JP4421081B2 - パワーモジュールとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップを実装したパワーモジュールおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、パワーエレクトロニクス分野の電源回路についても小型化、省エネルギー化が望まれている。そのため、パワーモジュールの放熱構造が重要な課題となっている。
【0003】
パワーモジュールの放熱性を改善する方法としては、熱伝導性が良好な基板を使用し、半導体チップをこの基板上に、半導体チップの背面(デバイス形成面とは反対の面)を基板表面に接触させて実装することにより、基板からの放熱を図る方法が提案されている。
【0004】
このような方法としては、例えば、アルミニウムなどの金属板表面に絶縁体層を介して配線パターンを形成した、金属ベース基板を使用する方法が提案されている。また、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのセラミック板表面に銅板を接合した基板を使用する方法が提案されている。
【0005】
また、熱可塑性樹脂に無機フィラーを分散させた基板表面にリードを形成し、これに半導体チップを実装する方法が提案されている。しかし、この基板は、熱可塑性樹脂と無機フィラーとを溶融混練してこれを射出成形することにより作製されるため、無機フィラーを高濃度に充填することが困難であり、熱伝導性の向上には限界がある。
【0006】
また、熱硬化性樹脂組成物に無機フィラーを分散させた基板表面にリードを形成し、これに半導体チップを実装する方法が提案されている(特開平9−270005号公報)。この基板は、熱硬化性樹脂および無機フィラーを含む未硬化状態で可撓性を有するシートと、リードフレームとを積層した後、前記シートを硬化することにより作製され、無機フィラーを高濃度に充填することが可能であり、良好な熱伝導性を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
信号回路分野における半導体チップの実装方法としては、フリップチップボンディングまたはワイヤボンディングが採用されている。フリップチップボンディングは、半導体チップを、基板表面と半導体チップ表面(素子形成面)とが対向するように実装する、すなわちフェースダウンで実装するものであり、ワイヤボンディングよりも高密度の実装が可能である。
【0008】
しかしながら、電源回路分野においては、半導体チップ背面からの放熱が必要とされる。そのため、従来のパワーモジュールにおいては、基板からの放熱を図るために、基板表面と半導体チップ裏面とを接触させる必要があった。従って、従来のパワーモジュールでは、フリップチップボンディングを採用した場合は放熱性の改善が期待できなかった。
【0009】
そこで、従来のパワーモジュールにおいては、半導体チップ背面と基板表面とを接触させるように、半導体チップを基板上に実装する、ワイヤーボンディングが採用されている。このワイヤーボンディングにおいては、半導体チップの電極と、基板表面に形成されたリードとが、金属細線を介して電気的に接続される。しかし、金属細線の導体抵抗は半導体素子のオン抵抗に比べて無視できないほど大きいため、半導体チップをワイヤーボンディングで実装すると電力損失が増大し、発熱量が増大する。従って、ワイヤーボンディングを採用する場合には、基板に対して、更なる放熱性が要求されるという問題があった。
【0010】
本発明は、放熱性に優れ、且つ、高密度小型化に適したパワーモジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のパワーモジュールは、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する絶縁体層と、前記絶縁体層の表面に形成されたリードと、前記リードの前記絶縁体層側の面に実装された少なくとも1つの半導体チップと、前記絶縁体層の裏面に形成されたヒートシンクとを備え、前記半導体チップが、フリップチップボンディングにより前記リードに実装されており、且つ、前記絶縁体層内に封止されている。
【0012】
このような構成のパワーモジュールにおいては、半導体チップが、その背面をヒートシンク側に向けた状態で、熱伝導性を有する絶縁体層の内部に内蔵されている。そのため、半導体チップ背面から絶縁体層を介してヒートシンクへと、効率良く放熱することができる。加えて、半導体チップを吸湿などから保護することができる。また、半導体チップがフリップチップボンディングにより実装されるため、ワイヤーボンディングによる実装に比べて、半導体チップ−リード間の接続部分における抵抗ロスの低減および高密度実装が可能である。
【0013】
前記パワーモジュールにおいては、前記半導体チップが、前記リード側の面に形成された第1の電極と、前記ヒートシンク側の面に形成された第2の電極とを有しており、前記第1の電極がフリップチップボンディングにより前記リードと接続されており、前記第2の電極が、前記絶縁体層内に配置された内部リードを介して、前記リードと接続されていることが好ましい。厚み方向に電流が流れるように構成された半導体チップを用いることにより、大電流化に対応することができるからである。
【0014】
前記パワーモジュールにおいては、前記絶縁体層において、前記無機フィラーの割合が70〜95重量%であり、前記熱硬化性樹脂組成物の割合が5〜30重量%であることが好ましい。この好ましい例によれば、絶縁体層の熱伝導性を良好なものとし、放熱性を更に向上させることができる。また、絶縁体層の熱膨張係数を半導体と同程度とすることができ、信頼性に優れたパワーモジュールとすることができる。
【0015】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記絶縁体層の熱伝導率が、1〜10W/(m・K)の範囲であることが好ましい。放熱性を更に向上させることができるからである。
【0016】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記絶縁体層の熱膨張係数が、8〜20×10-6K-1の範囲であることが好ましい。絶縁体層と半導体チップとの熱膨張係数を同程度とすることにより、熱衝撃などに対する信頼性に優れたパワーモジュールとすることができるからである。
【0017】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記絶縁体層の弾性率が、20〜50MPaの範囲であることが好ましい。熱衝撃などに対する信頼性に優れたパワーモジュールとすることができるからである。
【0018】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードの前記半導体チップが実装された面とは反対の面に、電子部品が実装されていることが好ましい。パワーモジュールの更なる高密度小型化を図ることができるからである。
【0019】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードが、少なくとも一部を前記絶縁体層表面に露出させた状態で、前記絶縁体層に埋め込まれていることが好ましい。リード自体が放熱に寄与するため、放熱効率を更に向上させることができるからである。また、リードの絶縁体層側とは反対の面に電子部品を実装する場合に、位置ずれが生じ難いという利点も有する。
【0020】
また、前記パワーモジュールにおいては、配線層と基板層とが積層してなる回路基板が、前記配線層の少なくとも一つを前記絶縁体層表面に露出させた状態で、前記絶縁体層に埋め込まれていることが好ましい。この好ましい例によれば、電源回路だけでなく、制御回路や保護回路などの周辺回路をも一体化させることができ、更に高密度な実装が可能である。
【0021】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂、硬化剤および硬化促進剤を含有することが好ましい。
【0022】
この場合、前記熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂の割合が50〜95重量%と、硬化剤の割合が4.9〜45重量%と、硬化促進剤の割合が0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0023】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。これらの熱硬化性樹脂は、耐熱性、電気絶縁性に優れるからである。
【0024】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、ノボラック樹脂と、イミダゾールとを含有することが好ましい。特に、臭素化された多官能エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型ノボラック樹脂と、イミダゾールとを含有することが好ましい。このような組成物は、耐熱性、電気絶縁性および難燃性に優れるからである。
【0025】
この場合、前記熱硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂の割合が60〜80重量%であり、ノボラック樹脂の割合が18〜39.9重量%であり、イミダゾールの割合が0.1〜2重量%であることが好ましい。
【0026】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記無機フィラーが、Al2O3、SiO2、MgO、BNおよびAlNからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの無機フィラーは、絶縁体層の熱伝導率の向上に特に有効だからである。特に、AlNおよびBNは、絶縁体層の熱伝導率の向上と、熱膨張係数の低下に有効である。
【0027】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記無機フィラーの平均粒子径が、0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。無機フィラーを高密度に充填できるからである。特に、上記範囲内で異なる平均粒子径を有する無機フィラーを組み合わせて使用すれば、より高密度に充填することができ、熱伝導度が更に改善できる。
【0028】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードが、銅、アルミニウム、ニッケルおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。導電率が高く、大電流を流しても抵抗ロスが少ないからである。特に、銅は、導電性に優れるばかりでなく、良好な熱伝導性を有しているため、放熱性の向上に有利である。
【0029】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードの厚みが、0.05〜1.00mmの範囲であることが好ましい。大電流に対応できるからである。
【0030】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードの前記絶縁体層側の面に、ニッケル、錫、半田および金からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる金属メッキ層が形成されていることが好ましい。絶縁体層との密着性が良好となり、熱衝撃などの信頼性が改善されるからである。
【0031】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記リードの前記絶縁体層側の面が、粗面化されていることが好ましい。絶縁体層との密着性が良好となり、熱衝撃などの信頼性が改善されるからである。
【0032】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記ヒートシンクが、アルミニウムまたは銅であることが好ましい。これらの金属は、熱伝導性に優れるからである。特に、銅は、熱伝導性に優れるため、良好な放熱性を得ることができる。また、アルミニウムは、軽量で安価に入手できるうえに、加工性に優れるため、ヒートシンクを複雑な形状として表面積を大きくすることが可能であり、良好な放熱性が得られる。
【0033】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記ヒートシンクが、放熱フィンを備えていることが好ましい。放熱効率を更に改善することができるからである。
【0034】
また、前記パワーモジュールにおいては、前記ヒートシンクの前記絶縁体層側の面が、粗面化されていることが好ましい。絶縁体層との密着性が良好となり、熱衝撃などの信頼性が改善されるからである。
【0035】
なお、前記半導体チップとしては、例えば、シリコン半導体、シリコンカーバイド半導体などのチップを使用することができる。具体的には、IGBT(インシュレーテッドゲートバイポーラトランジスタ)、MOS−FET(メタルオキサイドセミコンダクター−フィールドエフェクトトランジスタ)などを使用することができる。
【0036】
前記目的を達成するため、本発明のパワーモジュールの製造方法は、離型キャリア上にリードを形成する工程と、前記リード上に半導体チップをフリップチップボンディングにより実装する工程と、前記離型キャリア上に、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する未硬化状態の絶縁体層を、前記リードおよび前記半導体チップを被覆するように形成する工程と、前記未硬化状態の絶縁体層上にヒートシンクを積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を加熱して前記絶縁体層を硬化させる工程と、前記離型キャリアを剥離する工程とを含むことを特徴とする。
【0037】
このような構成にしたことにより、本発明のパワーモジュールを効率よく製造することができる。また、本発明の製造方法においては、リードを離型キャリア上に形成するため、微細な配線パターンおよび独立した配線パターンの形成が可能となり、モジュールの更なる小型化を図ることができる。
【0038】
前記製造方法においては、前記絶縁体層において、前記無機フィラーの割合が70〜95重量%であり、前記熱硬化性樹脂組成物の割合が5〜30重量%であることが好ましい。絶縁体層の熱伝導性を向上させ、パワーモジュールの放熱性を更に向上できるからである。
【0039】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層を形成する工程が、前記無機フィラーおよび前記熱硬化性樹脂組成物とを含有するペーストを、前記離型キャリア上に塗布する工程であることが好ましい。絶縁体層において無機フィラーを高濃度に充填することが可能であり、パワーモジュールの放熱性を更に向上できるからである。
【0040】
この場合、前記ペーストの塗布が、スクリーン印刷またはメタルマスク印刷によって実施されることが好ましい。絶縁体層を、簡易な設備で形成できるからである。
【0041】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層を形成する工程が、前記無機フィラーおよび前記熱硬化性樹脂組成物とを含有し、且つ、未硬化状態で可撓性を有するシートを、前記離型キャリア上に積層する工程であることが好ましい。絶縁体層において無機フィラーを高濃度に充填することが可能であり、パワーモジュールの放熱性を更に向上できるからである。
【0042】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層を形成する工程を実施する間、または、前記絶縁体層を形成する工程を実施した後であって前記絶縁体層を硬化させる工程の前に、前記離型キャリア上に形成された形成物を真空中に曝すことが好ましい。絶縁耐圧の低下の原因となる絶縁体層中のボイドを低減できるからである。
【0043】
また、前記製造方法においては、前記離型キャリアを剥離する工程の後、前記リードの前記絶縁体層側とは反対の面に、電子部品を実装する工程を含むことが好ましい。パワーモジュールの更なる高密度小型化を図れるからである。
【0044】
また、前記製造方法においては、前記離型キャリア上に前記リードを形成した後、配線層と基板層とが積層してなる回路基板を前記離型キャリア上に配置し、前記絶縁体層を、前記回路基板を被覆するように形成することが好ましい。制御回路や保護回路などの周辺回路を回路基板上に形成することにより、モジュールの更なる高密度小型化を実現することができるからである。
【0045】
また、前記製造方法においては、前記積層体を加熱する工程において、加熱温度を130〜260℃の範囲とすることが好ましい。絶縁体層を構成する熱硬化性樹脂組成物を短時間で硬化できるからである。
【0046】
また、前記製造方法においては、前記積層体を加熱する工程において、前記積層体に19.6MPa以下の圧力を加えることが好ましい。半導体チップとリードとの間の間隙に、絶縁体層を構成する熱硬化性樹脂組成物を容易に充填できるからである。
【0047】
また、前記製造方法においては、前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂、硬化剤および硬化促進剤を含有することが好ましい。
【0048】
この場合、前記熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂の割合が50〜95重量%であり、硬化剤の割合が4.9〜45重量%であり、硬化促進剤の割合が0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0049】
また、前記製造方法においては、前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。耐熱性、電気絶縁性に優れるからである。
【0050】
また、前記製造方法においては、前記熱硬化性樹脂組成物が、室温で液状の熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。塗布に適当な粘度を有するペースト、または、適度な可撓性を有するシートの作製が容易だからである。なお、室温とは、通常20℃である。
【0051】
この場合、室温で液体の熱硬化性樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂および液状フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。耐熱性に優れた絶縁体層とすることができ、且つ、フリップチップ実装された半導体チップとリードとの間の間隙にも絶縁体を容易に充填できるからである。
【0052】
また、前記製造方法においては、前記無機フィラーが、Al2O3、SiO2、MgO、BNおよびAlNからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。絶縁体層の熱伝導率の向上に特に有効だからである。
【0053】
また、前記製造方法においては、前記無機フィラーの平均粒子径が、0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。無機フィラーを高密度に充填できるからである。
【0054】
また、前記製造方法においては、前記リードが、銅、アルミニウム、ニッケルおよび鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。導電率が高く、抵抗ロスが少ないからである。
【0055】
また、前記製造方法においては、前記リードの厚みが、0.05〜1.00mmの範囲であることが好ましい。大電流に対応できるからである。
【0056】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層を形成する工程の前に、前記リードの前記絶縁体層と接する面に、ニッケル、錫、半田および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属メッキ層を形成することが好ましい。絶縁体層との接着強度が改善できるほか、半導体チップおよび電子部品実装時の半田濡れ性を改善できるからである。
【0057】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層を形成する工程の前に、前記リードの前記絶縁体層と接する面を粗面化することが好ましい。絶縁体層との接着強度を改善できるからである。
【0058】
また、前記製造方法においては、前記ヒートシンクが、アルミニウムまたは銅であることが好ましい。更に、前記ヒートシンクが、放熱フィンを備えていることが好ましい。放熱効率が向上するからである。
【0059】
また、前記製造方法においては、前記絶縁体層上に前記ヒートシンクを積層する工程の前に、前記ヒートシンクの前記絶縁体層と接する面を粗面化することが好ましい。絶縁体層との接着強度が改善されるからである。
【0060】
また、前記製造方法において、前記離型キャリアとしては、有機フィルムを使用することが好ましい。絶縁体層およびリードからの剥離が容易であり、且つ、低コストだからである。有機フィルムとしては、例えば、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートおよびアラミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機フィルムが使用できる。
【0061】
また、前記製造方法において、前記離型キャリアとしては、金属箔を使用することが好ましい。金属箔は熱による寸法変化が少ないため、絶縁体層を硬化させる工程において寸法変化することを抑制できるからである。金属箔としては、例えば、銅箔、ニッケル箔およびアルミニウム箔からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属箔が使用できる。
【0062】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のパワーモジュールの一例を示す断面図である。このパワーモジュールは、半導体チップ101を内蔵した絶縁体層104と、絶縁体層104表面に形成されたリードフレーム102と、絶縁体層104裏面に形成されたヒートシンク105とを有している。半導体チップ101は、表面電極を有しており、リードフレーム102の絶縁体層側の面にフリップチップボンディングにより実装されている。すなわち、半導体チップ101は、表面(デバイス形成面)をリードフレーム側に、背面(デバイス形成面とは反対側の面)をヒートシンク側に向けて配置されており、半導体チップ101の表面電極とリードフレーム102とが、バンプ103を介して電気的に接続されている。また、絶縁体層104表面には表面実装型電子部品106が配置されており、リードフレーム102の半導体チップ側とは反対の面に実装されている。
【0063】
上記パワーモジュールにおいては、絶縁体層104を構成する絶縁材料が、リードフレーム102に実装された半導体チップ101を背面から被覆するとともに、半導体チップ101とリードフレーム102との間の間隙にも充填されている。これにより、半導体チップ101は、絶縁層104内部に埋め込まれ、外気から完全に遮断される。
【0064】
また、絶縁体層104を構成する絶縁材料は、リードフレーム102間の間隙にも充填されている。これにより、リードフレーム102は、片面(半導体チップが実装された面とは反対側の面)を外部に露出させた状態で、絶縁体層104に埋め込まれる。
【0065】
絶縁体層104は、熱硬化性樹脂組成物に無機フィラーを分散させた層であり、好ましくは次のような特性を有する。絶縁体層104の熱伝導率は、1〜10W/(m・K)、好ましくは3〜10W/(m・K)、更に好ましくは5〜10W/(m・K)である。また、絶縁体層104の熱膨脹係数は、8〜20×10-6K-1、好ましくは8〜17×10-6K-1、更に好ましくは8〜13×10-6K-1である。また、弾性率は、20〜50MPa、好ましくは20〜40MPa、更に好ましくは20〜30MPaである。なお、熱伝導率、熱膨張係数および弾性率などの特性は、絶縁体層104の組成により調整することができる。
【0066】
図2は、本発明に係るパワーモジュールの別の一例を示す断面図である。このパワーモジュールは、半導体チップ111を内蔵した絶縁体層114と、絶縁体層114表面に形成されたリードフレーム112と、絶縁体層114裏面に形成されたヒートシンク115とを備えている。半導体チップ111は、チップの厚み方向に電流が流れるように構成されており、表面に表面電極を、背面に背面電極を備えている。半導体チップ111は、表面をリードフレーム側に、背面をヒートシンク側に向けて配置されている。
【0067】
半導体チップ111の表面電極は、リードフレーム112とバンプ113を介して接続、すなわちフリップチップボンディングにより接続されている。一方、半導体チップ111の背面電極は、リードフレーム112と内部リード117を介して接続されている。この内部リード117は、絶縁体層114内に埋め込まれている。
【0068】
内部リード117としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄などを使用することができる。また、その表面には、例えば、ニッケル、錫、半田、金などの金属メッキ層を形成しておくことが好ましい。また、内部リード117の厚みは、例えば0.1〜2.0mm、好ましくは0.4〜1.0mm、更に好ましくは0.5〜0.8mmである。
【0069】
前述したように、半導体チップ111は、より大きな電流をスイッチングさせるため、その厚み方向に電流を流す構成をとる。半導体チップ111の背面電極から電流を取り出すためには、なるべく内部リード117の電気抵抗を低くし、抵抗ロスを最小限に抑えなければならない。内部リード117の厚みは、半導体チップ111の背面電極から取り出される電流の大きさによって適宜設定され、例えば、5A程度までの電流であれば0.2mm以上、20A程度では0.5mm以上、40A程度では0.8mm以上である。
【0070】
なお、図2に示すパワーモジュールは、半導体チップの背面電極が内部リードによりリードフレームに接続されていること以外は、図1のパワーモジュールとと同様である。
【0071】
図3は、本発明に係るパワーモジュールの別の一例を示す断面図である。図3に示すパワーモジュールは、半導体チップ201を内蔵した絶縁体層204と、絶縁体層204表面に形成されたリードフレーム202と、絶縁体層204裏面に形成されたヒートシンク205とを備え、更に、絶縁体層204表面に埋設された回路基板207を備えている。
【0072】
絶縁体層204を構成する絶縁材料は、リードフレーム202と回路基板207との間の間隙にも充填されており、これにより、回路基板207は、片面を外部に露出させて絶縁体層204の表面に埋め込まれることとなる。
【0073】
回路基板207は、絶縁性基板207aに、配線パターンを構成する導体層207bが積層したものである。絶縁性基板207aとしては、例えば、ガラス織布にエポキシ樹脂を含浸したガラス−エポキシ基板、紙にフェノール樹脂を含浸した紙−フェノール基板などを使用することができる。また、導体層207bとしては、例えば、銅、アルミニウムなどを使用することができる。なお、回路基板207は、図3に示すような両面配線基板に限定されるものではなく、更に多層の配線基板であってもよい。
【0074】
なお、図3に示すパワーモジュールは、回路基板207を備えていること以外は、図1のパワーモジュールと同様である。
【0075】
本発明のパワーモジュールは、例えば、次に説明するような方法で製造することができる。図4(a)〜図4(f)は、図1に示すパワーモジュールの製造方法の一例を説明するための工程図である。
【0076】
まず、離型キャリア301表面に、リードフレーム302を形成する(図4(a))。
【0077】
リードフレーム302としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルおよび鉄などの金属箔を使用することができる。また、リードフレーム302表面には、例えば、ニッケル、錫、半田および金などの金属メッキによる酸化防止処理を施すことが好ましい。
【0078】
更に、リードフレーム302表面には、粗面化処理を施すことが好ましい。粗面化処理方法としては、化学的処理方法および物理的処理方法のいずれも採用可能である。化学的処理方法としては、例えば、塩化鉄、塩化銅などの水溶液中にリードフレームを浸漬してエッチングする方法が挙げられる。また、物理的処理方法としては、例えば、酸化アルミニウムなどの粉末を圧縮空気とともにリードフレーム表面に吹き付ける方法が挙げられる。
【0079】
リードフレーム表面を粗面化することにより、絶縁体層との接着が大きく改善される。これは、粗面化により表面積が増大し、アンカー効果により接着強度が増すことによる。絶縁体層との接着が改善される結果、ヒートサイクルなどの熱衝撃に対する信頼性が大幅に向上する。このような効果が効率良く得られることから、粗面化処理方法としては、前述したような物理的処理方法を採用することが好ましい。
【0080】
また、リードフレームの粗面化においては、粗面化の程度を表すRzが、2〜20μmの範囲であることが好ましく、2〜5μmであることが更に好ましい。ここで、Rzとは、粗面のプロファイルにおいて、最も高い山から5番目の高さの山までの山の高さの平均値と、最も深い谷から5番目に深い谷までの谷の深さの平均値との差であり、Rzが大きいほど、粗い面であると言える。
【0081】
離型キャリア301として有機フィルムを使用する場合、リードフレーム302の形成方法としては、有機フィルム上に接着剤を塗布した後、その塗布面に金属箔を積層し、これをフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングする方法が採用できる。接着剤としては、ゴム系接着剤などのタック性を有するものを使用することが好ましい。
【0082】
また、離型キャリア301として金属箔を使用する場合、リードフレーム302の形成方法としては、離型キャリアである金属箔上に接着剤を塗布し、その塗布面にリードフレームとなる金属箔を積層し、これをフォトリソグラフィーおよびエッチングによりパターニングする方法を採用することができる。また、離型キャリアである金属箔上に電解メッキ法などで金属層を形成し、この金属層をリードフレーム302としてもよい。後者の方法によれば、リードフレーム表面において、離型キャリア剥離後に接着剤が残存するおそれがなく、清浄な表面を得ることができる。また、剥離工程も容易である。
【0083】
次に、リードフレーム302の所定の位置に、半導体チップ303を実装する(図4(b))。この工程は、フリップチップ実装により実施される。まず、半導体チップ303の電極表面にバンプ304を形成し、更にバンプ304表面に半田を形成する。次に、この半導体チップ303をリードフレーム302上にフェースダウンで搭載し、その状態で半田をリフローさせ、バンプ304とリードフレーム302とを接合する。または、半導体チップ303の電極表面にバンプ304を形成した後、この半導体チップ303をリードフレーム302上にフェースダウンで搭載し、その状態で加熱加圧または超音波印加を実施して、バンプ304とリードフレーム302とを直接接合してもよい。
【0084】
次に、リードフレーム302を備えた離型キャリア301表面に、半導体チップ303を被覆するように絶縁体ペースト305を印刷し、未硬化の絶縁体層を形成する(図4(c))。
【0085】
絶縁体ペースト305は、無機フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含む絶縁材料に、必要に応じて溶媒を混合することによって調製される。
【0086】
絶縁体材料を構成する熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を主成分とし、適宜、硬化剤および硬化促進剤などの添加物を含有する組成物である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂などが使用できる。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状フェノール樹脂などの室温で液体状の熱硬化性樹脂を単独で、または、室温で固体状の熱硬化性樹脂と混合して使用することが好ましい。
【0087】
硬化剤および硬化促進剤は、使用する熱硬化性樹脂の種類に応じて選択される。例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤としては、脂肪族ポリアミンおよび芳香族ポリアミンなどのアミン類、酸無水物類、ノボラックなどのフェノール樹脂、アミノ樹脂などが挙げられ、硬化促進剤としては、イミダゾール類、ベンジルジメチルアミンなどのアミン類が挙げられる。
【0088】
また、熱硬化性樹脂組成物全体を100重量部としたとき、上記各成分の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。室温で固体状の熱硬化性樹脂を0〜45重量部、室温で液体状の熱硬化性樹脂を5〜50重量部とし、両者の合計を50〜95重量部、好ましくは65〜90重量部とする。また、硬化剤は4.9〜45重量部、好ましくは9.9〜35重量部とする。また、硬化促進剤は0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3.5重量部とするのが適当である。
【0089】
無機フィラーとしては、各種の酸化物および窒化物などを使用することができる。例えば、Al2O3、SiO2、MgO、BN、AlNなどが挙げられる。また、無機フィラーの平均粒子径は、0.1〜100μm、更には7〜12μmであることが好ましい。
【0090】
絶縁材料における各成分の含有量は、絶縁材料全体を100重量部としたとき、熱硬化性樹脂組成物を5〜30重量部、好ましくは7〜15重量部、更に好ましくは9〜12重量部とし、無機フィラーを70〜95重量部、好ましくは86〜93重量部、更に好ましくは89〜93重量部とするのが適当である。
【0091】
また、絶縁材料は、必要に応じて、カップリング剤、分散剤、着色剤、離型剤などの添加剤を含有していることが好ましい。各種添加剤を含有することにより、絶縁体層の特性の改善を図ることができるからである。例えば、カップリング剤は、無機フィラーと熱硬化性樹脂との接着性を改善するため、絶縁耐圧の向上に有効である。また、分散剤は、無機フィラーの分散性を改善し、絶縁層内の組成ムラの低減に有効である。また、着色剤は、例えば、カーボン粉末などの黒色の着色剤であれば、絶縁体層の熱放散性の改善に有効である。
【0092】
この熱硬化性樹脂組成物および無機フィラーを混練してなる絶縁材料は、塗布に適当な粘度を有する場合は、そのまま絶縁体ペースト305として使用することができる。また、絶縁材料の粘度が高い場合は、後工程で揮発させることが可能な溶媒を混合して、適当な粘度に調整することができる。溶媒としては、沸点が熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い溶媒を使用することができる。また、絶縁体ペースト305の粘度は、特に限定するものではないが、100〜300Pa・s程度が適当である。
【0093】
絶縁体ペースト305を印刷する方法としては、例えば、メタルマスク印刷法、スクリーン印刷法などを採用できる。但し、スクリーン印刷法を採用する場合は、所望層厚が得られるまで繰り返し印刷する必要がある。また、リードフレーム302間の隙間にも確実に絶縁体ペースト305を充填し、絶縁体層中のボイドを低減するため、印刷を真空中で実施するか、または、印刷後に真空中での熱処理を実施することが好ましい。
【0094】
次に、絶縁体ペースト305にヒートシンク306を積層する。その後、これを加熱加圧し、絶縁体ペースト305を構成する熱硬化性樹脂を硬化させて、絶縁体層307とする(図4(d))。この工程により、絶縁体層307は、半導体チップ303、リードフレーム302およびヒートシンク306と一体化される。
【0095】
ヒートシンク306としては、例えば、アルミニウム板、銅板などを使用することができ、特に、放熱フィンを備えたものを使用することが好ましい。また、ヒートシンク306の表面には、前述したリードフレーム表面の粗面化処理と同様にして、予め粗面化処理を施すことが好ましい。ヒートシンクの粗面化の程度については、リードフレームの粗面化と同様である。このようなヒートシンクの粗面化により、リードフレームの粗面化と同様の効果を得ることができる。
【0096】
また、加熱加圧するときの温度は、絶縁体ペースト305を構成する熱硬化性樹脂の硬化温度以上であればよく、通常130〜260℃、好ましくは170〜230℃とする。また、圧力は、通常は19.6MPa以下、好ましくは2.94〜14.7MPaが適当である。
【0097】
次に、離型キャリア301を、リードフレーム302および絶縁体層307から剥離する(図4(e))。このとき、離型キャリア301に塗布された接着剤は、離型キャリア301と共にリードフレーム302から除去される。
【0098】
更に、離型キャリア301が除去されたリードフレーム302表面の所望箇所に、表面実装型電子部品308を実装することにより、パワーモジュールが作製される(図4(f))。表面実装型電子部品308の実装方法は、特に限定するものではなく、例えば、表面実装型電子部品308の電極表面に半田を形成した後、この表面実装型電子部品308をリードフレーム302上に搭載し、その状態で半田をリフローさせることにより実施できる。この場合、半田としては、半田付けした部分におけるクラックが発生し難いことから、鉛レス半田を使用することが好ましい。また、半田の形成方法としては、半田レジストを形成する方法、クリーム半田を印刷する方法などを採用することができる。
【0099】
なお、上記製造方法によって、図2に示すようなパワーモジュールを製造する場合は、図4(b)の工程において、半導体チップの表面電極とリードフレームとを金属バンプを介して接続した後、半導体チップの背面電極とリードフレームとを内部リードを介して接続する。その後、図4(c)の工程を実施すればよい。
【0100】
また、上記製造方法によって、図3に示すようなパワーモジュールを製造する場合は、図4(a)の工程において、離型キャリアの接着剤塗布面に、リードフレームと重なり合わないように回路基板を配置し、図4(c)の工程において、回路基板をも被覆するように絶縁体ペーストを塗布すればよい。
【0101】
また、上記製造方法においては、絶縁体層形成のための印刷工程と、絶縁体層の硬化工程とを別々に実施したが、これを一連の工程として連続して行うことも可能である。
【0102】
本発明に係るパワーモジュールは、以下に説明するような方法で製造することもできる。図5(a)〜図5(f)は、図1に示すパワーモジュールの製造方法の別の一例を説明するための工程断面図である。
【0103】
まず、離型キャリア401表面にリードフレーム402を形成し(図5(a))、リードフレーム402の所定の位置に半導体チップ403を実装する(図5(b))。以上の工程は、図4(a)〜(b)と同様にして実施できる。
【0104】
次に、半導体チップ403を実装したリードフレーム402表面に、絶縁体シート405を位置合わせして積層し、未硬化の絶縁体層を形成する(図5(c))。
【0105】
絶縁体シート405は、未硬化状態で可撓性を有するものである。この絶縁体シート405は、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する絶縁材料に、適当な溶媒を混合してスラリーを調整し、このスラリーを造膜用離型キャリア表面に造膜した後、前記溶媒を乾燥することによって作製できる。造膜方法は、特に限定するものではなく、ドクターブレード法、コーター法、押し出し成形法などを採用できる。また、スラリーの粘度は、特に限定するものではないが、例えばドクターブレード方を採用する場合、5〜100Pa・s程度が適当である。また、乾燥温度は、溶媒の沸点以上であって熱硬化性樹脂の硬化温度以下の温度とし、通常は70〜100℃が適当である。
【0106】
なお、絶縁材料としては、図4(c)工程の説明において記載した絶縁材料と同様のものを使用することができる。また、溶媒としては、例えばメチルエチルケトンなどの、沸点が100℃以下のものを使用することが好ましい。また、絶縁材料が、造膜に適当な粘度を有しており、且つ、溶媒乾燥後のシートが可撓性を有する場合は、溶媒を添加しなくてもよい。
【0107】
次に、絶縁体シート405上にヒートシンク406を積層した後、加熱加圧して絶縁体シート405を構成する熱硬化性樹脂を硬化させ、絶縁体層407とする(図5(d))。この工程は、図4(d)の工程と実質的の同様にして実施することができる。但し、加熱加圧するときの圧力は、19.6MPa以下、更には2.94〜14.7MPaとすることが好ましい。これにより、絶縁体層407は、半導体チップ403、リードフレーム402およびヒートシンク406と接着され、一体化される。
【0108】
その後、図4(e)および(f)の工程と同様にして、離型キャリア401の剥離、表面実装型電子部品408の実装が実施され、パワーモジュールが作製される(図5(e)および(f))。
【0109】
なお、上記製造方法によって、図2に示すようなパワーモジュールを製造する場合は、図5(b)の工程において、半導体チップの表面電極とリードフレームとを金属バンプを介して接続した後、半導体チップの背面電極とリードフレームとを内部リードを介して接続する。その後、図5(c)の工程を実施すればよい。
【0110】
また、上記製造方法によって、図3に示すようなパワーモジュールを製造する場合は、図5(a)の工程において、離型キャリア401の接着剤塗布面に、リードフレームと重なり合わないように回路基板を配置し、図5(c)の工程において、回路基板をも被覆するように絶縁体シートを積層すればよい。
【0111】
【実施例】
(実施例1)
図1と同様の構造を有するパワーモジュールを、以下の要領で作製した。まず、離型キャリアとして50μm厚のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムを使用し、その表面にゴム系接着剤を10μm厚で塗布した。離型キャリアの接着剤塗布面に、250μm厚の銅箔をロールラミネート法で接着した。更に、銅箔表面にドライフィルムを積層した後、配線パターンを形成したマスクを介してドライフィルムを露光し、露光部分以外のドライフィルムを除去するように現像した。次いで、塩化第2鉄溶液中に浸漬して銅箔の不要部分を除去し、更にドライフィルムを苛性ソーダで除去して、リードフレームを形成した。
【0112】
次に、リードフレーム上に半導体チップをフリップチップ実装した。半導体チップとしては、電流50A仕様のIGBT(松下電子工業社製)を使用した。半導体チップの電極に、直径100μm、高さ40μmのバンプを金メッキ法によって形成し、更にバンプに共晶半田を印刷した。半導体チップをリードフレーム上に配置し、半導体チップを固定した状態で半田リフロー装置にて共晶半田を溶融させ、半導体チップの電極とリードフレームとを電気的に接続した。
【0113】
次に、リードフレームおよび半導体チップを備えた離型キャリア上に、絶縁体ペーストを印刷して絶縁体層を形成した。絶縁体ペーストとしては、以下の組成を有する樹脂組成物を3本ロールにて混練し、粘度を100Pa・s(25℃)に調整したものを使用した。
(1)無機フィラー:Al2O3(昭和電工社製「AS−40」(商品名)、球状、平均粒子径12μm)90重量部
(2)熱硬化性樹脂組成物:エポキシ樹脂組成物(日本ペルノックス社製「WE−3025(商品名)」、エポキシ樹脂50重量%、硬化剤(酸無水物)45重量%および硬化促進剤(イミダゾール)5重量%を含む。)9.5重量部
(3)添加剤:カーボンブラック(東洋カーボン社製)0.3重量部、分散剤(第一工業製薬社製「プライサーフ F−208F(商品名)」)0.2重量部
印刷は、印刷ステージ上にリードフレームをセットし、所望の印刷部分を開口したSUSメタルマスク(0.7mm厚)をリードフレームと接触する位置まで重ね、絶縁体ペーストをメタルマスク上に滴下した後、SUS板スキージにてマスク開口部に刷り込むことにより実施した。更に、メタルマスクを除去した後、真空中で熱処理し、絶縁体層中のボイドを除去するとともに、絶縁体層を構成する熱硬化性樹脂を未硬化でタック性を有しない状態とした。
【0114】
次に、絶縁体層上にヒートシンクとしてアルミニウム板(1.0mm厚)を積層し、温度175℃、圧力4.9MPaの条件で30分間加熱加圧し、絶縁体層中の熱硬化性樹脂を硬化させるとともに、絶縁体層、半導体チップ、リードフレームおよびヒートシンクを一体化した。加熱加圧後の絶縁体層の厚みは0.63mmであった。その後、離型キャリアを剥離し、パワーモジュールを得た。
【0115】
得られたパワーモジュールの熱伝導性を評価したところ、0.8℃/Wの熱抵抗値が得られた。なお、熱抵抗値は、半導体チップに電流を供給し発熱させて、ヒートシンク裏面の温度を測定しその測定値より算出した。
【0116】
また、信頼性の評価として、最高温度が260℃で10秒間のリフロー試験を行った。このとき、絶縁体層とリードフレームとの界面、および、絶縁体層と半導体チップとの界面に、間隙発生などの異常は認められず、強固な密着が得られていることが確認できた。
【0117】
(実施例2)
表1に示す各組成の絶縁体ペーストを、PPSフィルム(75μm厚)上に印刷し乾燥した後、更に別のPPSフィルムを積層し、熱プレスにより硬化させて板状の絶縁体を作製した。
【0118】
【表1】
【0119】
ここで、エポキシ樹脂組成物としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製)90重量%、硬化剤としてアミン付加物(味の素社製「MY−H(商品名)」)3重量%、硬化促進剤としてイミダゾール7重量%を含む組成物を使用した。
【0120】
また、Al2O3としては昭和電工社製「AS−40(商品名)」を、SiO2、MgOおよびBNとしては関東化学社製の試薬を使用した。着色剤としては東洋カーボン社製のカーボンブラックを、分散剤としては第一工業製薬社製「プライサーフ、F−208F(商品名)」を、カップリング剤としてはチタネート系カップリング剤である味の素社製「プレンアクト(商品名)」を使用した。
【0121】
作製した板状絶縁体について、弾性率、熱膨張係数および熱伝導率を測定した。なお、測定方法は以下の通りである。
【0122】
弾性率: JIS C 6481に記載の方法に準じて測定した。
【0123】
熱膨張係数: 熱分析装置にて試験片(5mm×5mm、厚み1.0mm)を、5℃/分の割合で昇温させて厚み方向の熱膨張量を測定し、測定した熱膨張量を1℃当たりの値に換算し、これを0℃における試験片の寸法に対する百万分率で表した。測定は40〜100℃の温度で行い、前記温度範囲における平均値を求めて熱膨張係数とした。
【0124】
熱伝導率: 試験片(5mm×5mm、厚み1.0mm)の表面を加熱ヒータに接触させ、試験片の裏面を室温に冷却した放熱フィンに固定した。この状態で試験片表面を一定電力で加熱し、試験片の表裏面の温度差を測定し、電力当たりの温度差として熱抵抗値を算出した。また、熱抵抗値の逆数をとり、熱伝導率を算出した。
【0125】
また、表1に示す各組成の絶縁体ペーストを使用すること以外は、実施例1と実質的に同様の方法により10種のパワーモジュールを作製した。作製したパワーモジュールについて、ヒートサイクル試験を行った後、絶縁耐圧を測定した。なお、ヒートサイクル試験は、パワーモジュールを−55℃の低温条件下で30分間保持した後、125℃の高温条件下で30分間保持するという操作を、1000回繰り返すことにより実施した。
【0126】
各測定結果を、表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】
表2に示すように、無機フィラー70〜95重量部および熱硬化性樹脂組成物5〜30重量部を含有する場合(試料番号2〜10)は、熱伝導率に優れるうえに、弾性率が高く、半導体と同程度の熱膨張係数を有する絶縁体を得られることが確認できた。また、このような絶縁体層を使用したパワーモジュールは、ヒートサイクル信頼性が良好であることが確認できた。
【0129】
(実施例3)
図1に示す構造を有するパワーモジュールを、以下の要領で作製した。まず、実施例1と同様にして、離型キャリア上にリードフレームを形成し、リードフレーム上に半導体チップをフリップチップ実装した。
【0130】
次に、下記の組成を有する樹脂組成物にメチルエチルケトン溶剤を加え、アルミナボールを入れたポット中で48時間500rpmの速度で回転混合させて、スラリーを調製した。なお、メチルエチルケトン溶剤の添加量は、スラリーの粘度を約20Pa・sに調整することができる量とした。
(1)無機フィラー:AlN(ダウケミカル社製、平均粒子径12μm)85重量部
(2)熱硬化性樹脂組成物:シアネート樹脂組成物(旭チバ社製、「AroCyM−30(商品名)」)14重量部
(3)添加剤:カーボンブラック(東洋カーボン社製)0.3重量部、分散剤(第一工業製薬社製「プライサーフ F−208F(商品名)」)0.2重量部
次に、造膜用離型キャリアとして75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備し、この造膜用離型キャリア上に、上記スラリーをドクターブレード法でギャップ(ブレードと造膜用離型キャリアとの間の距離)を約1.4mmとして造膜した。次に、造膜シートを100℃の温度で1時間放置し、造膜シート中のメチルエチルケトン溶剤を乾燥させた。次いで、造膜用離型キャリアを剥離し、可撓性を有する絶縁体シート(750μm厚)を得た。
【0131】
次いで、半導体チップを実装したリードフレームと、絶縁体シートと、ヒートシンクとしてのアルミニウム板とを積層した。この積層体を、温度260℃、圧力9.8MPaの条件で1時間加熱加圧し、絶縁体シートの熱硬化性樹脂を硬化させるとともに、絶縁体層、半導体チップ、リードフレームおよびヒートシンクを一体化した。その後、離型キャリアを剥離し、パワーモジュールを得た。
【0132】
得られたパワーモジュールの熱伝導性を評価したところ、0.75℃/Wの熱抵抗値が得られた。また、絶縁耐圧を測定したところ、10KV/mm以上の耐圧が得られた。
【0133】
(実施例4)
図2と同様の構造を有するパワーモジュールを、次の要領で作製した。まず、離型キャリアとして70μm厚の銅箔を使用し、その表面に電解銅メッキ法により250μm厚の銅メッキ層を形成した。この離型キャリアの銅メッキ層表面にドライフィルムを接着した後、配線パターンを形成したマスクを介してドライフィルムを露光し、露光部分以外のドライフィルムを除去するように現像した。次いで、塩化第2鉄溶液中に浸漬して銅メッキ層をエッチング除去し、更にドライフィルムを苛性ソーダで除去して、離型キャリア上に銅メッキ層によるリードフレーム配線パターンを形成した。
【0134】
次に、リードフレーム上に半導体チップをフリップチップ実装した。半導体チップとしては、電流50A仕様のIGBT(松下電子工業社製)を使用した。半導体チップの表面電極に、直径100μm、高さ40μmのバンプを金メッキ法によって形成し、更にバンプに共晶半田を印刷した。半導体チップを、表面電極がリードフレーム側を向くように、リードフレーム上に配置した。半導体チップを固定した状態で半田リフロー装置にて共晶半田を溶融させ、半導体チップの表面電極とリードフレームとを電気的に接続した。
【0135】
続いて、前記半導体チップの背面電極とリードフレームとを、内部リードを介して接続した。内部リードは、銅板を打ち抜き加工した後、その表面に1μm厚の金メッキ層を形成することにより作製した。超音波ボンディング装置により、この内部リードを半導体チップの背面電極およびリードフレームに接着させた。
【0136】
次に、リードフレームおよび半導体チップを備えた離型キャリア上に、絶縁体ペーストを印刷して絶縁体層を形成した。絶縁体ペーストとしては、実施例1と同様のものを使用した。次に、絶縁体層上にヒートシンクとしてアルミニウム板(1.0mm厚)を積層し、温度175℃、圧力4.9MPaの条件で30分間加熱加圧し、絶縁体層中の熱硬化性樹脂を硬化させるとともに、絶縁体層、半導体チップ、リードフレームおよびヒートシンクを一体化した。その後、離型キャリアを剥離し、パワーモジュールを得た。得られたパワーモジュールにおいて、内部リードは絶縁体層内に埋設され、且つ、絶縁体層の硬化による変形は認められなかった。
【0137】
得られたパワーモジュールの熱伝導性を評価したところ、0.75℃/Wの熱抵抗値が得られた。また、信頼性の評価として、最高温度が260℃で10秒間のリフロー試験を行った。このとき、絶縁体層とリードフレームとの界面、絶縁体層と半導体チップとの界面、および、絶縁体層と内部リードとの界面に、間隙発生などの異常は認められず、強固な密着が得られていることが確認できた。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパワーモジュールによれば、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する絶縁体層と、前記絶縁体層の表面に形成されたリードと、前記リードの前記絶縁体層側の面に実装された少なくとも1つの半導体チップと、前記絶縁体層の裏面に形成されたヒートシンクとを備え、前記半導体チップが、フリップチップボンディングにより前記リードに実装されており、且つ、前記絶縁体層内に封止されているため、放熱効率に優れ、且つ、高密度実装が可能なパワーモジュールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパワーモジュールの一例を示す断面図である。
【図2】 本発明のパワーモジュールの別の一例を示す断面図である。
【図3】 本発明のパワーモジュールの別の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明のパワーモジュールの製造方法の一例を示す工程別断面図である。
【図5】 本発明のパワーモジュールの製造方法の別の一例を示す工程別断面図である。
【符号の説明】
101、111、201 半導体チップ
102、112、202 リード
103、113、203 バンプ
104、114、204 絶縁体層
105、115、205 ヒートシンク
106、116、206 表面実装型電子部品
117 内部リード
207 回路基板
301、401 離型キャリア
302、402 リードフレーム
303、403 半導体チップ
304、404 バンプ
305、405 未硬化の絶縁体層
306、406 ヒートシンク
307、407 硬化した絶縁体層
308、408 表面実装型電子部品
Claims (21)
- 無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する絶縁体層と、前記絶縁体層の表面に形成されたリードと、前記リードの前記絶縁体層側の面に実装された少なくとも1つの半導体チップと、前記絶縁体層の裏面に形成されたヒートシンクとを備え、前記半導体チップが、フリップチップボンディングにより前記リードに実装されており、且つ、前記絶縁体層内に封止されていて、さらに、配線層と基板層とが積層してなる回路基板が、少なくとも一つの前記配線層を前記絶縁体層表面に露出させた状態で、前記絶縁体層に埋め込まれているパワーモジュール。
- 前記半導体チップが、前記リード側の面に形成された第1の電極と、前記ヒートシンク側の面に形成された第2の電極とを有しており、前記第1の電極がフリップチップボンディングにより前記リードと接続されており、前記第2の電極が、前記絶縁体層内に配置された内部リードを介して、前記リードと接続されている請求項1に記載のパワーモジュール。
- 前記絶縁体層において、前記無機フィラーの割合が70〜95重量%であり、前記熱硬化性樹脂組成物の割合が5〜30重量%である請求項1または2に記載のパワーモジュール。
- 前記リードの前記半導体チップが実装された面とは反対の面に、電子部品が実装されている請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記リードが、少なくともその一部を前記絶縁体層表面に露出させた状態で、前記絶縁体層に埋め込まれている請求項1〜4のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂、硬化剤および硬化促進剤を含有し、熱硬化性樹脂の割合が50〜95重量%であり、硬化剤の割合が4.9〜45重量%であり、硬化促進剤の割合が0.1〜5重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、ノボラック樹脂と、イミダゾールとを含有し、エポキシ樹脂の割合が60〜80重量%であり、ノボラック樹脂の割合が18〜39.9重量%であり、イミダゾールの割合が0.1〜2重量%である請求項1〜6のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記無機フィラーが、Al2O3、SiO2、MgO、BNおよびAlNからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記無機フィラーの平均粒子径が、0.1〜100μmの範囲である請求項1〜8のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 前記ヒートシンクの前記絶縁体層側の面が、粗面化されている請求項1〜9のいずれかに記載のパワーモジュール。
- 離型キャリア上にリードを形成する工程と、前記リード上に半導体チップをフリップチップボンディングにより実装する工程と、前記離型キャリア上に、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂組成物を含有する未硬化状態の絶縁体層を、前記リードおよび前記半導体チップを被覆するように形成する工程と、前記未硬化状態の絶縁体層上にヒートシンクを積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を加熱して前記絶縁体層を硬化させる工程と、前記離型キャリアを剥離する工程とを含み、
前記離型キャリア上に前記リードを形成した後、配線層と基板層とが積層してなる回路基板を前記離型キャリア上に配置し、前記絶縁体層を、前記回路基板を被覆するように形成することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。 - 前記絶縁体層を形成する工程が、前記無機フィラーおよび前記熱硬化性樹脂組成物を含有するペーストを、前記離型キャリア上に塗布する工程である請求項11に記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記ペーストの塗布が、スクリーン印刷またはメタルマスク印刷によって実施される請求項11または12に記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記絶縁体層を形成する工程が、前記無機フィラーおよび前記熱硬化性樹脂組成物を含有し、且つ、未硬化状態で可撓性を有するシートを、前記離型キャリア上に積層する工程である請求項11に記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記絶縁体層を形成する工程を実施する間、または、前記絶縁体層を形成する工程を実施した後であって前記絶縁体層を硬化させる工程の前に、前記離型キャリア上に形成された形成物を真空中に曝す請求項11〜14のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記離型キャリアを剥離する工程の後、前記リードの前記絶縁体層側とは反対の面に、電子部品を実装する工程を含む請求項11〜15のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記絶縁体層を形成する工程の前に、前記リードの前記絶縁体層と接する面に、ニッケル、錫、半田および金から選ばれる少なくとも1種の金属メッキ層を形成する請求項11〜16のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記絶縁体層を形成する工程の前に、前記リードの前記絶縁体層と接する面を粗面化する請求項11〜17のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記絶縁体層上に前記ヒートシンクを積層する工程の前に、前記ヒートシンクの前記絶縁体層と接する面を粗面化する請求項11〜18のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記離型キャリアが、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートおよびアラミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機フィルムである請求項11〜19のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
- 前記離型キャリアが、銅箔、ニッケル箔およびアルミニウム箔からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属箔である請求項11〜19のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
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