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JP4443918B2 - 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、心筋梗塞を診断する際、心筋梗塞領域の描出画像と心筋全体の輪郭の抽出画像とを1回の撮影で得る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法に関する。
従来、医療現場におけるモニタリング装置として、図12に示すような磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置1が利用される(例えば特許文献1参照)。
MRI装置1は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石2内部にセットされた被検体Pの撮像領域に傾斜磁場コイルユニット3の各傾斜磁場コイル3x、3y、3zでX軸、Y軸、Z軸方向の傾斜磁場を形成するとともにRF(Radio Frequency)コイル4から高周波(RF)信号を送信することにより被検体P内の原子核スピンを磁気的に共鳴させ、励起により生じた核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号を利用して被検体PのMR画像を再構成する装置である。
すなわち、予め静磁場電源5により静磁場用磁石2内部に静磁場が形成される。さらに、入力装置6からの指令によりシーケンスコントローラ制御手段7は、信号の制御情報であるシーケンスをシーケンスコントローラ8に与え、シーケンスコントローラ8はシーケンスに従って各傾斜磁場コイル3x、3y、3zに接続された傾斜磁場電源9およびRFコイル4に高周波信号を与える送信器10を制御する。このため、撮像領域に傾斜磁場が形成され、被検体Pには高周波信号が送信される。
そして、被検体P内の原子核スピンの励起に伴って発生したNMR信号は、RFコイル4で受信されるとともに受信器11に与えられてデジタル化された生データ(raw data)に変換される。さらに、生データは、シーケンスコントローラ8を介してシーケンスコントローラ制御手段7に取り込まれ、シーケンスコントローラ制御手段7は生データデータベース12に形成されたk空間(フーリエ空間)に生データを配置する。そして、画像再構成手段13が、k空間に配置された生データに対してフーリエ変換を実行するとともに表示装置14に与えて表示させることにより、被検体Pの画像が再構成される。
また、この際、静磁場用磁石2の内側に同軸上に設けられた筒状のシムコイル15にシムコイル電源16から電流が供給されて、静磁場が均一化される。
このようなMRI装置1により、心筋梗塞ないし虚血性心疾患を診断する方法として、従来、心筋遅延造影法(Late EnhancementまたはDelayed Enhancement)がある(例えば非特許文献1参照)。
心筋遅延造影法は、被検体PにMR造影剤を注入した後、一定の遅延時間後にインバージョンリカバリ(IR:Inversion Recovery)法(反転回復法)によりT1強調画像を収集することにより心筋梗塞領域を特定する方法である。
すなわち、IRシーケンスによる撮像ではRFコイル4にNMR信号取得用の高周波信号を印加する前にIRプリパルスが印加され、原子核スピンのz軸方向の縦磁化成分が反転される。そして、原子核スピンの縦緩和(T1緩和)により縦磁化が回復してくる過程でデータ取得用のRFパルスを印加させて、エコー信号であるNMR信号が測定される。
ここで、原子核スピンの縦磁化成分の反転状態からの回復速度は、縦緩和により原子核スピンが定常状態に戻る際の時定数T1にのみ依存する。このため、IRプリパルスから90°パルスまでの時間であるインバージョンタイムTI(反転回復時間)を調節することにより、各組織におけるT1の差異を利用してT1強調を行って特定の組織の画像を強調して得ることができる。
一方、ガドリウムGdをMR造影剤として被検体Pに投与すると、一定の遅延時間後には心筋梗塞領域では組織浮腫や心筋細胞膜の障害により、MR造影剤の細胞外液分布容積が正常心筋よりも増大する。MR造影剤はT1を短縮させる性質があるため、MR造影剤を被検体Pに投与した後にIR法により被検体Pを高速撮影すると、心筋梗塞病変が明瞭な高信号域として描出されることが知られる。
また、心筋遅延造影法によるIR撮像は呼吸停止下で行われるため、高速で撮像を実行する必要がある。そこで、従来、k空間を複数のセグメントに分割し、心電波形に同期させて一度に複数の位相エンコード分の生データを収集して高い時間分解能で画像を撮像するセグメントk−space法(segment k-space method)により生データが収集される。
すなわち、心電図(ECG:Electrocardiography)センサ17により呼吸停止下で得られた図13(a)に示すECG信号がECGユニット18に与えられて、シーケンスコントローラ制御手段7を介してIRシーケンス生成手段19に与えられる。IRシーケンス生成手段19は、図13(b)に示すように、ECG信号のR波から一定の遅延時間Td後にIRプリパルス20を有し、IRプリパルス20からインバージョンタイム(TI)後に複数のサブシーケンス21aで構成されたデータ取得用シーケンス21を有するIRシーケンスを生成する。
この際、IRプリパルス20は、IRプリパルス生成手段24により生成される一方、データ取得用シーケンス21はデータ取得用シーケンス生成手段25により生成されてIRシーケンス生成手段19により合成される。また、データ取得用シーケンス21は、低周波成分収集ブロック22と高周波成分ブロック23とで構成される。
この際、図13(c)の縦磁化Mzの時間tに対する変化を示すグラフに示すように、インバージョンタイム(TI)は、心筋梗塞領域A1の縦磁化A1が正値でその他の正常心筋の縦磁化A2がゼロに近くなる時間に設定され、心筋梗塞領域からのNMR信号が強調される。
IRシーケンス生成手段19は、シーケンスコントローラ制御手段7を介してIRシーケンスをシーケンスコントローラ8に与える。そして、シーケンスコントローラ8が、IRシーケンスに従って傾斜磁場および高周波信号を制御することにより、心筋梗塞領域の画像がT1強調されて高速撮影される。
特開2001−149341号公報(第1頁―第11頁、図1参照) INNERVISION(15・3)2000 P.59−66 造影MRIによる虚血性心疾患の診断 佐久間ほか
従来、心筋バイアビリティの評価では、心筋梗塞領域の全心筋体積に占める割合、あるいは心筋壁厚の何%に心筋梗塞領域が認められるか(壁厚進展度)を測定することが重要であることが、「日本医放会誌 2002年 第62巻 第12号 p.682−689 心臓領域におけるMRI用造影剤の実際の使用方法 佐久間 肇」に記載されている。
心筋梗塞領域の体積は、心臓領域のT1強調画像において所定の閾値以上の画素値を有するボクセル数をカウントし、ボクセルの体積を掛けることにより求めることができる。
しかし、T1強調画像は、正常心筋の画素値ができるだけ0に近くなるような撮像パラメータで得られるため、心筋周囲の脂肪が多い場合を除き、心筋外膜と周囲との境界を抽出することが困難な場合が多い。
すなわち、正常心筋における画素値を0に近づけて心筋梗塞領域とその他の領域とのコントラストをつける必要があるため、正常心筋からのNMR信号の強度をできるだけnull(無信号)にしなければならない。このため、心筋とその周囲の肺野からのNMR信号の強度が同程度に小さくなり、心筋遅延造影法により得られた画像を用いて心筋外膜と周囲との境界、すなわち心筋外壁の輪郭を抽出して心筋全体の体積や心筋壁厚を測定することが困難である。
特に、ソフトウェアにより隣接するボクセルの画素値の変化を検出して自動的に組織の輪郭を抽出する画素値法を適用した場合には、正確な輪郭の抽出が行われない可能性が高い。
このため、従来、心筋全体の体積や心筋壁厚を測定して心筋梗塞領域の全心筋体積に占める割合あるいは壁厚進展度を求める場合には、心筋の輪郭を抽出するために心筋遅延造影法による撮像とは別に、心筋遅延造影法のパルスシーケンスからインバージョンパルスを取り除いたパルスシーケンスによる撮像を行う方法や、心筋遅延造影法のパルスシーケンスのインバージョンタイム(TI)を心筋信号が0となる設定値からずらして心筋の画素値が周囲に対して高くなるような撮像を行う方法がとられる。
この結果、心筋の輪郭を抽出するための撮像が心筋梗塞領域の撮像とは別に必要となり、検査時間の増加に繋がる。さらに、通常、MRI装置1を用いた心筋遅延造影法による虚血性心疾患の検査は、心筋パフュージョン撮影やシネ撮影等の撮像と組合せて行われる。このような各種撮影は通常、被検体Pである患者の呼吸停止下で行われる場合が多いため、患者は各撮影において複数回に亘って息止めをする必要があり、被検体Pの負担や労力の増加要因となっている。
さらに、撮影を複数回に分けた場合には、各撮影において被検体Pの呼吸停止状態が異なるため、スライス位置ずれが起こり正確な計測が困難となる。
そこで、MRI装置1を用いた虚血性心疾患検査等の心臓検査では、被検体Pの位置決めやテストスキャン等の作業を含めた検査時間全体の短縮、撮影回数の低減、被検体Pの負担低減および測定精度の向上が望まれる。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、心筋梗塞領域の描出画像と心筋全体の輪郭の抽出画像とを1回の撮影で得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、IRプリパルスを生成するIRプリパルス生成手段と、前記IRプリパルスから心筋の縦磁化がゼロ付近となるようなインバージョンタイムTI1後にデータ取得用シーケンスを生成するデータ取得用シーケンス生成手段と、共通のIRプリパルスから前記データ取得用シーケンス生成手段により生成されたデータ取得用シーケンスのインバージョンタイムTI1と異なり、心筋の縦磁化の絶対値が前記インバージョンタイムTI1後における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるようなインバージョンタイムTI2後に、心筋全体データ用シーケンスを生成する心筋全体データ用シーケンス生成手段と、前記IRプリパルス、データ取得用シーケンスおよび心筋全体データ用シーケンスを合成することによりマルチエコー法によるIRシーケンスを生成するIRシーケンス生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、被検体の心時相に同期させてインバージョンリカバリ法を用いて画像を収集する磁気共鳴イメージング装置において、前記被検体の心時相に同期させてインバージョンリカバリパルスを印加した後、前記画像の高周波成分のデータを収集するとともに、心筋の縦磁化がゼロ付近となるような第1の反転回復時間および前記第1の反転回復時間と異なり、かつ心筋の縦磁化の絶対値が前記第1の反転回復時間における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるような第2の反転回復時間を少なくとも含む複数の異なる反転回復時間各々において同一スライス位置における前記画像の低周波成分のデータを複数回収集する収集手段と、前記異なる遅延時間において収集された低周波成分のデータ各々と前記高周波成分のデータから複数の画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、IR法により共通のIRプリパルスから心筋の縦磁化がゼロ付近となるようなインバージョンタイムTI1後にデータ取得用シーケンスを有し、前記インバージョンタイムTI1と異なり、心筋の縦磁化の絶対値が前記インバージョンタイムTI1後における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるようなインバージョンタイムTI2後に、心筋全体データ用シーケンスを有するマルチエコー法によるIRシーケンスを生成することを特徴とする方法である。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法においては、心筋梗塞領域の描出画像と心筋全体の輪郭の抽出画像とを1回の撮影で得ることが可能であるため、検査時間全体の短縮、撮影回数の低減、被検体の呼吸停止による負担低減および被検体の呼吸停止状態の相違に伴う測定精度の向上を図ることができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置30は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石31と、この静磁場用磁石31の内部に設けられたシムコイル32、傾斜磁場コイルユニット33およびRFコイル34とを図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置30には、制御系35と心電図(ECG:Electrocardiography)計測系36とが備えられる。
制御系35は、静磁場電源37、傾斜磁場電源38、シムコイル電源29、送信器40、受信器41、シーケンスコントローラ42およびコンピュータ43を具備している。制御系35の傾斜磁場電源38は、X軸傾斜磁場電源38x、Y軸傾斜磁場電源38yおよびZ軸傾斜磁場電源38zで構成される。また、コンピュータ43には、入力装置44、表示装置45、演算装置46および記憶装置47が備えられる。
ECG計測系36は、ECGセンサ48とECGユニット49とを具備している。
磁気共鳴イメージング装置30の静磁場用磁石31は静磁場電源37と接続され、静磁場電源37から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。また、静磁場用磁石31の内側には、同軸上に筒状のシムコイル32が設けられる。シムコイル32はシムコイル電源29と接続され、シムコイル電源29からシムコイル32に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイルユニット33は、X軸傾斜磁場コイル33x、Y軸傾斜磁場コイル33yおよびZ軸傾斜磁場コイル33zで構成され、静磁場用磁石31の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイルユニット33の内側には寝台50が設けられて撮像領域とされ、寝台50には被検体Pがセットされる。RFコイル34はガントリに内蔵されず、寝台50や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイルユニット33は、傾斜磁場電源38と接続される。傾斜磁場コイルユニット33のX軸傾斜磁場コイル33x、Y軸傾斜磁場コイル33yおよびZ軸傾斜磁場コイル33zはそれぞれ、傾斜磁場電源38のX軸傾斜磁場電源38x、Y軸傾斜磁場電源38yおよびZ軸傾斜磁場電源38zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源38x、Y軸傾斜磁場電源38yおよびZ軸傾斜磁場電源38zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル33x、Y軸傾斜磁場コイル33yおよびZ軸傾斜磁場コイル33zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル34は、送信器40および受信器41と接続される。RFコイル34は、送信器40から高周波信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンの高周波信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器41に与える機能を有する。
一方、ECG計測系36のECGセンサ48は被検体Pの体表に設けられ、ECG信号を受信して電気信号としてECGユニット49に与える機能を有する。
ECGユニット49は、ECGセンサ48から受けたECG信号の電気信号に対してデジタル化処理等の各種処理を施してシーケンスコントローラ42およびコンピュータ43に出力する機能を有する。
また、制御系35のシーケンスコントローラ42は、傾斜磁場電源38、送信器40、受信器41およびECGユニット49と接続される。シーケンスコントローラ42は傾斜磁場電源38、送信器40および受信器41を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源38に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源38、送信器40および受信器41を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzおよび高周波信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ42は、受信器41からはデジタル化されたNMR信号である生データ(raw data)を受けて、ECGユニット49からはデジタル化されたECG信号をそれぞれ受けてコンピュータ43に与えるように構成される。
このため、送信器40には、シーケンスコントローラ42から受けた制御情報に基づいて高周波信号をRFコイル34に与える機能が備えられる一方、受信器41には、RFコイル34から受けたNMR信号に所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化されたNMR信号である生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ42に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ43の記憶装置47に保存されたプログラムを演算装置46で実行することにより、コンピュータ43には各種機能が備えられるとともにシーケンス作成システム63が構成される。ただし、プログラムによらず、特定の回路を設けてコンピュータ43を構成してもよい。
図2は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置30の機能ブロック図である。
コンピュータ43は、プログラムによりシーケンスコントローラ制御手段60、画像再構成手段61、生データデータベース62として機能する。
さらにシーケンス作成プログラムがコンピュータ43の演算装置46に読み込まれて実行されることにより、シーケンス作成システム63が構成される。シーケンス作成システム63は、IRプリパルス生成手段64、データ取得用シーケンス生成手段65、心筋全体データ用シーケンス生成手段66、IRシーケンス生成手段67およびデータ分配手段68を有する。
ここで、磁気共鳴イメージング装置30により心筋梗塞ないし虚血性心疾患を診断する場合には、心筋梗塞領域を特定するために、被検体PにMR造影剤を注入した後、一定の遅延時間後にIRシーケンスによりT1強調画像を収集する心筋遅延造影法による撮影が行われる。
IRシーケンスによる撮像ではRFコイル4に高周波信号としてデータ取得用のRFパルスを印加する前に180°パルスがIRプリパルス(インバージョンリカバリパルス)として印加される。そして、IRプリパルスにより原子核スピンのz軸方向の縦磁化成分を反転させ、励起した核スピンが吸収したエネルギを周囲の分子に熱振動のエネルギとして放出する縦緩和(T1緩和)により縦磁化が回復してくる過程でRFパルスを印加させて、エコー信号であるNMR信号が測定される。
このとき、縦磁化成分の反転状態からの回復の速度は、縦緩和により核スピンが定常状態に戻る際の時定数T1にのみ依存する。このため、180°パルスからRFパルスまでの時間(反転時間)を調節することにより、各組織におけるT1の差異を利用してT1強調を行って特定の組織の画像を強調して得ることができる。
ここで、心筋遅延造影法において被検体Pに投与されるGd系のMR造影剤は、縦緩和時間T1を短縮させる効果があるため、MR造影剤が投与された血液が分布する領域からは強いNMR信号が生じる。そこで、MR造影剤を被検体Pに投与してIR法により高速撮影すると、心筋梗塞領域では組織浮腫や心筋細胞膜の障害によって、一定の遅延時間後にはMR造影剤の細胞外液分布容積が正常心筋よりも増大するため、心筋梗塞領域が明瞭なNMR信号の高信号域として描出される。そして、IR法により得られた生データを再構成させると、心筋梗塞領域の縦緩和時間T1に応じて強調したコントラストのT1強調画像が得られる。
そこで、シーケンス作成システム63には、このような心筋遅延造影法による撮影のためのIRシーケンスを生成してシーケンスコントローラ制御手段60に与える機能が備えられる。
シーケンス作成システム63のIRプリパルス生成手段64は、IRシーケンスのIRプリパルスを生成してIRシーケンス生成手段67に与える機能を有する。ここで、IRプリパルスは、ECGユニット49から受けたECG信号の心時相に同期するように生成される。すなわち、IRプリパルス生成手段64はシーケンスコントローラ制御手段60からECG信号を受けて、ECG信号の各R波から一定の遅延時間Td後に撮影領域全体を励起させるようなIRプリパルスをそれぞれ生成するように構成される。
データ取得用シーケンス生成手段65は、各IRプリパルスから一定の待ち時間、すなわちインバージョンタイムTI1後に、関心スライス断面を選択的に励起させてRFコイル4においてNMR信号を受信させるためのデータ取得用シーケンスをそれぞれ生成してIRシーケンス生成手段67およびデータ分配手段68に与える機能を有する。
ここで、心筋遅延造影法によるIR撮像は、心電波形に同期させて呼吸停止下で実行されるため、高速化が望まれる。そこで、k空間を複数のセグメントに分割し、セグメントごとに一度に複数の位相エンコード分の生データを収集して高い時間分解能で画像を撮像するSegmented FFE(fast field echo)やSegmented Turbo FLASHと呼ばれるセグメントk−space法(segment k-space method)により生データが収集される。
セグメントk−space法によるデータ取得の場合、データ取得用シーケンスは複数のサブシーケンスで構成される。そしてECG信号における単一のセグメント(心拍)内では、各サブシーケンスによりセントリックと呼ばれる順序で位相エンコード順にNMR信号が収集される。このため、データ取得用シーケンスには低周波成分収集側のサブシーケンスから順に高周波成分収集側のサブシーケンスが配置される。このため、データ取得用シーケンスは低周波成分収集ブロックと高周波成分収集ブロックとに区分することができる。
心筋全体データ用シーケンス生成手段66は、IRプリパルスからインバージョンタイムTI2後に心筋全体データ用シーケンスを生成する機能と、生成した心筋全体データ用シーケンスをIRシーケンス生成手段67およびデータ分配手段68に与える機能とを有する。セグメントk−space法によるデータ取得の場合には、心筋全体データ用シーケンス生成手段66には、例えば位相エンコードが低周波成分のデータを収集するためのサブシーケンスで構成される低周波成分収集シーケンスを心筋全体データ用シーケンスとして生成する機能が備えられる。
心筋全体データ用シーケンス生成手段66が心筋全体データ用シーケンスとして生成する低周波成分収集シーケンスは、データ取得用シーケンス生成手段65により生成されたデータ取得用シーケンスのうち低周波成分収集ブロックに含まれる各サブシーケンスを複製して任意の順序で配置することにより生成することができる。ただし、データ取得用シーケンスの低周波成分収集ブロックに含まれる各サブシーケンスと低周波成分収集シーケンスに含まれる各サブシーケンスとは必ずしも同一でなくてもよい。
ここで、心筋全体データ用シーケンス生成手段66が設定するインバージョンタイムTI2は、低周波成分収集シーケンスがデータ取得用シーケンス生成手段65により生成されるデータ取得用シーケンスと異なる時間、例えばデータ取得用シーケンスよりも後となるように、インバージョンタイムTI1よりも長く設定される。
IRシーケンス生成手段67は、IRプリパルス生成手段64、データ取得用シーケンス生成手段65および心筋全体データ用シーケンス生成手段66からそれぞれ受けたIRプリパルス、データ取得用シーケンスおよび低周波成分収集シーケンスを合成してIRシーケンスを生成する機能と、生成したIRシーケンスをシーケンスコントローラ制御手段60に与える機能とを有する。
データ分配手段68は、データ取得用シーケンス生成手段65から受けたデータ取得用シーケンスおよび心筋全体データ用シーケンス生成手段66から受けた低周波成分収集シーケンスに基づいて、データ取得用シーケンスの低周波成分収集ブロックと高周波成分収集ブロック並びに低周波成分収集シーケンスに従って収集された生データをシーケンスコントローラ制御手段60から識別可能に受けて生データデータベース62に形成された心筋梗塞領域の画像用のk空間(フーリエ空間)と心筋全体の画像用のk空間とに分配配置する機能を有する。
また、データ分配手段68は、生データデータベース62に配置された心筋梗塞領域の画像取得用の生データと心筋全体の画像取得用の生データとの識別情報を画像再構成手段61に与える機能を有する。
このため、生データデータベース62には、受信器41において生成された各生データが保存される。すなわち、生データデータベース62には、心筋梗塞領域の画像用の第1のk空間が形成されて心筋梗塞領域の画像用の生データが配置される一方、心筋全体の画像用の第2のk空間が形成されて心筋全体の画像用の生データが配置される。
シーケンスコントローラ制御手段60は、入力装置44またはその他の構成要素からの情報に基づいてシーケンスコントローラ42にIRシーケンス生成手段67から受けたIRシーケンス等の所要のシーケンス情報を与えることにより駆動制御させる機能を有する。例えば、シーケンスコントローラ制御手段60は、ECGユニット49から受けたECG信号の心電波形(心時相)に同期させて、NMR信号をRFコイル34で受信できるようなシーケンス情報をシーケンスコントローラ42に与えて制御することができるように構成される。
画像再構成手段61は、生データデータベース62から生データを取り込んで所定の信号処理を施すことにより、被検体Pの断層画像を再構成して表示装置45に表示させる機能を有する。すなわち、画像再構成手段61は、生データデータベース62のk空間に配置された生データに対して2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うとともに表示装置45に与えることにより生データから実空間画像を再構成することができるように構成される。
この際、画像再構成手段61は、再構成の対象となる生データが心筋梗塞領域の画像取得用であるか心筋全体の画像取得用であるかの識別情報をデータ分配手段68から受けて、心筋梗塞領域の画像用のk空間に配置された生データから心筋梗塞領域の画像を再構成させる一方、心筋全体の画像用のk空間に配置された生データから心筋全体の画像を再構成させるように構成される。
以上のような構成により、磁気共鳴イメージング装置30は装置全体としてIRシーケンスにより画像を生成するためのデータを異なるインバージョンタイムで複数回収集する収集手段および収集した各データから複数の画像をそれぞれ生成する画像生成手段として機能する。
次に磁気共鳴イメージング装置30の作用について説明する。
図3は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により被検体Pの断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
また、図4は図1に示す磁気共鳴イメージング装置30のシーケンス作成システム63により生成されるIRシーケンスの一例を示す図である。
まずステップS1において、心筋遅延造影法により被検体Pの心筋梗塞領域を撮影して特定するために、予め寝台50にセットされた被検体PにガドリウムGd等のMR造影剤が注入されるとともに、一定の遅延時間後にECG計測系36において図4(a)に示すような被検体PのECG信号が呼吸停止下で取得されてコンピュータ43に出力される。すなわち、ECGセンサ48が被検体PのECG信号を受信して電気信号としてECGユニット49に与え、ECGユニット49は、ECG信号の電気信号に対してデジタル化処理等の各種処理を施してシーケンスコントローラ42およびシーケンスコントローラ制御手段60に与える。
次にステップS2において、IRプリパルス生成手段64は、シーケンスコントローラ制御手段60からECG信号を受けて、ECG信号のR波から一定の遅延時間Td後にIR法における縦磁化を反転させるためのIRプリパルスIを生成する。このため、IRプリパルス生成手段64により図4(b)に示すIRプリパルスIが生成される。そして、IRプリパルス生成手段64は、生成したIRプリパルスIをIRシーケンス生成手段67に与える。
次にステップS3において、データ取得用シーケンス生成手段65は、IRプリパルスIからインバージョンタイムTI1後にデータ取得用の高周波信号をRFコイル4に与えるためのデータ取得用シーケンスS1を生成する。
データ取得用シーケンスS1は、図4(b)に示すように単一あるいは複数のSE(spin echo)シーケンスやFE(field echo)シーケンス等の任意のサブシーケンスS2で構成することができるが、セグメントk−space法の1つであるSegmented FFEによるデータ取得の場合には、データ取得用シーケンスS1は複数のFEシーケンスで構成される。
Segmented FFEによるデータ取得の場合、データ取得用シーケンスS1には低周波成分収集側のFEシーケンスから順に高周波成分収集側のFEシーケンスがサブシーケンスS2として配置される。このため、データ取得用シーケンスS1を低周波成分収集ブロックS3と高周波成分収集ブロックS4とに区分することができる。
また、インバージョンタイムTI1は、心筋梗塞領域からのNMR信号をT1強調するために、適切な時間が設定される。
図5は、IR法における縦磁化とインバージョンタイムTIとの関係を示す図である。
図5において、縦軸は縦磁化Mzを示し、横軸は時間tを示す。また、実線は縦緩和時間T1の短い成分の組織における核スピンの縦磁化Mzの時間的な変化を示す曲線A3であり、点線は縦緩和時間T1の長い成分の組織における核スピンの縦磁化Mzの時間的変化を示す曲線A4である。
RFコイル4からデータ取得用の高周波信号に先立って180°パルスがIRプリパルスIとして印加されると、原子核スピンのz軸方向の縦磁化成分Mzが反転される。そして、組織の縦磁化Mzは、IRプリパルスIが印加された際に縦磁化成分が反転して負値の縦磁化MIRとなる。さらに、組織の縦磁化Mzは、縦緩和により時間と共に増加して再び正値となり、IRプリパルスIの印加前における定常状態における縦磁化M0に戻る。この際、縦緩和時間T1の短い成分の組織における縦磁化Mzは、縦緩和時間T1が長い成分の組織における縦磁化Mzよりも早く定常状態M0に戻る。このため、インバージョンタイムTIにおける縦磁化Mzは、縦緩和時間T1が長い成分の組織における縦磁化Mzlよりも縦緩和時間T1の短い成分の組織における縦磁化Mzsのほうが大きな値となる。
このため、被検体Pに投与されたGd系のMR造影剤の作用により縦緩和時間T1が短縮された心筋梗塞領域からは、他の心筋領域よりも強いNMR信号を得ることができる。この際、心筋梗塞領域以外の心筋領域からのNMR信号をできるだけnull(無信号)に抑制したほうが、心筋梗塞領域とその他の心筋領域とのコントラストを引き立たせることができる。
そこで、図4(c)に示す縦磁化の時間的変化を示す図のように、心筋梗塞領域の縦磁化が正値である一方、心筋梗塞領域以外の領域の縦磁化がゼロ付近となるような時間が、インバージョンタイムTI1として設定される。
そして、データ取得用シーケンス生成手段65は、生成したデータ取得用シーケンスS1をIRシーケンス生成手段67およびデータ分配手段68に与える。
次にステップS4において、心筋全体データ用シーケンス生成手段66は、IRプリパルスIからインバージョンタイムTI2後に低周波成分のデータを収集するための低周波成分収集シーケンスS5を、例えばデータ取得用シーケンス生成手段65により生成されたデータ取得用シーケンスS1のうち低周波成分収集ブロックS3に含まれる各サブシーケンスS2を任意の順序で配置することにより生成する。
ここで、心筋全体データ用シーケンス生成手段66が設定するインバージョンタイムTI2は、インバージョンタイムTI1と異なる時間、例えばインバージョンタイムTI1よりも長く、データ取得用シーケンス生成手段65により生成されるデータ取得用シーケンスS1よりも後となるように設定される。この結果、図4(c)に示す縦磁化Mzの時間t的変化を示す図のように、インバージョンタイムTI2では、心筋梗塞領域以外の領域の縦磁化A5が正値であり、かつ心筋梗塞領域の縦磁化は心筋梗塞領域以外の領域の縦磁化A6よりも大きな値となる。
そして、データ取得用シーケンス生成手段65は、生成した低周波成分収集シーケンスS5をIRシーケンス生成手段67およびデータ分配手段68に与える。
次にステップS5において、IRシーケンス生成手段67は、IRプリパルス生成手段64、データ取得用シーケンス生成手段65および心筋全体データ用シーケンス生成手段66からそれぞれ受けたIRプリパルスI、データ取得用シーケンスS1および低周波成分収集シーケンスS5を合成することにより、図4(b)に示すIRシーケンスを生成する。
図6は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されたIRシーケンスの一例を示す図である。
図6に示すように、IRシーケンスは、IRプリパルスIからインバージョンタイムTI1後にデータ取得用シーケンスS1を有し、インバージョンタイムTI2後に低周波成分収集シーケンスS5を有する。データ取得用シーケンスS1は、低周波成分収集ブロックS3と高周波成分収集ブロックS4とからなる。
さらに、データ取得用シーケンスS1の低周波成分収集ブロックS3および高周波成分収集ブロックS4並びに低周波成分収集シーケンスS5は、それぞれ複数のサブシーケンスS2で構成される。図6は、K空間を8つのセグメントに分割し、データ取得用シーケンスS1を8つのサブシーケンスS2で構成した例である。
各サブシーケンスS2は、RFコイル34から被検体Pに繰り返し時間TRの間隔で送信される高周波信号S6並びにスライス用傾斜磁場GS、読出し用傾斜磁場GRおよび位相エンコード用傾斜磁場GEを形成させるために傾斜磁場電源38に与えるパルスシーケンスS7、S8、S9で構成される。図6の例は、サブシーケンスS2をFEシーケンスとした例であるが、他のシーケンスでサブシーケンスS2を構成してもよい。
このような各サブシーケンスS2により、RFコイル34ではエコーS10がNMR信号として受信される。
そして、IRシーケンス生成手段67は、このように生成したIRシーケンスをシーケンスコントローラ制御手段60に与える。
次にステップS6において、IRシーケンス生成手段67により生成されたIRシーケンスに従って生データが収集され、データ分配手段68により収集された生データが生データデータベース62に形成された第1のk空間および第2のk空間に分配配置される。
すなわち、予め静磁場電源37から静磁場用磁石31に電流が供給されて撮像領域に静磁場が形成されるとともに、シムコイル電源29からシムコイル32に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置44からシーケンスコントローラ制御手段60にIRシーケンスによる動作指令が与えられる。このため、シーケンスコントローラ制御手段60はIRシーケンスをシーケンスコントローラ42に与える。シーケンスコントローラ42は、IRシーケンスに従って傾斜磁場電源38、送信器40および受信器41を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域にX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzを形成させるとともに、高周波信号を発生させる。
この際、傾斜磁場コイルにより形成されたX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzは主として、位相エンコード(PE)用傾斜磁場、読出し(RO)用傾斜磁場、スライス(SL)用傾斜磁場としてそれぞれ使用される。このため、被検体P内部における原子核のスピンの回転方向に規則性が現れ、SL用傾斜磁場によりZ軸方向に形成されたスライスにおける二次元的な位置情報であるX座標およびY座標は、PE用傾斜磁場およびRO用傾斜磁場によりそれぞれ被検体P内部における原子核のスピンの位相変化量および周波数変化量に変換される。
そして、送信器40からIRシーケンスに応じてRFコイル34に高周波信号が与えられ、RFコイル34から被検体Pに高周波信号が送信される。すなわち、まずRFコイル34から180°パルスがIRプリパルスIとして被検体Pに印加される。このため、被検体Pの原子核スピンの縦磁化が反転し、時間とともに縦緩和により被検体Pの各組織における原子核スピンの縦磁化は増加する。この際、被検体Pに投与されたGd系のMR造影剤の作用により心筋梗塞領域の縦緩和時間T1が短縮され、心筋梗塞領域の縦磁化は他の心筋領域よりも早く増加する。
さらに、IRシーケンスのデータ取得用シーケンスS1に従って心筋梗塞領域における縦磁化が正値で、かつ心筋梗塞領域以外の心筋領域における縦磁化がゼロ付近となるインバージョンタイムTI1においてデータ取得用の高周波信号がRFコイル34から被検体Pに送信される。このため、心筋梗塞領域における核磁気共鳴により生じたNMR信号が他の心筋領域からのNMR信号から強調されてRFコイル34において受信される。
また、データ取得用の高周波信号が被検体Pに送信された後のインバージョンタイムTI2において、IRシーケンスの低周波成分収集シーケンスS5に従って低周波成分収集用の高周波信号がRFコイル34から被検体Pに送信される。インバージョンタイムTI2では、心筋梗塞領域のみならず他の心筋領域においても正値であるため、心筋領域全体から低周波成分のNMR信号がRFコイル34において受信される。
さらに、受信器41は、RFコイル34からNMR信号を受けて、前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリング等の各種信号処理を実行する。そして、受信器41は、NMR信号をA/D変換することにより、デジタルデータのNMR信号である生データを生成する。受信器41は、生成した生データをシーケンスコントローラ42に与える。
シーケンスコントローラ42は、受信器41から受けた生データをシーケンスコントローラ制御手段60に与え、シーケンスコントローラ制御手段60はデータ分配手段68に生データを与える。そして、データ分配手段68は、生データデータベース62に形成されたk空間に生データを配置する。
ここで、生データデータベース62には、心筋梗塞領域の描出画像を再構成させるための第1のk空間と、心筋全体の輪郭の抽出画像を再構成させるための第2のk空間とが形成される。データ分配手段68は、まずデータ取得用シーケンス生成手段65から受けたデータ取得用シーケンスS1に基づいて、データ取得用シーケンスS1の低周波成分収集ブロックS3と高周波成分収集ブロックS4に従って収集された生データを心筋梗塞領域の画像用の第1のk空間に配置する。
また、心筋遅延造影法によるIR撮像は呼吸停止下で行われ、撮影を高速化するために生データはセグメントk−space法によりが収集される。このため、生データデータベース62に形成された第1のk空間および第2のk空間は、それぞれ複数のセグメントに分割され、心電波形に同期させて一度に複数の位相エンコード分の生データが収集される。
図7は、セグメントk−space法によるIR撮像において、k空間への生データの配置方法を説明する図である。
セグメントk−space法によるIR撮像では、図7(a)に示すような被検体PのECG信号のR波に基いて図7(b)に示すようなIRシーケンスがIRシーケンス生成手段67により生成されてシーケンスコントローラ42により生データが収集される。
すなわち、ECG計測系36により計測された被検体PのECG信号のR波から一定の遅延時間Td後となるようにIRプリパルス生成手段64によりIRプリパルスIが生成され、IRプリパルスIからインバージョンタイムTI1後となるように複数のFEシーケンス等のサブシーケンスS2を有するデータ取得用シーケンスS1がデータ取得用シーケンス生成手段65により生成される。さらに、IRプリパルスIからインバージョンタイムTI2後となるように複数のFEシーケンス等のサブシーケンスS2を有する低周波成分収集シーケンスS5が心筋全体データ用シーケンス生成手段66により生成される。
そして、図7(b)に示すようなIRシーケンスに従ってシーケンスコントローラ42が傾斜磁場電源38により形成される傾斜磁場および送信器40から送信される高周波信号を制御し、IRシーケンスを構成するFEシーケンス等の各サブシーケンスS2から、それぞれ生データが収集される。
一方、図7(c)に示すように、生データデータベース62には、心筋梗塞領域の描出画像を再構成させるために、位相エンコードに応じて複数のセグメントに分割された第1のk空間が形成される。例えば128の位相エンコードの生データを収集する必要がある場合には8つのセグメントに分割される。そして、2つのIRプリパルスIの間、すなわちECG信号における単一のセグメント(心拍)内では、データ取得用シーケンスS1の各サブシーケンスS2からk空間の各セグメントに対応する生データが順次収集される。この際、生データはセントリックと呼ばれる順序で位相エンコード順に収集される。
すなわち、データ取得用シーケンスS1のうち低周波成分収集ブロックS3により位相エンコード量の絶対値が小さく空間周波数の低い生データ、すなわちk空間の中心部分に配置される生データが収集される一方、高周波成分収集ブロックS4において、位相エンコード量の絶対値が大きく空間周波数の大きい生データ、すなわちk空間の中心から離れた部分に配置される生データが収集される。そして、各サブシーケンスS2により位相エンコード順に収集された生データは、データ分配手段68によりk空間の中心側のセグメントから順に配置される。
このため、128の位相エンコードの生データを収集する必要がある場合に8つのセグメントに分割したセグメントk−space法によれば、1心拍あたりに8つの位相エンコードの生データを収集することができるため、128/8=16心拍で全ての生データの収集を完了することができる。この結果、呼吸停止下での高速撮影が可能とし、呼吸性体動によるアーティファクトを抑制した被検体Pの画像を得ることができる。
次に、データ分配手段68は、心筋全体データ用シーケンス生成手段66から受けた低周波成分収集シーケンスS5に基づいて、データ取得用シーケンスS1の高周波成分収集ブロックS4並びに低周波成分収集シーケンスS5に従って収集された生データを心筋全体の画像用の第2のk空間に配置する。
すなわち、図7(d)に示すように、第1のk空間と同様に、生データデータベース62には、心筋全体の輪郭の抽出画像を再構成させるために、位相エンコードに応じて複数のセグメントに分割された第2のk空間が形成される。そして、データ分配手段68は、データ取得用シーケンスS1のうち高周波成分収集ブロックS4に含まれるサブシーケンスS2および低周波成分収集シーケンスS5に含まれるサブシーケンスS2により収集された生データを第2のk空間に配置する。
この結果、低周波成分収集シーケンスS5に含まれるサブシーケンスS2により収集された空間周波数の低い生データは、第2のk空間の中心部分にデータ分配手段68により配置される一方、データ取得用シーケンスS1のうち高周波成分収集ブロックS4に含まれるサブシーケンスS2により収集された空間周波数の大きい生データは、第2のk空間の中心から離れた部分に配置される。
尚、2次元(2D:two dimensions)撮像の場合には、上述の撮像を複数回繰り返すことにより、左心室全体をカバーする画像が得られる。さらに、2D撮像よりも検査の高速化を図った3D撮像の場合には、スライス方向の位相エンコードを付加した撮像が行われる。この場合には位相エンコード方向のセグメント分割数を減らし、呼吸停止可能な撮像時間での生データ収集を行う。例えば位相エンコード方向のセグメント数2、スライス数10の場合、2x10=20心拍で左室全体をカバーする領域の画像が得られる。
そして、データ分配手段68は、生データデータベース62のk空間に配置された心筋梗塞領域の画像取得用の生データと心筋全体の画像取得用の生データとの識別情報を画像再構成手段61に与える。
次にステップS7において、画像再構成手段61は、データ分配手段68から第1のk空間に配置された生データが心筋梗塞領域の画像取得用である旨の識別情報を受けて、生データデータベース62に形成された第1のk空間に配置された心筋梗塞領域の画像用の生データに対して2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うとともに表示装置45に与えることにより生データから心筋梗塞領域の実空間画像を再構成する。
ここで、第1のk空間に配置された心筋梗塞領域の画像用の生データは、インバージョンタイムTI1に応じたデータ取得用シーケンスS1により心筋全体の生データがゼロに近づく一方、心筋梗塞領域がT1強調された生データであるため、心筋梗塞領域の輪郭が描出される。すなわち、インバージョンタイムTI1の時間で与えられるコントラストを持つ心筋梗塞領域の輪郭画像が得られる。
次にステップS8において、画像再構成手段61は、データ分配手段68から第2のk空間に配置された生データが心筋全体の画像取得用である旨の識別情報を受けて、生データデータベース62に形成された第2のk空間に配置された心筋全体の画像用の生データに対して2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うとともに表示装置45に与えることにより生データから心筋全体の実空間画像を再構成する。
ここで、第2のk空間の中心部分に配置された心筋全体の画像用の生データは、インバージョンタイムTI2に応じた低周波成分収集シーケンスS5により心筋全体の生データが縦緩和により正値となったときに収集された生データであるため、心筋全体の輪郭が描出される。すなわち、インバージョンタイムTI2の時間で与えられるコントラストを持つ心筋全体の輪郭画像が得られる。
つまり、インバージョンタイムTI1とインバージョンタイムTI2との時間差に応じて心筋全体からの生データの信号値はゼロから正の方向に縦緩和するため、第2のk空間に配置された生データのうち正常心筋からの信号値は周囲の肺野組織からの信号値に対して正の値となる。この際、インバージョンタイムTI2は、インバージョンタイムTI1におけるデータ取得用シーケンスS1の長さに依存するが、概ね数十から百数十ミリ秒の遅れがあるため、心筋梗塞領域の輪郭画像と異なるT1コントラストの心筋全体の輪郭画像を得ることができる。
また、生データを再構成して得られる画像のコントラストは空間周波数の低いk空間の中心部分に配置される生データが支配的である。したがって、心筋全体の輪郭画像用に信号を収集するインバージョンタイムTI2の時刻には、高周波成分の空間周波数の大きい生データは、画像コントラストにほとんど寄与しない。このため、第2のk空間の中心から離れた部分にデータ取得用シーケンスS1の高周波成分収集ブロックS4に含まれるサブシーケンスS2により収集された生データを配置することにより、心筋梗塞領域の画像用と心筋全体の画像用とで生データを共用することができる。
この結果、1回の撮像で正常心筋の画像値が0に近い心筋梗塞領域の画像と正常心筋が正の画像値を持つ心筋全体の画像の2つの異なるコントラストを持つ画像を収集することにより、心筋梗塞領域の画像のみならず、心筋全体の画像から心筋の輪郭を抽出することや心壁厚を測定することが可能となる。
以上のような磁気共鳴イメージング装置30においては、心筋梗塞領域の描出画像と心筋全体の輪郭の抽出画像とを1回の撮影で得ることが可能であるため、検査時間全体の短縮、撮影回数の低減、被検体Pの呼吸停止による負担低減および被検体Pの呼吸停止状態の相違に伴う測定精度の向上を図ることができる。
すなわち、心筋梗塞領域の占拠する割合を全心筋に対して計測する必要がある場合や、心筋の心壁厚に対する心筋梗塞領域の割合を測定する必要がある場合であっても、心筋全体の輪郭を抽出するための撮像を別途行う必要がなくなる。この結果、トータルの検査時間の短縮、撮影回数の低減および被検体Pの呼吸停止による負担低減が図れる。
また、従来、呼吸停止状態において2回の撮像により心筋梗塞領域の画像と心筋全体の画像とを得る場合が多いが、2回の撮像間で呼吸の停止位置を同一にすることが困難であることから、相互の画像間でスライス位置のずれを生じ、正確な計測ができない恐れがあった。一方、磁気共鳴イメージング装置30によれば、心筋梗塞領域の画像と心筋全体の画像とを1回の呼吸停止で得られるため、呼吸停止状態による位置ずれを回避させてより正確な計測を行うことができる。
尚、一般に、セグメントk−space法によるIR撮影で用いられるIRシーケンスは、高速化のためR波間に複数のサブシーケンスS2を設けて構成されるが、T1緩和の影響からR波間には十分に新たなサブシーケンスS2を設ける時間が存在する。このため、IRシーケンスに新たに低周波成分収集シーケンスS5を設けても、k空間のセグメント数が減る等の影響を与えることはなく、R波間の時間を有効に活用することができる。
図8は図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第1の変形例を示す図、図9は図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第2の変形例を示す図である。
図8および図9に示すように、低周波成分収集シーケンスS5はデータ取得用シーケンスS1の後となるように生成するのみならず、低周波成分収集シーケンスS5をデータ取得用シーケンスS1の前やデータ取得用シーケンスS1の低周波成分収集ブロックS3と高周波成分収集ブロックS4との間となるように生成してもよい。また、低周波成分収集ブロックS3を3つ以上生成してもよい。
図10は図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第3の変形例を示す図である。
図10に示すように、データ取得用シーケンスS1を低周波成分収集ブロックS3と高周波成分収集ブロックS4とに区分けせずに、データ取得用シーケンスS1をそのまま心筋全体データ用シーケンスS11として生成するようにしてもよい。
この場合、心筋全体データ用シーケンス生成手段66には、データ取得用シーケンスS1と同様な全周波数成分のデータを収集するためのサブシーケンスS2で構成される心筋全体データ用シーケンスS11を生成する機能が備えられる。
図11は図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第4の変形例を示す図である。
図11に示すように、データ取得用シーケンス生成手段65は、データ取得用シーケンスS1をセグメントk−space法によらずに単一のk空間用のデータを収集するサブシーケンスS2で構成してもよい。
この場合、心筋全体データ用シーケンス生成手段66には、データ取得用シーケンスS1に相当する周波数成分のデータを収集するための単一のサブシーケンスS2で心筋全体データ用シーケンスS11を生成する機能が備えられる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置の機能ブロック図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により被検体の断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャート。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置のシーケンス作成システムにより生成されるIRシーケンスの一例を示す図。 IR法における縦磁化とインバージョンタイムTIとの関係を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されたIRシーケンスの一例を示す図。 セグメントk−space法によるIR撮像において、k空間への生データの配置方法を説明する図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第1の変形例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第2の変形例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第3の変形例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置30により生成されるIRシーケンスの第4の変形例を示す図。 従来の磁気共鳴イメージング装置の構成図。 従来のIRシーケンスの一例を示す図。
符号の説明
30 磁気共鳴イメージング装置
31 静磁場用磁石
32 シムコイル
33 傾斜磁場コイルユニット
34 RFコイル
36 ECG計測系
37 静磁場電源
38 傾斜磁場電源
39 シムコイル電源
40 送信器
41 受信器
42 シーケンスコントローラ
43 コンピュータ
44 入力装置
45 表示装置
46 演算装置
47 記憶装置
48 ECGセンサ
49 ECGユニット
50 寝台50
60 シーケンスコントローラ制御手段
61 画像再構成手段
62 生データデータベース
63 シーケンス作成システム
64 IRプリパルス生成手段
65 データ取得用シーケンス生成手段
66 心筋全体データ用シーケンス生成手段
67 IRシーケンス生成手段
68 データ分配手段
S1 データ取得用シーケンス
S2 サブシーケンス
S3 低周波成分収集ブロック
S4 高周波成分収集ブロック
S5 低周波成分収集シーケンス

Claims (9)

  1. IR(Inversion Recovery)プリパルスを生成するIRプリパルス生成手段と
    前記IRプリパルスから心筋の縦磁化がゼロ付近となるようなインバージョンタイムTI1後にデータ取得用シーケンスを生成するデータ取得用シーケンス生成手段と
    共通のIRプリパルスから前記データ取得用シーケンス生成手段により生成されたデータ取得用シーケンスのインバージョンタイムTI1と異なり、心筋の縦磁化の絶対値が前記インバージョンタイムTI1後における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるようなインバージョンタイムTI2後に、心筋全体データ用シーケンスを生成する心筋全体データ用シーケンス生成手段と
    前記IRプリパルス、データ取得用シーケンスおよび心筋全体データ用シーケンスを合成することによりマルチエコー法によるIRシーケンスを生成するIRシーケンス生成手段と
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記データ取得用シーケンスおよび心筋全体データ用シーケンスをそれぞれセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成したことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記データ取得用シーケンスをセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成する一方、前記心筋全体データ用シーケンスを位相エンコードが低周波成分のデータを収集するための複数のサブシーケンスで構成される低周波成分収集シーケンスとしたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記データ取得用シーケンスをセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成する一方、前記心筋全体データ用シーケンスを位相エンコードが低周波成分のデータを収集するための複数のサブシーケンスで構成される低周波成分収集シーケンスとし、前記データ取得用シーケンスに従って収集された生データを心筋梗塞領域の画像用のk空間に、前記データ取得用シーケンスの高周波成分収集ブロックと前記低周波成分収集シーケンスに従って収集された生データを心筋全体の画像用のk空間にそれぞれ分配配置するデータ分配手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 被検体の心時相に同期させてインバージョンリカバリ法を用いて画像を収集する磁気共鳴イメージング装置において
    前記被検体の心時相に同期させてインバージョンリカバリパルスを印加した後、前記画像の高周波成分のデータを収集するとともに、心筋の縦磁化がゼロ付近となるような第1の反転回復時間および前記第1の反転回復時間と異なり、かつ心筋の縦磁化の絶対値が前記第1の反転回復時間における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるような第2の反転回復時間を少なくとも含む複数の異なる反転回復時間各々において同一スライス位置における前記画像の低周波成分のデータを複数回収集する収集手段と
    前記異なる遅延時間において収集された低周波成分のデータ各々と前記高周波成分のデータから複数の画像を生成する画像生成手段と
    を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. IR(Inversion Recovery)法により共通のIRプリパルスから心筋の縦磁化がゼロ付近となるようなインバージョンタイムTI1後にデータ取得用シーケンスを有し、前記インバージョンタイムTI1と異なり、心筋の縦磁化の絶対値が前記インバージョンタイムTI1後における心筋の縦磁化の絶対値よりも大きな値となるようなインバージョンタイムTI2後に、心筋全体データ用シーケンスを有するマルチエコー法によるIRシーケンスを生成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法。
  7. 前記データ取得用シーケンスおよび心筋全体データ用シーケンスをそれぞれセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成することを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法。
  8. 前記データ取得用シーケンスをセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成する一方、前記心筋全体データ用シーケンスを位相エンコードが低周波成分のデータを収集するための複数のサブシーケンスで構成される低周波成分収集シーケンスとしたことを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法。
  9. 前記データ取得用シーケンスをセグメントk−space法により複数のサブシーケンスで構成する一方、前記心筋全体データ用シーケンスを位相エンコードが低周波成分のデータを収集するための複数のサブシーケンスで構成される低周波成分収集シーケンスとし、前記データ取得用シーケンスに従って収集された生データを心筋梗塞領域の画像用のk空間に、前記データ取得用シーケンスの高周波成分収集ブロックと前記低周波成分収集シーケンスに従って収集された生データを心筋全体の画像用のk空間にそれぞれ分配配置するステップを有することを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置の信号処理方法。
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