[go: up one dir, main page]

JP4435725B2 - 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両 - Google Patents

車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP4435725B2
JP4435725B2 JP2005291857A JP2005291857A JP4435725B2 JP 4435725 B2 JP4435725 B2 JP 4435725B2 JP 2005291857 A JP2005291857 A JP 2005291857A JP 2005291857 A JP2005291857 A JP 2005291857A JP 4435725 B2 JP4435725 B2 JP 4435725B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
estimated
drive
engine
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005291857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007100598A (ja
Inventor
享 中佐古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005291857A priority Critical patent/JP4435725B2/ja
Publication of JP2007100598A publication Critical patent/JP2007100598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4435725B2 publication Critical patent/JP4435725B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、車両に搭載されたエンジンの駆動トルクを推定する駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法に関する。また、エンジンが搭載された四輪駆動車両に関する。
本発明に近い技術として、例えば、特開平11−303979号公報に開示された駆動トルク推定制御装置が知られている。この装置は、例えば、予め設定記憶させておいたエンジンのトルク特性よりエンジントルクを推定する第1のトルク推定手段と、予め設定記憶させておいたトルクコンバータのポンプ容量係数特性よりポンプトルクを推定する第2のトルク推定手段とを有して構成され、所定の運転状態に応じて第1および第2のトルク推定手段を切り替えて用い、推定トルク値にそのときの自動変速比の変速比を乗算して自動変速機の出力軸トルクを推定するようになっている。
特開平11−303979号公報
しかしながら、上述のような従来の駆動トルク推定制御装置においては、トルクの推定精度を高めることは可能であるが、例えば、推定トルク値をベースに前後輪への駆動力配分比を決定する電子制御の四輪駆動車両、特に、前後および左右輪への自由な駆動力配分を行うための多板クラッチ締結力を制御するアクチュエータを備えた四輪駆動車両の場合、アクチュエータが有する物理的な応答遅れのため、精度良くトルクを推定できても実際の制御トルクが遅れて本来の配分比が得られない。そのため、上述のような四輪駆動車両において、低μ路での発進時に駆動力の配分が不適切となると、タイヤスリップ量が増加して車両の走行安定性が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高いトルク推定精度を維持しつつ車両の走行安定性を向上させた車両の駆動トルク推定装置および方法を提供することを目的とする。また、このような駆動トルク推定装置および方法を利用した四輪駆動車両を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明に係る車両の駆動トルク推定装置は、車輪(例えば、実施形態における左右の前輪2L,2Rおよび左右の後輪3L,3R)と、車輪を駆動するためのエンジンと、エンジンから出力された駆動トルクを車輪へ伝達するためのトルクコンバータとを有して構成された車両(例えば、実施形態における四輪駆動車両1)において、エンジンによる駆動トルクを推定する車両の駆動トルク推定装置(例えば、実施形態における推定駆動トルク算出部120)であって、エンジンに吸気される空気の空気量に基づいてエンジンの第1の推定駆動トルクを算出する第1駆動トルク算出手段(例えば、実施形態における第1駆動トルク算出部121)と、エンジンの出力軸の回転数に基づいてエンジンの第2の推定駆動トルクを算出する第2駆動トルク算出手段(例えば、実施形態における第2駆動トルク算出部122)と、トルクコンバータのスリップ率を算出するスリップ率算出手段(例えば、実施形態におけるスリップ率算出部128)と、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを比較するトルク比較手段(例えば、実施形態における第1トルク比較部151)と、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクを算出するトルク合成手段(例えば、実施形態におけるトルク合成部153)とを備える。
ここで、所定の割合は、第1の推定駆動トルクの割合と第2の推定駆動トルクの割合との合計が1であって、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合であり、スリップ率算出手段により算出されたトルクコンバータのスリップ率が所定値以下であり、かつトルク比較手段の比較により第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、トルク合成手段が合成駆動トルクをエンジンの推定駆動トルクとして算出し、スリップ率算出手段により算出されたトルクコンバータのスリップ率が所定値よりも大きいか、またはトルク比較手段の比較により第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも小さい場合に、トルク合成手段が第1の推定駆動トルクをエンジンの推定駆動トルクとして算出するように構成されている。
なお、上述の駆動トルク推定装置において、エンジンが過給機付きエンジンであることが好ましい。
また、本発明に係る四輪駆動車両は、前輪および後輪がともに駆動輪である四輪駆動車両において、本発明に係る車両の駆動トルク推定装置により算出されたエンジンの推定駆動トルクに基づいて、前輪および後輪の駆動力配分が行われるように構成される。
また、本発明に係る車両の駆動トルク推定方法は、車輪と、車輪を駆動するためのエンジンと、エンジンから出力された駆動トルクを車輪へ伝達するためのトルクコンバータとを有して構成された車両において、エンジンによる駆動トルクを推定する車両の駆動トルク推定方法であって、エンジンに吸気される空気の空気量に基づいてエンジンの第1の推定駆動トルクを算出し、エンジンの出力軸の回転数に基づいてエンジンの第2の推定駆動トルクを算出し、トルクコンバータのスリップ率を算出し、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを比較し、算出したトルクコンバータのスリップ率が所定値以下であり、かつ比較した第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクをエンジンの推定駆動トルクとして算出し、算出したトルクコンバータのスリップ率が所定値よりも大きいか、または比較した第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも小さい場合に、第1の推定駆動トルクをエンジンの推定駆動トルクとして算出するように構成されている。
ここで、所定の割合は、第1の推定駆動トルクの割合と第2の推定駆動トルクの割合との合計が1であって、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合である。
なお、上述の駆動トルク推定方法において、エンジンが過給機付きエンジンであることが好ましい。
さらに、本発明に係る四輪駆動車両は、前輪および後輪がともに駆動輪である四輪駆動車両において、本発明に係る車両の駆動トルク推定方法により算出されたエンジンの推定駆動トルクに基づいて、前輪および後輪の駆動力配分が行われるように構成される。
本発明に係る車両の駆動トルク推定装置および方法によれば、算出したトルクコンバータのスリップ率が所定値以下であり、かつ比較した第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクをエンジンの推定駆動トルクとして算出するように構成されているため、多板クラッチ締結力を制御するアクチュエータの応答遅れによる影響が懸念される第2の推定駆動トルクの値を単独で使用することがなく、アクチュエータの応答遅れを補償した推定駆動トルクを算出することが可能になり、高いトルク推定精度を維持しつつ車両の走行安定性を向上させることができる。
また、エンジンは過給機付きエンジンであることが好ましく、このようにすれば、過給機付きエンジンにおいて、車両発進時にエンジンに吸気される空気の空気量が急激に変化することに起因する第1の推定駆動トルクの誤差を効果的に補正することができることから、トルク推定精度を効果的に向上させることができる。
さらに、所定の割合は、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合であることが好ましく、このようにすれば、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとが適度に加え合わされるため、高いトルク推定精度を維持しつつ車両の走行安定性をより向上させることができる。また、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるため、アクチュエータの応答遅れを抑えることが可能になり、制御ロジックにおいて応答遅れに対する遅れ補償を省くことができる。
また、本発明に係る四輪駆動車両によれば、本発明により算出されたエンジンの推定駆動トルクに基づいて、前輪および後輪の駆動力配分が行われるように構成されるため、四輪駆動車両の走行安定性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る駆動トルク推定装置を備えた四輪駆動車両1を図2に模式的に示している。この四輪駆動車両1は、駆動輪である左右の前輪2L,2Rおよび左右の後輪3L,3Rと、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rをそれぞれ回転駆動するためのエンジンENGと、エンジンENGから出力される回転駆動トルク(回転駆動力)を伝達する自動変速機ATと、自動変速機ATから出力される回転駆動トルク(回転駆動力)を前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rにそれぞれ伝達するプロペラシャフト4、左右のフロントドライブシャフト5L,5R、および左右のリヤドライブシャフト6L,6Rとを備えて構成される。
また、四輪駆動車両1には、前輪2L,2Rの向きを変えるためのステアリング装置7や、ディファレンシャル機構8および駆動力制御装置60、各種ECU(電子制御ユニット)10,11,100等が配設される。なお、ECUには、エンジンENGおよび自動変速機ATの作動を制御するFI/AT−ECU10、車両挙動安定化制御システムの電子制御ユニットであるESC−ECU11、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分を行う4WD−ECU100等があり、FI/AT−ECU10およびESC−ECU11はそれぞれ4WD−ECU100と電気的に接続される。
また、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rには、各車輪の車輪速度を測定する車輪速センサ13がそれぞれ配設されており、ESC−ECU11と電気的に接続されている。ステアリング装置7には、前輪2L,2Rの操舵角を測定する舵角センサ14が配設されており、ESC−ECU11と電気的に接続されている。さらに、四輪駆動車両1には、ヨーレイトを測定するヨーレイトセンサ15、横G(加速度)を測定する横Gセンサ16、および前後G(加速度)を測定する前後Gセンサ17が配設されており、それぞれESC−ECU11と電気的に接続されている。
図3に示すように、エンジンENGには、外部空気が吸い込まれるエアクリーナ31と、エアクリーナ31で吸い込まれた空気を圧縮してエンジンENGに送る過給機としてのコンプレッサ32と、コンプレッサ32から送られた空気を冷却するインタークーラ33と、エンジンENGに吸気される空気の空気量を調節するスロットル34と、スロットル34からの空気をエンジンENGのシリンダ36に送るインテークマニホールド35とが備えられる。これから分かるように、エンジンENGは過給機付きエンジンである。
エアクリーナ31とコンプレッサ32との間の管路には、エアクリーナ31で吸い込まれた空気の空気量、すなわちエンジンENGに吸気される空気の空気量を測定するエアフローメータ41が取り付けられる。また、インタークーラ33とスロットル34との間の管路には、インタークーラ33とスロットル34との間を流れる空気の圧力を測定する第1圧力センサ42が取り付けられる。さらに、インテークマニホールド35には、インテークマニホールド35内を流れる空気の圧力を測定する第2圧力センサ43が取り付けられる。
図4に示すように、エンジンENGの出力軸37は、自動変速機ATと連結される。なお、エンジンENGの出力軸37は、エンジンENG内のクランクシャフト38と繋がっており、クランクシャフト38はコンロッド39を介してシリンダ36(図3を参照)内のピストン40と繋がっている。
自動変速機ATは、図4に示すように、トルクコンバータ51と、ギヤトレイン58とを主体に構成される。トルクコンバータ51は、エンジンENGの出力軸37と繋がるケース52と、ケース52の内側に繋がって配設されたインペラ53と、ケース52の内部に配設されてトルクコンバータ51の出力軸であるメインシャフト55と繋がるタービン54と、ケース52の内部におけるインペラ53とタービン54との間に配設されたステータ56とを有して構成される。そして、エンジンENGの出力軸37が回転すると、エンジンENGの出力軸37と繋がるケース52およびインペラ53が回転するとともに、ケース52内に充満されたオイルを介してタービン54およびメインシャフト55が回転し、エンジンENGから出力される回転駆動トルクがトルクコンバータ51を介してギヤトレイン58に伝達されるようになっている。
メインシャフト55は、ギヤトレイン58の入力軸でもあり、メインシャフト55が回転すると、ギヤトレイン58によってその回転数が所定の変速比で変速されて、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rに向け伝達されるようになっている。
また、駆動力制御装置60は、図2に示すように、プロペラシャフト4および左右のリヤドライブシャフト6L,6Rと繋がっており、多板式の左右のブレーキクラッチ61L,61Rと、左右の電磁コイル62L,62Rと、左右のブレーキクラッチ61L,61Rをブレーキ作動させるための左右のアーマチュア63L,63Rと、左右のリヤドライブシャフト6L,6Rとそれぞれ連結された左右のプラネタリギヤ64L,64Rとを有して構成される。
左右の電磁コイル62L,62Rは、4WD−ECU100と電気的に接続されており、4WD−ECU100から駆動電流が左電磁コイル62Lに流れると、左電磁コイル62Lから発生する電磁力により左アーマチュア63Lが左ブレーキクラッチ61Lを押して締結させるため、プロペラシャフト4の回転駆動トルクが左プラネタリギヤ64L側に伝達されて、締結力に応じたクラッチトルクが発生するようになっている。そして、左ブレーキクラッチ61Lで発生したクラッチトルクは、左プラネタリギヤ64Lにより倍力化されて左リヤドライブシャフト6Lに出力され、このクラッチトルクにより左リヤドライブシャフト6Lおよび左後輪3Lが回転駆動される。なお、左電磁コイル62Lに駆動電流が流れない場合、電磁力が発生せずに左ブレーキクラッチ61Lが締結されないため、クラッチトルクは発生しない。
一方、4WD−ECU100から駆動電流が右電磁コイル62Rに流れると、右電磁コイル62Rから発生する電磁力により右アーマチュア63Rが右ブレーキクラッチ61Rを押して締結させるため、プロペラシャフト4の回転駆動トルクが右プラネタリギヤ64R側に伝達されて、締結力に応じたクラッチトルクが発生するようになっている。そして、右ブレーキクラッチ61Rで発生したクラッチトルクは、右プラネタリギヤ64Rにより倍力化されて右リヤドライブシャフト6Rに出力され、このクラッチトルクにより右リヤドライブシャフト6Rおよび右後輪3Rが回転駆動される。なお、右電磁コイル62Rに駆動電流が流れない場合、電磁力が発生せずに右ブレーキクラッチ61Rが締結されないため、クラッチトルクは発生しない。
また、駆動力制御装置60には、左右の電磁コイル62L,62Rとアーマチュア63L,63Rとの間のエアギャップをそれぞれ検出する左右のサーチコイル65L,65Rや、駆動力制御装置60内のオイルの油温を測定する油温センサ66が所定箇所に取り付けられている。
そして、エンジンENGから出力される駆動トルクは、自動変速機ATからディファレンシャル機構8および左右のフロントドライブシャフト5L,5Rを介して左右の前輪2L,2Rに伝達されるとともに、自動変速機ATからディファレンシャル機構8、プロペラシャフト4、駆動力制御装置60、および左右のリヤドライブシャフト6L,6Rを介して左右の後輪3L,3Rに伝達されるが、このとき、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rへの駆動力配分は、4WD−ECU100および駆動力制御装置60により制御される。
そこで、4WD−ECU100について図5を参照しながら説明する。図5に示すように、4WD−ECU100のセンサ入力部101には、FI/AT−ECU10およびESC−ECU11からの情報がいわゆるCAN(Controller Area Network)を利用して入力される。FI/AT−ECU10から入力される情報には、エンジン回転数Ne(エンジンENGの出力軸37の回転数)、シリンダ吸入空気量Gaircyl、トルクコンバータ51のメインシャフト55の回転数Nm、シフトポジション等がある。また、ESC−ECU11から入力される情報には、車輪速センサ13で測定された車輪速度、ヨーレイトセンサ15で測定されたヨーレイト、横Gセンサ16で測定された横G、前後Gセンサ17で測定された前後G等がある。
なお、エンジンENGに吸気される空気の空気量であるシリンダ吸入空気量Gaircylは、FI/AT−ECU10にて次の式(1)により算出される。
Figure 0004435725
ここで、Gairthはエアフローメータ41で測定される空気量、ΔP3は第1圧力センサ42で測定される圧力の単位時間当たりの変化量、ΔPBは第2圧力センサ43で測定される圧力の単位時間当たりの変化量、V3はコンプレッサ32とスロットル34との間を流れる空気の体積、VBはインテークマニホールド35内を流れる空気の体積、TAはエンジンENGに吸気される空気の温度である。また、Rは気体定数であり、KV3およびKINVOは調整ゲインである。
また、センサ入力部101には、舵角センサ14で測定された操舵角と、油温センサ66で測定された駆動力制御装置60内のオイルの油温と、左サーチコイル65Lで検出された電圧値と、右サーチコイル65Rで検出された電圧値等が入力される。
センサ入力部101から推定駆動トルク算出部120に、エンジン回転数Ne、シリンダ吸入空気量Gaircyl、メインシャフト55の回転数Nm、およびシフトポジションが入力され、入力された各データに基づいて推定駆動トルク算出部120はエンジンENGによる推定駆動トルクを算出し、算出した推定駆動トルクを操安制御部103に出力する。
操安制御部103には、推定駆動トルク算出部120から出力されたエンジンENGの推定駆動トルク、並びにセンサ入力部101から出力された横G、操舵角、および車輪速度が入力され、入力された各データに基づいて操安制御部103は操安制御トルクを算出し、算出した操安制御トルクをトルク加算部105に出力する。また、センサ入力部101からLSD制御部104に車輪速度が入力され、入力された車輪速度に基づいてLSD制御部104はLSDトルクを算出し、算出したLSDトルクをトルク加算部105に出力する。
トルク加算部105において、操安制御トルクとLSDトルクとが加算され、加算されたトルクがクラッチトルク補正部106に入力される。クラッチトルク補正部106は、トルク加算部105から入力されたトルク値、並びにセンサ入力部101から入力された車輪速度および駆動力制御装置60内のオイルの油温に基づいて、駆動力制御装置60で生じさせるクラッチトルクを算出し、算出したクラッチトルクを電流出力部107に出力する。
電流出力部107は、クラッチトルク補正部106で算出されたクラッチトルクを得るための左電磁コイル62Lおよび右電磁コイル62Rの駆動電流値を算出し、算出した電流値を駆動回路部108に出力する。そして、駆動回路部108は、電流出力部107で算出された電流値が得られるように左電磁コイル62Lおよび右電磁コイル62Rに駆動電流を出力する。このようにして、4WD−ECU100から駆動力制御装置60の各電磁コイル62L,62Rに駆動電流が出力され、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分が行われる。
なお、磁束学習部109は、センサ入力部101から入力されたサーチコイル電圧に基づいて、左電磁コイル62Lおよび右電磁コイル62Rの駆動電流値を補正する電流補正値を算出し、算出した電流補正値を電流出力部107に出力する。そして、電流出力部107において、左右の電磁コイル62L,62Rで所望の電磁力を得るための駆動電流値の補正が行われる。
また、フェイルセーフ部110には、センサ入力部101から各センサの値や検出電流等が入力され、故障等といった所定の条件の場合に、フェイルセーフ部110は駆動回路部108にフェイルセーフ信号を出力する。駆動回路部108にフェイルセーフ信号が入力されると、駆動回路部108からF/Sリレー部115にリレー駆動電流が出力され、左右の電磁コイル62L,62Rに駆動電流が流れないようにF/Sリレー部115が作動する。さらには、4WD−ECU100からFI/AT−ECU10にトルクダウン要求信号が出力され、メータ部116に警告灯表示信号が出力される。
また、センサ入力部101から中点学習部111にヨーレイト、横G、および前後Gが入力され、中点学習部111でヨーレイトセンサ15、横Gセンサ16、および前後Gセンサ17の中点学習が行われる。
続いて、本発明に係る駆動トルク推定装置である推定駆動トルク算出部120について図1および図6を参照しながら説明する。図6に示すように、推定駆動トルク算出部120は、第1の推定駆動トルクを算出する第1駆動トルク算出部121と、第2の推定駆動トルクを算出する第2駆動トルク算出部122と、推定駆動トルクを補正して操安制御部103に出力するトルク補正部150とを主体に構成される。
第1駆動トルク算出部121は、シリンダ吸入空気量Gaircylに基づいてエンジンENG単体の推定駆動トルクを算出する第1トルク演算部123を主体に構成される。第1トルク演算部123は、エンジントルクマップであるNe−Gairマップを用いて、センサ入力部101から入力されたエンジン回転数Neおよびシリンダ吸入空気量Gaircylから、エンジンENG単体の推定駆動トルクを算出し、算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクを第1演算部135に出力する。
第1演算部135は、第1トルク演算部123から入力された推定駆動トルクにリタード補正部124から入力されたリタード補正値を乗算して第2演算部136に出力する。リタード補正部124は、エンジンENGの点火時期を遅らせることにより生じるエンジンENGの出力(駆動トルク)低下分を補正するリタード補正値を算出して第1演算部135に出力する。
第2演算部136は、第1演算部135から入力された推定駆動トルクにACG補正部125から入力されたACG補正値を減算して第3演算部137に出力する。ACG補正部125は、発電機(オルタネータ)を作動させることにより生じるエンジンENGの出力(駆動トルク)低下分を補正するACG補正値を算出して第2演算部136に出力する。
第3演算部137は、第2演算部136から入力された推定駆動トルクにエアコン補正部126から入力されたエアコン補正値を減算して第4演算部138に出力する。エアコン補正部126は、エアコンを作動させることにより生じるエンジンENGの出力(駆動トルク)低下分を補正するエアコン補正値を算出して第3演算部137に出力する。
第4演算部138は、第3演算部137から入力された推定駆動トルクにトルク比算出部127から入力されたトルク入出力比を乗算して第5演算部139に出力する。トルク比算出部127は、スリップ率算出部128から入力されたトルクコンバータ51のスリップ率に基づいて、トルクコンバータ51の入力トルクと出力トルクとの比であるトルク入出力比を算出し、算出したトルク入出力比を第4演算部138および後述する第9演算部143に出力する。スリップ率算出部128は、センサ入力部101から入力されたエンジン回転数Ne(すなわち、トルクコンバータ51の入力軸の回転数)およびトルクコンバータ51の出力軸であるメインシャフト55の回転数Nmから、トルクコンバータ51のスリップ率を算出してトルク比算出部127およびトルク補正部150に出力する。
第5演算部139は、第4演算部138から入力された推定駆動トルクに変速比算出部129から入力された変速比を乗算して第6演算部140に出力する。変速比算出部129は、センサ入力部101から入力されたシフトポジションに基づいて、シフトポジションに応じて設定された自動変速機ATの変速比を算出し、算出した変速比を第5演算部139および後述する第10演算部144に出力する。
第6演算部140は、第5演算部139から入力された推定駆動トルクにギヤ効率算出部130から入力されたギヤ効率を乗算して第7演算部141に出力する。ギヤ効率算出部130は、センサ入力部101から入力されたシフトポジションに基づいて、シフトポジションに応じて設定された自動変速機ATのギヤ効率(伝達効率)を算出し、算出したギヤ効率を第6演算部140および後述する第11演算部145に出力する。
第7演算部141は、第6演算部140から入力された推定駆動トルクに慣性補正部131から入力された慣性補正値を減算して第8演算部142に出力する。慣性補正部131は、センサ入力部101から入力されたシフトポジションに基づいて、シフトポジションに応じた慣性補正値を算出し、算出した慣性補正値を第7演算部141および後述する第12演算部146に出力する。
第8演算部142は、第7演算部141から入力された推定駆動トルクに駆動系損出部132から入力された駆動系損出補正値を減算してトルク補正部150に出力する。このようにして、第1駆動トルク算出部121は、シリンダ吸入空気量Gaircylに基づいて算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクに変速比や各補正値等を加味した、自動変速機ATの出力軸で出力される第1の推定駆動トルクを算出し、算出した第1の推定駆動トルクをトルク補正部150に出力する。
第2駆動トルク算出部122は、エンジン回転数Ne(エンジンENGの出力軸37の回転数)に基づいてエンジンENG単体の推定駆動トルクを算出する第2トルク演算部133を主体に構成される。第2トルク演算部133は、回転エネルギー式である次式(2)を用いてエンジンENG単体の推定駆動トルクを算出し、算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクを第9演算部143に出力する。
Erot=J×Ne2/182.4 …(2)
ここで、ErotはエンジンENG単体の推定駆動トルクであり、Jは慣性モーメントである。
第9演算部143は、第2トルク演算部133から入力された推定駆動トルクにトルク比算出部127から入力されたトルク入出力比を乗算して第10演算部144に出力する。次に、第10演算部144は、第9演算部143から入力された推定駆動トルクに変速比算出部129から入力された変速比を乗算して第11演算部145に出力する。
続いて、第11演算部145は、第10演算部144から入力された推定駆動トルクにギヤ効率算出部130から入力されたギヤ効率を乗算して第12演算部146に出力する。次に、第12演算部146は、第11演算部145から入力された推定駆動トルクに慣性補正部131から入力された慣性補正値を減算して第13演算部147に出力する。
そして、第13演算部147は、第12演算部146から入力された推定駆動トルクに駆動系損出部132から入力された駆動系損出補正値を減算してトルク補正部150に出力する。このようにして、第2駆動トルク算出部122は、エンジン回転数Neに基づいて算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクに変速比や各補正値等を加味した、自動変速機ATの出力軸で出力される第2の推定駆動トルクを算出し、算出した第2の推定駆動トルクをトルク補正部150に出力する。
トルク補正部150は、図1に示すように、第1トルク比較部151と、第2トルク比較部152と、トルク合成部153と、パラメータ出力部154とを備えて構成される。第1トルク比較部151には、第1駆動トルク算出部121から出力された第1の推定駆動トルクと、第2駆動トルク算出部122から出力された第2の推定駆動トルクとが入力される。そして、第1トルク比較部151は、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを比較し、小さい方の推定駆動トルクを第2トルク比較部152に出力する。
第2トルク比較部152には、第1トルク比較部151から出力された推定駆動トルクと、第1駆動トルク算出部121から出力された第1の推定駆動トルクと、スリップ率算出部128から出力されたトルクコンバータ51のスリップ率とが入力される。そして、第2トルク比較部152は、入力されたスリップ率が所定値(例えば、60%)以下の場合には第1トルク比較部151から入力された推定駆動トルクをトルク合成部153に出力し、入力されたスリップ率が所定値より大きい場合には第1駆動トルク算出部121から入力された第1の推定駆動トルクをトルク合成部153に出力する。
トルク合成部153には、第2トルク比較部152から出力された推定駆動トルクと、第1駆動トルク算出部121から出力された第1の推定駆動トルクと、パラメータ出力部154から出力された演算パラメータとが入力される。パラメータ出力部154から出力される演算パラメータは、第2トルク比較部152から入力される推定駆動トルクと第1駆動トルク算出部121から入力される第1の推定駆動トルクとを加え合わせる割合であり、本実施形態においては、第2トルク比較部152から入力される推定駆動トルクの割合が0.45であるのに対して第1駆動トルク算出部121から入力される第1の推定駆動トルクの割合が0.55である。そして、トルク合成部153は、第2トルク比較部152から入力された推定駆動トルクに0.45を乗じた値と、第1駆動トルク算出部121から入力された第1の推定駆動トルクに0.55を乗じた値とを加え合わせた合成駆動トルクを算出し、算出した合成駆動トルクを自動変速機ATの出力軸で出力されるエンジンENGの推定駆動トルクとして操安制御部103に出力する。
このような構成の推定駆動トルク算出部120による、駆動トルク推定方法について以下に説明する。まず、第1駆動トルク算出部121が前述したようにシリンダ吸入空気量Gaircylに基づいて第1の推定駆動トルクを算出し、算出した第1の推定駆動トルクをトルク補正部150に出力する。これと平行して、第2駆動トルク算出部122が前述したようにエンジン回転数Neに基づいて第2の推定駆動トルクを算出し、算出した第2の推定駆動トルクをトルク補正部150に出力する。またこのとき、スリップ率算出部128が前述したようにトルクコンバータ51のスリップ率を算出し、算出したスリップ率をトルク補正部150に出力する。
次に、トルク補正部150において、第1トルク比較部151が第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを比較し、小さい方の推定駆動トルクを第2トルク比較部152に出力する。
次に、第2トルク比較部152が、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値(例えば、60%)以下の場合に第1トルク比較部151から入力された推定駆動トルクをトルク合成部153に出力し、スリップ率が所定値より大きい場合に第1の推定駆動トルクをトルク合成部153に出力する。すなわち、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値以下であり、かつ第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクより大きい場合に、第2トルク比較部152が第2の推定駆動トルクをトルク合成部153に出力し、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値より大きいか、第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクより小さい場合に、第2トルク比較部152が第1の推定駆動トルクをトルク合成部153に出力する。
そして、トルク合成部153が、第2トルク比較部152から入力された推定駆動トルクに0.45を乗じた値と、第1駆動トルク算出部121から入力された第1の推定駆動トルクに0.55を乗じた値とを加え合わせた合成駆動トルクを算出し、算出した合成駆動トルクを自動変速機ATの出力軸で出力されるエンジンENGの推定駆動トルクとして操安制御部103に出力する。すなわち、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値以下であり、かつ第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクより大きい場合には、第2トルク比較部152からトルク合成部153に第2の推定駆動トルクが入力されるため、トルク合成部153が、第2の推定駆動トルクに0.45を乗じた値と、第1の推定駆動トルクに0.55を乗じた値とを加え合わせた合成駆動トルクをエンジンENGの推定駆動トルクとして算出することになる。
ところで、第1駆動トルク算出部121により算出される第1の推定駆動トルクは、車両1の発進時において、実際の駆動トルクよりも過大な値となってしまう。そのため、第1の推定駆動トルクのみに基づいて前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分を行うと、車両1の発進時に適切な駆動力配分が行われなくなって車両1の走行安定性が低下するおそれがある。
一方、第2駆動トルク算出部122により算出される第2の推定駆動トルクは、車両1の発進時においても高いトルク推定精度を得ることができる。しかしながら、第2の推定駆動トルクのみに基づいて前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分を行うと、多板式のブレーキクラッチ61L,61Rの締結力を制御する電磁コイル62L,62R(アクチュエータ)が有する物理的な応答遅れのため、精度良くトルクを推定できても実際の制御トルク(クラッチトルク)が遅れて本来の配分比が得られない。そのため、低μ路での発進時に駆動力配分が不適切となると、タイヤスリップ量が増加して車両1の走行安定性が低下するおそれがある。
そのため、上述のように、車両1の発進時が想定される、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値以下であり、かつ第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクより大きい場合に、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせることにより、多板式のブレーキクラッチ61L,61Rの締結力を制御する電磁コイル62L,62R(アクチュエータ)の応答遅れによる影響が懸念される第2の推定駆動トルクの値を単独で使用することがなく、電磁コイル62L,62Rの応答遅れを補償した推定駆動トルクを算出することが可能になり、高いトルク推定精度を維持しつつ四輪駆動車両1の走行安定性を向上させることが可能になる。
さらに、上述したように、所定の割合は、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合、具体的には、第1の推定駆動トルクの割合が0.55であるのに対して第2の推定駆動トルクの割合が0.45であることが好ましく、このようにすれば、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとが適度に加え合わされるため、高いトルク推定精度を維持しつつ四輪駆動車両1の走行安定性をより向上させることが可能になる。また、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるため、電磁コイル62L,62R(アクチュエータ)の応答遅れを抑えることが可能になり、制御ロジックにおいて応答遅れに対する遅れ補償を省くことができる。
また、過給機付きエンジンENGを備えた四輪駆動車両1に、本実施形態による推定駆動トルク算出部120を用いることで、過給機付きエンジンにおいて、車両発進時にエンジンに吸気される空気の空気量が急激に変化することに起因する第1の推定駆動トルクの誤差を効果的に補正することができることから、トルク推定精度を効果的に向上させることができる。
なお、トルクコンバータ51のスリップ率が所定値より大きいか、第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクより小さい場合には、第2トルク比較部152からトルク合成部153に第1の推定駆動トルクが入力されるため、トルク合成部153が、第1の推定駆動トルクに0.45を乗じた値と、第1の推定駆動トルクに0.55を乗じた値とを加え合わせた値、すなわち、(100%の)第1の推定駆動トルクをエンジンENGの推定駆動トルクとして算出することになる。このようにして、推定駆動トルク算出部120によりエンジンENGの駆動トルクが推定算出される。
以上のような構成の推定駆動トルク算出部120および、推定駆動トルク算出部120による駆動トルク推定方法によれば、スリップ率算出部128で算出したトルクコンバータ51のスリップ率が所定値以下であり、かつ第1トルク比較部151で比較した第1の推定駆動トルクが第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクをエンジンENGの推定駆動トルクとして算出するように構成されているため、多板式のブレーキクラッチ61L,61Rの締結力を制御する電磁コイル62L,62R(アクチュエータ)の応答遅れによる影響が懸念される第2の推定駆動トルクの値を単独で使用することがなく、電磁コイル62L,62Rの応答遅れを補償した推定駆動トルクを算出することが可能になり、高いトルク推定精度を維持しつつ車両1の走行安定性を向上させることができる。
また、エンジンENGは過給機付きエンジンであることが好ましく、このようにすれば、過給機付きエンジンにおいて、車両発進時にエンジンに吸気される空気の空気量が急激に変化することに起因する第1の推定駆動トルクの誤差を効果的に補正することができることから、トルク推定精度を効果的に向上させることができる。
さらに、所定の割合は、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合であることが好ましく、このようにすれば、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとが適度に加え合わされるため、高いトルク推定精度を維持しつつ車両1の走行安定性をより向上させることができる。また、第1の推定駆動トルクの割合が第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるため、電磁コイル62L,62R(アクチュエータ)の応答遅れを抑えることが可能になり、制御ロジックにおいて応答遅れに対する遅れ補償を省くことができる。
また、本発明に係る四輪駆動車両1によれば、本実施形態で算出されたエンジンENGの推定駆動トルクに基づいて、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分が行われるように構成されるため、四輪駆動車両1の走行安定性を向上させることができる。
なお、上述の実施形態において、自動変速機ATの出力軸で出力されるトルクを推定して第1および第2の推定駆動トルクを算出するように構成されているが、これに限られるものではなく、エンジン回転数Neおよびシリンダ吸入空気量Gaircylから算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクにリタード補正部124、ACG補正部125、およびエアコン補正部126による補正を行った値を第1の推定駆動トルクとするとともに、エンジン回転数Neに基づいて算出したエンジンENG単体の推定駆動トルクを第2の推定駆動トルクとするようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、多板式の左右のブレーキクラッチ61L,61Rを備えた駆動力制御装置60を用いて、前輪2L,2Rおよび後輪3L,3Rの駆動力配分を行うように構成されているが、これに限られるものではなく、このようなブレーキクラッチを一つプロペラシャフトの中間部に設けた四輪駆動車両にも、本発明を適用することができる。
さらに、上述の実施形態において、第1の推定駆動トルクと第2の推定駆動トルクとを加え合わせる割合は、第1の推定駆動トルクの割合が0.55であるのに対して第2の推定駆動トルクの割合が0.45となっているが、これに限られるものではなく、この割合を状況に応じて変化させるようにしてもよい。
推定駆動トルク算出部に構成されるトルク補正部の制御ブロック図である。 四輪駆動車両を示す模式図である。 エンジンの吸気系を示す模式図である。 エンジンおよび自動変速機の模式図である。 4WD−ECUの制御ブロック図である。 推定駆動トルク算出部の制御ブロック図である。
符号の説明
1 四輪駆動車両
2L 左前輪(車輪)
2R 右前輪(車輪)
3L 左後輪(車輪)
3R 右後輪(車輪)
32 コンプレッサ(過給機)
37 出力軸
51 トルクコンバータ
120 推定駆動トルク算出部(駆動トルク推定装置)
121 第1駆動トルク算出部(第1駆動トルク算出手段)
122 第2駆動トルク算出部(第2駆動トルク算出手段)
128 スリップ率算出部(スリップ率算出手段)
150 トルク補正部
151 第1トルク比較部(トルク比較手段)
152 第2トルク比較部
153 トルク合成部(トルク合成手段)
AT 自動変速機
ENG エンジン

Claims (6)

  1. 車輪と、前記車輪を駆動するためのエンジンと、前記エンジンから出力された駆動トルクを前記車輪へ伝達するためのトルクコンバータとを有して構成された車両において、
    前記エンジンによる駆動トルクを推定する車両の駆動トルク推定装置であって、
    前記エンジンに吸気される空気の空気量に基づいて前記エンジンの第1の推定駆動トルクを算出する第1駆動トルク算出手段と、
    前記エンジンの出力軸の回転数に基づいて前記エンジンの第2の推定駆動トルクを算出する第2駆動トルク算出手段と、
    前記トルクコンバータのスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、
    前記第1の推定駆動トルクと前記第2の推定駆動トルクとを比較するトルク比較手段と、
    前記第1の推定駆動トルクと前記第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクを算出するトルク合成手段とを備え、
    前記所定の割合は、前記第1の推定駆動トルクの割合と前記第2の推定駆動トルクの割合との合計が1であって、前記第1の推定駆動トルクの割合が前記第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合であり、
    前記スリップ率算出手段により算出された前記トルクコンバータの前記スリップ率が所定値以下であり、かつ前記トルク比較手段の比較により前記第1の推定駆動トルクが前記第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、前記トルク合成手段が前記合成駆動トルクを前記エンジンの推定駆動トルクとして算出し、
    前記スリップ率算出手段により算出された前記トルクコンバータの前記スリップ率が前記所定値よりも大きいか、または前記トルク比較手段の比較により前記第1の推定駆動トルクが前記第2の推定駆動トルクよりも小さい場合に、前記トルク合成手段が前記第1の推定駆動トルクを前記エンジンの推定駆動トルクとして算出するように構成されていることを特徴とする車両の駆動トルク推定装置。
  2. 前記エンジンが過給機付きエンジンであることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動トルク推定装置。
  3. 前輪および後輪がともに駆動輪である四輪駆動車両において、
    請求項1または2に記載の車両の駆動トルク推定装置により算出された前記エンジンの推定駆動トルクに基づいて、前記前輪および前記後輪の駆動力配分が行われるように構成されることを特徴とする四輪駆動車両。
  4. 車輪と、前記車輪を駆動するためのエンジンと、前記エンジンから出力された駆動トルクを前記車輪へ伝達するためのトルクコンバータとを有して構成された車両において、
    前記エンジンによる駆動トルクを推定する車両の駆動トルク推定方法であって、
    前記エンジンに吸気される空気の空気量に基づいて前記エンジンの第1の推定駆動トルクを算出し、
    前記エンジンの出力軸の回転数に基づいて前記エンジンの第2の推定駆動トルクを算出し、
    前記トルクコンバータのスリップ率を算出し、
    前記第1の推定駆動トルクと前記第2の推定駆動トルクとを比較し、
    算出した前記トルクコンバータの前記スリップ率が所定値以下であり、かつ比較した前記第1の推定駆動トルクが前記第2の推定駆動トルクよりも大きい場合に、前記第1の推定駆動トルクと前記第2の推定駆動トルクとを所定の割合で加え合わせた合成駆動トルクを前記エンジンの推定駆動トルクとして算出し、
    算出した前記トルクコンバータの前記スリップ率が前記所定値よりも大きいか、または比較した前記第1の推定駆動トルクが前記第2の推定駆動トルクよりも小さい場合に、前記第1の推定駆動トルクを前記エンジンの推定駆動トルクとして算出するように構成され、
    前記所定の割合は、前記第1の推定駆動トルクの割合と前記第2の推定駆動トルクの割合との合計が1であって、前記第1の推定駆動トルクの割合が前記第2の推定駆動トルクの割合よりも大きくなるような割合であることを特徴とする車両の駆動トルク推定方法。
  5. 前記エンジンが過給機付きエンジンであることを特徴とする請求項4に記載の車両の駆動トルク推定方法。
  6. 前輪および後輪がともに駆動輪である四輪駆動車両において、
    請求項4または5に記載の車両の駆動トルク推定方法により算出された前記エンジンの推定駆動トルクに基づいて、前記前輪および前記後輪の駆動力配分が行われるように構成されることを特徴とする四輪駆動車両。
JP2005291857A 2005-10-05 2005-10-05 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両 Expired - Fee Related JP4435725B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291857A JP4435725B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005291857A JP4435725B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007100598A JP2007100598A (ja) 2007-04-19
JP4435725B2 true JP4435725B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=38027789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005291857A Expired - Fee Related JP4435725B2 (ja) 2005-10-05 2005-10-05 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4435725B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6127785B2 (ja) * 2013-07-04 2017-05-17 株式会社ジェイテクト 駆動力伝達装置
WO2023243035A1 (ja) 2022-06-16 2023-12-21 三菱電機株式会社 内燃機関のトルク推定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007100598A (ja) 2007-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4553863B2 (ja) 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両
US8135517B2 (en) Torque control method of a road vehicle
US7650216B2 (en) Vehicle driving system with adaptive skid control
KR20200031211A (ko) 차량의 휠 속도 추정 장치 및 방법
KR102777753B1 (ko) 차량의 휠 슬립 제어 방법
JP2007326404A (ja) 電気駆動ダンプトラックの駆動システム
JP5848151B2 (ja) 車両に働く駆動力を制御する制御装置
KR102322388B1 (ko) 하이브리드 차량의 엔진 클러치 토크 추정 장치 및 방법
US7628241B2 (en) Turning control apparatus for vehicle
JP5095953B2 (ja) 四輪駆動車両の走行制御装置
JP5516995B2 (ja) 制御装置
JP4435725B2 (ja) 車両の駆動トルク推定装置および駆動トルク推定方法、並びに四輪駆動車両
CN101048291B (zh) 汽车
JP4814905B2 (ja) 車両用操舵制御装置
JP3374752B2 (ja) ハイブリッド車両における駆動系の制振装置
KR101687928B1 (ko) 차량의 제어 장치
JP7537621B2 (ja) 車両制御装置
JP5299256B2 (ja) 車両用左右駆動力調整装置の制御装置
US20040226763A1 (en) Four-wheel drive apparatus using motor, and method thereof
JP2006129584A (ja) トラクション制御装置
JP4525257B2 (ja) 車両用操舵制御装置
JP4600670B2 (ja) 車両の駆動力配分制御装置
JP2006282135A (ja) 駆動力制御装置
JP2010074947A (ja) 駆動力制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091204

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees