JP4451710B2 - 剥離基材およびその製造方法、粘着シートおよび粘着テープ - Google Patents
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Description
さらに、ラミネート紙では厚さが10〜20μmにもなるラミネートフィルムが紙と強固に接着しており、高密度化原紙では多量の接着剤を含有して高密度化しているため、水に極めて難溶性であり,容易にリサイクル使用することができないという欠点も有していた。したがって、剥離基材は最終的に焼却処分されているのが実状であり、近年の省資源、環境保護の観点から大きな問題となっている。
これら特許文献1〜4に記載の技術は、いずれも紙基材に直接剥離剤を塗布しているので、製造工程を簡略化できる上に、リサイクルが可能になる。しかも、シリコーンエマルジョンは水系なので、溶剤使用による環境への負荷を低減できる。
また、特許文献3に記載の方法で得た剥離基材では、剥離剤層の耐水性や耐溶剤性が低くバリヤー性が劣っていた。そのため、例えば溶剤系の粘着剤を剥離剤層上に塗布して粘着シートとした際、剥離力が極めて重剥離になるという問題が生じた。
さらに、特許文献4に記載の方法では、剥離剤塗料安定性が経時的に低下する上に、特許文献4の実施例で示されている配合例ではシリコーン部数が少なすぎるため、転写塗布法で粘着シートを得た場合に剥離力が極めて重剥離になるという問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、経時安定性に優れた剥離剤塗料を用いることができる上に、バリヤー性および剥離特性が高い剥離剤層を有し、しかもリサイクル性に優れた剥離基材、および、その剥離基材が簡便に得られる剥離基材の製造方法を提供することを目的とする。さらには、粘着シートおよび粘着テープを提供することを目的とする。
シリコーンエマルジョンは、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものであることを特徴とする。
本発明の第1の剥離基材の製造方法は、紙基材の少なくとも片面にシリコーンエマルジョンと水溶性樹脂とを含む剥離剤塗料を塗布する塗布工程と、塗布工程後に剥離剤塗料の塗膜を100℃未満で予備乾燥してから100℃以上で本乾燥する乾燥工程とを有する剥離基材の製造方法であって、
シリコーンエマルジョンとして、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものを用いることを特徴とする。
本発明の第2の剥離基材の製造方法は、紙基材の片面にシリコーンエマルジョンと水溶性樹脂とを含む剥離剤塗料を塗布する塗布工程と、塗布工程終了から3秒以上経過した後に、剥離剤塗料の塗膜を100℃以上で本乾燥する乾燥工程とを有する剥離基材の製造方法であって、
シリコーンエマルジョンとして、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものを用いることを特徴とする。
本発明の粘着シートは、支持体と、該支持体の少なくとも片面に順次設けられた粘着剤層と、剥離基材とを有する粘着シートであって、前記剥離基材が上述した剥離基材であることを特徴とすることを特徴とする。
本発明の粘着テープは、一方の面が剥離処理された剥離基材と、該剥離基材の他方の面に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記剥離基材が上述した剥離基材であることを特徴とする。
<剥離基材>
本発明における剥離基材は、シリコーンエマルジョンおよび水溶性樹脂を含む剥離剤塗料が紙基材に塗布されて、剥離剤塗料の塗膜である剥離剤層が設けられたものである。
本発明に用いる紙基材としては、例えば、木材パルプを主成分とする上質紙・中質紙や、これらに顔料を主体とする塗料を塗布した微塗工紙、コート紙、アート紙などの塗工紙等、また、クラフト伸長紙、クラフト紙を使用できる。紙基材はある程度の通気性、吸水性を備えるものであるが、剥離剤塗料の浸透抑制の観点から、通気性・吸水性が低いことが好ましい。具体的には、通気性をJ.TAPPI No.5−2:2000年に準拠する王研式透気度により表した際に、その透気度が10秒以上であることが好ましい。また、吸水性をJIS P8140に準拠するコッブ吸水度により表した際に、その吸水度が30g/m2以下であることが好ましい。また、剥離剤塗料の均一な塗布を可能にするため、平滑性をJ.TAPPI No.5−2:2000年に準拠する王研式平滑度により表した際に、その平滑度が50秒以上であることが好ましい。
剥離剤塗料に含まれるシリコーンエマルジョンは、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが乳化用界面活性剤で乳化されたものである。なお、オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを総称してシリコーン成分ということがある。
(I)オルガノポリシロキサンとしては下記化合物(A)が例示できる。また、(II)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては下記化合物(B)が例示できる。
他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
乳化用界面活性剤に他の界面活性剤が含まれる場合には、その含有量が全乳化用界面活性剤中の0.1〜30質量%(すなわち、ポリビニルアルコール含有量が70〜99.9質量%)であることが好ましい。他の界面活性剤が0.1質量%以上含まれていれば、シリコーン成分の乳化安定性が向上する。
乳化用界面活性剤の量はオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの合計量100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。
また、シリコーンエマルジョンには、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの架橋反応を促進する目的で白金触媒が含まれる。白金触媒は白金量として全シロキサンに対して5〜50ppm含まれることが好ましい。
また、水溶性樹脂としては、剥離剤層の耐水性、耐溶剤性がより高くなることから、特に鹸化度が90%以上の完全鹸化ポリビニルアルコールが好ましい。これに対し、低鹸化度の部分鹸化ポリビニルアルコールやデンプンは樹脂自体の耐水性が低く、剥離剤層の耐水性も低くなるため、例えば、エマルジョン系粘着剤を剥離剤層上に塗布した際に剥離力が重くなる傾向にある。
さらに、水溶性樹脂としては、塗布・乾燥の負荷がより小さくなることから、重合度が1000以下のポリビニルアルコールが好ましい。これに対し、重合度が1000を超えるポリビニルアルコールでは、塗膜耐水性および耐溶剤性に優れるものの、塗料粘度が極めて高くなってしまうため、塗布適性を付与するために塗料濃度を下げる必要がある。そのため、塗料の塗布・乾燥に大きな負荷を与える傾向にある。
本発明の剥離基材の製造方法の第1の実施形態について説明する。
[塗布工程]
第1の実施形態における製造方法では、まず、塗布工程において、紙基材に上述したシリコーンエマルジョンと水溶性樹脂とを含む剥離剤塗料を塗布して、剥離剤塗料の塗膜を形成する。
剥離剤塗料を紙基材に塗布する装置としては、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイコーターなどの公知の塗布機が使用できる。剥離剤塗料の塗布量としては、乾燥質量で0.5〜10g/m2程度になる範囲が好ましい。塗布量が0.5g/m2未満では、得られる剥離特性が不十分なるおそれがあり、10g/m2を超えると剥離特性が飽和するので経済性に乏しくなる。
剥離剤塗料の塗布の際には、テンションカットのために紙基材を裏面側から吸引するサクションシステムを使用しないことが好ましい。サクションシステムを使用しない場合には、剥離剤塗料の紙基材への浸透を抑制するので、より均一な剥離剤層を設けることができる。
剥離剤塗料を紙基材に塗布する速度は、乾燥工程にて剥離剤塗料が乾燥するとともに、シリコーンをキュアさせることのできる範囲内でできる限り速くすることが、生産性の点から好ましい。
(予備乾燥)
次いで、上記塗布工程後に、剥離剤塗料の塗膜を100℃未満で予備乾燥する。この予備乾燥は非加熱で行ってもよいし、熱乾燥オーブンにて100℃未満で加熱して行ってもよいが、予備乾燥時に100℃未満で加熱することが好ましい。100℃未満で加熱した場合には、本乾燥にて乾燥初期から強乾燥できるため塗布速度を上げることができる。また、100℃未満で加熱して予備乾燥する場合、紙基材表裏から熱風を吹き付けて速乾させるようなフローティングドライヤーを使用しない方が好ましい。フローティングドライヤーを使用すると、剥離特性が向上しなくなるおそれがある。
予備乾燥の後、塗膜を100℃以上、好ましくは110〜170℃、より好ましくは120〜140℃で本乾燥して剥離剤層を設ける。このようにして、紙基材上に剥離剤層を直接設けた剥離基材を得ることができる。
このような乾燥工程において、予備乾燥で加熱する場合、予備乾燥と本乾燥とでは、それぞれ1個ずつ熱乾燥オーブンを用いてもよいし、それぞれ複数の熱乾燥オーブンを用いてもよい。
これに対し、剥離剤塗料の塗膜を100℃以上で予備乾燥した場合、あるいは、塗布工程終了から本乾燥までの間隔が3秒未満であった場合には、シリコーン成分を塗膜表層に充分に移行させることができないため、剥離特性が不十分になる。
本発明の粘着シートは、支持体と、該支持体の少なくとも片面に順次設けられた粘着剤層と剥離基材とを有するものであり、その剥離基材として上述した剥離基材を用いたものである。
支持体の材質に特に制限はなく、例えば、キャストコート紙、アート紙、コート紙、上質紙等の紙類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等からなる高分子フィルム、さらには、蒸着紙、合成紙、布、不織布、金属箔などが目的や用途に応じて使用される。また、これらの支持体の片面または両面に少なくとも一層の他の層が設けられた積層体も使用できる。
また、粘着剤にも特に制限はなく、例えば、アクリル系、ゴム系、ウレタン系などのエマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型粘着剤などが挙げられる。
ここで、粘着剤を塗布する装置としては、例えば、剥離剤塗料を紙基材に塗布する装置と同様のものを使用できる。
本発明の粘着シートでは、上記剥離基材の製造方法で得られた剥離基材を使用しているので、剥離特性に優れる。
<粘着テープ>
本発明の粘着テープは、一方の面が剥離処理された剥離基材と、該剥離基材の他方の面に設けられた粘着剤層とを有するものであり、その剥離基材として上述した剥離基材を用いたものである。この粘着テープは、紙基材の片面に剥離剤塗料が塗布されていること以外は上述した粘着シートと同様であり、剥離特性に優れる。
この粘着テープはロール状で使用に供されるものである。粘着剤としては上述したものと同じものを用いることができる。
粘着テープの製造方法としては、任意の剥離紙の剥離剤層上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設け、この粘着剤層に剥離基材を貼り合わせる転写法、剥離基材の紙基材に直接粘着剤を塗布する直接法が挙げられる。各層を設けた後、得られた粘着テープは巻き回されてロール状にされる。
(実施例1)
シリコーンエマルジョンに水溶性樹脂である完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製、鹸化度98%、重合度500)を固形分で60/40となるように混合し、濃度が20%となるように水で希釈して剥離剤塗料を調製した。
ここで、シリコーンエマルジョンは次のようにして事前に調製したものである。すなわち、容器内全体を攪拌できる錨型攪拌装置と、周縁に小さな歯型突起が上下に交互に設けられている回転可能な円盤とを有する1リットルの複合乳化装置に、ベースポリマーとしてオルガノポリシロキサン(ビニル基含有量0.02モル/100g)を100部、架橋剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(SiH基含有量1.6モル/100g)を4部、乳化用界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルを1部、および鹸化度95%のポリビニルアルコール(10%水溶液)を40部(固形換算;4部)仕込んで均一に攪拌混合した。
この混合物に水10部を添加して転相させ、引き続き30分間攪拌した。その後、追加水を加え、固形分濃度40%のO/W型シリコーンエマルジョンを得た。次に、白金触媒(白金量換算で)20ppmを添加した。
次いで、塗料工程にて、紙基材である市販の上質紙(商品名:0ET50、王子製紙製)の片面に、上記剥離剤塗料をバーコーターにより乾燥重量が3g/m2となるように塗布した。続いて、乾燥工程にて、その剥離剤塗料の塗膜を、温度80℃に設定されたロールサポートタイプの第1の熱乾燥オーブン(長さ10m)で3秒以上予備乾燥してから、温度150℃に設定された第2の熱乾燥オーブン(長さ15m)で本乾燥し、剥離剤層を設けて剥離基材である剥離紙を得た。なお、温度表示ラベル(商品名:サーモラベル、日油技研工業製)で測定した本乾燥時の紙面温度は116℃であった。
バーコーターから熱乾燥オーブンの入口までの経路を迂回させるバイパスロールを設け、実施例1と同様の剥離剤塗料の塗膜が形成された上質紙を、そのバイパスロールを経由させた。その後、温度140℃に設定されたロールサポートタイプの第1の熱乾燥オーブン(長さ15m)内に移送し、引き続き、温度150℃に設定された第2の熱乾燥オーブン(長さ10m)内に移送し、塗膜を乾燥して剥離剤層を設けて剥離紙を得た。その際、剥離剤塗料塗布後から第1の熱乾燥オーブンに入るまでの時間を5秒(加工速度60m/分でバイパス長さ5m)とした。
実施例1の剥離剤塗料において、PVA105の代わりに完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA103、クラレ社製、鹸化度98%、重合度300)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(実施例4)
実施例1の剥離剤塗料において、PVA105の代わりに完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA125、クラレ製、鹸化度98%、重合度2500)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。なお、この例では、塗料粘度が高すぎたため塗料濃度を8%としたが、濃度が薄くなったため乾燥負荷が僅かに増加し、本乾燥時の紙面温度は82℃となった。
実施例1の剥離剤塗料において、PVA105の代わりに部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製、鹸化度88%、重合度500)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(実施例6)
実施例1の剥離剤塗料において、PVA105の代わりに水溶性アクリル樹脂(商品名:SA513、中央理化工業製)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(実施例7)
実施例1の剥離剤塗料において、PVA105の代わりに水溶性ウレタン樹脂(商品名:UX235、旭電化工業製)を使用した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(実施例8)
実施例1における乾燥工程において、温度140℃に設定されたロールサポートタイプの第1の熱乾燥オーブン(長さ10m)と温度150℃に設定された第2の熱乾燥オーブン(長さ15m)で乾燥した以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。なお、この例では、バーコーターから第1の熱乾燥オーブンの入口までにバイパスロールを設けず、塗布終了から3秒未満で紙基材が第1の熱乾燥オーブン内に入るようにした。
実施例1の剥離剤塗料において、シリコーンエマルジョン中のポリオキシエチレンラウリルエーテル量を40部、鹸化度95%のポリビニルアルコール(10%水溶液)の量を10部とした以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(比較例2)
実施例1の剥離剤塗料において、シリコーンエマルジョン中のポリオキシエチレンラウリルエーテル量を10部とし、界面活性剤中のポリビニルアルコールを省いた以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
実施例1の剥離剤塗料において、水溶性樹脂である完全鹸化ポリビニルアルコールを添加しなかった以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
(比較例4)
実施例1において、剥離剤塗料としてシリコーンエマルジョンとポリビニルアルコールとの混合物の代わりに、溶剤系シリコーン剥離剤(商品名:SRX345、東レ・ダウコーニング・シリコーン製)を用いた以外は実施例1と同様にして剥離紙を得た。
<剥離剤塗料の安定性>
剥離剤塗料について常温静置8時間後の状態を観察した。
○:塗料に分離や凝集は認められない。
△:塗料に軽度の分離や凝集が認められるが軽く再攪拌することで使用可能である。
×:塗料に分離や凝集が認められ、再度強攪拌しなければ使用不可である。
<剥離剤層の耐水性>
市販の水性赤インキ希釈液をふくませたウエスで剥離剤層表面を拭き取り、塗膜の染まり具合、ピンホール状況を目視で観察した。
○:塗膜がインキでほとんど染まらない。あるいは塗膜ピンホールはほとんど認められない。
×:塗膜がインキではっきり染まる。あるいは塗膜ピンホールが多く実用上問題がある。
<剥離剤層の耐溶剤性>
市販の油性赤インキ希釈液を含ませたウエスで剥離剤層表面を拭き取り、塗膜の染まり具合、ピンホール状況を目視で観察した。
○:塗膜がインキでほとんど染まらない。あるいは塗膜ピンホールはほとんど認められない。
×:塗膜がインキではっきり染まる。あるいは塗膜ピンホールが多く実用上問題がある。
<剥離力(T−PEEL)>
JIS Z 0237に準じ、ORIENTEC製テンシロン万能試験機RTC−1210を用い、幅25mm、長さ100mmの試験片を剥離速度0.3m/分で剥離して測定した。
ただし、水溶性樹脂として部分鹸化ポリビニルアルコールを使用した実施例5、水溶性アクリル樹脂を使用した実施例6、水溶性ウレタン樹脂を使用した実施例7では、水溶性樹脂として完全鹸化ポリビニルアルコールを使用した実施例1〜4に比べて、やや重剥離力となり、塗膜の耐水性・耐溶剤性もやや低かった。また、予備乾燥を行わない実施例8では剥離特性がやや低かった。さらに、完全鹸化ポリビニルアルコールの重合度が1000を超えていた実施例4では、粘度調整のため余分に水希釈する必要が生じ、結果として紙面温度がやや低くなりシリコーンキュア性が若干劣っていたためやや重剥離力となった。
Claims (5)
- シリコーンエマルジョンおよび水溶性樹脂を含む剥離剤塗料が紙基材に塗布された剥離基材において、
シリコーンエマルジョンは、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものであることを特徴とする剥離基材。 - 紙基材の少なくとも片面にシリコーンエマルジョンと水溶性樹脂とを含む剥離剤塗料を塗布する塗布工程と、塗布工程後に剥離剤塗料の塗膜を100℃未満で予備乾燥してから100℃以上で本乾燥する乾燥工程とを有する剥離基材の製造方法であって、
シリコーンエマルジョンとして、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものを用いることを特徴とする剥離基材の製造方法。 - 紙基材の片面にシリコーンエマルジョンと水溶性樹脂とを含む剥離剤塗料を塗布する塗布工程と、塗布工程終了から3秒以上経過した後に、剥離剤塗料の塗膜を100℃以上で本乾燥する乾燥工程とを有する剥離基材の製造方法であって、
シリコーンエマルジョンとして、(I)1分子中にアルケニル基を2個以上持つオルガノポリシロキサン100質量部と、(II)1分子中にケイ素原子と直接結合した水素原子を少なくとも1個持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜30質量部とが、ポリビニルアルコールを70質量%以上含む乳化用界面活性剤で乳化されたものを用いることを特徴とする剥離基材の製造方法。 - 支持体と、該支持体の少なくとも片面に順次設けられた粘着剤層と、剥離基材とを有する粘着シートであって、
前記剥離基材が請求項1に記載の剥離基材であることを特徴とすることを特徴とする粘着シート。 - 一方の面が剥離処理された剥離基材と、該剥離基材の他方の面に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、
前記剥離基材が請求項1に記載の剥離基材であることを特徴とする粘着テープ。
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