[go: up one dir, main page]

JP4449927B2 - 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法 - Google Patents

車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4449927B2
JP4449927B2 JP2006068034A JP2006068034A JP4449927B2 JP 4449927 B2 JP4449927 B2 JP 4449927B2 JP 2006068034 A JP2006068034 A JP 2006068034A JP 2006068034 A JP2006068034 A JP 2006068034A JP 4449927 B2 JP4449927 B2 JP 4449927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
motor
target
engine speed
driving force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006068034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007245770A (ja
Inventor
武志 藤田
裕之 上松
廣人 中嶋
幸人 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006068034A priority Critical patent/JP4449927B2/ja
Publication of JP2007245770A publication Critical patent/JP2007245770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4449927B2 publication Critical patent/JP4449927B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、エンジンによって発電モータを駆動することにより生成した電力を用いて、駆動モータに車輪を駆動させる車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法に関する。
従来より、エンジンによって発電モータを駆動することにより生成した電力を用いて、駆動モータに車輪を駆動させる車両(以下、「シリーズ式ハイブリッド車」という。)のエンジン回転数目標値は、例えば特許文献1に開示されているように、発電効率が最も高くなるような所定回転数、すなわち概ねエンジン出力が最も効率が良い回転数とされている。
特開平11-252709号公報
前記特許文献1に開示の技術によれば、路面摩擦係数が低い路面では、トラクションコントロールや車両ヨーコントロール等の駆動操作制御(走行制御)の作動により、駆動出力の変動が大きくなり、これによりエンジン回転数も大きく変動する。このようなエンジン回転数の大きな変動が、車体の振動を大きくして、乗員に不快感を与えてしまうという課題があった。
本発明の課題は、駆動操作制御の作動時に、エンジン回転数が大きく変動するのを抑制できるようにすることである。
前記課題を解決するために、本発明は、
エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータと、運転操作に基づいて車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、エンジンの回転数の目標値を算出し、その算出した目標値に前記エンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、を備え、前記エンジン回転数制御手段が、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴としている。
また、本発明は、
エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータと、運転操作に基づいて車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するように前記エンジンの回転数を制御することを特徴としている。
本発明によれば、運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、駆動モータの駆動力の変動へのエンジンの回転数の追従を抑制するようにエンジンの回転数の目標値を算出することで、車両の走行制御に起因する駆動モータによる駆動力変動に連動して実エンジン回転数が変動するのを抑制して、エンジン回転数の振動を抑制できる。
また、本発明によれば、運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するようにエンジンの回転数を制御することで、車両の走行制御に起因する駆動モータによる駆動力変動時に、エンジン回転数の振動を抑制できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態は、本発明を適用した車両用駆動制御装置を搭載したシリーズ式ハイブリット車両である。
(構成)
図1は、その車両の構成を示す。
図1に示すように、この車両には、各車輪1a,1b,1c,1dそれぞれに駆動モータ2a,2b,2c,2dが取り付けられており、各車輪1a〜1dが駆動モータ2a〜2dにより回転駆動されるようになっている。また、この車両では、燃料により駆動される発電用エンジン4の出力トルクにより発電モータ5が発電をしており、駆動モータ2a〜2dは、発電モータ5から供給される電力により、システム制御部3で算出される駆動出力値(目標駆動力)を発生する。
また、この車両は、各車輪1a〜1dの車輪回転数を検出する、すなわち車両速度を検出する車輪速検出部6a,6b,6c,6dを搭載している。車輪速検出部6a〜6dの検出値は、システム制御部3に入力される。
また、この車両は、運転者(操縦者)による図示しないアクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出部7を搭載している。アクセルペダル操作量検出部7の検出値は、システム制御部3に入力される。
また、この車両は、システムの電源電圧を検出する電圧検出部8を搭載している。さらに、この車両は、2次バッテリ9を搭載している。この車両では、2次バッテリ9により発電モータ5の発電電力を補正している。例えば、2次バッテリ9は、余剰電力が充電されたり、充電された電力により駆動モータ2a〜2dを駆動したりする。
システム制御部3は、車輪速検出部6a〜6dからの入力値(車輪速信号)とアクセルペダル操作量検出部7からの入力値(アクセル操作量信号)とに基づいて駆動出力値を算出する。
図2は、車両の構成を制御機能として示す図である。
図2に示すように、制御機能として示す車両は、トルク指令演算部21、トラクションコントロール部22、減算部23、発電制御部24、エンジン制御部25、駆動モータ26(駆動モータ2a〜2d)、発電モータ27(発電モータ5)及び発電用エンジン28(発電用エンジン4)を備える。例えば、トルク指令演算部21、トラクションコントロール部22、減算部23、発電制御部24及びエンジン制御部25によりシステム制御部3が構成されている。
このような構成において、トルク指令演算部21には、アクセルペダル操作量検出部7からのアクセル操作量信号Si1と、車輪速検出部6a〜6dからの車輪速信号Si2とが入力されており、トルク指令演算部21は、これら入力信号Si1,Si2に基づいて、各車輪1a〜1d(駆動モータ2a〜2d)の駆動出力値(トルク指令値又は目標制動力)を算出する。
なお、同図のトルク指令演算部21内の特性図は、スロットル開度をパラメータとした、車速とトルクとの関係を示すテーブルであり、トルク指令演算部21は、このようなテーブルを参照して、入力信号Si1,Si2に基づいて、駆動出力値(トルク指令値)Si3を算出する。トルク指令演算部21は、算出した駆動出力値Si3を発電制御部24、エンジン制御部25及び駆動モータ26に出力する。
ここで、トルク指令演算部21が算出した駆動出力値Si3は、具体的には、減算部23を介して発電制御部24、エンジン制御部25及び駆動モータ26に出力される。
発電制御部24は、入力された駆動出力値Si3に基づいて発電出力値(発電指令値)Si4を算出し、その算出した発電出力値Si4を発電モータ27に出力する(発電出力値Si4に基づいて発電モータ27を制御する)。また、エンジン制御部25では、入力された駆動出力値Si3に基づいてエンジン回転数目標値(出力指令値、目標エンジン回転数)Si5を算出し、その算出したエンジン回転数目標値Si5を発電用エンジン28に出力する(エンジン回転数目標値Si5に基づいて発電用エンジン28を制御する)。
エンジン制御部25は、例えば、エンジン目標回転数(エンジン回転数目標値)となるように、現在のエンジン回転数である現エンジン回転数(実エンジン回転数)と目標エンジン回転数との差分に比例したスロットル量を管理する比例制御部や、現エンジン回転数と目標エンジン回転数との差分の積算量に応じたスロットル量を管理する積分制御部や、現エンジン回転数と目標エンジン回転数との時間的偏差量に応じたスロットル量を管理する微分制御部により構成されている。これにより、比例制御部、積分制御部及び微分制御部で管理するそれぞれのスロットル量の総和をエンジンスロットル量とすることで、現エンジン回転数を目標エンジン回転数にしている。このエンジン制御部25は、発電モータ27の負荷、すなわち駆動モータ26の駆動状態と独立して、発電用エンジン28を制御可能な構成となっている。なお、エンジン制御部25の処理ついては後で詳述する。
駆動モータ26は、トルク指令演算部21から出力される駆動出力値Si3となるように、その駆動制御がなされる。その一方で、発電モータ27は、発電制御部24から出力される発電出力値Si4となるように、その駆動制御がなされるとともに、発電用エンジン28は、エンジン制御部25から出力されるエンジン回転数目標値Si5となるように、そのエンジン回転数が制御される。
トラクションコントロール部22は、TCS(Traction Control System)を実現する構成であり、車輪が空転した場合、例えば車輪速信号値Si2に基づいて車輪の空転を判定した場合、駆動モータ26の駆動(車輪の駆動)を抑制するために、減算用駆動出力値Si6を算出し、その算出した減算用駆動出力値Si6を減算部23に出力する。例えば、トラクションコントロール部22は、車輪が空転していない場合、減算用駆動出力値を0として出力している。
減算部23では、トルク指令演算部21から入力される値、すなわち、アクセル操作量信号Si1と車輪速信号Si2とに基づいて算出した駆動出力値Si3から、トラクションコントロール部22から入力される減算用駆動出力値Si6を減算する。そして、減算部23で算出した減算値は、駆動出力値Si3として、発電制御部24、エンジン制御部25及び駆動モータ26に入力される。
図3は、エンジン制御部25の処理手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、処理を開始すると(演算結果として駆動出力値Si3が入力されると)、エンジン制御部25は、ステップS1において、トラクションコントロールが現在作動中か否かを判定する。すなわち、エンジン制御部25は、トラクションコントロールといった車両の走行制御に起因して駆動モータ26による駆動力変動があるか否かを判定する。ここで、エンジン制御部25は、トラクションコントロールが現在作動中の場合、ステップS2に進み、トラクションコントロールが現在作動中でない場合、ステップS6に進む。
ステップS6では、エンジン制御部25は、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出する。そして、エンジン制御部25は、ステップS5に進む。
ステップS2では、エンジン制御部25には、現エンジン回転数(実エンジン回転数)が入力される。
続いてステップS3において、エンジン制御部25は、現エンジン回転数の応答特性に対応するLPF(ローパスフィルタ、図2に示すLPF25a)を算出する。具体的には、システム制御部3には、エンジン回転数と回転応答特性との関係を示すテーブルが記憶されており、エンジン制御部25は、そのテーブルを参照して、前記ステップS3で入力された現エンジン回転数に対応する回転応答特性を算出し、その算出した回転応答特性に基づいて、LPFを算出する(選択する)。
ここで、前記テーブル(エンジン回転数と回転応答特性との関係)は、エンジン回転数が高くなるほど、回転応答特性が高くなっており、これにより、LPFは、現エンジン回転数が高くなるほど、高い周波数特性を持つようになっている。
続いてステップS4において、エンジン制御部25は、前記ステップS3で算出したLPFでエンジン回転数目標値をフィルタリングする。ここで、エンジン制御部25は、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出しており、その算出したエンジン回転数目標値をLPFでフィルタリングする。
ここで、当該ステップS4の処理が実施される場合とは、前記ステップS1においてトラクションコントロールが現在作動中とされた場合(当該ステップS1の判定で“Yes”の場合)であるから、駆動出力値が変動しており、これにより、エンジン回転数目標値も変動する。ステップS4では、このように変動するエンジン回転数目標値をLPFでフィルタリングしている。
続くステップS5において、エンジン制御部25は、エンジン回転数目標値を発電用エンジンに出力する(エンジン出力指令をする)。そして、エンジン制御部25は、当該図3に示す処理を終了する(前記ステップS1から再び処理を開始する)。
ここで、エンジン制御部25は、前記ステップS1において、トラクションコントロールが現在作動中でないとされた場合(前記ステップS1の判定で“No”の場合)、駆動出力値に基づいて算出したエンジン回転数目標値(前記ステップS6)を発電用エンジン28に出力し、前記ステップS1において、トラクションコントロールが現在作動中とされた場合(前記ステップS1の判定で“Yes”の場合)、LPFでフィルタリングしたエンジン回転数目標値(前記ステップS2〜ステップS2)を発電用エンジン28に出力する。
(動作)
次に動作を説明する。
この車両(車両用駆動制御装置)では、発電用エンジン4の出力トルクにより発電モータ5で発電し、その発電した電力により駆動モータ2a〜2dを駆動して、システム制御部3で算出される駆動出力値を発生させる。
すなわち、トルク指令演算部21が、アクセル操作量信号Si1と車輪速信号Si2とに基づいて駆動出力値を算出する。そして、発電制御部24が、トルク指令演算部21が算出した駆動出力値に基づいて発電出力値を算出し、その算出した発電出力値を発電モータ27に出力する。発電モータ27は、その発電出力値となるように駆動される。そして、駆動モータ2a〜2dは、発電モータ27がその発電出力値となるように発電した電力が供給されて、トルク指令演算部21が算出した駆動出力値となるように駆動される。
また、トラクションコントロール部22は、車輪が空転した場合、減算部23に減算用駆動出力値(>0)を出力して、駆動出力値から減算用駆動出力値を減算することで、駆動モータ26の駆動を抑制している。これにより、車輪の空転が抑制される。
一方、エンジン制御部25が、トラクションコントロールが現在作動中でないと判断した場合、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出し(前記ステップS1の判定で“No”の場合、ステップS6)、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、当該判断時点の現エンジン回転数に対応するLPFでフィルタリングしたエンジン回転数目標値を算出する(前記ステップS2〜ステップS5)。そして、発電用エンジン28は、そのようにトラクションコントロールの作動の有無に応じて算出したエンジン回転数目標値となるように制御される。
(作用)
次に作用を説明する。
トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、当該判断時点の現エンジン回転数に対応するLPFでエンジン回転数目標値をフィルタリングしている。トラクショコントロールが作動している場合、駆動出力値が変動することでエンジン回転数目標値も変動するが、LPFによるフィルタリングにより、エンジン回転数目標値は概ね平滑化される。そして、エンジン回転数目標値に基づいて発電用エンジン28の回転数が制御されているから、この結果、発電用エンジン28の回転数も概ね平滑化される。これにより、トラクションコントロールが作動中のエンジン回転数の振動を、最適なタイミングで抑制でき、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。
このとき、フィルタリングに用いるLPFを現エンジン回転数(回転応答特性)に対応させている。これにより、適用エンジンの応答特性が、そのようなエンジン回転数目標値の平滑化、つまり発電用エンジン28の回転数の平滑化に反映されるので、発電用エンジン28の回転数は、当該回転数の応答特性に適合して平滑化されたものになる。すなわち、現エンジン回転数とエンジン回転数目標値とは定性的には同様な特性を有することになるから、現エンジン回転数の応答特性に基づいて、エンジン回転数目標値をフィルタリングするLPFを選択することで、発電用エンジン28の回転数を当該回転数の応答特性に適合して平滑化することができる。また、LPFといった簡単な構成で発電用エンジン28の回転数を平滑化できる。
なお、次のような構成により本発明を実現することもできる。
すなわち、前記第1の実施形態では、エンジン回転数目標値を平滑化して、エンジン回転数(実エンジン回転数)の振動を抑制している。これに対して、他のパラメータ(エンジン回転数目標値の決定事項)を補正して(エンジン回転数目標値の決定要素を変更して)、その結果として、エンジン回転数目標値を平滑化することもできる。例えば、アクセルの踏み込みが強すぎてTCSが作動する場合等には、当該TCSの作動条件となるアクセルの踏み込み量の検出値を補正する。ここで、アクセルの踏み込み量の検出値を補正、具体的には、TCSが作動し難くなる方向にアクセルの踏み込み量の検出値を補正する。このようにすることで、TCSの作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
また、ブレーキの踏み込みが強すぎてABS(Anti-lock Brake System)が作動する場合等には、当該ABSの作動条件となるブレーキの踏み込み量の検出値を補正する。ここで、車輪の制動力が変動することで、車輪への入力が変化するので、エンジンの負荷が変動し、この結果、エンジン回転数目標値、すなわちエンジン回転数が変動する。すなわち、ABSにより車輪の制動力が変動すると、結果として、エンジン回転数が変動する。このようなことから、ブレーキの踏み込み量の検出値を補正、具体的には、ABSが作動し難くなる方向にアクセルの踏み込み量の検出値を補正する。このようにすることで、ABSの作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
また、操舵によってタイヤが滑りやすい状態になっている場合等には、操舵量を補正する。例えば、前述のTCSやABS等の走行制御では、操舵量に基づいて制御を行っている場合がある。よって、操舵量が変動すれば、その分、TCSやABS等の走行制御の作動機会が増加する。このようなことから、操舵量を補正、具体的には、TCSやABS等の走行制御が作動し難くなる方向に操舵量を補正する。このようにすることで、TCSやABS等の走行制御の作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
また、路面μあるいはタイヤの滑りを検出し、TCSやABSを作動させる場合には、当該TCSやABSの作動条件となる路面μの検出値やタイヤのすべり量の検出値自体を補正する。具体的には、TCSやABSが作動し難くなる方向にそれら検出値を補正する。このようにすることで、TCSやABSの作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
また、TCSを作動させる場合、駆動力(目標駆動力である駆動出力値)の要求値自体を補正する。これらの場合にも、結果として、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
ここで、図4は、エンジン回転数目標値及び実エンジン回転数の経時変化を示す。そして、同図(a)は、従来の場合の各値の経時変化を示し、同図(b)は、本発明を適用した場合の各値の経時変化を示す。ここで、本発明を適用した場合とは、LPFによりエンジン回転数目標値をフィルタリングした場合である。
この図4に示すように、本発明を適用することで、エンジン回転数目標値の振動が抑制されるようになり、これにより、実エンジン回転数の振動も抑制されるようになる。
なお、前記第1の実施形態の説明において、発電モータ5(発電モータ27)は、エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータを実現しており、駆動モータ2a〜2d(駆動モータ26)は、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータを実現しており、トルク指令演算部21は、車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段を実現しており、エンジン制御部25は、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、エンジンの回転数の目標値を算出し、その算出した目標値に前記エンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段を実現しており、トラクションコントロール部22及び減算部23は、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段を実現しており、前記エンジン回転数制御手段が、車両の走行制御に起因する前記駆動モータによる駆動力変動時に、前記目標値を平滑化することを実現している。また、LPF25aは、前記駆動力変動時の実エンジン回転数の応答特性に対応するローパスフィルタを実現している。
(効果)
(1)車両の走行制御に起因する駆動モータによる駆動力変動時に、エンジンの回転数の目標値を平滑化するエンジン回転数制御手段を備える。これにより、車両の走行制御が作動中、実エンジン回転数を概ね平滑化できるので、エンジン回転数の振動を抑制でき、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。
(2)前記エンジン回転数制御手段は、前記駆動力変動時の実エンジン回転数に応じた特性にしたローパスフィルタにより前記目標値を平滑化する。実エンジン回転数と目標値とは定性的には同様な特性を有することになるから、実エンジン回転数に応じた特性にしたローパスフィルタにより目標値を平滑化することで、当該目標値の変動に適合したローパスフィルタにより平滑化を行うことができる。また、LPFといった簡単な構成で目標値を平滑化できる。
(3)エンジン回転数制御手段は、駆動力変動時の実エンジン回転数の応答特性に対応するローパスフィルタにより前記目標値を平滑化する。これにより、実エンジン回転数と目標値とは応答特性の面で同様な特性を有することになるから、実エンジン回転数の応答特性に対応するローパスフィルタにより目標値を平滑化することで、当該目標値の変動に適合したローパスフィルタにより平滑化を行うことができる。また、LPFといった簡単な構成で目標値を平滑化できる。
(4)車両の走行制御がトラクションコントロールである。トラクションコントロールの駆動力制御に起因してエンジン回転数が振動するが、そのようなトラクションコントロールの駆動力制御に起因するエンジン回転数の振動を最適タイミングで抑制できる。
(5)前記エンジン回転数制御手段は、前記目標値の決定要素を変更して、前記目標値の平滑化を行う。結果として、エンジン回転数の振動を抑制できる。
(6)前記目標値の決定要素は、前記目標駆動力である。結果として、エンジン回転数の振動を抑制できる。
(7)前記車両の走行制御は、トラクションコントロールであり、前記目標値の決定要素は、当該トラクションコントロールの作動条件である。これにより、トラクションコントロールの作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
(8)前記車両の走行制御は、ABS(Anti-lock Brake System)であり、前記目標値の決定要素は、当該ABSの作動条件である。これにより、ABSの作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
(9)前記車両の走行制御は、操舵量に基づいて制御されるものであり、前記目標値の決定要素は、前記操舵量である。これにより、TCSやABS等の走行制御の作動を抑制できるので、この結果、エンジン回転数目標値を平滑化することができ、エンジン回転数の振動を抑制できる。
(10)エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータと、車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、車両の走行制御に起因する前記駆動モータによる駆動力変動時に、当該駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するように前記エンジンの回転数を制御する。これにより、車両の走行制御が作動中、エンジン回転数を概ね平滑化できるので、エンジン回転数の振動を抑制可能な車両用駆動制御装置とすることができる。
(11)発動するエンジンと、前記エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電する電力を用いて駆動される駆動モータと、前記エンジン、前記発電モータ及び前記駆動モータが設置される車体と、前記車体に連結され、前記駆動モータにより駆動される車輪と、前記車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御する制御手段と、走行状態を制御する走行制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記走行制御手段の制御による前記駆動モータの駆動力変動時に、当該駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するように前記エンジンの回転数を制御する。これにより、車両の走行制御が作動中、エンジン回転数を概ね平滑化できるので、エンジン回転数の振動を抑制可能な自動車とすることができる。
(12)エンジンにより発電モータを発電して、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動モータにより駆動しており、車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御するものであり、車両の走行制御に起因する前記駆動モータによる駆動力変動時に、前記目標値を平滑化する。これにより、車両の走行制御が作動中、エンジン回転数を概ね平滑化できるので、エンジン回転数の振動を抑制可能な車両用駆動制御方法とすることができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態も、本発明を適用したシリーズ式ハイブリット車両である。
(構成)
第2の実施形態の車両の構成は、第1の実施形態の車両と同様に、前記図1に示すような構成になっている。この第2の実施形態では、発電制御部24及びエンジン制御部25が前記第1の実施形態における処理と異なる処理を行っている。
先ず、第2の実施形態におけるエンジン制御部25の処理を説明する。
図5は、エンジン制御部25の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、処理を開始すると(演算結果として駆動出力値Si3が入力されると)、エンジン制御部25は、ステップS11において、トラクションコントロールが現在作動中か否かを判定する。ここで、エンジン制御部25は、トラクションコントロールが現在作動中の場合、ステップS12に進み、トラクションコントロールが現在作動中でない場合、ステップS15に進む。
ステップS15では、エンジン制御部25は、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出する。そして、エンジン制御部25は、ステップS14に進む。
また、ステップS12では、エンジン制御部25は、前記ステップS15と同様に、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出する。
続いてステップS13において、エンジン制御部25は、エンジン回転数目標値の加算のみを適用する。すなわち、エンジン制御部25は、前記ステップS12で算出した駆動出力値に基づくエンジン回転数目標値の上昇のみを許可する。例えば、エンジン制御部25は、前記ステップS12で算出した今回のエンジン回転数目標値が、前回のエンジン回転数目標値以下であれば、前回のエンジン回転数目標値を維持し、前記ステップS12で算出した今回のエンジン回転数目標値が、前回のエンジン回転数目標値よりも大きければ、今回のエンジン回転数目標値を採用する。これにより、エンジン回転数目標値の変化は、極大値を結んだ線でできる包絡線として示される。そして、エンジン制御部25は、ステップS14に進む。
ステップS14では、エンジン制御部25は、エンジン回転数目標値を発電用エンジンに出力する(エンジン出力指令をする)。そして、エンジン制御部25は、当該図5に示す処理を終了する(前記ステップS11から再び処理を開始する)。
ここで、エンジン制御部25は、前記ステップS11において、トラクションコントロールが現在作動中でないとされた場合(前記ステップS11の判定で“No”の場合)、駆動出力値に基づいて算出したエンジン回転数目標値(前記ステップS15)を発電用エンジン28に出力し、前記ステップS11において、トラクションコントロールが現在作動中とされた場合(前記ステップS11の判定で“Yes”の場合)、加算のみを適用したエンジン回転数目標値(前記ステップS12、ステップS13)を発電用エンジン28に出力する。
続いて、第2の実施形態における発電制御部24の処理を説明する。
図6は、発電制御部24の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、処理を開始すると(演算結果として駆動出力値Si3が入力されると)、発電制御部24は、ステップS21において、トラクションコントロールが現在作動中か否かを判定する。ここで、発電制御部24は、トラクションコントロールが現在作動中の場合、ステップS22に進み、トラクションコントロールが現在作動中でない場合、ステップS26に進む。
ステップS26では、発電制御部24は、駆動出力値に基づいて発電出力値(必要発電出力)を算出する。そして、エンジン制御部25は、ステップS25に進む。
ステップS22では、発電制御部24は、前記ステップS22と同様に、駆動出力値に基づいて発電出力値(必要発電出力)を算出する。
続いてステップS23において、発電制御部24は、発電出力値(必要発電出力)の加算のみを適用した場合の上昇システム電圧値が許容システム電圧値未満か否かを判定する。
ここでは、先ず発電制御部24は、前記ステップS22で算出した発電出力値に基づいて、上昇システム電圧値(又は上昇システム電力値)を算出する。
ここで、上昇システム電圧値(又は上昇システム電力値)は、前記ステップS22で算出した発電出力値が発電モータ27に入力されたことによる上昇後のシステム電圧値(又は上昇後のシステム電力値)である。また、許容システム電圧値とは、電力供給系統(電力消費系統)の許容電圧値(又は許容電力値)であり、例えば、本実施形態のように車両が2次バッテリ9を搭載している場合には、当該2次バッテリ9の蓄電可能電圧値(又は蓄電可能電力)となる。
次に、発電制御部24は、そのように算出した上昇システム電圧値(又は上昇システム電力値)が許容システム電圧値(又は許容システム電力値)未満か否かを判定する。ここで、発電制御部24は、上昇システム電圧値が許容システム電圧値未満の場合、ステップS24に進み、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上の場合、ステップS25に進む。
ステップS24では、発電制御部24は、エンジン回転数目標値の加算のみを適用する。すなわち、発電制御部24は、前記ステップS22で算出した駆動出力値に基づく発電出力値の上昇のみを許可する。例えば、発電制御部24は、前記ステップS22で算出した今回の発電出力値が、前回の発電出力値以下であれば、前回の発電出力値を維持し、前記ステップS22で算出した今回の発電出力値が、前回の発電出力値よりも大きければ、今回の発電出力値を採用する。そして、発電制御部24は、ステップS25に進む。
なお、ここで、前記ステップS23の判定処理との関係から、今回の発電出力値を採用した場合の当該発電出力値は、上昇システム電圧値が許容システム電圧値未満であることを満たす値になっている。
ステップS25では、発電制御部24は、発電出力値を発電モータ27に出力する(発電出力指令をする)。
ここで、発電制御部24は、前記ステップS21において、トラクションコントロールが現在作動中でないとされた場合(前記ステップS21の判定で“No”の場合)、駆動出力値に基づいて算出した発電出力値(前記ステップS26)を発電モータ27に出力し、前記ステップS21において、トラクションコントロールが現在作動中とされた場合(前記ステップS21の判定で“Yes”の場合)、加算のみを適用した発電出力値(前記ステップS22、ステップS24)を発電モータ27に出力する。また、発電制御部24は、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上となる場合には(前記ステップS23の判定で“No”の場合)、加算のみを適用することのない発電出力値、すなわち、駆動出力値に基づいて算出した発電出力値(前記ステップS22)を発電モータ27に出力する。
(動作)
次に動作を説明する。
この車両(車両用駆動制御装置)では、前記第1の実施形態と同様に、発電用エンジン4の出力トルクにより発電モータ5で発電し、その発電した電力により駆動モータ2a〜2dを駆動して、システム制御部3で算出される駆動出力値を発生させる。また、トラクションコントロール部22は、車輪が空転した場合、減算部23に減算用駆動出力値を出力して、駆動出力値から減算用駆動出力値を減算することで、駆動モータ26の駆動を抑制している。これにより、車輪の空転が抑制される。
そして、第2の実施形態では、エンジン制御部25が、トラクションコントロールが現在作動中でないと判断した場合、駆動出力値に基づいてエンジン回転数目標値を算出し(前記ステップS11の判定で“No”の場合、ステップS15)、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、加算のみを適用したエンジン回転数目標値を算出する(前記ステップS11の判定で“Yes”の場合、ステップS12、ステップS13)。そして、発電用エンジン28は、そのようにトラクションコントロールの作動の有無に応じて算出したエンジン回転数目標値となるように制御される。
さらに、第2の実施形態では、発電制御部24が、トラクションコントロールが現在作動中でないと判断した場合、駆動出力値に基づいて発電出力値を算出し(前記ステップS21の判定で“No”の場合、ステップS26)、また、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上とらない限り、加算のみを適用した発電出力値を算出し(前記ステップS21の判定で“Yes”の場合、ステップS22、前記ステップS23の判定で“Yes”、ステップS24)、また、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合でも、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上となる場合、駆動出力値に基づいて発電出力値を算出する(前記ステップS21の判定で“Yes”の場合、ステップS22、前記ステップS23の判定で“No”の場合)。そして、発電モータ27は、そのようにトラクションコントロールの作動の有無及び上昇システム電圧値に応じて算出した発電出力値となるように制御される。
(作用)
次に作用を説明する。
トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、加算のみを適用したエンジン回転数目標値にしている。これにより、エンジン制御部25が算出するエンジン回転数目標値は、トラクションコントロールが現在作動中、減少方向に変化することはなく、増加方向にのみ変化するようになり、これにより概ね平滑化されたものになる。そして、エンジン回転数目標値に基づいて発電用エンジン28の回転数が制御されているから、この結果、発電用エンジン28の回転数も概ね平滑化される。これにより、トラクションコントロールが作動中のエンジン回転数の振動を、最適なタイミングで抑制でき、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。また、エンジン回転数目標値の増加のみを許容するといった簡単な制御で当該エンジン回転数目標値を概ね平滑化できる。
また、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上とならない限り、加算のみを適用した発電出力値にしている。これにより、発電制御部24が算出する発電出力値は、トラクションコントロールが現在作動中、減少方向に変化することはなく、増加方向にのみ変化するようになり、エンジン回転数目標値と同様に、概ね平滑化されたものになる。そして、発電出力値により発電モータ27の出力が制御され、その発電モータ27の出力の変化により、発電用エンジン28の出力(負荷)も変化するようになっているから、発電出力値が平滑化されることで、発電用エンジン28の回転数も平滑化される。これにより、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。また、発電モータ27の出力の増加のみを許容するといった簡単な制御で当該発電モータ27の出力を平滑化できる。
ここで、通常、駆動出力値に基づいて算出した発電出力値で発電モータ27を制御した場合、当該発電モータ27による発電電力は、同じく駆動出力値に基づいて制御されている駆動モータ2a〜2dで電力消費されるので、2次バッテリ9に蓄電されていくことはない。しかし、加算のみを適用した発電出力値にした場合、発電出力値は常に増加するようになるから、当該発電出力値で制御した発電モータ27による発電電力は、駆動出力値に基づいて制御されている駆動モータ2a〜2dで電力消費しきれなくなり、その余剰電力が2次バッテリ9に蓄電されていくことになる。この場合、上昇システム電圧値(例えば、前記余剰電力により増加した2次バッテリ9の蓄電電力)が許容システム電圧値(例えば、2次バッテリ9の蓄電可能電力)以上になってしまう場合がある。
このようなことから、トラクションコントロールが現在作動中と判断した場合でも、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上になるような場合には、加算のみを適用した発電出力値の算出から、駆動出力値に基づいた発電出力値の算出に切り換えている。これにより、通常時と同様に、発電モータ27による発電電力のほぼ全てを、駆動モータ2a〜2dで電力消費するようにして、上昇システム電圧値が許容システム電圧値以上になってしまうのを防止できる。これにより、発電モータ27の出力を増加させることだけを行った場合のシステム電圧値が許容システム電圧値を越えることによる不具合、例えばシステムダウンが発生してしまうのを防止できる。
なお、前記第2の実施形態の説明において、発電制御部24は、目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記発電モータを制御する発電モータ制御手段を実現している。
(効果)
(1)エンジン回転数制御手段は、目標値の増加のみを許容して目標値の平滑化を行う。これにより、目標値を概ね平滑化できる、或いは目標値の偏差を抑制できる。これにより、車両の走行制御が作動中のエンジン回転数の振動を抑制でき、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。さらに、目標値の増加のみを許容するといった簡単な制御で目標値を概ね平滑化できる。
(2)発電モータ制御手段は、車両の走行制御に起因する駆動モータによる駆動力変動時に、発電モータの出力を平滑化する。これにより、発電モータの出力に応じて変化するエンジン回転数の振動を抑制でき、車体の振動や乗員の不快感を低減できる。
(3)発電モータ制御手段は、発電モータの出力の増加のみを許容して発電モータの出力の平滑化を行う。これにより、発電モータの出力の増加のみを許容するといった簡単な制御で発電モータの出力を平滑化できる。
(4)発電モータ制御手段は、発電モータの出力を増加させることだけを行った場合のシステム電力量が許容システム電力量を越えないことを限度に、当該発電モータの出力を増加させている。これにより、発電モータの出力を増加させることだけを行った場合のシステム電力量が許容システム電力量を越えることによる不具合、例えばシステムダウンが発生してしまうのを防止できる。
本発明の第1の実施形態の車両の構成を示す図である。 前記車両の構成を制御機能として示す図である。 エンジン制御部の処理手順を示すフローチャートである。 エンジン回転数目標値及び実エンジン回転数の経時変化を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態におけるエンジン制御部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における発電制御部の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1a,1b,1c,1d 車輪、2a,2b,2c,2d 駆動モータ、3 システム制御部、4 発電用エンジン、5 発電モータ、6a,6b,6c,6d 車輪速検出部、7 アクセルペダル操作量検出部、8 電圧検出部 、9 2次バッテリ、21 トルク指令演算部、22 トラクションコントロール部、23 減算部、24 発電制御部、25 エンジン制御部、25a LPF(ローパスフィルタ)、26 駆動モータ、27 発電モータ、28 発電用エンジン

Claims (15)

  1. エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータと、運転操作に基づいて車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、エンジンの回転数の目標値を算出し、その算出した目標値に前記エンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、を備え、
    前記エンジン回転数制御手段は、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする車両用駆動制御装置。
  2. 前記エンジン回転数制御手段は、前記駆動モータの駆動力変動時の実エンジン回転数に応じた特性にしたローパスフィルタにより前記エンジンの回転数の目標値を平滑化して前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  3. 前記エンジン回転数制御手段は、前記駆動モータの駆動力変動時の実エンジン回転数の応答特性に対応するローパスフィルタにより前記エンジンの回転数の目標値を平滑化して前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動制御装置。
  4. 前記エンジン回転数制御手段は、前記エンジンの回転数の目標値の増加のみを許容して前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  5. 前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないときとは、トラクションコントロールの作動時であること特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  6. 前記エンジン回転数制御手段は、前記目標駆動力を変更することで、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  7. 前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないときとは、トラクションコントロールが作動するときであり、当該トラクションコントロールの作動条件を変更することで、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  8. 前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないときとは、ABS(Anti-lock Brake System) が作動するときであり、当該ABSの作動条件を変更することで、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  9. 舵量を変更することで、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両用駆動制御装置。
  10. 前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記発電モータを制御する発電モータ制御手段を備え、前記発電モータ制御手段は、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記発電モータの出力を平滑化することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  11. 前記発電モータ制御手段は、前記発電モータの出力の増加のみを許容して前記発電モータの出力の平滑化を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  12. 前記発電モータ制御手段は、前記発電モータの出力を増加させることだけを行った場合のシステム電力量が許容システム電力量を越えないことを限度に、当該発電モータの出力を増加させることだけを許可することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  13. エンジンの出力軸に接続され、当該エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動する駆動モータと、運転操作に基づいて車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するように前記エンジンの回転数を制御することを特徴とする車両用駆動制御装置。
  14. 発動するエンジンと、前記エンジンにより駆動されて発電する発電モータと、前記発電モータが発電する電力を用いて駆動される駆動モータと、前記エンジン、前記発電モータ及び前記駆動モータが設置される車体と、前記車体に連結され、前記駆動モータにより駆動される車輪と、運転操作に基づいて前記車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力算出手段が算出した目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御する制御手段と、走行状態を制御する走行制御手段と、を備え
    前記制御手段は、前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力変動への追従を抑制するように前記エンジンの回転数を制御することを特徴とする自動車。
  15. エンジンにより発電モータを発電して、前記発電モータが発電した電力を用いて、車輪を駆動モータにより駆動しており、運転操作を基に算出した車輪に目標の駆動力を出力させるための目標駆動力に基づいて、前記エンジン及び駆動モータを制御するものであり、
    前記エンジンの回転数は、前記目標駆動力を基に算出される目標値に基づいて制御されており、
    前記運転操作に対応した目標駆動力が算出されないとき、前記駆動モータの駆動力の変動への前記エンジンの回転数の追従を抑制するように前記エンジンの回転数の目標値を算出することを特徴とする車両用駆動制御方法。
JP2006068034A 2006-03-13 2006-03-13 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法 Active JP4449927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006068034A JP4449927B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006068034A JP4449927B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007245770A JP2007245770A (ja) 2007-09-27
JP4449927B2 true JP4449927B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=38590520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006068034A Active JP4449927B2 (ja) 2006-03-13 2006-03-13 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4449927B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184520A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置
JP7379311B2 (ja) * 2020-11-06 2023-11-14 ダイハツ工業株式会社 制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007245770A (ja) 2007-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3803269B2 (ja) パラレルハイブリッド車両
JP4197013B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US10029678B2 (en) Drive control device with traction control function for right-left independent drive vehicle
JP5596756B2 (ja) 電動車両
WO2011118053A1 (ja) 産業車両
JP2009143318A (ja) 車両走行制御装置
CN108136933B (zh) 电动车辆的控制装置、电动车辆的控制系统及电动车辆的控制方法
JP2021044975A (ja) 車両の制御装置
JP4348783B2 (ja) 車両用モータ制御装置
JP2017143678A (ja) 車輪独立駆動式車両の駆動制御装置
JP3972535B2 (ja) 自動車の制動力制御装置
KR101337903B1 (ko) Abs 작동시 진동 저감을 위한 모터 제어 방법
JP4569266B2 (ja) 車両のモータトラクション制御装置
JP4449927B2 (ja) 車両用駆動制御装置、自動車及び車両用駆動制御方法
JP2014027822A (ja) 車両駆動力制御装置
JP6880675B2 (ja) 電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置
WO2021080011A1 (ja) 制御装置
JP2010241166A (ja) 車両の四輪駆動制御装置及び四輪駆動制御方法
JPH05131858A (ja) ハイブリツドカーの制御方法
JP2011088492A (ja) ハイブリッド車両のトラクション制御装置
JPH09215106A (ja) 回生制動システム
JP2006136174A (ja) 車両のモータトラクション制御装置
JP5496294B2 (ja) 車両共振抑制制御装置
JP5604884B2 (ja) 作業車両
WO2013172062A1 (ja) 電気駆動車両の走行制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4449927

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4