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JP4446414B2 - 工作物供給方法およびその装置 - Google Patents

工作物供給方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マシニングセンタ(以下、MCと記載)など工作機械に工作物を供給する方法およびその装置に関する。特に、本発明は、少なくとも加工のために取付け治具等に固定される部位(被固定部)が軟質性の材料になっている工作物を供給する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FMS(フレキシブル生産システム)など加工システムにおいて、工作機械に工作物を搬送する場合には、工作物をパレットにクランプした状態で移動させることが多い。
たとえば、パレット上またはパレット上の取付け治具に設けられたクランプ・アンクランプ機構に工作物をクランプ・アンクランプすることがある。この場合、段取り位置にあるパレットまたはパレット上の取付け治具に対して、加工済の工作物のアンクランプおよび取外し作業を行う。また、未加工の工作物の載置およびクランプ作業を行う。そして、工作物がクランプされたパレットは、段取り位置から搬送され工作機械に搬入されるのを、パレットプールラインなどで待っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
工作物が十分な剛性を有し変形することがなければ、工作物はクランプされている時間が長くてもクランプ状態が変化することはほとんどない。ところが、工作物の被固定部が、軟質材料で形成されて変形しやすい場合がある。このような軟質性の工作物は、長時間クランプされ続けていると、クランプ力により次第に変形してしまう。
工作物が変形すると、加工時にはクランプ・アンクランプ機構のクランプ力は所望のクランプ力より低下してしまう。その結果、工作物が切削力(または、研削力)を受けることにより、工作物が動いたりして工作物の加工精度が低下する恐れがある。工作物の変形が著しい場合には、加工時のクランプ力が切削力(または、研削力)より低下して、加工自体を行うことができない可能性もある。
また、工作物の変形によりクランプ力が低下するので、初期のクランプ力を増大させるとかえって初期の変形を増大させることになってしまう。その結果、クランプ力の低下を防止することができない。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、少なくとも被固定部が軟質性の工作物でも、この工作物をクランプする時間を最短にして工作物の変形量を最小限に抑えることにより、工作機械での加工時に所望のクランプ力を維持した状態で加工することができる工作物供給方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる方法は、工作物を固定可能な固定・固定解除手段を有する工作物取付け装置に対して前記工作物を固定・固定解除する動作を行う固定・固定解除位置と、工作機械が前記工作物取付け装置に固定された前記工作物の加工を行う加工領域内の位置との間で、前記工作物取付け装置を移動させて、前記工作機械に前記工作物を供給する方法であって、前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を固定解除状態にしておく第1の手順と、この固定解除状態の前記工作物取付け装置に、前記工作機械で次に加工を行う前記工作物を載置しておく第2の手順と、前記工作機械が前記加工領域内に前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態であるか否かを判別する第3の手順と、受け入れ可能の状態と判別されたとき、前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置が前記工作物を固定する第4の手順と、前記工作物が固定されている前記工作物取付け装置を前記加工領域内の位置に移動させる第5の手順とを有している。
前記方法において、前記工作物取付け装置は、外部に対して閉塞可能な内部流路に供給された圧力流体の圧力によって前記工作物を固定可能な装置であり、前記工作物取付け装置が前記工作物を固定する前記第4の手順は、前記内部流路の流体を加圧して前記工作物を固定する手順であるのが好ましい。
前記工作物を前記工作物取付け装置に載置する前記第2の手順は、少なくとも一つの前記工作物を載置可能な工作物載置装置から前記工作物を把持して搬送する工作物搬送装置によって行われる手順であるのが好ましい。
前記第3の手順は、少なくとも前記加工領域での前記工作物に対する加工が完了したときに出力される信号の有無で判別する手順であるのが好ましい。
前記方法は、前記工作機械で前記工作物の加工を行なった後に、前記加工領域での加工が終了した加工済の前記工作物を固定している前記工作物取付け装置を前記加工領域から搬出する第6の手順を有するのが好ましい。
【0006】
前記方法を実施するための本発明の工作物供給装置は、加工領域で工作物の加工を行うための工作機械に前記工作物を供給するための装置であって、前記工作物を固定・固定解除可能な固定・固定解除手段を有するとともに、固定解除状態のとき前記工作物を載置可能な工作物取付け装置と、前記工作機械の加工領域外の固定・固定解除位置に設けられ、この固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を固定・固定解除状態にするための固定・固定解除装置と、前記工作機械と前記固定・固定解除装置との間で前記工作物取付け装置を移動させるための移動装置と、前記工作機械が加工を行う前記加工領域内に前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態と判別されたときに、前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を、前記固定解除状態から前記固定状態にする制御を行う制御装置とを有し、前記固定解除状態の前記工作物取付け装置内に載置された前記工作物を、前記受け入れ可能の状態と判別されたとき固定して前記工作機械の加工領域側に移動させて加工を行う。
前記工作物取付け装置は、外部に対して閉塞可能な内部流路に供給された流体が加圧されることによって前記工作物を固定可能な装置であるのが好ましい。
前記工作物取付け装置は、前記内部流路にアキュムレータが接続されている装置であるのが好ましい。
前記工作物供給装置は、少なくとも一つの前記工作物を載置可能な工作物載置装置から前記工作物を把持して、前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置内に搬送する工作物搬送装置を有するのが好ましい。
前記制御装置は、少なくとも前記加工領域での前記工作物に対する加工が完了し、前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態と判別したとき、前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を前記固定解除状態から前記固定状態にする制御を行う装置であるのが好ましい。
前記工作物供給装置において、前記工作物取付け装置は、少なくとも前記工作機械で次に加工を行う前記工作物を固定している一方の前記工作物取付け装置と、加工済の前記工作物を固定している他方の前記工作物取付け装置とを有するものであり、前記移動装置は、一方の前記工作物取付け装置と他方の前記工作物取付け装置とを、前記固定・固定解除装置と前記工作機械との間で交換するための装置であるのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を図1から図9を参照して説明する。
図1および図2は、それぞれ本発明にかかる工作物取付け装置の平面図および正面図、図3は前記工作物取付け装置の一部を示す断面図、図4はシャンク装着部を有する段取り側装着装置の断面図、図5は加工システムの全体構成を示す平面図、図6(A)は図5のVI線による側面図、図6(B)は図6(A)のB−B線矢視図である。
【0008】
まず最初に、加工システムの全体の構成について説明する。
図1および図2には、少なくとも被固定部が軟質材料で形成された工作物2を取付けるための工作物取付け装置(以下、取付け装置と記載)1が示されている。取付け装置1は、FMC(フレキシブル加工セル)やFMS(フレキシブル生産システム)など加工システム3(図5)において、各種の工作物2を着脱可能に保持しながら搬送位置に搬送するのに使用される。取付け装置1にはシャンク4が設けられている。シャンク4は、前記搬送位置にあるシャンク装着部に着脱可能に装着される。
ところで、工作物2には、工作物自体を直接クランプできないものがある。このような工作物の場合には、工作物自体の周囲をモールドし、このモールド部をクランプするような構成とする。このモールド部は、軟質材料(たとえば、ビスマス・すずの合金)で構成されることが多いので、クランプするとクランプ力により変形しやすい。本発明は、このような工作物2を加工するのに適している。
【0009】
図1,図5および図6(A),(B)に示すように、加工システム3は、MC(マシニングセンタ)5,段取り装置6,工作物貯蔵装置7および工作物搬送装置8などを備えている。加工システム3の全体は、システム制御装置25により制御されている。
MC5は、取付け装置1に保持されている工作物2を加工する。段取り装置6は、取付け装置1を着脱可能に保持するとともに、取付け装置1に工作物2をクランプ・アンクランプ(固定・固定解除)する動作を行う。一つまたは複数の工作物を載置可能な工作物載置装置としての工作物貯蔵装置7は、未加工および加工済の工作物2をそれぞれ貯蔵する。工作物搬送装置8は、システム制御装置25に接続された制御部8aに制御されて、工作物貯蔵装置7と段取り装置6との間で工作物2を自動的に搬送する。
すなわち、システム制御装置25から制御部8aに搬送指令が送出されたとき、制御部8aは工作物搬送装置8に搬送動作させる。そして、搬送動作終了時に、制御部8aはシステム制御装置25に搬送完了信号を送出する。
なお、工作機械としてMC5の場合を示しているが、取付け装置1に取付けられて供給された工作物2を加工できるものであればよい。たとえば、グラインディングセンタ,ターニングセンタ,研削盤など他の種類の工作機械であってもよい。
【0010】
段取り装置6は、取付け装置1が搬送される搬送位置の一つでありMC5の近傍にある段取り位置P1に設けられている。段取り装置6は、ベース6a上に取付けられた取付け台6bに、締結部材6c(図4)により取付けられている。
段取り装置6は段取り側装着装置26を有している。この装着装置26は、MC5の加工領域5f外の段取り位置P1に設けられている。装着装置26は、段取り位置P1に位置している取付け装置1の工作物クランプ・アンクランプ手段48(後述する)をクランプ・アンクランプ状態にするための固定・固定解除装置である。段取り位置P1は、取付け装置1に対して工作物2を固定・固定解除する動作を行う固定・固定解除位置である。
装着装置26の先端部に設けられたシャンク装着部9(図4,図6(A))には、取付け装置1のシャンク4が着脱可能に装着されるようになっている。取付け装置1が段取り側装着装置26に装着されたときに、圧力油や圧縮空気など圧力流体(本実施形態では、圧力油L)を装着装置26から取付け装置1の内部流路に供給する。そして、この圧力流体の流体圧(油圧)により、工作物2をクランプ・アンクランプするようにしている。
工作物搬送装置8は、工作物貯蔵装置7から工作物2を把持して、段取り位置P1に位置している取付け装置1内に工作物2を搬送する。工作物2は、段取り位置P1で、工作物搬送装置8と、段取り装置6に保持された取付け装置1との間で自動的に受け渡しされる。取付け装置1は、圧力油Lの油圧を所定の圧力に維持して工作物2をクランプしたまま、段取り装置6から離脱可能になっている。
【0011】
MC5のテーブル10は、テーブル割出し装置10aによりB軸(垂直な軸)のまわりに割出し制御される。テーブル10の上には、工作物2をA軸(水平軸)のまわりに割出すための割出し装置11が固定されている。工具Tは、工具マガジン5bより自動工具交換装置(図示せず)によって主軸5aに自動的に装着される。MC5には、NC(数値制御)部15aとPLC部(プログラマブル・ロジック・コントローラ)15bとからなる制御装置15が設けられている。この制御装置15は、システム制御装置25に接続されて、指令および信号等の授受を行う。
すなわち、システム制御装置25から制御装置15にNCプログラムの実行指令等が送出される。制御装置15は、NCプログラム終了時にシステム制御装置25に加工完了信号を送出する。また、制御装置15とシステム制御装置25との間で、NCプログラム等のアップロードおよびダウンロード等も行われる。
MC5は、工具Tと、テーブル10上の工作物2とを、主軸5aの軸線と平行な方向であるZ軸方向を含む直交3軸(X,Y,Z軸)方向に相対移動させ、工作物2をA軸,B軸方向に回転させる。これにより、MC5は加工領域5fで工作物2の加工を行う。
【0012】
割出し装置11の割出し軸(図示せず)には、他のシャンク装着部12を有する工作機械側装着装置13が設けられている。この装着装置13は、取付け装置1の搬送位置の一つである交換位置P2に配設されている。この交換位置P2は、取付け装置1に固定された工作物2の加工を行うMC5における加工領域5f内の所定の位置である。
なお、装着装置13は、交換位置P2に固定されていてもよいが、この交換位置P2から移動可能な場合でもよい。すなわち、テーブル10が、たとえばZ軸方向に移動可能な場合であってもよい。
装着装置13には、クランプ・アンクランプ機構(図示せず)が設けられている。このクランプ・アンクランプ機構は、段取り装置6のシャンククランプ・アンクランプ手段91(後述する)とほぼ同一の機構である。装着装置13の前記クランプ・アンクランプ機構は、取付け装置1のシャンク4がシャンク装着部12に着脱可能に装着されたときに、プルスタッド43を係止してシャンク4を自動的にクランプする。
【0013】
加工システム3は、MC5と段取り側装着装置26との間で取付け装置1を交換するための移動装置14を有している。移動装置14は、段取り装置6が位置する段取り位置P1と、割出し装置11が位置する交換位置P2との間で、一方の取付け装置1と他方の取付け装置1とを入れ換えるように移動させる。このとき、一方の取付け装置1は未加工の工作物を固定し、他方の取付け装置1は加工済の工作物を固定している。こうして、移動装置14で工作物2を自動的に移動、交換させることにより、MC5に対して工作物2を供給または搬出する。
MC5は複数台(たとえば、三台)設けられている。各MC5に対応して段取り位置P1と交換位置P2とが設定されている。段取り装置6,工作機械側装着装置13および移動装置14は、MC5ごとにそれぞれ設けられている。
【0014】
工作物貯蔵装置7には、三台のロータリ型のワークフィーダ(以下、フィーダと記載)23が設けられている。各フィーダ23は、連鎖状に連結された複数のパレット23aを有している。パレット23aは水平面内で移動可能になっている。パレット23a上にはセット用治具(図示せず)が取付けられている。このセット用治具内に、工作物が所定の位置に位置決めされた状態で載置される。
各フィーダ23は、システム制御装置25に接続されたフィーダ用制御部23bによって、パレット23aの移動動作など各動作が制御されている。作業者は、パレット23a上のセット用治具内から加工済の工作物を取り出した後、未加工の工作物を載置する。そして、作業者がフィーダ用制御部23bの段取り完了ボタンを操作すると、段取りの完了したパレット23aの番号等が、システム制御装置25に通知される。所望のパレット23a(たとえば、段取り完了のパレットまたは空のパレット)を工作物授受位置P3に割出すことにより、パレット23aと工作物搬送装置8との間で、工作物が受け渡し可能になる。
なお、それぞれのフィーダ23を、工作物2の大きさや種類毎に専用的に使用すれば、システム制御装置25による加工システム3の全体の制御が容易になるので好ましい。
【0015】
移動装置14は、ストロークの大きい第1のシリンダ装置16と、ストロークの小さい第2のシリンダ装置17と、工作物交換アーム(以下、交換アームと記載)18とを備えている。
第1のシリンダ装置16は、段取り装置6の下方に位置して、ベース6aに取付けられている。第2のシリンダ装置17は、第1のシリンダ装置16により往復移動する移動台16b上に取付けられている。
第1のシリンダ装置16は、第1のピストンロッド(以下、第1のロッドと記載)16aを、その縮小位置と伸長位置との間で動作させる。第1のシリンダ装置16により、交換アーム18の本体18aと第2のシリンダ装置17等は、段取り装置6側の所定位置(このとき、第1のロッド16aは縮小)と、割出し装置11側の所定位置(このとき、第1のロッド16aは伸長)との間を、所定方向(水平な軸線D方向)に所定のストロークで往復移動する。
【0016】
交換アーム18の両端部には、把持部20がそれぞれ形成されている。把持部20は、取付け装置1のシャンク4の被把持部(フランジ部のV溝部)19に着脱可能に係合する。
交換アーム18は、アーム旋回用駆動体18cに駆動されて、旋回軸21の軸線のまわりにほぼ180度で正逆方向に旋回動作する。また、交換アーム18は、アーム進退用シリンダ18bに駆動されて旋回軸21の軸線方向に進退動作する。
第2のシリンダ装置17は、第2のピストンロッド(以下、第2のロッドと記載)17aを、その縮小位置と伸長位置との間で動作させる。交換アーム18は、第2のシリンダ装置17により軸線D方向に往復移動して、段取り装置6側の所定位置(このとき、第2のロッド17aは縮小)と、割出し装置11側の所定位置(このとき、第2のロッド17aは伸長)に進退移動する。
【0017】
したがって、第1,第2のロッド16a,17aがそれぞれ縮小位置に移動したとき、交換アーム18の段取り装置6側の把持部20が、段取り装置6に装着されたシャンク4の被把持部19と段取り位置P1で係合する。
一方、第1,第2のロッド16a,17aがそれぞれ伸長位置に移動したとき、交換アーム18の割出し装置11側の把持部20が、割出し装置11に装着されたシャンク4の被把持部19と交換位置P2で係合する。
また、第1のロッド16aがその縮小位置に移動し、第2のロッド17aがその伸長位置に移動したときは、交換アーム18は待機位置P4で待機する。待機位置P4は、段取り位置P1と交換位置P2との間に設定されている。待機位置P4は、交換アーム18が、旋回動作を行なっても、段取り装置6,割出し装置11,およびスプラッシュガード5cの開閉扉5d等と干渉しない所定の位置である。
開閉扉5dは、MC5による加工時に加工領域5fで発生する切削屑および切削油剤などが、スプラッシュガード5cの外部に飛散するのを防止するために設けられている。この飛散防止のために、開閉扉5dは、取付け装置1が通過できるようにスプラッシュガード5cに形成された開口部を覆っている。
【0018】
第1,第2のシリンダ装置16,17の上述の動作により、交換アーム18は、軸線D方向に往復移動する。交換アーム18は、旋回動作と、旋回軸21の軸線方向への進退動作も行う。交換アーム18の動作により、取付け装置1は、段取り装置6の装着装置26と、割出し装置11の装着装置13とに対して挿入,離脱される。
なお、移動装置14はこの構成に限定されることはなく、公知の自動工具交換装置で使用されている各種の機構を応用することができる。たとえば、交換アームが、段取り装置側と割出し装置側との間を揺動動作で移動するものであってもよい。
【0019】
工作物搬送装置8は横桁部材24を有している。横桁部材24は、床面から立設した支柱27に支持され、フィーダ23およびMC5に沿って延びている。横桁部材24の上部と下部には、ガイドレール28,29がそれぞれ水平方向に向けて設けられている。
ガイドレール28,29には、スライド本体30,31がそれぞれ移動可能に組み込まれている。ガイドレール28とスライド本体30、およびガイドレール29とスライド本体31は、それぞれ直動ころがり案内を構成している。
走行部材32は、ガイドレール28,29,スライド本体30,31に案内されて、矢印K1に示す走行方向(水平方向)に移動する。走行部材32は、走行用駆動モータ33に駆動されて回転するピニオン(図示せず)と、このピニオンに噛み合い、水平方向に延在するラック34とによって移動制御される。なお、走行部材32は、すべり案内および静圧案内など他の案内手段に案内されて移動するものであってもよい。
走行部材32には、一対の昇降部材35が昇降可能に設けられている。走行部材32にはスライド本体39が取付けられている。昇降部材35には、スライド本体39と移動可能に係合しているガイドレール38が上下方向に設けられている。ガイドレール38とスライド本体39は、直動ころがり案内を構成するものである。
走行部材32に設けられた一対の昇降用駆動モータ36は、一対のピニオン37aをそれぞれ回転させる。昇降部材35に設けられたラック37が、このピニオン37aに噛み合い、矢印K2に示す昇降方向(上下方向)に延在している。
昇降部材35は、モータ36に駆動されて回転するピニオン37aとラック37によって、ガイドレール38とスライド本体39に案内されて昇降動作する。なお、昇降部材35は、すべり案内および静圧案内など他の案内手段に案内されて移動するものであってもよい。また、前記走行動作,昇降動作等は、ねじ機構など他の手段で行なってもよい。
走行用駆動モータ33,一対の昇降用駆動モータ36およびハンド部22等の各動作は、工作物搬送装置用制御部8aによって制御されている。
【0020】
一対の昇降部材35の下部には、ハンド部22がそれぞれ設けられている。各ハンド部22は、開閉可能な一対のハンド爪22aをそれぞれ有している。駆動体(図示せず)によって開閉動作するハンド爪22a,22aが、工作物2を着脱可能に把持する。
ハンド部22は、矢印K1に示す走行方向および矢印K2に示す昇降方向に移動する。工作物2は、各フィーダ23の工作物授受位置P3,および各MC5用の各段取り位置P1に、ハンド部22により搬送されるとともに受け渡しされる。段取り位置P1で、ハンド部22は、装着装置26に装着された取付け装置1に対して、工作物2を収納したり取り出したりする。
工作物搬送装置8は、独立して昇降できる二つのハンド部22,22を走行方向に並べた構成としている。したがって、段取り位置P1で、加工済の工作物の搬出と未加工の工作物の供給とを連続して行うことができるので好適である。
【0021】
取付け装置1と、段取り側装着装置26と、移動装置14と、移動装置14等を制御する制御装置15と、工作物搬送装置8とにより、MC5に工作物2を供給するための工作物供給装置65が構成されている。なお、工作物搬送装置8を設けない場合であってもよい。
MC5が加工を行う加工領域5f内に取付け装置1を受け入れ可能な状態になったときには、制御装置15が信号(たとえば、加工完了信号)をシステム制御装置25に送出する。この信号は、加工領域5fでの工作物2に対する加工が完了したときに出力される信号である。
また、システム制御装置25は、加工システム3のスケジュール管理を行なっている。したがって、システム制御装置25は、工作物2が加工システム3の加工開始時の1個目の工作物であるとき、または、所望の種類の工作物を連続して複数個加工する場合において工作物2が1個目であるときを判断することができる。すなわち、このような場合は、MC5の加工領域5f内の取付け装置1は空の状態であり、段取り装置6側の取付け装置1の準備が完了すればこの取付け装置1をMC5に受け入れ可能な状態である。この場合、システム制御装置25は、段取り装置6の取付け装置1をクランプ状態にする指令を制御装置15に送出する。
また、システム制御装置25が、取付け装置1はMC5に受け入れ可能の状態であると判断したときも、システム制御装置25は、取付け装置1をクランプ状態にする指令を制御装置15に送出する。
制御装置15は、この取付け装置クランプ指令によって、段取り側装着装置26にクランプされている取付け装置1の工作物クランプ・アンクランプ手段48を、アンクランプ状態(固定解除状態)からクランプ状態(固定状態)にする制御を行う。
この取付け装置クランプ指令を受けて、工作物供給装置65は、制御装置15の制御により、アンクランプ状態の取付け装置1内に載置された工作物2をクランプする。そして、工作物供給装置65は、工作物2をMC5の加工領域5f側に移動させ、MC5で工作物2の加工を行う。
【0022】
次に、取付け装置1について説明する。
図1から図4に示すように、取付け装置1は、本体部42と、本体部42に固定されたシャンク4と、第1のカプラ47と、工作物2を固定・固定解除可能な固定・固定解除手段である工作物クランプ・アンクランプ手段48とを備えている。取付け装置1は、アンクランプ状態のとき工作物2を載置可能になっている。なお、取付け装置1では、シャンク4の方向(図1の右方)を後方として説明する。
工作物クランプ・アンクランプ手段48は、段取り側装着装置26側により所定の圧力に加圧された圧力油Lが供給されて、内部流路の作動油(流体)が加圧されるようになっている。工作物クランプ・アンクランプ手段48は、外部に対して閉塞可能な内部流路に供給され所定の圧力に加圧された圧力油Lの圧力を維持することにより、工作物2をクランプしている状態を維持することができる。
工作物2は、少なくとも取付け装置1によりクランプされる部位(この場合には、モールド部)が軟質材料で形成されている。したがって、取付け装置1が、工作物クランプ・アンクランプ手段48で、工作物2のモールド部を所定のクランプ力でクランプすると、工作物2の変形量は時間の経過により徐々に大きくなっていく。
【0023】
本体部42には、工作物2を着脱可能に収納するための収納部40が設けられている。収納部40には、工作物2の少なくとも一つの側面と当接する位置決め部材52が設けられている。本実施形態では、6個の位置決め部材52が設けられている。
位置決め部材52は、U方向の基準面51aとW方向の基準面51bを有している。基準面51a,51bは、収納部40に収納された工作物2を水平方向(図1のU方向,W方向)に位置決めするための基準となる。基準面51a,51bにより、工作物2が水平方向に精度よく位置決め可能になる。
また、本体部42には、一つまたは複数(本実施形態では、1個)の当接部材56が、ボルト56aにより着脱可能に取付けられている。当接部材56は、工作物クランプ・アンクランプ手段48がアンクランプ状態でも、収納部40に収納された工作物2を落下しないように載置するためのものである。
当接部材56は、水平方向を向く当接面51cを有している。工作物2は、その底面50の当接部50aが当接面51cに当接した状態でクランプされるので、上下方向(U方向およびW方向と直交する方向)に関して所定の精度内に位置決めされる。
なお、当接部材56に代えて、収納部40の下部全体に底板を設けて、アンクランプ状態で工作物を載置できるようにしてもよい。
【0024】
本体部42には、清掃用エアーを供給するための清掃エアー用カプラ(たとえば、ソケット側カプラ)59が取付けられている。清掃エアー用カプラ59に連通するエアー用流路60が、本体部42内に形成されている。
段取り装置6側には、清掃エアー用カプラ(たとえば、プラグ側カプラ)61と、清掃エアーカプラ用シリンダ62とが設けられている。シリンダ62は、清掃エアー用カプラ61を、取付け装置1の清掃エアー用カプラ59に着脱可能に接続するためのものである。
したがって、清掃用エアーは、段取り装置6側の清掃エアー用カプラ61,取付け装置1側の清掃エアー用カプラ59,およびエアー用流路60を流れる。そして、清掃用エアーは、各基準面51a,51bおよび当接面51cにそれぞれ形成されたノズルから噴出して、基準面51a,51bおよび当接面51cと工作物2との接触部を清掃する。
【0025】
本体部42の内部には、第1の流路41が形成されている。シャンク4の後端部には、プルスタッド43が設けられている。シャンク4の内部には、第1の流路41に連通する第2の流路44が形成されている。第1,第2の流路41,44により、圧力油Lを流すための前記内部流路が構成されている。
シャンク4は、MC5の主軸5aに装着される工具Tのツールシャンクとほぼ同じ外形形状を有している。シャンク4のフランジ部には、被把持部19およびキー溝部19aが形成されている。交換アーム18の把持部20(図6(A))が被把持部19に着脱可能に係合することにより、取付け装置1を把持するようになっている。
【0026】
工作物クランプ・アンクランプ手段48は、本体部42に設けられている。工作物クランプ・アンクランプ手段48は、揺動部材53とシリンダ装置54とを備えている。揺動部材53は、本体部42に揺動可能に取付けられている。シリンダ装置54は、本体部42に取付けられ、圧力油Lの圧力によって揺動部材53を揺動させる。
シリンダ装置54の内部には、圧縮ばね54aが内蔵されている。シリンダ装置54のロッド55は、圧縮ばね54aにより常時突出方向(たとえば、図1の上方)に付勢されている。ロッド55は、圧力油Lの供給によって圧縮ばね54aの付勢力に抗して後退移動(ロッド55が縮小する方向に移動)動作する。
揺動部材53は、支持軸57を介して本体部42に係合し、支持軸57のまわりに矢印Jに示すように揺動する。揺動部材53とシリンダ装置54は、工作物2の形状や種類等に応じて、一組または複数組(本実施形態では、平行な二組)設けられている。
【0027】
工作物クランプ・アンクランプ手段48が収納部40に工作物2をクランプしないときには、シリンダ装置54への圧力油Lの供給を停止し、かつ内部流路41,44内の作動油の圧力を大気圧にする。そうすると、ロッド55は圧縮ばね54aのばね力により突出する。揺動部材53は、外方に開いたアンクランプ状態(二点鎖線で図示した状態)になる。
一方、工作物2を収納部40内に収納しクランプするときには、第1のカプラ47,第2の流路44,第1の流路41を介して、所定の圧力の圧力油Lをシリンダ装置54に供給する。内部流路44,41内の作動油の圧力が加圧されることにより、ロッド55が圧縮ばね54aのばね力に抗して縮小方向に押し込まれる。
これにより、ロッド55に係合している揺動部材53が、支持軸57を支点として、矢印Jに示すように収納部40側に揺動する。その結果、揺動部材53の押圧面58が、工作物2の外面を基準面51a,51b側に所定のクランプ力で押圧する。工作物2は、基準面51a,51bおよび当接面51cに当接して位置決めされた状態で、取付け装置1にクランプされる。
このようにして、工作物クランプ・アンクランプ手段48は、工作物2を押圧し、位置決め部材52および当接部材56と共働して、収納部40内で工作物2をクランプする。
【0028】
取付け装置1に内蔵された第1のカプラ47と、段取り側装着装置26に内蔵された第2のカプラ70とにより、逆止め弁付き急速継手である流路開閉手段71が構成されている。
流路開閉手段71は、取付け装置1が段取り側装着装置26に装着されたときに、装着装置26内の第3の流路45と、取付け装置1内の第2の流路44とを連通可能にする機能を有している。
また、流路開閉手段71は、取付け装置1が段取り側装着装置26から離脱したときには、第3の流路45と第2の流路44との連通状態を遮断するとともに、第3の流路45と第2の流路44をそれぞれ逆止め弁によって外部に対して閉塞させる機能を有している。
これにより、取付け装置1が段取り装置6から離脱して移動しているあいだ中、取付け装置1の収納部40に収納された工作物2は、工作物クランプ・アンクランプ手段48によりクランプされ続ける。
【0029】
段取り側装着装置26に形成された第3の流路45は、圧力油Lを供給するための圧力油供給手段72に接続されている。圧力油供給手段72の油路73には、切換え弁74が設けられている。
工作物2をクランプするときには、圧力油供給手段72の圧力油供給源75から切換え弁74を介して圧力油Lを供給する。圧力油Lが、油路73から第3の流路45,第2のカプラ70,第1のカプラ47,第2の流路44,第1の流路41を介してシリンダ装置54に供給されると、工作物2はクランプされる。
一方、工作物2をアンクランプ状態にする場合には、切換え弁74を切換えて圧力油Lの供給を停止し、油路73内の圧力を大気圧まで低下させる。すると、上述と同様の経路を介して、シリンダ装置54内の圧力が大気圧になる。したがって、工作物クランプ・アンクランプ手段48は、シリンダ装置54の圧縮ばね54aによってアンクランプ状態になる。これにより、工作物2は取付け装置1内でアンクランプ状態になる。
【0030】
第1のカプラ47は、シャンク4およびプルスタッド43のいずれか一方または両方の内部(本実施形態では、シャンク4とプルスタッド43の内部中心)に設けられている。第1のカプラ47の後端部76は、プルスタッド43の後端部77側に位置している。
シャンク4が搬送位置(たとえば、段取り位置P1)にあるシャンク装着部9に装着されて、第1,第2のカプラ47,70が接続されると、第3の流路45と第2の流路44とは連通可能になる。第1,第2のカプラ47,70の接続が解除されると、第2の流路44と第3の流路45は、それぞれ外部に対して逆止め弁によって閉塞する。
【0031】
第1のカプラ47には、アキュムレータ49が設けられている。アキュムレータ49は、第2の流路44を外部に対して閉塞させたときに、工作物2が少し変形を生じても、第1,第2の流路41,44内の圧力油Lの圧力が低下せずに所定の圧力を維持して、工作物クランプ・アンクランプ手段48が工作物2を所定のクランプ力で確実にクランプし続けるようにする機能を有している。
アキュムレータ49は、第1のカプラ47の前部78に設けられている。第1のカプラ47とアキュムレータ49との間には、第1のカプラ47の内部流路および第2の流路44に連通する圧力溜め用油室80が形成されている。
油室80の前部には、アキュムレータ49の移動部材83が、中心軸線E方向に移動自在に設けられている。移動部材83の後端面84は、油室80に接している。
移動部材83の前部には、移動部材83を後方側に付勢する、大径圧縮ばね85と小径圧縮ばね86とが設けられている。大径圧縮ばね85および小径圧縮ばね86の前端は、シャンク4に接している。
油室80内の油圧が、工作物クランプ・アンクランプ手段48をクランプ状態に維持するのに必要な所定の圧力のときには、移動部材83は、前記油圧により圧縮ばね85,86のばね力に抗して前進している。
【0032】
工作物2がクランプされているとき、取付け装置1の油室80内の圧力が工作物2の変形等により低下しようとすると、移動部材83に対する前後方向の圧力バランスが変化する。そして、圧縮ばね85,86のばね力により、移動部材83が後方側に移動し、油室80の体積を縮小させてその内部圧力を上昇させる。
その結果、もし仮に工作物2の変形が多少大きくても、アキュムレータ49により、油室80,第1,第2の流路41,44内の油圧は常にほぼ所定の圧力に維持される。よって、工作物クランプ・アンクランプ手段48は、シリンダ装置54とアキュムレータ49により、所定のクランプ力を維持して工作物2をクランプし続ける。
【0033】
次に、段取り装置6の装着装置26について説明する。
図4に示すように、装着装置26のシャンク装着部9には、取付け装置1のシャンク4が着脱可能に装着される。なお、装着装置26では、シャンク装着部9の方向(図4の左方)を前方として説明する。
装着装置26の本体部90の内部には、シャンククランプ・アンクランプ手段91が設けられている。シャンククランプ・アンクランプ手段91は、シャンク装着部9に装着されたシャンク4を自動的にクランプまたはアンクランプする。
シャンク装着部9は、このシャンククランプ・アンクランプ手段91と第2のカプラ70とを備えている。シャンククランプ・アンクランプ手段91は、移動体93を有している。
移動体93には、内周溝93aとピストン93bが設けられている。移動体93は、本体部90に設けられたシャンククランプ・アンクランプ用シリンダ装置92により、本体部90内を矢印Gに示すように中心軸線F方向に自在に進退移動する。
複数のボール状の係合体94が、移動体93に係合し半径方向に移動可能に設けられている。この係合体94により、シャンク4のプルスタッド43の被係合部(掴み部)95を掴むようになっている。
シャンククランプ・アンクランプ用シリンダ装置92には、圧力油供給手段72から圧力油Lが供給される。圧力油Lは、圧力油供給源75から切換え弁96で切換えられて油路97または98を介して供給される。
圧力油Lの切換えにより、移動体93は、シャンククランプ・アンクランプ用シリンダ装置92に駆動されて前後方向に進退移動する。移動体93のこの進退動作は、本体部90に取付けられたアンクランプ用センサS1およびクランプ用センサS2により検出される。
【0034】
係合体94が被係合部95と係合した状態(掴んだ状態)で、シャンククランプ・アンクランプ用シリンダ装置92を駆動して、移動体93を後方に移動させると、プルスタッド43が後方に引っ張られる。これにより、シャンク4がシャンク装着部9にクランプされる。
これとは逆に、移動体93が前進移動すると、内周溝93aが係合体94の外方の位置に一致する。交換アーム18によりシャンク4が前進させられると、係合体94が内周溝93a側に移動する。すると、係合体94と被係合部95との係合状態が解除される。その結果、シャンク4は、シャンク装着部9に対してアンクランプ状態となる。
シャンククランプ・アンクランプ手段91には、ボール式引っ張り機構を用いている。なお、この手段91には、プルスタッド43をコレットにより引っ張るコレット式引っ張り機構など他の公知の機構を用いてもよい。
【0035】
本体部90の内方中心部には、ほぼ円筒形の進退移動部材100が中心軸線F方向に進退移動可能に嵌合している。進退移動部材100はピストン100aを有している。進退移動部材100の前端部には、第2のカプラ70が中心軸線F方向に向けてねじ込み固定されている。
進退移動部材100の内部中心位置には、第3の流路45が軸線F方向に延びて形成されている。第3の流路45は、後方の油路73に連通し、前方の第2のカプラ70の内部流路にも連通している。
本体部90内には、カプラ用シリンダ装置101が設けられている。カプラ用シリンダ装置101には、圧力油供給手段72から圧力油Lが供給される。第2のカプラ70は、カプラ用シリンダ装置101により、進退移動部材100を介して矢印Hに示すように中心軸線F方向に進退移動する。
圧力油供給源75から供給された圧力油Lは、切換え弁102で切換えられて、油路103または104を介してカプラ用シリンダ装置101に供給される。これにより、進退移動部材100および第2のカプラ70は、カプラ用シリンダ装置101に駆動されて前後方向に往復移動する。この移動動作は、カプラ用センサS3,S4により検出される。
切換え弁74,96,102およびセンサS1〜S4は、PLC部15bに接続され制御されている。
【0036】
こうして、前後方向に移動可能な第2のカプラ70は、シャンク4がシャンク装着部9に装着された状態のときに、第1のカプラ47に対して接続,分離可能になっている。
第1のカプラ47と第2のカプラ70は、それぞれ自動開閉弁である逆止め弁を内蔵している構造であり、分離時には流路内の圧力油Lが外部に流出しない構造になっている。
したがって、第1のカプラ47と第2のカプラ70とが接続されているときは、第1のカプラ47内の流路と第2のカプラ70内の流路とが連通する。また、第1のカプラ47と第2のカプラ70とが分離されているときには、第1のカプラ47内の流路と第2のカプラ70内の流路がそれぞれ遮断されて、流路内の圧力油Lは外部に流出しない。このように、第1,第2のカプラ47,70は、いわゆる両路開閉型のカプラである。
【0037】
本体部90には、清掃用エアー供給部材105,106が設けられている。清掃用エアー供給部材105,106は、シャンク4を着脱するときに、シャンク4のテーパ部4a,端面部4bにそれぞれ清掃用エアーを供給する。清掃用エアーは、本体部90に一つまたは複数形成された噴出口90a,および本体部90の端部に一つまたは複数形成された噴出口90bより噴出される。
シャンク4がシャンク装着部9に装着されてクランプされた状態のときに、カプラ用シリンダ装置101を駆動して、進退移動部材100とともに第2のカプラ70を前進させる。すると、第2のカプラ70と第1のカプラ47とが接続されて、第2のカプラ70内の流路と第1のカプラ47内の流路とが連通状態になる。
これにより、第3の流路45,第2のカプラ70,第1のカプラ47,油室80,第2,第1の流路44,41を介して、圧力油Lをシリンダ装置54に供給することができる。
【0038】
次に、本実施形態の動作を図7から図9を参照しながら説明する。
図7および図8は、加工システム3の工作物供給装置65における工作物2の供給方法を示すフローチャートで、図8は図7に示す手順に続く手順を示している。図9はこの方法の手順を示す説明図である。
図5および図6に示すように、本発明の工作物供給装置65を有する加工システム3では、MC5で次に加工を行う工作物(たとえば、未加工工作物2a)を、取付け装置1で段取り装置6からMC5に供給している。
本実施形態における工作物供給方法は、第1〜第6の手順を有している。第1の手順では、段取り位置P1に位置している取付け装置1の工作物クランプ・アンクランプ手段48(図1)をアンクランプ状態にしておく。第2の手順では、このアンクランプ状態の取付け装置1に、MC5で次に加工を行う工作物を載置しておく。
第3の手順では、MC5が加工領域5f内に取付け装置1を受け入れ可能な状態であるか否かを判別する。この第3の手順は、少なくとも加工領域5fでの工作物2に対する加工が完了したときに出力される信号の有無で判別する手順であるのが好ましい。第4の手順では、受け入れ可能の状態と判別されたとき、段取り位置P1に位置している取付け装置1が工作物2をクランプする。
第5の手順では、工作物2がクランプされている取付け装置1を加工領域5f内の交換位置P2に移動させる。MC5で工作物2の加工を行なった後の第6の手順では、加工領域5fでの加工が終了した加工済の工作物2bをクランプしている他の取付け装置1を加工領域5fから搬出する。
【0039】
たとえば、本実施形態では、NC部15aが加工完了信号を出力して、この加工完了信号によりMC5が加工完了状態になったことが確認されるまでは、段取り装置6側にある取付け装置1は、未加工工作物2aをアンクランプ状態で収納している。
加工完了信号は、NC部15aで実行されるNCプログラムの所定の補助機能コードの指令が実行されたとき等に出力される信号である。この補助機能コードとしては、たとえばプログラムエンド指令(M30)などを使用することができる。
なお、加工完了信号を出力するための補助機能コードを別に設け、NCプログラム内にこの補助機能コードを挿入しておいてもよい。このような補助機能コードは、加工完了以前に、所定時間内に加工が完了する旨の加工完了予告信号(クランプ可能信号)を出力するものであってもよい。この場合は、システム制御装置25は、加工完了予告信号が出力されたのを受けて、制御装置15に工作物クランプ指令を送出する。また、システム制御装置25は、加工完了信号が出力されたのを受けて、制御装置15に工作物供給(移動)指令を送出すればよい。
加工完了信号が出力されると、段取り装置6に装着されている取付け装置1の工作物クランプ・アンクランプ手段48(図1)を駆動して、未加工工作物2aをクランプする。
その後、未加工工作物2aをクランプしている一方の取付け装置1と、MC5での加工が完了した加工済工作物2bをクランプしている他方の取付け装置1とを、移動装置14で交換動作させる。こうして、未加工工作物2aと加工済工作物2bを交換する。このようにして、未加工工作物2aを取付け装置1でMC5に供給している。
【0040】
図5から図9に示すように、加工システム3の運転が開始されるときには、交換アーム18は待機位置P4で待機している。第1の取付け装置1aは段取り側装着装置26に、第2の取付け装置1bは割出し装置11に、それぞれ装着されており、両方の収納部40には工作物2は収納されていない状態である。第1の取付け装置1aの工作物クランプ・アンクランプ手段48は、アンクランプ状態になっている。第2の取付け装置1bはクランプ状態になっている(ステップ201)。
加工システム3のシステム制御装置25は、所望の工作物2が載置されているパレット23aを工作物授受位置P3に位置させる指令を、フィーダ用制御部23bに送出する。フィーダ用制御部23bは、この指令に従ってフィーダ23を制御し、パレット23aの移動が終了したら、パレット移動完了信号をシステム制御装置25に送出する。
システム制御装置25から工作物搬送装置8の制御部8aに、工作物搬送の指令が送出される。すると、工作物搬送装置8は、工作物搬送装置8の走行動作,昇降動作,ハンド部22の把持動作を行う。これらの動作により、所望のフィーダ23のパレット23aから、MC5で次に加工を行う工作物(未加工工作物2a)を一方のハンド部22で把持して搬送する。
そして、工作物搬送装置8は、一方のハンド部22を、段取り位置P1にある第1の取付け装置1aの収納部40の上方に位置させたのち下降させて、収納部40内に未加工工作物2aを収納する。この未加工工作物2aは、その底面50の当接部50aが当接部材56に当接し、アンクランプ状態で収納部40内に載置される(ステップ202)。搬送が終了した旨の信号が、制御部8aからシステム制御装置25に送出される。
【0041】
システム制御装置25は、所望のMC5で所望の種類の工作物を連続して複数個加工するときの1個目(または、加工システム3の運転開始時における1個目)の工作物であるか否かを判別する。
連続した複数個の加工時における1個目(または、加工システム3の運転開始時における1個目)の工作物の場合には、段取り位置P1にある第1の取付け装置1aの収納部40にのみ未加工工作物2aが載置されている。すなわち、交換位置P2にある第2の取付け装置1bの収納部40は空であり、加工を行うことはない。したがって、1個目の工作物であることが判別されると、ステップ205に移行する(ステップ203)。
図9(A)に示すように、1個目の工作物ではないと判別された場合には、そのMC5の制御装置15が加工完了信号Iをシステム制御装置25に出力したか否かを判別する(ステップ204)。システム制御装置25は、段取り位置P1にある第1の取付け装置1aの収納部40内に工作物が載置されている状態で、第2の取付け装置1bにクランプされている工作物への加工が終了し加工完了信号Iが出力されていることを確認すると、ステップ205に移行する。
ステップ205では、システム制御装置25は、未加工工作物2aを第1の取付け装置1aにクランプし、第1の取付け装置1aをMC5側に供給する指令を制御装置15に送出する。制御装置15は、第1の取付け装置1aの工作物クランプ・アンクランプ手段48を駆動して、未加工工作物2aをクランプする。
未加工工作物2aをクランプするためには、段取り側装着装置26のカプラ用シリンダ装置101を前進側に駆動して、第1のカプラ47と第2のカプラ70とを接続する。すると、圧力油供給手段72から工作物クランプ・アンクランプ手段48のシリンダ装置54までの流路が連通する。
次いで、切換え弁74を切換えて、圧力油供給手段72からシリンダ装置54までの流路内の圧力を所定の圧力に上昇させる。この所定圧力は、未加工工作物2aをクランプすることができる圧力である。これにより、シリンダ装置54が揺動部材53をクランプ側に揺動させ、未加工工作物2aをクランプする。
【0042】
次に、第2のシリンダ装置17を駆動して、第2のロッド17aをその縮小位置に移動させる。すると、図9(B)に示すように、交換アーム18が待機位置P4から段取り位置P1側に移動する。そして、段取り側装着装置26のシャンク装着部9の中心に、交換アーム18の段取り装置6側の一方の把持部20の中心を一致させる。すると、交換アーム18の一方の把持部20が、段取り装置6に装着されている第1の取付け装置1aのシャンク4の被把持部19に係合する。次いで、カプラ用シリンダ装置101を後退側に駆動して、第1のカプラ47と第2のカプラ70とを分離する。このことにより、それぞれのカプラ47,70のそれぞれの内部流路が遮断されて、第1の流路41および第2の流路44が閉塞し、第3の流路45も閉塞する。
すなわち、第1のカプラ47と第2のカプラ70との接続を解除して、それまで連通していた流路を遮断する。これにより、第1の取付け装置1aは、未加工工作物2aのクランプ状態を維持する(ステップ206)。
【0043】
シャンククランプ・アンクランプシリンダ装置92を駆動して、移動体93を前方に移動させると、係合体94が内周溝93a側に移動可能になる。こうして、段取り装置6のシャンク装着部9は、第1の取付け装置1aのシャンク4をアンクランプ状態にする。
交換アーム18を、旋回軸21の軸線方向に所定量前進移動させて、第1の取付け装置1aのシャンク4およびプルスタッド43を、シャンク装着部9より抜き出す。交換アーム18の前進動作時には、清掃用エアーを噴出口90a,90bより噴出させるために、清掃用エアー供給部材105,106に清掃用エアーを供給する。
交換アーム18の一方の把持部20は、前進移動すると公知の係合爪固定手段(図示せず)によって係合爪20aが固定される。これにより、シャンク4の被把持部19は、一方の把持部20に確実に把持される。シャンク装着部9より噴出していた清掃用エアーを停止する。このようにして、第1の取付け装置1aは、段取り装置6から抜き出される(ステップ207)。
【0044】
次いで、第2のシリンダ装置17を駆動して、第2のロッド17aを伸長位置に移動させる。すると、図9(C)に示すように、第1の取付け装置1aを把持している交換アーム18は、待機位置P4に移動する(ステップ208)。その後、交換アーム18を、旋回軸21の軸線方向に後退移動させる(ステップ209)。
次に、図9(D)に示すように、交換アーム18は、MC5側の交換位置P2に移動する。そのために、予めMC5のスプラッシュガード5cの開閉扉5dを開方向に移動させておく。
テーブル10および割出し装置11は、NCプログラム終了時にはMC5側の交換位置P2に位置決めされているようにプログラムされている。また、1個目の工作物以外のときには、割出し装置11のシャンク装着部12に装着されている第2の取付け装置1bには、今回加工の完了した加工済工作物2bがクランプされている。
第1のシリンダ装置16を駆動して、第1のロッド16aをその伸長位置に移動させて、交換アーム18を割出し装置11側に移動させる。そして、割出し装置11のシャンク装着部12の中心に、交換アーム18の割出し装置11側の他方の把持部20の中心を一致させる。
【0045】
すると、交換アーム18の割出し装置11側の空の把持部20が、割出し装置11に装着されている第2の取付け装置1bのシャンク4の被把持部19に係合する(ステップ210)。
割出し装置11のシャンククランプ・アンクランプ手段(図示せず)を駆動してアンクランプ状態にする。これにより、割出し装置11のシャンク装着部12は、第2の取付け装置1bのシャンク4をアンクランプ状態にする。
第2の取付け装置1bのシャンク4および端面を清掃するために、割出し装置11のシャンク装着部12より清掃用エアーを噴出させる。交換アーム18を、旋回軸21の軸線方向に前進移動させる。これにより、第2の取付け装置1bのシャンク4およびプルスタッド43を、シャンク装着部12より抜き出す。
交換アーム18の他方の把持部20は、前進移動すると公知の係合爪固定手段(図示せず)によって係合爪20aが固定される。これにより、シャンク4の被把持部19が他方の把持部20に確実に把持される(ステップ211)。
【0046】
次に、図9(E)に示すように、第1のシリンダ装置16を駆動して、第1のロッド16aをその縮小位置に移動させる。これにより、交換アーム18は待機位置P4に移動する(ステップ212)。
交換アーム18を待機位置P4に移動させる理由は、交換アーム18が旋回動作するときに、スプラッシュガード5c等と干渉しないようにするためである。したがって、旋回動作時に干渉がない場合には、ステップ212,214における交換アーム18の移動動作は必ずしも必要ではない。
待機位置P4で、交換アーム18を180度旋回動作させる。すると、一方の把持部20と他方の把持部20の位置が入れ替わる。すなわち、未加工工作物2aをクランプしている第1の取付け装置1aと、加工済工作物2bをクランプしている第2の取付け装置1bを反転させる。すると、第1,第2の取付け装置1a,1bの各位置が入れ替わる(ステップ213)。
【0047】
次に、図9(F)に示すように、第1のシリンダ装置16を駆動して、第1のロッド16aをその伸長位置に移動させる。交換アーム18はMC5側に移動する。交換アーム18の割出し装置11側の一方の把持部20の中心を、割出し装置11のシャンク装着部12の中心に一致させる(ステップ214)。
次いで、交換アーム18を、旋回軸21の軸線方向に後退移動させる。すると、未加工工作物2aをクランプしている第1の取付け装置1aのシャンク4が、割出し装置11のシャンク装着部12に装着される。
割出し装置11のクランプ・アンクランプ機構をクランプ状態にすると、第1の取付け装置1aは割出し装置11にクランプされる。割出し装置11のシャンク装着部12より噴出している清掃用エアーを停止させる(ステップ215)。
次に、図9(G)に示すように、第1のシリンダ装置16を駆動して、第1のロッド16aを縮小位置に移動させる。交換アーム18は待機位置P4に移動する。これにより、交換アーム18の割出し装置11側の一方の把持部20は、第1の取付け装置1aのシャンク4の被把持部19から離脱する。MC5は開閉扉5dを全閉状態にする(ステップ216)。
【0048】
次に、交換アーム18を、旋回軸21の軸線方向に前進移動させる(ステップ217)。図9(H)に示すように、第2のシリンダ装置17を駆動して、第2のロッド17aをその縮小位置に移動させることにより、交換アーム18を段取り位置P1側に移動させる。
そして、交換アーム18の段取り装置6側の把持部20の中心を、段取り装置6のシャンク装着部9の中心に一致させる。このとき、シャンク装着部9より、清掃用エアーをシャンク4に向けて噴出する(ステップ218)。
次に、交換アーム18を旋回軸21の軸線方向に後退移動させる。これにより、加工済工作物2bをクランプした第2の取付け装置1bのシャンク4を、シャンク装着部9に装着する(ステップ219)。
次いで、段取り装置6のシャンククランプ・アンクランプシリンダ装置92を駆動して、第2の取付け装置1bのシャンク4をクランプする。その後、清掃用エアーの噴出を停止する。
また、段取り側装着装置26のカプラ用シリンダ装置101を駆動して、第2のカプラ70を前進させる。これにより、第2の取付け装置1bの第1のカプラ47と、段取り側装着装置26の第2のカプラ70とが接続されて、流路が連通する(ステップ220)。
【0049】
次に、図9(I)に示すように、第2のシリンダ装置17を駆動して、第2のロッド17aをその伸長位置に移動させる。交換アーム18は待機位置P4に移動する。これにより、他方の把持部20は、第2の取付け装置1bの被把持部19から離脱する(ステップ221)。
その後、切換え弁74を切換えて、流路内の圧力を大気圧に下げる。すると、シリンダ装置54の圧縮ばね54aのばね力により、揺動部材53がアンクランプ側に揺動する。これにより、加工済工作物2bは、第2の取付け装置1bの収納部40内にアンクランプ状態で載置され、取り出し可能になる(ステップ222)。
制御装置15は、工作物2の交換が終了した旨の信号をシステム制御装置25に送出する。システム制御装置25は、制御装置15に加工指令を送出する。すると、MC5は、NCプログラムに従って、主軸5aに装着された工具Tで、工作機械側装着装置13に保持された第1の取付け装置1aにクランプされている未加工工作物2aの加工を開始する。
そのためには、主軸5aを回転させるとともに、未加工工作物2aと工具Tとを、直交3軸方向(X,Y,Z軸方向)に相対移動させる。また、割出し装置11とテーブル10を、A軸,B軸のまわりに回転させる割出し制御などを行なって加工を行う。さらに、自動工具交換装置によって、工具マガジン5bと主軸5aとの間で工具Tの交換を行う。
【0050】
次いで、システム制御装置25は、MC5での所望の種類の工作物に対する加工が、所望の数量終了したか否かを判別する(ステップ223)。終了していない場合には、システム制御装置25は工作物搬送装置8に搬送指令を送出する。
工作物搬送装置8は、次に加工を行う工作物をフィーダ23のパレット23aから一方のハンド部22で受け取ったのち、所望の段取り装置6の上方側に走行する。工作物搬送装置8は、この段取り装置6の上方で停止する。
そして、工作物を把持していない他方のハンド部22で、第2の取付け装置1bの収納部40内にアンクランプ状態で載置されている前回の加工済工作物2bを受け取る。その後、この加工済工作物2bを把持する他方のハンド部22を上昇させる。
次に、未加工工作物2aを把持している一方のハンド部22を、第2の取付け装置1bの収納部40の上方に位置させたのち下降させて、収納部40内に未加工工作物2aを収納する。こうして、未加工工作物2aは、第2の取付け装置1bの収納部40内にアンクランプ状態で載置されたまま、ステップ205でクランプされるまで待つことになる。
一方、工作物搬送装置8は、他方のハンド部22で把持した加工済工作物2bを所望のフィーダ23に搬送し、このフィーダ23のパレット23a上に返却する(ステップ224)。
【0051】
ステップ224の手順が終了すると、ステップ204に移行して、制御装置15が加工完了信号Iを出力するのを待つ。今回の手順では、前回の第1,第2の取付け装置が、それぞれ今回の第2,第1の取付け装置に相当することになる。そして、加工が終了するまでステップ204からステップ224までの手順を繰り返し、未加工工作物をMC5に順次供給して加工する。
ステップ223で、システム制御装置25は、所望の数量の工作物の加工が終了したことを確認する。終了したことが確認されると、システム制御装置25は、工作物の返却のための搬送指令を工作物搬送装置8に送出する。工作物搬送装置8は、段取り位置P1で、取付け装置1内のアンクランプ状態の加工済工作物2bを把持して、フィーダ23のパレット23aに返却する(ステップ225)。
【0052】
上述のように、本発明の工作物供給方法およびその装置65によれば、モールド部が軟質材料で形成された工作物2でも、工作物2のモールド部をクランプしている時間を最短にして、モールド部の変形量を最小限に抑えることができる。これにより、MC5での加工時に、工作物2に対する所望のクランプ力が維持されるので、MC5は工作物2を確実にかつ高精度で加工することができる。
また、取付け装置1にアキュムレータ49を内蔵しているので、工作物2が多少変形しても、クランプ力が低下することを防止することができる。
取付け装置1に自動的に工作物2をクランプ・アンクランプして搬送し、MC5に対して工作物の交換ができる。したがって、加工システム3の全体をシステム制御装置25により制御すれば、長時間の自動化,無人化運転が可能になる。
また、未加工工作物は、MC5での加工が完了するのをMC5の近傍の段取り位置P1で待っている。したがって、MC5までの移動距離が短くなり、工作物交換時間を最短にできることになり、MC5の稼働率が向上する。
圧力油供給源75から供給される圧力油Lの圧力を調整することにより、工作物クランプ・アンクランプ手段48のクランプ力を任意に変更することができる。したがって、軟質性のモールド部を有する工作物でも、このモールド部を最適なクランプ力でクランプすることが可能である。
取付け装置1にシャンク4を設けて、このシャンク4をシャンク装着部9,12に装着できるようにしている。したがって、工具を取り扱うのとほぼ同様な構成(たとえば、交換アーム18および旋回軸21等を有する移動装置14の構成)で、工作物2を容易に取り扱うことができる。
本発明では、工作物交換のための時間が短縮されるので、作業者一人で複数の工作機械への工作物の供給等を担当することができる。
【0053】
なお、加工システム3は、工作機械,段取り装置,工作機械側装着装置および移動装置をそれぞれ一台ずつ備えているものであってもよい。そして、取付け装置1への工作物の着脱を作業者が手動で行なってもよい。
この場合、加工完了信号の有無の判別をMCの制御装置内で行なって、加工完了信号の状態を確認できればよい。また、所定の種類の工作物の加工数の管理は、NCプログラムにカスタムマクロ命令等で作成した加工数管理用プログラムをプログラムしておくことで、制御装置内で行うことができる。すなわち、目標数の設定および加工数の加算処理等を、制御装置で行えるようにしておけばよい。さらに、段取り装置で未加工工作物を工作物取付け装置内に載置した後、段取り装置に設けられた段取り完了ボタンスイッチを押圧することにより、制御装置に載置(段取り)が完了したことの信号を送出する。このようにしておくことにより、制御装置は、MC内で加工が完了したこと、および、段取り装置側の工作物取付け装置内に未加工工作物が収納載置されていること等を確認できる。そして、確認後、段取り装置側の工作物取付け装置のクランプ・アンクランプ手段で未加工工作物をクランプした後、工作物取付け装置をMC内に移動させるプログラムを実行することにより、工作物をMCに供給する制御を行うことができる。
【0054】
また、工作物取付け装置は、パレット上に工作物取付け用の部材を設けた装置であってもよい。この場合の工作物取付け装置は、公知のパレット交換装置により移動動作(交換動作)を行えばよい。さらに、パレットプールラインを構成しておいてもよい。
この場合、パレット交換指令(たとえば、M60)を実行する直前に工作物取付け装置をクランプする指令をプログラムしておいてもよい。さらに、パレット交換指令を実行することで工作物取付け装置をクランプし、その後、パレットを交換する動作を行なってもよい。
本実施形態では、工作物クランプ・アンクランプ手段48は、シリンダ装置54で工作物2をクランプし、圧縮ばね54aで工作物2をアンクランプ状態にしている。この変形例として、工作物を固定している時間が短ければ、工作物の変形に対応して固定力を発揮することができるばねで工作物2を固定し、シリンダ装置または機械式固定解除手段等で工作物2を固定解除状態にしてもよい。
なお、工作物取付け装置が有する固定・固定解除手段は、特公昭58−58179号公報に記載の構成であってもよい。この技術では、工作物を固定および固定解除するための固定用シリンダと固定解除用シリンダを治具本体(本実施形態の工作物取付け装置に相当)に設けている。そして、外部ステーションに設けた操作用シリンダで、固定用シリンダと固定解除用シリンダをそれぞれ固定動作および固定解除動作させるようにしている。すなわち、外部操作用シリンダで固定用シリンダを操作することにより、クランプシリンダ内等の流体の圧力を加圧して工作物を固定するものであってもよい。
【0055】
直交3軸の座標や極座標等で、工作物貯蔵装置より移動するいわゆる工業用ロボットを、工作物搬送装置としてもよい。この場合、段取り装置に装着されている取付け装置1に対して、前記工業用ロボットで工作物を受け渡しすることになる。
公知の工具マガジンと同じような機構の工作物マガジンで、一つまたは複数の工作物を貯蔵してもよい。この場合、この工作物マガジンの一部または近傍に、取付け装置1の工作物クランプ・アンクランプ手段48を動作させるためのクランプ・アンクランプ装置(固定・固定解除装置)を設けておく。工作物マガジンと取付け装置1との間の工作物の受け渡しは、作業者が手動で行なってもよい。工作物マガジンに対して一回段取りをしておけば、長時間の連続運転が可能になる。
本実施形態では、MC5が取付け装置1を受け入れ可能な状態になったことを、システム制御装置25で判別しているが、MC5の制御装置15でこの判別を行なってもよい。この場合、工作物2が取付け装置1内に搬送されている旨の信号、および1個目の工作物である旨の信号等が、システム制御装置25から制御装置15に送出される必要がある。
また、移動装置14等の制御を工作機械の制御装置15で行なっているが、この制御装置15とは別の制御装置で行なってもよい。その場合、加工システムがシステム制御装置を有していれば、このシステム制御装置と移動装置14等の制御装置との間で指令および信号等の授受を行う。加工システムがシステム制御装置を有していない場合には、工作機械の制御装置と移動装置14等の制御装置との間で指令および信号等の授受を行う。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、少なくとも被固定部が軟質性の工作物でも、この工作物をクランプする時間を最短にして工作物の変形量を最小限に抑えることにより、工作機械での加工時に所望のクランプ力を維持した状態で加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図9は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は工作物取付け装置の平面図である。
【図2】前記工作物取付け装置の一部を断面で示す正面図である。
【図3】前記工作物取付け装置の一部を示す断面図である。
【図4】シャンク装着部を有する段取り側装着装置の断面図である。
【図5】加工システムの全体構成を示す平面図である。
【図6】図6(A)は図5のVI線による側面図、図6(B)は図6(A)のB−B線矢視図である。
【図7】工作物の供給方法を示すフローチャートである。
【図8】工作物の供給方法を示すフローチャートである。
【図9】前記方法の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 工作物取付け装置
1a 第1の工作物取付け装置
1b 第2の工作物取付け装置
2 工作物
2a 未加工工作物(工作物)
2b 加工済工作物(工作物)
3 加工システム
5 マシニングセンタ(工作機械)
5f 加工領域
7 工作物貯蔵装置(工作物載置装置)
8 工作物搬送装置
14 移動装置
15 制御装置
26 段取り側装着装置(固定・固定解除装置)
41 第1の流路(内部流路)
44 第2の流路(内部流路)
48 工作物クランプ・アンクランプ手段(固定・固定解除手段)
49 アキュムレータ
65 工作物供給装置
I 加工完了信号(信号)
L 圧力油(圧力流体)
P1 段取り位置(固定・固定解除位置)
P2 交換位置(加工領域内の位置)

Claims (11)

  1. 工作物を固定可能な固定・固定解除手段を有する工作物取付け装置に対して前記工作物を固定・固定解除する動作を行う固定・固定解除位置と、工作機械が前記工作物取付け装置に固定された前記工作物の加工を行う加工領域内の位置との間で、前記工作物取付け装置を移動させて、前記工作機械に前記工作物を供給する方法であって、
    前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を固定解除状態にしておく第1の手順と、
    この固定解除状態の前記工作物取付け装置に、前記工作機械で次に加工を行う前記工作物を載置しておく第2の手順と、
    前記工作機械が前記加工領域内に前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態であるか否かを判別する第3の手順と、
    受け入れ可能の状態と判別されたとき、前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置が前記工作物を固定する第4の手順と、
    前記工作物が固定されている前記工作物取付け装置を前記加工領域内の位置に移動させる第5の手順とを有していることを特徴とする工作物供給方法。
  2. 請求項1に記載の工作物供給方法であって、
    前記工作物取付け装置は、外部に対して閉塞可能な内部流路に供給された圧力流体の圧力によって前記工作物を固定可能な装置であり、
    前記工作物取付け装置が前記工作物を固定する前記第4の手順は、前記内部流路の流体を加圧して前記工作物を固定する手順であることを特徴とする工作物供給方法。
  3. 請求項1または2に記載の工作物供給方法であって、
    前記工作物を前記工作物取付け装置に載置する前記第2の手順は、少なくとも一つの前記工作物を載置可能な工作物載置装置から前記工作物を把持して搬送する工作物搬送装置によって行われる手順であることを特徴とする工作物供給方法。
  4. 請求項1,2または3に記載の工作物供給方法であって、
    前記第3の手順は、少なくとも前記加工領域での前記工作物に対する加工が完了したときに出力される信号の有無で判別する手順であることを特徴とする工作物供給方法。
  5. 請求項1から4のいずれかの項に記載の工作物供給方法であって、
    この方法は、前記工作機械で前記工作物の加工を行なった後に、前記加工領域での加工が終了した加工済の前記工作物を固定している前記工作物取付け装置を前記加工領域から搬出する第6の手順を有することを特徴とする工作物供給方法。
  6. 加工領域で工作物の加工を行うための工作機械に前記工作物を供給するための装置であって、
    前記工作物を固定・固定解除可能な固定・固定解除手段を有するとともに、固定解除状態のとき前記工作物を載置可能な工作物取付け装置と、
    前記工作機械の加工領域外の固定・固定解除位置に設けられ、この固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を固定・固定解除状態にするための固定・固定解除装置と、
    前記工作機械と前記固定・固定解除装置との間で前記工作物取付け装置を移動させるための移動装置と、
    前記工作機械が加工を行う前記加工領域内に前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態と判別されたときに、前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を、前記固定解除状態から前記固定状態にする制御を行う制御装置とを有し、
    前記固定解除状態の前記工作物取付け装置内に載置された前記工作物を、前記受け入れ可能の状態と判別されたとき固定して前記工作機械の加工領域側に移動させて加工を行うことを特徴とする工作物供給装置。
  7. 請求項に記載の工作物供給装置であって、
    前記工作物取付け装置は、外部に対して閉塞可能な内部流路に供給された流体が加圧されることによって前記工作物を固定可能な装置であることを特徴とする工作物供給装置。
  8. 請求項に記載の工作物供給装置であって、
    前記工作物取付け装置は、前記内部流路にアキュムレータが接続されている装置であることを特徴とする工作物供給装置。
  9. 請求項6,7または8に記載の工作物供給装置であって、
    この工作物供給装置は、
    少なくとも一つの前記工作物を載置可能な工作物載置装置から前記工作物を把持して、前記固定・固定解除位置に位置している前記工作物取付け装置内に搬送する工作物搬送装置を有することを特徴とする工作物供給装置。
  10. 請求項6から9のいずれかの項に記載の工作物供給装置であって、
    前記制御装置は、
    少なくとも前記加工領域での前記工作物に対する加工が完了し、前記工作物取付け装置を受け入れ可能の状態と判別したとき、前記工作物取付け装置の前記固定・固定解除手段を前記固定解除状態から前記固定状態にする制御を行う装置であることを特徴とする工作物供給装置。
  11. 請求項6から10のいずれかの項に記載の工作物供給装置であって、
    前記工作物取付け装置は、少なくとも前記工作機械で次に加工を行う前記工作物を固定している一方の前記工作物取付け装置と、加工済の前記工作物を固定している他方の前記工作物取付け装置とを有する装置であり、
    前記移動装置は、一方の前記工作物取付け装置と他方の前記工作物取付け装置とを、前記固定・固定解除装置と前記工作機械との間で交換するための装置であることを特徴とする工作物供給装置。
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