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JP4448822B2 - ブロックトメルカプトシランカップリング剤の製造方法 - Google Patents

ブロックトメルカプトシランカップリング剤の製造方法 Download PDF

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JP4448822B2
JP4448822B2 JP2005504464A JP2005504464A JP4448822B2 JP 4448822 B2 JP4448822 B2 JP 4448822B2 JP 2005504464 A JP2005504464 A JP 2005504464A JP 2005504464 A JP2005504464 A JP 2005504464A JP 4448822 B2 JP4448822 B2 JP 4448822B2
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モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク
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Description

本発明は、メルカプトシラン及び反応性有機又は無機ハライド又は無水物から酸受容体の存在下でブロックトメルカプトシランを製造する方法に関する。極性相の添加によって、その添加で形成される[酸+酸受容体]相から硫黄含有有機ケイ素化合物を分離することができる。[酸+酸受容体]相に塩基を添加すれば、酸受容体のリサイクルができる。本方法はバッチ式又は連続式いずれでの実施にも適している。この化合物はゴム混合物にカップリング剤として用いられる。
標記化合物は、メルカプト基がブロックされた、即ちメルカプト水素が所謂ブロック基と呼ばれる別の基で置換されたメルカプトシラン誘導体である。特に有益なものは、メルカプトシランと有機又は無機ハライド又は無水物との反応で製造できるチオエステル含有有機ケイ素化合物であり、特にシリカ充填ゴム混合物の製造に適したカップリング剤として確認されているチオカルボン酸有機ケイ素化合物である(米国特許第6414061号)。チオカルボン酸シランはメルカプトシランと好ましくは酸クロリドから製造される。この反応の副生物である無水塩化水素は数多くの不都合な副反応、例えばエトキシシランのクロロエトキシシラン混合物へのエステル交換、さらにはクロロシランへのエステル交換反応を引き起こす。これらの反応は極めて迅速で、温度や圧力などの通常のプロセスパラメータの操作では防止できない。Si−OEt基を(中和法で)回復することは可能ではあるが、技術的に極めて困難である。これらの反応を実施する格段に優れた方法は、酸受容体を用いてHClを分子レベルでその場で中和することである。この反応はエステル交換反応よりも速く、Si−Cl基はほとんど形成されなくなる。この技術に関して解決すべき課題は、塩の取り扱いと環境にやさしいリサイクル作業である。
酸性副生物を塩基で掃去する工程は周知である。第三アミンがよく用いられ、これらのうち特許文献ではトリエチルアミンが最も頻繁に引用されている。トリエチルアミンは最も廉価な第三アミンであるが、最も経済的に使用するには濾過工程が必要とされる。生成物から化学量論量のトリエチルアミン塩酸塩を分離しなければならない。これは、機械的に強力な単位操作であり、通常、フィルタケーキ中の生成物を回収しなければ収率が低くなる。いずれにしても、既に費用のかかる濾過又は遠心分離工程に加えて、フィルタケーキの処分又はさらなる処理に伴う追加の費用が加わる。さらに、トリアルキルアミン塩酸塩は濾過が困難で、通例特別な0.1〜0.01μm圧力フィルタが必要とされる。
別法として、アミンの非存在下で、メルカプトシランを酸クロリドと反応させることができる。この場合、比較的速い副反応によりクロロエトキシシラン混合物が形成される。理論的には、HClを効率よく除去することで、これらのクロロエトキシシランの形成を防止できる。しかし、共有結合の性質から、無水塩化水素はほとんどすべての非極性有機媒体に有意な溶解度を有するため、除去が極めて難しいことが分かる。実際、HClを含有する二元系のほとんどすべての挙動が理想とはほど遠い。従来から、気体種の除去を容易にするよう設計された特別設計のコンタクタ(接触器)、例えば流下式薄膜反応器、クエット反応器、回転ディスクコンタクタなどがある。しかし、高反応性種の効率的な除去は極めて難しい。HCl除去の場合、クロロエトキシシランへのエステル交換反応が、これら分子を痕跡量しか含有しない生成物を得るのに十分低くなるレベルまでHCl除去を容易にすることはできない。
クロロエトキシシランを中和剤で中和するのは可能であるが、技術的には困難である。高反応性チオカルボキシレート基では、特に塩基性無機中和剤を用いる場合、困難さが増す。
別の代替技術では、酸クロリドとの主反応に先立って、メルカプトシランをアルカリ金属と反応させてアルカリ有機チオレートを生成する。こうすると、中性塩化ナトリウムが副生物として形成される。
無水塩化水素のような高反応性の酸性副生物を第三アミンで掃去する考えは一般に合成法として知られている。
米国特許第6229036号には、アミンの補助でクロロシランをメルカプトシランに付加してスルファニルシランを生成することが記載されている。実施例にはトリエチルアミンが明示されている。対応するアミン塩酸塩の除去は濾過により行われる。アミン塩酸塩は、水/ブライン洗浄により分離できない。シリル保護されたメルカプタンが水中で加水分解するからである。例えば、米国特許第6147242号には、シリルアルキルスルファニルシランを水と反応させてシリルアルキルチオールを製造することが記載されている。したがって、Si−S結合がSi−OEt結合より速く加水分解されることが実証されている。
米国特許出願公開第2001/00556139号及び欧州特許出願公開第1142896号には、官能基(例えば塩素)を含有するトリアジン化合物とメルカプトシランとの反応で硫黄シラン−トリアジン誘導体を形成することが記載されている。該当例として、アミン(トリエチルアミン)に補助されたメルカプトプロピルトリエトキシシランの塩化シアヌル(2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン)への付加が挙げられている。生成物(1,3,5−トリス(メルカプトプロピルトリエトキシシリル)トリアジン)からのトリエチルアミン塩酸塩の分離を、濾過により行う。トリエチルアミンは明示されている唯一のアミンである。
米国特許第6414061号には、新規なブロックトメルカプトシラン及びその製造方法が記載されている。この特許の実施例9では、トリエチルアミンを酸掃去剤として用いて、3−(オクタノイルチオ)−1−プロピルトリエトキシシランを製造することが記載されている。生成物からのトリエチルアミン塩酸塩の分離を、濾過(2回、0.1μmフィルタを通しての1回目、0.01μmフィルタを通しての2回目)により行う。
ポリスルフィド化シラン、例えば2つの商品であるビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び対応するジスルフィドの製造に水性相を使用することは従来技術に属する。水性相は、反応、即ちクロロプロピルトリエトキシシランと水溶性M及び/又はMSH(式中、Mはアンモニウム又はアルカリ金属である)及び/又は元素態硫黄との相間移動触媒反応中に存在させることができ、或いは反応の完了後に導入して、生成物を反応混合物から分離することができる。
米国特許第5405985号には、式Z−Alk−S−Alk−Zの分子の製造法が記載されている。水性相及び相間移動触媒の存在下で、式Z−Alk−Xの化合物、例えばクロロプロピルトリエトキシシランをアンモニウム又はアルカリポリスルフィドと反応させる。反応完了後に、反応の副生物、アンモニウム又はアルカリハロゲン化物、最も普通には塩化ナトリウムが水性相内に留まる。
米国特許第6294683号には、飽和塩化ナトリウムブライン溶液中で種々のポリスルフィドアニオンの水溶液をカーボンブラックに担持されたクロロプロピルトリエトキシシラン(CPTES)と相間移動触媒の存在下で反応させることにより、硫黄含有有機ケイ素化合物を製造することが記載されている。
米国特許第6384255号には、相間移動触媒技術により式Z−Alk−S−Alk−Zの分子の製造法が記載されている。相間移動触媒、元素態硫黄及び式M又はMSH(式中、Mはアンモニウム又はアルカリ金属である)のスルフィド化合物を水中で混合し、反応させて、中間反応生成物を得る。第2工程で、この中間反応生成物をオルガノシラン、好ましくはクロロプロピルトリエトキシシラン(CPTES)と反応させる。このプロセスでは、残留硫化物を有機相から除去する濾過工程が必要である。
米国特許第6384256号が米国特許第6384255号とは異なるのは、第1反応工程で、アルカリ金属水酸化物を式M又はMSH(式中、Mはアンモニウム又はアルカリ金属である)のスルフィド化合物及び水中の元素態硫黄と反応させて、ポリスルフィド混合物を形成し、これを次に相間移動触媒の存在下でCPTESと反応させる点にある。緩衝剤を用いて水性相のpHを調節する。この特許によれば、該プロセスは副生物としての硫化水素を最小限に抑制するかなくす。残留硫化物を有機相から除去するのに濾過工程が必要である。
米国特許第6448426号には、米国特許第6384255号のものと類似の反応が記載されている。この特許でも、生成物混合物に水又は希酸性溶液を添加し、生成物混合物を生成物を含有する有機相とイオン性ポリスルフィドを含有する水性相とに相分離することにより、生成物混合物から硫黄含有有機ケイ素化合物を分離する。
米国特許第6414061号明細書 米国特許第6229036号明細書 米国特許出願公開第2001/00556139号明細書 欧州特許出願公開第1142896号明細書 米国特許第6414061号明細書 米国特許第5405985号明細書 米国特許第6294683号明細書 米国特許第6384255号明細書 米国特許第6384256号明細書 米国特許第6448426号明細書
本発明が提供する、ブロックトメルカプトシランの製造プロセスは、
遊離形態では実質的に水不溶性であるがその塩は実質的に水溶性である1種以上の酸受容体の存在下でメルカプトシランを有機又は無機ハロゲン化物又は無水物と反応させてスラリー状反応生成物を生成させる工程、及び
スラリー状反応生成物を水又はブラインで洗浄して(以下「水/ブライン洗浄」という。)、ブロックトメルカプトシランを含有する有機相と、酸受容体の塩を含有する水性相で有機相と非混和性の水性相とを生成する
工程を含む。
酸受容体のリサイクルは、水性相に塩基(例えば苛性アルカリ)を添加して遊離酸受容体を生成し、これを上記プロセスに再使用することによって達成できる。
本プロセスに用いる酸受容体、好ましくはトリアルキルアミン、特に好ましくはトリ−n−プロピルアミン(TNPA)は実質的に水不溶性である。この物質はHClと極めて迅速に反応して対応ヒドロクロリド塩(塩酸塩)を形成るが、この塩は水性相に極めて高い溶解度を有する。これらの特性は、本プロセスでアミン塩酸塩を生成物相から分離するのに水/ブライン洗浄工程を利用する場合に、極めて魅力的である。本プロセスから排出される水性相は、処分の前に追加の処理を必要としない。本プロセスでの唯一の制限は水及び塩基の存在下でのシランの加水分解速度である。加水分解速度は温度制御によって遅くすることができる。オルガノシランの精製に水/ブライン洗浄を利用することは、普通のやり方とは逆行しており、一見したところでは、ほとんどのオルガノシランの水との高い反応性と矛盾しているように見える。水が溶解性をほとんど又は全くもたない酸受容体、即ち水の溶解度約0.2%未満、好ましくは0.15%未満であり、そのため後で乾燥(脱水)操作が不必要になる、酸受容体を用いるのも望ましい。水のトリ−n−プロピルアミンへの溶解度は極めて低い(約0.12%)ので、トリ−n−プロピルアミンはこの有利な点から見て酸受容体として特に優れた選択である。
酸受容体を回収するには、塩基、例えば苛性アルカリ溶液(市場で一番安い塩基)を使用して水性相を洗い、遊離酸受容体及び塩化ナトリウムを生成することができる。遊離酸受容体、好ましくはトリアルキルアミン、特に好ましくはトリ−n−プロピルアミンは水性相から相分離し、本プロセスにリサイクルすることができる。
HClを完全に掃去して反応の終点に向かわせるために、過剰量、例えば10モル%以上過剰の酸受容体を用いるのが望ましい。この過剰な物質は生成物からストリッピング法で分離する必要がある。したがって、酸受容体はあまり高い沸点をもたないのが有利である。高級第三アルキルアミン、特にトリ−n−ブチルアミン(TNBA)はTNPAよりもわずかに良好な溶解度特性を有する。しかし、その沸点が著しく高い(TNPAの156℃に対して216℃)ため、過剰部分の除去が経済的に立ちゆかないものとなる。
本発明の技術で、メルカプトシラン及び酸クロリドからチオカルボン酸シランを高純度で、化学量論的当量の塩を濾過せずに製造することが可能になる。濾過又は遠心分離により大量の塩を分離することは、頻繁なメンテナンス作業を伴う機械的に強力な単位操作である。水性相による塩の抽出は、大規模スケールで濾過工程よりも好ましいが、連続方式で本方法を実施する場合にさらに有利になる。連続方式では、スタチックミキサ(低コストでほとんどメンテナンスのいらない操作)とデカンターとの組合せを用いて相の混合と相の沈降とを行うことができる。
この新規な技術により、硫黄含有有機ケイ素化合物、特にチオカルボン酸シランを製造するコスト効率のよい環境にやさしい方法が得られる。これらの化合物はゴム配合工業で適当なカップリング剤であることが確認されている。適当な酸掃去剤の使用と水/ブライン洗浄とを組み合わせることで、酸掃去剤を回収するのに必要なリサイクル操作を含めて、プロセス全体を連続操作することへの扉が開かれた。本プロセスは、濾過や遠心分離工程のような、メンテナンスが重要な単位操作を含まない。硫黄シラン類はここ十数年で競争の激しい市場で商品規模にまで成長してきたが、かかる硫黄シラン類を連続処理できるので、かなり高価な化合物の格段のコスト節減を図るルートが確保される。
本発明は、水不溶性又は水難溶性の酸受容体、好ましくはトリアルキルアミン、特にトリ−n−プロピルアミンの使用と、その後の生成物を固体副生物、例えばトリ−n−プロピルアミン塩酸塩から分離する水/ブライン洗浄工程との組み合わせである。酸受容体の水性相への溶解度はリサイクル操作の効率及びコストに非常に重要である。イオン強度の高い水性相への溶解度は極端に低い。トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン及びトリ−n−ブチルアミンについての溶解度値を表1に示す(方法:ガスクロマトグラフィ、ヘキサンでの抽出によるサンプル調製)。
表1のデータから、TNPA及びTNBAの水への溶解度がTEAよりはるかに低いことも分かる。さらに、TNPA及びTNBAの溶解度特性は大きくは異ならない。興味深いことに、TNBAの水性相への溶解度は、溶液のイオン強度に大きく依存するようには見えない。文献では、TEAの水への溶解度値は普通3.0〜5.5%の範囲にある。18.7℃より下で、TEAは完全混和性と分類される。TNPAはごくわずかに溶解性と分類され、TNBAは不溶性と分類される。
Figure 0004448822
3つの合成溶液の傾向は、アミン濃度が脱イオン水中で最高であることを示している。20%塩化ナトリウム溶液中では、レベルが大きく低下する。20%NaCl及び5%NaOHを含有する併合溶液で最低のアミンレベルが見られる。この組成はアミン抽出後の水性相に最も近い。
もう一つの顕著な特性は水のアミンへの溶解度である。25℃で、水のトリエチルアミンへの溶解度は約10%であり、一方水のトリ−n−プロピルアミンへの溶解度は0.12%である。したがって、トリエチルアミンのリサイクルには、経費のかさむ乾燥(脱水)操作を伴う。TNPAの場合、低い水含量を除去するのははるかに容易でかつ低コストであり、低い水含量は乾燥操作を全くなくしたプロセスで許容可能でさえある。
したがって、トリ−n−プロピルアミンでは、プロセス流れの経済的なリサイクルを行い、廃棄物処分コストを低減することが可能である。TNPAは、プロセスが水/ブライン洗浄の代わりに濾過/遠心分離工程を用いる場合でも、リサイクル可能である。しかし、水/ブライン洗浄の方が通常の濾過/遠心分離操作よりも好ましい。その理由は、(a)アミン塩酸塩は水性相に高溶解性であり、本質的に定量的に抽出されること、(b)濾過/遠心分離技術はメンテナンスが重要で、故障率が高いこと、(c)生成物が失われないか、アミン塩酸塩を含有する相から生成物を回収する必要がないこと、そして(d)リサイクル流れの乾燥操作が安価であるか、完全に回避してもよいからである。
溶解度特性(アミンの水への、そして水のアミンへの)を比較し、また沸点、分子量及びコストを考慮すると、トリ−n−プロピルアミンがアミンとして最適の選択である。
水不溶性又は水難溶性の酸受容体の使用と水/ブライン洗浄とを組み合わせることは新規である。この新規なプロセスは、ブロックトメルカプトシランを製造する経済的に実行可能な方法の出発点となる。有機又は無機ハロゲン化物又は無水物、好ましくは塩化物をメルカプトシラン、最も好ましくはメルカプトプロピルトリエトキシシランと、酸受容体の存在下で反応させることができ、ここで該酸受容体は水性相への溶解度が極めて低いものの、対応する酸、例えば無水塩化水素又はカルボン酸と高溶解性の塩を形成する。
適当な有機ハロゲン化物又は無水物には、酸ハライド(例えばプロピオニル、ヘキサノイル、2−エチルヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル又はオレオイル)、アルキルハライド、アルケニルハライド、アリールハライド及びアラルキルハライド、並びにカルボン酸無水物(例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸及びオレイン酸)があるが、これらに限定されない。
適当な無機ハロゲン化物又は無水物には、チオニルハライド、スルフリルハライド、アルキルもしくはアルケニルもしくはアリールもしくはアラルキルスルホン酸ハライド又は無水物、アルキルもしくはアルケニルもしくはアリールもしくはアラルキルリンオキシハライドがあるが、これらに限定されない。
ここで用いるハライド類にはクロリド(塩化物)、ブロミド(臭化物)及びヨージド(ヨウ化物)があり、好ましくはクロリドであり、アルキルには直鎖、環状及び枝分れアルキル基が含まれ、アルケニルには炭素−炭素二重結合を1つ以上含有する直鎖、環状及び枝分れアルケニル基が含まれる。アルキルの具体例にはメチル、エチル、プロピル、イソブチルがあり、アリール及びアラルキルの具体例にはフェニル、トリル及びフェネチルがある。ここで用いる環式アルケニル又は非環式アルケニルは二環及び多環構造を含み、またアルキル基でさらに置換された環式構造を含む。具体例にはノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル及びシクロヘキシルシクロヘキシルがある。
メルカプトシラン類としては、次の一般式のものが挙げられる。
(XSi)−G−SH
式中、Xは独立に−Cl、−Br、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R、−(OSiR)(OSiR)からなる群から選択され、各Rは独立に水素、直鎖もしくは環状もしくは枝分れアルキル基(不飽和を含んでいてもいなくてもよい。)、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択されるもので、各Rの炭素原子数は1〜18であり、少なくとも1つのXは−Rでなく、Gはアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキルの置換によって誘導される一価又は多価基であり、Gの炭素原子数は1〜18であり、sは1〜3である。
本発明のプロセスで製造されるブロックトメルカプトシランは、次の式(1)及び(2)で表される。
[[(ROC(=O)−(G)]−Y−S]−G−(SiX) (1)
[(XSi)−G]−[Y−[S−G−SiX]] (2)
式中、Yは−C(=NR)−、−SC(=NR)−、−SC(=O)−、(−NR)C(=O)−、(−NR)C(=S)−、−OC(=O)−、−OC(=S)−、−C(=O)−、−SC(=S)−、−C(=S)−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、(−NR)S(=O)−、−SS(=O)−、−OS(=O)−、(−NR)S(=O)−、−SS(=O)−、(−S)P(=O)−、−(−S)P(=O)−、−P(=O)(−)、(−S)P(=S)−、−(−S)P(=S)−、−P(=S)(−)、(−NR)P(=O)−、(−NR)(−S)P(=O)−、(−O)(−NR)P(=O)−、(−O)(−S)P(=O)−、(−O)P(=O)−、−(−O)P(=O)−、−(−NR)P(=O)−、(−NR)P(=S)−、(−NR)(−S)P(=S)−、(−O)(−NR)P(=S)−、(−O)(−S)P(=S)−、(−O)P(=S)−、−(−O)P(=S)−及び−(−NR)P(=S)−からなる群から選択される多価種(Q)A(=E)であって、不飽和ヘテロ原子(E)に結合した原子(A)は硫黄に結合しており、該硫黄は基Gを介してケイ素原子に連結しており、
各Rは独立に水素、直鎖もしくは環状もしくは枝分れアルキル基(不飽和を含んでいてもいなくてもよい。)、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択されるもので、各Rの炭素原子数は1〜18であり、
各Gは独立にアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキルの置換によって誘導される一価又は多価基であり、Gの炭素原子数は1〜18であり、Yに直接結合したGが一価(即ちp=0)である場合にはGは水素原子であってもよく
Xは独立に−Cl、−Br、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R、−(OSiR)(OSiR)からなる群から選択され、各R及びGは上記定義の通り、少なくとも1つのXは−Rでなく、
Qは酸素、硫黄又は(−NR−)であり、
Aは炭素、硫黄、リン又はスルホニルであり、
Eは酸素、硫黄又はNRであり、
pは0〜5であり、rは1〜3であり、zは0〜2であり、qは0〜6であり、aは0〜7であり、bは1〜3であり、jは0〜1であるが、jが0となり得るのはpが1のときだけであり、cは1〜6、好ましくは1〜4であり、tは0〜5であり、sは1〜3であり、kは1〜2であるが、(A)Aが炭素、硫黄又はスルホニルである場合には、(i)a+b=2及び(ii)k=1であり、(B)Aがリンである場合には、(i)c>1で(ii)b=1のときはa=c+1であるが、それ以外のときはa+b=3であり、(C)Aがリンである場合には、kは2である。
本発明のシラン類に存在する官能基(−YS−)の代表例としては、チオカルボキシレートエステル−C(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオカルボキシレートエステルシランである。)、ジチオカルボキシレート−C(=S)S−(この官能基を有するシランはすべてジチオカルボキシレートエステルシランである。)、チオカーボネートエステル−O−C(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオカーボネートエステルシランである。)、ジチオカーボネートエステル−S−C(=O)S−及び−O−C(=S)S−(この官能基を有するシランはすべてジチオカーボネートエステルシランである。)、トリチオカーボネートエステル−S−C(=S)S−(この官能基を有するシランはすべてトリチオカーボネートエステルシランである。)、ジチオカルバメートエステル(−N−)C(=S)S−(この官能基を有するシランはすべてジチオカルバメートエステルシランである。)、チオスルホネートエステル−S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオスルホネートエステルシランである。)、チオサルフェートエステル−O−S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオサルフェートエステルシランである。)、チオスルファメートエステル(−N−)S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオスルファメートエステルシランである。)、チオスルフィネートエステル−S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオスルフィネートエステルシランである。)、チオサルファイトエステル−O−S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオサルファイトエステルシランである。)、チオスルフィメートエステル(−N−)S(=O)S−(この官能基を有するシランはすべてチオスルフィメートエステルシランである。)、チオホスフェートエステルP(=O)(O−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてチオホスフェートエステルシランである。)、ジチオホスフェートエステルP(=O)(O−)(S−)又はP(=S)(O−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてジチオホスフェートエステルシランである。)、トリチオホスフェートエステルP(=O)(S−)又はP(=S)(O−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてトリチオホスフェートエステルシランである。)、テトラチオホスフェートエステルP(=S)(S−)(この官能基を有するシランはすべてテトラチオホスフェートエステルシランである。)、チオホスファメートエステル−P(=O)(−N−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてチオホスファメートエステルシランである。)、ジチオホスファメートエステル−P(=S)(−N−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてジチオホスファメートエステルシランである。)、チオホスホルアミデートエステル(−N−)P(=O)(O−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてチオホスホルアミデートエステルシランである。)、ジチオホスホルアミデートエステル(−N−)P(=O)(S−)又は(−N−)P(=S)(O−)(S−)(この官能基を有するシランはすべてジチオホスホルアミデートエステルシランである。)、トリチオホスホルアミデートエステル(−N−)P(=S)(S−)(この官能基を有するシランはすべてトリチオホスホルアミデートエステルシランである)が挙げられる。
本発明の新規なシラン類は、Y基が−C(=NR)−、−SC(=NR)−、−SC(=O)−、−OC(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、−(NR)S(=O)−、−SS(=O)−、−OS(=O)−、−(NR)S(=O)−、−SS(=O)−、(−S)P(=O)−、−(−S)P(=O)−、−P(=O)(−)、(−S)P(=S)−、−(−S)P(=S)−、−P(=S)(−)、(−NR)P(=O)−、(−NR)(−S)P(=O)−、(−O)(−NR)P(=O)−、(−O)(−S)P(=O)−、(−O)P(=O)−、−(−O)P(=O)−、−(−NR)P(=O)−、(−NR)P(=S)−、(−NR)(−S)P(=S)−、(−O)(−NR)P(=S)−、(−O)(−S)P(=S)−、(−O)P(=S)−、−(−O)P(=S)−及び−(−NR)P(=S)−であるものである。これらのうち、−OC(=O)−、−SC(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、−(−S)P(=O)−及び−P(=O)(−)が特に好ましい。
好ましいシランは、Yが−C(=O)−であり、Gがカルボニルに結合した第一炭素を有し、C−C12アルキル、さらに好ましくはC−Cアルキルであるものである。
別の好ましい構造は、式XSiGSC(=O)GC(=O)SGSiX(式中、Gは二価炭化水素である)で表される。
Gの例には−(CH)−(式中、nは1〜12である)、ジエチレンシクロヘキサン、1,2,4−トリエチレンシクロヘキサン及びジエチレンベンゼンがある。分子内のG基内の炭素原子の合計が3〜18であるのが好ましく、6〜14であるのがさらに好ましい。ブロックトメルカプトシラン中の炭素の量をこの範囲とすることで、無機充填剤の有機ポリマーへの分散を容易にし、これにより充填剤入りゴム硬化物の特性のバランスを改善する。
R基としてはC−Cアルキル基及びHが好ましい。
Xの具体例にはメトキシ、エトキシ、イソブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、アセトキシ及びオキシマトがある。メトキシ、アセトキシ及びエトキシが好ましい。少なくとも1つのXが反応性(即ち加水分解性)でなければならない。
好ましい実施形態では、pが0〜2であり、XがRO−又はRC(=O)O−であり、Rが水素、フェニル、イソプロピル、シクロヘキシル又はイソブチルであり、Gが置換フェニル又は置換直鎖C−C12アルキルである。最も好ましい実施形態には、pが0、Xがエトキシ、GがC−C12アルキル誘導体であるものがある。
本発明のプロセスで製造できるシラン類の代表的な例としては、2−トリエトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−トリメトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、トリエトキシシリルメチルチオアセテート、トリメトキシシリルメチルチオアセテート、トリイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、メチルジエトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジメトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルエトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルメトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、2−トリイソプロポキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジエトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルエトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジエトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルシクロヘキサン、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−チオアセチルシクロヘキサン、2−トリエトキシシリル−5−チオアセチルノルボルネン、2−トリエトキシシリル−4−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−5−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルノルボルネン、1−(1−オキソ−2−チア−5−トリエトキシシリルぺニル)安息香酸、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−ヘキシルチオアセテート、8−トリエトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−オクチルチオアセテート、8−トリメトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリメトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、10−トリエトキシシリル−1−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−9−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−3−ブチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオパルミテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオベンゾエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−エチルヘキサノエート、3−メチルジアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、2−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−トリアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−トリアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルジチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルジチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルトリチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルトリチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルジチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルジチオホスフィネート、トリス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)メチルジチオホスホネート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)エチルジチオホスホネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメチルチオサルフェート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルエタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルベンゼンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルトルエンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルナフタレンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルキシレンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルメチルチオサルフェート、トリエトキシシリルメチルメタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルエタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルベンゼンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルトルエンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルナフタレンチオスルホネート及びトリエトキシシリルメチルキシレンチオスルホネートが挙げられる。
これらのブロックトメルカプトシランの部分加水分解物(即ちブロックトメルカプトシロキサン)も、これらの部分加水分解物がブロックトメルカプトシランの製造の際の副生物であるので、本発明のブロックトメルカプトシランに包含される。
原則として、任意の酸受容体(塩基)を使用して酸性副生物を掃去することができる。この酸受容体に必要な特性は、(a)生成物で加水分解しないこと、(b)反応性有機又は無機ハロゲン化物又は無水物と反応しないこと、そして(c)有機媒体への十分な溶解度、即ち有機媒体に保持される能力を有することである。アルカリもしくはアルカリ土類炭酸塩及びアルカリもしくはアルカリ土類リン酸塩のような無機塩基を、所望に応じて相間移動触媒、例えばテトラアルキルアンモニウム又はホスホニウムハライドの存在下で、使用できる。第三アミン又はホスフィンは疑いなく最も実用的な選択である。上述の溶解度特性を有する第三アミン又はホスフィンであればいずれを用いても、本プロセスを実施してよい結果を得ることができる。アミンの方がはるかに安価であるため、対応するホスフィンより選択肢として好ましい。適当な酸受容体の例には、トリ−n−アルキルアミンもしくはホスフィン、枝分れトリアルキルアミンもしくはホスフィン、芳香族アミンもしくはホスフィン、例えばピリジン、キノリン、イソキノリン、ジアルキルアニリンもしくはホスフィン、特にジメチルアニリン及びジメチルフェニルホスフィン、並びに環状非芳香族アミン、例えばトリエチレンジアミン(別名1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)又はヘキサメチレンテトラミンなどがあるが、これらに限らない。
この方法は、オルガノシランが水性相の存在下周囲温度以下で示す加水分解速度によってのみ限定される。例えば、生成物が水と反応しないならば、酸ハライドの代わりに、任意の反応性有機又は無機ハロゲン化物を本プロセスに使用できる。
トリ−n−プロピルアミンは、(a)水性相、特にイオン強度の高い水性相への溶解度が低い、(b)沸点が適切である、(c)比較的安価に市場で入手できる、(d)生分解性が良好であることから、非常に適当な酸受容体として確認されている。
本プロセスの特異性は、上記酸受容体の使用と、固体副生物であるトリ−n−プロピルアミン塩酸塩を生成物相から分離するキー単位操作、即ち水又はブライン洗浄とを組み合わせた点にある。塩酸塩を有機相から分離するのに必要な水又はブラインの量は、アミン塩酸塩の水性相への溶解度が極めて高いので、比較的少ない。
本発明の具体例として、メルカプトプロピルトリエトキシシランと、酸受容体としてのトリ−n−アルキルアミン及び求電子試薬としての酸クロリドとからのチオカルボキシレート官能性シランの合成(実施例1〜11)及びチオホスホニル官能性シランの合成(実施例12)がある。実施例13は、酸クロリドの代わりに無水物を用いてチオカルボキシレート官能性シランを合成する過程を具体的に説明する。実施例14〜16では、本発明を酸受容体としての芳香族及び枝分れ脂肪族アミンについて具体的に説明する。実施例17は、水洗浄工程をトリメトキシ官能性シランの合成にも使用できることを具体的に説明する。実施例1〜17はすべてバッチ方式である。実施例18では、酸受容体を水/ブライン洗浄と組み合わせて用いる考えを連続方式に拡張する。反応は一連の連続撹拌槽反応器(CSTR)で実施する。
A.バッチ操作
この方式では、反応全体(水/ブライン洗浄、ストリッピング及びリサイクルを含む)を1つの反応器内で実施することができる。手順は、実施例1及び2(TEAを使用)及び実施例3(TNPAを使用)で実験室スケールの実験について詳述する。最初の2つの実施例では、アミンを定量的にリサイクルできず、第3のケースでは、リサイクル操作を詳細に説明する。実施例4及び5は、酸受容体としてTNPAを使用すれば、乾燥操作が不要になることを具体的に示す。すべての実験で塩化オクタノイルを限定試薬とした。
実施例1:TEA補助反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた12L四つ口丸底フラスコに、周囲温度で、2492g(10.45モル)のメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、1058g(10.45モル)のTEA、3390mlのイソオクタン及び40mlのトルエン(製造スケール反応器における残留クリーンアップトルエンをシミュレートするための)を添加した。MPTES及びTEAを溶剤と混合し、1545g(9.50モル)の塩化オクタノイルを添加ロートから40分間にわたってゆっくり添加した。添加中に、特に冷却することなく、温度は22℃から65℃に上昇した。フラスコを一夜放冷した。10%NaCl水溶液を調製し、この溶液1267gをフラスコに加えた。フラスコの中身を5分間撹拌し、次いで放置し15分間沈降させた。有機相を水性相から分離し、5.0gの無水硫酸マグネシウムで乾燥した(撹拌しながら15分間)。材料を圧力フィルターの1μmフィルターパッドを通して濾過した。生成物を50mmHgでストリッピングし、130℃に加熱し、その温度に30分間維持した。最後に、生成物を放冷し、ポリッシュフィルタに通した。3440.9gの3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを透明な薄黄色の液体として回収した。これは90.4%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン、3.1%のMPTES及び若干の重質物を含有した。デカンテーションした水性相は強いアミン臭をもち、廃棄処分した。
実施例2:TEA補助反応と水/ブライン洗浄及びアミン回収
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、176.2g(1.74モル)のTEA及び655mlのイソオクタンを添加した。MPTES及びTEAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートから40分間にわたってゆっくり添加した。添加中に、温度は周囲温度から86.5℃に上昇した。スラリーを31℃にて212gの10%NaCl水溶液で水洗した。15分間沈降させた後、水性相をデカンテーションした。有機相を5gの硫酸マグネシウムで乾燥し(撹拌しながら15分間)、濾過し、フラスコに戻した。130℃に加熱しながら、溶液を50〜80mmHgでストリッピングした。547.0gの3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを透明な薄黄色の液体として回収した。これは94.7%の純物質、1.5%のMPTES及び若干の重質物を含有した。アミン相を回収するため、20%NaOH水溶液を水性相に添加した。混合後、下層をデカンテーションした。純度93.9%のアミン相165.3gを回収した(回収率97.0%)。塩水溶液はまだ強いアミン臭を示した。
実施例3:TNPA補助反応シリーズと水/ブライン洗浄及び多数回のアミン及び溶剤回収及び乾燥操作
段階1:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、249.7g(1.74モル)のトリ−n−プロピルアミン(TNPA)及び475gの石油エーテル(VM&Pナフサ)を添加した。MPTES及びTNPAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加中に、温度は周囲温度から60℃に上昇した。スラリーを204gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(529.8g)をデカンテーションし、有機相を5.0gの無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を1μmフィルターパッドを通して濾過した。材料を45〜50mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、1時間保持した。346.5gの軽質物を回収し、これをその後硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。ストリッピングにより465.9gの材料を薄黄色の液体として回収し、その後ポリッシュフィルタに通した。被ストリップ材料は92.0%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に3.5%のMPTES及び1.0%の重質物も含有した。最終収率は74.4%であった。軽質物は90.0%の石油エーテル、5.0%のTNPA、0.4%のMPTES及び0.1%の生成物を含有した。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。263.5gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度75.4%で、10.0%の生成物(したがって比較的低収率)及び0.1%のMPTESを含有した(残部は石油エーテル)。この材料は0.14%の水を含有し、5gの無水硫酸マグネシウムで乾燥した(乾燥後の水含量ほぼ0%)。
段階2:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、174.5g(1.22モル)のTNPAを含む231.5gのリサイクルしたアミン相、58.7g(0.41モル)の補充TNPA、段階1からの16.5g(0.12モル)の過剰なアミンを含む329.3gのリサイクルした溶剤及び178.5gの補充溶剤を添加した。MPTES及びTNPAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(492.0g)をデカンテーションし、有機相を5.0gの無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を1μmフィルターパッドを通して濾過した。材料を45〜50mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、1時間保持した。417.0gの軽質物を回収し、また519.4gの被ストリップ材料を薄黄色の液体として回収し、その後ポリッシュフィルタに通した。被ストリップ材料は96.2%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に1.4%のMPTES及び0.9%の重質物も含有した。最終収率は86.7%であった。軽質物は88.0%の石油エーテル、5.2%のTNPA、1.1%のMPTES及び0.8%の生成物を含有した。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。回収したアミン相は純度87.6%で、6.1%の生成物及び5.9%の石油エーテルを含有した。この材料は乾燥後の水含量が0.02%であった。
乾燥操作なしの実施例
以下の2つの実施例は、リサイクルしたアミン流れを乾燥(脱水)する必要なしに、本プロセスをトリ−n−プロピルアミンで実施できることを具体的に説明する。実施例4ではTEAを酸受容体として使用し、実施例5では反応をTNPAで行う。
実施例4:苛性アルカリ溶液でのTEAの回収及びその後の事前乾燥なしでの酸受容体としての使用
TEA回収:
機械的スターラ及び窒素パージラインを取り付けた3Lフラスコ(底デカント)内で、周囲温度で、1Lの水性デカント相を1Lの20%苛性アルカリ溶液と合わせた。内容物を撹拌し、次いで沈降させた。アミン相は2.95%の水を含有し、水性相は約1500ppmのTEAを含有した(ヘッドスペースGCで測定)。このレベルの水は許容しがたく、乾燥操作が必要とされる。
800mlの水性デカント相、800mlの苛性アルカリ溶液及び400mlのイソオクタンを用いて、実験を繰り返した。回収したアミン/イソオクタン相は0.21%の水を含有し、水性相は約1200ppmのTEAを含有した。
主反応:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、446.6gのTEA/イソオクタン(176.4g(1.74モル)のTEAを含有)及び190gの追加のイソオクタンを添加した。MPTES及びTNPAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを202.6gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機相は曇っていた。水性相をデカンテーションし、有機相を5gの無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤が塊状となり、追加の5gを有機相に添加した。混合物を濾過し、次いで40mmHgで真空ストリッピングした。温度を極めてゆっくり130℃まで上げ(2時間の期間をかけて)、1時間保持した。被ストリップ材料は88.3%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に6.5%のMPTES及び2.3%の重質物も含有した。
本例は、TEAを水/ブライン洗浄と組み合わせて使用できることを具体的に説明する。原則として、回収工程中に非極性有機溶剤を苛性アルカリ溶液とともに添加すれば、リサイクルされたアミン流れの乾燥操作は省略することができる。しかし、この場合でも、反応中に有意な量の塩化オクタノイルがオクタン酸に転換される。その結果、最終生成物は高レベルのMPTESを含有する。また、非極性溶剤をアミン回収操作に添加すると、特に連続方式で実施する場合に、技術的困難を引き起こす。その上、廃水流れのTEAレベルがTNPAの場合より著しく高い。
実施例5:TNPA補助反応シリーズと水/ブライン洗浄及び多数回のアミン及び溶剤回収、乾燥操作なし
段階1:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、249.7g(1.74モル)のトリ−n−プロピルアミン(TNPA)及び475gの石油エーテル(VM&Pナフサ)を添加した。MPTES及びTNPAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(511.0g)をデカンテーションした。材料を50mmHgで真空ストリッピングした。温度を極めてゆっくり130℃まで上げ(2時間の期間をかけて)、1時間保持した。485.6gの軽質物を回収し、また526.7gの被ストリップ材料を薄黄色の液体として回収し、これを1μmのポリッシュフィルタに通した。
被ストリップ材料は92.0%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に3.8%のMPTES及び0.8%の重質物も含有した。最終収率は84.0%であった。軽質物は90.8%の溶剤、4.7%のTNPA、0.4%のMPTES及び0.1%の生成物を含有した。水レベルは0.1ppmと測定された。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。237.9gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度94.1%で、2.8%の生成物を含有した。水レベルは831ppmであった。
段階2:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、159.5g(1.11モル)のTNPAを含む164.4gのリサイクルしたアミン相、70.8g(0.49モル)の補充TNPA、19.4g(0.14モル)の過剰なアミンを含む394.6gのリサイクルした溶剤及び94.9gの補充溶剤を添加した。MPTES及びTNPAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(534.0g)をデカンテーションした。材料を50mmHgで真空ストリッピングした。温度を極めてゆっくり130℃まで上げ(2時間の期間をかけて)、1時間保持した。465.5gの軽質物を回収し、また539.2gの被ストリップ材料を薄黄色の液体として回収し、これを1μmのポリッシュフィルタに通した。被ストリップ材料は93.6%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に1.9%のMPTES及び2.3%の重質物も含有した。最終収率は87.6%であった。軽質物は90.4%の溶剤、3.4%のTNPA、1.0%のMPTES及び0.3%の生成物を含有した。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。243.4gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度85.0%で、6.7%の生成物を含有した。水レベルは644ppmであった。
この実施例は、水との混和性が極めて限定されたアミンを使用すれば、乾燥なしでリサイクルした流れで本反応を実施できることを示している。それでも、目的の品質に応じて、乾燥操作を本反応に組み込んでもよい。乾燥なしでリサイクル流れを使用した場合に、重質物のわずかな増加が認められるだけである。ここで強調すべきは、乾燥操作のコストが水レベルと共に上昇するので、TNPAはTEAよりはるかに経済的になる。
実施例6〜17では種々の求電子試薬及び酸受容体を用いた追加の反応を具体的に説明する。
実施例6:TNBA(トリ−n−ブチルアミン)補助反応シリーズと水/ブライン洗浄及び多数回のアミン及び溶剤回収、乾燥操作なし
段階1:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、322.5g(1.74モル)のトリ−n−ブチルアミン(TNBA)及び475gの石油エーテル(VM&Pナフサ)を添加した。MPTES及びTNBAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(579.0g)をデカンテーションした。材料を50mmHgで真空ストリッピングした。温度を極めてゆっくり150℃まで上げ(2時間の期間をかけて)、1時間保持した。278.5gの軽質物を回収し、また517.8gの被ストリップ材料を薄黄色の液体として回収し、これを1μmのポリッシュフィルタに通した。
被ストリップ材料は96.4%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に0.2%のMPTES及び1.6%の重質物も含有した。最終収率は86.6%であった。軽質物は85.8%の溶剤、4.5%のTNBA、3.0%のMPTES及び1.9%の生成物を含有した。水レベルは<0.1ppmと測定された。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。306.0gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度92.2%で、3.6%の生成物を含有した。水レベルは434ppmであった。
段階2:
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、254.3g(1.37モル)のTNBAを含む275.9gのリサイクルしたアミン相、57.6g(0.31モル)の補充TNBA、10.6g(0.06モル)の過剰なアミンを含む236.5gのリサイクルした溶剤及び261.6gの補充溶剤を添加した。MPTES及びTNBAを溶剤と混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。水性相(583.4g)をデカンテーションした。材料を50mmHgで真空ストリッピングした。温度を極めてゆっくり150℃まで上げ(2時間の期間をかけて)、1時間保持した。289.1gの軽質物を回収し、また560.0gの被ストリップ材料を薄黄色の液体として回収し、これを1μmのポリッシュフィルタに通した。被ストリップ材料は92.7%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に1.4%のMPTES及び2.3%の重質物も含有した。最終収率は90.0%であった。軽質物は85.0%の溶剤、4.1%のTNBA、3.4%のMPTES及び1.1%の生成物を含有した。
アミン相を回収するため、350.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。308.3gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度92.7%で、4.0%の生成物を含有した。水レベルは2530ppmであった。
実施例7:大過剰のTNPA及び無溶剤での塩化オクタノイルのMPTESへのTNPA補助付加反応とブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES及び725gのTNPAを添加した。MPTES及びTNPAを混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させ、この間に73.7℃まで発熱した。スラリーを200gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。分離は典型的で、撹拌停止後15〜20秒以内に始まった。有機層はわずかに黄色で、わずかに曇っており、一方水性層は白色不透明であった。有機相を25〜35mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり150℃まで上げ、1時間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通して濾過した。材料は89.2%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に2.0%のMPTES及び4.4%の重質物も含有した。反復実験からの材料は88.0%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン、2.9%のMPTES及び4.3%の重質物を含有した。
実施例8:25%過剰のTNPA及び無溶剤での塩化オクタノイルのMPTESへのTNPA補助付加反応
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、669.0g(2.81モル)のMPTES及び488.2g(3.41モル)のTNPAを添加した。MPTES及びTNPAを混合し、443.5g(2.73モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加中の最高反応温度は74.4℃であった。スラリーを276gの水で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。分離は典型的であったが、実施例7よりゆっくりであった。有機相を25〜35mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり150℃まで上げ、1時間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通して濾過した。942.6gの生成物を得た(純度94.8%、酸クロリドのモル数に基づく収率90%)。除去した軽質物は重量60.8gであった。生成物は1.9%のMPTES及び1.4%の重質物も含有した。
アミン相を回収するため、580.0gの20%NaOH水溶液を水性相に添加した。15分間の混合及び15分間の沈降後、下層をデカンテーションした。377.7gのアミン相を無色透明な液体として回収した。回収アミン相は純度97.3%で、2.6%の生成物を含有した。水レベルは36ppmであった。
実施例9:塩化プロピオニルのMPTESへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、312.4g(1.31モル)のMPTES、196.6g(1.375モル)のTNPA及び330gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、TNPA及び溶剤を混合し、115.7g(1.25モル)の塩化プロピオニルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1.5時間の期間内に完了させ、この間に45℃までの発熱が見られた。スラリーを60℃に加熱し、同温度に2時間保持した。スラリーを35℃に冷却し、次いで180gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は透明で無色、一方水性層は白色不透明であった。有機相を5gの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、25〜35mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、1時間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通して濾過した。材料は94.1%の3−プロピオニル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に3.2%のMPTES及び0.9%の重質物も含有した。
実施例10:塩化2−エチルヘキサノイルのMPTESへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、249.7g(1.75モル)のTNPA及び475gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、TNPA及び溶剤を混合し、257.5g(1.58モル)の塩化2−エチルヘキサノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させた。スラリーを35℃に冷却し、次いで206gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層はわずかに曇っており、水性層は白色不透明であった。水性相をデカンテーションし、213gの新たな10%NaOH水溶液で水洗を繰り返しところ、有機層は透明になった。有機相を35mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、1時間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通して濾過した。542.1gの生成物相を得た(純度88.9%、酸クロリドのモル数に基づく収率83.7%)。除去した軽質物は重量406.3gであった。材料は88.9%の3−(2−エチルヘキサノイル)−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に4.7%のMPTES及び2.5%の重質物も含有した。軽質物は、溶剤以外に0.7%のMPTES及び5.4%のTNPAを含有した。
実施例11:塩化オレイルのMPTESへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、250.3g(1.05モル)のMPTES、157.3g(1.10モル)のTNPA及び365gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、TNPA及び溶剤を混合し、300.9g(0.85モル)の塩化オレイル(工業品位85%)を添加ロートからゆっくり添加した。添加は2.5時間の期間内に完了させた。添加中温度を38℃に維持し、その後60℃に加熱し、2時間保持した。スラリーを35℃に冷却し、次いで205gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は透明で琥珀色であり、水性層は白色不透明であった。有機相を15gの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、25mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、1時間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通して濾過した。461.6gの生成物を得た(純度86.6%、酸クロリドのモル数に基づく収率93.5%)。除去した軽質物は重量275.6gであった。材料は86.6%の3−オレイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有し、同時に0.2%のMPTES及び3.2%の重質物も含有した。
実施例12:ジフェニルホスフィン酸クロリドのMPTESへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、125.2g(0.525モル)のMPTES、78.7g(0.55モル)のTNPA及び150gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、TNPA及び溶剤を混合し、118.3g(0.50モル)のジフェニルホスフィン酸クロリドを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させた。添加中、36℃への発熱が認められた。スラリーを35℃に冷却し、次いで111gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。撹拌停止後5分で分離が起こった。有機層はわずかに黄色であり、水性層は白色不透明であった。有機相を5gの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、30mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物相は、重量166.7gで、87.2%の3−(ジフェニルオキシリン)−1−チオプロピルトリエトキシシラン、2.2%のMPTES及び5.9%の重質物を含有した。
実施例13:無水ヘプタン酸のMPTESへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、250.3g(1.05モル)のMPTES、157.3g(1.10モル)のTNPA及び300gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、アミン及び溶剤を混合し、242.4g(1.00モル)の無水ヘプタン酸を添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させた。添加中、発熱はわずか4℃であった。混合物を60℃に加熱し、同温度に6時間保持した。スラリーを35℃に冷却し、次いで204gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は無色、水性層は白色不透明であった。有機相を5gの無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、30mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物は、重量308.9gで、33.7%の純粋なトリエトキシエステルである3−ヘプタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン、ほかに2.2%のMPTES及び57%の溶離重質物を含有した。
実施例14:塩化オクタノイルのMPTESへの4−メチルモルホリン補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、250.3g(1.05モル)のMPTES、111.3g(1.10モル)の4−メチルモルホリン及び300gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、アミン及び溶剤を混合し、162.7g(1.00モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は2時間の期間内に完了させた。添加中、温度を42℃未満に維持した。スラリーを35℃に冷却し、次いで201gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。分離は撹拌停止後すぐに起こった。有機層は無色、水性層は白色不透明であった。有機相を5gの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、30mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物は、重量329.1gで、94.8%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン(塩化オクタノイルのモル数に基づく収率85.6%)、2.3%のMPTES及び1.0%の重質物を含有した。
実施例15:塩化オクタノイルのMPTESへのN,N−ジメチルオクチルアミン補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、125.2g(0.525モル)のMPTES、86.5g(0.55モル)のN,N−ジメチルオクチルアミン及び150gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、アミン及び溶剤を混合し、81.3g(0.50モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1.5時間の期間内に完了させ、次いで60℃に加熱し、同温度に2時間保持した。スラリーを35℃に冷却し、次いで103gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は無色透明、水性層は白色不透明であった。有機相を8gの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、12mmHgで真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物相は、重量167.5gで、85.9%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン(塩化オクタノイルのモル数に基づく収率78.9%)、9.4%のMPTES及び2.1%の重質物を含有した。
実施例16:塩化オクタノイルのMPTESへのピリジン補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、396.3g(1.66モル)のMPTES、137.6g(1.74モル)のピリジン及び475gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、アミン及び溶剤を混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させた。スラリーを35℃に冷却し、次いで100gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は無色透明、水性層は白色不透明であった。有機相(972.6g)を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空ストリッピングした。温度をゆっくり130℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物は、重量513.4gで、85.6%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシラン(塩化オクタノイルのモル数に基づく収率76.2%)、1.6%のMPTES及び4.7%の重質物を含有した。
実施例17:塩化オクタノイルのMPTMSへのTNPA補助付加反応と水/ブライン洗浄
機械的スターラ、ドライアイス凝縮器、N入口兼熱電対及び添加ロートを取り付けた2L四つ口丸底フラスコ(底取り出し口)に、周囲温度で、326.2g(1.66モル)のMPTMS、249.7g(1.74モル)のトリ−n−プロピルアミン及び475gのVM&Pナフサを添加した。MPTES、アミン及び溶剤を混合し、257.5g(1.58モル)の塩化オクタノイルを添加ロートからゆっくり添加した。添加は1時間の期間内に完了させた。スラリーを35℃に冷却し、次いで100gの10%NaCl水溶液で水洗した(5分撹拌、15分沈降)。有機層は無色透明で、水性層は白色不透明であった。有機相(1007.8g)を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空ストリッピングした。温度をゆっくり150℃まで上げ、30分間保持した。生成物を1μmフィルターパッドを通してポリッシュフィルターした。生成物は、重量474.7gで、89.9%の3−オクタノイル−1−チオプロピルトリメトキシシラン(塩化オクタノイルのモル数に基づく収率83.6%)、1.6%のMPTMS及び5.2%の重質物を含有した。
連続操作
別法として、本プロセスは連続方式で操作することができる。連続ユニットを設計する上で最も重要な因子は大量の固形塩を取り扱いうることである。本プロセスを図1に示す。MPTES、TNPA、任意の溶剤及び酸ハライドを反応器に供給する。反応器はプラグ流反応器(PFR)、混合流反応器/連続撹拌槽反応器(MFR/CSTR)、PFRとMFR/CSTRの組合せ、或いは一連の混合流反応器とすることができる。最も適当な反応器設計は、図2に示す一連のCSTRであることが確認された。反応物質、即ちMPTES、TNPA、塩化オクタノイル及び溶剤(石油エーテル)を第1の反応器に供給した。この反応器で反応の大部分が起こる。反応中に冷却が必要であった。反応器2は任意であり、これを用いて塩化オクタノイル供給材料を分割することができる。第1反応器では比較的少量の塩と熱が発生し、その結果第1反応器での混合が良好になり、熱除去速度が高くなる。反応器3は反応を終点まで進めるのに必要であった。保持タンクを本プロセスの反応と下流部分との間のバッファとして使用した。
反応器システムから粘稠なスラリーとして出てくる反応混合物は、その後水性流れ(0〜25%塩化ナトリウム溶液)と合流され、好ましくはスタチックミキサで十分に混合され、混合・沈降槽で保持され沈降する。2相がすぐに生成し、上側相は有機相で、生成物、溶剤(あれば)及び遊離の過剰なTNPAを含有し、下側相は水性相で、TNPA塩酸塩及び塩化ナトリウム溶液を含有した。上側相をストリッピングカラムに送り、そこで生成物をプロセス軽質物から分離した。プロセス軽質物をリサイクルするために、さらなる精製が望ましく、これは第1カラムより操作温度の低い第2のストリッピングカラムで達成できる。これらの高沸点軽質物はプロセスの廃棄流れの一つである。リサイクルした軽質物を、もし望ましければ、乾燥カラムで乾燥してもよい。
第1混合・沈降槽の下側相を苛性アルカリ溶液の流れと合流し、次いで好ましくはスタチックミキサで十分に混合した。遊離トリ−n−プロピルアミンが生成したが、これは水性相にほんのごくわずかだけ溶解性であった。この低い溶解度のため、水性(下側)相は廃棄前に追加の処理を必要としなかった。トリ−n−プロピルアミンはかなり生分解性であるので、プラント内部の廃水処理施設で分解され得る。上側相は遊離アミンであり、もし望ましければ、本プロセスに戻す前に乾燥カラムで乾燥することができた。
実施例18:TNPA補助連続反応と水/ブライン洗浄
2つの1L樹脂ポットを直列につなぎ、それぞれに電気スターラ、熱電対、入口及び出口、及び窒素入口を設けた。第1反応器に溶液A及びBを仕込み、第2反応器に第1反応器からの反応混合物を供給した。第1反応器を氷浴中で運転し、第2反応器には冷却手段を設けなかった。
溶液A:1752g メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)
1103g トリ−n−プロピルアミン(TNPA)
溶剤 イソオクタン
溶液B:1139g 塩化オクタノイル
溶剤 イソオクタン
合計2900mlの溶剤を、両溶液の容量が等しくなるように、両溶液に加えた。したがって、等しいポンプ速度で化学量論的に必要な量の反応物質を連続反応器システムに供給した。反応器への実際の供給量(重量)をモニターした。
両反応器が定常状態に達するのを待った(おおよそ6滞留時間後)。定常状態は反応機内の温度が一定になることでも示された。反応器容積は700mlで、滞留時間は19.5分であった。自吸ポンプにより反応混合物を第1反応器から第2反応器に連続的に移送した。別のポンプにより反応混合物を第2反応器からスタチックミキサに移送した。スタチックミキサには同時に水を供給した。水性相の体積は反応混合物の体積のほぼ半分であった。スタチックミキサから出てくる2相系を分液漏斗で沈降させた。
20分の期間で、328.9gの溶液A(0.77モルのMPTES及び0.81モルのTNPAを含有)及び260.2gの溶液B(0.63モルの塩化オクタノイルを含有)を反応器に供給した。472.1gの有機相を回収し、これは45.4%の生成物、8.2%のMPTES、5.6%のTNPA、38.6%の溶剤、0.5%の重質物、0.06%の水を含有した。また327.9gの水性相を回収した。水性相はそれ以上分析しなかった。
有機相は0.59モルの3−オクタノイル−1−チオプロピルトリエトキシシランを含有した。したがって、限定試薬、即ち塩化オクタノイルの92.8%が生成物に転換された。

Claims (13)

  1. ブロックトメルカプトシランの製造方法であって、
    遊離形態では実質的に水不溶性であるがその塩は実質的に水溶性である1種以上の酸受容体の存在下でメルカプトシランを有機又は無機ハロゲン化物又は無水物と反応させてスラリー状反応生成物を生成させる工程と、
    スラリー状反応生成物を水又はブラインで洗浄して、ブロックトメルカプトシランを含有する有機相と、酸受容体の塩を含有する水性相で有機相と非混和性の水性相とを生成する工程
    とを含む方法。
  2. 前記酸受容体が水溶解度0.2%未満の第三アミンであり、前記塩が第三アミンヒドロハライドである、請求項1記載の方法。
  3. 前記メルカプトシランが、2−トリエトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−トリメトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、トリエトキシシリルメチルチオアセテート、トリメトキシシリルメチルチオアセテート、トリイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、メチルジエトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジメトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルエトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルメトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、2−トリイソプロポキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジエトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルエトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジエトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルシクロヘキサン、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−チオアセチルシクロヘキサン、2−トリエトキシシリル−5−チオアセチルノルボルネン、2−トリエトキシシリル−4−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−5−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルノルボルネン、1−(1−オキソ−2−チア−5−トリエトキシシリルぺニル)安息香酸、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−ヘキシルチオアセテート、8−トリエトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−オクチルチオアセテート、8−トリメトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリメトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、10−トリエトキシシリル−1−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−9−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−3−ブチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオパルミテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオベンゾエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−エチルヘキサノエート、3−メチルジアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、2−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−トリアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−トリアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルジチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルジチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルトリチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルトリチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルジチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルジチオホスフィネート、トリス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)メチルジチオホスホネート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)エチルジチオホスホネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメチルチオサルフェート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルエタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルベンゼンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルトルエンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルナフタレンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルキシレンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルメチルチオサルフェート、トリエトキシシリルメチルメタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルエタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルベンゼンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルトルエンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルナフタレンチオスルホネート及びトリエトキシシリルメチルキシレンチオスルホネートからなる群から選択されるブロックトメルカプトシランを与える化合物の1種以上である、請求項1記載の方法。
  4. 前記有機又は無機ハライド又は無水物が請求項3記載の化合物群から選択されるブロックトメルカプトシランを与える化合物の1種以上である、請求項1記載の方法。
  5. 前記有機相がさらに不活性溶剤を含んでおり、その一部が前回の運転からリサイクルしたものである、請求項1記載の方法。
  6. 前記スラリー状反応生成物を不活性雰囲気下0〜150℃の温度範囲で形成する、請求項1記載の方法。
  7. 前記工程を、酸受容体の塩の中和及び酸受容体のリサイクルと共に連続的に実施する、請求項1記載の方法。
  8. 前記メルカプトシランが、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシランから選択され、前記有機ハライドが塩化オクタノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化ヘキサノイル、塩化デカノイル、塩化ラウロイル及び塩化オレオイルから選択され、前記酸受容体がトリプロピルアミンである、請求項1記載の方法。
  9. 前記ブロックトメルカプトシランが3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエートであり、メルカプトシラン対トリプロピルアミン対酸クロリドのモル比が1.00/1.05/1.00〜1.25/5.00/1.00の範囲にある、請求項1記載の方法。
  10. 前記不活性溶剤がアルカン類、イソアルカン類、石油エーテル類、シクロアルカン類及び芳香族を含む炭化水素類から選択される、請求項5記載の方法。
  11. 前記ブロックトメルカプトシランが以下の式(1)又は(2)のものであり、前記有機ハライドが塩化オクタノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化ヘキサノイル、塩化デカノイル、塩化ラウロイル及び塩化オレオイルから選択され、前記酸受容体がトリプロピルアミンである、請求項1記載の方法。
    [[(ROC(=O)) −(G)]−Y−S]−G−(SiX) (1)
    [(XSi)−G]−[Y−[S−G−SiX]b] (2)
    式中、Yは−C(=NR)−、−SC(=NR)−、−SC(=O)−、(−NR)C(=O)−、(−NR)C(=S)−、−OC(=O)−、−OC(=S)−、−C(=O)−、−SC(=S)−、−C(=S)−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、(−NR)S(=O)−、−SS(=O)−、−OS(=O)−、(−NR)S(=O)−、−SS(=O)−、(−S)P(=O)−、−(−S)P(=O)−、−P(=O)(−)、(−S)P(=S)−、−(−S)P(=S)−、−P(=S)(−)、(−NR)P(=O)−、(−NR)(−S)P(=O)−、(−O)(−NR)P(=O)−、(−O)(−S)P(=O)−、(−O)P(=O)−、−(−O)P(=O)−、−(−NR)P(=O)−、(−NR)P(=S)−、(−NR)(−S)P(=S)−、(−O)(−NR)P(=S)−、(−O)(−S)P(=S)−、(−O)P(=S)−、−(−O)P(=S)−及び−(−NR)P(=S)−からなる群から選択される多価種(Q)A(=E)であって、に結合したは硫黄に結合しており、該硫黄は基Gを介してケイ素原子に連結しており、
    各Rは独立に水素、直鎖もしくは環状もしくは枝分れアルキル基(不飽和を含んでいてもいなくてもよい。)、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択されるもので、各Rの炭素原子数は1〜18であり、
    各Gは独立にアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキルの置換によって誘導される一価又は多価基であり、Gの炭素原子数は1〜18であるが、Yに直接結合したGが一価(即ちp=0)である場合にはGは水素原子であってもよく
    Xは独立に−Cl、−Br、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R、−(OSiR)(OSiR)からなる群から選択され、各R及びGは上記の通りであり、少なくとも1つのXは−Rでなく、
    Qは酸素、硫黄又は(−NR−)であり、
    Aは炭素、硫黄、リン又はスルホニルであり、
    Eは酸素、硫黄又はNRであり、
    pは0〜5であり、rは1〜3であり、zは0〜2であり、qは0〜6であり、aは0〜7であり、bは1〜3であり、jは0〜1であるが、jが0となり得るのはpが1のときだけであり、cは1〜6であり、tは0〜5であり、sは1〜3であり、kは1〜2であるが、(A)Aが炭素、硫黄又はスルホニルである場合には、(i)a+b=2及び(ii)k=1であり、(B)Aがリンである場合には、(i)c>1で(ii)b=1のときはa=c+1であるが、それ以外のときはa+b=3であり、(C)Aがリンである場合には、kは2である。
  12. 前記cは1〜4である、請求項11記載の方法。
  13. 前記メルカプトシランが以下の式のものであり、前記有機ハライドが塩化オクタノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化ヘキサノイル、塩化デカノイル、塩化ラウロイル及び塩化オレオイルから選択され、前記酸受容体がトリプロピルアミンである、請求項1記載の方法。
    (XSi)−G−SH
    式中、Xは独立に−Cl、−Br、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R、−(OSiR)(OSiR)からなる群から選択され、各Rは独立に水素、直鎖もしくは環状もしくは枝分れアルキル基(不飽和を含んでいてもいなくてもよい。)、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択されるもので、各Rの炭素原子数は1〜18であり、少なくとも1つのXは−Rでなく、Gはアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキルの置換によって誘導される一価又は多価基であり、Gの炭素原子数は1〜18であり、sは1〜3であり、tは0〜5である
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