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JP4449317B2 - 液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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JP4449317B2 JP2003075324A JP2003075324A JP4449317B2 JP 4449317 B2 JP4449317 B2 JP 4449317B2 JP 2003075324 A JP2003075324 A JP 2003075324A JP 2003075324 A JP2003075324 A JP 2003075324A JP 4449317 B2 JP4449317 B2 JP 4449317B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに対し、液滴吐出ヘッドを相対的にX・Y軸方向に移動させ機能液を吐出する液滴吐出装置および電気光学装置の製造方に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式を適用してカラーフィルタのフィルタエレメントを成膜する従来の液滴吐出装置では、フィルタ材料(機能液)を吐出する液滴吐出ヘッドに対向して、カラーフィルタの基板(ワーク)をZステージを介してX・Yステージに搭載している(例えば、特許文献1参照。)。そして、液滴吐出装置の組立て時等において、ワークと液滴吐出ヘッドとの間隙、すなわちワークギャップをセンサにより測定し、Zステージによりワークギャップが所定値となるように微調整するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−49920号公報(第4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液滴吐出装置では、例えば機能液として発光材料を用いることで、有機ELデバイスなどの各種の電気光学装置を製造することができるが、通常、そのワークの厚みは製造対象物によって様々である。
従来の簡便なZステージは、ワークギャップのリミット状態を検出するものでなく、しかも各種厚みの異なるワークを考慮したものではなかったため、これに適切に対応するためには、ワーク交換時にワークテーブル上にワーク専用の治具(スペーサ)を設置し、これに液滴吐出ヘッドを突き当ててワークギャップを調整する必要があるなど、煩雑であった。またその際、作業を忘れたり治具を間違ったりすると、液滴吐出ヘッドがワークに接触して、液滴吐出ヘッドやワーク等を損傷するおそれもあった。
また、従来の液滴吐出装置におけるX・Yステージは、ワークの重量を加味して高剛性に設計されたZステージを搭載することになる分、重量が増し制御性も悪くなっていた。
【0005】
本発明は、液滴吐出ヘッドやワークの損傷を有効に防止して、厚みの異なる種々のワークに適切に対応させることができる液滴吐出装置および電気光学装置の製造方を提供することをその目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し液滴吐出ヘッドをX・Y軸方向に相対的に移動させるX・Y軸移動手段と、液滴吐出ヘッドの捨て吐出に使用するフラッシングユニットと、ワークの厚みを含むワークの種別データを入力する入力手段と、ワークの厚みに基づき、液滴吐出ヘッドをZ軸方向に移動させ、ワークの表面と液滴吐出ヘッドのノズル面との間のワークギャップを調整するZ軸移動手段と、を備えた液滴吐出装置において、ワークギャップの調整に対応して、フラッシングユニット上面とワークの表面を同一の高さレベルに調整する昇降機構と、ワークギャップが所定値以下になったリミット状態を検出するギャップ検出手段と、ギャップ検出手段がリミット状態を検出したときに、Z軸移動手段および/またはX・Y軸移動手段の駆動をインタロックする移動制御手段と、を備え、ギャップ検出手段は、ワーク側の被検出部に対し接触可能に構成された接触子を有し、接触子が被検出部に接触することでリミット状態が検出され、被検出部は、フラッシングユニットに設けられていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、例えば新たに厚みの異なるワークが導入されたときに、Z軸移動手段によりキャリッジを介してワークギャップを自動で微調整できるため、ワーク専用の治具を用いることなく、厚みなどワークの種別に対応したワークギャップを適切に設定することができる。またその際、ワークギャップがリミット状態になると、ギャップ検出手段の検出結果を受けて、Z軸移動手段およびX・Y軸移動手段の両方またはいずれか一方の駆動がインタロックされるため、液滴吐出ヘッドとワーク等との接触を未然に回避することができる。さらに、ワークとZ軸移動手段との関係が独立する結果、Z軸移動手段はワークの重量を加味して設計する必要がなくなり、X・Y軸移動手段の制御性も良好になる。
また、この構成によれば、一般的に液滴吐出ヘッドに必要なフラッシングユニットを利用して、物理的・機械的接触により、リミット状態を検出することができるため、検出の信頼性を高めることができる。さらに、ワークギャップの調整により、液滴吐出ヘッドとフラッシングユニットとのZ軸方向における位置関係も変動するが、フラッシングユニットをZ軸方向に移動自在に構成しているため、液滴吐出ヘッドから捨て吐出(フラッシング)された機能液を外部に飛散させることなく、フラッシングユニットで適切に受容することができる。
【0008】
この場合、ギャップ検出手段は、液滴吐出ヘッドが搭載されているキャリッジに取り付けられていることが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、ギャップ検出手段と液滴吐出ヘッドとは、Z軸移動手段によりZ軸方向に同一の移動量を移動するため、予めキャリッジにギャップ検出手段を精度良く取り付けておけば、リミット状態の検出を精度良く行い得る。また、この検出をキャリッジの移動により行い得る。
【0012】
この場合、ギャップ検出手段は、Z軸方向にスライド自在に構成された接触子と、接触子のZ軸方向の移動を介してリミット状態を検出するギャップ検出センサと、を有し、接触子は、ワークの表面からの高さレベルがノズル面よりも低く設定されていることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、被検出部に対する接触子およびノズル面の高さレベルの関係により、接触子がノズル面に先行して被検出部に接触し、接触子がZ軸方向に移動し、この移動を介してギャップ検出センサがリミット状態を検出する。これにより、ノズル面の損傷を確実に防止することができる。
【0014】
これらの場合、ワーク側の被検出部は、ワークの表面の非描画エリアに設けられていることが、好ましい。
【0015】
この構成によれば、ワークを直接且つ有効利用してリミット状態を検出することができる。
【0018】
これらの場合、ギャップ検出手段による検出は、X・Y軸移動手段により液滴吐出ヘッドをワークに対し相対的に移動させることにより連続的に行われ、接触子は、検出動作における液滴吐出ヘッドの相対的な移動方向に回転可能なローラで構成されていることが、好ましい。
【0019】
この構成によれば、検出動作でキャリッジを介して液滴吐出ヘッドを相対的に移動させても、接触子がその移動方向に回転するローラであるため、接触子自身の損傷を防止できる。これにより、比較的高速に検出作業を行うことも可能となる。
【0020】
これらの場合、Z軸移動手段は、キャリッジを連結したスライダと、当該スライダをZ軸方向にスライド自在に支持したスライドベースと、を有し、スライドベースは、X・Y軸移動手段に固定されていることが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、X・Y軸移動手段にスライドベースが固定されており、これにスライド自在に支持されたスライダがZ軸方向に移動することで、これに連結されたキャリッジ(液滴吐出ヘッドおよびギャップ検出手段)がZ軸方向に移動して、ワークギャップが調整される。
【0022】
この場合、Z軸移動手段は、スライドベースに固定したアクチュエータと、当該アクチュエータにより正逆回転する送りねじと、当該送りねじに螺合する雌ねじ部と、スライドベースとスライダとの間に介設され当該スライダの移動を案内するスライドガイドと、を更に有し、雌ねじ部は、スライダの略重心部に設けられ、スライドガイドは、雌ねじ部を挟んで4箇所に分散して設けられていることが、好ましい。
【0023】
この構成によれば、アクチュエータにより送りねじが正逆回転すると、雌ねじ部を介してスライダがZ軸方向に進退するが、この雌ねじ部をスライダの略重心部に設け且つ雌ねじ部を挟んで4箇所に分散してスライドガイドを設けているため、スライダをZ軸方向に沿って適切に移動させることができる。すなわち、雌ねじ部に対し4つのスライドガイドを有効に配置することで、ワークギャップ調整時における液滴吐出ヘッドのヨーイングを適切に防止することができ、ノズル面とワークの表面との平行度を適切に維持することができる。また、スライドベースを有効活用して、アクチュエータを固定することができる。
【0024】
これらの場合、キャリッジは、スライダに連結されるキャリッジ本体と、キャリッジ本体に着脱自在に装着したヘッドユニットとからなり、キャリッジ本体には、ギャップ検出手段が取り付けられ、ヘッドユニットには、液滴吐出ヘッドが複数個組み付けられていることが、好ましい。
【0025】
この構成によれば、スライダの移動によりヘッドユニットを単位としてZ軸方向に移動させることができるため、複数の液滴吐出ヘッドを同時にワークギャップの調整に供することができる。また、ワークの種別に対応して、液滴吐出ヘッドをヘッドユニット単位で交換することもできる。
なお、スライダとキャリッジ本体との間に、これらを相互に連結すると共に、キャリッジ本体を介して液滴吐出ヘッドをΘ軸方向に回転させるΘ軸移動手段を設ければ、例えば液滴吐出ヘッドの初期位置決め段階において、X・Y平面内における角度補正を行うことができる。
【0026】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した本発明の液滴吐出装置を用い、ワークとなる基板に対し、X・Y軸移動手段により液滴吐出ヘッドを相対的に移動させ、液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して基板上に成膜部を形成することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、上記の液滴吐出装置を用いての成膜処理であるため、基板の厚みに関らず、電気光学装置のスループットを向上することができる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。また、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が含まれる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、有機ELデバイスや液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、インクジェット方式により、基板(ワーク)に対し液滴吐出ヘッドから発光材料等の機能液滴を選択的に吐出することで描画を行い、基板上に所望の成膜部を形成するものである。そして、製造対象物によって厚みの異なる基板に適切に対応するべく、基板と液滴吐出ヘッドとの間のワークギャップを調整できるようになっている。
【0031】
図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置1は、図12に示す液滴吐出ヘッド21を有し機能液を吐出する吐出手段2と、液滴吐出ヘッド21の保全処理を行うメンテナンス手段3と、液滴吐出ヘッド21に機能液を供給する機能液供給手段4と、これら各手段・装置を統括制御する制御装置5(図20参照)と、を備えている。また、液滴吐出装置1は、床上に設置された架台11と、架台11上に設置された石定盤12と、架台11に添設された機台13と、機台13の側方に添設されたラック14と、を有している。
【0032】
そして、石定盤12上には吐出手段2が広く配設されており、上方の液滴吐出ヘッド21に対応して、下方に液滴対象物となるワークW(基板、図4参照)がセットされている。ワークWは、例えばガラス基板やポリイミド基板等で構成されている。一方、機台13上には、その長手方向(Y軸方向)にスライド移動自在に支持された移動テーブル16が設置され、移動テーブル16上には、メンテナンス手段3の各種ユニットを分散して載置する共通ベース17が固定されている。また、ラック14には、機能液供給手段4のメインタンク271等のタンク類が収容されている。
【0033】
吐出手段2は、複数の液滴吐出ヘッド21を有するヘッドユニット22(参照:図11)と、ヘッドユニット22を保持したメインキャリッジ23(参照:図13)と、メインキャリッジ23を両持ち支持するように設けたX軸テーブル24と、X軸テーブル24に直交し且つその下方に位置するY軸テーブル25と、Y軸テーブル25に設けられワークWを載置するワークテーブル26と、を備えている。X軸テーブル24およびY軸テーブル25は、石定盤12上に固定されている。
【0034】
X軸テーブル24は、メインキャリッジ23をX軸方向に移動自在に取り付け、メインキャリッジ23を介してヘッドユニット22をX軸方向に移動させる。Y軸テーブル25は、ワークテーブル26をY軸方向に移動自在に取り付け、ワークテーブル26を介してワークWをY軸方向に移動させる。すなわち、吐出手段2は、X軸テーブル24およびY軸テーブル25から成るX・Y軸移動機構29により、メインキャリッジ23を介して液滴吐出ヘッド21をワークWに対しX・Y軸方向に相対移動させることで、ワークWに機能液を吐出することで描画を行う。
【0035】
具体的には、図4に示すように、Y軸テーブル25によるワークWの移動に同期して液滴吐出ヘッド21が吐出駆動する構成であり、液滴吐出ヘッド21のいわゆる主走査は、Y軸テーブル25によるワークWのY軸方向への往復動作により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、X軸テーブル24による液滴吐出ヘッド21のX軸方向へのピッチ送り動作となる往復動作により行われる。
【0036】
なお、本実施形態では、液滴吐出ヘッド21に対しワークWを主走査方向に移動させるようにしているが、液滴吐出ヘッド21を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ワークWを固定とし、液滴吐出ヘッド21を主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよいし、逆に液滴吐出ヘッド21を固定とし、ワークWを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0037】
次に、吐出手段2の各構成装置について、Y軸テーブル25、ワークテーブル26、X軸テーブル24、ヘッドユニット22、メインキャリッジ23の順で説明する。
【0038】
Y軸テーブル25は、図3、図5および図6に示すように、ワークテーブル26の下部に固定した一対のY軸エアースライダ31,31と、各Y軸エアースライダ31をY軸方向にスライド自在にガイドする一対のY軸ガイドレール32,32と、各Y軸ガイドレール32の外側に併設され、ワークテーブル26を介してワークWをY軸方向に移動させる一対のY軸リニアモータ33,33と、ワークテーブル26のY軸方向の位置をレーザで検出する位置検出ユニット34と、を備えている。
【0039】
一対のY軸ガイドレール32および一対のY軸リニアモータ33は、石定盤12に相互に平行に且つ直接支持され、位置検出ユニット34は、石定盤12のY軸方向の先端部に設置されている。位置検出ユニット34は、ワークテーブル26に設けたコーナーキューブ(図示省略)にレーザ光を入射すると共に、コーナーキューブからの反射光を受光することで、ワークテーブル26のY軸方向の位置を検出する。
【0040】
Y軸リニアモータ33の駆動により、ワークテーブル26は、Y軸エアースライダ31がY軸ガイドレール32に案内されて、Y軸方向に往復移動する。また、位置検出ユニット34により適宜検出されるワークテーブル26の位置に基づいて、液滴吐出ヘッド21の機能液の吐出動作が行われて、ワークテーブル26上のワークWへの描画がなされる。なお、図5中の符号36は、各Y軸ガイドレール32を上側から覆うように張架された帯状の一対の覆装シートであり、ワークテーブル26の後述する支持体41の上面に形成した凹溝内を挿通して、両端を支持されている。各覆装シート36により、Y軸ガイドレール32等への機能液の付着が防止される。
【0041】
ワークテーブル26は、図5ないし図7に示すように、一対のY軸エアースライダ31を下部に固定した支持体41と、支持体41上に設置したワークΘ軸テーブル42と、ワークΘ軸テーブル42上に支持した吸着テーブル43とを備えると共に、さらに支持体41上には、ワークΘ軸テーブル42を挟むように一対のフラッシングユニット44,44が設置されている。
【0042】
吸着テーブル43は、それぞれが上面にエアー吸引孔46を形成すると共に整列配置された多数の載置ブロック47を有し、ワークWを複数の載置ブロック47上にエアー吸引して、ワークWを吸着セットする。すなわち、吸着テーブル43は、セットされたワークWが平坦度を維持するように、これをエアー吸引により吸着する。
【0043】
ワークΘ軸テーブル42は、吸着テーブル43の下部に固定された回転部51と、支持体41の上記一対の凹溝を逃げて支持体41の上面に固定された固定部52と、ボールねじ等により固定部52に対し回転部51をΘ軸方向に回動させるアクチュエータ(図示省略)と、を有している。ワークΘ軸テーブル42により、吸着テーブル43上のワークWをΘ軸方向に位置補正(角度補正)できるようになっている。ワークテーブル26は、Y軸テーブル25の駆動により、支持体41およびワークΘ軸テーブル42を介して、吸着テーブル43上のワークWを両フラッシングユニット44と共に、Y軸方向に移動させる。
【0044】
各フラッシングユニット44は、複数の液滴吐出ヘッド21のフラッシング(全ノズルからの機能液滴の捨て吐出)を受けるためのものであり、主として、液滴吐出ヘッド21の主走査時のフラッシングに使用される。フラッシングユニット44は、略細長形状に形成されたフラッシングボックス61と、フラッシングボックス61内に敷設した機能液吸収材62と、フラッシングボックス61をZ軸方向に昇降させる昇降機構63と、を有している。
【0045】
昇降機構63は、支持体41の外側に張り出すようにしてこれに固定したX軸方向に一対のブラケット71,71と、各ブラケット71にZ軸方向に移動自在に支持された一対の支持脚72,72と、各支持脚72に固定されると共にフラッシングボックス61の下部を支持した支持フレーム73と、各支持脚72にピストンロッドを連結した一対のエアーシリンダ74,74と、で構成されている。一対のエアーシリンダ74により、一対の支持脚72および支持フレーム73を介してフラッシングボックス61が昇降する。
【0046】
例えば、図7(a)に示すように、下降位置のフラッシングボックス61の上端の高さレベルを、ワークテーブル26の載置ブロック47の上面のそれよりも低く設定することができる。この状態とすることにより、ワークWをワークテーブル26に搬入・搬出(交換)する際に、ワークWとフラッシングボックス61との干渉を有効に防止することができる。なお、計4つのエアーシリンダ74は、同期して駆動され、2つのフラッシングボックス61は同期して昇降する。
【0047】
また、同図(b)に示すように、上昇位置のフラッシングボックス61の上端の高さレベルを、載置ブロック47の上面のそれよりも高く設定することができる。この状態とすることにより、フラッシングボックス61の上端の高さレベルと、ワークWの表面の高さレベルとを同程度あるいはそれ以下になるように、液滴吐出ヘッド21とフラッシングボックス61との間のギャップを調整することができる。
【0048】
すなわち、本実施形態の液滴吐出装置1に導入されるワークWはその種別に応じて厚みの異なるものであるため、後述するヘッドZ軸テーブル155によりワークWの厚みに応じて液滴吐出ヘッド21の高さレベルを調整しているところ、そのワークギャップの調整により液滴吐出ヘッド21とフラッシングユニット44との高さレベルの関係も変動するが、これに対応するべく、昇降機構63によりフラッシングユニット44の高さレベルを調整することができる。これにより、ワークWの厚みに関らず、液滴吐出ヘッド21のフラッシングにより吐出された機能液滴を外部に飛散させることなく、フラッシングボックス61で適切に受容することができる。
【0049】
フラッシングボックス61で受けた機能液は、機能液吸収材62に含浸され、これに連通した図外の排液用チューブを介して、ラック14に収容した廃液タンク272(図3参照)に貯留されるようになっている。詳細は後述するが、フラッシングボックス61の上面(表面)は、ワークW側の被検出部として、ワークギャップ調整後の検査に供される。また、フラッシングボックス61の上面と液滴吐出ヘッド21のノズル面141との間のギャップは、2.0mm前後に設定される(図18参照)。
【0050】
X軸テーブル24は、図8ないし図10に示すように、支柱ユニット81を介してY軸テーブル25の上方にこれを跨ぐように支持されており、メインキャリッジ23を挿通して固定したブリッジプレート82と、ブリッジプレート82をX軸方向に移動させ且つその移動を案内するリニアガイド付きX軸リニアモータ83と、X軸リニアモータ83に平行に併設されたX軸リニアスケール84と、X軸リニアモータ83に平行に併設されると共にブリッジプレート82の移動を案内するX軸リニアガイド85と、を備えている。
【0051】
ブリッジプレート82は、その中間位置に形成した開口部からメインキャリッジ23の下半部を挿通させ、メインキャリッジ23の下部に保持したヘッドユニット22をワークWに臨ませる。メインキャリッジ23は、後述するスライドベース162の両側部を介して、ブリッジプレート82の上面に固定されている。また、ブリッジプレート82の上面には、メインキャリッジ23に隣接して機能液供給手段4のサブタンク273が設置されている。
【0052】
X軸リニアモータ83の駆動により、X軸リニアモータ83およびX軸リニアガイド85は、ブリッジプレート82を両持ちでX軸方向に平行移動させる。そして、ブリッジプレート82の移動に伴い、メインキャリッジ23(ヘッドユニット22)がX軸方向に移動する。この移動において、液滴吐出ヘッド21の上記の副走査が行われる。
【0053】
支柱ユニット81は、石定盤12上に設置した4本の支柱91,91,91,91と、Y軸テーブル25を跨ぐようにX軸方向に延在すると共にこれらの支柱91の上部に両持ち支持された一対の梁92,92と、各梁92から外側に張り出した一対の支持板93,93と、を有している。一方の梁92上には、X軸リニアモータ83およびX軸リニアスケール84が支持され、他方の梁92上には、X軸リニアガイド85が支持されている。
【0054】
左側(図8では手前側)の支持板93上には、左部X軸ケーブルベア95および流体用ケーブルベア96が、それぞれ集塵用のカバーで覆われるようにして載置されている。なお、「ケーブルベア」は、登録商標である。同様に、右側(図8では奥側)の支持板93上には、右部X軸ケーブルベア97およびサブX軸ケーブルベア98が、それぞれ集塵用のカバーで覆われるようにして載置されている。なお、X軸リニアモータ83およびX軸リニアガイド85も同様に、集塵用のカバーで覆われている。すなわち、これら可動部分で発生し得る塵埃を各カバーで集塵し、図外の排気チューブを介して装置外部に排出できるようになっている。
【0055】
また、図中の符号106は、ブリッジプレート82と同様に且つこれとは独立してX軸方向に移動可能なカメラ用ブリッジプレートであり、カメラ用ブリッジプレート106は、ワークWのアライメントに用いられる認識カメラを搭載したカメラユニット107を支持している。
【0056】
図11は、ヘッドユニット22の主要部を示した平面図である。同図に示すように、ヘッドユニット22は、複数(12個)の液滴吐出ヘッド21と、複数の液滴吐出ヘッド21を搭載するサブキャリッジ121と、サブキャリッジ121に各液滴吐出ヘッド21を個々に取り付けるための複数(12個)のヘッド保持部材122(図12参照)と、を備えている。また、ヘッドユニット22は、メインキャリッジ23に対し着脱自在に保持されている(図13参照)。
【0057】
12個の液滴吐出ヘッド21は、6個ずつ2列に分けて主走査方向(Y軸方向)に離間して配置されている。また、各液滴吐出ヘッド21は、ワークWに対して機能液滴の十分な塗布密度を確保するために所定角度傾けて配設されている。更に、一方の列と他方の列の各液滴吐出ヘッド21は、副走査方向(X軸方向)に対して相互に位置ずれして配設され、副走査方向において各液滴吐出ヘッド21のノズル146が連続(一部重複)するようになっている。なお、液滴吐出ヘッド21を専用部品で構成するなどして、ワークWに対して機能液の十分な塗布密度を確保できる場合は、液滴吐出ヘッド21をあえて傾けてセットする必要はない。
【0058】
サブキャリッジ121の一方の側方には、各液滴吐出ヘッド21とサブタンク273とを配管接続するための配管ジョイント125と、ヘッドユニット22をメインキャリッジ23に着脱する際の手持ち用の一対のハンドル126,126と、が設けられている。配管ジョイント125には、12個の液滴吐出ヘッド21に対応して12個のソケット127が取り付けられている。各ソケット127の一端には、各液滴吐出ヘッド21(の接続針131)と接続した配管アダプタ129からのヘッド側配管部材(図示省略)が接続され、その他端には、サブタンク273からの装置側配管部材128が接続されている(図9参照)。
【0059】
このような構成により、機能液は、機能液供給手段4のメインタンク271からサブタンク273に第1チューブ274を介して圧力供給されると共に、このサブタンク273で圧力的に縁切りされる。そして、サブタンク273の負圧制御ユニットにより圧力制御された機能液は、サブタンク273から分岐して各液滴吐出ヘッド21に供給される。
【0060】
液滴吐出ヘッド21は、図12に示すように、いわゆる2連のものであり、2連の接続針131を有する機能液導入部132と、機能液導入部132に連なる2連のヘッド基板133と、機能液導入部132の下方(同(a)では上方)に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体134と、を備えている。この種のインクジェット方式の液滴吐出ヘッド21は、吐出駆動のためのエネルギー発生素子として圧電素子(ピエゾ素子)を用いたもの、あるいは電気熱変換体を用いたもので構成される。
【0061】
各接続針131は、配管アダプタ129に接続した上記のヘッド側配管部材等を介してサブタンク273に接続されており、機能液導入部132は、各接続針131から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド本体134は、ノズル面141を有するノズルプレート142と、ノズルプレート142に連なる直方体形状の2連のポンプ部143と、で構成されている。
【0062】
液滴吐出ヘッド21は、ヘッド本体134がサブキャリッジ121の下面から突出しており、ヘッド本体134の下面、すなわちノズル面141には、2本のノズル列145が相互に平行に形成されている。各ノズル列145は、略主走査方向に延在しており、多数(例えば180個)のノズル146が等ピッチで並べられて構成されている。液滴吐出ヘッド21は、ポンプ部143の作用によりノズル146から機能液滴をドット状に吐出する。なお、液滴吐出ヘッド21におけるノズル数やノズル列数は任意である。
【0063】
メインキャリッジ23は、図13および図14に示すように、ヘッドユニット22を着脱自在に搭載するキャリッジ本体151と、キャリッジ本体151を吊設するように保持したキャリッジテーブル152と、で構成されている。メインキャリッジ23は、キャリッジ本体151を上記のブリッジプレート82から下方に挿通させるようにして、キャリッジテーブル152の両側部分でブリッジプレート82の上面に固定されている(図9参照)。
【0064】
キャリッジテーブル152は、キャリッジ本体151の上部に連結されるヘッドΘ軸テーブル154と、ヘッドΘ軸テーブル154の上部に連結されるヘッドZ軸テーブル155と、で構成されている。ヘッドZ軸テーブル155(Z軸移動手段)は、ヘッドΘ軸テーブル154およびキャリッジ本体151を介して液滴吐出ヘッド21をZ軸方向に微小移動させ、液滴吐出ヘッド21のノズル面141とワークWの表面との間のワークギャップを微調整するものである。
【0065】
ヘッドZ軸テーブル155は、図15に示すように、ヘッドΘ軸テーブル154を下部に連結したZ軸スライダ161と、Z軸スライダ161をZ軸方向にスライド自在に支持するスライドベース162と、スライドベース162とZ軸スライダ161との間に介設されZ軸スライダ161の移動を案内する4組のスライドガイド163,163,163,163と、スライドベース162の上面中央に固定したZ軸モータ164と、Z軸モータ164により正逆回転するボールねじ165と、ボールねじ165に螺合すると共にZ軸スライダ161の正面に固定した雌ねじブロック166と、を有している。
【0066】
スライドベース162は、一対の鉛直板171,171と、一対の鉛直板171の上端に掛け渡した連結板172とで、全体としてアーチ型に構成されている。各鉛直板171は、外側に直角に折り曲げた下端部でブリッジプレート82の上面に固定されている。連結板172の上面中央にZ軸モータ164が固定され、連結板172の下面側にZ軸モータ164の主軸が位置している。そして、この主軸にカップリングを介してボールねじ165が、両鉛直板171間の中間位置に位置するように連結されている。
【0067】
Z軸スライダ161は、スライドベース162の内側に位置しており、雌ねじブロック166を正面側に固定した固定板部181と、各鉛直板171に対面する一対の側面板部182,182と、ヘッドΘ軸テーブル154に連結された連結板部183と、で一体に形成されている。
【0068】
この場合、固定板部181における雌ねじブロック166の固定位置は、Z軸スライダ161の略重心部に合致している。また、これに対応して、雌ねじブロック166を挟んで4箇所に分散してスライドガイド163が、側面板部182と鉛直板171との間に設けられている。すなわち、前後方向(X軸方向)に平行に並べた一対のスライドガイド163,163が、雌ねじブロック166の軸線に対し左右対称に(Y軸方向に対称に)配置されている。
【0069】
このように、Z軸スライダ161の重量バランスを考慮して、雌ねじブロック166と4組のスライドガイド163とを有効に配置することで、Z軸スライダ161のX・Y平面内のずれを防止できる。すなわち、Z軸スライダ161をZ軸方向に姿勢精度良く適切に移動させることができる。これにより、液滴吐出ヘッド21のノズル面141とワークWの表面との平行度を適切に維持することができる。
【0070】
各スライドガイド163は、側面板部182に固定されZ軸方向に延在する単一のトラックレール191と、トラックレール191にスライド自在に案内されると共にZ軸方向に並べた一対のスライダユニット192,192とからなり、各スライダユニット192が鉛直板171に固定されている。したがって、Z軸スライダ161は、トラックレール191を両スライダユニット192に案内されながら、スライドベース162に対しZ軸方向に移動する。なお、スライドガイド163は、リニアボールガイドなどの転がり案内の他、スライダユニットをエアースライダとする空気静圧案内で構成すればよい。
【0071】
Z軸モータ164は、正逆回転可能なACサーボモータから構成されている。Z軸モータ164が正逆回転すると、ボールねじ165および雌ねじブロック166により、Z軸スライダ161が各スライドガイド163に案内されてZ軸方向に進退する(上下動する)。このZ軸スライダ161の上下動に伴い、ヘッドΘ軸テーブル154およびキャリッジ本体151を介して液滴吐出ヘッド21を上下動して、ワークギャップが微調整される。
【0072】
なお、図13(a)に示すように、Z軸スライダ161の固定板部181の背面側にはナット部195が固定され、ナット部195に螺合する雄ねじ196が連結板172に垂設するように設けられ、さらに、ナット部195の下側に位置する雄ねじ196の端部には、ナット部195に接触可能な度あたり197が設けられている。これにより、仮にZ軸モータ164が暴走しても、度あたり197がナット部195に接触することで、Z軸スライダ161がスライドベース162から抜け落ちないようになっている。なお、ナット部195、雄ねじ196および度あたり197は、ボールねじ165等と同様に、いずれもヘッドZ軸テーブル155におけるY軸方向の中心位置に設けられている。
【0073】
ヘッドΘ軸テーブル154は、図13および図14に示すように、Z軸スライダ161の下面に固定された固定部201と、キャリッジ本体151の上部に固定された回転部202と、固定部201に対し回動自在に取り付けた回転部202をΘ軸方向に回動させるΘ軸モータ203と、を有している。Θ軸モータ203は、正逆回転可能なACサーボモータから構成されており、ボールねじ系を主体とする動力伝達機構部204を介して、固定部201に対し回転部202を微小回動(微小回転)させる。この回転部202の微小回動により、キャリッジ本体151がその軸心を中心に回動する。
【0074】
このように、ヘッドΘ軸テーブル154は、Z軸スライダ161とキャリッジ本体151とを相互に連結すると共に、キャリッジ本体151を介してヘッドユニット22をX・Y平面内において正逆微小回転させる。これにより、ヘッドユニット22の初期位置決め段階において、ヘッドユニット22をΘ軸方向に位置補正(角度補正)できるようになっている。
【0075】
図16に示すように、ヘッドZ軸テーブル155の可動部は集塵用のカバーに覆われ、上記のX軸リニアモータ83等と同様に、発塵し得る粉塵のワークW等への付着が防止されている。また、ヘッドΘ軸テーブル154の動力伝達機構部204も、集塵用のカバーで覆われている。
【0076】
キャリッジ本体151は、ヘッドユニット22と共に請求項にいうキャリッジを構成するものである。キャリッジ本体151は、図13および図14に示すように、ヘッドユニット22が着座するベースプレート221と、ベースプレート221を垂設するように支持するアーチ部材222と、ベースプレート221の一方の端部に突出するように設けた一対の仮置きアングル223,223と、ベースプレート221の他方の端部に設けたストッパプレート224と、ストッパプレート224の外側に設けた断面L字状のカメラカバー225と、カメラカバー225の外側でベースプレート221の端部に支持されたギャップ検査ユニット226と、を備えている。
【0077】
アーチ部材222は、その上面中央にヘッドΘ軸テーブル154の回転部202を固定している。ベースプレート221は、ヘッドユニット22を遊嵌するための方形開口を有すると共に、この方形開口を構成する開口縁部に、サブキャリッジ121の周縁部を介してヘッドユニット22を位置決め固定する。
【0078】
ヘッドユニット22をキャリッジ本体151にセットする場合には、ヘッドユニット22をその両ハンドル126により手持ちして運び込み、一旦、一対の仮置きアングル223上に載置する(仮置きする)。ここで、ヘッドユニット22の配管ジョイント125に装置側配管部材128を接続するなど、各種配管・配線接続する。そして、両ハンドル126を再度把持し、両仮置きアングル223をガイドにしてヘッドユニット22を先方に押し入れ、これをベースプレート221に位置決め固定するようにしている。そして、必要に応じて、ヘッドユニット22は、ヘッドΘ軸テーブル154により回転補正される。
【0079】
このようなヘッドユニット22の運び込みを含む交換作業は、図1および図3における液滴吐出装置1の手前側から行われる。すなわち、X軸テーブル24によりメインキャリッジ23を機台13側に移動させ、ワークWから外れた機台13の上方にてヘッドユニット22が交換される。また、ワークギャップを検査する場合にも、ヘッドユニット22はこの交換位置に移動する。
【0080】
ギャップ検査ユニット226(ギャップ検出手段)は、図13および図17に示すように、主として、厚みの異なるワークWを液滴吐出装置1に導入し、これに対応して上記のヘッドZ軸テーブル155によりワークギャップの調整を行った後、ワークギャップが所定値以下のリミット状態になっているかどうかを検査するためのものである。ギャップ検査ユニット226により、液滴吐出ヘッド21とワークW等との接触を未然に(描画動作前に)回避しようとするものである。
【0081】
ギャップ検査ユニット226は、ワークW側の被検出部に対し接触可能に構成された接触ローラ231と、接触ローラ231を下端部に回転自在に支持するローラ保持部材232と、ローラ保持部材232をZ軸方向にスライド自在にガイドする支柱233と、支柱233を立設したブラケット234と、ローラ保持部材232の上下中間部の側面に取り付けた金属体235と、金属体235に臨んで支柱233の側面に取り付けた磁気誘導型センサ236と、を有している。
【0082】
ブラケット234は、略方形に形成され、立設した支柱233と反対側の端部をキャリッジ本体151のベースプレート221に固定されている。ブラケット234の固定位置は、メインキャリッジ23の重量バランスを考慮して、キャリッジ本体151におけるY軸方向の中心位置となっている。磁気誘導型センサ236(ギャップ検出センサ)は、金属体235の移動を介してワークギャップが所定値以下になったリミット状態を検出する。
【0083】
具体的には、接触ローラ231を介してローラ保持部材232がZ軸方向に(上方向に)スライド移動すると、これと同方向に金属体235も移動する。金属体235が移動すると、磁気誘導型センサ236は、自身が発する磁力線の密度変化が起こり、これによりワークギャップのリミット状態を検出する。なお、金属体235は、磁気誘導型センサ236の検出感度が良好な例えば鉄(磁性体)で構成すればよい。もっとも、ギャップ検出センサをフォトインタラプタで構成し、金属体235をそのための遮光部材として構成してもよい。
【0084】
ローラ保持部材232と支柱233との間には、ローラ保持部材232の背面側に固定した移動ガイド241と、支柱233に固定され、移動ガイド241を介してローラ保持部材232のスライド移動をガイドするガイドレール242と、が設けられている。また、ローラ保持部材232とブラケット234との間には、ローラ保持部材232を下方に付勢する引張りばね243が介設されている。引張りばね243の一端は、ブラケット234から水平に突出するように設けた掛止めピン244に掛け止めされ、他端は、ローラ保持部材232の側面に設けた掛止めピン245に掛け止めされている。
【0085】
ローラ保持部材232の上端部には、支持プレート246の端部が固定されており、支持プレート246の中心部には、これを貫通するようにして六角穴付きの調整ねじ247が螺合している。そして、調整ねじ247の先端部を受けるストッパ248が、支柱233の上端面に設けられている。すなわち、調整ねじ247がストッパ248を受けとして、調整ねじ247、ローラ保持部材232および支持プレート246が、引張りばね243により一体に下方に付勢されている。
【0086】
支持プレート246の調整ねじ247が螺合する部位は、雌ねじが形成されており、調整ねじ247をその軸方向に回すと、支持プレート246がZ軸方向に上下動する。すなわち、調整ねじ247により、支持プレート246を介してローラ保持部材232に保持した接触ローラ231の高さレベルを微調整できるようになっている。
【0087】
接触ローラ231は、ワークW側の被検出部に直接接触可能に構成されている。ギャップ検査ユニット226による検査動作は、ワークWを搭載したワークテーブル26をY軸方向に連続的に移動させ、接触ローラ231がワークW側の被検出部(例えばワークWの表面)に接触するかどうかで行われる。このため、接触ローラ231は、検査動作を支障なく且つ迅速に行えるように、Y軸方向に回転可能にローラ保持部材232に支持されている。
【0088】
図18は、接触ローラ231と液滴吐出ヘッド21の高さレベルの関係を模式的に示した説明図である。同図に示すように、例えば、液滴吐出ヘッド21のノズル面141とワークWの表面との間のワークギャップは、0.3mm(所定値)に設定されている。この設定は、上記のヘッドZ軸テーブル155を駆動することでなされる。一方、接触ローラ231とワークWの表面との間のギャップは、ワークギャップの半分の0.15mmに設定されている。そしてこの設定は、調整ねじ247の送りリード(回転量)を調整することでなされる。
【0089】
このように、ワークWの表面からの高さレベルについて、ノズル面141に対し接触ローラ231を低く設定しているため、ワークギャップの検出動作において、接触ローラ231がノズル面141に先行してワークW側の被検出部に接触させることができる。そして、接触ローラ231の接触(被検出部への乗り上げ)により、接触ローラ231が引張りばね243に抗して上動すると、磁気誘導型センサ236によってワークギャップのリミット状態が検出される。リミット状態が検出されると、検査動作が停止、すなわちワークテーブル26の移動が停止されるようになっている。
【0090】
なお、ノズル面141と接触ローラ231とを同一の高さレベルに設定してもよいが、接触ローラ231や調整ねじ247などの取付け誤差を考慮すると、本実施形態のように、ノズル面141に対し接触ローラ231の高さレベルを低く設定することが好ましい。また、同図に示すように、ノズル面141とフラッシングボックス61の表面とのギャップは2.0mmに設定されているが、上述のように、昇降機構63により、フラッシングボックス61の上面とワークWの表面とを略同一の高さレベルに設定することも可能である。
【0091】
なお、図17中の符号251は、空気圧シリンダであり、空気圧シリンダ251は、支柱233の背面側に固定されていると共に、そのピストンロッドが、支持プレート246の下面に取り付けた突当て部材252に当接可能に構成されている。
【0092】
空気圧シリンダ251を駆動することで、ピストンロッドおよび突当て部材252を介して支持プレート246を上動させ、これに伴い接触ローラ231をノズル面141よりも高い位置に上昇させ、この上昇位置に接触ローラ231を維持可能となる。このような空気圧シリンダ251の駆動は、ワークギャップの検査終了後になされるものである。したがって、描画動作中における接触ローラ231は、ワークW側の被検出部から大きく退避することになる。
【0093】
図19は、ワークギャップの検出動作について説明するための説明図である。本実施形態で設定されるワークW側の被検出部は、ワークWの表面の非描画エリア(例えば周縁部や後に切断される切断部分等などのワークWにおける不要部分)と、一対のフラッシングボックス61の表面とである。検出動作の準備段階では、メインキャリッジ23をヘッドユニット22の交換位置に移動させ、導入したワークWの厚みに対応したワークギャップの調整がなされる。また、これに対応して、一対のフラッシングユニット44の高さ調整がなされる。
【0094】
一連の検出動作では、先ず、X軸テーブル24を駆動し、メインキャリッジ23を交換位置から僅かに架台11側に移動させ、ワークテーブル26のX軸方向における手前側の上方に位置するように、接触ローラ231を臨ませる。ここで、Y軸テーブル25を駆動して、ワークテーブル26をY軸方向に移動させ、接触ローラ231がワークW側の被検出部に干渉(接触)するかどうかの検査を行う。非接触の場合には、接触ローラ231が一対のフラッシングユニット44およびワークWの表面の直上部を通過し、接触した場合には、Y軸テーブル25の駆動がインタロック(停止)される。
【0095】
接触ローラ231が接触する原因として、例えば、液滴吐出装置1のティーチングオペレータ(図示省略)でのワークWの種別データの入力ミスや、フラッシングユニット44の高さ調整ミス等が考えられる。この場合には、ワークWの種別データの再入力や、フラッシングユニット44の再度の高さ調整などの措置を講じ、検出動作を再開するようにする。
【0096】
ワークテーブル26の手前側の検査終了後には、X軸テーブル24を再駆動し、今度はワークテーブル26のX軸方向における奥側の上方に接触ローラ231を臨ませる。そして同様に、Y軸テーブル25を駆動して、ワークテーブル26をY軸方向に連続的に移動させて検査を行う。このように、X軸方向における前後で検査を行うことで、各フラッシングユニット44のX軸方向に配設した二つのエアーシリンダ74,74を考慮した検査を適切に行うことができる。
【0097】
制御装置5は、図20に示すように、CPUを有して各手段の動作を制御する制御するためのものであり、液滴吐出装置1の制動動作を実行するための制御プログラムや制御データを記憶する記憶していると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。そして、制御装置5は、上記した各手段・装置の要素と接続されて液滴吐出装置1全体を制御している。
【0098】
例えば、ワークWに対して描画動作を行う場合には、制御装置5は、複数の液滴吐出ヘッド21の吐出駆動をそれぞれ制御すると共に、X・Y軸移動機構29によりワークWおよびメインキャリッジ23の相対的な移動動作を制御する。また、必要に応じてヘッドΘ軸テーブル154およびワークΘ軸テーブル42を駆動し、ヘッドユニット22およびワークWのアライメントを行う。
【0099】
さらに、制御装置5は、ワークWの厚みに応じて、ヘッドZ軸テーブル155を駆動しワークギャップを調整する。また、ギャップ検査ユニット226およびX・Y軸移動機構29の協働によりワークギャップの検査動作を行うと共に、リミット状態を検出した場合には、X・Y軸移動機構29の駆動をインタロックする移動制御手段として機能する。
【0100】
なお、ワークギャップのリミット状態の検出は、本実施形態のようにX・Y軸移動機構29を駆動した場合に限られるものでない。例えば、ヘッドZ軸テーブル155でワークギャップの調整中に、接触ローラ231がワークW側の被検出部に接触した場合には、ヘッドZ軸テーブル155の駆動がインタロックされる。また、ヘッドZ軸テーブル155によるワークギャップの調整とX・Y軸移動機構29による検査動作とを併行して行う場合には、両者の駆動がインタロックされる。
【0101】
ところで、本実施形態の液滴吐出装置1は、各種の材料からなる機能液を用いることで、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることができる。すなわち、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。もちろん、液晶表示装置等に用いるカラーフィルタの製造にも適用することができる。また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。そして、これらの電気光学装置を備えた電子機器、例えばフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話を提供することができる。
【0102】
そこで、この液滴吐出装置1を用いた製造方法を、液晶表示装置の製造方法および有機EL装置の製造方法を例に説明し、他のデバイスについても簡単に説明する。
【0103】
図21は、液晶表示装置の断面図である。同図に示すように、液晶表示装置450は、上下の偏光板462、467間に、カラーフィルタ400と対向基板466とを組み合わせ、両者の間に液晶組成物465を封入することにより構成されている。また、カラーフィルタ400および対向基板466間には、配向膜461、464が構成され、対向基板466の内側の面には、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示せず)と画素電極463とがマトリクス状に形成されている。
【0104】
カラーフィルタ400は、マトリクス状に並んだ画素(フィルタエレメント)を備え、画素と画素の境目は、バンク413により区切られている。画素の1つ1つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのフィルタ材料(機能液)が導入されている。すなわち、カラーフィルタ400は、透光性の基板411(ワークW)と、遮光性のバンク413とを備えている。バンク413が形成されていない(除去された)部分は上記画素を構成し、この画素に導入された各色のフィルタ材料は着色層421を構成する。バンク413及び着色層421の上面には、オーバーコート層422及び電極層423が形成されている。
【0105】
そして、本実施形態の液滴吐出装置1では、バンク413で区切られて形成された画素内に、液滴吐出ヘッド21により、R・G・B各色の機能液を着色層形成領域毎に選択的に吐出している。そして、塗布した機能液を乾燥させることにより、成膜部となる着色層421を得るようにしている。また、液滴吐出装置1では、液滴吐出ヘッド21により、オーバーコート層422など各種の成膜部を形成している。もちろん、ヘッドZ軸テーブル155により、基板411の厚みに対応したワークギャップに調整されている。
【0106】
同様に、図22を参照して、有機EL装置とその製造方法を説明する。同図に示すように、有機EL装置500は、ガラス基板501(ワークW)上に回路素子部502が積層され、回路素子部502上に主体を為す有機EL素子504が積層されている。また有機EL素子504の上側には、不活性ガスの空間を存して封止用基板505が形成されている。
【0107】
有機EL素子504には、無機物バンク層512aおよびこれに重ねた有機物バンク層512bによりバンク512が形成され、このバンク512により、マトリクス状の画素が画成されている。そして、各画素内には、下側から画素電極511、R・G・Bいずれかの発光層510bおよび正孔注入/輸送層510aが積層され、且つ全体がCaやAl等の薄膜を複数層に亘って積層した対向電極503で覆われている。
【0108】
そして、本実施形態の液滴吐出装置1では、R・G・Bの各発光層510bおよび正孔注入/輸送層510aの成膜部を形成するようにしている。また、液滴吐出装置1では、正孔注入/輸送層510aを形成した後に、液滴吐出ヘッド21に導入する機能液としてCaやAl等の液体金属材料を用いて、対向電極503を形成する等している。もちろん、ヘッドZ軸テーブル155により、基板501の厚みに対応したワークギャップに調整されている。
【0109】
そして、以下に示すデバイスの製造方法において、ヘッドZ軸テーブル155により、ワークW(基板)の厚みに対応したワークギャップに調整されている。
【0110】
すなわち、PDP装置の製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド21にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、背面基板(ワークW)上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。
【0111】
電気泳動表示装置の製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド21に各色の泳動体材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、泳動体材料を選択的に吐出して、電極(ワークW)上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。なお、帯電粒子と染料とからなる泳動体は、マイクロカプセルに封入されていることが好ましい。
【0112】
金属配線形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド21に液状金属材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に金属配線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用してこれらのデバイスを製造することができる。また、この種のフラットパネルディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることは言うまでもない。
【0113】
レンズの形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド21にレンズ材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、レンズ材料を選択的に吐出して、透明基板(ワークW)上に多数のマイクロレンズを形成する。例えば、上記FED装置におけるビーム収束用のデバイスを製造する場合に適用可能である。また、各種光デバイスの製造技術にも適用可能である。
【0114】
レンズの製造方法では、複数の液滴吐出ヘッド21に透光性のコーティング材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、コーティング材料を選択的に吐出して、レンズの表面にコーティング膜を形成する。
【0115】
レジスト形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド21にレジスト材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に任意形状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表示装置におけるバンクの形成はもとより、半導体製造技術の主体をなすフォトリソグラフィー法において、フォトレジストの塗布に広く適用可能である。
【0116】
光拡散体形成方法では、複数の液滴吐出ヘッド21に光拡散材料を導入し、複数の液滴吐出ヘッド21を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出して、基板(ワークW)上に多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0117】
【発明の効果】
本発明の液滴吐出装置によれば、各種ワークの厚みに対応してワークギャップをZ軸移動手段により自動調整できることに加え、仮に、ワークギャップが所定値以下のリミット状態となった場合でも、これをギャップ検出手段により検出してZ軸移動手段および/またはX・Y軸移動手段の駆動をインタロックするようにしているため、液滴吐出ヘッドとワークとの接触が未然に回避され、液滴吐出ヘッドおよびワークの損傷を有効に防止することができる。
【0118】
本発明の電気光学装置の製造方によれば、ワークギャップが適切に管理された液滴吐出装置を用いての成膜処理であるため、高品質で信頼性の高い各種の電気光学装を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る液滴吐出装置の外観斜視図である。
【図2】実施形態に係る液滴吐出装置の平面図である。
【図3】実施形態に係る液滴吐出装置の左側面図である。
【図4】実施形態に係る液滴吐出装置の描画動作を模式的に示す説明図である。
【図5】実施形態に係るY軸テーブルおよびワークテーブルを示す平面図である。
【図6】実施形態に係るY軸テーブルおよびワークテーブルを示す正面図である。
【図7】実施形態に係るワークテーブルを示す側面図である。
【図8】実施形態に係るX軸テーブルおよびメインキャリッジを示す外観斜視図である。
【図9】実施形態に係るX軸テーブルおよびメインキャリッジを示す正面図である。
【図10】実施形態に係るX軸テーブルおよびメインキャリッジの要部を示す平面図である。
【図11】実施形態に係るヘッドユニットの主要部を示す平面図である。
【図12】(a)実施形態に係る液滴吐出ヘッドの斜視図、(b)液滴吐出ヘッドの要部の断面図である。
【図13】実施形態に係るメインキャリッジを示す斜視図である。
【図14】実施形態に係るメインキャリッジを示す分解斜視図である。
【図15】実施形態に係るキャリッジテーブルを示す図であり、(a)分解斜視図、(b)組立て図である。
【図16】図13に示すメインキャリッジに集塵カバーを取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【図17】実施形態に係るギャップ検査ユニットを示す図であり、(a)斜視図、(b)正面図、(c)右側面図である。
【図18】実施形態に係る液滴吐出ヘッドのノズル面と、ギャップ検査ユニットの接触ローラと、高さレベルの関係を模式的に示す説明図である。
【図19】実施形態に係るギャップ検査ユニットによる検出動作を示す説明図である。
【図20】実施形態に係る液滴吐出装置の主要部のブロック図である。
【図21】実施形態の液滴吐出装置で製造する液晶表示装置の断面図である。
【図22】実施形態の液滴吐出装置で製造する有機EL装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置
2 吐出手段
5 制御装置(移動制御手段)
21 液滴吐出ヘッド
22 ヘッドユニット
23 メインキャリッジ
24 X軸テーブル
25 Y軸テーブル
26 ワークテーブル
29 X・Y軸移動機構(X・Y軸移動手段)
44 フラッシングユニット
141 ノズル面
151 キャリッジ本体
155 ヘッドZ軸テーブル
161 Z軸スライダ
162 スライドベース
163 スライドガイド
164 Z軸モータ
165 ボールねじ
166 雌ねじブロック(雌ねじ部)
226 ギャップ検査ユニット(ギャップ検出手段)
231 接触ローラ(接触子)
236 磁気誘導型センサ(ギャップ検出センサ)
450 液晶表示装置
500 有機EL装置
W ワーク(基板)

Claims (9)

  1. ワークに対し液滴吐出ヘッドX・Y軸方向に相対的に移動させるX・Y軸移動手段と、
    前記液滴吐出ヘッドの捨て吐出に使用するフラッシングユニットと、
    前記ワークの厚みを含む前記ワークの種別データを入力する入力手段と、
    前記ワークの厚みに基づき、前記液滴吐出ヘッドをZ軸方向に移動させ、前記ワークの表面と前記液滴吐出ヘッドのノズル面との間のワークギャップを調整するZ軸移動手段と、を備えた液滴吐出装置において、
    前記ワークギャップの調整に対応して、前記フラッシングユニット上面と前記ワークの表面を同一の高さレベルに調整する昇降機構と、
    前記ワークギャップが所定値以下になったリミット状態を検出するギャップ検出手段と、
    前記ギャップ検出手段が前記リミット状態を検出したときに、前記Z軸移動手段および/または前記X・Y軸移動手段の駆動をインタロックする移動制御手段と、を備え
    前記ギャップ検出手段は、前記ワーク側の被検出部に対し接触可能に構成された接触子を有し、前記接触子が前記被検出部に接触することで前記リミット状態が検出され、前記被検出部は、前記フラッシングユニットに設けられていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記ギャップ検出手段は、前記液滴吐出ヘッドが搭載されているキャリッジに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記ギャップ検出手段は、Z軸方向にスライド自在に構成された前記接触子と、
    前記接触子のZ軸方向の移動を介して前記リミット状態を検出するギャップ検出センサと、を有し、
    前記接触子は、前記ワークの表面からの高さレベルが前記ノズル面よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記被検出部は、さらに前記ワークの表面の非描画エリアに設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記ギャップ検出手段による検出は、前記X・Y軸移動手段により前記液滴吐出ヘッドを前記ワークに対し相対的に移動させることにより連続的に行われ、
    前記接触子は、検出動作における前記液滴吐出ヘッドの相対的な移動方向に回転可能なローラで構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記Z軸移動手段は、前記キャリッジを連結したスライダと、当該スライダをZ軸方向にスライド自在に支持したスライドベースと、を有し、
    前記スライドベースは、前記X・Y軸移動手段に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記Z軸移動手段は、前記スライドベースに固定したアクチュエータと、当該アクチュエータにより正逆回転する送りねじと、当該送りねじに螺合する雌ねじ部と、前記スライドベースと前記スライダとの間に介設され当該スライダの移動を案内するスライドガイドと、を更に有し、
    前記雌ねじ部は、前記スライダの略重心部に設けられ、
    前記スライドガイドは、前記雌ねじ部を挟んで4箇所に分散して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記キャリッジは、前記スライダに連結されるキャリッジ本体と、前記キャリッジ本体に着脱自在に装着したヘッドユニットとからなり、
    前記キャリッジ本体には、前記ギャップ検出手段が取り付けられ、
    前記ヘッドユニットには、前記液滴吐出ヘッドが複数個組み付けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の液滴吐出装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、
    前記ワークとなる基板に対し、前記X・Y軸移動手段により前記液滴吐出ヘッドを相対的に移動させ、当該液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して前記基板上に成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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