以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の第1は、バイポーラ電池と、一般電池を前記バイポーラ電池の正極と負極の組み合わせの構成の数だけ直列接続した一般電池群とが、並列に接続されてなる組電池において、前記一般電池群の電池容量が、前記バイポーラ電池の電池容量よりも大きいことを特徴とする組電池である。
図1は、本発明の第1の組電池の代表的な形態の1つを示す図である。
図1に示すように、本発明の組電池1は、正極と負極の組み合わせの構成が複数存在するバイポーラ電池3と、前記バイポーラ電池3の正極と負極の組み合わせの構成の数だけ一般電池5が直列に接続されてなる一般電池群7とが、並列に接続されている。また、本発明の組電池1において、前記一般電池群7の電池容量は、前記バイポーラ電池3の電池容量よりも大きい点に特徴を有する。
以下、本発明の組電池の構成について、より詳細に説明する。
図1に示す構成を有する本発明の組電池1においては、電池内部に正極と負極との組合せが複数存在するバイポーラ電池3と、前記バイポーラ電池3の電池単位数と同じ数だけ一般電池5が直列に接続された、一般電池5の直列電池(一般電池群)7が並列に接続されている。かかる構成とすることにより、バイポーラ電池3の両端(+端子13、−端子15)と、一般電池群7の両端(+端子(正極タブ)17、−端子(負極タブ)19)がほぼ同一電圧になり(SOCを統一した場合)、高出力密度のバイポーラ電池3と、高エネルギーの一般電池群7の両方の特性を併せ持つ組電池1が得られる。なお、電池内部が直列接続された構造を有するバイポーラ電池3においては、電池単位数=バイポーラ電池3内部の単電池(セル)の数である。また、電池内部が並列接続された構造の一般電池5が直列接続された構造を有する一般電池群7においては、電池単位数=一般電池群7を構成する一般電池5の数である。
ここで、例えば車両に搭載された二次電池からの電力は、冷間始動や急加速の際のエンジン駆動(数kWで数〜数十秒間)や、パワーウインドー、デフォッガー、ドアミラー等の機器の連続駆動(数十〜数百Wで数十秒〜数時間)などに用いられ、必要とされる電力の大きさ、およびその電力を維持しなければならない時間は時々刻々と様々に変化する。よって、車両搭載用の二次電池には、一時に大きな電力を供給しうる高い出力密度に加えて、長期にわたり安定して電力を供給しうる高い容量もまた求められる。
上述したように、バイポーラ電池は、従来、その構造に起因する内部抵抗の低さから、高出力密度を達成しうる二次電池として開発が進められてきた。しかし、バイポーラ電池は、従来のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池(本明細書中、単に「一般電池」とも称する)と比較して、出力密度は高いものの、電池容量の点で劣る。一方で、バイポーラ電池の電池容量を向上させようとすると、バイポーラ電池における反応に関与する活物質の量を増加させる必要がある。このため、バイポーラ電池の面積が増加し、車両に要求される省スペース化に反する結果となる。
これに対し、本発明によれば、図1に示すように、高出力密度のバイポーラ電池3と、前記バイポーラ電池3よりも電池容量が大きく、前記バイポーラ電池3の電池単位数と同じ数の一般電池5が直列に接続された、一般電池の直列電池(一般電池群7)とを、並列に接続することで、上記の問題が解決され、高出力密度と高エネルギー密度とを両立しうる組電池が提供されうる。すなわち、前記バイポーラ電池3と前記一般電池群7との間で、電力の供給形態が分担され、短時間の大電力が必要な場合には高出力密度のバイポーラ電池3から電力が供給され、長時間にわたり微小な電力が必要な場合には高電池容量の一般電池群7から電力が供給される。
以下、本発明の組電池の好ましい形態について、より詳細に説明する。
本発明の組電池1において、前記一般電池群7の電池容量は、前記バイポーラ電池3の電池容量よりも大きく、好ましくは1.5倍以上であり、より好ましくは10倍以上であり、特に好ましくは20倍以上である。一般電池群7の電池容量がかかる範囲内の値であると、出力とエネルギーとのバランスに優れる組電池1が得られる。
本発明の組電池1においては、図2および図3に示すように、一般電池5の少なくとも一部が、前記バイポーラ電池3上に積層されていることが好ましい。ここで図2は、前記の形態を説明するための代表的な平面模式図である。また、図3は、図2に示す形態の側面図である。以下、かかる形態につき、より詳細に説明する。
図2および図3に示す本発明の組電池1は、一般電池5が直列に接続された一般電池群7が、面積の大きいバイポーラ電池3上に積層されてなる形態を有している。
一般に、車両等への搭載を目的とする積層型のバイポーラ電池は、高出力を得るために面積が大きく、その面積は通常、0.3〜2.0m2程度である。また、電圧を大きくするために単電池(セル)の積層数を増加させると、バイポーラ電池の厚さも増加し、その厚さは通常、5〜20mm程度である。したがって、バイポーラ電池をそのまま車両等に搭載すると、車両の走行時等の振動による影響を受けやすく、バイポーラ電池の電極層等の剥離が生じ、電池性能が低下するという問題がある。
ここで、上述のように、本発明の組電池1において、バイポーラ電池3は、一般電池5が直列に接続されてなる一般電池群7と並列に接続された構造を有している。本発明者らは、バイポーラ電池3と並列に接続された一般電池群7を構成する一般電池5の少なくとも一部を、前記バイポーラ電池3上に積層することで、バイポーラ電池3の振動が、前記バイポーラ電池3に積層された一般電池5により吸収され、組電池1の耐振動性が向上しうることを見出したのである。以下、この効果につきより詳細に説明する。
バイポーラ電池3の表面には、種々の振動モードに対応する振動の節および腹が存在している。この振動の節および腹は、基本的にはバイポーラ電池3上に均等に存在しており、この振動の腹の位置における振動を抑えることにより、バイポーラ電池全体の振動が効率よく抑制されうる。本発明においては、バイポーラ電池3に並列に接続された一般電池群7を構成する一般電池5の少なくとも一部が、バイポーラ電池3上に積層されることで、バイポーラ電池3上に存在する振動の腹の位置における振動が抑制され、バイポーラ電池3の、ひいては組電池1全体の耐振動性が向上するのである。
本発明において、「一般電池の少なくとも一部が、前記バイポーラ電池上に積層される」とは、一般電池群を構成する一部または全ての一般電池の、一部分または全体が、バイポーラ電池の上に積層されることを意味する。よって、かかる形態には、図2および図3に示すような、一般電池群7を構成する全ての一般電池5の全体がバイポーラ電池3上に積層される形態のほか、一般電池群7を構成する一部の一般電池5の全体がバイポーラ電池3上に積層される形態や、一般電池群7を構成する一部の一般電池5の一部分のみがバイポーラ電池3上に積層される形態も含まれる。しかし、耐振動性を向上させるという観点からは、図2および図3に示すように、一般電池群7を構成する全ての一般電池5の全体がバイポーラ電池3上に積層されることが好ましい。したがって、以下の説明においては、本発明の組電池1において、一般電池群7を構成する全ての一般電池5の全体がバイポーラ電池3上に積層される場合を例に挙げて説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の形態のみに制限されない。
本発明において、一般電池群7を構成する全ての一般電池5の全体がバイポーラ電池3上に積層される場合、その積層形態は特に制限されない。前記一般電池5は、例えば、図2に示すように、バイポーラ電池上に敷き詰められて積層されてもよい。また、図4および図6に示すように、前記バイポーラ電池の一面に分散して積層されてもよい。
ここで、「分散して積層される」とは、図4に示すように、一般電池5が積層されたバイポーラ電池3の一般電池5が積層された面において、一般電池5(タブを除く部分)がさらにもう1個積層されうる面(例えば、図4および図6中に20で示される面)が露出した状態で、一般電池5がバイポーラ電池3上に積層されることを意味する。また、「敷き詰められて積層される」とは、図2に示すように、一般電池5が、分散せずに、すなわち、一般電池5が積層されたバイポーラ電池3の一般電池5が積層された面において、一般電池5(タブを除く部分)がさらにもう1個積層されうる面が露出していない状態で、バイポーラ電池3上に積層されることを意味する。なお、かかる形態においては、図4および図6に示すように、一般電池群7を構成する一般電池5が、全て同一の形状を有していることを前提としているが、この前提はかかる形態のみにおいて採用されるものであって、本発明の他の形態の技術的範囲から、前記一般電池5が相互に異なる形状を有する形態が除外されるわけではなく、本発明の効果を奏する限り、かかる形態もまた採用されうる。
また、一般電池5がバイポーラ電池3上に積層される際に、一般電池5が積層されるバイポーラ電池3上の位置は、組電池1の耐振動性が向上しうる位置であれば特に制限されない。以下、一般電池5がバイポーラ電池3上に積層される際の好ましい形態について、図4〜図11を参照して説明する。
上述したように、一般にバイポーラ電池3の表面には振動の腹が均等に存在しており、この腹の位置における振動を抑えることにより、組電池1の耐振動性はより向上しうる。このため、バイポーラ電池3の表面上に存在する振動の腹の位置が正確に把握できる場合には、その位置に一般電池5を積層することで、組電池1の耐振動性を効率よく向上させうる。また、振動の腹の位置が正確に把握できない場合であっても、ある一定のサイズを有する一般電池5をバイポーラ電池3上に積層することによって、振動の腹の多くが押さえられることになる。その結果、押さえられた振動の腹の位置における振動が抑制され、組電池1の耐振動性が実質的には向上しうる。
ここで例えば、図4に示すような通常の矩形の形状を有するバイポーラ電池3において、振幅の大きい振動モードは、バイポーラ電池3の矩形の対角線L上に位置していると考えられる。また、この2本の対角線Lの交点であるバイポーラ電池3の重心Gにおいて、振動の振幅は最大であると考えられる。したがって、本発明において、一般電池5が矩形の形状を有するバイポーラ電池3上に積層される際には、図4に示すように、一般電池5は前記バイポーラ電池3の対角線L上に積層されることが好ましい。すなわち、積層された一般電池5は前記対角線L上に存在することが好ましい。この際、組電池1の耐振動性が向上しうるのであれば、積層された一般電池5により前記対角線Lの全てが押さえられている必要はなく、その一部のみが押さえられていてもよい。なお、図4においては、一般電池群7を構成する各一般電池5を直列に接続するための配線は省略されており、以下の図面においても、場合によっては同様に配線が省略されている。
また、図5に示すように、一般電池5は前記バイポーラ電池3の重心Gに積層されることが好ましい。すなわち、積層された一般電池5は前記重心G上に存在することが好ましい。なお、図5に示す形態では、一般電池5は前記重心Gと接していないが、一般電池5を接続するための連結タブ11(図5中の11’)が前記重心Gの鉛直方向上に位置しており、かような形態も「一般電池5がバイポーラ電池の重心に積層される」形態に含まれるものとする。
通常の矩形状のバイポーラ電池3においては、上述したような対角線Lおよび重心Gのほか、矩形の周縁部に存在する振動モードによる振動もまた、ある程度大きいことが知られている。このため、上記の形態のほか、図6に示すように、一般電池5が矩形状のバイポーラ電池3の周縁部に積層される形態もまた、好ましい形態である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を、場合によってはバイポーラ電池3が矩形の形状を有する場合を例に挙げて説明したが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであって、上記した形態のみに制限されることはない。
本発明において、一般電池5がバイポーラ電池3上に積層される際には、例えば図2および図3に示すように、単層の一般電池がバイポーラ電池上に積層されてもよいが、図7および図8に示すように、一般電池が2層以上に積層された状態で、バイポーラ電池上に積層されてもよい。図7は、かかる形態を示す平面模式図である。図8は、図7に示す形態の側面図である。図7および図8に示す形態においては、一般電池群7を構成する一般電池5が、2層に積層されており、この2層構造を有する一般電池群7が、バイポーラ電池3上に積層されている。また、かかる形態において、2層に積層された一般電池5は、例えば図9に示す方法により作製されうる。すなわち、図9に示すような中央で折り返し可能な96直の直列一般電池群7を作製し、図9の右側に位置する48個の一般電池5を中央の点線により左側に位置する一般電池5上に折り返すことにより、一般電池5が2層に積層されうる。
このように、一般電池5が2層以上に積層された形でバイポーラ電池3上に積層される形態によれば、2層以上の一般電池5およびバイポーラ電池3全体で2自由度以上のマス−バネモデルが形成されることになる。その結果、1自由度のマス−バネモデルが形成される単層のみの積層の場合と比べて、振動を低減する効果がより向上し、耐振動性に優れる組電池1が提供されうる。なお、一般電池5が2層以上に積層される場合の一般電池5の層数は、特に制限されず、一般電池群7を構成する一般電池5の数や、バイポーラ電池3および一般電池5の面積等に応じて、適宜決定されればよい。
さらに、図10および図11に、本発明の組電池1の他の好ましい形態を示す。図10は、かかる形態を示す平面模式図である。図10に示す本発明の組電池1において、バイポーラ電池3上に積層される一般電池5は、2層に積層されており、さらに、この一般電池5は、バイポーラ電池3上に分散して積層されている。すなわち、図10に示す組電池においては、一般電池5が積層されたバイポーラ電池3の一般電池5が積層された面において、一般電池5(タブを除く部分)がさらにもう1個積層されうる面(図10中に20で示される面)が露出した状態で、一般電池5がバイポーラ電池3上に積層されている。また、2層に積層された一般電池5は、例えば図11に示す方法により作製されうる。すなわち、図11に示すような中央で折り返し可能な74直の直列一般電池群7を作製し、図11の右側に位置する36個の一般電池5を、中央の点線により左側に位置する38個の一般電池5上に折り返すことにより、一般電池5が2層に積層されうる。
本発明の組電池1において、バイポーラ電池3の正極タブ13および負極タブ15のそれぞれの断面積は、好ましくは、一般電池群を構成する一般電池を直列に接続するための連結タブ11の断面積よりも大きく、より好ましくは2倍以上であり、特に好ましくは5倍以上である。これは、バイポーラ電池3の正極タブ13および負極タブ15は、高出力のバイポーラ電池3が使用される際の大電流を流しても発熱等の問題が生じない程度に大きくする必要がある一方で、一般電池の連結タブ11は、基本的に大電流を流さない(大電流を流す必要もない)ため、大きい断面積が必要ないためである。また、連結タブ11の断面積が大きくなると、電池重量・体積的にメリットが小さくなるためである。
また、本発明の組電池では、一般電池5の電極タブ同士の接合が、振動溶着によりなされたものであることが好ましい。すなわち、一般電池5を直列に接続するための連結タブ11の接合は、振動溶着によりなされたものであることが好ましい。これは、タブの接続抵抗が一般的に低くなるためである。またタブ面に対し、複数スポットで振動溶着を行うことにより、結合部位の剛性が上がり、一般電池群の剛性が向上するという利点もある。さらに振動溶着では、通常のスポット溶着に比べ、接合時の温度上昇が小さいため、電池要素材料(電極活物質、セパレータ、電解質等)や電池外装材のシール部への影響等が抑制されうる。また、リベット接合に比べ、接続抵抗のばらつきが小さくなる。ただし、本発明はこれらに制限されず、一般電池5の電極タブ同士を接合し、連結する手段として、振動溶着(超音波溶接)のほか、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接等も用いられうる。また、一般電池5を直列に接続するためのタブの接合は、図1にあるように連結タブ11同士を直接接合する形態のほか、一般電池5の配置によっては、リベットのようなバスバー12を用いてもよく、またはカシメの手法を用いてもよい。さらにバスバー12と一般電池5のタブを連結する際の手段としても、振動溶着(超音波溶接)のほか、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接等が用いられ、特に制限されない。
同様に、バイポーラ電池3の両電極タブと、一般電池群の両端の電極タブとの電気的な接合もまた、振動溶着によりなされたものであることが好ましい。しかし、同様に、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接、あるいはカシメ等の他の手段によりなされたものであってもよく、特に制限されない。
一般電池5がバイポーラ電池3上に積層される場合、前記一般電池5は、前記バイポーラ電池3上に単に載置されるのみであってもよいが、耐振動性を向上させる観点から、好ましくは、前記一般電池5は、前記バイポーラ電池3と接着される。また、用途や使用条件等に応じて、前記一般電池5と前記バイポーラ電池3との間にさらに他の層が介在していてもよい。
以上、本発明の組電池の好ましい形態について説明したが、本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池の各構成要素の形態としては、下記のような形態が用いられうる。同様に、本発明の組電池に用いられる一般電池の各構成要素の形態もまた、下記のような形態が用いられうる。すなわち、本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池と一般電池とは、基本的には電池内部の単電池層が直列接続されているか、並列接続されているかが異なるのみであり、電池を構成する各構成要素に関しては特に差異はない。以下、本発明に用いられるバイポーラ電池および一般電池の構成の例を、図面を用いて簡単に説明するが、下記の形態のみには制限されない。
図12に、本発明の組電池に用いられる一般電池の一種である、バイポーラ型でない扁平型(積層型)の非水電解質リチウムイオン二次電池の断面概略図を示す。図12に示す積層型非水電解質リチウムイオン二次電池(一般電池)31においては、正極集電体33の両面に正極活物質を含む正極層34が形成されてなる正極板、電解質層35、および、負極集電体36の両面(発電要素の最下層用および最上層用は片面)に負極活物質を含む負極層37が形成されてなる負極板、が積層された発電要素38が、電池外装材32としての高分子−金属複合ラミネートフィルムにより被覆され、熱融着によりその周縁部が密封された構成を有している。また、上記の各正極板および負極板と導通される正極(端子)リード39および負極(端子)リード40が、各電極板の正極集電体33および負極集電体36に振動溶着や抵抗溶接等により取り付けられており、上記熱融着部に挟まれて上記の電池外装材32の外部に露出する構造を有している。
図13に、本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池の一種である、バイポーラ型の非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単にバイポーラ電池とも称する)の概略断面図を示す。図13に示すバイポーラ電池41においては、1枚または2枚以上で構成される集電体42の片面に正極活物質を含む正極層43が形成され、他方の面に負極活物質を含む負極層44が形成されたバイポーラ電極45が、電解質層46を介して積層され、隣接するバイポーラ電極45の正極層43と負極層44とが対向する構造を有している。また、こうしたバイポーラ電極45等を複数枚積層した電極積層体(発電要素)47の最上層および最下層の電極45a、45bは、バイポーラ電極構造でなくてもよく、図13に示すように、集電体42(または端子板)に必要な正極層43または負極層44の片面のみが配置された構造であってもよい。また、バイポーラ電池41においては、上下両端の集電体42にのみ、それぞれ正極リード48および負極リード49が接合されている。
なお、バイポーラ電極45(電極45a、45bを含む)の積層回数は、所望する電圧に応じて調節されうる。バイポーラ電池41においては、電池の厚みを薄くしても充分な出力が確保できるのであれば、積層回数は少なくてもよい。また、本発明に用いられるバイポーラ電池41は、使用時の外部からの衝撃や環境による劣化を防止するために、電極積層体47を電池外装材(外装パッケージ)50に減圧封入し、電極リード48、49を電池外装材50の外部に取り出した構造とするのがよい。このバイポーラ電池41の基本構成は、複数積層した単電池層(単セル)が直列に接続された構成であるともいえる。このバイポーラ電池41は、その電極構造が異なることを除き、用いられる構成要素等の形態は、基本的には上述した一般電池と同様である。
よって以下、本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池および一般電池に共通する各構成要素、すなわち、正極層、負極層、集電体、電解質層、およびタブ、の好ましい形態について、順に説明する。しかし、本発明の技術的範囲は、下記の形態に制限されない。
まず、正極層について説明する。
正極層は、正極活物質を含有する。また、必要に応じて、導電助剤、バインダ、リチウム塩、電解質等のその他の成分をも含有しうる。
正極活物質としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が好適に用いられうる。正極活物質として、具体的には、LiCoO2などのLi−Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi−Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi−Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi−Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの等が挙げられる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れる材料であり、低コストである。したがって、これらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成しうる。なかでも好ましくは、Li−Mn系複合酸化物が用いられる。これは、正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物を用いることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが可能となるためである。これにより、電圧を計測することによって電池の充電状態(SOC)を知ることができる。このため、電池が特に不安定な過充電、過充電過放電状態を検知し、対処することが可能となり、電池の信頼性を向上させうる。また、Li−Mn系複合酸化物は過充電、過放電で電池が故障する際にも反応が穏やかであり、異常時の信頼性が高い。その結果、各単電池層の電圧(電位)、およびバイポーラ電池や一般電池全体の電圧(電位)の検知が容易になるという利点がある。
この他の正極活物質としては、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
正極層における正極活物質の粒径は、特に限定されない。電極抵抗を低減する観点から、前記粒径は、好ましくは数μm〜300μm、より好ましくは5〜100μmである。また、正極活物質の使用量は、正極層における正極材料の全量に対して、好ましくは80〜95質量%程度である。
導電助剤としては、特に制限されないが、アセチレンブラック、カーボンブラック、およびグラファイト等が挙げられる。導電助剤の使用量は、正極層における正極活物質の全量に対して、好ましくは3〜15質量%程度である。
バインダとしては、特に制限されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、SBR、およびポリイミド等が挙げられる。バインダの使用量は、正極層における正極活物質の全量に対して、好ましくは1〜10質量%程度である。
リチウム塩としては、特に制限されないが、正極活物質に対して安定であって、リチウムイオンが正極活物質と電極反応を行うために移動し得る非水系物質であればよい。例えば、BETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(C2F5SO2)2Nとも記載)、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)またはこれらの混合物等が挙げられる。
電解質層に高分子電解質が用いられる場合には、正極層も高分子電解質を含有することが好ましい。正極層における正極活物質間の空隙に高分子電解質を充填することによって、正極層におけるイオン伝導がスムーズになる。その結果、バイポーラ電池および一般電池の全体としての出力密度および安全性が向上しうる。
本発明において、前記高分子電解質としては、高分子電解質とリチウム塩などの支持塩のみで構成される全固体高分子電解質、および高分子に電解液を保持させた高分子ゲル電解質が挙げられる。
全固体高分子電解質としては、特に限定されないが、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、LiBETI、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2等のリチウム塩がよく溶解しうる。また、これらの高分子は、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。本発明においては、電極特性をより向上させるために、全固体高分子電解質が正極層および負極層の双方に含まれることが好ましい。
また、高分子ゲル電解質とは、一般的に、イオン導伝性を有する全固体高分子電解質に、電解液を保持させたものをいう。なお、本願では、リチウムイオン導伝性を有しない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも、前記高分子ゲル電解質に含まれるものとする。以下、前記イオン導伝性を有する全固体高分子電解質および前記リチウムイオン導伝性を有しない高分子を総称して、「ホストポリマー」とも称する。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常のバイポーラ電池で用いられるものであればよい。具体的には、特に制限されないが、例えば、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる1種または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)等が挙げられる。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を有しない高分子(ホストポリマー)としては、特に制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。なお、PANおよびPMMA等は、イオン導伝性をほとんど有しないがわずかに有する部類に入るため、上記イオン伝導性を有する高分子としても分類されうるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を有しない高分子として例示した。
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的等に応じて適宜決定されうるが、通常、2:98〜90:10の範囲である。正極層の外周部からの電解液の染み出しについては、絶縁層や絶縁処理部を設けることで効果的にシールされうる。
正極層における高分子電解質の配合量は、少なすぎると電極層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり電池性能が低下してしまう。一方、正極層における高分子電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した高分子電解質量が決定されうる。
正極層は、電池容量を向上させるには厚い方が望ましく、高レート充放電に特化させるには薄い方が望ましい。かような観点から、正極層の厚さは、20〜200μm、好ましくは30〜150μmとするのがよい。
次に、負極層について説明する。
負極層は、負極活物質を含有する。また、必要に応じて、導電助剤、バインダ、リチウム塩、電解質等のその他の成分をも含有しうる。
負極活物質以外の成分としては、基本的に上述の正極層と同様であるため、ここではその説明を省略する。
負極活物質としては、カーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、グラファイト等が用いられうる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カーボンとしては、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボン、活性炭等のカーボン材料(炭素材料)が挙げられる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、Li3Bi、Li3Cd、Li3Sd、Li4Si、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC6)等が挙げられる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO2、GeO、GeO2、In2O、In2O3、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Ag2O、AgO、Ag2O3、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、SiO、ZnO、CoO、NiO、FeO、SnBXPYOZ、Nb2O5等が挙げられる。上記Li金属化合物としては、Li3FeN2、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等が挙げられる。上記Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、Li4Ti5O12等の、LixTiyOzで表されるリチウム−チタン複合酸化物、LiFeXOY等のリチウム−鉄複合酸化物、LiMnXOY等のリチウム−マンガン複合酸化物等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素中のホウ素の含有量は0.1〜10質量%の範囲が好ましいが、これに制限されない。
負極活物質は、好ましくは、結晶性炭素材および非結晶性炭素材から選択される。これらを負極活物質として用いることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることが可能となるためである。これにより、電圧を計測することによって電池の充電状態(SOC)を知ることができる。このため、電池が特に不安定な過充電、過充電過放電状態を検知し、対処することが可能となり、電池の信頼性を向上させうる。また、この効果は非晶質炭素において特に顕著であり、非晶質炭素を負極活物質として用いると、各単電池層およびバイポーラ電池や一般電池の電圧の検知が容易になる。ここでいう結晶性炭素材とは、グラファイト系炭素材料をいい、上記グラファイトカーボン等がこれに含まれる。また、非結晶性炭素材とは、ハードカーボン系炭素材料をいい、上記ハードカーボン等がこれに含まれる。
負極活物質の使用量は、負極層における負極材料の全量に対して、好ましくは80〜96質量%程度である。
また、負極層に含まれる電解質は、被膜形成材を含有しうる。これにより、電池サイクルに伴う容量低下が抑制されうる。被膜形成材としては、特に限定されないが、例えば、特開2000−123880号公報に記載の被膜形成材等の従来公知のものが挙げられる。
負極層の厚さは、正極層と同様に、20〜200μm、好ましくは30〜150μmとするのがよい。
集電体は、特に限定されず、従来のリチウムイオン二次電池に用いられている集電体が用いられうる。集電体としては、例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、チタン箔、ニッケルおよびアルミニウムのクラッド材、銅およびアルミニウムのクラッド材、SUSおよびアルミニウムのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材等が好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムを被覆させた集電体、特開2000−100471号公報に記載の複合集電体等も本発明の集電体として用いられうる。
単電池(セル)に用いられる集電体の厚さは、通常と同様でよく、1〜100μ程度である。また、集電体の長さおよび幅、集電体の形状等は、使用目的に応じて適宜決定されうる。
また、本発明に用いられるバイポーラ電池においては、正極側および負極側に存在する最外層集電体の外側に、上記で説明した集電体と同様の材質からなる正極および負極端子板が配置されてもよい。
電解質層は、その使用目的に応じて、(a)高分子ゲル電解質、(b)全固体高分子電解質(単に、高分子固体電解質とも称する)または(c)これら高分子電解質または電解液を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)のいずれであってもよい。以下、これらの好ましい形態につき、より詳細に説明する。
(a)高分子ゲル電解質
高分子ゲル電解質としては、特に制限されず、従来のゲル電解質層に用いられているものが適宜用いられうる。ここで、ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。なお、本発明において、高分子固体電解質と、ゲル電解質との差異は、以下のとおりである。
・ポリエチレンオキシド(PEO)などの高分子固体電解質に、通常のリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものがゲル電解質である。
・ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものもゲル電解質にあたる。
・ゲル電解質を構成するポリマー(ホストポリマーないしポリマーマトリックスとも称する。)と電解液の比率は幅広く、ポリマー100質量%を高分子固体電解質、電解液100質量%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質にあたる。
上記ゲル電解質の、ホストポリマーとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができるが、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が用いられうる。
上記ゲル電解質に用いられる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されず、従来公知のものが用いられうる。具体的には、リチウムイオン電池において一般的に用いられるものであればよく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li2B10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが例示される。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合は、特に制限されず、イオン伝導度等の観点から、数質量%〜98質量%程度が好ましい。本発明においては、電解液の割合が70質量%以上である、電解液が多いゲル電解質が用いられると特に効果がある。
また、本発明において、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一であってもよいし、中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくなっていてもよい。前者は、より広範囲で反応性を得ることができるため好ましく、後者は、外周部の高分子固体電解質部の電解液に対するシール性を高めることができる点で好ましい。中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくなっていく場合には、上記ホストポリマーには、リチウムイオン伝導性のあるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)およびそれらの共重合体が好ましく用いられうる。
(b)高分子固体電解質
高分子固体電解質としては、特に制限されず、従来公知のものが用いられうる。具体的には、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は特に限定されない。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体のような公知の材料が挙げられる。高分子固体電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物等が用いられうる。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。
(c)上記高分子電解質または電解液(電解質塩および可塑剤)を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸させうる電解質としては、既に説明した(a)および(b)または上記(a)で説明した電解液(電解質塩および可塑剤)と同様のものが用いられうるため、ここでの説明は省略する。
上記セパレータとしては、特に制限されず、従来公知のものが用いられうる。例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)等が用いられうる。有機溶媒に対して化学的に安定である上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応を抑制しうるという優れた効果を有する。
前記ポリマーの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、およびポリイミド等が挙げられる。
上記セパレータの厚さは、使用用途により異なることから一義的に規定されえないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)等のモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが好ましい。セパレータの厚さがかかる範囲であると、セパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡が防止されうる。また、厚さ方向の機械的強度および高出力性が確保されうる。
なお、上記(a)〜(c)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよく、本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池と一般電池との間で併用してもよい。
また、高分子電解質は、電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれうるが、同一の高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定されない。しかしながら、コンパクトな電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な電解質層の厚さは5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
本発明の組電池に用いられるバイポーラ電池においては、絶縁層が設けられることが好ましい。絶縁層は、バイポーラ電池内で隣接する集電体同士の接触や、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどにより生じる短絡を防止する目的で、各電極の周囲に形成される。
絶縁層に用いられる材料としては、絶縁性のほか、電池動作温度下での耐熱性、耐電解液性等を有するものが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等が用いられうる。耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明において用いられるバイポーラ電池および一般電池においては、電流を取り出す目的で、バイポーラ電池においては最外層集電体に、一般電池においては各集電体に、タブが接合される。
前記タブの材質は、特に制限されず、従来リチウムイオン二次電池に用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なかでも、耐食性、作り易さ、経済性などの観点から、アルミニウム、銅が好ましく用いられうる。また、正極用タブと負極用タブとでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
なお、後述する電池外装材から電池外部に取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆されてもよい。また、タブ金属表面には、必要に応じて、高抵抗層を設けてもよい。
また、必要に応じて、正極および負極リードが用いられうる。正極および負極リードとしては、二次電池で用いられる公知の電極リードが用いられうる。電極リードの材質としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示されうる。正極リードの材質と負極リードの材質は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、これら正極および負極リードは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。また、これら正極および負極リードは、電池外装材と近接ないし密着することもあることから、必要であれば、高抵抗層を電極リード表面上の必要とされる部分に適宜設けてもよいことは勿論である。
バイポーラ電池においては、電池内のセル(単電池層)ごとの電圧を検知するための検知タブを各セルに設けてもよい。なお、電圧検知タブには、各セルごとの電圧(4.2V程度)しか加わらないため、電極タブのように高抵抗層を形成する必要はないが、必要であれば形成してもよい。
電圧検知タブには、上記電極タブと同様の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が用いられうる。各電圧検知タブの材質は、同一であることが好ましいが、異なる材質であってもよい。さらに、電圧検知タブは、材質の異なる金属(合金を含む)を多層に積層したものであってもよい。
本発明において用いられるバイポーラ電池および一般電池は、電池の防水性、シール性を確保し、更に電池の軽量化を図り、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止する観点から、電池本体である電池積層体が、電池外装材である高分子−金属複合フィルムにより被覆される。かかる高分子金属複合フィルムとしては、特に制限されず、従来公知のものが適宜用いられうる。例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅等の金属(合金を含む)層の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましくは耐熱性の絶縁体)の樹脂層で被覆した高分子金属複合フィルム等が用いられうる。上記絶縁体(好ましくは耐熱性の絶縁体)の樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が挙げられる。
上記金属層に対しては、高電圧に対する絶縁性よりも、耐熱性や外部からの酸素、水蒸気および光(紫外線等)等に対する高バリア性、さらには折り曲げなどに対する強度に優れることが要求されることから、上記金属層の材質はアルミニウムが好ましい。前記金属層の厚さは、上記の特性を充分に発現できる範囲であればよく、通常は1〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
高分子金属複合フィルム全体の厚さは、電池外装材に求められる上記機能を発揮することができるものであれば特に制限されないが、通常は20〜150μm、好ましくは50〜120μmである。
本発明に用いられる電池においては、高分子金属複合フィルムを用いて、その周縁部の一部または全部を熱融着にて接合することによりシール部を形成し、電池積層体を収納し密封した構成としてもよい。この際、上記正極および負極タブは、上記シール部(熱融着部)に挟まれて絶縁が確保された状態で、先端部分が上記電池外装材の外部に露出した構造とすればよい。また、上記のような熱伝導性に優れた高分子金属複合フィルム等を用いると、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部が電池動作温度まですばやく加熱されうる点で好ましい。
なお、バイポーラ電池と一般電池とで、上記した各構成要素の材料等が同一であることが好ましいが、たとえ異なっていたとしても、本発明の要件を満足するのであれば、本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。
上述のように、図1は、バイポーラ電池3と一般電池群7とを並列に接続した本発明の組電池1の基本構成を示す図である。本発明においては、図1に示す基本構成を、組電池ケースの内部に収納してもよい。図14は、図1に示す本発明の組電池1の基本構成が組電池ケースの内部に収納されてなる形態を模式的に示す概略図である。
図14に示す組電池1の基本構成に関しては、図1で説明したとおりである。図14では、組電池1の基本構成が金属製の組電池ケース55の内部に収納されている。組電池ケース55の側面前部には正極端子62、負極端子64が形成されており、組電池1の基本構成内の両端の正極タブ13および負極タブ15と正極端子62および負極端子64とが端子リード59で接続されている。また、組電池ケース55の正極端子62および負極端子64が設けられている側面前部には、電池電圧を監視するための検知タブ端子54が設置されている。また、組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が取り付けられていてもよい。かかる形態によれば、組電池1を複数積層して複合組電池を形成するような場合に、組電池1間の距離が保たれ、防振性、耐衝撃性、絶縁性、放熱性等が向上しうる。
本発明の組電池1を、少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列とを複合して接続し、複合組電池としてもよい。すなわち、本発明の第2は、本発明の組電池が、並列接続、直列接続、並列−直列接続、または直列−並列接続により、複数個接続されてなる、複合組電池である。これにより、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様を車両用途別に変更することが容易になる。これにより、仕様の異なる多くの組電池種を製造する必要がなくなるため、複合組電池の製造コストが削減されうる。なお、上記複合組電池においては、必ずしも全ての組電池が本発明の組電池でなくてもよい。
図15は、図1に記載の組電池1の基本構成を図14に示す組電池ケース55に収納した組電池6個を、6並列に接続した複合組電池の模式図である。複合組電池70を構成する各組電池1は連結板と固定ねじにより一体化され、また、組電池1の間には弾性体52が設置されて防振構造を形成している。また、組電池1のタブは板状のバスバーで連結されている。また、図15に示す複合組電池70においては、各組電池ケース55の蓋体に設けられたそれぞれの組電池の正極端子62および負極端子64が、板状のバスバーである外部正極端子部および外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板72および組電池負極端子連結板74によりそれぞれ電気的に接続されている。また、各組電池ケース55の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)には、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板76が固定ネジ77により固定され、各組電池1同士が連結される。さらに、各組電池1の正極端子62および負極端子64は、それぞれ正極および負極絶縁カバーにより保護され、適当な色、例えば、赤色と青色とに色分けすることで識別されている。また、組電池1間、詳細には組電池ケース55の底部には、外部弾性体52が設置されており、防振構造を形成している。
また、上記複合組電池では、これを構成する複数の組電池をそれぞれ脱着可能に接続しておくことが好ましい。一部の電池、または組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能となるためである。
本発明の組電池および複合組電池は、車両に搭載されることが好ましい。すなわち、本発明の第3は、本発明の組電池、および/または複合組電池を搭載した車両である。車両に搭載する際には、使用用途に応じて、組電池のみを搭載するようにしてもよいし、複合組電池のみを搭載してもよいし、組電池と複合組電池とを組み合わせて搭載してもよい。これにより、車両に要求される大きなスペース要望に柔軟に対応しうる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
本発明の組電池および/または複合組電池が駆動用電源や補助電源として搭載されうる車両としては、特に制限されないが、電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーが好ましい
図16は、複合組電池を車両に搭載した様子を模式的に表した概略図である。図16に示すように、複合組電池70を車両に搭載するには、車両80の車体中央部の座席(シート)下に搭載することが好ましい。これは、座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるためである。ただし、複合組電池80等を搭載する箇所は、座席下に限定されず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部であってもよいし、車両前方のエンジンルームであってもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。
実施例1
集電体としてのステンレス(SUS)箔(厚さ20μm)の片面に、正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物を含む正極材料を、厚さ30μmで塗布して正極層を形成した。その後、正極層を形成したSUS箔の反対面に、負極活物質として結晶性炭素材料であるハードカーボンを含む負極材料を、厚さ30μmで塗布して負極層を形成し、バイポーラ電極を完成させた。
架橋型ゲル電解質の前駆体をPET不織布セパレータ(厚さ約30μm)に染込ませ、先に得られたバイポーラ電極の上に重ねた。さらに、同様のバイポーラ電極をその上に重ね、この操作を繰り返し、12層(12電極単位)のバイポーラ電極を作製した。
得られた12層バイポーラ電極の正極側(最外層集電体の端部)にAl製の正極タブ(厚さ200μm:幅100mm)を振動溶着し、負極側(最外層集電体の端部)にはCu製の負極タブ(厚さ200μm:幅100mm)を振動溶着した。また、ステンレス(SUS)製の検知タブ(厚さ20μm:幅10mm)を各単電池層から取り出した。このタブ一体12層バイポーラ電極を有する発電要素(電池本体)全体をラミネート材で封止した。この12層(12セル)バイポーラ電池を約80℃で約2時間加熱架橋し、12層バイポーラ電池を完成させた。
一方、上記バイポーラ電池において用いたのと基本的には同様の材料を用い、一般電池を作製した。まず、正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物を含む正極材料を、正極集電体であるアルミニウム(Al)箔(厚さ20μm)の両面に、片面厚さ30μmで塗布し、正極層を形成した。また、負極活物質として結晶性炭素材料であるグラファイトを含む負極材料を、負極集電体である銅(Cu)箔(厚さ20μm)の両面に、片面厚さ30μmで塗布し、負極層を形成した。これらの正極および負極間に、架橋型ゲル電解質の前駆体を染込ませたPET不織布セパレータ(約30μm厚さ)を挟み込んで、発電要素(電池本体)を作製した。次いで、前記発電要素(電池本体)全体をラミネート材で封止した。得られた一般電池を約80℃で約2時間加熱架橋し、正極10枚および負極11枚の構成の一般電池を完成させた。なお、前記一般電池の正極集電体はアルミニウム製の正極タブ(厚さ150μm:幅50mm)に接続し、負極集電体はニッケル製の負極タブ(厚さ150μm:幅50mm)に接続した。
次いで、得られた一般電池の電極タブ同士を振動溶着により接続し、12直の直列電池(一般電池群)を作製した。
さらに、得られた一般電池群を、得られたバイポーラ電池上に積層し、前記バイポーラ電池の両電極タブと、前記一般電池群の両端の電極タブとを正極同士および負極同士振動溶着し、図2に示す外観を有する組電池を作製した。その後、得られた組電池をアルミケースに収容した。
組電池ケース内部の構造、バイポーラ電池の作製に用いたバイポーラ電極の積層数、一般電池群の直列数、電池容量比(バイポーラ電池の電池容量:一般電池群の電池容量)、タブ断面積比(バイポーラ電池の電極タブの断面積:一般電池群の電極タブの断面積)、正極活物質材料、負極活物質材料を下記の表1に示す。
また、得られた組電池について、以下に説明する試験方法により、出力測定、エネルギー測定、および振動の平均減衰量測定を行った。得られた結果を下記の表2に示す。これらは、以下の実施例および比較例についても同様である。
実施例2
製造条件を表1に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、組電池を作製した。すなわち、24層のバイポーラ電池および一般電池24直の一般電池群を作製し、前記一般電池群を、図4に示す形態で前記バイポーラ電池上に積層し、これらを並列に接続して組電池とした。また、得られた組電池をアルミケースに収容した。
実施例3
製造条件を表1に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、組電池を作製した。すなわち、30層のバイポーラ電池および一般電池30直の一般電池群を作製し、前記一般電池群を、図5に示す形態で前記バイポーラ電池上に積層し、これらを並列に接続して組電池とした。また、得られた組電池をアルミケースに収容した。
実施例4
製造条件を表1に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、組電池を作製した。すなわち、96層のバイポーラ電池および、図9に示す一般電池96直の一般電池群を作製し、前記一般電池群を折り返して2層に積層し、さらにこの一般電池群を、図7に示す形態で前記バイポーラ電池上に積層し、これらを並列に接続して組電池とした。また、得られた組電池をアルミケースに収容した。
実施例5
製造条件を表1に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、組電池を作製した。すなわち、74層のバイポーラ電池および、図11に示す一般電池74直の一般電池群を作製し、前記一般電池群を折り返して2層に積層し、さらにこの一般電池群を、図10に示す形態で前記バイポーラ電池上に積層し、これらを並列に接続して組電池とした。また、得られた組電池をアルミケースに収容した。
比較例1
実施例1で作製したバイポーラ電池のみを用いて、比較例1とした。
比較例2
実施例1で作製した一般電池群のみを用いて、比較例2とした。
試験方法
(1)出力測定
実施例および比較例で得られた組電池、並びにバイポーラ電池および一般電池群について、50Aの電流を10秒間流すことが可能であるか否かを試験した。
(2)エネルギー測定
実施例および比較例で得られた組電池、並びにバイポーラ電池および一般電池群について、1Aの電流を10分間流すことが可能であるか否かを試験した。
(3)振動の減衰試験(平均減衰量の測定)
以下の方法により平均減衰量を測定して、振動の減衰試験を行った。
まず、実施例および比較例で得られた組電池、並びにバイポーラ電池および一般電池群の略中央部に加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーによってハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。設定方法は、JIS B 0908(振動及び衝撃ピックアップの校正方法・基本概念)に準拠した。測定スペクトルは、FFT分析器により解析し、周波数と加速度の次元に変換した。この得られた周波数に関して平均化およびスムージングを行い、振動伝達率スペクトルを得た。この加速度スペクトルの10〜300Hzまでの平均を振動平均値とした。
比較例1のスペクトルの振動平均値を比較基準とし、下記式(1)にしたがって平均低減量を算出した。
したがって、平均減衰量=0%の場合には、比較例1と各実施例の振動平均値は同等であって、減衰が起きていないことを示し、平均減衰量=30%の場合には、比較例に対する実施例の振動平均値が30%低減されたことを示す。上記の試験方法(1)〜(3)により得られた結果を下記の表2に示す。
なお、上記試験により得られた実施例3の組電池における周波数−振動伝達率の特性を示す線図を、図17に「発明構造」として示した。同様に、上記試験により得られた比較例1の組電池での周波数−振動伝達率の特性を示す線図を、図17に「従来構造」として示した。
表2より、本発明によれば、高出力のバイポーラ電池と、高電池容量の一般電池群とを並列に接続することで、出力とエネルギーのバランスに優れた組電池が提供されることがわかる。また、本発明の組電池を、図2、4、5、7および10に示すような構造とすることにより、すなわち、一般電池群の少なくとも一部を、バイポーラ電池上に積層することにより、従来のバイポーラ電池と比較して30〜70%程度振動が低減され、耐振動性が向上しうることがわかる。
したがって、本発明の組電池は、常に振動を受けながら長期間にわたって安定して電力を供給することが求められる車両等に搭載される場合に、特に有用である。