塩基価が50mgKOH/g以上であり、D成分の添加量の上限は17.2質量部であることを特徴とする高潤滑防錆油組成物。
BS:活性硫黄分添加量(質量部)であって、BS={平均活性硫黄分(質量
部)×B成分添加量(質量部)}/100
C3:第三級ホスファイト添加量(質量部)
C3MW:第三級ホスファイト平均分子量
C2:第二級ホスファイト添加量(質量部)
C2MW:第二級ホスファイト平均分子量
CA:酸性リン酸エステル添加量(質量部)
CAV:酸性リン酸エステルの平均全酸価(mgKOH/g)
DBN:塩基性スルフォネートの平均全塩基価(mgKOH/g) - 請求項1に記載の高潤滑防錆油組成物において、A成分である油溶性防錆添加剤の群は、中性スルフォネート、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステルからなる群であることを特徴とする高潤滑防錆油組成物。
- 請求項1に記載の高潤滑防錆油組成物において、B成分である硫黄系極圧添加剤の群は、硫化油脂、硫化エステル、硫化オレフィン、ポリサルファイドからなる群であることを特徴とする高潤滑防錆油組成物。
- 請求項1に記載の高潤滑防錆油組成物において、D成分である塩基性スルフォネートの群は、Ba塩、Ca塩、Mg塩、Zn塩からなる群であることを特徴とする高潤滑防錆油組成物。
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