JP4431429B2 - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 - Google Patents
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Description
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
なお、本発明は、重合性基を有する色素(但し、下記一般式(A)で表されるシアニン色素を除く)を少なくとも1種、増感色素、重合開始剤、及びバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料、
一般式(A)
であるが、本発明の理解の参考の為に、下記(1)〜(21)のような、その他の事項についても記載した。
(2)重合性基を有する色素の吸収スペクトルにおいて、ホログラム再生波長よりも10〜200nm短波長であるλmaxを有し、εが10000以上であり、かつホログラム再生波長におけるモル吸光係数が100以下であることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
(3)前記重合性基を有する色素の他に、少なくとも増感色素、重合開始剤、及びバインダーを有することを特徴とする(1)または(2)記載のホログラム記録材料
(4)さらに、色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種を有することを特徴とする(3)記載のホログラム記録材料。
(5)前記色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種が沸点100℃以上の液体であることを特徴とする(4)記載のホログラム記録材料。
(6)ホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも重合性基を有する色素の方が大きいことを特徴とする(3)〜(5)記載のホログラム記録材料。
(7)ホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも色素部分を有さない重合性化合物の方が大きいことを特徴とする(4)〜(6)記載のホログラム記録材料。
(8)前記色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことを特徴とする、(4)〜(7)記載のホログラム記録材料。
(9)(4)に記載のホログラム記録材料を用いて、ホログラム記録光照射により光を吸収して生成した増感色素励起状態が、電子移動またはエネルギー移動により重合開始剤を活性化して、重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物の重合を起こし、その際光がより強い干渉明部に重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物が主に移動し、光がより弱い干渉暗部にバインダーが主に追いやられることによる屈折率変調により、干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録方法。
(10)(9)にて、重合反応がラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかであることを特徴とする(9)記載のホログラム記録方法。
(11)前記重合性基を有する色素、または前記色素部分を有さない重合性化合物の重合性基が、重合がラジカル重合の時は、重合性基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基部分を有し、重合がカチオン重合またはアニオン重合の時は重合性基としてオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N-ビニルカルバゾール部位のいずれかを有することを特徴とする(1)〜(8)記載のホログラム記録材料。
(12)前記重合開始剤が1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする(3)〜(8)、(11)記載のホログラム記録材料。
(13)(12)にて、重合開始剤がラジカルを発生するラジカル重合開始剤であり、1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする、(12)記載のホログラム記録材料。
(14)(12)にて、重合開始剤が酸を発生するカチオン重合開始剤であり、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤のいずれかであることを特徴とする(12)記載のホログラム記録材料。
(15)(10)にて重合反応がアニオン重合であるとき、光塩基発生剤を含むことを特徴とする(10)記載のホログラム記録材料。
(16)前記増感色素のホログラム記録波長でのモル吸光係数が1以上2000以下であることを特徴とする(3)〜(8)、(11)〜(15)記載のホログラム記録材料。
(17)ホログラム記録材料の膜厚が100μm以上であり、かつホログラム記録波長の光の透過率が10%以上99%以下となるように増感色素が添加されていることを特徴とする(3)〜(8)、(11)〜(16)記載のホログラム記録材料。
(18)ホログラム記録波長と再生波長が同じであることを特徴とする(9)または(10)記載のホログラム記録方法。
(19)(18)にて、ホログラム記録再生波長が532nmであることを特徴とする(18)記載のホログラム記録方法。
(20)(18)にて、ホログラム記録再生波長が405−415nmの範囲であることを特徴とする(18)記載のホログラム記録方法。
(21)(9)、(10)、(18)〜(20)記載のホログラム記録方法を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
(22)ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(8)、(11)〜(17)記載のホログラム記録材料。
(23)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(24)多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)記載のホログラム記録方法及びそのような記録が可能であるホログラム記録材料。
(25)ホログラム露光後湿式処理を行わないことを特徴とする(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)、(24)記載のホログラム記録方法及びそのような処理が可能であるホログラム記録材料。
(26)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)、(25)記載のホログラム記録材料が、記録光及び再生光以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることを特徴とする(1)〜(25)記載のホログラム記録材料。
(27)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いる光記録媒体。
(28)ホログラム記録再生方法を用いる(27)記載の光記録媒体への記録再生方法。
(29)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(27)記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(30)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム及び(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)〜(25)記載のホログラム記録方法を用いる3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
(31)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子及び(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)〜(25)記載のホログラム記録方法を用いるホログラフィック光学素子の製造方法。
以下に本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録材料について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
さらに、本発明の化学作用放射線としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、405〜415nm付近のGaNレーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または405〜415nm付近のGaNレーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤または塩基増殖剤を用いる場合、酸増殖剤または塩基増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量 Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、1J/cm2以下であることが好ましく、500mJ /cm2以下であることがより好ましく、200mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、100mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
したがって、本発明のホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも重合性基を有する色素の方が大きいことが好ましい。
一般に、色素の屈折率は、吸収極大波長(λmax)付近からそれより長波長な領域で高い値を取り、特にλmaxからλmaxより200nm程長波長な領域において非常に高い値を取り、色素によっては2を超え、さらには2.5を超えるような高い値をとる。
一方で、バインダーポリマー等の色素ではない有機化合物は通常1.4〜1.6程度の屈折率である。
したがって、本発明のホログラム記録材料では、屈折率変調に屈折率の大きい色素を用いるため、高感度化の点で有利である。また、高感度化のためには、重合性基を有する色素は、好ましくは吸収スペクトルにおいて、ホログラム再生波長よりも10〜200nm短波長であるλmaxを有し、より好ましくは30〜130nm短波長であるλmaxを有し、εが10000以上であり、より好ましくは20000以上であることが好ましい。
さらに、高い回折効率のためには、ホログラム再生波長におけるモル吸光係数が100以下、より好ましくは10以下であり、最も好ましくは0であることが好ましい。
その際、色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことがより好ましい。
本発明の重合性基を有する色素のうち、色素の部分として好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、アゾ色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、クマリン色素、キサンテン色素、フェノチアジン色素、縮環芳香族系色素、アゾ色素が挙げられ、さらに好ましくは、シアニン色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、クマリン色素、キサンテン色素、アゾ色素が挙げられる。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感剤は、使用目的に応じて光源となる輻射線の波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
したがって、モル吸光係数の高い増感色素を用いた場合は、そのような厚いホログラム記録材料を記録光が透過するためには増感色素量をかなり減らす必要が生じてしまい、その結果記録感度の著しい低下を招いてしまい問題である。したがって、ホログラフィックメモリ用増感色素としてはεが極力低く、量がつめた方が感度及び多重記録特性の点で好ましい。
ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2000以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
本発明の重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
本発明の重合開始剤は好ましくは、ラジカルを発生して重合性化合物のラジカル重合を開始することができるラジカル重合開始剤と、ラジカルを発生することなく酸のみ発生して重合性化合物のカチオン重合のみを開始することができるカチオン重合開始剤と、ラジカル及び酸を両方発生して、ラジカル及びカチオン重合両方を開始することができる重合開始剤、塩基を発生してアニオン重合を開始できるアニオン重合開始剤のいずれかである。
本発明の重合開始剤としては好ましくは、以下の14個の系が挙げられる。なお、これらの重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
好ましい例としては例えば、ベンゾフェノン誘導体(例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン)、ベンゾイン誘導体(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン)、アセトイン誘導体(アセトイン、ピバロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、アシロインエーテル誘導体(例えばジエトキシアセトフェノン)、α−ジケトン誘導体(ジアセチル、ベンジル、4,4´−ジメトキシベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオン))、キサトン誘導体(例えばキサントン)、チオキサントン誘導体(例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン)、ケトクマリン誘導体等が挙げられる。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
R24は好ましくは−CR21R22R23を、より好ましくは−CCl3基を表し、R25は好ましくは、 −CR21R22R23、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
R27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
X21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a22、a23が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
より好ましくはR33、R34、R35はアリール基であり、R36がアルキル基であり、最も好ましくはR33、R34、R35はフェニル基であり、R36はn−ブチル基である。
カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤は好ましくは一般式(18)にて表される。
アニオン性増感色素オニウム塩系重合開始剤は好ましくは一般式(19)にて表される。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤
b)カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤
c)ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤
分類することができる。
前記の中では、以下の系がラジカル重合を活性化することができる重合開始剤系である。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
1)ケトン系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられ、さらに好ましくは、
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられる。
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
を挙げることができる。
その際、塩基発生剤とは、増感色素または発色体励起状態からのエネルギー移動または電子移動により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は、増感色素または発色体励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
そのためには、色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことがい。
また、屈折率変調を大きくするためには、ホログラム記録材料中、重合性化合物が移動しやすいことが好ましい。
本発明の重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良いが、沸点100℃以上の液状であるか、沸点100℃以上の液状モノマーと固体状モノマーの混合物であることが好ましい。
以下に、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオンまたはアニオン重合可能な重合性化合物ごとに好ましい例を説明する。
本発明のアニオン重合性化合物として好ましいくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N−ビニルカルバゾール部位、電子吸引性置換基を備えるエチレン性二重結合部位、ラクトン部位、ラクタム部位、環状ウレタン部位、環状尿素部位、または、環状シロキサン部位を分子中に少なくとも1個以上有する化合物であり、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
また、バインダーはラジカル重合やカチオン重合が起こる際に反応しうる反応性バインダーであっても良い。その際は、具体的にはエチレン性不飽和基やオキシラン環等を有する反応性オリゴマーが好ましい。
そのためには、バインダーはアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含まないことが好ましい。
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、組成物全体に対して1.0〜30質量%が好ましい。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2-ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
バインダー:好ましくは0〜90質量%、より好ましくは35〜75質量%、
重合性基を有する色素:好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜30%
色素部分を有さない重合性化合物:好ましくは0〜60%、より好ましくは15〜50質量%、
重合開始剤:好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜15質量%
増感色素:好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%
溶媒としては例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、増感色素をS−1、S−6、S−10、S−11、S−23、S−31、S−34、S−42、S−43、S−45、S−50、S−58、S−60、S−67、S−71、S−73、S−75、S−76、S−77、S−81に変更しても同様な効果が得られる。
また、ラジカル重合開始剤をPI-1.、PI-3〜PI-13に変更しても同様な効果が得られる。
また、色素部位を有さない重合性化合物としてPOEAの代わりにM-2、M-3、M-4を用いても同様な効果が得られる。
また、バインダーをポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレートに変更しても同様な効果が得られる。
また、増感色素をS−1、S−6、S−10、S−11、S−23、S−31、S−34、S−42、S−43、S−45、S−50、S−58、S−60、S−67、S−71、S−73、S−75、S−76、S−77、S−81に変更しても同様な効果が得られる。
また、カチオン重合開始剤をPI-6〜PI-10に変更しても同様な効果が得られる。
また、色素部位を有さない重合性化合物としてM-5の代わりにM-6を用いても同様な効果が得られる。
また、バインダーをポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、MO-1に変更しても同様な効果が得られる。
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
40 ビームエキスパンダー
30 ホログラム記録材料
28 試料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
Claims (15)
- 重合性基を有する色素(但し、下記一般式(A)で表されるシアニン色素を除く)を少なくとも1種、増感色素、重合開始剤、及びバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料。
一般式(A)
(式(A)中、Y、Y´はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、NH基、CH=CH基、またはC(CH 3 ) 2 基を表し、nは0または1以上の整数を示し、R 1 又はR 2 は、アルケニル基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、Xは、ハロゲン、NO 3 、BF 4 、PF 6 、AsF 6 、ClO 4 、SbF 6 、CF 3 SO 3 、CH 3 SO 3 またはCH 3 C 6 H 4 SO 3 を示す。) - さらに、色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
- 前記色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種が沸点100℃以上の液体であることを特徴とする請求項2記載のホログラム記録材料。
- 前記色素部分を有さない重合性化合物が、アリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個を含み、バインダーはそれらを含まないことを特徴とする、請求項2または3記載のホログラム記録材料。
- 請求項2に記載のホログラム記録材料を用いて、ホログラム記録光照射により光を吸収して生成した増感色素励起状態が、電子移動またはエネルギー移動により重合開始剤を活性化して、重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物の重合を起こし、その際光がより強い干渉明部に重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物が主に移動し、光がより弱い干渉暗部にバインダーが主に追いやられることによる屈折率変調により、干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項5にて、重合反応がラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかであることを特徴とする請求項5記載のホログラム記録方法。
- 前記重合性基を有する色素、または前記色素部分を有さない重合性化合物の重合性基が、重合がラジカル重合の時は、重合性基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基部分を有し、重合がカチオン重合またはアニオン重合の時は重合性基としてオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N-ビニルカルバゾール部位のいずれかを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のホログラム記録材料。
- 前記重合開始剤が1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4、7のいずれか記載のホログラム記録材料。
- 請求項8にて、重合開始剤がラジカルを発生するラジカル重合開始剤であり、1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする、請求項8記載のホログラム記録材料。
- 請求項8にて、重合開始剤が酸を発生するカチオン重合開始剤であり、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤のいずれかであることを特徴とする請求項8記載のホログラム記録材料。
- 請求項5または6に記載のホログラム記録方法に用いられることを特徴とするホログラム記録材料。
- 請求項1〜4、7〜11にて、ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする請求項1〜4、7〜11記載のホログラム記録材料。
- 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。
- 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
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